「確かめてみるか・・・」

　アルトは教会から響いてきた声が気になり、扉を開け再び足を踏み入れた。薄暗い礼拝堂に女神のステンドグラスが輝き、人っ子一人見当たらないいつも通りの光景。アルトは声の主がいないことを確認すると、いったいあの声はなんだったのかと首をかしげ再び外へ出ようとしたが―――



「あ〜ぁ、開けちゃったね♥」

「っ！？」

　バタンと扉が独りでに閉まり、先程の笑い声と同じ声がすぐ背後から聞こえた。アルトは背後を振り返ると、そしてそこにいたのは、祭壇に足を組んで座り、好色そうな笑みを浮かべてアルトを見つめている一匹の魔物の姿であった。

　幼い見た目だが青白い肌とコウモリの翼に、本来白い所が黒く染まった赤い瞳を持ち邪悪な雰囲気を漂わせるそれは昔アルトが教会で教えられた悪魔の姿によく似ていたのだ。

「悪魔！？なぜここに・・・！！」

「くすくす♥まさか散歩してたらこんなところに年若い神父さんがいるなんて思わなかったわ♥」

　魔物『デビル』はくすくすと笑いながらゆっくりとアルトの方へと歩み寄ってくる。アルトはすぐに腰に差した刃先の潰れた剣を抜き、デビルを寄せ付けまいと身構える。

「俺にいったい何のようだ・・・俺はこれから旅に出る予定なんだがな」

「あら、そうなの。でも残念、私はあなたのこと気に入っちゃったの♥まるで穢れを知らないような出で立ちに真っ直ぐな瞳、生真面目そうな雰囲気♥いいわぁ、すっごくいい♥全部汚し尽くしたくなっちゃうくらい♥だから、私があなたを堕としてあげるわ♥」

　どうやらアルトはたまたま通りかかったデビルに目をつけられたようであり、声の正体を探ろうとした彼はまんまと教会の中に誘いこまれてしまったのであった。しかしアルトは焦ることなく剣を構え続けながらデビルに言葉を返す。

「ふん、俺を堕とすだと？随分と舐められたものだな」

「あら、そういうあなたこそ随分と腕に自信がありそうね」

「当たり前だ、これでも元勇者だからな」

　アルトはそのまま一気に走り出し、デビルへと襲いかかった。

「殺しはしない・・・だが、俺を狙ったことを後悔させてやる！！」

「ふふっ♥やっぱり見込んだとおり・・・♥なら全力で堕としてあげる・・・この口で、手で、足で、オマンコで、快楽の渦に沈めてあげる♥」

　アルトはまるで自分が負けるはずがないと言わんばかりに自信満々に叫びながら今なお笑みを絶やさないデビルに剣を振り下ろしたのであった。





　数時間後、礼拝堂には両手両足を魔法で拘束された状態で後ろからデビルに抱きかかえられ、両手でペニスを上下に擦られながら耳の中を舌でぐちゅぐちゅと音がでるほど舐められ、快楽に顔を惚けさせたアルトの姿があった。国を逃げ出してからまともに剣の鍛錬もしておらず感覚も鈍っていたのであろうか、アルトは勇者として鍛えてきた魔法はかき消され剣撃は防がれ、そのままあっさりと剣を弾き飛ばされてデビルに捕まってしまったのだ。

「ふぁぁああああああ♥」

「んっ・・・♥ずちゅ・・・ずぞぞぞぞっ♥あははは♥さっきまであんなに自信満々にしていたのに、たったこれだけでとろとろになっちゃうなんて♥情けないわね〜」

「う、うるさ・・・ひぁぁぁあああ♥」

　アルトは反論しようと口を開がすぐにデビルのもたらす快感によって情けない声をあげる。元々教団の教えもあり、勇者としての鍛錬に明け暮れ、オナニーすらしたことのない彼にとってデビルがもたらすものは今まで体験したことのない未知の感覚であった。当然抗おうにもただ悲鳴を上げることしかできず、アルトは悶えるばかりであった。

「もうそんな風にだらしなく口を開けちゃって♥んふふ、かわいい♥・・・ちゅっ♥」

「んんんんんん！！？♥」

　デビルは悲鳴をあげるアルト顎を掴み無理やり振り向かせると、彼の口に自らの唇を押し当て、舌で歯をこじ開け口内を舐めまわす。口を塞がれたアルトはくぐもった声しかあげられず、自分の口に入っている舌に翻弄され続ける。強い快楽に脳が焼ききれるような思いをしながらもなんとかして振り払おうと、デビルの舌を追い出すために自分の舌で押し出すが逆に舌を絡め取られ、たっぷりと舐め回されることになった。

「んっ♥ぺろ♥じゅるる・・むちゅ♥ぢゅうぅうう〜っ♥」

「ん〜♥んぅ・・・むぐ♥ぶちゅ♥・・・んんん♥」

　あっさりと捕まった舌はそのまま呑み込まれそうなほどに強く吸われ、再び快楽によって手足をビクビクと震わせる。次第に抵抗できなるどころか自ら舌を絡ませるようになった。もはやデビルの為すがままになっているアルトは快楽で緩みきり、すでに手足にも力が入らない状態になっていた。しかしデビルに握られているペニスは大きく怒張しており、キスをされながら上下に擦られる度にビクビクと震えている。もはやいつ暴発してもおかしくないほどである。

　それを見たデビルはにんまりと笑い、止めを刺そうと右手でアルトの頭を抱え、より深いキスをしながらペニスを擦る速度を早める。そしてついにそれが決壊し、びゅーびゅーと音を立てて噴水の如く精液が吹き出た。

