第一回、『カマイタチ専用呼び出しブザー《じゅんばんまもるくん》』
……突然だが、僕の話をしよう。
僕の名前は日光すばる。
魔界のとあるサバトとの関わりがあるものの、ただの魔道具商人だ。
そう、さっきまではただの魔道具商人、だったはずなのだが。
「あんたか。おお、悪いな。………ホント、あのヤギちゃんは思いつきで動きやがる。」
目の前に立っている人……
刑部狸の玉置さんが、少し粗暴な感じで話しかけてくる。
確か、彼女はこの番組の司会者である。
「いえいえ!これが僕の仕事ですから。むしろ、あなたのような綺麗な方が一緒な仕事なら、むしろ大歓迎!ってことで。」
「あはっ、そうかい。……しっかし、あンた……裏のモンだろ?この仕事、やれんのか?」
━━━バフォさん。
聞きますけど、なんで裏商人に通販番組とかやらしてんですか。
しかも、よりによってこの……
よくネット上でもネタにされる、「MAD素材配信番組」とかなんとか言われる、キワモノすぎる謎通販を。
「この、『密航魔界テレフォンショッピング』……ですか。」
「おう、MAD素材なんだし見たことあるんじゃねえの?『危険な狸』あたりはミリオンだしな。」
「まあ、『魔法少女マジカルバフォメット』の奴……『魔界通販マジカルショッピング』なら見たことがありますよ。結構なクオリティでしたね。」
「案外知ってんなあ、アンタ。で、今回の商品はなんだと思う?」
今回の商品。
そういえば、前回は『魔界銀製攻城兵器・本格的破城槌くん』だったな。
今回も兵器路線なのだろうか。
前々回は『カースドソード専用剣・二律相反ちゃん』とかいう、道具の外見をコピーする魔界銀の塊……なんていう、どう見ても別の使い道した方が良い奴だったし。
今回も兵器路線だな?
「今回は……やっぱカマイタチ系で来ますか?」
「おう、それなら良いのがあるんだ」
なんだろうか。
もしかして、カマイタチ専用の過剰な媚薬とか?
地面に押し倒しても大丈夫なようにするエアバッグとか?
それとも、やっぱり魔界銀の鎌とか?
「それは、一体?」
「カマイタチ専用ブザー、『じゅんばんまもるくん』だ。」
…………は?
サバトの内部。
テレビの正面にて。
「ねえバフォ様。にぃにいつ出るの〜?」
「もう少しじゃろう。……と、これじゃこれ。『密航魔界テレフォンショッピング』。このコーナーじゃよ。」
数人の魔物娘が、テレビを前にして座っていた。
……が、そのテレビの内容。
それは、とてつもないカオスなものだったのだ。
「さあ新人のすばるくんをお迎えして、割と絶好調です。」
「僕は不安で割と死にそうですが」
「今回の商品は、こちら!『カマイタチ専用ブザー《じゅんばんまもるくん》』です!」
「なんですかそれ。なんですか。」
「カマイタチのみなさん、自分がどの役割かを忘れてパニックになったことも、一度や二度じゃないと思われます。」
「アイデンティティを失ってますよねそれ。自分の特徴から役割、って事だって聞きましたけど。というか鎌の形で……」
「そんな時にこれ!このじゅんばんまもるくん。これを使えば、自分が行動するタイミングにブザーで通知してくれます!」
「最後まで言わせて下さいよ。……不意打ちのときとか困りませんかね、それ」
「バイブ機能つきなので、集中しすぎて聞こえなくても安心!」
「バイブ機能だけで十分と思われますが」
「なんと今なら、捕まえた男性をベッドに括り付ける為のマジックテープ拘束具をお付けしまして……600円の50回払い!」
「まあ、確かに魔物娘の方には本品より需要があるかもですね。マジックテープ拘束具。」
「お電話、お待ちしています!」
「ねー、バフォ様。………なにこれ」
「これは、その」
「なにこれ。これは、何?」
結論。
知り合いを使って遊んだ結果、ただお茶の間が凍りついただけであった。
ちなみにだが、商品は意外と売れた。
僕の名前は日光すばる。
