H2 ヒーローと言う名のゴーストファイター
俺たちはあのあと、サザナミさんに視聴覚室というところに連れて行かれた
視聴覚室には、大きなスクリーンがあり、青白い光がそのスクリーンを照らし出していたんだ
サザナミ「さぁて、これで揃ったな…お前たちには、今からヒーローになる上で大事な知識を、ビデオで学んでもらう!!反論や質問があるやつは…?」
サザナミさんは、部屋にはいってすぐにスクリーンの真横の方にあった木製の机の方に移動すると、みんなに対してそういったんだ
正直、いきなりそんなことを言われて、反論や質問があるやつって聞かれても…返答に困るよな…?
だって…俺たちはなにも知らずにここまで来てるんだし…
サザナミ「いないみたいだね…よし、それではビデオを見てもらうから…静かに見るように!」
そう言うと、スクリーンにビデオが映し出された…
すぐに、日曜の朝に、子供向けの番組で流れてそうな…
そんな感じのオープニングテーマが流れ出す…
……くぅっ…子供向けのOPのはずなのに、少し俺の好きなテンポなのが、素朴に悔しい
【さぁ!!テレビの前のヒーローの卵諸君!!初めまして!!今回、このビデオを君たちが見ているということは、ヒーローになるという決心がついた…そういうことだね!!私は猛烈に歓迎しよう!!
私の名前は…ヴィジョンヒーロー サポート!!君たちがヒーローとして、どうあるべきか…そして、ヒーローの心得を伝授するための…バックアップだ!!私のサポートを受けて、頑張って欲しい!!】
な、なんだ…!?この…子供向けのヒーローを二次元チックにデフォルメしたヒーローは…!?
……かっこいい…実は俺、こんな感じのとんがった形のヒーローが好きなんだ
文章では伝わらないのが…何とも悔しい
【さぁ、君たちがヒーローとなるためにまず必要なこと…それは変身スーツの仕組みを理解し、自分たちのものにすることだ!!ヒーローといえば、かっこいい変身!!これが醍醐味だからな!!
そもそも、変身スーツには大きく分けて、三つの種類があるんだ!!
どんなスーツになるかは、変身する人物の素質によって決まる…
とりあえず、ここではどんなスーツのタイプがあるかを説明するぞ!!】
……変身スーツって……一種類じゃなかったのか……
俺はてっきり、今写っているような、子供向けの物しかないのかと…
【一つ目!!戦隊ヒーロースタイル!!今私が着ているような…最高にクールでいかした服装だ!!素材は軽く、その上丈夫!!オール季節OKというすぐれものだ!!これはすごい!!
このタイプの最大の特徴は、もの凄い豊富な必殺技!!派手な演出!
そして、子供受けのよさだろう!!
心のそこから、自分の正義を持つもの…悪を絶対に許さないという強い意思を持つものが、このタイプになる
少々周りが見えなくなるタイプが多いので、一緒のパーティーになったときは注意しておくことだ!! 】
おぉっ……以外に、真面目に説明するんだな…
【二つ目!!魔法少女スタイル!!(男の娘も可!!)オタクな男子の心にクリーンヒットする、エキサイティン!!なタイプだ
服装が厚い者が多く、夏が少々苦手になる時もあるが…そんな時には変え衣装で夏用にチェンジだ!!
一昔は、男子がなると混沌を生み出していたこのスタイルだが…最近はコスプレというものを男子も受け入れ始めているがゆえに…
むしろ、コスプレをするという行為に誇りを持つ男子もあらわれたことにより、数が増えつつあるスタイルだ!!
このタイプの最大の特徴は…圧倒的メディア力!!驚異的攻撃範囲!!
そして、ファン層の広さだろう!!
二次元がとても好きだ…その心には性別も関係なぁいっ!!というタイプの者が、このスタイルになりやすい
注意点は、正義力を攻撃にものすごく消費するので、長いあいだ戦えないということだ!!】
………い、一応…正義の味方…だから、ヒーロー…なのか?
うーむ、俺…少しヒーローの基準がわからなくなってきたよ…
【三つ目!!ダークヒーロースタイル!!人の指図は受けない!!俺の道は俺が決める!!という、孤高な心をもったスタイルだ!!
このスタイルの最大の特徴は、ほかのスタイル以上の遥かな攻撃力!
そして、全てを巻き込む最凶クラスの必殺技だ!!この必殺技こそ、ダークヒーロースタイルといっても過言ではないだろう!!
自分自身に絶対的な信念…また、ヒーローにはなりたくないといった矛盾した正義の心をもった者がこのスタイルになりやすいようだ
注意点は…協調性がまるでないことだ!!
パーティーにいるときは、常に気を配る必要があるぞ!!】
この三つのスタイルが、変身スーツの種類ってことなんだろうか?
……まったく、口だけの説明だとわからないけども…
【以上が、変身スーツの説明だ!!わかったかな?
次に、ヒーローの力の源とも言えるエネルギー…魔力エネルギーについて説明しよう!!」
へっ…?
ま、まりょくえねるぎー?
なんだよ…その気が抜けそうな名前のエネルギーは?
しかし、ヒーローの力の源ってことは…このことを真面目に勉強しておけば…
何かの役にはたつかも知れないんだよなぁ…
仕方がないけど、見るとするかな…
【ヒーロー諸君は、ヒーローが正義の力で変身すると信じていることだろう…
私としても、そうだ!!っと、胸を張って言いたいが…実はそうじゃない!
ヒーロー協会のたぐいまれなる科学力や、都合のいいなにかが働いてできているんだ!!そして……科学力だけでは、どうにもならないこともあった
その状況を打破したのが、魔力だ!!
元々、人間には誰しもに微量の魔力を持っている…魔物娘たちは性と呼び、好んでいるこの魔力…これこそがヒーローをヒーローとするために必要な物なんだ!!
人間には元々、この魔力が宿っていて…この魔力の結合が生命の神秘…そう!子供を作ることができるという、奇跡を体現するわけだが…
この魔力は、ものすごく不安定な物なんだ
ヒーローは童貞…そして処女しかなることができない!!それはなぜか!?
ほかの魔力を含んだことのない、清らかな魔力を持っていなければ魔力と科学を融合させて、スーツの力を使えないからなんだ!!
だからこそ、君たちには清い体でいてほしい!!
しかし……そんな君たちを襲う驚異があるのも事実だ…
次に、その驚異について説明させてもらう!!】
………ど、童貞にそんな秘密が!?
し、知りたくなかったし、まったくもって嬉しくねぇんだけど…
まぁいい、気にしちゃダメだ‥うん
そんなことより!!驚異だ…驚異のことだよ!!
【君たちにある驚異…それは、この世界に私たちと一緒に存在している…
そう!!魔物娘だ!!私は、普通の人間に彼女たちと仲良くして、結婚するなと言うつもりはない!!むしろ、愛があるならば構わないだろう!!
