淫肉の檻に囚われて
少年は、とある森の入口に立っていた。
「ここ、だよね…」
ややためらいがちに辺りを見回し、少年は森の中に入っていった。
・
・
・
話は数日前に遡る。
ある親魔物領の町に住む少年は、親から頼まれたお使いの最中だった。
近道をしようと路地裏を進んでいると、路地裏の反対側から誰かが走ってきた。
「はぁ、はぁ…」
一見するとゴブリンに見える。
しかし、明らかに目を引く、その大きな胸。
少年が初めて見たそれは、希少種のホブゴブリンだった。
胸に目を奪われながらも、その慌てた様子に、少年は声をかけた。
「あ、あの…どうしたの?」
「え、えっと…お、お願い、かくまって!」
「え…?」
ホブゴブリンは慌てた様子で、近くにあった空の樽の中に隠れた。
少年が困惑していると、再び路地裏に誰かが入ってきた。
その姿には見覚えがある。
町の警備を担当しているリザードマンだ。
「あ、君!」
「は、はい!」
「ホブゴブリンを見なかったか?」
「え…」
「果物泥棒でね。町中を逃走しているんだ」
「は、はぁ…」
恐らくは、ホブゴブリンは彼女から逃げていたのだろう。
本来なら、果物泥棒を庇う筋合いはない。
しかし、あのホブゴブリンの必死な様子を思い出す。
ここでリザードマンの前に突き出すのはちょっと可哀想だ。
「え…えっと…見て、ないです」
「そうか。ありがとう、どこかで見つけたら教えてくれ」
「は、はい」
リザードマンは走り去っていった。
「…行ったよ」
「あ…ありがとう…」
ホブゴブリンは樽から出てきた。
改めて見てみると、風呂敷包みを背負っている。
「…………果物泥棒?」
「う…うん…つい…」
「や…やっぱり、それは、だめだと思う」
庇いはしたが。
泥棒をこのまま見逃すのも、宜しくないだろう。
「うぅ…」
「それ、返した方が良いと思うよ?」
「か、返しにいって、捕まったら、どうなるか…」
「う、うーん…」
結局捕まったのでは、さっき庇った意味もない。
しかし、このまま見逃すのも問題だろう。
「じゃあ…ボクが、返しに行こうか?」
「え…?」
「ここに置いて行ってくれたら、逃げられるようにできるし…」
盗品を返させた上で彼女を逃がせばいいのではないか。
そんな、少年なりの折衷案だった。
「わ、わかった…捕まるよりいいよね…」
「うん。じゃあボクが何とかするよ」
ホブゴブリンは渋々風呂敷包みを渡した。
「あの…あ、ありがとう。庇ってくれて」
「…っ」
ホブゴブリンに笑顔を向けられ、少年の胸が高鳴った。
もしかして、この感覚は…
「私、北の森のホブゴブリン。来てくれたら、お礼、したいな」
「あ、う、うん…」
少年は顔を赤らめながら頷いた。
「どこだ、出てこい!」
路地の向こうから、リザードマンの声がする。
「あ、あわわ、逃げなきゃ…!」
「あ…あっちに行けば大丈夫だと思う」
「う、うん。ありがとう、またね!」
ホブゴブリンは、走り辛そうな体型ながら慌てて逃げていった。
見届けると、少年は風呂敷包みを持って、声のした方に向かう。
「あ、リザードマンさん!」
「君! 見つかったのか?」
「い、いえ…でも、これ、もしかして…」
「それは…風呂敷? あ、盗まれた果物じゃないか!」
「そこに置いてあったんです。置いていったのかも」
「なるほど、そうか…うん、ありがとう」
リザードマンを引き付け、ホブゴブリンが逃げる隙を与えることができた。
その日はそのままお使いを済ませ、家に帰った。
(北の森、か…)
ホブゴブリンの言葉を思い出し、いつかは向かおうと思いながら。
翌朝、あのリザードマンに再び出会った。
「あの…」
「ああ、君は昨日の。どうした?」
「昨日の果物泥棒って、どうなりました?」
「ああ…見つけられなくてね、多分町の外に逃げたんだろう」
「そうですか…」
「果物屋の店主は品物が戻ってきたからもういいって言ってたけど。不覚だ…」
彼女は無事に逃げおおせたようだ。
少年は胸をなでおろした。
そして、その日の午後。
少年は北の森に向かったのだった。
・
・
・
少年が森の中を進んでいくと、開けたところに木製の家が見えた。
恐らく、あそこがホブゴブリンの…
「誰?」
突然の声に、少年は慌てて声の方に顔を向けた。
二人のゴブリン。
恐らくはホブゴブリンと同じ群れ、この家に住んでいるのだろう。
「あ、あの、ボク、ホブゴブリンさんに…」
「ボスに逢いたい?」
「あ、はい、多分そうです、それで…」
どうやら彼女がこの群れのボスらしい。
そうは見えなかったが。
すると少年は、ゴブリンたちの目に熱がこもっているのを感じ取った。
「ボスに逢いたいんだったら…♪」
「ちょーっと、こっち、来てくれる?」
この感じ。
間違いなく、襲われる。
親魔物領だけあり、魔物の生態は把握していた。
恐らくはボスに逢う前に、彼女たちに犯される。
下手すると、彼女に会う前にこのゴブリンたちの物にされてしまうかもしれない。
それでは意味がない。
「う…ご、ごめんっ!」
少年はとっさに、森の出口まで一目散に逃げ出した。
「あ、ま、待って!」
「っていうか足、速っ!」
ゴブリンたちの声を引き離し、森から抜け出す。
「はぁ…はぁっ…」
逃げ出してきてしまったが、どうしようか。
このままでは、ホブゴブリンに逢えない。
あのまま捕まっても逢えたかもしれないが、逢えなかったかもしれない。
逃げた判断が間違ってはいなかったはず。
どうにか、ゴブリンに見つからずにホブゴブリンに会う方法を…
「ぬし、どうした?」
「わっ!?」
帰路の途中、後ろから声をかけられ、驚いて振り返る。
そこには、山羊の角が生えた少女―バフォメットが立っていた。
後ろには、二人の魔女も控えている。
バフォメットほどの強力な魔物に出会うのは初めてだ。
気圧されて動けないでいると、バフォメットの方から声をかけてきた。
「何やら逃げてきたようじゃの。話なら聞くぞ?」
「え…」
「なあに心配せんでええ。ワシらはちゃんとお兄様がいるのでな、襲いはせんよ」
「あ…はい、えっと、その…」
ひょっとすると、力になってくれるかもしれない。
少年は、バフォメットに経緯を話した。
