サキュバスのいる日常ー2
「しんかいぎょ、とても不思議な形多かったですね!」
「そうだね。僕もあんまり知らなかったから新鮮だったよ」
「頭が透明な魚、いました!あれ、見えてて大丈夫ですます?」
「さあ?深海はそもそもお互いが見えないくらいらしいからね。見えようが見えまいが、気にしないんじゃないかな」
「オォ!なるほど!タケルウさんは頭いいです!賛美するます!」
「さ、賛美まではしなくていいかな?」
面白い生態や見た目をした魚たちがいっぱいいる深海魚コーナーを抜けて、シンディと僕は次の目的地へと向かっていた。
「イルカショーの道順は……っと」
「タケルウさん!こっちに、いるかしょーあいば、こっちだよ!ひだりおりいちぜろエムせんって書いてあるます!」
「ごめん、いろいろ読めてなさすぎて何を言ってるのかわからなくなってきたよ」
「オゥ……ごめんなさいです。謝罪するます。ジパングの言葉より、ニポンゴずとずっと難しです」
「あ、責めたんじゃないから落ち込まないで?ごめんね」
シュンとするシンディをフォローしながら、彼女が見ていた看板を確認した。あぁ、なんだ。『イルカショー会場、こっちだよ!左折10m先』か
「もうすぐそこみたいだから、とりあえず何かお菓子でも買ってから席をとりに行こうか」
「た、タケルウさん。せきって……婚約するますか!?」
「ちょっと待とうか。ここでしっかり日本語をたたきこんであげるね」
「じょ、冗談でーす。さすがにそこはわざとですます!」
「まったく、どこまでが冗談かわかんないよ」
「エヘヘ」
……まあ、この笑顔を見ると100000000%許しちゃうんだけどね。
って、なんかこれだと『惚れた弱み』みたいだよね。流石に、留学生に手を出すわけにはいかないんだよね。付き合うにしたって、まだまだいろいろ制約があるらしいし…
留学生との交流において、僕たちと別世界の人間との間にはいくつもの考え方の相違や法律やら何やらですり合わせが必要な部分が存在する。
そのため、現在留学生とそのホストファミリーの間で公式にルールが制定されている。まあ、まだまだ未熟なルールだから、双方向から不満は噴出しているらしいけどね。
例えば、お互いがお互いに了承がない場合手を出してはいけない、というルール。魔物娘からすればたまった物じゃないといわれているこのルールだけど、このルールがなかったときは、公然と街中でコトに及ぼうとする娘や、逆に相手が魔物娘であるのをいいことに既に夫がいる魔物娘を無理やり襲うこちら側の人間もいたりしたそうだ。
これらのことが重なった結果、世界をまたいだ存在同士の交際は禁じられてはいないものの、それなりの機関を通じて手続きを踏まなければいけないらしい。
まあ、魔物娘との交際なんて、ほとんど結婚みたいなものだけどね。
「タケルウさん?どうかしでした?ぽぇーっとしてるです?」
「ん?あぁ、なんでもないよ。お菓子何を買おうか?」
「ムムム。わたし、お菓子、あまり知りないです。タケルウさん、選んでください!」
「ええぇ……」
「タケルウさんのセンスに希望です!」
「期待…ね?」
「期待です!」
「……はぁ。わかったよ。それじゃあ一緒に買いに」
「わたし!あの、もふもふ!気になるます!」
「ん〜?あ、ぬいぐるみだね。ペンギンとか、クジラとかあるよ」
「ペンギン!さっきの、かわいいですね!わたし、『ぬぐいるみ』見てくるます!」
「ぬいぐるみだって……もういっちゃった。そこで待っててよー!」
「わかってるますぅ♪ワオ!可愛いデース!」
「まったくもぅ…」
さっさと、何か買ってから迎えに行かなきゃ。人が多いし、流されたら大変だ。ポテトチップス……は、彼女がまき散らす未来しか見えないや。じゃあ、こっちの……
そんなこんなでレジに並んだ時間も合わせて5分ほど。マシュマロと、ト●ポを袋に入れてぬいぐるみコーナーに向かうと……
「……シンディ?」
彼女の姿がなかった……
「そうだね。僕もあんまり知らなかったから新鮮だったよ」
