策謀(???)前編
彼は、優しい。
滅び行く故郷ですら愛してしまうほどに。
夫がいなければ犯していたのは彼だった。確実に
あの旅でも彼は前にたち、仲間のために囮になり、自分の能力を惜しげもなく仲間に使った。
なんでもできるアタッカー。
頼りになる仲間。
そんな彼が今、苦しんでいる。
私の創った世界で。
「そんな事、許さない」
絶対に幸せにしてみせる。
夫と同じくらい大切な仲間。
彼と結んだ約束を破ってでも。
ーーー彼は魔物娘が嫌いなわけではない。愛した故郷のせいで一歩を踏み出せないだけ。
だから、“自分が人間だ。”と思っている魔物娘に弱い。
彼は、 “ソ レ“を否定できない。
だから人として接し、誠実でいるだろう。
だって、彼は優しいから。
人の弱さを理解できる人間だから。
「この子と、“お幸せに♥️”」
そうやって、魔王であるわたしはひどい笑顔で資料をまとめ、彼に電話をかけた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本、M県S市、絵流田村(えるだむら)にて、魔物の目撃情報が入った。
また、集団行方不明事件が起きているらしい。
「蜘蛛のような化け物」
証言した女の子はそう言ったらしい。
そうしてこう、調査に来た訳だがーーー
「絵流田村はいいですよー、のんびりとしたところで。」
バスも通じていない田舎という事で、地元の神主さんの軽トラにのせてもらっている。
荷台の毛布やロープがガタガタと震えている。よく見るとハンドルを握る手に大きな切り傷も見える。
神主は中肉中背、温厚そうな顔で愛想よく世間話を話している。
「…神主さんがここに引っ越したのはいつなんですか?」
「?…わたしがここに引っ越したことを何故、ご存じで?」
「軽トラに、ロープと毛布が積まれています。恐らくは荷物を梱包した時のものでしょう。それにあなたの左手にある傷、カッターかなにかで切ったものでしょう?
…大方、荷物を開封するときに手を切った。
引っ越しした時も当ててみましょう。
軽トラについた土のつきようと、年季で…2、3年前くらいではないでしょうか。…どうですか?」
ポカンとした顔をした神主、突然我にかえったと思えば、パチパチと拍手をする。
「さすが、“刑事”さんですなあ、名探偵のようだ。」
「恐縮です。…最近はあまり頭は使いませんでしたが」
こういう田舎での調査には、魔王から資料と一緒に警察手帳を貸してもらえる。
国家権力は便利だ。田舎だと特に。
絵流田村についてから、神主のゴミ捨てを手伝い、軽トラを降りた。
捨てた毛布が毛だらけだったのかスーツについた毛を回収しておく。
ーーーーーーーーーー
聞き込み開始である。
畑と家しかない土地ではあるが、隠れ家としてはうってつけのところだ。しっかりと証言を集めていく。
「噂程度で」 「言い伝えで」 「ご神体が…」
「神社で目撃情報が」 「きもちが悪い」
「五人も同時にいなくなって」
「いなくなった子とよく仲良くしていた女の子がいて。」
ーーーーーこんなところか。
相当聞き込みをし、昼ごろになったのを確認して改めて神社に向かうーーー
「神社にいくの?」
…呼び止められる声をきき、後ろを振り替える。
ツインテールの女子高生。ツヤツヤとした黒髪をきれいに二つにわけ、ぱっちりとした目と、シャープな顔で、美人というよりは可愛い。といった“普通の女の子”
…………ふふん オレは騙されんぞ。どうせヴァンパイアかダンピールなんだろう。
と瞳を除くと紅くはなく、きれいな黒色。
……………………マジで?
え、本当に人?