「ふむ、ゴブリンに邪魔されずに、ホブゴブリンに逢いたいと」
「は、はい…」
話を聞いていた魔女の一人が、バフォメットに声をかける。
「バフォ様バフォ様、だったら、これ、丁度いいんじゃないですか?」
「ん? …おお、そうじゃのう!」
「え…?」
「状況はどうあれ、幼女を愛する者の恋路は応援してやらんとな!」
バフォメットは、手に持っていた小瓶を少年に突き出した。
「この薬を飲むといいぞ!」
「こ、これは…?」
「開発中の新薬じゃ。実験台…ごほん、モニターを募集しておってな」
「これで…何とかなるんですか?」
「うむ。それを飲んで、また森に入るといいぞ」
少年は、ためらいながらも小瓶を手に取る。
「…ありがとうございます」
そしてそのまま、中身を一気に飲み干した。
何故か魔女たちが慌てた表情になる。
「あ…っ」
「よしよし、では頑張るのじゃぞ!」
「はい!」
少年は、森へと駆け出していった。
「うむ、丁度良いところに実験台になってくれそうな者がおって助かったぞ」
「あ、あの、バフォ様…」
「なんじゃ?」
「あの薬、4分の1ずつを10倍に薄めて飲む薬なんですけど…」
「…へ?」
「原液全部いったら…三日ぐらい…大変なことになるんですよね…」
「…………先に言わぬかあああっ!」
「どど、どうしましょう!?」
「もう遅いわ、放っておくしかあるまい…三日後ぐらいにまた様子を見るとしよう…」
・
・
・
森の中では、先程のゴブリンたちが途方に暮れていた。
「逃がしちゃった…足、速すぎるって…」
「そ、それよりどうするの? ボスが言ってたの、あの人だよね?」
「うう、私たちのせいで逃がしちゃった、ってバレたら…」
「…………うん、秘密にしよう」
ボスであるホブゴブリンに逢いに来た少年を、自分たちのせいで逃がしてしまった。
ボスも逢えるのを楽しみにしていたのに。
もう来なくなってしまったらどうしよう。
そんなことを考えていると、森の入口の方角から何やら物音が聞こえた。
「…もしかして、帰ってきた?」
「か、かもしれないね…」
二人がその方角を見ると、確かにあの少年が近付いてきていた。
「お、おかえりなさい!」
「そ、その、さっきは…」
二人が声をかけようとするが、様子がおかしい。
目の焦点が定まっていない。
「あ、あれ…?」
「どうしたの…?」
「あ…あああ…あああ…」
突然、少年の身体が黒い霧に包まれる。
「ひっ!?」
「な、何…!?」
「あああああ!」
次の瞬間、黒い霧の中から大量の赤黒い触手が一気に飛び出してきた。
「え…」
その赤黒い触手は、二人を触手の海に呑み込むと、そのまま家に向かっていく…
バフォメットが飲ませた薬。
それは、サバトが新規開発した『超絶弩級触手薬』。
通常の触手よりも強烈な、まさに『怪物』並の触手に変貌するのだ。
『ゴブリンごと全部呑み込んでしまえばいいだろう』
それが、バフォメットの意図だったのだ。
家の二階で眠っていたホブゴブリンは、家が激しく揺れる音で目を覚ました。
「ひゃっ!? 何!? 地震!?」
「た、大変です、ボス!」
別のゴブリンが、部屋に入ってきた。
「ば、化け物が、触手の化け物が現れました!」
「え…えぇっ!?」
「み、見張りの二人を呑み込んで、中に…っ!」
階下から、大量の触手が蠢く音も聞こえる。
同時に、部下のゴブリンたちの悲鳴も。
「ひぃぃぃぃっ!?」
「やだ、助けて、助けてぇぇぇ!」
「こ、来ないでよぉぉっ!」
その悲鳴も、触手の蠢く音にかき消される。
警告を届けたゴブリンが降りてみると、凄まじい光景が広がっていた。
赤黒い触手が、家中を埋め尽くしている。
他の5人のゴブリンたちは、その触手に呑み込まれ、犯されていた。
「ひぃ、あぁ、あぁぁぁ!」
何本もの触手を膣内にねじ込まれ、全身を痙攣させて絶頂する者。
「おぶ、ぶぶぶぶぶ…」
太めの触手を口と膣にぶち込まれ、白目を剥いている者。
「んあ、ひ、だ、だめぇぇっ!」
クリトリスを触手に吸い付かれ、背中を仰け反らせながら絶頂する者。
「んひぃぃぃぃぃ!」
「あぅ、あぁぁぁぁっ!」
見張りの二人は、既に触手から何発もの精液を浴びせられ、真っ白に汚されている。
「な、なんなの、これ…」
絶句するゴブリンのところにも、無数の触手が襲い掛かる。
「ひ、い、いやああああ!」
触手が、逃げようとするゴブリンの全身に絡みつく。
服装の隙間に、細い触手が何本も侵入する。
そのまま、敏感なところに入り込んで…
「ああああああ!」
一方のホブゴブリンは、ベッドの上で震えていた。
「あう…うぅぅぅぅ…!」
もうすぐ、こっちにも来る。
逃げないと、しかし恐怖で動けない。
そして、部屋の扉が破られる音がした。
「ひ…」
とうとう入ってきた。
ホブゴブリンが恐る恐る振り返る。
そこにいたのは、赤黒く巨大な、筒状の触手だった。
「あ…あぁぁ…!」
その触手は、大きく口を広げて…
恐怖で動けないホブゴブリンを、一気に呑み込んでしまった。
・
・
・
真っ暗な触手の中。
大きく広がった空間の中で、ホブゴブリンは内部の細い触手に絡まれていた。
「た、助けて…!」
もがけばもがくほど、触手は絡みついていく。
いつの間にか、衣服は剥ぎ取られてしまっていた。
気付けば両腕と両脚は触手の肉壁に呑み込まれ、動けなくなっていた。
四つん這いの体勢のままで、無防備な身体を晒す羽目になる。
ホブゴブリンは、膣口にぬめった感触を覚えた。
触手が、膣口に狙いを定めているのだろう。
「い、いや、そこは…!」
抵抗の言葉を言い終わるより、その触手が膣にぶち込まれる方が早かった。
「ああああああ!」
未経験の膣を、触手が容赦なく蹂躙する。
激しいピストンが繰り返されるたび、下腹部に触手の膨らみが浮き出るほどに。
「うああっ! あぐぅっ、ひぃぃっ!」
ホブゴブリンは強烈な責めに幾度も絶頂して愛液を噴き出し、背中をのけ反らせる。
しかし四肢を拘束されて身動きがとれず、その快楽から逃れられない。
やがて空間全体が蠢き始めると共に、触手は更に動きを速めてきた。
それが何を意味するか、魔物の本能で察知する。
「あ…や、やめて、それは…っ、だめええええ!」
ごぶぶぶぶぶぶぅぅぅっ! どぶるるるるっ!
