連載小説
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事件
「水晶のー星空は遠ーすぎるのー♪」
 私は適当な歌を歌いながら夜道を歩いていた。
「…それにしても遅くなっちゃったわね。絵が売れるのは嬉しいけどこの頃物騒だから早く帰りたかったわ」
 最近私みたいなロリ系な美少女を強姦して殺すとかいう事件が起きてるのよね。ロリコンなんだったらこんなことするより潔くサバトに入会すればいいのに迷惑な話だわ。捕まるよりもロリコンだとバレる方が怖いのかしら。なんで捕まった方が世間から冷たい目で見られる上に、処刑されるかもしれないようなことをするのか全然わからないわ。わかりたくもないけど。

「ぐへへ。こんな時間にどうしたんだいお嬢ちゃん?」
「よかったらお兄ちゃんたちが家まで送りますよ」
 ムダな筋肉が多い大男とメガネをかけたガリガリの男が話しかけてきた。もしかしてこいつらがそうなのかしら。メガネはともかくとして大男は下心ありすぎよね。ぐへへとかいう笑い方するやつ初めて見たわ。
「やだ。知らない人にはついて入っちゃダメだってママが言ってたもん。バイバイおじちゃん」
 私は適当にキャラを作って逃げようとした。 
「まあそう遠慮するなよお嬢ちゃん。こんな時間に歩いてたら危ないぞ」
 あんたたちと一緒にいる方がよっぽど危ないわよ。
「平気だよ。私もう子供じゃないもん」
 そう言いつつ後ろにあとずさる。早くここから離れないとまずいわね。
「暗いの怖いでしょう?私たちと一緒なら安心ですよ」
 暗闇なんて別に怖くないわよ。強姦犯と一緒にいてなんで安心できるって言うのよ。
「怖くないって言ってるでしょ。あんまりしつこいとモテないよ?」
 サラリと毒を吐いてこの場から離れようとする。

「いいからこっちに来いよ」
 私は大男が伸ばして来た手をはたいた。
「うっさいわよこのロリペド殺人鬼。ウザいからどっかに行けって言ってるのがわからないの?」
 あまりのしつこさに思わず素が出てしまった。本当に面倒なことになったわね。
「…なんでそう思うんですか?」
「そんな下心しか感じられない変態っぽい目で見てて気付かれないとでも思ったわけ?どうせ今まで襲ってた子供にも見抜かれてたんでしょうが」
 2人とも図星を指されたみたいだ。
「ちっ。小娘のクセに生意気だぞ」
「その小娘に欲情してるのはどこのド変態よ。それに好きでこんな幼児体型なわけじゃないわ。そういう魔物だからよ」
 正確に言うと突然変異みたい。なんか貧乏くじ引かされた気分だわ。まあ別にあまり困らないからいいけどね。なんでそこまで知ってるのかって?成長が止まったのを魔物学者のノルレ先生に相談しに行った時に教えてもらったのよ。
「なんだとこら!ロリコンをバカにするな!」
「はあ。私はあんたたちしかバカにしてないわよ。大体ロリコンなら大人しくサバトで魔女やバフォ様と乳繰り合ってればいいでしょうが。なんでわざわざ罪もないいたいけで無垢な幼女に向けるのよ。そんなことを考え付く頭もないわけ?もしかしてロリコンだとバレるのが恥ずかしいの?それだとあんたが一番ロリコンをバカにしてるじゃない。それとも他の人たちから冷たい目を向けられたいとか捕まるかもしれないっていうスリルを求めてるとかいうんじゃないでしょうね。ドMなのは勝手だけどそれで人を殺すなんて頭が狂ってるとしか思えないわ。まああんな残酷なことをするようなのにまともな神経を期待してたわけじゃないけどね」
 相手は何も言い返さなかった。言葉も理解できないレベルの頭脳しかないのかしら。

