すなのした、ほられて、
砂漠の只中に、オアシスを中心とした反魔物領の街があった。
一番近い親魔物領も砂漠の向こう側なので、魔物に侵略されずにこれまで存続してきた。
この街に、サナという名の少年が住んでいた。
名前も相まって少女に見紛うほどの可憐さを備え、近所の人にも愛される少年だ。家は農業を営み、作物を売って生計を立てていた。サナ自身も両親の農業を手伝っている。
そんなサナは、今日も農作業で疲れて眠りに落ちていた。
そしてサナが眠っている寝室の窓ガラスを覗く影がひとつ。
「はぁはぁ…♥ 今日もサナきゅんはかわいいなぁ…♥」
その影の正体は、サンドウォームのミウ。
数年前、こっそりとこの街を覗いたところ、偶然見かけたサナに一目惚れ。以来、昼間は砂の中でサナの声に耳を澄ませ、夜はこうして寝室を覗くというストーカー生活を送っていた。
サナにとって運の悪いことに、この寝室の窓は背の高い木や農具をしまう倉庫などに囲まれている。そのせいで、ミウの存在は未だ誰にも気づかれていない。一応見回りはいるものの、砂の中から静かに出てくるサンドウォームなど気づけるはずもなかった。
それでも最初の頃はまだ、ただ覗くだけで済んでいた。
しかサナのストーカーを続けていくうち、ミウの心にはドロドロとした情欲と、サナを独占したいという願望が沸き起こっていた。
そして更に厄介なことに。
「はぁぁ…っ♥ サナきゅん、よだれ垂らしてるぅ♥ 可愛いお口だなぁ…♥ 私のちんぽ、しゃぶってほしいなぁ…♥」
ミウは突然変異個体のふたなりであった。
ピンク色の女体の股間部分には、女性にあるはずのない立派な肉棒が生えているのである。おまけに射精まで可能で、そのうえサナに抱いているのはこの肉棒による「挿れる側」としての情欲なのだ。
しかもその分、通常の魔物より性欲が強い。覗きだけで我慢できるはずもなかった。
「あぁぁっ…♥ サナきゅんサナきゅんサナきゅんっ好きぃっ♥」
ミウはサナの寝顔をオカズにして、肉棒を擦り始める。
この日まではまだ「寝顔を脳裏に焼き付け、砂の中にもぐってからそれをオカズに自慰し、全身女性器である口腔内で安全に射精する」ぐらいだったミウだが、今夜はとうとう我慢できず、そのまま外で自慰を始めてしまった。
「サナきゅんのっ、可愛いお口でっ♥ 私のおちんぽ、しゃぶってもらうっ♥ あ、あぁぁ、あぁぁ♥ サナきゅんっ、サナきゅんっ♥ ミウ、サナきゅんの寝顔で射精するよっ♥ ザーメンかけちゃうねっ♥」
<ぶびゅるるるるるっ!>
ミウはそのまま、寝室の窓ガラスに射精してしまった。
白いベトベトまみれになった窓ガラスを尻目に、ミウはワームの中へと帰っていく。
「うふふ…ごめんねサナきゅん、窓汚しちゃって…♥ でもね、サナきゅんが悪いんだからね…♥ そんな可愛い寝顔、ザーメンまみれにしたくなるに決まってるもん…♥」
砂の中に潜ってからも、ミウの火照りは収まらなかった。
「サナきゅん…もうすぐ精通するよね…♥ ザーメンの飲ませあいっこ、しようねっ…♥」
・
・
・
翌朝。
目が覚めたサナは、窓にこびりついたミウの情欲の塊に気付く。
「え…? なに、これ…?」
困惑しながらも、サナはまず朝食を、と部屋を出て行った。
この日、両親は作物を売りに行くため、サナは一人で農作業をすることになっていた。
もちろん、砂の下から盗聴し続けているミウもそのことは把握している。昨夜、情欲を抑えきれなかったのも、今日というこの最大のチャンスが目の前にあったせいだ。
両親が出て行ったあと、サナは自室の窓のことを思い出す。
「先に窓の掃除しなきゃ…」
サナは窓がある家の裏手、農地にも繋がる裏庭へと出てきた。
ミウのザーメンは、まだ乾ききっておらず粘り気がある。
「うわぁ…ヌメヌメしてる…一体何なの、これ…?」
気味悪がりながら、サナは窓の汚れを拭き取っていく。
まだ精通を迎えていないサナは、それが何なのか見当もつかない。
「なかなかっ、取れないなぁ…ん、何だろう、この匂い? なんか、変なの…」
ミウのザーメンは、人間の精液とは少々異なる。
元々はサンドウォームの体内の分泌液からなるものであり、快楽への抵抗を無くさせる媚薬成分が含まれ、匂いもどこか甘い香りがする。
(何だろう、この、変な感じ…)
未知の匂いにクラクラしかけるも、気を取り直してサナは作業を進める。
(サナきゅんがっ♥ 私のザーメン嗅いでるっ♥ はうぅぅぅ♥)
サナのすぐ足下で、ミウはその行動を逐一感じ取っていた。
もちろん、サナが自身のザーメンを嗅いでいるという状況に興奮を抑えきれない。
(もう、いいよねっ♥ すぐにでもっ、一緒になろっ♥)
「ふぅっ、取れた! さてと、それじゃあ…」
窓掃除が終わったサナは、農地へ向かおうと背を向けた。
その瞬間。
「サナきゅんっ♥」
「…………えっ?」
砂から這い出たミウは、サナの身体をワームで一吞みにしてしまった。
すぐさまミウが口を閉じ砂に潜ると、辺りはなにもなかったかのように静かだった。
そしてその光景を見たものも聞いたものも、幸いにも(或いは不幸にも)いなかった。
・
・
・
「う…うぅ、んぅ…?」
数時間後、サナは目を覚ました。
辺りを見回すと、自分がピンク色の洞窟らしき場所にいるらしいと分かる。
更に洞窟全体から、先ほど嗅いだ覚えがあるような匂いが漂っていた。
「ここ、どこ…? ん…うぇっ!?」
身体を動かそうとして、サナは自身が外壁と同じ色の触手に拘束されていると気づく。
しかも、いつの間にか衣服はすべて無くなっていて全裸の状態だった。
「な、なに、これ…?」
触手は肉のような感触でヌメヌメとしており、どうやら洞窟全体もそうらしい。
まるで、何者かの体内にでも潜り込んでしまったかのような…
「あっ! サナきゅん起きた〜♥」
「ひぃっ!?」
サナの目の前で、肉壁が突然人の形をとって出現した。
ミウだ。
「ここがどこかって? もっちろん、私の身体のナカだよっ♥」
「ば、ばけ…もの…っ」
突然現れた、少なくとも人間ではない存在を目の当たりにし、サナの口から言葉が漏れた。
それを聞くとミウは露骨に不機嫌そうな顔をする。
「むぅ〜っ! ばけものなんてひどいよっ! 私にはミウって名前があるのーっ!」
駄々っ子のようにミウが両腕をバタバタさせると、空間全体が脈動して揺れた。
「ひっ…」
「ねぇサナきゅん、ミウって呼んで? ね? ねぇっ♥」
ミウに顔を覗き込まれ、サナは恐怖で固まる。
よく見れば、ミウの目はハートを浮かばせながらも狂気が宿っていた。
もしもこれ以上「ばけもの」などと呼んでしまえば、どうなるものか。
「は、はい、ミウ、さん…」
「〜ッ♥ サナきゅんが私の名前、呼んでくれたぁっ♥」
ミウが無邪気に喜ぶ様子にも、サナはまだ恐怖しか感じない。
そして恐怖と混乱のあまり、サナはミウが自分の名前を知っているということに違和感を覚えることができていなかった。
「あ、あの…」
「なぁに? サ・ナ・きゅん♥」
「ぼ、ボク、なんで、こんなところに…」
「もちろん、私がサナきゅんをお迎えしたからだよっ♥」
「え…」
サナは意識を失う直前のことを思い出した。
何かが覆いかぶさるように、背後から…
「…ッ!」
この明らかに人間ではない、目の前の彼女は。
間違いなく、魔物。
反魔物領だけあって魔物の恐ろしさを教えられてきたサナは、それに気付いて恐怖した。
言葉が通じるようなので、恐る恐る尋ねる。
「こっ…ここから…だ、出してくれませんか…っ」
