・八女がナイトメアな場合
最初に言っておく。八女と九女も双子だ。
まあ、言いたいことはだいたいわかる。次にあんたの台詞はこうだ。
『また双子か。いい加減飽きないやつだな』だ。
・・・そんなこと言ったってしょうがないじゃないか。
俺のせいじゃないし。珍しいはずの双子をポンポン産む母さんと気まぐれな神様が悪いんだし。
まあ妹が増えて、悪いと思ったことは・・・一度も、ないんだけどね。
・〜ある日の朝〜
「カスタ、朝ですよ〜」
「みゅぅ・・・」
俺の目の前にいるのは、青紫色の髪と馬の耳、馬の体。
そして綺麗な可愛らしい寝顔で寝ている俺の妹、ナイトメアだ。
普通、ナイトメアは夜に活動してそうなイメージがあるが、我が家ではそんな常識に囚われてはいけない。
普通に昼に起きて活動し、夜寝ているのだ。
もしかすると世界で一番変わったナイトメアなんじゃないかな・・・
「変わってるよな。カスタは・・・」プニプニ
「ふみゃぁ・・・///」
「・・・・・・」プニプニ
「うみゅ・・・ぁぅ・・・///」
先程から、ほっぺをプニプニしてるわけなんだけど。
反応が可愛くて楽しいです。耳がピクピクしてます。
世の中には、俺の妹がこんなに可愛いわけがないなんて言う奴がいるらしいが。
俺はあえてこう言おう。
俺の妹だ、こんなに可愛いに決まっている。
「・・・あぅ〜?・・・」
「おや、そろそろ起きちゃうか」
少しつつき過ぎたようで、眠い目蓋をこすりつつ、顔を上げる。
頭がまだ起きてないようで、ぼーっとした表情をこちらに向けている。
「あれぇ・・・おにいちゃん・・・?・・・おは、よう・・・?」
「ああおはよう。カスタ」
「んへぅ〜・・・♥」コシコシ
まだ夢現なようで、俺の手にスリスリと頭を擦り付けてくる。
まるでこれじゃ犬だな。
「ん、むぅ・・・?」
「目が覚めてきたか?お・は・よ・う」
「〜〜〜〜〜!?!?お、お兄ひゃんっ!?いつからいたの!?」
「さっきからいたわ」
ようやく自分が何をしてるか気づいたようで、ハッと顔を上げるカスタ。
体も驚いて、漫画さながらに飛び起きたようだ。
反応が面白くて困る。
「い、いるんだったら、は、早く起こしてくれれば、よかったのにっ・・・!」
「ん〜、何とも気持ちよさそうに寝てたから、忍びなくてな」
「・・・あぅ・・・///」
目をそらし、すぐに顔を真っ赤にする。
「お、お兄ちゃんは、い、忙しいんだからっ・・・!わたしなんかに、構ってないで、早く準備しないとだめだよぅ・・・!」
「私『なんか』、じゃないぞ」
「ふぇ・・・?」
「そんなこと言うのはこの口かー?」
頬を優しくつまんで、左右に伸ばす。
相変わらずもちもちのほっぺだ。よく伸びる。
「ひゃ、ひゃめへよぅ、おにぃひゃん・・・!」
「じゃあもう、わたし『なんか』なんて言わないか?」
「ひ、ひはなひっ!ひはなひはあ〜っ・・・!」
(い、言わないっ!言わないから〜っ・・・!)
