読切小説
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輪廻の果てまでも


 輪廻転生という言葉を知っているだろうか・・・?生き物が死んだ時、その魂は輪廻を回り新しい命へと生まれ変わることである。

  本来そうなれば新しい命へと変わる前の記憶なんて誰も存在するはずなんかない。しかし、おれはどういうわけかその生まれ変わる前、つまり前世の記憶が残っていた。それが俺を最近悩ませ得ている種である。

 前世の俺はどうやら平安時代に生きていた陰陽師の類だったらしい。しかし安倍晴明とかそういった力のあるものでなく、いわゆる底辺クラスの実力しかなかった。別にその時の俺は己の実力を嘆いたりもせず、ただ与えられた役割である低級の妖怪と戦ってきたらしい。

 しかし、なにをどう間違えたのか彼は尾が6つ生えた妖狐という、ゲームとか小説でも非常に有名な妖怪に出会って連れ去られてしまったのだ。

 彼はどこか暗い洞窟に連れていかれ、そこで玩具のような扱いを受けた。服を切り裂かれ毎日ズタズタになるまで陵辱の限りを尽くされた。男が喚き散らそうが気にせず、泣き叫べば嬉しそうに笑い、愉悦に浸っていた。

 なぜ彼が攫われたかというと、たまたま自分がなぶり殺しにするために狙っていた獲物を横取りされ苛立ってしまったかららしい。ずいぶんと身勝手な理由である。

 しかし陵辱していく中で、彼女は前世の俺を気に入ってしまったのか激しい陵辱の最中に唇を奪われたり、愛おしそうに優しく愛撫する様子が目立っていた。そして耳元で毎日「お前は妾のものだ」「絶対に逃がさんぞ」と囁く。

 それを聞くたびに男は恐怖し、同時に悦んだ。どうやら長い陵辱にも心と体を侵されたようだ。しかし彼は陰陽師の端くれ、ゆえに彼は完全に堕ちきる前に妖狐の前で舌を噛み切ったのだ。

 その時の彼女はまるで般若のように怒り狂い、同時に両目から涙を溢れ出していた。そして絶叫のように叫ぶーーーー。




ーーーーおのれっ!!たとえ輪廻へと逃れようと決して逃がさんぞ!!貴様の魂は妾のもの、必ず追い詰めてやろう!!ーーーー


 これが前世の記憶の最後だ。これのせいで毎回朝は目覚めるたびに下半身が盛り上がり、狐を見るたびに怯えながらも体をが興奮してしまう。

 おまけに現代は、何十年前から異世界だかどこからかやってきた魔物という存在が溢れ、妖狐や稲荷といった同じ種族や似た種族が多いため、街で見かけるのはよくあるのだ。ゆえに常に股間が反応しっぱなしで大変辛い。しかも何度自粛に励んでも立ちっぱなしで自然におさまるのを待つしかないのだ。

 今日も俺は悩ましい悪夢のような前世の記憶にうなされながら街を歩いていた。と、そんな時ふと目の前に女の人が近づいてきた。金色の髪に奇抜な服装はまるで痴女そのもの、なにより纏った雰囲気があまりに異質だ。まるで別次元のような存在を目にしたかのようだった。周りにいた人間の男や女はその人に見惚れており、某然とその場に立ち尽くしていた。

 俺自身もその時つい亜然としたが、その女が俺の横を通った瞬間、鳥肌が立ち戦慄を覚えた。そして何より、耳に囁かれた言葉が俺に恐怖を覚えさせた。



ーーーー見ぃーつけた・・・・・ーーーー


 やつだ、前世で俺を陵辱したあの妖狐だ・・・俺は確信し、その場から走って逃れた。そしてすぐに稲荷を祀る神社に赴き、お札を大量に買い取りアパートへと戻った。

 窓やドアの鍵を閉め、至る所にお札を貼り付けた。そして布団に包まりお札を握りしめる。おそらく奴は俺の家をすでに特定しているはずだ。いつ襲って来るかも分からない。昔の俺は多少なりとも力があったが、今の俺に出来ることはただこうやって閉じこもることだけだ。

 俺は怯えながら震えていると、突然扉をノックする音が聞こえた。俺は驚くが、無視を決め込む。ドンッ!!!と扉を破壊したのではないかと思うほど大きな音が響き、俺はついひっと悲鳴を漏らした。するとくつくつと扉の方から笑い声が聞こえた。

「やはりここだったか・・・貴様の匂いはここに続いていたからすぐに分かったぞ・・・陰陽師よ、いるのは分かっておる、早く妾をいれてくれ」

「っ!!?」

 やつだ、奴の声だとはっきり分かった。俺は歯をガチガチと鳴らしぎゅっと布団にくるまり続ける。すると尚も扉を叩く音が鳴り囁きが続く。

「どうした、怖がることはないぞ。時を経てようやく妾と再会できたのだ。妾も嬉しいのだぞ?早くここを開けておくれ・・・陰陽師?・・・・なんだ、いないのか?・・・・しかたない、出直すとするかの・・・・」

 ・・・・・俺はその言葉を聞こえて数分が経った後、ゆっくりと布団から這い出て扉へと歩く。そして、のぞき穴へと目を合わせ、外を見るとそこには誰も存在しなかった。姿どころか気配だってない。