しかし…ヒーローである君たちは別だ!!
普通の人間ならば、膣内射精してしまわない限り、魔力が不安定になることはない…しかし!!魔物娘は強烈な魔力を有しており、キスなどをするだけでも、ヒーローになれなくなってしまうのだ!!
さらに……女性が襲われた場合は、ヒーローになれなくなるばかりではなく、ヘタをすれば魔物になってしまうのだ!!
そのようなこともあるので…ヒーロー諸君!!性行為は厳禁…そして、魔物娘にも気をつけてくれ!!】
………ま、まさか…人間と魔物にそんな関係があったなんて…初めて聞いたぞ
だ、だって……学校ではまだ習ってないし…俺、少し引きこもりの時期もあったし…
っと、そんなことを考えていても、ビデオは容赦なく先に進んでいく…
【次に……気をつけるべき魔物娘に対して、学ぶことがある!!
その注意点を各自、ランキングにしてみたから、しっかりと学んで欲しい!
@ ヒーロー生存率が極めて低い魔物ランキング!
3位:ドッペルゲンガー
知らぬ間に、知り合いに化けられていて、被害にあうヒーローがあとを絶たない ヒーロー諸君は身近な知り合いの言動を常に監視し、異変を感じたら距離を置くこと!!
2位:ベルゼブブ&デビルバグ(驚異度同値)
ヒーローの生活は、不定期になりやすく、身の回りの清掃が疎かになりやすい!!しかし、清掃を疎かにするとやってくるのが彼女たちだ!!
彼女たちはヒーローがいなくてもなぜか室内に忍び込み、ヒーローの衣服や食べカスやらを漁っている!!
そして、運悪く彼女たちがいるときにホームに帰ってしまうと……
何が起こってしまうのかは、報告してくれたヒーローが一人もいないので不明となっている
1位:ユニコーン
純潔の白い白馬……ヒーロー最大の天敵は間違いなく彼女たちだろう!!
神速の童貞キラーとも囁かれている彼女たちの驚異点は、ヒーローを見つけるのがものすごくうまいことにある!!
変装能力を使おうと、姿を能力で隠そうとも…彼女たちには無意味なのだ!
見つかり、対象にされたら最後…あとは狩られるだけだ
であったらヒーローとしての最後を覚悟するべき…最強クラスの魔物娘である!!
】
それから、長いあいだビデオでよくわからないランキングが続いたが…
長かったビデオも、ようやく終わったんだよ!!
ビデオに要した時間は約3時間…最後まで見た奴は……
コナミ「すーっ…すーっ…くひひっ」
シンタロウ「………くー……」
…………俺だけ…だとっ…!?
サザナミさんまで眠ってるじゃないかよ!!
みんな…どれだけやる気がねぇんだ…!?
そ、それとも……俺がバカ正直にビデオを見たのが悪いのか!?
俺はそう思うと、即座にみんなを起こして回ろうと思ったが……
ここであることを思いついてしまったんだ
この状況…ヒーローに本音なりたくない俺に対しては、絶好の逃亡チャンスなんじゃないか?
よぉっし…そうと決まれば…この部屋をこっそりと出るとしようか…
ガチャッ……
ビー!!ビー!!
ハヤテ「えっ!?何!?何なんだ!?いったい!?」
サザナミ「誰が勝手に出ていいって言った!?はぁーん…ハヤテ…あんたかい……」
ハヤテ「ち、違いますよ!!やだなぁ…ぼ、僕はただ…トイレにいこうとして…」
シンタロウ「説明しよう!!ハヤテが一人称を俺から僕に変えたときは、なにか後ろめたいことがある時なのだ!!」
ハヤテ「バカっ…シンタロウ…お前っ!?」
サザナミ「それはあたしも知っているさ…でもまぁ…ここで見つかったら、逃げようなんてできないだろ?さぁて…あんたらには次に…ヒーロー適正試験を受けてもらうから、そのつもりでね?さぁ、シュウレン…わかってるね?」
シュウレン「わかっている…さぁ、お前ら俺についてきてくれ」
サザナミさんは俺たちにそう言うと、手を振りながら視聴覚室の奥の部屋に入っていった…
って、あの部屋…サザナミさんの部屋なのか…
まさか、視聴覚室の奥に自分の部屋を置くなんて…
そう思いながら、シュウレンさんの後についていく俺たち…
サザナミさんはヒーロー適性試験がどうとかって言っていたが…
いったいなんのことなのか…俺には検討もつかないなぁ…
あっ!!もしかして、その試験で適正じゃないって判断されたら家に無事に帰れるかもしれないじゃないか!!
よぉっし……ひどい結果を出すぞぉ!!
そう決意も新たに、俺が向かった場所は…
このヒーロー協会?のグラウンド…とは程遠い、何かの施設のようなところだった
俺はてっきり、適性試験だっていうから、体力テストでもするのかと思ったのに…
シュウレン「さて、みんなには今から一人ずつ、この機械のなかにはいって、なかにいる奴と会話してもらいたい…その会話から、機械がお前たちのヒーローのタイプを判断し、適切なスーツを作成してくれる。まずはそれからだ」
えっ…機械って……この目の前にあるすごい大きな鉄製の部屋のことか…!?
た、確かに…この黒い色の神秘的な雰囲気が漂う鉄の部屋のなかに入れば…
なにかが起こる気はする…よな…
くっ……ヒーローになりたくなんてないのに…
微妙に気になる俺がいる…だと!?
こ、こんな気持ち…ホラーゲームを夜にプレイするあの時以来だぜ…
シュウレン「さぁて、まずは……そこのお前、お前から入ってくれ」
??「私…?こわいよぉ…」
シュウレン「そんなに怖くはないから、安心しろ…さぁ、入れ」
そう言いながら、フリフリの黒い衣装に身を包んだ女の子を機械のなかに誘うシュウレンさん…
えっ…!?ちょ…ちょっと待ってくれよ?
あの子…どうみても小学生ぐらい…だぞ?
……い、今のご時世、見た目は子供、中身は大人なんてありえないのは理解してる…ってことは、本当に小学生くらいなんじゃないのか!?
そう思い、部屋を見回して見ると…明らかに小学生って言えそうな子供たちが不安そうな顔をしているのがしっかりと見えた
童貞や処女ならヒーローになれるとはいえ…見境なしかよ…
少しだけ、ヒーローに対しての不信感が強くなったね…
そうして、しばらくすると機械の中から女の子が出てきたんだ
………!?お、おい…なんだ!?あの子の服が…微妙に違う…!?