「え? ダメだよ♥ そんなの、サナきゅんの綺麗なカラダが汚れちゃうもん…♥ サナきゅんはぁ…♥ 私のナカで、私のお婿さんになって一生一緒にいるのっ♥」
「そ、そんな…そんなのやだっ! 一生、こんなところ、なんて…だ、出してっ!」
言葉は通じても、話は通じそうになかった。
「んもー…そんなこと言っちゃうサナきゅんは、これでオシオキしてあげるっ♥」
「え…」
ズボッという音と共に、ミウの股間から肉棒が姿を現した。
サナのそれより遥かに太く、長く、複数のカリが生えた凶悪な姿。
「ひっ!? なに、それっ、なんで、おちんちん、がっ…」
「そーれっ♥」
「うわっ!?」
サナが狼狽えていると、ミウは触手を操ってサナの下半身を持ち上げた。
所謂ちんぐり返しの体制になり、菊門が丸見えになる。
「はあっ♥ サナきゅんのお尻の穴、丸見えだよっ♥ ね、ね、挿れてもいい? いいよねっ♥ ぶち込ませてっ♥」
「え…っ、あ…!? や、やだっ、やめてぇっ!」
ミウが今からやろうとしていることを察し、サナは全力でもがきだした。
が、もちろん触手に持ち上げられて力の入らないサナでは抵抗にならない。
「えへへぇ…♥」
「そ、そんなのっ、入るはずないからっ! き、汚いしっ…!」
「だーいじょうぶだよぉ♥ サナきゅんが寝てる間に、じっくりほぐしてあげたしキレイキレイにしてあげたからぁ♥」
「え…っ」
目が覚めるまでの間にアナル開発をされていたなど、想定できるわけがない。
恐怖と混乱で茫然とするサナのアナルに、ミウはその凶暴な肉棒を近づけていく。
「…や、やだぁっ! やだやだやだっ、だれか、だれかたすけてっ!」
「だぁれもこないよぉ…♥ 逃がすだなんて、できるわけないじゃん…♥」
半狂乱で暴れるサナの身体を、触手が強く拘束して抑えつけた。
サナは全身を恐怖で震わせ、泣き出してしまう。
「う…や、やだ…やめてぇ…ぐすっ、ぱぱ、まま、たすけてぇ…」
「サナきゅんがパパになるんだよぉ♥ あれっ、でも挿れられる側だからサナきゅんはママになるのかなっ♥ あはっ、もうどっちでもいいよねっ♥」
サナの菊門に、ミウの肉棒の先端が触れた。
「ひ…ぃっ」
「挿れちゃうよぉっ♥ サナきゅんの頭の中まで、私のおちんぽでぐっちょぐちょの快楽漬けにしちゃうからねぇ♥ もう逃げたくなんてならないぐらい、依存させちゃうっ♥」
「やだ…やだよぉ…やめて…やめてぇ…」
「きーこーえーなー、いっ♥」
<ずぶぅっ>
「ひぃ…あぁぁぁぁぁ…っ」
ミウの凶悪な肉棒が、サナの菊門を押し広げながら蹂躙するかのごとく侵入を始める。
「っはあああああ♥ この挿れるべきところに挿入った感じっ、最ッ…高ッ♥」
「あ…ぐぅ…っ、やめてぇ…」
事前にほぐされただけはあってか、サナのアナルはミウの肉棒を受け入れた。
それでも挿れられている当人は、強烈すぎる異物感と少しの痛みで苦しみもがいている。
とうとう、ミウの肉棒は根元までサナの中に収められてしまった。
「あっは♥ 奥まで入っちゃっ、た♥」
「そんなぁ…っ、も、もう、やめてぇ…もう、ぬいてよぉ…」
「だーめだよぉ♥ ミウのおちんぽで完全に堕ちちゃうまでぇ…やめてあげないっ♥」
するとミウは、根元まで入った肉棒をゆっくりと引き抜いていった。
いくつもの凶悪なカリが、サナの腸内をゴリュゴリュと刺激していく。
「ひっ、ぎゃぁっ!? あ、あ、あぁぁあっ…」
「サナきゅんのお肉が絡みついてくるぅ♥ おちんぽにキスされてるみたいっ♥」
そうして、もう少しで全て抜けるギリギリのところで。
「あはっ♥」
一気に根元まで、ミウは肉棒を打ち付けた。
「っ、ああああああああ!」
「きもちいよぉっ、サナきゅんのナカぁっ♥」
ミウはそのまま、サナのアナルをピストン運動で突き始める。
<ごちゅん! ずちゅん! ぐちゅっ、ぐちゅん!>
「あうっ、がっ、ひっ、や、やだ、だめっ、まっ、あ、あぁぁっ!」
「いいっ、いいよぉぉ♥ 私、もうすぐっ、イキそうっ♥ サナきゅんのナカにっ、ザーメンびゅるびゅるしちゃいそうっ♥」
「なっ、なにっ、すっ、う、あぅっ!」
「さっきっ、サナきゅんがっ、掃除してたのっ♥ いっぱい、ぶちまけちゃうっ♥」
「え…ひっ、やだっ、やめっ、ゆるしっ、ぅあっ…」
サナは窓に付着したあの粘液の正体を知った。
そして、あんなものを体内にぶちまけられると言う恐怖に震え上がる。
そのサナの恐怖する顔を見た興奮と快楽で、ミウの腰の動きが速くなってきた。
<ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんっ!>
「あぁっ♥ イクっ♥ サナきゅんでイクっ♥ びゅるびゅるするっ♥ でちゃうでちゃうっ♥ イクイクイクイクイクぅぅぅぅっ♥」
「やだやだやだっ、ださないでっ、おねがいやめてっ、やだっ、だめっ、だめえっ、やだっ、やだっ、だめっ、やめてええええええええ!」
<ぶびゅるるるるるるるるるるぅぅぅぅっ!>
「おあっ♥ あはっ、ふあぁぁぁぁぁぁぁ♥」
「いやあああああああああああ!」
ミウの身体が一際強く震えると、脈打つ肉棒から大量の白濁液がぶちまけられる。
懇願むなしくミウのザーメンの激流に腸内を蹂躙されてしまい、サナは全身を仰け反らせて手足をバタつかせた。
「あ…あぁぁ…ひ、ひどい…よぉ…やめてって、いった、のにぃ…」
「っはぁぁぁ♥ だーいじょーうぶっ♥ サナきゅんのお尻、私のザーメンごくごくしてどんどん気持ちよくなってくもんっ♥」
「う…そん、なのっ…やだぁ…」
言いながらもサナは、内臓が熱くなっていくのを感じる。
敏感な粘膜、それも腸から媚薬成分入りザーメンを吸収してしまったサナの身体は、瞬く間に快楽への抵抗力をなくしていった。
「っ…なに、これぇ…からだ、あつい…?」
「どんどん気持ちよくなってるねっ♥ もっともっと、ザーメン注いであげるねっ♥」
「!? や、やだっ、もうやめっ…」
「サナきゅんのナカ、きもちぃぃぃっ♥」
<ぱんぱんぱんぱんっ!>
サナの懇願など意に介さず、ミウは二度目のピストンを始める。
「いっ、いやぁっ! あっ、あ、やっ♥ あうっ!?」
「あっ♥ 今、とっても可愛い喘ぎ声出したっ♥ 気持ちよくなってるんだねっ、サナきゅんっ♥ やったぁ♥」
サナは、自分の口から洩れた嬌声に自分で驚いた。
先ほどと同じく、凶悪な肉棒で乱暴に犯されているのに。
白濁液にまみれた腸内を、ぐちょぐちょに掻き回されているのに。
痛みを、もう感じない。
それどころか一突きの度に、背筋をゾクゾクとした感覚が駆け巡っている。
(そんな…なんで、こんなこと、されて、きもちよく、なんて…)
「あはっ♥ サナきゅんのおちんぽもビンビンだよっ♥ アナルもっ、キュッて締まってきたっ♥ このまんま、気持ちよくしてあげるっ♥」
「えっ、あっ!? なんでっ、ひっ、あうんっ♥」
見ると、サナの肉棒は自分でも見たことがないぐらいガチガチに勃起していた。
それが何を意味するかも理解できていないサナは、快楽に流されないよう必死である。
「サナきゅんのよわいとこ、どこかなっ♥ ここかなっ♥ えいえいっ♥」
<ごりゅっ♪>
ミウの肉棒が、サナの腸内の一点を掻いた瞬間。
サナは、大きく腰を脈打たせた。
「ひっ、やぁぁ!? だめ、そこ、なんか、だめなのぉっ♥」
「サナきゅんの前立腺はっけーん♥ ぐりぐりぐりぐりぃっ♥」
「あっ、あっ、あぁぁぁ♥ やめてぇっ!」
前立腺を重点的に責め立てられ、サナは喘ぎ声が抑えきれない。