一際強くねじ込まれた触手が、激しく脈打つ。
触手の先端から、濃い白濁液が子宮内にぶちまけられた。
逆流した精液を膣から噴き出しながら、ホブゴブリンは全身を痙攣させた。
「あ…ああ…あが…あぁぁぁっ…」
子宮を埋め尽くした長い射精が終わった途端、ホブゴブリンは力なく崩れ落ちる。
その腹部は既に目に見えて膨らんでしまっていた。
「う…あ…汚されちゃったよお…あの人の…わたし…………」
「あの人」を心待ちにしていたのに。
うなだれていたホブゴブリンは、何かに気付いた。
「…あれ…でも…この、精の…感じ…?」
魔物の本能。
直接精液を摂取していなくても、微かに精の特徴を感じることが出来る。
あの時感じたものと、今自分を埋め尽くしているもの。
とても、似ている。それどころか…
「…………あなた、なの…?」
応えるように、一本の触手が伸び、ホブゴブリンに頬ずりする。
彼女の思いが確信に変わるには、それだけで充分だった。
「…そっか…あなた、なのね…♪ えへへ…よか…ったぁ…♪」
ホブゴブリンの表情が、一気に蕩けた、幸せそうな表情に変わる。
自分は、得体の知れない化け物に汚されたのではなかった。
心待ちにしていた相手に、処女を捧げていただけなのだ。
彼女の安堵を察したかのように、更に多くの触手が伸びてくる。
乳房、秘所、目の前に、幾本もの触手が待ち構える。
「いいよぉ…♪ ぜんぶ、めちゃくちゃにしてぇ…♪」
その言葉に、触手たちは一斉に襲い掛かった。
口内、膣内、腸内を掘り進められる。
乳房に巻き付いて搾乳を始め、乳首とクリトリスに吸い付く。
他の触手も、擦り付けるように、愛撫するように身体の上を蠢いた。
「んぶぅぅう♪ んぐっ、んふぅ♪ んぅぅぅぅ♪」
全身をくまなく責められ、ホブゴブリンは身体を震わせながら幾度も絶頂する。
人の形では到底成し得ない、甘く激しい凌辱がその小さな身体にぶつけられていく。
そして、空間そのものが快感に脈打ちだす。
意識が飛びそうなほどの快感の中でも、ホブゴブリンはその意味を察した。
喉奥を、子宮口を、腸内をゴリュゴリュと掻き回すこの触手が。
全身を蠢く、この大量の触手たちが。
一斉に、自分に精液を注ぎ込む。浴びせかける。
「…らして…いいよぉ…♪ いっぱい…ちょうらい…っ♪」
ホブゴブリンのおねだりを聞き、触手たちはついに決壊した。
どびゅるるるるっ! ごびゅぅっ!
ぶびゅるるるるっ! びちゃぁぁっ!
ぶじゅるるるっ! ごぶぶぶぶっ! どぶるるるぅっ!
ホブゴブリンの体内が、全身が。
濃厚な精液に埋め尽くされ、汚し尽くされ、犯し尽くされる。
「んんんんんぅぅぅぅぅぅぅぅ♪」
ホブゴブリンは三穴から逆流した精液を噴き出しながら、白目を剥いて絶頂した。
空間内は迸る精液が溜まり、精液風呂状態になってホブゴブリンを浸す。
体内の隅々まで精液に漬け込むように。
自身の「味」を、脳髄にまで覚えさせるかのように。
「ん…あぁ…♪」
愛する人の精液に漬け込まれて恍惚状態のホブゴブリンに、更に触手が伸びてくる。
『超絶弩級触手薬』の原液を摂取した少年は、まだまだ満足できない。
「あ…あぁぁぁぁぁぁぁ♪」
先程よりも大量の触手に全身を包み込まれ、恍惚の表情のまま、彼女の視界は暗転した。
一階も、既に赤黒い触手と白濁した精液で埋め尽くされている。
「う…んぁぁぁぁ…♪ だめ…だめぇぇぇ…♪」
あるゴブリンは、首から下をチューブ状の触手に咥え込まれてしまっている。
内部では大量極細の鞭毛状触手が、ゴブリンの身体を隅々まで舐め回す。
「ごぶっ、おおおお♪ んぶぅぅぅぅ♪」
別のゴブリンは細い触手が全身に絡みつき、辛うじて角が見えるのみとなっている。
触手の隙間から時折精液が漏れ出す様子から、内部の幾度もの凌辱が伺える。
「だ、だめぇぇぇぇぇええぇあああああああああ♪」
その隣では四肢を掴まれで宙吊りのゴブリンが、クリトリスを触手に弄ばれている。
吸い付きながら激しく振動する触手に、愛液を噴き出しながら絶叫させられる。
彼女は先ほどから執拗にクリトリスだけを責められているようだ。
「ひっ…あ…ご…ごほうし…しま、す…♪」
更に別のゴブリンは恐怖のあまり、自ら触手に媚び、奉仕を始めた。
大量の触手に囲まれ、口や手、膣に触手を招き入れ、白濁に汚されていく。
「あ…………あ…………♪」
精液溜まりの中では、一人のゴブリンが触手の床に突っ伏して気絶している。
そんな彼女も容赦なく膣内を凌辱され、子宮から逆流した精液を噴き出し続けている。
「がぼっ…う…ぼえ…あ…♪」
逃げ出そうとしたゴブリンに至っては天井から触手に吊るされ、公開処刑状態である。
数え切れないほどの触手が膣内と腸内になだれ込み、懲罰とばかりに犯し抜く。
注ぎ込まれた精液で体内が埋め尽くされ、時折ごぼごぼと口から吐き出している。
ゴブリンたちはこれらの激しすぎる凌辱に、心も身体も屈服させられていた。
魔物だけあってすぐに快楽を享受し始めたが、身体がもたない。
触手たちは興奮のあまり凌辱を更に激しくし始め、萎える気配が一切ない。
全員の意識が飛ぶのに、そう時間はかからなかった。
・
・
・
凌辱は三日三晩続いた。
凌辱で気を失い、凌辱の勢いで目を覚まし、また気絶するまで。
唯一その正体を知っているホブゴブリンは、悦びとともにそれを受け入れる。
しかし他のゴブリンたちは、凌辱の果てに壊れかけていた。
そして、四日目の朝、ゴブリンたちが精液風呂の中でことごとく気を失った時。
触手はスルスルと縮み、退化し始めた。
ゴブリンたちを一階に残し、赤黒い塊が二階へと上って―否、戻っていく。
そしてホブゴブリンを包んでいた巨大な触手と合流し、共に黒い霧に包まれた。
霧が晴れると、ホブゴブリンに覆い被さって気を失っている少年の姿があった。
ようやく、薬の効果が切れたのだ。
先に目を覚ましたのは少年だった。