つまむのを止めてやる俺。
痛くはないはずだが、カスタは両頬に手を当てさすっている。
カスタはどうやら自分に自信がないらしく、つい自分を卑下してしまう。
俺にとって妹は皆大切で誇らしい妹だ。
だからそれが、妹の口からであっても、卑下するような発言は無視できん。
「自分のことを、そんな風に言っちゃ駄目だぞ?」
「あぅ・・・ごめんなさぃ・・・」
「カスタは可愛いんだからさ、もっと自信持ってな」
「うん・・・
・・・ふぇえっ!?か、かかかかかか可愛いっ・・・!?//////」
「うん」
まあうちの妹は全員顔がよくて、可愛いんだけど。
むしろ魔物娘だから、可愛くないはずがないんだけど。
魔物娘に限らず、うちの妹は可愛いに決まっているがなっ(キリッ)
特にカスタは小動物的可愛さがある。馬だけど。
それに何か、守ってあげたくなるような・・・
そうだ、保護欲に近いものがあるな。
それもカスタの魅力の一つだろう。
「おっと、そろそろ行かないと。それじゃ・・・」
「・・・か、かわ、可愛いだなんて、そんな・・・お兄ちゃんが言うことに間違いはないんだけど・・・私には嬉しすぎて、勿体無いっていうのかな・・・でも、お兄ちゃんからだし、お兄ちゃんだから、言ってくれて、いや、そうじゃなくて・・・あぅ〜嬉しすぎて何が何だかわからないよぅ・・・///♥」
「・・・カスタ?もう行くからな?」
「は、はひぃっ!いってらっしゃいませっ!!」
「大げさだなぁ。じゃあね」
あとこんな風に、突然ぶつぶつ独り言をつぶやくこともあるようだ。
よく聞こえないけど・・・大丈夫かな。
少し心配だけど、多分問題ないでしょう。
(あぅ〜っ!!お兄ちゃんから、可愛いなんてっ・・・!言ってくれるなんてっ・・・!///
もうこれ、向こうも好きってことで、いいんだよね・・・?///♥これって・・・
りょ、りょりょりょりょう、りょうおも、おもおもももももももも・・・
りょりょりょ両想いってことでいいんだよねっ・・・!?///♥
か、考えるだけで・・・・・・は、恥ずかしいよぅ〜〜〜〜っ!!///)バタバタバタ
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・〜ある日の買い出し〜
今日は街へ買い出しへ行く日。
我が家では数日に一度、必要物資を買いに行くのだ。
だいたいは食料だが、妹達の様子や要望に応じて様々な物を買う。
リクエストをする妹はするのだが、遠慮して言わない妹ももちろんいる。
そこら辺は長年見てきた兄の勘だ。
「お、お兄ちゃん・・・!」
「ん?どうした、カスタ」
「きょ、今日はっ・・・わたしも、手伝って・・・いい、かな?」
「ほう」
これは意外な申し出だ。
カスタはその中でも遠慮がちな部類に入るのだが、自分から買い出しに立候補することはほとんどない。
人が大勢いるところ、人の目につく場所が苦手だからだ。
珍しいな、カスタが自分から志願するなんて。
「や、やっぱりダメだよねっ・・・そう、だよね・・・」
「まだ何も言ってないだろう。良いに決まってる。カスタが手伝ってくれるのは助かるよ」
「ほ、ホントっ・・・!わ、わたしガンバルからっ!」
「期待してる」
買い出しくらいで大袈裟かもしれないが。
カスタにとって、これは勇気ある一歩。
内向的な妹が頑張ろうとしているのだ。
妹の成長を、兄は非常に嬉しく思う。
「それじゃ、行こうか」
「うんっ・・・!」
(お兄ちゃんが、もう大変な思いをしなくてもいいように、わ、私もガンバらなきゃっ!)