思わず見惚れていると、その子はまた警告する。
「神社にいくのはやめてください。危ないから。」
「…どうして?」
「…その顔だと、忠告しても聞いてくれなさそうですね。」
「うん、仕事だしね。」といって手帳を出す。
ふーん、といって彼女はオレの前をてくてくと歩く。
「ついてきて、案内します。」
ーーーーーーーーーーーーーー
階段が意外と長い。神社にたどり着くまでに螺旋状になっており、結構な距離になっているようだ。道路は舗装されており、車でも通れそうなほどである。
そんな事を考えていると、何か変な音がする。
具体的には何か、ゾウのようにデカイなにかが近付いてくる、ずしん、ずしんという音。
そうして上を見ると、“ソレ”はいた
「ぼ……………………ぼ………………………」
白く、ぶよぶよした、赤ん坊のような、形。
図体はまんまゾウで、舗装された道路にミチミチと肉を挟みながら進んでいる。
無機質な目をぎょろりとこちら向けた瞬間、腰の銃を抜いた。
「ね、あぶな「危ねえ!!」
少女の手をつかんで引き寄せ、結果的に胸にしがみつくような形になってしまったが無視し、銃をゆっくりと赤ん坊もどきにむける。
「耳、塞いでろ。」
9mm弾がピアノの連弾のようにテンポよく飛んでいく。
サソリの名を冠する銃は無数のトゲをばらまいて、その“赤ん坊もどき”に襲いかかり、まるで最初からいなくなったようにふっと赤ん坊もどきは消え去った。
「チッ 幻覚かよ。味なマネしやがる。」
そうして銃を腰に戻し、文句を言う。
………なんか女の子を抱き寄せた方の手がすごい熱い。
見ると少女が真っ赤になった顔でぼーっと立っている。
「オイ、君、キミ、」
ぺちぺちと頬をたたく。
「終わったよ」
というとやっと我にかえったのか、あわててオレの手を放して、
「すすすすいません!男のひとにこうされたのはははじめてでで、」
((( ;゚Д゚)))ガクガクしながら話している。
真っ赤に染まった顔を見て、嫌われたわけじゃないと思ってほっとした。
「………そうかい、キミは、“うぶ”なんだね?」
ニヤニヤしながらまた道を歩く。
腕をブンブン上下に動かしながらついてくる彼女を見て、
悪い子じゃ無さそうだな、と思ってまた安心した。
(2話目参照)
ーーーーーーーーーーーーーー
「あ、そうだ。名前聞いてなかった。オレは井口、井口冬瀬。キミは?」
「あ! はい…私、黒谷 那知、(くろたに なち)といいます!」
「那知ちゃんか、いい名前だねー。あ、オレのことは気軽に井口さんっていってね。」
初めての普通っぽい女の子だ!頼れるアピールしとこう!!!
「井口…さん。 井口さんって本当に、警察の方なんですか?」
「いきなり核心ついてくるねキミぃ」
んーーと考える。
「ま、ケーサツでも特殊なとこに勤めてるから、あんなのいてるわけ。」
ばきゅーんと子供っぽく手振り。
クスッと、那知ちゃんが笑った。
「いいんですか? こんな一般人にそんな事言って。」
「いいのいいの、那知ちゃん、かわいい女の子だから〜」
あ〜鼻の下のびてんな〜と思いながら話す。
そうして参道の手前まで楽しく話していった。
鳥居の前まで来たとき、ふと、那知ちゃんが足を止める。
「どうしたんだい?もう神社まですぐだよ?」
「帰ってください。」
「へ?」
「死にたく、なければ、かえってください。
は…やく、ここに、来ると、だ…め ガハッ!」
「那知ちゃん?」
彼女が吐いたのは、ゲロでもなければ、血でもなかった
“青かった”…まるで、虫のように、
そして、彼女の体をもう一度見る。目元は変わっていない。
ただ、“口が開いていた” “カマキリの口”のように、グロテスクな口が、がぱりと
それと同時にごきり、と彼女の下半身が不自然に動く。
太ももの辺りから、彼女の“変化”は始まった。