「・・・い、行ったのか・・・・」

 俺は思わず安堵のため息をついた・・・・がっーーーー





「なんだ、やっぱりおったではないか」

「えっ?」

 「あむっ」

 ちゅぷ、じゅるるうぅぅぅ

「あぁぁぁぁぁあああああっ!!!」

 下半身に強い刺激が与えられ、十秒も経たずに射精してしまった。そしてその強い快楽に俺は腰砕けになりその場に尻餅をつく。目の前には当然、あの時・・・前世の時とほぼ同じ、尾が9本へと増えていたあの妖狐がいた。

「まったく・・・妾がきてやったというのに、このような札を貼ってまで妾を拒むとはな・・・」

「な、なんで・・・お札が・・・」

「ん?なぜというか貴様は・・・くくっ、貴様が輪廻転生を果たしていったい幾多の年月が経ったと思っておる。おまけにあの魔王とかいうものがこの世にやってきてから、妾もまた奴らの影響を受けたのだ。あの時の妾なんぞもはや赤子同然よ。ましてやこんな格下の者の札なんぞただの紙切れよ」

 そうか、この妖狐も魔物の影響を受けて力が上がったのか。そして自分がお札を譲ってもらった相手の稲荷は尾が7本だった。今の奴は最高位である9尾、しかも千年近い年月を生きている奴の力は凄まじいものになっていたのだ。

「理解したようだな・・・では、早速あの時の続きといくかのう」

「や、やめろ!」

 俺は妖狐に向かって両手を突き出しても、奴は対して気にせず俺を抱え上げる。そして何時の間にか衣服を脱ぎ捨てており、奴の秘所は丸出しとなっていた。

 そこはすでに濡れており、それを見た瞬間、俺はつい唾を飲み込み今から訪れる快楽を期待してしまった。そしてついにーーー

「ではもういれるぞ・・・」

「っ!や、やめ・・・・・はぁぁぁぁああああああ!!」

 俺は碌な抵抗も出来ず、ペニスは一気に根元まで妖狐の膣へと飲み込まれてしまった。そしてその瞬間に射精してしまい、いつもより長く精液が迸っていた。

「んんんんん♡はぁぁ・・・・千年ぶりの陰陽師の精・・・やはりこの味でないと満足できないのう」

「はっ、が・・・こ、こんな・・・なんで」

 俺はあまりの射精の勢いに恐怖を覚える。しかし妖狐は恍惚とした表情で俺の醜態を眺める。

 しかし陵辱はまだ始まったばかり、前世でも陵辱は日がくれるまで続いていた。

「さて、では二度めも貰うとするか」

「いやだ、離せ!!離せよこの!!」

「・・・あいもかわらず、情事の最中にうるさい奴よのう」

「むぐぅっ!!?」

 俺は尚も叫ぼうとするが、尻尾の一本が口に突っ込まれ声を封じられてしまった。

「お前は妾の尻尾に奉仕しておれ、妾はお前のここで楽しませてもらうからの」

「〜〜〜〜っ!!!」

妖狐は腰を振り先ほどよりさらに強い快感
を俺のペニスへと与える。俺は悲鳴をあげそうになるが尻尾で口を塞がれているため声をあげることは叶わない。さらに尻尾もピストンに合わせて動き口内へ出たり入ったりする。まるで女性が男性に奉仕するかのように・・・。

「くくくっ♡陰陽師の肉棒が妾の蜜壺で動く度に胸が高まる・・・さて、そろそろ妾も達しそうだ・・・お前も妾に存分に注ぐがよい」

「っ!!?」

「嫌がっても無理だぞ・・・ほれ♡」

「〜〜〜〜〜〜〜っ!!?」
 
 俺は何度も首を横に振り出したくないと意思表示するも、それを嘲笑うかのように妖狐の膣内が蠢き、俺は再び射精してしまった。しかも二度目だというのに先程と同じくらいの量であり、ペニスもまるで衰える様子が見られなかった。。

「あ、あぁ・・・・」

「くくくっ、もう抵抗する気もなくなったようだな・・・だが、この程度では済まさんぞ。妾の寵愛を拒むだけに飽き足らず、自らの命をたってまで逃れようとしたのだ。貴様を徹底的に犯し、妾だけを求めるようにしてやるとしよう」

 俺はそんな言葉を聞かされながら、気を失ってしまった。それからというもの、俺はどこかに連れ去られた。そう、前世と同じように・・・。俺はそこで再び陵辱の限りを尽くされた。しかし、前世とは違い魔王の魔力の影響を受けて妖狐の本質が変わってしまったからか、射精に伴う疲労感や命が吸い尽くされるような感覚もなく、快楽と妖狐への想いがどんどん強くなっていき、前世よりも長い時間を情事につぎ込むようになった。

 ついには俺自身が望んでやつに奉仕するようになってしまった。毎日妖狐より早く起床し、奴の秘所を舐め、一日中情事へともつれ込む。そして俺は妖狐が快楽で顔が蕩けるのを見るたびに愛しさが増していく。

 俺はもう、この妖狐から逃げられない。たとえ前世と同じように舌を噛み切ろうとも、再び俺の魂を見つけ出すだろう。

 俺は未来永劫、妖狐のものとなってしまったのだった。





14/01/25 21:32更新 / ニア

■作者メッセージ
というわけで、今回は始めての魔物単体に挑戦してみました。ラブラブもいいけど、こういうちょいヤンデレが入っているのもありだと思います。


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