・・・・・
実は我が家は街の真ん中にあるわけではなく。
ほんの少しだけ中心から離れた場所にある。
別に大豪邸ってわけじゃないが、両親は家族が増えることを予測して広めの土地を買ったんだとか。
結果は見ての通り、大正解だったんだけどね。
当時は母さんの研究報酬金で、お金は余ってたからさ。
今は家計費に全て消えているがな。
「お、お兄ちゃん。今日は、何を買う・・・のかな」
「今日はいつも通り食料と・・・新しい包丁を買おうを思ってる」
「ほ、包丁っ!?な、何でかな・・・?」
「根元からポッキリ折れててな。直しておきたいとこだけど、そろそろ替え時だったんだ。
最近ご飯作るの手伝う妹も増えてきたし、増やしておこうと思ってね」
「そ、そうなんだ・・・///」
大方、包丁を折ったのはフルーだろうな。
おっちょこちょいなとこあるし、料理なんて慣れないことするからだろう。
フルーが料理をしたのは、俺が風邪をひいて寝込んだから。
張り切って慌てて、力任せに包丁を振るっている姿が目に浮かぶ。
つまり廻りまわって俺のせいだ。
「だから食料を買う前に鍛冶屋に行って包丁を買おうと思う。それで構わないか?」
「だ、大丈夫だよっ」
「店の刃物を勝手に触ったりするなよ?」
「そ、そんなことできないよぉっ!!こ、怖いもん・・・///」
「ははっ、そうだな」
・・・・・
「こんにちは〜」
「こ、こんにちは・・・」
「あら?こんにちは〜」
ここは街の鍛冶屋、『フリーダムド』
鎧や武器をはじめ、包丁や農具、漁具、猟具など、金属なら何でもござれの製品店だ。
店に入ると一人の女性が出迎えてくれた。
彼女はここで働いている従業員であり、店長兼鍛冶師の奥さんだ。
「おや、タクト君じゃないか〜」
「どうも、ご無沙汰しております」
「後ろの子は、妹さんだね?どうも初めまして」
「は、初めましてっ・・・!///」
俺はこの店の人達とは顔馴染みだが、カスタは初めて。
少し緊張してるようだな。
確かにクールな話し方だから、無理もないか。
「主人は今仕事中でね。それで、今日は何の御用かな?」
「うちで使ってる包丁が壊れてね。折角だから何本か揃えて買おうかと」
「欠けたくらいならうちで修理してやるが?」
「いやぁ、これが根元からポッキリと・・・」
折れた包丁は一応持ってきていたので見せてみる。
もしかしたら直してもらえるかなと思って、一応だ。
まあ、無理だろうけどね。
「こ、これは・・・」
「これなら買い換えたほうが早いでしょう?」
「いや、ポッキリどころか、刀身バラバラじゃないか・・・一体どんな使い方したんだい」
「正しい用法で、正しくこうなったんだが」
「どういう・・・ことだ・・・・・・まるで意味がわからんぞ」
これには奥さんも苦笑い。
そりゃあそうだろう。
俺だって初めて見たときはもう笑うしかなかったわ。
でもバラバラになりましたーなんて素直に言えるわけないじゃない。
何かフルーを責めすぎているような気がしちゃうじゃない。
「まあこれならば仕方がないか・・・では以前と同じものを用意してくるよ。
少し待っていてくれ」
「あ、それと少しサイズの小さい包丁をあと二本ほどください」
「うむ、わかった」
そういえば、以前にもここで包丁を買っていたな。
確かその時は・・・バレスが刀身を吹っ飛ばしたんだっけ。
今ではホルン指導のもと、普通に料理が出来るくらいに成長したがな。
あの時は飛んできた刃先が鼻先を掠って、肝を冷やしたなぁ。
「あの・・・お、お兄ちゃん・・・」
「どうした?」
「あ、あの人・・・『ホルスタウロス』さん、だよね・・・
どうして、あんなにクールなの・・・?」
「・・・気になるなら、本人から聞いてみたらどうだ?」
「ええっ!?むむむ無理だよぅ・・・!き、きっと怒られちゃうよぉ・・・!!」
そう、実はさっきまで話していた奥さんは『ホルスタウロス』。
ホルスタウロスがクールで鍛冶屋に働いてるってのは、ものすごく意外な話だよな。
目つきも凛々しくて、一般的なホルスタウロスとはちょっと違う感じ。
理由は知ってるけれど、それは俺から話すことじゃない。
本人達は隠す気もないらしいから、怒ることなんてないと思うがな。
「大丈夫だって。なんなら聞いてきてあげようか?」
「だっ、だだだダメだってぇ・・・!!///」
まあ教えないのは、カスタの反応が面白いからなんだけどね。
・・・・・
「お待ち遠様。これでいいかな?」
「ありがとうございます」
しばらくして、奥さんが戻ってきた。
手には包丁が三本。
前と同じサイズの包丁が一本と、一回り小さい包丁が二本だ。
「一応手に持って確かめてみるかい?」
「大丈夫ですよ。この店の腕は信用してますから」
「そう言ってくれると私も嬉しいね。
ところで、後ろの妹さんは何をしてるんだい?」
「ひゃぃっ!?///」
カスタはというと、後ろに立てかけてあった武器を見ていた。
どうやら、何か興味を引くものがあるらしい。
「え、えっと・・・!な・・・何でも、ない、ですぅ・・・」
「いやいや、聞こえん聞こえん」
「もしや・・・その鎌に興味があるのかい?」
どうやら見ていたのは鎌だったようだ・・・
・・・鎌?なんでまた。
「え、え〜っと・・・そのぉ・・・///」
「別に怒ったりはしない。ただ、ちょっと気になってね」
「俺も気になるんだが。カスタが話すまでこの店は出ないぞ」
「えぇっ!?・・・ぇぅ・・・ぁぅ・・・///」
服のフード帽を深く被り、顔を覆ってしまうカスタ。
何とも可愛らしい仕草である。
「あ、あの・・・お兄ちゃん・・・///」
「はいはい何でしょう」
「わたし・・・鎌が、欲しぃです・・・///」
「・・・うぇい?」
思わず変な声が出たが、今何て言った?