「うぅ…………、うわっ!?」
目覚めた少年は、目の前の光景に絶句した。
部屋中が、大量の精液で白く汚され、凄まじい精液の匂いが漂う。
そして自分の真下には、同じく汚され、恍惚の表情で気絶するホブゴブリン。
怪物になっていた時の記憶は明瞭ではない。
ただ、凌辱の記憶は薄っすらと彼の中にも残っていた。
だからこそ、自分が何をしたかもこの光景で察せられた。
「ど…どうしよう…大変なことになっちゃった…………だ、大丈夫!?」
少年はホブゴブリンを揺する。
その大きな胸が激しく揺れた勢いで、ホブゴブリンも目覚めた。
「…………あ♪」
「あの、その…こんな、ことに、なって…大丈夫…? ご、ごめん…」
狼狽えながら謝ろうとした少年は、ホブゴブリンに抱きしめられた。
「逢いたかったようっ♪ やっと、こうやって、ちゃんとお話できた♪」
「え…」
「もうわたし、ぜんぶ、あなたのものっ♪ ずっと、いっしょにいるっ♪」
嬉しそうに話す姿を見て、少年は安堵した。
それと同時に、あの快楽の記憶も蘇ってくる。
彼女と交わりたいという思いも。
「…………ボクも、大好きだよ…♪」
少年もホブゴブリンを抱き返し、唇を重ねた。
肉棒は既に固くなり、薬を飲む前と比べても遥かに大きなサイズになっている。
魔物7人と三日三晩交わって、インキュバスになっていないはずがなかった。
「ちょうだい…♪ あなたのままの姿で、いっしょになろう…♪」
「うん…っ♪」
少年は、その勢いのままに肉棒をホブゴブリンの膣内にねじ込んだ。
「んぅぅぅっ♪」
「うあぁぁ♪」
あれだけ膣内を蹂躙されても、膣内は彼の肉棒の形にフィットする。
いつでも愛する人の形に合わせられるのは、魔物の凄い所である。
あれだけの快楽を浴びせても、やはり面と向かって行う交わりは格別だ。
身体以上に、精神まで一つになっているかのような感覚を覚える。
「いい…いいよぉ…♪」
「キミの…とっても、きもちい…っ♪」
少年はホブゴブリンの胸を揉みしだく。
互いに、触手のままで愛撫するのとは違った感覚になる。
そして、あの激しい快楽よりも上質の快楽を互いに享受しあっているなら。
絶頂に達するのに、早すぎるという事はあり得ない。
「イク…イクよっ、中に出すよっ♪」
「ちょうだいっ、いっぱいちょうだいっ♪」
「っ、あああああ♪」
どぶっ、どびゅるるるるっ♪
流石に、量や勢いは触手の時には劣る。
それでも、肉棒そのものから放たれる精液の濃さと「力」は格別だ。
「あうっ、ぅあああ♪」
「あ…あぁぁ…♪」
これまで散々精液を呑み込んできた子宮に、最上の質のものが与えられた。
少々逆流したところで、部屋の中は既に精液まみれなのでこれ以上汚れようがない。
「はぁ…はぁ…♪」
「あ…はぁ…♪ …………あっ」
快楽の余韻に浸っていると、ホブゴブリンが少年の背後に目を向けた。
「み、みんな…」
「え…?」
少年が振り返ると、そこには六人のゴブリンたちがいた。
なんとか意識を取り戻し、二階に上がってきたのだ。
いずれも、精液でドロドロにされている。
「あなた…が…アレの…正体…?」
「ボスの…まってた…ひと…」
虚ろな目で、二人を見つめている。
「その、これは…」
「…………ご、ごめん…じゃ、すまない、かもしれない、けど…」
流石に少年も事の大きさを痛感し、俯く。
と、ゴブリンたちは少年の背中に抱き着いた。
見ると、虚ろな目は蕩けた目に変わっていた。
「…え?」
「ごしゅじんさまぁ…♪」
「わたしたちも、あなたのものになりますぅ…♪」
「だから、わたしたちにも、もっと、くださいぃ…♪」
三日三晩の凌辱で、身体の芯まで精液に漬け込まれて。
心も身体も屈服するまで、快楽を叩きこまれて。
魔物が、男性に服従しないはずがなかった。
ホブゴブリンが蕩けた表情で頷く。
「うん、いいよぉ…♪ みんなで、いっぱいしよう…♪」
こうして少年は、一気にホブゴブリンの群れたちの主となったのだった。
・
・
・
その日の夕方、バフォメットたちが棲み家を訪れた。
「す、すごい匂いですね、バフォ様…」
「う、うむ…実験は…うまく、いったようじゃの…」
バフォメットたちは魔法で浮き上がると、二階の窓にノックをした。
「どうじゃったか、ワシらの薬は?」
窓を開けて中を覗いてみると、少年とホブゴブリンたちが交わっていた。
精液まみれの部屋の中で、幾人ものゴブリンが既に絶頂させられている。
うち一人は今もまた執拗にクリトリスを弄られ、ぷっくりと膨れてしまっている。
少年自身はホブゴブリンと交わっている真っ最中だった。
少年が、バフォメットに気付いた。
「あ…こんばんは、あなたのおかげです!」
「そ、そのようじゃのう…薬の使い勝手はどうじゃった?」
「最高でしたぁ…♪」
ホブゴブリンが蕩けた表情で答える。
凌辱で壊されかけたゴブリンたちも、頷いて答える。
「そうか、それはよかったわい」
「それで、なんですけど…アレ、もっと無いですか?」
「追加分かの?」
「はい! 同じぐらいの濃さで、6瓶ほどください!」
「ほほう…聞いたかの、あれで丁度いいそうじゃぞ?」
「なるほど、早速その方向で調整しましょう! 明日には6瓶届けますね!」
『超絶弩級触手薬』、量産決定。
ホブゴブリンの棲み家からは、彼女たちの激しい喘ぎ声が毎晩響いたという。
「ここ、だよね…」
ややためらいがちに辺りを見回し、少年は森の中に入っていった。
・
・
・
話は数日前に遡る。
ある親魔物領の町に住む少年は、親から頼まれたお使いの最中だった。
近道をしようと路地裏を進んでいると、路地裏の反対側から誰かが走ってきた。
「はぁ、はぁ…」
一見するとゴブリンに見える。
しかし、明らかに目を引く、その大きな胸。
少年が初めて見たそれは、希少種のホブゴブリンだった。
胸に目を奪われながらも、その慌てた様子に、少年は声をかけた。