サナの肉棒の先からは、いつしか透明な先走り汁がドバドバと溢れ出ていた。
「サナきゅんの喘ぎ声可愛いよぉ♥ 私、もう、また、びゅるびゅるしたくなってきちゃったっ♥」
「えっ、やだっ、あっ♥ まって、やめてっ、だめ、ひんっ♥」
抵抗しようとするも、自分の喘ぎ声で遮られる始末。
前立腺を重点的に責め立てつつ、ミウのピストンの動きが激しくなっていく。
「あはぁっ♥ 二発目、いっくよーっ♥」
「あっ♥ や、やめっ、あっ、あぁぁぁーっ♥」
<ごびゅるるるるるるるるるっ!>
<どくっ、どくっ…>
「あっはぁぁぁっ♥ サナきゅんっ、いいよぉっ♥」
「んぅぅぅ…っ♥ あ…う…うっ!?」
二度目の腸内射精と共に、サナの肉棒の先からも白濁液がドロリと零れた。
「え…な、なんで…ぼく、まで…どろどろ…でて…」
「っっっ♥ やったぁっ♥ サナきゅんの精通せーえきだぁっ♥」
恐怖と困惑の混じった目で自らの精通を眺めるサナに対し、ミウは零れた精液を大喜びしながら手ですくい、砂漠を放浪した旅人が数日ぶりに水を飲むかのような貪欲さと喜びを以て舐め取り、味わい、嚥下する。
「おいひぃぃ♥ …もっと…ほしい、なぁ…♥」
「ひ…っ」
ミウに恍惚とした表情を向けられ、サナは恐怖で縮み上がった。
もっとほしい、ということは、今のようなことをまだ何度も…
「ま、まって、まってくださいっ、ミ…ミウ、さんっ」
(また名前呼んでくれたぁっ♥)「なーに? サナきゅん♥」
名前を呼べば声が届く、というサナの予想は辛うじて当たっていたようだ。
何度も無視されてきた懇願を、再びミウに告げる。
「お…おねがいします…もう、やめて、ください…っ」
「えーっ?」
「おなか…もう…いっぱい…で、おかしく…おかしく、なっちゃ…って…」
「いいじゃんいいじゃん♥ おかしくなろーうよっ♥」
「やだ…やだぁ…おねがいします…おねがいします…もう、ゆるしてぇ…」
「ふぅん…」
※そのころのミウの脳内
(サナきゅん可愛い泣き顔可愛い震えてるの可愛いゾクゾクしちゃう♥
もうそろそろ私のザーメンも馴染んでる頃だよねぇ♥ もっと犯したいなぁ♥
でもでもお口ご奉仕もしてもらいたいし色んなトコロ開発したいしぃ♥
家族計画とか新婚旅行とかもお話ししたいかもー♥
あ、そういえばアレがまだだったなぁ…)
暫しの沈黙の後、ミウは口を開いた。
「お尻ずぶずぶされるの、もういいの?」
「は、はい…はいっ、もう…もう、やめて、くださいっ…」
「んー、それじゃあ…♥ やめてあげてもいいよぉ♥」
「え…ほ、ほんと、ですか! それじゃあ…」
「た・だ・し♥ 私のお婿さんになるーって、ちゃんと宣言してくれたらねっ♥」
「…………え…」
「そしたら、今日はこれでやめてあげるっ♥」
その申し出に、サナは狼狽える。
もちろん、これ以上犯されたくはない。
ただ、この魔物の婿になるというのはもっと恐ろしい。
何より、ミウの最後の発言。
「今日は」これでやめてあげる、ということは?
夫婦となってしまった後、明日から自分は一体どのようになってしまうのか?
それこそ、これ以上に酷いことになるという確信があった。
「ささっ♥ お婿さんになるって、言ってくれていいんだよっ♥」
「…………や…だ…」
「…えっ?」
一度宣言してしまえば、もう戻れないだろう。
だからこそ。
「やだっ! ボク、魔物のお婿さんになんて…ならない…っ」
精一杯の勇気。
逆上されて殺されるかもしれないという恐怖で震えながら、サナは拒絶した。
一方のミウは、予想外の反応だったのか茫然としている。
「…………」
サナは目を固く閉じ、沈黙に耐えた。
「なんでそんなこというの?」
沈黙を破ったミウは、先ほどまでより低い声でそう呟く。
その声はサナを震え上がらせ、死を覚悟させるには充分すぎた。
「ひ…ひっ…」
「サナきゅんは私のお婿さんになるために生まれてきたんだよ?」
「あ…あぁ…」
「だから、お婿さんになるって、言わないと、ダメなのに」
ガチガチと歯を震わせ、力なくフルフルと首を横に振り。
狂気そのもののようなその言葉に対して、抵抗というにはあまりに弱弱しい抗議。
「…………そっか」
「っ…」
次の瞬間、首を刎ねられてもおかしくはない。
サナは目を固く閉じ、必死で祈る。
「…そっかぁ、まだ二回目だもんねっ♥」
「…え?」
ミウの声の調子が、先ほどまでの狂ったように陽気なものに戻った。
「まだ二回分しかザーメン注げてないもんねっ♥ まだまだ、気持ちよくなり足りないんだよねっ♥ うふふ、ごめんねサナきゅん、気づかなかったっ♥ 二回ぼっちで決めてって言っても、もっとちゃんと気持ちよくなれるかなんて分かんなかったんだよねっ、だからイヤだって言ったんだねっ♥」
「え…あ…ちが…えぇ…?」
話している内容は狂気そのものである。
サナは今すぐ命がどうこうという展開にはならないと悟ったものの、だからといって身の危険が去ったなどとは微塵も感じられなかった。
「だ・か・らぁ♥」
「っ…」
ミウがサナの顔を覗き込む。
「サナきゅんがちゃんと気持ちよくなって、お婿さんになるって言ってくれるまで、何度でも、何度でも何度でも何度でもザーメン注いであげるねっ♥」
「え…………そ、そん、な…」
つまりは、懇願する前と同じ、あるいはもっと酷い。
また延々と犯され続ける悪夢が続くのだと、サナには聞こえた。
犯され続けて壊れるか。
魔物と夫婦になって、恐らくは結局壊れるか…
サナは目の前が真っ暗になった。
・
・
・
<どびゅるるるるるるるるるぅっ!>
「あっ!? ひぃ…っ♥」
「あっ♥ サナきゅん、やっと起きたっ♥」
サナが意識を取り戻したのは、通算五回目の精液を注ぎ込まれた時だった。
「ちょっと激しすぎたかなっ♥ ごめんねっ♥ でもサナきゅんのお尻、どんどん気持ちよくなるんだもんっ♥ どんどんサナきゅんがえっちになってくんだから、仕方ないよねっ♥」
「あ…ああ…あ…っ!?」
自らの下腹部に目をやると、吸収が間に合わない精液でぽっこりと膨れている。
更には、自覚している中では間違いなく人生最大レベルに勃起しきった自身の肉棒。
サナ自身はそうと気付いていないが、ミウの大量のザーメンを注ぎ込まれた結果、身体は既にインキュバスのそれに変化してしまっている。
そしてそれ以上に、ミウの菊門から腸内にかけては雌としての快楽を享受する器官として、貪欲に肉棒を求めるサキュバス然としたそれへと完成させられていた。
「あはっ♥ それじゃあ、もっと気持ちよくなろうねっ♥ サナきゅんにもっともっともっともっと、ザーメン注いであげるからねっ♥」
「い…いや…だめ…もうやめっ…」
<ぐちゅんぐちゅんぐちゅんぐちゅんっ!>
<どくっ、どくどくっ、どくっ…>
「〜〜〜〜〜ッ!?」
「きもちいっ♥ サナきゅんのおしりまんこっ♥ わらひのちんぽにからみついてっ♥」
ピストンの一突きごとに、サナの全身を快楽が、純然たる快楽が駆け巡る。
既にほぼ膣のごとく完成させられた直腸はひとりでに、貪欲にミウの肉棒にしゃぶりつき、締め付け、カリのもたらす刺激に脈打った。
もはや想像したこともないほどの快楽の奔流に抗うすべなどサナにはなく、突かれるたびに自身の肉棒から精液が溢れほとばしる。
そしてその精液は、ミウが一滴残らず掬い、ねぶりとっていった。
「あ、あっ、あん♥ やんっ♥ はっ♥ あっ♥ あぁん♥」
「ああっ♥ サナきゅんの喘ぎ声っ♥ かわいいよぉっ♥」
(うそっ、なんで、こんな、きもち、いいのっ!?)