鎌が欲しいって言ったか?
あれぇ?俺の妹がこんなに武闘派なわけがないぞ?
武器とか。それもその中でも殺傷能力が高いであろう鎌とか。
い、一体何に使うつもりなんでしょう(((゜Д゜;)))
「えーと、一応聞きたいんだけど、一体何故鎌が欲しいのかお教え願えますでしょうか?」
「た、タクト君!?気をしっかり持ち給え!」
「だ、だって・・・ナイトメアって、普通大鎌持ってるでしょ・・・?
わ、わたし・・・持ってないから・・・だから、欲しいの・・・///」
「タクト君聞いたか!!不穏な理由じゃないから安心したまえ!!」
「ええい!聞こえてますよ!!やかましいです!!」
何か隣のホルスタウロスさんがうるさいです。
俺は気をしっかり持ってるっての!失礼な!
そ、そんなことで狼狽えるわけ、ななないじゃないか。
・・・ごめんなさい、正直びっくりしました。
だからすみません。そんな部屋の隅の方で落ち込まないでください。俺が悪かったです。
「確かに一般的なナイトメアって大鎌持ってそうだけど・・・カスタには必要なくない?」
「だ、だって!ナイトメアなのに、鎌持ってないのは恥ずかしいもん・・・!///」
恥ずかしい基準がよくわからないんだけど。
ナイトメアって、そういうものなの?
でもカスタがここまで食い下がるのは珍しいなぁ。
・・・。
「あの、すいません」
「・・・ああ、わかった・・・グスン」
「な、泣かないでくださいよ・・・俺が悪かったですってば」
部屋の隅にいた奥さんをなだめつつ、頼み事をする。
そ、そんな泣くほど落ち込まなくてもいいじゃないか。
俺の顔は仏頂面だから怖いことは自覚しているけども。
「ほら、これでいいだろう。
武器じゃなく装飾品で、加工もしてあるから肌を傷付ける心配もないぞ」
「ありがとうございます」
「お、お兄ちゃん・・・?」
「ほら、カスタ」
そう言って、俺はカスタに一本の鎌を手渡す。
「あ、あの!これっ・・・!」
「今日、買い出しを手伝ってくれるご褒美だ。
その代わり、今度買い出し行く時も手伝ってくれよ?」
「う、うんっ!///」パァァ・・・!
目を輝かせ、満面の笑みで手に持った大鎌を眺めるカスタ。
本当に嬉しいんだろうな。こっちまで嬉しくなってくるよ。
いや〜、いい買い物したなぁ。
「タクト君、お代はこれくらいでいいかな」
「・・・はい」
いや〜・・・いい、買い物したなぁ・・・(涙)
(お兄ちゃん・・・ありがとうっ!ずっと、大切にしていくからね・・・!///)
・・・・・
その後、食料を買いに、街の中を巡ったのだが。
「か、鎌ぁっ!?そ、そんなもん持たれちゃぁ安くしないわけにはいかねぇなぁ!」
「ひえ〜〜お助けを〜〜〜(棒)」
「い、命だけはっ!!命だけは勘弁してくださいぃっ!!!Σ(゚д゚lll)(演技派)」
「ふえぇぇ〜〜ん・・・そんなつもりじゃありませ〜〜ん・・・・・・(´;ω;`)」
買い物の値引きに一役買ってくれました。
もちろん意向を汲んでもらった上での発言なんで、何の問題もないです。
ご贔屓にしてくれているという理由で、全員快く値引きしてくれました。
皆、ノリがいいなぁ・・・
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・〜ある日の夢の中で〜
今日わたしは決心したことがあります。
日頃わたしたちのために頑張っているお兄ちゃんに、何かお返しをしようと。
なので、今日初めてお兄ちゃんの夢の中に入って・・・
その・・・えっと・・・///♥
お、御礼の方を・・・しようと、思います・・・!!///♥
い、今までにも夢の中に入ろうとはしたんだけど・・・
何故か、お兄ちゃんの・・・夢の中に入れないんだよねぇ・・・
で、でも!この鎌さえあれば!きっと入れるはず!!
