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添い寝〜ゾンビ〜
お久しぶりです。

不定期更新な作品に付き合っていただいて本当にありがとうございます。

では、設定です。


設定

季節 ?

場所 町外れにある共同墓地

状況 あなたの彼女が亡くなってはや3年。
    いつものように花を置こうとするといきなり地中から手を捕まれて!

では、スタート!



?「あーーああーーー?ああ!あーあー。」

いきなり地中から出てきた手に腕をつかまれたあなたは声にならない悲鳴を上げて手を振り解いた。
が、そのときにバランスを崩したあなたは尻餅をついてしまい、目の前の土が盛り上がっていくのを見るしかなかった。


?「ああ〜〜〜。あ?ああーーー。」

そして、盛り上がった土から両手、頭、足が順に出てきて、恐怖で動けないでいるあなたの前に『あれ』が立っていた。

ゾンビだ。(タールマンじゃないよ!)

そのゾンビは、空を見上げた後ゆっくりとあなたに近づいてきた。
あなたは、できるだけ遠くに逃げようとするが腰が抜けてしまい這ってその場を離れるしかなかった。

とうとう目の前にゾンビがきてしまい、あなたの腕をつかむと今度はひっぱりはじめた。
見た目は、華奢なゾンビなのだがありえないくらいの力であなたを引きづった。

そのままさっきの墓の前まで引きづられると、ゾンビが片手であなたを投げ飛ばし、あなたは墓標に背中を打ちつけられた。
だが、それだけでは終わらない。

いつの間にか、あなたの両手足には背中でもたれている墓標から『手』が出ており、がっちりとつかまれてしまった。

ゾンビは、動けないのと目の前のゾンビに対して恐怖で真っ青になっているあなたの前に膝をついた。
そのままあなたにもたれかかるように『彼女』は寄り添った。
あなたは思い出す。
このもたれてきて寄り添う姿・・・
それは三年前亡くなった彼女の動きそのものだった。
いつの間にか、石の手による拘束は解かれていて、あなたは彼女をゆっくりと抱きしめた。
すると、胸に暖かい水、もとい『涙』が落ちて来た。
そのゾンビは泣いていた。声も出さずにただ無言のまま泣いていた。

「・・・・・・・・・・・・・。」


あなたはさらに抱きしめる。
そうするたびに、彼女は胸に顔をうずめる。



いつの間にか二人は安らかに眠っていた。
幸せそうに、いや、幸せだった。




次の日、墓守が朝の見回りをしていると墓標に寄り添って二人の男女が眠っていた。
墓守が近づくと、音も無く二人はそのまま横に倒れた。
それでも二人は抱き合ったままだった。

後に、二人は丁重に葬られ墓標には彼女の名前の横に男の名前が刻まれた。
11/11/18 17:41更新 / 暗がりの青年
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■作者メッセージ
ゾンビって近くの相手の命を吸うんだーと思いながら書きました。

ゆえに・・・・死オチ。

次なんだっけ・・・ゆきおんなですね。

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