「頭が透明な魚、いました!あれ、見えてて大丈夫ですます?」
「さあ?深海はそもそもお互いが見えないくらいらしいからね。見えようが見えまいが、気にしないんじゃないかな」
「オォ!なるほど!タケルウさんは頭いいです!賛美するます!」
「さ、賛美まではしなくていいかな?」
面白い生態や見た目をした魚たちがいっぱいいる深海魚コーナーを抜けて、シンディと僕は次の目的地へと向かっていた。
「イルカショーの道順は……っと」
「タケルウさん!こっちに、いるかしょーあいば、こっちだよ!ひだりおりいちぜろエムせんって書いてあるます!」
「ごめん、いろいろ読めてなさすぎて何を言ってるのかわからなくなってきたよ」
「オゥ……ごめんなさいです。謝罪するます。ジパングの言葉より、ニポンゴずとずっと難しです」
「あ、責めたんじゃないから落ち込まないで?ごめんね」
シュンとするシンディをフォローしながら、彼女が見ていた看板を確認した。あぁ、なんだ。『イルカショー会場、こっちだよ!左折10m先』か
「もうすぐそこみたいだから、とりあえず何かお菓子でも買ってから席をとりに行こうか」
「た、タケルウさん。せきって……婚約するますか!?」
「ちょっと待とうか。ここでしっかり日本語をたたきこんであげるね」
「じょ、冗談でーす。さすがにそこはわざとですます!」
「まったく、どこまでが冗談かわかんないよ」
「エヘヘ」
……まあ、この笑顔を見ると100000000%許しちゃうんだけどね。
って、なんかこれだと『惚れた弱み』みたいだよね。流石に、留学生に手を出すわけにはいかないんだよね。付き合うにしたって、まだまだいろいろ制約があるらしいし…
留学生との交流において、僕たちと別世界の人間との間にはいくつもの考え方の相違や法律やら何やらですり合わせが必要な部分が存在する。
そのため、現在留学生とそのホストファミリーの間で公式にルールが制定されている。まあ、まだまだ未熟なルールだから、双方向から不満は噴出しているらしいけどね。
例えば、お互いがお互いに了承がない場合手を出してはいけない、というルール。魔物娘からすればたまった物じゃないといわれているこのルールだけど、このルールがなかったときは、公然と街中でコトに及ぼうとする娘や、逆に相手が魔物娘であるのをいいことに既に夫がいる魔物娘を無理やり襲うこちら側の人間もいたりしたそうだ。
これらのことが重なった結果、世界をまたいだ存在同士の交際は禁じられてはいないものの、それなりの機関を通じて手続きを踏まなければいけないらしい。
まあ、魔物娘との交際なんて、ほとんど結婚みたいなものだけどね。
「タケルウさん?どうかしでした?ぽぇーっとしてるです?」
「ん?あぁ、なんでもないよ。お菓子何を買おうか?」
「ムムム。わたし、お菓子、あまり知りないです。タケルウさん、選んでください!」
「ええぇ……」
「タケルウさんのセンスに希望です!」
「期待…ね?」
「期待です!」
「……はぁ。わかったよ。それじゃあ一緒に買いに」
「わたし!あの、もふもふ!気になるます!」
「ん〜?あ、ぬいぐるみだね。ペンギンとか、クジラとかあるよ」
「ペンギン!さっきの、かわいいですね!わたし、『ぬぐいるみ』見てくるます!」
「ぬいぐるみだって……もういっちゃった。そこで待っててよー!」
「わかってるますぅ♪ワオ!可愛いデース!」
「まったくもぅ…」
さっさと、何か買ってから迎えに行かなきゃ。人が多いし、流されたら大変だ。ポテトチップス……は、彼女がまき散らす未来しか見えないや。じゃあ、こっちの……
そんなこんなでレジに並んだ時間も合わせて5分ほど。マシュマロと、ト●ポを袋に入れてぬいぐるみコーナーに向かうと……
「……シンディ?」
彼女の姿がなかった……
15/03/11 23:54更新 / しんぷとむ
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