「あ、あの…どうしたの?」
「え、えっと…お、お願い、かくまって!」
「え…?」
ホブゴブリンは慌てた様子で、近くにあった空の樽の中に隠れた。
少年が困惑していると、再び路地裏に誰かが入ってきた。
その姿には見覚えがある。
町の警備を担当しているリザードマンだ。
「あ、君!」
「は、はい!」
「ホブゴブリンを見なかったか?」
「え…」
「果物泥棒でね。町中を逃走しているんだ」
「は、はぁ…」
恐らくは、ホブゴブリンは彼女から逃げていたのだろう。
本来なら、果物泥棒を庇う筋合いはない。
しかし、あのホブゴブリンの必死な様子を思い出す。
ここでリザードマンの前に突き出すのはちょっと可哀想だ。
「え…えっと…見て、ないです」
「そうか。ありがとう、どこかで見つけたら教えてくれ」
「は、はい」
リザードマンは走り去っていった。
「…行ったよ」
「あ…ありがとう…」
ホブゴブリンは樽から出てきた。
改めて見てみると、風呂敷包みを背負っている。
「…………果物泥棒?」
「う…うん…つい…」
「や…やっぱり、それは、だめだと思う」
庇いはしたが。
泥棒をこのまま見逃すのも、宜しくないだろう。
「うぅ…」
「それ、返した方が良いと思うよ?」
「か、返しにいって、捕まったら、どうなるか…」
「う、うーん…」
結局捕まったのでは、さっき庇った意味もない。
しかし、このまま見逃すのも問題だろう。
「じゃあ…ボクが、返しに行こうか?」
「え…?」
「ここに置いて行ってくれたら、逃げられるようにできるし…」
盗品を返させた上で彼女を逃がせばいいのではないか。
そんな、少年なりの折衷案だった。
「わ、わかった…捕まるよりいいよね…」
「うん。じゃあボクが何とかするよ」
ホブゴブリンは渋々風呂敷包みを渡した。
「あの…あ、ありがとう。庇ってくれて」
「…っ」
ホブゴブリンに笑顔を向けられ、少年の胸が高鳴った。
もしかして、この感覚は…
「私、北の森のホブゴブリン。来てくれたら、お礼、したいな」
「あ、う、うん…」
少年は顔を赤らめながら頷いた。
「どこだ、出てこい!」
路地の向こうから、リザードマンの声がする。
「あ、あわわ、逃げなきゃ…!」
「あ…あっちに行けば大丈夫だと思う」
「う、うん。ありがとう、またね!」
ホブゴブリンは、走り辛そうな体型ながら慌てて逃げていった。
見届けると、少年は風呂敷包みを持って、声のした方に向かう。
「あ、リザードマンさん!」
「君! 見つかったのか?」
「い、いえ…でも、これ、もしかして…」
「それは…風呂敷? あ、盗まれた果物じゃないか!」
「そこに置いてあったんです。置いていったのかも」
「なるほど、そうか…うん、ありがとう」
リザードマンを引き付け、ホブゴブリンが逃げる隙を与えることができた。
その日はそのままお使いを済ませ、家に帰った。
(北の森、か…)
ホブゴブリンの言葉を思い出し、いつかは向かおうと思いながら。
翌朝、あのリザードマンに再び出会った。
「あの…」
「ああ、君は昨日の。どうした?」
「昨日の果物泥棒って、どうなりました?」
「ああ…見つけられなくてね、多分町の外に逃げたんだろう」
「そうですか…」
「果物屋の店主は品物が戻ってきたからもういいって言ってたけど。不覚だ…」
彼女は無事に逃げおおせたようだ。
少年は胸をなでおろした。
そして、その日の午後。
少年は北の森に向かったのだった。
・
・
・
少年が森の中を進んでいくと、開けたところに木製の家が見えた。
恐らく、あそこがホブゴブリンの…
「誰?」
突然の声に、少年は慌てて声の方に顔を向けた。
二人のゴブリン。
恐らくはホブゴブリンと同じ群れ、この家に住んでいるのだろう。
「あ、あの、ボク、ホブゴブリンさんに…」
「ボスに逢いたい?」
「あ、はい、多分そうです、それで…」
どうやら彼女がこの群れのボスらしい。
そうは見えなかったが。
すると少年は、ゴブリンたちの目に熱がこもっているのを感じ取った。
「ボスに逢いたいんだったら…♪」
「ちょーっと、こっち、来てくれる?」
この感じ。
間違いなく、襲われる。
親魔物領だけあり、魔物の生態は把握していた。
恐らくはボスに逢う前に、彼女たちに犯される。
下手すると、彼女に会う前にこのゴブリンたちの物にされてしまうかもしれない。
それでは意味がない。
「う…ご、ごめんっ!」
少年はとっさに、森の出口まで一目散に逃げ出した。
「あ、ま、待って!」
「っていうか足、速っ!」
ゴブリンたちの声を引き離し、森から抜け出す。
「はぁ…はぁっ…」
逃げ出してきてしまったが、どうしようか。
このままでは、ホブゴブリンに逢えない。
あのまま捕まっても逢えたかもしれないが、逢えなかったかもしれない。
逃げた判断が間違ってはいなかったはず。
どうにか、ゴブリンに見つからずにホブゴブリンに会う方法を…
「ぬし、どうした?」
「わっ!?」
帰路の途中、後ろから声をかけられ、驚いて振り返る。
そこには、山羊の角が生えた少女―バフォメットが立っていた。
後ろには、二人の魔女も控えている。
バフォメットほどの強力な魔物に出会うのは初めてだ。
気圧されて動けないでいると、バフォメットの方から声をかけてきた。
「何やら逃げてきたようじゃの。話なら聞くぞ?」
「え…」
「なあに心配せんでええ。ワシらはちゃんとお兄様がいるのでな、襲いはせんよ」
「あ…はい、えっと、その…」
ひょっとすると、力になってくれるかもしれない。
少年は、バフォメットに経緯を話した。
「ふむ、ゴブリンに邪魔されずに、ホブゴブリンに逢いたいと」
「は、はい…」
話を聞いていた魔女の一人が、バフォメットに声をかける。
「バフォ様バフォ様、だったら、これ、丁度いいんじゃないですか?」
「ん? …おお、そうじゃのう!」
「え…?」
「状況はどうあれ、幼女を愛する者の恋路は応援してやらんとな!」