「口が減らないですね。まあいいです。やりなさい」
 メガネが指示を出すと大男が私の体を押さえつけてきた。
「何すんのカスゴミクソクズゲス野郎。そんなウジと血が混ざった汚らわしい手で触るんじゃないわよ!離しなさいよゴリムダマッチョ。あんたみたいな生き物として最底辺の上にブサイクで顔面凶器の顔濃すぎるやつが私の視界に入るんじゃないわよ」
 私は必死に抵抗したけど体格差がありすぎて動けなかった。
「ぐへへ。そう言ってられるのも今のうちだぜ」
 そう言って大男は大きくて薄汚いものを取り出した。
「なんでもうそんなに大きくなってるのよ。やっぱり罵られて感じる変態なんじゃない」
 私は震える声でにらみつけた。大男は軽くショックを受けたみたいだ。
「ふふ。その減らず口をいつまで叩けますかね」
 メガネも小さくて粗末なものを取り出した。
「どんだけ短小なのよ。そんな粗末なもの見せてんじゃないわよチンカスが」
 メガネも軽くショックを受けたみたい。いい気味だとしか言えないわね。
「うるせえぞお前!」
 大男はそう言って私の服をビリビリと破った。そしてそのままでかいのを私のあそこにぶち込んできた。
「ああああああああああああああああ!」
 私は思わず絶叫した。処女膜が破れた痛みがあまりにもひどかったせいだ。
「ぐへへへ。たっぷり犯してやるから覚悟しろよ!」
 男たちは下品な笑いを浮かべた。

「うっ、くうっ」
 あれから何度輪姦されたのかわからない。私の体を気持ち悪い白いものが覆っていた。あそこからも血と白濁したおぞましい液体が出ている。愛液?濡れてもないのに欲望のまま動かされて出るわけないじゃない。
「ぐへへへ。もうこれくらいで満足したぜ」
 大男はそう言って背中に担いでいたハンマーを振り上げた。
「俺たちのことをバラされたら面倒だ。悪いが死んでもらうぜ」
 そう言えば被害者って鈍器で殴られて死んでたって言ってたわね。初めてをレイプで奪われた上に、性欲処理の道具として使われた後は殺される。常に処女の状態らしいから普通よりはショックないのかもしれないけど最悪の気分だわ。
「待ってください」
 メガネが大男を止めた。
「なんだ?今さら殺すのが怖くなったのか?」
 大男がメガネを不満げににらみつけた。
「いえ、単にその必要がないだけですよ。彼女は多分アリスですから」
 ?!このメガネ意外に魔物にくわしいわね。
「アリス?なんだそりゃ?」
「サキュバスの変種ですよ。幼女体型で成長が止まる魔物でインプじゃないのに羽と角としっぽがある魔物は他に思いつきませんしね」
 …なんか魔物にくわしいのかよくわからなくなってきたわ。まあ私だって全ての魔物を知ってるわけじゃないけどね。
「それで何で殺す必要がないんだよ?」
 大男がバカっぽい顔をメガネに向けた。
「アリスという魔物は行為を終えた後は体が処女に戻って、記憶が消えるんです。放って置いてもどうせ何もできませんよ」
 ノルレ先生もそう言ってたわね。これが正真正銘の初めてだからよくわからないけど。
「ならいいか。命拾いしたな」
 
 大男とメガネが去って行った瞬間意識が闇に包まれた。アリスの性質なの
か、あいつらが去った安堵で気が緩んだのかはよくわからないわ。
「目が覚めたら本当に忘れてるのかしら…」
 ノルレ先生は普通のアリスなら忘れるって言ってたわね。あいつらのことを覚えてないから捕まえられない悔しさと、怖くておぞましいことを忘れられるっていう安心感が混ざり合っててよくわからないわ。そう考えている間にも目の前が暗くなっていく。意識が落ちる直前にふと思った。
「忘れるのってどういう感覚なのかしら?」
『普通のアリスに性行為をした後の記憶が残ることはない。…ロゼが普通のアリスかって聞かれると困るけどな』
 ノルレ先生のそんな言葉をなぜか思い出しながら私の意識は闇の中に沈んでいった。

           つづく
10/05/15 07:53更新 / グリンデルバルド
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■作者メッセージ
新連載始めてみました。…腹黒アリスって需要あるんでしょうか。よければ感想をもらえるとうれしいです。

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