さっきまではゴスロリってやつ?みたいだったのに…
今はボンテージだと!?俺のM心がくすぐられる…
………えっ?俺なにか思ったか?それは気のせい、気のせいだから
しかし、小さい女王様って言うのも、俺的には……あり‥だな…
??「あの……これ……」
シュウレン「ふん……それが変身スーツだ…その形状からするに、魔法少女タイプだろうな……えっと、それじゃあ、登録するから……名前は?嬢ちゃん」
??「あっ……そ、そのお…冬里 マツリです……」
シュウレン「ふむ…了解した…では、次…」
そうして、結構な人数が装置のなかにはいっては服装を変えて出てくる…
もう、コナミもシンタロウも変身スーツとやらを受け取って出てきたんだ
コナミは……純度100%のスクール水着…それ以外の答えを俺に出すことはできないほどのスク水だった
シンタロウは……メガネがすごくかっこよくなって、ヒーローのような外見に……というか、サラリーマンみたいだというか…
コナミは魔法少女タイプで、シンタロウはヒーロータイプらしい
っと、そう説明している間に、ついに俺の番がきたみたいだ
遠くの方で、シュウレンさんが俺の方を見て手招きをしているし…
……いざ、入るとなると…なんだか怖いなぁ…
しかし!!今までいろんな人たちが入ってきたんだ…
ヒーローになりたくなんてないけど…入らないとなんか言われそうだしなぁ…
と、俺はここで覚悟を決めたのだった…
なかに入ると、部屋はものすごく薄暗く……部屋の真ん中だけが綺麗な色で光っているのが見えたんだ
ハヤテ「これは……床が光っているのか…?」
??「ようこそ……ここは、君の心の中の空間……ここで君に少し質問をさせてもらうね?」
だ、だれだ?
俺は、不意に聞こえてきた男とも女とも言えないような中性的な声を突然聞いて、あたりを見渡す…しかし、やっぱりというべきか…
あたりには誰もいないんだよなぁ…
……でも、よくよく考えたらここは機械の中…なんだよな?
だったら、プログラム音声の可能性もなくはないか…
シンタロウが一回、自分で作ったって音声ソフトの音声によーく耳をすませば似ている気がするし…きっとそうだな!!
??「一つ目……っと、そうだ…読者のみんなもこの質問に答えて見てくれないかな?最後に…自分のヒーロータイプがわかるかもしれないよ?」
ハヤテ「だ、誰に言っているのか…気になるけど…つっこんだら負けなんだろうな…だから、つっこまない!!」
??「一つ目……ここに、三つの武器がある…
【勇敢で非情な剣】:全てを切り開く勇気の証…弱気を守るための刃
自らの守るもののために、ほかの人の幸せをも奪う力
【堅実な卑怯者の盾】:全てを守る強き意思の証、皆と歩むための盾
自らを守るために、仲間を裏切る力
【栄光と傲慢の杖】:堅実に未来へ向かう決意の証、未来を作る為の杖
自らの未来のために、他者を見下し踏み越える力
さぁ、君なら…どの武器を選ぶかな?」
………ど、どの武器も選びたくねぇ…
どの武器も他人を傷つけるじゃないか…
で、でも……どうしてもひとつ、選ぶしかないとしたら……
俺はそうだな…
ハヤテ「盾…かな…」
??「なるほど…それが、君が選んだ力なんだね、では次の質問だ」
次の質問…かぁ…
答えにくいものじゃなきゃいいけど…
??「君が次の三つの中で、怖いものはなんだい?
【友や家族との永遠の別れ】
【理不尽だらけな世の中】
【孤独】 」
………どれも嫌だけど、強いて言うなら…
友達や家族とは離れたくないな…俺は…
ハヤテ「友や家族との永遠の別れ…かなぁ…」
??「ふぅむ…では、最後の質問だ。君がこの中で憎むのはなんだい?
【悪】
【世界】
【自分】
」
うーん……別に、世の中の悪を即切り捨てるような気持ちや志を持っているわけでもなきゃ、今の世の中に不満もないしなぁ…
強いて言うなら、自分かなぁ…
今までも、そしてこれからも…自分がとても好きな前向きな男には…俺はなれそうにないからなぁ…
いや、それを受け入れるつもりはないんだぜ!?
いつかは…いつかは前向きに考えるさ…
でも、今じゃないだろ?
ハヤテ「自分…だな」
??「ふーん…わかった、ここまで綺麗にひとつのタイプに特化するのは珍しいね……あとは、スーツの性能の軸を作るから、このサークルのなかに入ってくれ…」
そう言うと、俺の目の前に光り輝くサークルが出てきたんだよ…
これは…色々な意味ですごい…うん…
………この上に乗ればいいんだよな…?
そう思いつつ、サークルのなかに入ると、いかにも最新鋭の機械のような…
数字が空中にたくさん出てきたんだよ!!
……って、これ…空中ディスプレイってやつなんじゃないのか!?
さ、最新技術じゃないか!!現実的に実現するのにまだ7年はかかるはずじゃないのか…!?
そ、それが……もう実現できているなんて……
ヒーロー協会…すごいところなのかも…
と、そうおもっていると……目の前にライトが当てられ、地面の方からなにかが上がってきたんだ…
これは……明らかなプレゼントボックス……だと?
………怪しいけど、ここで開けなきゃ男じゃないな
そして、プレゼントを開けると、その中には………
………えっ…?カード…?……いや…ポケ○○図鑑?のようななにかが入っていたんだ
ハヤテ「こ、これ……タッチスクリーンだって!?すごいな…素朴に」
………ん?こ、こんなところに『変身』って書かれたボタンが!?
こ、これを押せば変身できる……のか?
うーむ……興味本位で、一回だけ押してみるか…
ポチっ……
キュイーンッ!!!!!
おっ…!?なんか、それっぽい効果音が……ってことは、変身が始まるのか!?
………あれ?変身…しない…?どうなってるんだ!?
そう思っていると、頭の中にさっきまで聞こえていた声が聞こえ出す…
??「ダメダメ、変身には決め台詞がいるんだから、変身キットのスクリーン画面のセリフってところを押してみて?」
………これか?
俺がその場所を押すと、そこに変身セリフと書かれた文が表示された
このセリフを音がなっているときに言えばいいんだな…?
なんか、どこかで聞いたようなセリフだけども…
俺はもう一回変身のボタンを押す…
そして、キュイーンッと響く音…
……今のような気がする!!
ハヤテ「俺はゴーストファイターじゃない!!」
おぉぉっ!?俺の体が青く輝き始めた!?
その光が……俺の体を覆っている…だとぉ!?
すごい……ものすごくかっこいいんだが!?
そして、その光が収まると俺は自分の体を金属のような…でも、ものすごく軽いなにかが覆っていたんだ
動きにくさもない…むしろ、動きやすいんだけど…こ、これはいったい…!?
??「それが、君のスーツだよ…気に入ったかい?」
ハヤテ「動きやすくていいとは思うよ…だけど、どんな見た目なのか…それが大事だと思うなぁ…俺は…」
??「君…絶対性能より見た目を重視して装備決めるタイプでしょ……わかった、鏡を用意してあげるよ」
そう言うと、即座に目の前に鏡が現れる…そしてそこには……
一人のロボットが突ったっていたんだ…
あのロボットが…俺だというのか!?