抑えが効かずにサナの口から漏れ出る嬌声は、快楽に翻弄される少女のそれに近しい。
「あっ♥ サナきゅんっ♥ またでるよっ♥ びゅるびゅるするよぉっ♥」
「あっ♥ ひっ♥ やぁっ♥ だめぇ♥ んぅぅ♥ ああああっ♥」
<びゅぶるるるるるるるるるっ!>
<どくどくどくどくどくぅっ!>
六度目の腸内射精は両者同時に絶頂し、サナは大きく身体を仰け反らせた。
ボコッという音とともに更に膨らんだ腹部に、自身の精液が迸る。
「あ…あぁぁ…♥」
「サナきゅんがどんどんえっちになってくっ♥ わたし、嬉しいっ♥」
結婚を承諾するまで注ぎ込み続ける、という話だったが。
既にサナは快楽に負け、まともな言葉が紡げないせいで拒否も承諾もできない。
一方のミウは、目の前で更に淫靡になるサナで快楽を貪るほうに意識が集中してしまっていた。
・
・
・
嬌声の群れと濁流のような射精のセットが、更に三回。
サナの腹部は限界まで膨れ上がってしまった。サナの菊門が快楽に後押しされてミウの肉棒をぎゅうぎゅうと締め付けるせいで、ザーメンが殆ど溢れてこない。
「あ♥ あー♥ あ、あ、あぁー…♥」
「サナきゅんサナきゅんサナきゅんっっ♥ でるよぉっ♥」
もはやうわごとのような嬌声をあげることしかできないサナに向け、通算十回目の射精。
<どびゅぅぅるるるるるるるるぅぅぅぅっ!>
「あっ…お…、ごぼぉっ!?」
同時に、サナの口から精液が噴き出す。
サナの体内に収まりきらなくなったミウのザーメンがついに決壊し、溢れ出てしまったのだ。
「ごぼ…ごほぉ…っ」
「すごぉいっ♥ サナきゅんのなかっ、私のざーめんで全部うまっちゃったぁ♥」
「ごほっ、げほっ…う、あ…うぅ…」
自身の口から逆流した精液が漏れ出るという状況への驚きと、息苦しさもあいまって、サナの意識が微かに復調した。
「ミ…ウ…さん…」
「あっ♥ なぁにサナきゅん♥」
「もう…くるし…くて…はいり…ません…」
「うんうん、おなかの中全部私のざーめんで埋めちゃったもんねっ♥」
「げんかい…です…ぬいて…くださいぃ…」
もはや抵抗というよりは懇願、むしろ命乞いの域である。
インキュバスとなっており人間よりは頑丈であるため、実際にはこれでもまだ生命の危機などではないのだが、サナはそんなことを知るはずもない。
「おかしく…なっちゃいましたあ…♥ しゃせー、も、とまりません…♥ きもちいいのも…びりびりして…おかしくなって…もう…だめですぅ…♥」
既に全身に染み込んだミウのザーメンの影響で、懇願の声も甘ったるい声色になってしまう。
「そっかそっかぁ♥ 確かにもう十分かなっ♥ でもでもぉ…♥」
ミウが再び、サナの顔を覗き込んだ。
「まだ、お婿さんになるって、言ってくれてないよねぇ…♥」
「あ…」
心の奥底では、まだ抵抗が残っている。
しかしもう、身体も精神も快楽に負け、屈服させられている。
もはや拒むだけの力が、サナには残っていなかった。
「なり…ます…ミウさんの…おむこさんになりますぅ…♥ だから…もう…」
「…いやったああああああああっ♥」
歓喜の叫びと共に、ミウはサナから数時間ぶりに肉棒を引き抜く。
「っひぃいいいい♥」
「すごぉいっ♥ サナきゅん、おちんぽとおしりまんこから同時に射精してるっ♥」
その衝撃でサナは勢いよく射精するとともに、菊門からザーメンの噴水が迸った。
それによって膨らんだ腹部も、少しずつ戻っていく。
同時に、大量のザーメンが流れゆく体内、特に直腸は更なる媚薬漬けにされていった。
アナルからの射精が収まり、体形が戻るころには、サナの顔はすっかり蕩けていた。
奥底に残っていた最後の抵抗まで押し流され、完全に堕ちてしまっている。
「かわいいっ…♥ だいすきだよっ、サナきゅんっ♥ ずっとずっと、いっしょにいようねっ♥ むちゅぅ…っ♥」
「ん…んちゅう…♥」
そんなサナにミウは抱き着き、愛情をこめて唇を重ね、舌を絡ませた。
サナは抵抗なくそれを受け入れ、抱きしめ返しながら、自身の肉棒から精液を溢れさせる。
<どく…どくどくどく…どくどくっ…どくどくどくどくどくぅ…>
長い口づけと射精の後、サナはミウの肉棒に目をやった。
「ミウ…さん…♥」
「どうしたのっ♥」
「おく…ちで、ごほうし…しますっ♥」
「え…♥」
もはや自ら、ミウの肉棒に奉仕を願い出るまでになっている。
サナの小ぶりな手がミウの凶悪な肉棒に添えられ、あどけない口を開けて亀頭を咥え込み…
「あむ…ぅ♥」
「あ…♥」
・
・
・
こうして、一人の少年が淫獄に堕ちた。
なおこの後、二人の交わりによってサンドウォームの中に満ち満ちた淫気が溢れだし。
砂を通して街の水源たるオアシスの地下水に溶け込み、染め上げて。
知らない間に街全体が徐々に魔界化していくのだが、それはまた別のお話。
一番近い親魔物領も砂漠の向こう側なので、魔物に侵略されずにこれまで存続してきた。
この街に、サナという名の少年が住んでいた。
名前も相まって少女に見紛うほどの可憐さを備え、近所の人にも愛される少年だ。家は農業を営み、作物を売って生計を立てていた。サナ自身も両親の農業を手伝っている。
そんなサナは、今日も農作業で疲れて眠りに落ちていた。
そしてサナが眠っている寝室の窓ガラスを覗く影がひとつ。
「はぁはぁ…♥ 今日もサナきゅんはかわいいなぁ…♥」
その影の正体は、サンドウォームのミウ。
数年前、こっそりとこの街を覗いたところ、偶然見かけたサナに一目惚れ。以来、昼間は砂の中でサナの声に耳を澄ませ、夜はこうして寝室を覗くというストーカー生活を送っていた。
サナにとって運の悪いことに、この寝室の窓は背の高い木や農具をしまう倉庫などに囲まれている。そのせいで、ミウの存在は未だ誰にも気づかれていない。一応見回りはいるものの、砂の中から静かに出てくるサンドウォームなど気づけるはずもなかった。
それでも最初の頃はまだ、ただ覗くだけで済んでいた。
しかサナのストーカーを続けていくうち、ミウの心にはドロドロとした情欲と、サナを独占したいという願望が沸き起こっていた。
そして更に厄介なことに。
「はぁぁ…っ♥ サナきゅん、よだれ垂らしてるぅ♥ 可愛いお口だなぁ…♥ 私のちんぽ、しゃぶってほしいなぁ…♥」
ミウは突然変異個体のふたなりであった。
ピンク色の女体の股間部分には、女性にあるはずのない立派な肉棒が生えているのである。おまけに射精まで可能で、そのうえサナに抱いているのはこの肉棒による「挿れる側」としての情欲なのだ。
しかもその分、通常の魔物より性欲が強い。覗きだけで我慢できるはずもなかった。
「あぁぁっ…♥ サナきゅんサナきゅんサナきゅんっ好きぃっ♥」
ミウはサナの寝顔をオカズにして、肉棒を擦り始める。