それにっ!夢の中ならナイトメアは姿を変えられますっ!
ちゃんと変身すれば、わたしだってバレないはずですしっ・・・!///
それでは・・・あわわ、緊張してきたぁ・・・///
こ、こういう時は深呼吸して・・・!ひっひっふー、ひっひっふー・・・
あ、あれ?何か違うかな・・・?
ええと、それじゃぁ・・・ま、参りますっ!///♥
・・・・・
ここは、おそらくお兄ちゃんの夢の中です。
やった!は、入れました!
く、苦節十四年・・・やっとお兄ちゃんの夢に入ることができました!!
ああ・・・何だか、お兄ちゃんに包まれているような気がするよぅ・・・あうぅ・・・♥
このままでも充分に幸せだけど・・・
そ、それより、お兄ちゃんはどこ、かな・・・?
探せば、必ずどこかにいるはずですっ・・・!
あ、あそこにいるのはお、お兄ちゃんっ!
へ、変身は・・・してるよね、うんっ。
よし・・・カスタ、行っきま〜すっ・・・!
「そこの、貴方」
「ん?・・・何だカスタか」
「えぇええええぇえええぇえぇえええええぇぇぇぇぇ!?(゜ロ゜;)」
「どうした、そんなに驚いた声上げて」
「いや、そうじゃないでしょっ!?もっと、こう・・・『謎の美女がっ!!』ってなるとこでしょう!?」
「謎の美女って・・・カスタだし。謎でも何でもないし」
「か、下半身っ!馬じゃないよ!?」
「馬だと知ってる時点で、もう半分認めたようなものだろう」
「ぐはぁっ!?」
こ、これは予想外です・・・
まさか一瞬で見破られるとはっ!?
さ、流石お兄ちゃん・・・一筋縄には行きません・・・
こ、これでは作戦がっ・・・
「それに・・・」
「・・・ふぇ?」
「どんな姿をしてても、カスタはカスタだ。絶対に分かるさ」
「・・・//////♥」
OK、続行しましょう・・・///♥
べ、別にバレたところで大した問題じゃないです・・・///
ここは夢の中。ヤっちゃえばこっちのもんですぅっ!!///♥
ゆ、夢の中ならノーカン!ノーカンですからっ!///
「それで、一体夢の中まで何の用だ?」
「あ、自覚はあるんだ・・・」
これはむしろ好都合ですっ・・・
お兄ちゃんもわかっているなら・・・
もしかしたら・・・ハメを外してくれるはずっ・・・///♥
「えっと、ひ、日頃から・・・お世話になってるお兄ちゃんに・・・
お、御礼が、したいなぁ・・・と・・・///」
「へぇ、お礼ねぇ」
よし!言えたわたしっ!