ずるりと蜘蛛のような、毛むくじゃらの足が六本、生えた。
お尻からはまるで蜘蛛のような、 “袋”の部位が出てくる。
腕からはカマキリのようなしなやかな、凶器のような腕が、
ずちゃ、ごき、ごきごき、…ずるり
“変化”が終わった後、彼女はきれいなカラダを残しながら、しかしソレ意外の部分を偉業の姿に変えて、
ずん、と“六本足”で立った。
「コ…ロ…シ……テ」
と涙目で訴える彼女の眼はだんだんと光を失っていく。
完全な、黒にきれいな光のあった眼は、淀んだ。
「…変わった。」
ノーモーションからの、異常に早い斬撃。
彼女の腕から生成された長いカマキリのような腕が、オレの身体があった所を通過する。
後ろにのけぞった後に、後方にでんぐり返り、“彼女”と相対する。
身の丈7〜8メートルまで巨大化した彼女はちょうど鳥居を背に、まるで俺を逃がさないかのようにたたずんでいる。
そのどこまでも黒い眼は時折光を取り戻し、苦しむようにうめく、恐らくはまだその体に侵食されきっていないのだろう。
「ホント、強い子だ。」
ふ と笑い、彼女の斬撃をかわしながら近付く、ムチのようにしなり、早い速度ではあるが、元の彼女の戦闘センスが皆無なのだろう。
攻撃に“ため”が入ったり、抗っているときの隙も大きい。
ーーー彼女に銃をむけるのはむしろ逆効果だな。
そう判断したオレは懐から円筒状のものを取り出し、上空へ放り投げた。とっさに目を隠す
閃光
あまりにも明るく、太陽が目の前にあるかのごとく錯覚するほどの光。
スタン・グレネードは確実に彼女の目を奪った。
その隙を見逃さず、スライディングで彼女の蜘蛛のような足に近づき、毛深い、ごわごわした足にそっと触れる
彼女の“魔力”をもらい、言った。
「トランスポート」
光のようなものが“二人”をつつみ、閃光を放って消える
神社では、ひとつの影が、それをみていた。
滅び行く故郷ですら愛してしまうほどに。
夫がいなければ犯していたのは彼だった。確実に
あの旅でも彼は前にたち、仲間のために囮になり、自分の能力を惜しげもなく仲間に使った。
なんでもできるアタッカー。
頼りになる仲間。
そんな彼が今、苦しんでいる。
私の創った世界で。
「そんな事、許さない」
絶対に幸せにしてみせる。
夫と同じくらい大切な仲間。
彼と結んだ約束を破ってでも。
ーーー彼は魔物娘が嫌いなわけではない。愛した故郷のせいで一歩を踏み出せないだけ。
だから、“自分が人間だ。”と思っている魔物娘に弱い。
彼は、 “ソ レ“を否定できない。
だから人として接し、誠実でいるだろう。
だって、彼は優しいから。
人の弱さを理解できる人間だから。
「この子と、“お幸せに♥️”」
そうやって、魔王であるわたしはひどい笑顔で資料をまとめ、彼に電話をかけた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本、M県S市、絵流田村(えるだむら)にて、魔物の目撃情報が入った。
また、集団行方不明事件が起きているらしい。
「蜘蛛のような化け物」
証言した女の子はそう言ったらしい。
そうしてこう、調査に来た訳だがーーー
「絵流田村はいいですよー、のんびりとしたところで。」
バスも通じていない田舎という事で、地元の神主さんの軽トラにのせてもらっている。
荷台の毛布やロープがガタガタと震えている。よく見るとハンドルを握る手に大きな切り傷も見える。
神主は中肉中背、温厚そうな顔で愛想よく世間話を話している。
「…神主さんがここに引っ越したのはいつなんですか?」
「?…わたしがここに引っ越したことを何故、ご存じで?」
「軽トラに、ロープと毛布が積まれています。恐らくは荷物を梱包した時のものでしょう。それにあなたの左手にある傷、カッターかなにかで切ったものでしょう?