バフォメットは、手に持っていた小瓶を少年に突き出した。
「この薬を飲むといいぞ!」
「こ、これは…?」
「開発中の新薬じゃ。実験台…ごほん、モニターを募集しておってな」
「これで…何とかなるんですか?」
「うむ。それを飲んで、また森に入るといいぞ」
少年は、ためらいながらも小瓶を手に取る。
「…ありがとうございます」
そしてそのまま、中身を一気に飲み干した。
何故か魔女たちが慌てた表情になる。
「あ…っ」
「よしよし、では頑張るのじゃぞ!」
「はい!」
少年は、森へと駆け出していった。
「うむ、丁度良いところに実験台になってくれそうな者がおって助かったぞ」
「あ、あの、バフォ様…」
「なんじゃ?」
「あの薬、4分の1ずつを10倍に薄めて飲む薬なんですけど…」
「…へ?」
「原液全部いったら…三日ぐらい…大変なことになるんですよね…」
「…………先に言わぬかあああっ!」
「どど、どうしましょう!?」
「もう遅いわ、放っておくしかあるまい…三日後ぐらいにまた様子を見るとしよう…」
・
・
・
森の中では、先程のゴブリンたちが途方に暮れていた。
「逃がしちゃった…足、速すぎるって…」
「そ、それよりどうするの? ボスが言ってたの、あの人だよね?」
「うう、私たちのせいで逃がしちゃった、ってバレたら…」
「…………うん、秘密にしよう」
ボスであるホブゴブリンに逢いに来た少年を、自分たちのせいで逃がしてしまった。
ボスも逢えるのを楽しみにしていたのに。
もう来なくなってしまったらどうしよう。
そんなことを考えていると、森の入口の方角から何やら物音が聞こえた。
「…もしかして、帰ってきた?」
「か、かもしれないね…」
二人がその方角を見ると、確かにあの少年が近付いてきていた。
「お、おかえりなさい!」
「そ、その、さっきは…」
二人が声をかけようとするが、様子がおかしい。
目の焦点が定まっていない。
「あ、あれ…?」
「どうしたの…?」
「あ…あああ…あああ…」
突然、少年の身体が黒い霧に包まれる。
「ひっ!?」
「な、何…!?」
「あああああ!」
次の瞬間、黒い霧の中から大量の赤黒い触手が一気に飛び出してきた。
「え…」
その赤黒い触手は、二人を触手の海に呑み込むと、そのまま家に向かっていく…
バフォメットが飲ませた薬。
それは、サバトが新規開発した『超絶弩級触手薬』。
通常の触手よりも強烈な、まさに『怪物』並の触手に変貌するのだ。
『ゴブリンごと全部呑み込んでしまえばいいだろう』
それが、バフォメットの意図だったのだ。
家の二階で眠っていたホブゴブリンは、家が激しく揺れる音で目を覚ました。
「ひゃっ!? 何!? 地震!?」
「た、大変です、ボス!」
別のゴブリンが、部屋に入ってきた。
「ば、化け物が、触手の化け物が現れました!」
「え…えぇっ!?」
「み、見張りの二人を呑み込んで、中に…っ!」
階下から、大量の触手が蠢く音も聞こえる。
同時に、部下のゴブリンたちの悲鳴も。
「ひぃぃぃぃっ!?」
「やだ、助けて、助けてぇぇぇ!」
「こ、来ないでよぉぉっ!」
その悲鳴も、触手の蠢く音にかき消される。
警告を届けたゴブリンが降りてみると、凄まじい光景が広がっていた。
赤黒い触手が、家中を埋め尽くしている。
他の5人のゴブリンたちは、その触手に呑み込まれ、犯されていた。
「ひぃ、あぁ、あぁぁぁ!」
何本もの触手を膣内にねじ込まれ、全身を痙攣させて絶頂する者。
「おぶ、ぶぶぶぶぶ…」
太めの触手を口と膣にぶち込まれ、白目を剥いている者。
「んあ、ひ、だ、だめぇぇっ!」
クリトリスを触手に吸い付かれ、背中を仰け反らせながら絶頂する者。
「んひぃぃぃぃぃ!」
「あぅ、あぁぁぁぁっ!」
見張りの二人は、既に触手から何発もの精液を浴びせられ、真っ白に汚されている。
「な、なんなの、これ…」
絶句するゴブリンのところにも、無数の触手が襲い掛かる。
「ひ、い、いやああああ!」
触手が、逃げようとするゴブリンの全身に絡みつく。
服装の隙間に、細い触手が何本も侵入する。
そのまま、敏感なところに入り込んで…
「ああああああ!」
一方のホブゴブリンは、ベッドの上で震えていた。
「あう…うぅぅぅぅ…!」
もうすぐ、こっちにも来る。
逃げないと、しかし恐怖で動けない。
そして、部屋の扉が破られる音がした。
「ひ…」
とうとう入ってきた。
ホブゴブリンが恐る恐る振り返る。
そこにいたのは、赤黒く巨大な、筒状の触手だった。
「あ…あぁぁ…!」
その触手は、大きく口を広げて…
恐怖で動けないホブゴブリンを、一気に呑み込んでしまった。
・
・
・
真っ暗な触手の中。
大きく広がった空間の中で、ホブゴブリンは内部の細い触手に絡まれていた。
「た、助けて…!」
もがけばもがくほど、触手は絡みついていく。
いつの間にか、衣服は剥ぎ取られてしまっていた。
気付けば両腕と両脚は触手の肉壁に呑み込まれ、動けなくなっていた。
四つん這いの体勢のままで、無防備な身体を晒す羽目になる。
ホブゴブリンは、膣口にぬめった感触を覚えた。
触手が、膣口に狙いを定めているのだろう。
「い、いや、そこは…!」
抵抗の言葉を言い終わるより、その触手が膣にぶち込まれる方が早かった。
「ああああああ!」
未経験の膣を、触手が容赦なく蹂躙する。
激しいピストンが繰り返されるたび、下腹部に触手の膨らみが浮き出るほどに。
「うああっ! あぐぅっ、ひぃぃっ!」
ホブゴブリンは強烈な責めに幾度も絶頂して愛液を噴き出し、背中をのけ反らせる。
しかし四肢を拘束されて身動きがとれず、その快楽から逃れられない。
やがて空間全体が蠢き始めると共に、触手は更に動きを速めてきた。
それが何を意味するか、魔物の本能で察知する。
「あ…や、やめて、それは…っ、だめええええ!」
ごぶぶぶぶぶぶぅぅぅっ! どぶるるるるっ!