ハヤテ「待てよ!!この見た目…空中分解しそうじゃねぇかよ!!セリフからいやーな予感はしてたんだ……かっこいいからいいけど…性能まで一緒だったら、早く動けるけど動いたらだめじゃないか…」
??「大丈夫…多分分解しないと思うから…」
などと、少しネタを挟んだ会話をしつつ俺はこの装置から出てきたんだ
………スーツを着たままでね…?
……って、俺はどのヒーロータイプに属するんだ!?
聞かれたときに、反応に困るじゃないか…!!
そう思いつつ、変身キットの中のステータスと書かれたところを見ると…
………えっ!?だ、ダークヒーローだって!?
まさか……友達連中全員が、違うものになるなんてなぁ…
そして、その後…また数人が機械の中に入り…ようやく全員が変身した姿で出てきたんだよ
それを確認して、シュウレンさんが話し出す…
シュウレン「よし……では次に実技訓練に入る、各自…好きな者と4人ずつチームを組んでくれ」
シュウレンさんがそう言うと、すぐに近くにいる連中がチームを組み始める…
当然、俺たちも友達連中で一度集まるんだけど……三人だから、ひとり足りないんだよね……
といっても、誰を誘おうという気もないわけで……
うーん……4人で組まないと先に進みそうもないし…
コナミ「ねぇ、僕…あの子も仲間に入れてあげようと思うんだけど…」
ハヤテ「あの子…?」
コナミがそう言って、指さした方を見ると……
そこに、チームを組めずにはぐれてしまっている幼い女王様の姿が見えたんだ
確か……マツリちゃん…だったか?
ハヤテ「俺は別にいいけど……」
シンタロウ「私も、PC作業の邪魔をせぬのなら、なにも言うまい」
コナミ「よっし!!決まりだね!!じゃあ…呼んでくるよ!!」
コナミはそう言うと、マツリちゃんのところに走って行き、マツリちゃんの手を引いて戻ってきたんだ
コナミ「よぉっし!!これで、僕たちのパーティーも完成だね!!」
マツリ「はうはう…な、なんでしょう…?」
ハヤテ「おい、まさかコナミ…無理やり連れてきたんじゃ……」
マツリ「えっ!?あ…その…違いますよ?パーティーの話はおねぇさんから聞きましたので……どうして、私をパーティーに入れてくれるんですか?」
コナミ「理由?僕がそう決めたからだよ!!えへへっ!!バランスも女2:男2でぴったりだしね!!そ・れ・に!!」
………コナミの目が、ほんのりといつもの悪い状態の目を彷彿とさせる輝きを見せた…気がした…
うーむ…気のせいかなぁ…
コナミ「マツリちゃんとは僕、趣味が合いそうなんだよねえ〜♪服装的に」
マツリ「えぇぇっ!?ど、どうしてですかぁっ!?」
コナミ「だって!!ゴシックロリータじゃん!!その黒いドレス!!今時、そんな服を日常的に着こなしているのなんて…超高校級のギャンブラーのあの人くらいしかいないよ!いいなぁー!!僕なんて、通ってる高校の制服だよー?」
ハヤテ「おい!!コナミ…話に夢中になるのはいいけど…あんまりシュウレンさんを怒らせるとお仕置きされてしまうぞ?おとなしくついていこうぜ」
俺は、このままほっておくとずっと話していそうなコナミを連れて、シュウレンさんやほかのヒーローのあとを追いかける……
すると、ドーム状の建物についたんだ…
その建物の中は、どう見ても運動用のような作りをしており…
俺とはものすごく縁の遠そうな雰囲気がしたね
………プールや、スキー場まであるじゃないか…
どうなってるんだ…この建物の温度調整は…
シュウレン「よし……ここで、ヒーロースーツの能力をチームのメンバーの間だけでもいいから把握しておくんだ。己や仲間の能力を知らないまま、一緒にチームを組むなんてできないし、そんなんじゃあヒーローとして守るべきものを守れないからな」
そう言うと、シュウレンさんはヒーロースーツには三つほど大きな能力が一人一人つくらしいってわかったんだ
その能力が…重要なんだろうなぁ…
コナミ「よーっしっ!!まずは僕から!!えっと…一つ目の能力は……【クロール】だね!水に入っていないと使えないみたいだよ」
クロール…?それって、泳ぎ方の一つの…あれのこと…だよな…やっぱり…
それが能力って、どういうことなんだ…?
俺はそう思いながら、コナミがクロールするのをのんびりと見ることにしていたが…すぐに能力の意味がわかったんだよ!!
コナミが泳いでいると、だんだんコナミの体の周りの水が変化してきていたんだ…
そして、コナミが泳ぎ終わった頃には…コナミはスク水姿なのに、全身にすごい数の水でできた武器を身にまとっていたんだよ!!
こ、これはどんなメカニズムなのか…さっぱりわからないけど…
これはすげぇな…うん…
だが、やっぱり力?を使いこなせていないのか、すぐにその武器はただの水に戻ったんだけどね?
コナミ「うーん…難しいなぁ…えっと、二つ目は…【ダイビング】?潜るのかな?」
そう言いながら、コナミはプールの中に飛び込む……
…………ん?ちょっと…上がってくるのが遅くないか…?
……間違いない!!もう4ふんはたってるぞ!?ちょっと危険だ!!
ハヤテ「シンタロウ!!コナミ…上がってこないぞ!?」
シンタロウ「……まさか…溺れたのではないか?」
そ、そんなぁ!?それは大変だぞ!!本当に!
俺たちは慌てて、プールの方に走っていく…と、水のそこでこっちに向かって手を振ってるコナミが見えたんだよ
……えっ?どうしてあいつ…普通なんだよ!?
そう思っていると、ゆっくりとコナミが浮上してくる…
コナミ「えへへっ…ちょーっと心配させたかな?この能力、すごいよ!!僕、水中で息ができたんだもん!!」
ハヤテ「水中で……息ができただって!?」
コナミ「そうだよ!!ここも水の中も、なーんにも変わらないんだよ?」
そ、それは…色々と便利な能力だなぁ…
きっと、俺のスーツにも似たようなすごい能力があるに違いない!!
そうだ!!きっとそうだぜ!!
そう思うと、すこーしだけ期待が高まってきた…
コナミ「最後の能力は……【ハイジャンプ】だって!!高くジャンプできるみたいだよ?といっても…」
そう言いながら、コナミはその場でぴょんぴょんとはねるけど…
確かに、少し普通の人よりは高く飛べてるなぁってくらいで…
さっきの【ダイビング】を見たあとでは、反応も薄くなったんだ
コナミ「これで全部だよ!!じゃあ…次はハヤテだね!!」
えぇっ!?お、俺の番なのか…!?
……まぁ、自分自身、自分のスーツの力には少し興味もあるからな…
俺は心の中でそう整理すると、みんなの前に少しでたんだよ
さて……俺のスーツの能力は…どれくらいなんだろうか?