魔界のとあるサバトとの関わりがあるものの、ただの魔道具商人だ。
そう、さっきまではただの魔道具商人、だったはずなのだが。
「あんたか。おお、悪いな。………ホント、あのヤギちゃんは思いつきで動きやがる。」
目の前に立っている人……
刑部狸の玉置さんが、少し粗暴な感じで話しかけてくる。
確か、彼女はこの番組の司会者である。
「いえいえ!これが僕の仕事ですから。むしろ、あなたのような綺麗な方が一緒な仕事なら、むしろ大歓迎!ってことで。」
「あはっ、そうかい。……しっかし、あンた……裏のモンだろ?この仕事、やれんのか?」
━━━バフォさん。
聞きますけど、なんで裏商人に通販番組とかやらしてんですか。
しかも、よりによってこの……
よくネット上でもネタにされる、「MAD素材配信番組」とかなんとか言われる、キワモノすぎる謎通販を。
「この、『密航魔界テレフォンショッピング』……ですか。」
「おう、MAD素材なんだし見たことあるんじゃねえの?『危険な狸』あたりはミリオンだしな。」
「まあ、『魔法少女マジカルバフォメット』の奴……『魔界通販マジカルショッピング』なら見たことがありますよ。結構なクオリティでしたね。」
「案外知ってんなあ、アンタ。で、今回の商品はなんだと思う?」
今回の商品。
そういえば、前回は『魔界銀製攻城兵器・本格的破城槌くん』だったな。
今回も兵器路線なのだろうか。
前々回は『カースドソード専用剣・二律相反ちゃん』とかいう、道具の外見をコピーする魔界銀の塊……なんていう、どう見ても別の使い道した方が良い奴だったし。
今回も兵器路線だな?
「今回は……やっぱカマイタチ系で来ますか?」
「おう、それなら良いのがあるんだ」
なんだろうか。
もしかして、カマイタチ専用の過剰な媚薬とか?
地面に押し倒しても大丈夫なようにするエアバッグとか?
それとも、やっぱり魔界銀の鎌とか?
「それは、一体?」
「カマイタチ専用ブザー、『じゅんばんまもるくん』だ。」
…………は?
サバトの内部。
テレビの正面にて。
「ねえバフォ様。にぃにいつ出るの〜?」
「もう少しじゃろう。……と、これじゃこれ。『密航魔界テレフォンショッピング』。このコーナーじゃよ。」
数人の魔物娘が、テレビを前にして座っていた。
……が、そのテレビの内容。
それは、とてつもないカオスなものだったのだ。
「さあ新人のすばるくんをお迎えして、割と絶好調です。」
「僕は不安で割と死にそうですが」
「今回の商品は、こちら!『カマイタチ専用ブザー《じゅんばんまもるくん》』です!」
「なんですかそれ。なんですか。」
「カマイタチのみなさん、自分がどの役割かを忘れてパニックになったことも、一度や二度じゃないと思われます。」
「アイデンティティを失ってますよねそれ。自分の特徴から役割、って事だって聞きましたけど。というか鎌の形で……」
「そんな時にこれ!このじゅんばんまもるくん。これを使えば、自分が行動するタイミングにブザーで通知してくれます!」
「最後まで言わせて下さいよ。……不意打ちのときとか困りませんかね、それ」
「バイブ機能つきなので、集中しすぎて聞こえなくても安心!」
「バイブ機能だけで十分と思われますが」
「なんと今なら、捕まえた男性をベッドに括り付ける為のマジックテープ拘束具をお付けしまして……600円の50回払い!」
「まあ、確かに魔物娘の方には本品より需要があるかもですね。マジックテープ拘束具。」
「お電話、お待ちしています!」
「ねー、バフォ様。………なにこれ」
「これは、その」
「なにこれ。これは、何?」
結論。
知り合いを使って遊んだ結果、ただお茶の間が凍りついただけであった。
ちなみにだが、商品は意外と売れた。
19/04/05 22:56更新 / 魔物兄貴♂×3‼
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