「〜〜〜〜〜っ♥」

「ぷはぁ・・・♥あはは、凄いいっぱい出たね♥どれだけ溜めてたのかな〜君は」

「は、はへぇ〜・・・♥」

　ほぼ暴発に近い形でペニスから精液を迸らせ、デビルの左手を真っ白に染め上げる。そしてようやく口を離すとアルトは涎と涙で顔が汚れだらしなく口が開きっぱなしになり、目はとろんとなり理性はもはや快楽によってドロドロに溶かされていた。

「ん〜♥この味、たまんない・・・そろそろ私も我慢の限界だし、もう一気におまんこに入れちゃおっか♥」

「や、やらぁ・・・くるなぁ♥」

　デビルもアルトの痴態を見てすっかり興奮したのか頬を上気させ、荒い息遣いのまま彼を押し倒し、愛液がだらだらとこぼれ落ちる膣に、出したばかりだというのに今だに浅ましくそそり立つアルトの剛直を差し込もうと狙いを定める。

　アルトはそれでも押し返そうとするがその抵抗は弱々しく、デビルを押し戻そうにもただ触れていることしかできなかったのであった。

「あはははははっ♥それで抵抗してるつもりなの？全然力が入ってないよ〜♥このままじゃ貴方のオチンチン、私のオマンコに食べらちゃうよ？」

「らめぇ♥今、今いれられたら・・・堕ちちゃう、堕ちちゃうからぁ♥」

「ふふっ、いいんだよ堕ちても♥ううん、堕としてあげるわ・・・二度と這い上がれないほど一番深い場所に堕として、もう私と交尾することしか考えられないようにしてあげる♥」

　アルトの抵抗は虚しく、デビルはどんどん腰を下げていきついに―――

「それじゃあ、あなたのオチンチン、いっただっきま〜す♥」

「ふわぁぁぁああああああああああっ♥」

　ずぶりとアルトのペニスはデビルに呑み込まれた。そして同時に膣からもたらされる快感はあまりに強く、入れられてすぐにアルトはデビルの中に精液を注ぎ込んでしまった。

「ん〜〜♥入れた瞬間に出しちゃうなんて堪え性がないオチンチンね♥これからたっぷりねっぷりオマンコで鍛えてあげる♥取り敢えず今日は最低五回は中出しね♥」

「ひっ♥あひっ・・・♥」

　デビルはあまりにも早い射精に嘲笑しながらも嬉しそうにして愛しそうにアルトに体を摺り寄せるが、快感によって意識が半分飛んでしまったのか、最早デビルに言葉を返すこともできずアルトは恍惚な顔をして情けない声を漏らしていた。しかしデビルはそんなことを気にする様子もなく腰を淫らに振り続ける。

「ほらほら♥もっといっぱい出して♥私が全部受け入れてあげるから♥」

「や、やめへぇぇえ・・・また♥また出ちゃぁぁぁぁあああああっ♥」

「んんん♥もう3回目なのにまだこんなに濃い・・・でもまだ満足してないの♥もっといっぱい、妊娠するくらい出して♥」

「んあぁぁああああああああ♥も、もう・・・なにもかんがえられなくなっちゃうよぉぉお♥」

「いいのよ、今は何も考えなくて♥今は射精に集中して♥」

「あぁぁぁぁぁあああ♥またいっちゃうぅぅぅうううう♥」

　その交わりは日が沈み、月が夜を照らす時間になるまで続いたのであった。




　それから数ヵ月後、デビルの調教によって徹底的に快楽を刷り込まれたアルトはすっかり骨抜きにされてしまい、身も心もデビルに捧げるようになってしまった。そして今日も廃れた教会で淫らな交わりが行われていた。

「ひっ♥ひっ♥はっ♥あっ♥き、きもちいよぉぉおお♥」

「あんっ♥もう、朝からずっとやり続けたのにまだこんなに出るなんて♥やっぱり貴方は素敵ねダーリン♥」

　アルトは後ろから何度も腰を振り、力強くデビルの尻に打ち続ける。その顔にはもはやなんの悩みもない様子で、ただ快楽を貪っていた。一方デビルも四つん這いになり、アルトとの交わりに夢中になっている。その顔は惚けきっており、交わりによってできた新しい命が詰まった大きいお腹を揺らしながらアルトに情愛の眼差しを向けている。

　アルトの中では魔物に対しての疑問は完全に消え去っており、ただ目の前にいる愛おしい悪魔と快楽を与え合いたいという気持ちしか残っていなかった。デビルもまた、アルトを堕とそうとしている中で、快楽に染まりだらしなく彼女に甘えるアルトに胸が高鳴り、インキュバスにした後に半ば強引に彼と結婚したのである。そして今日もまた二桁を越えるであろう射精が近いのか腰を振る速度を早め、再びデビルの中に精液を注ぎ込んだ。

「はぁぁぁあああああっ♥」

「んんんんんんんっ♥」

　どぷどぷと中に出ているのを感じながらデビルはアルトと同時に絶頂し、膣内に入りきらなくなった精液をこぼしながらその身を震わせる。そしてついに脱力し倒れるが、そのままアルトと向き合うように体勢を変え、両手を握り合わせて深いキスをする。

「んっ♥ちゅっ・・・♥ダーリン、愛してる♥ちゅっ♥」

「んっ♥はぁっ・・・ちゅっ♥俺も♥ちゅっ♥愛してる♥」

　二人は互いに愛を囁きながら何度もキスをする。そんな二人の指には魔界銀によって作られた結婚指輪がはめられていたのだった。




　こうしてアルトの冒険は、デビルによって始まる直前に終わってしまったのであった。







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　END

■作者メッセージ
というわけで初のエロでした。基本的にこんな感じで進みます。まだまだいたらないところがあると思いますが、どうぞよろしくお願いします。