視聴覚室には、大きなスクリーンがあり、青白い光がそのスクリーンを照らし出していたんだ
サザナミ「さぁて、これで揃ったな…お前たちには、今からヒーローになる上で大事な知識を、ビデオで学んでもらう!!反論や質問があるやつは…?」
サザナミさんは、部屋にはいってすぐにスクリーンの真横の方にあった木製の机の方に移動すると、みんなに対してそういったんだ
正直、いきなりそんなことを言われて、反論や質問があるやつって聞かれても…返答に困るよな…?
だって…俺たちはなにも知らずにここまで来てるんだし…
サザナミ「いないみたいだね…よし、それではビデオを見てもらうから…静かに見るように!」
そう言うと、スクリーンにビデオが映し出された…
すぐに、日曜の朝に、子供向けの番組で流れてそうな…
そんな感じのオープニングテーマが流れ出す…
……くぅっ…子供向けのOPのはずなのに、少し俺の好きなテンポなのが、素朴に悔しい
【さぁ!!テレビの前のヒーローの卵諸君!!初めまして!!今回、このビデオを君たちが見ているということは、ヒーローになるという決心がついた…そういうことだね!!私は猛烈に歓迎しよう!!
私の名前は…ヴィジョンヒーロー サポート!!君たちがヒーローとして、どうあるべきか…そして、ヒーローの心得を伝授するための…バックアップだ!!私のサポートを受けて、頑張って欲しい!!】
な、なんだ…!?この…子供向けのヒーローを二次元チックにデフォルメしたヒーローは…!?
……かっこいい…実は俺、こんな感じのとんがった形のヒーローが好きなんだ
文章では伝わらないのが…何とも悔しい
【さぁ、君たちがヒーローとなるためにまず必要なこと…それは変身スーツの仕組みを理解し、自分たちのものにすることだ!!ヒーローといえば、かっこいい変身!!これが醍醐味だからな!!
そもそも、変身スーツには大きく分けて、三つの種類があるんだ!!
どんなスーツになるかは、変身する人物の素質によって決まる…
とりあえず、ここではどんなスーツのタイプがあるかを説明するぞ!!】
……変身スーツって……一種類じゃなかったのか……
俺はてっきり、今写っているような、子供向けの物しかないのかと…
【一つ目!!戦隊ヒーロースタイル!!今私が着ているような…最高にクールでいかした服装だ!!素材は軽く、その上丈夫!!オール季節OKというすぐれものだ!!これはすごい!!
このタイプの最大の特徴は、もの凄い豊富な必殺技!!派手な演出!
そして、子供受けのよさだろう!!
心のそこから、自分の正義を持つもの…悪を絶対に許さないという強い意思を持つものが、このタイプになる
少々周りが見えなくなるタイプが多いので、一緒のパーティーになったときは注意しておくことだ!! 】
おぉっ……以外に、真面目に説明するんだな…
【二つ目!!魔法少女スタイル!!(男の娘も可!!)オタクな男子の心にクリーンヒットする、エキサイティン!!なタイプだ
服装が厚い者が多く、夏が少々苦手になる時もあるが…そんな時には変え衣装で夏用にチェンジだ!!
一昔は、男子がなると混沌を生み出していたこのスタイルだが…最近はコスプレというものを男子も受け入れ始めているがゆえに…
むしろ、コスプレをするという行為に誇りを持つ男子もあらわれたことにより、数が増えつつあるスタイルだ!!
このタイプの最大の特徴は…圧倒的メディア力!!驚異的攻撃範囲!!
そして、ファン層の広さだろう!!
二次元がとても好きだ…その心には性別も関係なぁいっ!!というタイプの者が、このスタイルになりやすい
注意点は、正義力を攻撃にものすごく消費するので、長いあいだ戦えないということだ!!】
………い、一応…正義の味方…だから、ヒーロー…なのか?
うーむ、俺…少しヒーローの基準がわからなくなってきたよ…
【三つ目!!ダークヒーロースタイル!!人の指図は受けない!!俺の道は俺が決める!!という、孤高な心をもったスタイルだ!!
このスタイルの最大の特徴は、ほかのスタイル以上の遥かな攻撃力!
そして、全てを巻き込む最凶クラスの必殺技だ!!この必殺技こそ、ダークヒーロースタイルといっても過言ではないだろう!!
自分自身に絶対的な信念…また、ヒーローにはなりたくないといった矛盾した正義の心をもった者がこのスタイルになりやすいようだ
注意点は…協調性がまるでないことだ!!
パーティーにいるときは、常に気を配る必要があるぞ!!】
この三つのスタイルが、変身スーツの種類ってことなんだろうか?
……まったく、口だけの説明だとわからないけども…
【以上が、変身スーツの説明だ!!わかったかな?
次に、ヒーローの力の源とも言えるエネルギー…魔力エネルギーについて説明しよう!!」
へっ…?
ま、まりょくえねるぎー?
なんだよ…その気が抜けそうな名前のエネルギーは?
しかし、ヒーローの力の源ってことは…このことを真面目に勉強しておけば…
何かの役にはたつかも知れないんだよなぁ…
仕方がないけど、見るとするかな…
【ヒーロー諸君は、ヒーローが正義の力で変身すると信じていることだろう…
私としても、そうだ!!っと、胸を張って言いたいが…実はそうじゃない!
ヒーロー協会のたぐいまれなる科学力や、都合のいいなにかが働いてできているんだ!!そして……科学力だけでは、どうにもならないこともあった
その状況を打破したのが、魔力だ!!
元々、人間には誰しもに微量の魔力を持っている…魔物娘たちは性と呼び、好んでいるこの魔力…これこそがヒーローをヒーローとするために必要な物なんだ!!
人間には元々、この魔力が宿っていて…この魔力の結合が生命の神秘…そう!子供を作ることができるという、奇跡を体現するわけだが…
この魔力は、ものすごく不安定な物なんだ
ヒーローは童貞…そして処女しかなることができない!!それはなぜか!?
ほかの魔力を含んだことのない、清らかな魔力を持っていなければ魔力と科学を融合させて、スーツの力を使えないからなんだ!!
だからこそ、君たちには清い体でいてほしい!!
しかし……そんな君たちを襲う驚異があるのも事実だ…
次に、その驚異について説明させてもらう!!】
………ど、童貞にそんな秘密が!?
し、知りたくなかったし、まったくもって嬉しくねぇんだけど…
まぁいい、気にしちゃダメだ‥うん
そんなことより!!驚異だ…驚異のことだよ!!
【君たちにある驚異…それは、この世界に私たちと一緒に存在している…
そう!!魔物娘だ!!私は、普通の人間に彼女たちと仲良くして、結婚するなと言うつもりはない!!むしろ、愛があるならば構わないだろう!!
しかし…ヒーローである君たちは別だ!!