この日まではまだ「寝顔を脳裏に焼き付け、砂の中にもぐってからそれをオカズに自慰し、全身女性器である口腔内で安全に射精する」ぐらいだったミウだが、今夜はとうとう我慢できず、そのまま外で自慰を始めてしまった。
「サナきゅんのっ、可愛いお口でっ♥ 私のおちんぽ、しゃぶってもらうっ♥ あ、あぁぁ、あぁぁ♥ サナきゅんっ、サナきゅんっ♥ ミウ、サナきゅんの寝顔で射精するよっ♥ ザーメンかけちゃうねっ♥」
<ぶびゅるるるるるっ!>
ミウはそのまま、寝室の窓ガラスに射精してしまった。
白いベトベトまみれになった窓ガラスを尻目に、ミウはワームの中へと帰っていく。
「うふふ…ごめんねサナきゅん、窓汚しちゃって…♥ でもね、サナきゅんが悪いんだからね…♥ そんな可愛い寝顔、ザーメンまみれにしたくなるに決まってるもん…♥」
砂の中に潜ってからも、ミウの火照りは収まらなかった。
「サナきゅん…もうすぐ精通するよね…♥ ザーメンの飲ませあいっこ、しようねっ…♥」
・
・
・
翌朝。
目が覚めたサナは、窓にこびりついたミウの情欲の塊に気付く。
「え…? なに、これ…?」
困惑しながらも、サナはまず朝食を、と部屋を出て行った。
この日、両親は作物を売りに行くため、サナは一人で農作業をすることになっていた。
もちろん、砂の下から盗聴し続けているミウもそのことは把握している。昨夜、情欲を抑えきれなかったのも、今日というこの最大のチャンスが目の前にあったせいだ。
両親が出て行ったあと、サナは自室の窓のことを思い出す。
「先に窓の掃除しなきゃ…」
サナは窓がある家の裏手、農地にも繋がる裏庭へと出てきた。
ミウのザーメンは、まだ乾ききっておらず粘り気がある。
「うわぁ…ヌメヌメしてる…一体何なの、これ…?」
気味悪がりながら、サナは窓の汚れを拭き取っていく。
まだ精通を迎えていないサナは、それが何なのか見当もつかない。
「なかなかっ、取れないなぁ…ん、何だろう、この匂い? なんか、変なの…」
ミウのザーメンは、人間の精液とは少々異なる。
元々はサンドウォームの体内の分泌液からなるものであり、快楽への抵抗を無くさせる媚薬成分が含まれ、匂いもどこか甘い香りがする。
(何だろう、この、変な感じ…)
未知の匂いにクラクラしかけるも、気を取り直してサナは作業を進める。
(サナきゅんがっ♥ 私のザーメン嗅いでるっ♥ はうぅぅぅ♥)
サナのすぐ足下で、ミウはその行動を逐一感じ取っていた。
もちろん、サナが自身のザーメンを嗅いでいるという状況に興奮を抑えきれない。
(もう、いいよねっ♥ すぐにでもっ、一緒になろっ♥)
「ふぅっ、取れた! さてと、それじゃあ…」
窓掃除が終わったサナは、農地へ向かおうと背を向けた。
その瞬間。
「サナきゅんっ♥」
「…………えっ?」
砂から這い出たミウは、サナの身体をワームで一吞みにしてしまった。
すぐさまミウが口を閉じ砂に潜ると、辺りはなにもなかったかのように静かだった。
そしてその光景を見たものも聞いたものも、幸いにも(或いは不幸にも)いなかった。
・
・
・
「う…うぅ、んぅ…?」
数時間後、サナは目を覚ました。
辺りを見回すと、自分がピンク色の洞窟らしき場所にいるらしいと分かる。
更に洞窟全体から、先ほど嗅いだ覚えがあるような匂いが漂っていた。
「ここ、どこ…? ん…うぇっ!?」
身体を動かそうとして、サナは自身が外壁と同じ色の触手に拘束されていると気づく。
しかも、いつの間にか衣服はすべて無くなっていて全裸の状態だった。
「な、なに、これ…?」
触手は肉のような感触でヌメヌメとしており、どうやら洞窟全体もそうらしい。
まるで、何者かの体内にでも潜り込んでしまったかのような…
「あっ! サナきゅん起きた〜♥」
「ひぃっ!?」
サナの目の前で、肉壁が突然人の形をとって出現した。
ミウだ。
「ここがどこかって? もっちろん、私の身体のナカだよっ♥」
「ば、ばけ…もの…っ」
突然現れた、少なくとも人間ではない存在を目の当たりにし、サナの口から言葉が漏れた。
それを聞くとミウは露骨に不機嫌そうな顔をする。
「むぅ〜っ! ばけものなんてひどいよっ! 私にはミウって名前があるのーっ!」
駄々っ子のようにミウが両腕をバタバタさせると、空間全体が脈動して揺れた。
「ひっ…」
「ねぇサナきゅん、ミウって呼んで? ね? ねぇっ♥」
ミウに顔を覗き込まれ、サナは恐怖で固まる。
よく見れば、ミウの目はハートを浮かばせながらも狂気が宿っていた。
もしもこれ以上「ばけもの」などと呼んでしまえば、どうなるものか。
「は、はい、ミウ、さん…」
「〜ッ♥ サナきゅんが私の名前、呼んでくれたぁっ♥」
ミウが無邪気に喜ぶ様子にも、サナはまだ恐怖しか感じない。
そして恐怖と混乱のあまり、サナはミウが自分の名前を知っているということに違和感を覚えることができていなかった。
「あ、あの…」
「なぁに? サ・ナ・きゅん♥」
「ぼ、ボク、なんで、こんなところに…」
「もちろん、私がサナきゅんをお迎えしたからだよっ♥」
「え…」
サナは意識を失う直前のことを思い出した。
何かが覆いかぶさるように、背後から…
「…ッ!」
この明らかに人間ではない、目の前の彼女は。
間違いなく、魔物。
反魔物領だけあって魔物の恐ろしさを教えられてきたサナは、それに気付いて恐怖した。
言葉が通じるようなので、恐る恐る尋ねる。
「こっ…ここから…だ、出してくれませんか…っ」
「え? ダメだよ♥ そんなの、サナきゅんの綺麗なカラダが汚れちゃうもん…♥ サナきゅんはぁ…♥ 私のナカで、私のお婿さんになって一生一緒にいるのっ♥」
「そ、そんな…そんなのやだっ! 一生、こんなところ、なんて…だ、出してっ!」
言葉は通じても、話は通じそうになかった。
「んもー…そんなこと言っちゃうサナきゅんは、これでオシオキしてあげるっ♥」
「え…」
ズボッという音と共に、ミウの股間から肉棒が姿を現した。
サナのそれより遥かに太く、長く、複数のカリが生えた凶悪な姿。
「ひっ!? なに、それっ、なんで、おちんちん、がっ…」
「そーれっ♥」
「うわっ!?」
サナが狼狽えていると、ミウは触手を操ってサナの下半身を持ち上げた。
所謂ちんぐり返しの体制になり、菊門が丸見えになる。
「はあっ♥ サナきゅんのお尻の穴、丸見えだよっ♥ ね、ね、挿れてもいい? いいよねっ♥ ぶち込ませてっ♥」
「え…っ、あ…!? や、やだっ、やめてぇっ!」
ミウが今からやろうとしていることを察し、サナは全力でもがきだした。
が、もちろん触手に持ち上げられて力の入らないサナでは抵抗にならない。
「えへへぇ…♥」
「そ、そんなのっ、入るはずないからっ! き、汚いしっ…!」
「だーいじょうぶだよぉ♥ サナきゅんが寝てる間に、じっくりほぐしてあげたしキレイキレイにしてあげたからぁ♥」
「え…っ」