…大方、荷物を開封するときに手を切った。
引っ越しした時も当ててみましょう。
軽トラについた土のつきようと、年季で…2、3年前くらいではないでしょうか。…どうですか?」
ポカンとした顔をした神主、突然我にかえったと思えば、パチパチと拍手をする。
「さすが、“刑事”さんですなあ、名探偵のようだ。」
「恐縮です。…最近はあまり頭は使いませんでしたが」
こういう田舎での調査には、魔王から資料と一緒に警察手帳を貸してもらえる。
国家権力は便利だ。田舎だと特に。
絵流田村についてから、神主のゴミ捨てを手伝い、軽トラを降りた。
捨てた毛布が毛だらけだったのかスーツについた毛を回収しておく。
ーーーーーーーーーー
聞き込み開始である。
畑と家しかない土地ではあるが、隠れ家としてはうってつけのところだ。しっかりと証言を集めていく。
「噂程度で」 「言い伝えで」 「ご神体が…」
「神社で目撃情報が」 「きもちが悪い」
「五人も同時にいなくなって」
「いなくなった子とよく仲良くしていた女の子がいて。」
ーーーーーこんなところか。
相当聞き込みをし、昼ごろになったのを確認して改めて神社に向かうーーー
「神社にいくの?」
…呼び止められる声をきき、後ろを振り替える。
ツインテールの女子高生。ツヤツヤとした黒髪をきれいに二つにわけ、ぱっちりとした目と、シャープな顔で、美人というよりは可愛い。といった“普通の女の子”
…………ふふん オレは騙されんぞ。どうせヴァンパイアかダンピールなんだろう。
と瞳を除くと紅くはなく、きれいな黒色。
……………………マジで?
え、本当に人?
思わず見惚れていると、その子はまた警告する。
「神社にいくのはやめてください。危ないから。」
「…どうして?」
「…その顔だと、忠告しても聞いてくれなさそうですね。」
「うん、仕事だしね。」といって手帳を出す。
ふーん、といって彼女はオレの前をてくてくと歩く。
「ついてきて、案内します。」
ーーーーーーーーーーーーーー
階段が意外と長い。神社にたどり着くまでに螺旋状になっており、結構な距離になっているようだ。道路は舗装されており、車でも通れそうなほどである。
そんな事を考えていると、何か変な音がする。
具体的には何か、ゾウのようにデカイなにかが近付いてくる、ずしん、ずしんという音。
そうして上を見ると、“ソレ”はいた
「ぼ……………………ぼ………………………」
白く、ぶよぶよした、赤ん坊のような、形。
図体はまんまゾウで、舗装された道路にミチミチと肉を挟みながら進んでいる。
無機質な目をぎょろりとこちら向けた瞬間、腰の銃を抜いた。
「ね、あぶな「危ねえ!!」
少女の手をつかんで引き寄せ、結果的に胸にしがみつくような形になってしまったが無視し、銃をゆっくりと赤ん坊もどきにむける。
「耳、塞いでろ。」
9mm弾がピアノの連弾のようにテンポよく飛んでいく。
サソリの名を冠する銃は無数のトゲをばらまいて、その“赤ん坊もどき”に襲いかかり、まるで最初からいなくなったようにふっと赤ん坊もどきは消え去った。
「チッ 幻覚かよ。味なマネしやがる。」
そうして銃を腰に戻し、文句を言う。
………なんか女の子を抱き寄せた方の手がすごい熱い。
見ると少女が真っ赤になった顔でぼーっと立っている。
「オイ、君、キミ、」
ぺちぺちと頬をたたく。
「終わったよ」
というとやっと我にかえったのか、あわててオレの手を放して、
「すすすすいません!男のひとにこうされたのはははじめてでで、」
((( ;゚Д゚)))ガクガクしながら話している。
真っ赤に染まった顔を見て、嫌われたわけじゃないと思ってほっとした。
「………そうかい、キミは、“うぶ”なんだね?」
ニヤニヤしながらまた道を歩く。
腕をブンブン上下に動かしながらついてくる彼女を見て、
悪い子じゃ無さそうだな、と思ってまた安心した。
(2話目参照)
ーーーーーーーーーーーーーー
「あ、そうだ。名前聞いてなかった。オレは井口、井口冬瀬。キミは?」
「あ! はい…私、黒谷 那知、(くろたに なち)といいます!」
「那知ちゃんか、いい名前だねー。あ、オレのことは気軽に井口さんっていってね。」
初めての普通っぽい女の子だ!頼れるアピールしとこう!!!