普通の人間ならば、膣内射精してしまわない限り、魔力が不安定になることはない…しかし!!魔物娘は強烈な魔力を有しており、キスなどをするだけでも、ヒーローになれなくなってしまうのだ!!
さらに……女性が襲われた場合は、ヒーローになれなくなるばかりではなく、ヘタをすれば魔物になってしまうのだ!!
そのようなこともあるので…ヒーロー諸君!!性行為は厳禁…そして、魔物娘にも気をつけてくれ!!】
………ま、まさか…人間と魔物にそんな関係があったなんて…初めて聞いたぞ
だ、だって……学校ではまだ習ってないし…俺、少し引きこもりの時期もあったし…
っと、そんなことを考えていても、ビデオは容赦なく先に進んでいく…
【次に……気をつけるべき魔物娘に対して、学ぶことがある!!
その注意点を各自、ランキングにしてみたから、しっかりと学んで欲しい!
@ ヒーロー生存率が極めて低い魔物ランキング!
3位:ドッペルゲンガー
知らぬ間に、知り合いに化けられていて、被害にあうヒーローがあとを絶たない ヒーロー諸君は身近な知り合いの言動を常に監視し、異変を感じたら距離を置くこと!!
2位:ベルゼブブ&デビルバグ(驚異度同値)
ヒーローの生活は、不定期になりやすく、身の回りの清掃が疎かになりやすい!!しかし、清掃を疎かにするとやってくるのが彼女たちだ!!
彼女たちはヒーローがいなくてもなぜか室内に忍び込み、ヒーローの衣服や食べカスやらを漁っている!!
そして、運悪く彼女たちがいるときにホームに帰ってしまうと……
何が起こってしまうのかは、報告してくれたヒーローが一人もいないので不明となっている
1位:ユニコーン
純潔の白い白馬……ヒーロー最大の天敵は間違いなく彼女たちだろう!!
神速の童貞キラーとも囁かれている彼女たちの驚異点は、ヒーローを見つけるのがものすごくうまいことにある!!
変装能力を使おうと、姿を能力で隠そうとも…彼女たちには無意味なのだ!
見つかり、対象にされたら最後…あとは狩られるだけだ
であったらヒーローとしての最後を覚悟するべき…最強クラスの魔物娘である!!
】
それから、長いあいだビデオでよくわからないランキングが続いたが…
長かったビデオも、ようやく終わったんだよ!!
ビデオに要した時間は約3時間…最後まで見た奴は……
コナミ「すーっ…すーっ…くひひっ」
シンタロウ「………くー……」
…………俺だけ…だとっ…!?
サザナミさんまで眠ってるじゃないかよ!!
みんな…どれだけやる気がねぇんだ…!?
そ、それとも……俺がバカ正直にビデオを見たのが悪いのか!?
俺はそう思うと、即座にみんなを起こして回ろうと思ったが……
ここであることを思いついてしまったんだ
この状況…ヒーローに本音なりたくない俺に対しては、絶好の逃亡チャンスなんじゃないか?
よぉっし…そうと決まれば…この部屋をこっそりと出るとしようか…
ガチャッ……
ビー!!ビー!!
ハヤテ「えっ!?何!?何なんだ!?いったい!?」
サザナミ「誰が勝手に出ていいって言った!?はぁーん…ハヤテ…あんたかい……」
ハヤテ「ち、違いますよ!!やだなぁ…ぼ、僕はただ…トイレにいこうとして…」
シンタロウ「説明しよう!!ハヤテが一人称を俺から僕に変えたときは、なにか後ろめたいことがある時なのだ!!」
ハヤテ「バカっ…シンタロウ…お前っ!?」
サザナミ「それはあたしも知っているさ…でもまぁ…ここで見つかったら、逃げようなんてできないだろ?さぁて…あんたらには次に…ヒーロー適正試験を受けてもらうから、そのつもりでね?さぁ、シュウレン…わかってるね?」
シュウレン「わかっている…さぁ、お前ら俺についてきてくれ」
サザナミさんは俺たちにそう言うと、手を振りながら視聴覚室の奥の部屋に入っていった…
って、あの部屋…サザナミさんの部屋なのか…
まさか、視聴覚室の奥に自分の部屋を置くなんて…
そう思いながら、シュウレンさんの後についていく俺たち…
サザナミさんはヒーロー適性試験がどうとかって言っていたが…
いったいなんのことなのか…俺には検討もつかないなぁ…
あっ!!もしかして、その試験で適正じゃないって判断されたら家に無事に帰れるかもしれないじゃないか!!
よぉっし……ひどい結果を出すぞぉ!!
そう決意も新たに、俺が向かった場所は…
このヒーロー協会?のグラウンド…とは程遠い、何かの施設のようなところだった
俺はてっきり、適性試験だっていうから、体力テストでもするのかと思ったのに…
シュウレン「さて、みんなには今から一人ずつ、この機械のなかにはいって、なかにいる奴と会話してもらいたい…その会話から、機械がお前たちのヒーローのタイプを判断し、適切なスーツを作成してくれる。まずはそれからだ」
えっ…機械って……この目の前にあるすごい大きな鉄製の部屋のことか…!?
た、確かに…この黒い色の神秘的な雰囲気が漂う鉄の部屋のなかに入れば…
なにかが起こる気はする…よな…
くっ……ヒーローになりたくなんてないのに…
微妙に気になる俺がいる…だと!?
こ、こんな気持ち…ホラーゲームを夜にプレイするあの時以来だぜ…
シュウレン「さぁて、まずは……そこのお前、お前から入ってくれ」
??「私…?こわいよぉ…」
シュウレン「そんなに怖くはないから、安心しろ…さぁ、入れ」
そう言いながら、フリフリの黒い衣装に身を包んだ女の子を機械のなかに誘うシュウレンさん…
えっ…!?ちょ…ちょっと待ってくれよ?
あの子…どうみても小学生ぐらい…だぞ?
……い、今のご時世、見た目は子供、中身は大人なんてありえないのは理解してる…ってことは、本当に小学生くらいなんじゃないのか!?
そう思い、部屋を見回して見ると…明らかに小学生って言えそうな子供たちが不安そうな顔をしているのがしっかりと見えた
童貞や処女ならヒーローになれるとはいえ…見境なしかよ…
少しだけ、ヒーローに対しての不信感が強くなったね…
そうして、しばらくすると機械の中から女の子が出てきたんだ
………!?お、おい…なんだ!?あの子の服が…微妙に違う…!?