一際強くねじ込まれた触手が、激しく脈打つ。
触手の先端から、濃い白濁液が子宮内にぶちまけられた。
逆流した精液を膣から噴き出しながら、ホブゴブリンは全身を痙攣させた。
「あ…ああ…あが…あぁぁぁっ…」
子宮を埋め尽くした長い射精が終わった途端、ホブゴブリンは力なく崩れ落ちる。
その腹部は既に目に見えて膨らんでしまっていた。
「う…あ…汚されちゃったよお…あの人の…わたし…………」
「あの人」を心待ちにしていたのに。
うなだれていたホブゴブリンは、何かに気付いた。
「…あれ…でも…この、精の…感じ…?」
魔物の本能。
直接精液を摂取していなくても、微かに精の特徴を感じることが出来る。
あの時感じたものと、今自分を埋め尽くしているもの。
とても、似ている。それどころか…
「…………あなた、なの…?」
応えるように、一本の触手が伸び、ホブゴブリンに頬ずりする。
彼女の思いが確信に変わるには、それだけで充分だった。
「…そっか…あなた、なのね…♪ えへへ…よか…ったぁ…♪」
ホブゴブリンの表情が、一気に蕩けた、幸せそうな表情に変わる。
自分は、得体の知れない化け物に汚されたのではなかった。
心待ちにしていた相手に、処女を捧げていただけなのだ。
彼女の安堵を察したかのように、更に多くの触手が伸びてくる。
乳房、秘所、目の前に、幾本もの触手が待ち構える。
「いいよぉ…♪ ぜんぶ、めちゃくちゃにしてぇ…♪」
その言葉に、触手たちは一斉に襲い掛かった。
口内、膣内、腸内を掘り進められる。
乳房に巻き付いて搾乳を始め、乳首とクリトリスに吸い付く。
他の触手も、擦り付けるように、愛撫するように身体の上を蠢いた。
「んぶぅぅう♪ んぐっ、んふぅ♪ んぅぅぅぅ♪」
全身をくまなく責められ、ホブゴブリンは身体を震わせながら幾度も絶頂する。
人の形では到底成し得ない、甘く激しい凌辱がその小さな身体にぶつけられていく。
そして、空間そのものが快感に脈打ちだす。
意識が飛びそうなほどの快感の中でも、ホブゴブリンはその意味を察した。
喉奥を、子宮口を、腸内をゴリュゴリュと掻き回すこの触手が。
全身を蠢く、この大量の触手たちが。
一斉に、自分に精液を注ぎ込む。浴びせかける。
「…らして…いいよぉ…♪ いっぱい…ちょうらい…っ♪」
ホブゴブリンのおねだりを聞き、触手たちはついに決壊した。
どびゅるるるるっ! ごびゅぅっ!
ぶびゅるるるるっ! びちゃぁぁっ!
ぶじゅるるるっ! ごぶぶぶぶっ! どぶるるるぅっ!
ホブゴブリンの体内が、全身が。
濃厚な精液に埋め尽くされ、汚し尽くされ、犯し尽くされる。
「んんんんんぅぅぅぅぅぅぅぅ♪」
ホブゴブリンは三穴から逆流した精液を噴き出しながら、白目を剥いて絶頂した。
空間内は迸る精液が溜まり、精液風呂状態になってホブゴブリンを浸す。
体内の隅々まで精液に漬け込むように。
自身の「味」を、脳髄にまで覚えさせるかのように。
「ん…あぁ…♪」
愛する人の精液に漬け込まれて恍惚状態のホブゴブリンに、更に触手が伸びてくる。
『超絶弩級触手薬』の原液を摂取した少年は、まだまだ満足できない。
「あ…あぁぁぁぁぁぁぁ♪」
先程よりも大量の触手に全身を包み込まれ、恍惚の表情のまま、彼女の視界は暗転した。
一階も、既に赤黒い触手と白濁した精液で埋め尽くされている。
「う…んぁぁぁぁ…♪ だめ…だめぇぇぇ…♪」
あるゴブリンは、首から下をチューブ状の触手に咥え込まれてしまっている。
内部では大量極細の鞭毛状触手が、ゴブリンの身体を隅々まで舐め回す。
「ごぶっ、おおおお♪ んぶぅぅぅぅ♪」
別のゴブリンは細い触手が全身に絡みつき、辛うじて角が見えるのみとなっている。
触手の隙間から時折精液が漏れ出す様子から、内部の幾度もの凌辱が伺える。
「だ、だめぇぇぇぇぇええぇあああああああああ♪」
その隣では四肢を掴まれで宙吊りのゴブリンが、クリトリスを触手に弄ばれている。
吸い付きながら激しく振動する触手に、愛液を噴き出しながら絶叫させられる。
彼女は先ほどから執拗にクリトリスだけを責められているようだ。
「ひっ…あ…ご…ごほうし…しま、す…♪」
更に別のゴブリンは恐怖のあまり、自ら触手に媚び、奉仕を始めた。
大量の触手に囲まれ、口や手、膣に触手を招き入れ、白濁に汚されていく。
「あ…………あ…………♪」
精液溜まりの中では、一人のゴブリンが触手の床に突っ伏して気絶している。
そんな彼女も容赦なく膣内を凌辱され、子宮から逆流した精液を噴き出し続けている。
「がぼっ…う…ぼえ…あ…♪」
逃げ出そうとしたゴブリンに至っては天井から触手に吊るされ、公開処刑状態である。
数え切れないほどの触手が膣内と腸内になだれ込み、懲罰とばかりに犯し抜く。
注ぎ込まれた精液で体内が埋め尽くされ、時折ごぼごぼと口から吐き出している。
ゴブリンたちはこれらの激しすぎる凌辱に、心も身体も屈服させられていた。
魔物だけあってすぐに快楽を享受し始めたが、身体がもたない。
触手たちは興奮のあまり凌辱を更に激しくし始め、萎える気配が一切ない。
全員の意識が飛ぶのに、そう時間はかからなかった。
・
・
・
凌辱は三日三晩続いた。
凌辱で気を失い、凌辱の勢いで目を覚まし、また気絶するまで。
唯一その正体を知っているホブゴブリンは、悦びとともにそれを受け入れる。
しかし他のゴブリンたちは、凌辱の果てに壊れかけていた。
そして、四日目の朝、ゴブリンたちが精液風呂の中でことごとく気を失った時。
触手はスルスルと縮み、退化し始めた。
ゴブリンたちを一階に残し、赤黒い塊が二階へと上って―否、戻っていく。