目が覚めるまでの間にアナル開発をされていたなど、想定できるわけがない。
恐怖と混乱で茫然とするサナのアナルに、ミウはその凶暴な肉棒を近づけていく。
「…や、やだぁっ! やだやだやだっ、だれか、だれかたすけてっ!」
「だぁれもこないよぉ…♥ 逃がすだなんて、できるわけないじゃん…♥」
半狂乱で暴れるサナの身体を、触手が強く拘束して抑えつけた。
サナは全身を恐怖で震わせ、泣き出してしまう。
「う…や、やだ…やめてぇ…ぐすっ、ぱぱ、まま、たすけてぇ…」
「サナきゅんがパパになるんだよぉ♥ あれっ、でも挿れられる側だからサナきゅんはママになるのかなっ♥ あはっ、もうどっちでもいいよねっ♥」
サナの菊門に、ミウの肉棒の先端が触れた。
「ひ…ぃっ」
「挿れちゃうよぉっ♥ サナきゅんの頭の中まで、私のおちんぽでぐっちょぐちょの快楽漬けにしちゃうからねぇ♥ もう逃げたくなんてならないぐらい、依存させちゃうっ♥」
「やだ…やだよぉ…やめて…やめてぇ…」
「きーこーえーなー、いっ♥」
<ずぶぅっ>
「ひぃ…あぁぁぁぁぁ…っ」
ミウの凶悪な肉棒が、サナの菊門を押し広げながら蹂躙するかのごとく侵入を始める。
「っはあああああ♥ この挿れるべきところに挿入った感じっ、最ッ…高ッ♥」
「あ…ぐぅ…っ、やめてぇ…」
事前にほぐされただけはあってか、サナのアナルはミウの肉棒を受け入れた。
それでも挿れられている当人は、強烈すぎる異物感と少しの痛みで苦しみもがいている。
とうとう、ミウの肉棒は根元までサナの中に収められてしまった。
「あっは♥ 奥まで入っちゃっ、た♥」
「そんなぁ…っ、も、もう、やめてぇ…もう、ぬいてよぉ…」
「だーめだよぉ♥ ミウのおちんぽで完全に堕ちちゃうまでぇ…やめてあげないっ♥」
するとミウは、根元まで入った肉棒をゆっくりと引き抜いていった。
いくつもの凶悪なカリが、サナの腸内をゴリュゴリュと刺激していく。
「ひっ、ぎゃぁっ!? あ、あ、あぁぁあっ…」
「サナきゅんのお肉が絡みついてくるぅ♥ おちんぽにキスされてるみたいっ♥」
そうして、もう少しで全て抜けるギリギリのところで。
「あはっ♥」
一気に根元まで、ミウは肉棒を打ち付けた。
「っ、ああああああああ!」
「きもちいよぉっ、サナきゅんのナカぁっ♥」
ミウはそのまま、サナのアナルをピストン運動で突き始める。
<ごちゅん! ずちゅん! ぐちゅっ、ぐちゅん!>
「あうっ、がっ、ひっ、や、やだ、だめっ、まっ、あ、あぁぁっ!」
「いいっ、いいよぉぉ♥ 私、もうすぐっ、イキそうっ♥ サナきゅんのナカにっ、ザーメンびゅるびゅるしちゃいそうっ♥」
「なっ、なにっ、すっ、う、あぅっ!」
「さっきっ、サナきゅんがっ、掃除してたのっ♥ いっぱい、ぶちまけちゃうっ♥」
「え…ひっ、やだっ、やめっ、ゆるしっ、ぅあっ…」
サナは窓に付着したあの粘液の正体を知った。
そして、あんなものを体内にぶちまけられると言う恐怖に震え上がる。
そのサナの恐怖する顔を見た興奮と快楽で、ミウの腰の動きが速くなってきた。
<ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんっ!>
「あぁっ♥ イクっ♥ サナきゅんでイクっ♥ びゅるびゅるするっ♥ でちゃうでちゃうっ♥ イクイクイクイクイクぅぅぅぅっ♥」
「やだやだやだっ、ださないでっ、おねがいやめてっ、やだっ、だめっ、だめえっ、やだっ、やだっ、だめっ、やめてええええええええ!」
<ぶびゅるるるるるるるるるるぅぅぅぅっ!>
「おあっ♥ あはっ、ふあぁぁぁぁぁぁぁ♥」
「いやあああああああああああ!」
ミウの身体が一際強く震えると、脈打つ肉棒から大量の白濁液がぶちまけられる。
懇願むなしくミウのザーメンの激流に腸内を蹂躙されてしまい、サナは全身を仰け反らせて手足をバタつかせた。
「あ…あぁぁ…ひ、ひどい…よぉ…やめてって、いった、のにぃ…」
「っはぁぁぁ♥ だーいじょーうぶっ♥ サナきゅんのお尻、私のザーメンごくごくしてどんどん気持ちよくなってくもんっ♥」
「う…そん、なのっ…やだぁ…」
言いながらもサナは、内臓が熱くなっていくのを感じる。
敏感な粘膜、それも腸から媚薬成分入りザーメンを吸収してしまったサナの身体は、瞬く間に快楽への抵抗力をなくしていった。
「っ…なに、これぇ…からだ、あつい…?」
「どんどん気持ちよくなってるねっ♥ もっともっと、ザーメン注いであげるねっ♥」
「!? や、やだっ、もうやめっ…」
「サナきゅんのナカ、きもちぃぃぃっ♥」
<ぱんぱんぱんぱんっ!>
サナの懇願など意に介さず、ミウは二度目のピストンを始める。
「いっ、いやぁっ! あっ、あ、やっ♥ あうっ!?」
「あっ♥ 今、とっても可愛い喘ぎ声出したっ♥ 気持ちよくなってるんだねっ、サナきゅんっ♥ やったぁ♥」
サナは、自分の口から洩れた嬌声に自分で驚いた。
先ほどと同じく、凶悪な肉棒で乱暴に犯されているのに。
白濁液にまみれた腸内を、ぐちょぐちょに掻き回されているのに。
痛みを、もう感じない。
それどころか一突きの度に、背筋をゾクゾクとした感覚が駆け巡っている。
(そんな…なんで、こんなこと、されて、きもちよく、なんて…)
「あはっ♥ サナきゅんのおちんぽもビンビンだよっ♥ アナルもっ、キュッて締まってきたっ♥ このまんま、気持ちよくしてあげるっ♥」
「えっ、あっ!? なんでっ、ひっ、あうんっ♥」
見ると、サナの肉棒は自分でも見たことがないぐらいガチガチに勃起していた。
それが何を意味するかも理解できていないサナは、快楽に流されないよう必死である。
「サナきゅんのよわいとこ、どこかなっ♥ ここかなっ♥ えいえいっ♥」
<ごりゅっ♪>
ミウの肉棒が、サナの腸内の一点を掻いた瞬間。
サナは、大きく腰を脈打たせた。
「ひっ、やぁぁ!? だめ、そこ、なんか、だめなのぉっ♥」
「サナきゅんの前立腺はっけーん♥ ぐりぐりぐりぐりぃっ♥」
「あっ、あっ、あぁぁぁ♥ やめてぇっ!」
前立腺を重点的に責め立てられ、サナは喘ぎ声が抑えきれない。
サナの肉棒の先からは、いつしか透明な先走り汁がドバドバと溢れ出ていた。
「サナきゅんの喘ぎ声可愛いよぉ♥ 私、もう、また、びゅるびゅるしたくなってきちゃったっ♥」
「えっ、やだっ、あっ♥ まって、やめてっ、だめ、ひんっ♥」
抵抗しようとするも、自分の喘ぎ声で遮られる始末。
前立腺を重点的に責め立てつつ、ミウのピストンの動きが激しくなっていく。
「あはぁっ♥ 二発目、いっくよーっ♥」
「あっ♥ や、やめっ、あっ、あぁぁぁーっ♥」
<ごびゅるるるるるるるるるっ!>
<どくっ、どくっ…>
「あっはぁぁぁっ♥ サナきゅんっ、いいよぉっ♥」
「んぅぅぅ…っ♥ あ…う…うっ!?」