さっきまではゴスロリってやつ?みたいだったのに…
今はボンテージだと!?俺のM心がくすぐられる…
………えっ?俺なにか思ったか?それは気のせい、気のせいだから
しかし、小さい女王様って言うのも、俺的には……あり‥だな…
??「あの……これ……」
シュウレン「ふん……それが変身スーツだ…その形状からするに、魔法少女タイプだろうな……えっと、それじゃあ、登録するから……名前は?嬢ちゃん」
??「あっ……そ、そのお…冬里 マツリです……」
シュウレン「ふむ…了解した…では、次…」
そうして、結構な人数が装置のなかにはいっては服装を変えて出てくる…
もう、コナミもシンタロウも変身スーツとやらを受け取って出てきたんだ
コナミは……純度100%のスクール水着…それ以外の答えを俺に出すことはできないほどのスク水だった
シンタロウは……メガネがすごくかっこよくなって、ヒーローのような外見に……というか、サラリーマンみたいだというか…
コナミは魔法少女タイプで、シンタロウはヒーロータイプらしい
っと、そう説明している間に、ついに俺の番がきたみたいだ
遠くの方で、シュウレンさんが俺の方を見て手招きをしているし…
……いざ、入るとなると…なんだか怖いなぁ…
しかし!!今までいろんな人たちが入ってきたんだ…
ヒーローになりたくなんてないけど…入らないとなんか言われそうだしなぁ…
と、俺はここで覚悟を決めたのだった…
なかに入ると、部屋はものすごく薄暗く……部屋の真ん中だけが綺麗な色で光っているのが見えたんだ
ハヤテ「これは……床が光っているのか…?」
??「ようこそ……ここは、君の心の中の空間……ここで君に少し質問をさせてもらうね?」
だ、だれだ?
俺は、不意に聞こえてきた男とも女とも言えないような中性的な声を突然聞いて、あたりを見渡す…しかし、やっぱりというべきか…
あたりには誰もいないんだよなぁ…
……でも、よくよく考えたらここは機械の中…なんだよな?
だったら、プログラム音声の可能性もなくはないか…
シンタロウが一回、自分で作ったって音声ソフトの音声によーく耳をすませば似ている気がするし…きっとそうだな!!
??「一つ目……っと、そうだ…読者のみんなもこの質問に答えて見てくれないかな?最後に…自分のヒーロータイプがわかるかもしれないよ?」
ハヤテ「だ、誰に言っているのか…気になるけど…つっこんだら負けなんだろうな…だから、つっこまない!!」
??「一つ目……ここに、三つの武器がある…
【勇敢で非情な剣】:全てを切り開く勇気の証…弱気を守るための刃
自らの守るもののために、ほかの人の幸せをも奪う力
【堅実な卑怯者の盾】:全てを守る強き意思の証、皆と歩むための盾
自らを守るために、仲間を裏切る力
【栄光と傲慢の杖】:堅実に未来へ向かう決意の証、未来を作る為の杖
自らの未来のために、他者を見下し踏み越える力
さぁ、君なら…どの武器を選ぶかな?」
………ど、どの武器も選びたくねぇ…
どの武器も他人を傷つけるじゃないか…
で、でも……どうしてもひとつ、選ぶしかないとしたら……
俺はそうだな…
ハヤテ「盾…かな…」
??「なるほど…それが、君が選んだ力なんだね、では次の質問だ」
次の質問…かぁ…
答えにくいものじゃなきゃいいけど…
??「君が次の三つの中で、怖いものはなんだい?
【友や家族との永遠の別れ】
【理不尽だらけな世の中】
【孤独】 」
………どれも嫌だけど、強いて言うなら…
友達や家族とは離れたくないな…俺は…
ハヤテ「友や家族との永遠の別れ…かなぁ…」
??「ふぅむ…では、最後の質問だ。君がこの中で憎むのはなんだい?
【悪】
【世界】
【自分】
」
うーん……別に、世の中の悪を即切り捨てるような気持ちや志を持っているわけでもなきゃ、今の世の中に不満もないしなぁ…
強いて言うなら、自分かなぁ…
今までも、そしてこれからも…自分がとても好きな前向きな男には…俺はなれそうにないからなぁ…
いや、それを受け入れるつもりはないんだぜ!?
いつかは…いつかは前向きに考えるさ…
でも、今じゃないだろ?
ハヤテ「自分…だな」
??「ふーん…わかった、ここまで綺麗にひとつのタイプに特化するのは珍しいね……あとは、スーツの性能の軸を作るから、このサークルのなかに入ってくれ…」
そう言うと、俺の目の前に光り輝くサークルが出てきたんだよ…
これは…色々な意味ですごい…うん…
………この上に乗ればいいんだよな…?
そう思いつつ、サークルのなかに入ると、いかにも最新鋭の機械のような…
数字が空中にたくさん出てきたんだよ!!
……って、これ…空中ディスプレイってやつなんじゃないのか!?
さ、最新技術じゃないか!!現実的に実現するのにまだ7年はかかるはずじゃないのか…!?
そ、それが……もう実現できているなんて……
ヒーロー協会…すごいところなのかも…
と、そうおもっていると……目の前にライトが当てられ、地面の方からなにかが上がってきたんだ…
これは……明らかなプレゼントボックス……だと?
………怪しいけど、ここで開けなきゃ男じゃないな
そして、プレゼントを開けると、その中には………
………えっ…?カード…?……いや…ポケ○○図鑑?のようななにかが入っていたんだ
ハヤテ「こ、これ……タッチスクリーンだって!?すごいな…素朴に」
………ん?こ、こんなところに『変身』って書かれたボタンが!?
こ、これを押せば変身できる……のか?
うーむ……興味本位で、一回だけ押してみるか…
ポチっ……
キュイーンッ!!!!!
おっ…!?なんか、それっぽい効果音が……ってことは、変身が始まるのか!?
………あれ?変身…しない…?どうなってるんだ!?
そう思っていると、頭の中にさっきまで聞こえていた声が聞こえ出す…
??「ダメダメ、変身には決め台詞がいるんだから、変身キットのスクリーン画面のセリフってところを押してみて?」
………これか?
俺がその場所を押すと、そこに変身セリフと書かれた文が表示された
このセリフを音がなっているときに言えばいいんだな…?
なんか、どこかで聞いたようなセリフだけども…
俺はもう一回変身のボタンを押す…
そして、キュイーンッと響く音…
……今のような気がする!!
ハヤテ「俺はゴーストファイターじゃない!!」
おぉぉっ!?俺の体が青く輝き始めた!?
その光が……俺の体を覆っている…だとぉ!?
すごい……ものすごくかっこいいんだが!?
そして、その光が収まると俺は自分の体を金属のような…でも、ものすごく軽いなにかが覆っていたんだ
動きにくさもない…むしろ、動きやすいんだけど…こ、これはいったい…!?
??「それが、君のスーツだよ…気に入ったかい?」
ハヤテ「動きやすくていいとは思うよ…だけど、どんな見た目なのか…それが大事だと思うなぁ…俺は…」
??「君…絶対性能より見た目を重視して装備決めるタイプでしょ……わかった、鏡を用意してあげるよ」
そう言うと、即座に目の前に鏡が現れる…そしてそこには……
一人のロボットが突ったっていたんだ…
あのロボットが…俺だというのか!?