そしてホブゴブリンを包んでいた巨大な触手と合流し、共に黒い霧に包まれた。
霧が晴れると、ホブゴブリンに覆い被さって気を失っている少年の姿があった。
ようやく、薬の効果が切れたのだ。
先に目を覚ましたのは少年だった。
「うぅ…………、うわっ!?」
目覚めた少年は、目の前の光景に絶句した。
部屋中が、大量の精液で白く汚され、凄まじい精液の匂いが漂う。
そして自分の真下には、同じく汚され、恍惚の表情で気絶するホブゴブリン。
怪物になっていた時の記憶は明瞭ではない。
ただ、凌辱の記憶は薄っすらと彼の中にも残っていた。
だからこそ、自分が何をしたかもこの光景で察せられた。
「ど…どうしよう…大変なことになっちゃった…………だ、大丈夫!?」
少年はホブゴブリンを揺する。
その大きな胸が激しく揺れた勢いで、ホブゴブリンも目覚めた。
「…………あ♪」
「あの、その…こんな、ことに、なって…大丈夫…? ご、ごめん…」
狼狽えながら謝ろうとした少年は、ホブゴブリンに抱きしめられた。
「逢いたかったようっ♪ やっと、こうやって、ちゃんとお話できた♪」
「え…」
「もうわたし、ぜんぶ、あなたのものっ♪ ずっと、いっしょにいるっ♪」
嬉しそうに話す姿を見て、少年は安堵した。
それと同時に、あの快楽の記憶も蘇ってくる。
彼女と交わりたいという思いも。
「…………ボクも、大好きだよ…♪」
少年もホブゴブリンを抱き返し、唇を重ねた。
肉棒は既に固くなり、薬を飲む前と比べても遥かに大きなサイズになっている。
魔物7人と三日三晩交わって、インキュバスになっていないはずがなかった。
「ちょうだい…♪ あなたのままの姿で、いっしょになろう…♪」
「うん…っ♪」
少年は、その勢いのままに肉棒をホブゴブリンの膣内にねじ込んだ。
「んぅぅぅっ♪」
「うあぁぁ♪」
あれだけ膣内を蹂躙されても、膣内は彼の肉棒の形にフィットする。
いつでも愛する人の形に合わせられるのは、魔物の凄い所である。
あれだけの快楽を浴びせても、やはり面と向かって行う交わりは格別だ。
身体以上に、精神まで一つになっているかのような感覚を覚える。
「いい…いいよぉ…♪」
「キミの…とっても、きもちい…っ♪」
少年はホブゴブリンの胸を揉みしだく。
互いに、触手のままで愛撫するのとは違った感覚になる。
そして、あの激しい快楽よりも上質の快楽を互いに享受しあっているなら。
絶頂に達するのに、早すぎるという事はあり得ない。
「イク…イクよっ、中に出すよっ♪」
「ちょうだいっ、いっぱいちょうだいっ♪」
「っ、あああああ♪」
どぶっ、どびゅるるるるっ♪
流石に、量や勢いは触手の時には劣る。
それでも、肉棒そのものから放たれる精液の濃さと「力」は格別だ。
「あうっ、ぅあああ♪」
「あ…あぁぁ…♪」
これまで散々精液を呑み込んできた子宮に、最上の質のものが与えられた。
少々逆流したところで、部屋の中は既に精液まみれなのでこれ以上汚れようがない。
「はぁ…はぁ…♪」
「あ…はぁ…♪ …………あっ」
快楽の余韻に浸っていると、ホブゴブリンが少年の背後に目を向けた。
「み、みんな…」
「え…?」
少年が振り返ると、そこには六人のゴブリンたちがいた。
なんとか意識を取り戻し、二階に上がってきたのだ。
いずれも、精液でドロドロにされている。
「あなた…が…アレの…正体…?」
「ボスの…まってた…ひと…」
虚ろな目で、二人を見つめている。
「その、これは…」
「…………ご、ごめん…じゃ、すまない、かもしれない、けど…」
流石に少年も事の大きさを痛感し、俯く。
と、ゴブリンたちは少年の背中に抱き着いた。
見ると、虚ろな目は蕩けた目に変わっていた。
「…え?」
「ごしゅじんさまぁ…♪」
「わたしたちも、あなたのものになりますぅ…♪」
「だから、わたしたちにも、もっと、くださいぃ…♪」
三日三晩の凌辱で、身体の芯まで精液に漬け込まれて。
心も身体も屈服するまで、快楽を叩きこまれて。
魔物が、男性に服従しないはずがなかった。
ホブゴブリンが蕩けた表情で頷く。
「うん、いいよぉ…♪ みんなで、いっぱいしよう…♪」
こうして少年は、一気にホブゴブリンの群れたちの主となったのだった。
・
・
・
その日の夕方、バフォメットたちが棲み家を訪れた。
「す、すごい匂いですね、バフォ様…」
「う、うむ…実験は…うまく、いったようじゃの…」
バフォメットたちは魔法で浮き上がると、二階の窓にノックをした。
「どうじゃったか、ワシらの薬は?」
窓を開けて中を覗いてみると、少年とホブゴブリンたちが交わっていた。
精液まみれの部屋の中で、幾人ものゴブリンが既に絶頂させられている。
うち一人は今もまた執拗にクリトリスを弄られ、ぷっくりと膨れてしまっている。
少年自身はホブゴブリンと交わっている真っ最中だった。
少年が、バフォメットに気付いた。
「あ…こんばんは、あなたのおかげです!」
「そ、そのようじゃのう…薬の使い勝手はどうじゃった?」
「最高でしたぁ…♪」
ホブゴブリンが蕩けた表情で答える。
凌辱で壊されかけたゴブリンたちも、頷いて答える。
「そうか、それはよかったわい」
「それで、なんですけど…アレ、もっと無いですか?」
「追加分かの?」
「はい! 同じぐらいの濃さで、6瓶ほどください!」
「ほほう…聞いたかの、あれで丁度いいそうじゃぞ?」
「なるほど、早速その方向で調整しましょう! 明日には6瓶届けますね!」
『超絶弩級触手薬』、量産決定。
ホブゴブリンの棲み家からは、彼女たちの激しい喘ぎ声が毎晩響いたという。
16/11/05 15:26更新 / 第四アルカ騎士団