二度目の腸内射精と共に、サナの肉棒の先からも白濁液がドロリと零れた。
「え…な、なんで…ぼく、まで…どろどろ…でて…」
「っっっ♥ やったぁっ♥ サナきゅんの精通せーえきだぁっ♥」
恐怖と困惑の混じった目で自らの精通を眺めるサナに対し、ミウは零れた精液を大喜びしながら手ですくい、砂漠を放浪した旅人が数日ぶりに水を飲むかのような貪欲さと喜びを以て舐め取り、味わい、嚥下する。
「おいひぃぃ♥ …もっと…ほしい、なぁ…♥」
「ひ…っ」
ミウに恍惚とした表情を向けられ、サナは恐怖で縮み上がった。
もっとほしい、ということは、今のようなことをまだ何度も…
「ま、まって、まってくださいっ、ミ…ミウ、さんっ」
(また名前呼んでくれたぁっ♥)「なーに? サナきゅん♥」
名前を呼べば声が届く、というサナの予想は辛うじて当たっていたようだ。
何度も無視されてきた懇願を、再びミウに告げる。
「お…おねがいします…もう、やめて、ください…っ」
「えーっ?」
「おなか…もう…いっぱい…で、おかしく…おかしく、なっちゃ…って…」
「いいじゃんいいじゃん♥ おかしくなろーうよっ♥」
「やだ…やだぁ…おねがいします…おねがいします…もう、ゆるしてぇ…」
「ふぅん…」
※そのころのミウの脳内
(サナきゅん可愛い泣き顔可愛い震えてるの可愛いゾクゾクしちゃう♥
もうそろそろ私のザーメンも馴染んでる頃だよねぇ♥ もっと犯したいなぁ♥
でもでもお口ご奉仕もしてもらいたいし色んなトコロ開発したいしぃ♥
家族計画とか新婚旅行とかもお話ししたいかもー♥
あ、そういえばアレがまだだったなぁ…)
暫しの沈黙の後、ミウは口を開いた。
「お尻ずぶずぶされるの、もういいの?」
「は、はい…はいっ、もう…もう、やめて、くださいっ…」
「んー、それじゃあ…♥ やめてあげてもいいよぉ♥」
「え…ほ、ほんと、ですか! それじゃあ…」
「た・だ・し♥ 私のお婿さんになるーって、ちゃんと宣言してくれたらねっ♥」
「…………え…」
「そしたら、今日はこれでやめてあげるっ♥」
その申し出に、サナは狼狽える。
もちろん、これ以上犯されたくはない。
ただ、この魔物の婿になるというのはもっと恐ろしい。
何より、ミウの最後の発言。
「今日は」これでやめてあげる、ということは?
夫婦となってしまった後、明日から自分は一体どのようになってしまうのか?
それこそ、これ以上に酷いことになるという確信があった。
「ささっ♥ お婿さんになるって、言ってくれていいんだよっ♥」
「…………や…だ…」
「…えっ?」
一度宣言してしまえば、もう戻れないだろう。
だからこそ。
「やだっ! ボク、魔物のお婿さんになんて…ならない…っ」
精一杯の勇気。
逆上されて殺されるかもしれないという恐怖で震えながら、サナは拒絶した。
一方のミウは、予想外の反応だったのか茫然としている。
「…………」
サナは目を固く閉じ、沈黙に耐えた。
「なんでそんなこというの?」
沈黙を破ったミウは、先ほどまでより低い声でそう呟く。
その声はサナを震え上がらせ、死を覚悟させるには充分すぎた。
「ひ…ひっ…」
「サナきゅんは私のお婿さんになるために生まれてきたんだよ?」
「あ…あぁ…」
「だから、お婿さんになるって、言わないと、ダメなのに」
ガチガチと歯を震わせ、力なくフルフルと首を横に振り。
狂気そのもののようなその言葉に対して、抵抗というにはあまりに弱弱しい抗議。
「…………そっか」
「っ…」
次の瞬間、首を刎ねられてもおかしくはない。
サナは目を固く閉じ、必死で祈る。
「…そっかぁ、まだ二回目だもんねっ♥」
「…え?」
ミウの声の調子が、先ほどまでの狂ったように陽気なものに戻った。
「まだ二回分しかザーメン注げてないもんねっ♥ まだまだ、気持ちよくなり足りないんだよねっ♥ うふふ、ごめんねサナきゅん、気づかなかったっ♥ 二回ぼっちで決めてって言っても、もっとちゃんと気持ちよくなれるかなんて分かんなかったんだよねっ、だからイヤだって言ったんだねっ♥」
「え…あ…ちが…えぇ…?」
話している内容は狂気そのものである。
サナは今すぐ命がどうこうという展開にはならないと悟ったものの、だからといって身の危険が去ったなどとは微塵も感じられなかった。
「だ・か・らぁ♥」
「っ…」
ミウがサナの顔を覗き込む。
「サナきゅんがちゃんと気持ちよくなって、お婿さんになるって言ってくれるまで、何度でも、何度でも何度でも何度でもザーメン注いであげるねっ♥」
「え…………そ、そん、な…」
つまりは、懇願する前と同じ、あるいはもっと酷い。
また延々と犯され続ける悪夢が続くのだと、サナには聞こえた。
犯され続けて壊れるか。
魔物と夫婦になって、恐らくは結局壊れるか…
サナは目の前が真っ暗になった。
・
・
・
<どびゅるるるるるるるるるぅっ!>
「あっ!? ひぃ…っ♥」
「あっ♥ サナきゅん、やっと起きたっ♥」
サナが意識を取り戻したのは、通算五回目の精液を注ぎ込まれた時だった。
「ちょっと激しすぎたかなっ♥ ごめんねっ♥ でもサナきゅんのお尻、どんどん気持ちよくなるんだもんっ♥ どんどんサナきゅんがえっちになってくんだから、仕方ないよねっ♥」
「あ…ああ…あ…っ!?」
自らの下腹部に目をやると、吸収が間に合わない精液でぽっこりと膨れている。
更には、自覚している中では間違いなく人生最大レベルに勃起しきった自身の肉棒。
サナ自身はそうと気付いていないが、ミウの大量のザーメンを注ぎ込まれた結果、身体は既にインキュバスのそれに変化してしまっている。
そしてそれ以上に、ミウの菊門から腸内にかけては雌としての快楽を享受する器官として、貪欲に肉棒を求めるサキュバス然としたそれへと完成させられていた。
「あはっ♥ それじゃあ、もっと気持ちよくなろうねっ♥ サナきゅんにもっともっともっともっと、ザーメン注いであげるからねっ♥」
「い…いや…だめ…もうやめっ…」
<ぐちゅんぐちゅんぐちゅんぐちゅんっ!>
<どくっ、どくどくっ、どくっ…>
「〜〜〜〜〜ッ!?」
「きもちいっ♥ サナきゅんのおしりまんこっ♥ わらひのちんぽにからみついてっ♥」
ピストンの一突きごとに、サナの全身を快楽が、純然たる快楽が駆け巡る。
既にほぼ膣のごとく完成させられた直腸はひとりでに、貪欲にミウの肉棒にしゃぶりつき、締め付け、カリのもたらす刺激に脈打った。
もはや想像したこともないほどの快楽の奔流に抗うすべなどサナにはなく、突かれるたびに自身の肉棒から精液が溢れほとばしる。
そしてその精液は、ミウが一滴残らず掬い、ねぶりとっていった。
「あ、あっ、あん♥ やんっ♥ はっ♥ あっ♥ あぁん♥」
「ああっ♥ サナきゅんの喘ぎ声っ♥ かわいいよぉっ♥」
(うそっ、なんで、こんな、きもち、いいのっ!?)