「井口…さん。 井口さんって本当に、警察の方なんですか?」
「いきなり核心ついてくるねキミぃ」
んーーと考える。
「ま、ケーサツでも特殊なとこに勤めてるから、あんなのいてるわけ。」
ばきゅーんと子供っぽく手振り。
クスッと、那知ちゃんが笑った。
「いいんですか? こんな一般人にそんな事言って。」
「いいのいいの、那知ちゃん、かわいい女の子だから〜」
あ〜鼻の下のびてんな〜と思いながら話す。
そうして参道の手前まで楽しく話していった。
鳥居の前まで来たとき、ふと、那知ちゃんが足を止める。
「どうしたんだい?もう神社まですぐだよ?」
「帰ってください。」
「へ?」
「死にたく、なければ、かえってください。
は…やく、ここに、来ると、だ…め ガハッ!」
「那知ちゃん?」
彼女が吐いたのは、ゲロでもなければ、血でもなかった
“青かった”…まるで、虫のように、
そして、彼女の体をもう一度見る。目元は変わっていない。
ただ、“口が開いていた” “カマキリの口”のように、グロテスクな口が、がぱりと
それと同時にごきり、と彼女の下半身が不自然に動く。
太ももの辺りから、彼女の“変化”は始まった。
ずるりと蜘蛛のような、毛むくじゃらの足が六本、生えた。
お尻からはまるで蜘蛛のような、 “袋”の部位が出てくる。
腕からはカマキリのようなしなやかな、凶器のような腕が、
ずちゃ、ごき、ごきごき、…ずるり
“変化”が終わった後、彼女はきれいなカラダを残しながら、しかしソレ意外の部分を偉業の姿に変えて、
ずん、と“六本足”で立った。
「コ…ロ…シ……テ」
と涙目で訴える彼女の眼はだんだんと光を失っていく。
完全な、黒にきれいな光のあった眼は、淀んだ。
「…変わった。」
ノーモーションからの、異常に早い斬撃。
彼女の腕から生成された長いカマキリのような腕が、オレの身体があった所を通過する。
後ろにのけぞった後に、後方にでんぐり返り、“彼女”と相対する。
身の丈7〜8メートルまで巨大化した彼女はちょうど鳥居を背に、まるで俺を逃がさないかのようにたたずんでいる。
そのどこまでも黒い眼は時折光を取り戻し、苦しむようにうめく、恐らくはまだその体に侵食されきっていないのだろう。
「ホント、強い子だ。」
ふ と笑い、彼女の斬撃をかわしながら近付く、ムチのようにしなり、早い速度ではあるが、元の彼女の戦闘センスが皆無なのだろう。
攻撃に“ため”が入ったり、抗っているときの隙も大きい。
ーーー彼女に銃をむけるのはむしろ逆効果だな。
そう判断したオレは懐から円筒状のものを取り出し、上空へ放り投げた。とっさに目を隠す
閃光
あまりにも明るく、太陽が目の前にあるかのごとく錯覚するほどの光。
スタン・グレネードは確実に彼女の目を奪った。
その隙を見逃さず、スライディングで彼女の蜘蛛のような足に近づき、毛深い、ごわごわした足にそっと触れる
彼女の“魔力”をもらい、言った。
「トランスポート」
光のようなものが“二人”をつつみ、閃光を放って消える
神社では、ひとつの影が、それをみていた。
20/06/28 11:07更新 / ぐだぐだ
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