ハヤテ「待てよ!!この見た目…空中分解しそうじゃねぇかよ!!セリフからいやーな予感はしてたんだ……かっこいいからいいけど…性能まで一緒だったら、早く動けるけど動いたらだめじゃないか…」
??「大丈夫…多分分解しないと思うから…」
などと、少しネタを挟んだ会話をしつつ俺はこの装置から出てきたんだ
………スーツを着たままでね…?
……って、俺はどのヒーロータイプに属するんだ!?
聞かれたときに、反応に困るじゃないか…!!
そう思いつつ、変身キットの中のステータスと書かれたところを見ると…
………えっ!?だ、ダークヒーローだって!?
まさか……友達連中全員が、違うものになるなんてなぁ…
そして、その後…また数人が機械の中に入り…ようやく全員が変身した姿で出てきたんだよ
それを確認して、シュウレンさんが話し出す…
シュウレン「よし……では次に実技訓練に入る、各自…好きな者と4人ずつチームを組んでくれ」
シュウレンさんがそう言うと、すぐに近くにいる連中がチームを組み始める…
当然、俺たちも友達連中で一度集まるんだけど……三人だから、ひとり足りないんだよね……
といっても、誰を誘おうという気もないわけで……
うーん……4人で組まないと先に進みそうもないし…
コナミ「ねぇ、僕…あの子も仲間に入れてあげようと思うんだけど…」
ハヤテ「あの子…?」
コナミがそう言って、指さした方を見ると……
そこに、チームを組めずにはぐれてしまっている幼い女王様の姿が見えたんだ
確か……マツリちゃん…だったか?
ハヤテ「俺は別にいいけど……」
シンタロウ「私も、PC作業の邪魔をせぬのなら、なにも言うまい」
コナミ「よっし!!決まりだね!!じゃあ…呼んでくるよ!!」
コナミはそう言うと、マツリちゃんのところに走って行き、マツリちゃんの手を引いて戻ってきたんだ
コナミ「よぉっし!!これで、僕たちのパーティーも完成だね!!」
マツリ「はうはう…な、なんでしょう…?」
ハヤテ「おい、まさかコナミ…無理やり連れてきたんじゃ……」
マツリ「えっ!?あ…その…違いますよ?パーティーの話はおねぇさんから聞きましたので……どうして、私をパーティーに入れてくれるんですか?」
コナミ「理由?僕がそう決めたからだよ!!えへへっ!!バランスも女2:男2でぴったりだしね!!そ・れ・に!!」
………コナミの目が、ほんのりといつもの悪い状態の目を彷彿とさせる輝きを見せた…気がした…
うーむ…気のせいかなぁ…
コナミ「マツリちゃんとは僕、趣味が合いそうなんだよねえ〜♪服装的に」
マツリ「えぇぇっ!?ど、どうしてですかぁっ!?」
コナミ「だって!!ゴシックロリータじゃん!!その黒いドレス!!今時、そんな服を日常的に着こなしているのなんて…超高校級のギャンブラーのあの人くらいしかいないよ!いいなぁー!!僕なんて、通ってる高校の制服だよー?」
ハヤテ「おい!!コナミ…話に夢中になるのはいいけど…あんまりシュウレンさんを怒らせるとお仕置きされてしまうぞ?おとなしくついていこうぜ」
俺は、このままほっておくとずっと話していそうなコナミを連れて、シュウレンさんやほかのヒーローのあとを追いかける……
すると、ドーム状の建物についたんだ…
その建物の中は、どう見ても運動用のような作りをしており…
俺とはものすごく縁の遠そうな雰囲気がしたね
………プールや、スキー場まであるじゃないか…
どうなってるんだ…この建物の温度調整は…
シュウレン「よし……ここで、ヒーロースーツの能力をチームのメンバーの間だけでもいいから把握しておくんだ。己や仲間の能力を知らないまま、一緒にチームを組むなんてできないし、そんなんじゃあヒーローとして守るべきものを守れないからな」
そう言うと、シュウレンさんはヒーロースーツには三つほど大きな能力が一人一人つくらしいってわかったんだ
その能力が…重要なんだろうなぁ…
コナミ「よーっしっ!!まずは僕から!!えっと…一つ目の能力は……【クロール】だね!水に入っていないと使えないみたいだよ」
クロール…?それって、泳ぎ方の一つの…あれのこと…だよな…やっぱり…
それが能力って、どういうことなんだ…?
俺はそう思いながら、コナミがクロールするのをのんびりと見ることにしていたが…すぐに能力の意味がわかったんだよ!!
コナミが泳いでいると、だんだんコナミの体の周りの水が変化してきていたんだ…
そして、コナミが泳ぎ終わった頃には…コナミはスク水姿なのに、全身にすごい数の水でできた武器を身にまとっていたんだよ!!
こ、これはどんなメカニズムなのか…さっぱりわからないけど…
これはすげぇな…うん…
だが、やっぱり力?を使いこなせていないのか、すぐにその武器はただの水に戻ったんだけどね?
コナミ「うーん…難しいなぁ…えっと、二つ目は…【ダイビング】?潜るのかな?」
そう言いながら、コナミはプールの中に飛び込む……
…………ん?ちょっと…上がってくるのが遅くないか…?
……間違いない!!もう4ふんはたってるぞ!?ちょっと危険だ!!
ハヤテ「シンタロウ!!コナミ…上がってこないぞ!?」
シンタロウ「……まさか…溺れたのではないか?」
そ、そんなぁ!?それは大変だぞ!!本当に!
俺たちは慌てて、プールの方に走っていく…と、水のそこでこっちに向かって手を振ってるコナミが見えたんだよ
……えっ?どうしてあいつ…普通なんだよ!?
そう思っていると、ゆっくりとコナミが浮上してくる…
コナミ「えへへっ…ちょーっと心配させたかな?この能力、すごいよ!!僕、水中で息ができたんだもん!!」
ハヤテ「水中で……息ができただって!?」
コナミ「そうだよ!!ここも水の中も、なーんにも変わらないんだよ?」
そ、それは…色々と便利な能力だなぁ…
きっと、俺のスーツにも似たようなすごい能力があるに違いない!!
そうだ!!きっとそうだぜ!!
そう思うと、すこーしだけ期待が高まってきた…
コナミ「最後の能力は……【ハイジャンプ】だって!!高くジャンプできるみたいだよ?といっても…」
そう言いながら、コナミはその場でぴょんぴょんとはねるけど…
確かに、少し普通の人よりは高く飛べてるなぁってくらいで…
さっきの【ダイビング】を見たあとでは、反応も薄くなったんだ
コナミ「これで全部だよ!!じゃあ…次はハヤテだね!!」
えぇっ!?お、俺の番なのか…!?
……まぁ、自分自身、自分のスーツの力には少し興味もあるからな…
俺は心の中でそう整理すると、みんなの前に少しでたんだよ
さて……俺のスーツの能力は…どれくらいなんだろうか?
14/11/04 22:45更新 / デメトリオン mk-D
戻る
次へ