抑えが効かずにサナの口から漏れ出る嬌声は、快楽に翻弄される少女のそれに近しい。
「あっ♥ サナきゅんっ♥ またでるよっ♥ びゅるびゅるするよぉっ♥」
「あっ♥ ひっ♥ やぁっ♥ だめぇ♥ んぅぅ♥ ああああっ♥」
<びゅぶるるるるるるるるるっ!>
<どくどくどくどくどくぅっ!>
六度目の腸内射精は両者同時に絶頂し、サナは大きく身体を仰け反らせた。
ボコッという音とともに更に膨らんだ腹部に、自身の精液が迸る。
「あ…あぁぁ…♥」
「サナきゅんがどんどんえっちになってくっ♥ わたし、嬉しいっ♥」
結婚を承諾するまで注ぎ込み続ける、という話だったが。
既にサナは快楽に負け、まともな言葉が紡げないせいで拒否も承諾もできない。
一方のミウは、目の前で更に淫靡になるサナで快楽を貪るほうに意識が集中してしまっていた。
・
・
・
嬌声の群れと濁流のような射精のセットが、更に三回。
サナの腹部は限界まで膨れ上がってしまった。サナの菊門が快楽に後押しされてミウの肉棒をぎゅうぎゅうと締め付けるせいで、ザーメンが殆ど溢れてこない。
「あ♥ あー♥ あ、あ、あぁー…♥」
「サナきゅんサナきゅんサナきゅんっっ♥ でるよぉっ♥」
もはやうわごとのような嬌声をあげることしかできないサナに向け、通算十回目の射精。
<どびゅぅぅるるるるるるるるぅぅぅぅっ!>
「あっ…お…、ごぼぉっ!?」
同時に、サナの口から精液が噴き出す。
サナの体内に収まりきらなくなったミウのザーメンがついに決壊し、溢れ出てしまったのだ。
「ごぼ…ごほぉ…っ」
「すごぉいっ♥ サナきゅんのなかっ、私のざーめんで全部うまっちゃったぁ♥」
「ごほっ、げほっ…う、あ…うぅ…」
自身の口から逆流した精液が漏れ出るという状況への驚きと、息苦しさもあいまって、サナの意識が微かに復調した。
「ミ…ウ…さん…」
「あっ♥ なぁにサナきゅん♥」
「もう…くるし…くて…はいり…ません…」
「うんうん、おなかの中全部私のざーめんで埋めちゃったもんねっ♥」
「げんかい…です…ぬいて…くださいぃ…」
もはや抵抗というよりは懇願、むしろ命乞いの域である。
インキュバスとなっており人間よりは頑丈であるため、実際にはこれでもまだ生命の危機などではないのだが、サナはそんなことを知るはずもない。
「おかしく…なっちゃいましたあ…♥ しゃせー、も、とまりません…♥ きもちいいのも…びりびりして…おかしくなって…もう…だめですぅ…♥」
既に全身に染み込んだミウのザーメンの影響で、懇願の声も甘ったるい声色になってしまう。
「そっかそっかぁ♥ 確かにもう十分かなっ♥ でもでもぉ…♥」
ミウが再び、サナの顔を覗き込んだ。
「まだ、お婿さんになるって、言ってくれてないよねぇ…♥」
「あ…」
心の奥底では、まだ抵抗が残っている。
しかしもう、身体も精神も快楽に負け、屈服させられている。
もはや拒むだけの力が、サナには残っていなかった。
「なり…ます…ミウさんの…おむこさんになりますぅ…♥ だから…もう…」
「…いやったああああああああっ♥」
歓喜の叫びと共に、ミウはサナから数時間ぶりに肉棒を引き抜く。
「っひぃいいいい♥」
「すごぉいっ♥ サナきゅん、おちんぽとおしりまんこから同時に射精してるっ♥」
その衝撃でサナは勢いよく射精するとともに、菊門からザーメンの噴水が迸った。
それによって膨らんだ腹部も、少しずつ戻っていく。
同時に、大量のザーメンが流れゆく体内、特に直腸は更なる媚薬漬けにされていった。
アナルからの射精が収まり、体形が戻るころには、サナの顔はすっかり蕩けていた。
奥底に残っていた最後の抵抗まで押し流され、完全に堕ちてしまっている。
「かわいいっ…♥ だいすきだよっ、サナきゅんっ♥ ずっとずっと、いっしょにいようねっ♥ むちゅぅ…っ♥」
「ん…んちゅう…♥」
そんなサナにミウは抱き着き、愛情をこめて唇を重ね、舌を絡ませた。
サナは抵抗なくそれを受け入れ、抱きしめ返しながら、自身の肉棒から精液を溢れさせる。
<どく…どくどくどく…どくどくっ…どくどくどくどくどくぅ…>
長い口づけと射精の後、サナはミウの肉棒に目をやった。
「ミウ…さん…♥」
「どうしたのっ♥」
「おく…ちで、ごほうし…しますっ♥」
「え…♥」
もはや自ら、ミウの肉棒に奉仕を願い出るまでになっている。
サナの小ぶりな手がミウの凶悪な肉棒に添えられ、あどけない口を開けて亀頭を咥え込み…
「あむ…ぅ♥」
「あ…♥」
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こうして、一人の少年が淫獄に堕ちた。
なおこの後、二人の交わりによってサンドウォームの中に満ち満ちた淫気が溢れだし。
砂を通して街の水源たるオアシスの地下水に溶け込み、染め上げて。
知らない間に街全体が徐々に魔界化していくのだが、それはまた別のお話。
18/09/07 05:03更新 / 第四アルカ騎士団