夢の中なら行けますっ!!///
「・・・それで、一体どんなお礼をしてくれるっていうんだい?」
「そ、それはね・・・お、お兄ちゃん・・・?」
「どうかしたか?」
ズイ
「ち、近いん、だけど・・・///♥」
な、何か、お兄ちゃんが積極的です・・・///
いつもと、様子が違うような・・・///
「じゃあ、離れた方がいいかな?」
ギュッ
「はわぁっ♥・・・いえ、こ、このままで・・・///♥」
キャーっ!キャーっ!!///♥ (//∇//*)
お、おおお兄ちゃんにっ!!だ、抱きしめられてますぅ・・・!///♥
は、初めての経験ですっ///♥♥ 暖かいです・・・♥
もうこれ、行っちゃっていいですかっ!?///♥
逝っちゃってもいいんですかっ!?///♥
「お、お兄ちゃん・・・♥」
チュッ
「ん・・・んむ」
「んむぅっ!?・・・んぅ♥ちゅぷ、んろぉ♥」
「んぅ・・・んく・・・」
「ひゃむ♥・・・ちゅぅう♥れる、れろ♥あむ・・・♥」
「んん・・・ぷはっ・・・大丈夫か?」
「・・・・・・はぅ♥♥♥」
はわっわわわーーー!!///♥♥
おおおおおおお兄ちゃんの方からっ!!///
ちゅ、ちゅうっ!きききキッスをいただきましたあっ!?///♥
しかも・・・ディープ・・・♥♥
頭の中がぽわーんとして、顔もトロンとしちゃってるのがわかりますぅ・・・♥
「何だ。御礼ってのはもう終わりか?」
「・・・ふへぇ・・・?♥」
「もっと、したい事、あるんじゃないのか・・・?」
「〜〜〜〜〜っ!?//////♥♥」
きょ、今日のお兄ちゃんっ!いつもと違うですっ!!///
わ、ワイルドです!アグレッシブですっ!!
こんなお兄ちゃんも・・・悪くないです・・・♥
「いいんデスカ?ヤッちゃいマスヨ、オ兄チャン♥」
「そんなに畏まらなくてもいいんだぞ。お前がお礼、するんだから・・・」
「お、お兄ちゃんっ!♥♥♥」ガバッ!
お、思わずお兄ちゃんを押し倒してしまいましたっ!!///
でも、お兄ちゃんは抵抗する様子がありませんっ・・・♥
もう幸せです・・・♥でももっと幸せになります♥ オーイ
ああ、お姉ちゃん方、妹のみんな・・・♥
わたしは、今日大人になります・・・♥ カスタ、アサダゾー
そして・・・ごめんね・・・♥
お兄ちゃんの初めて・・・わたしが貰っちゃいますっ♥ シカタナイヤツメ、プニプニ
わたしの・・・初めても・・・///♥♥ プニプニ、プニプニ
お兄ちゃんに、捧げ・・・ プニプニプニプニプニプニ・・・
ああん、もうっ///♥誰ですか!さっきから!///♥
心地よい手触りで、わたしのほっぺをぷにぷにするのはっ///
気持ちよくて・・・まるでお兄ちゃんみたいな・・・♥
・・・え?あれ・・・?
・・・これって、もしかして・・・
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「・・・・・・」ムクリ
「おお、起きたか。いつもより幸せそうな顔して寝てたのに、すまんな」
「・・・はれ・・・?おにいちゃんが・・・私の前に、立ってる」
「そりゃ、朝だからな。頭、起きてきたか?」
「・・・・・・・そんな、まさか」
「・・・カスタ、さ〜ん?」
「夢オチなのぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!?(´;Д;`)」
「ええっ!?カスタ!?ど、どうしたんだ!?」
「あぁぁぁんまりだぁぁあぁぁぁ!!゚(゚´Д`゚)゚」ウワァァァン・・・
「ちょ、え、MATTE!!何で泣いてるの!?お、俺のせいかぁ!?」
ウワアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァ!!
ワァァァァタァァァァシィィィィノォォォォユメェェェガァァァァァァ~~~~!!
カ、カスター!オ、オチツイテクレェェーー!!
何やらカスタはもの凄い良い夢を見ていたようだ。
・・・号泣するほどに。
あんなに声を上げるカスタ、初めて見たなぁ・・・
あれかなぁ・・・俺がプニプニしたからかなぁ・・・
(ううぅ・・・ぐすん。い、いつか絶対、お兄ちゃんの夢の中に入ってみせるんだからっ・・・!)
もしかして、俺の夢に入れなかったから泣いちゃったとか?
いや、それはないか。自惚れすぎだろう、俺。
でも俺、ここ近年ずっと夢見れてないんだけどなぁ。
多分、眠りが深すぎるせいなんだろうが・・・
カスタにはまだ、黙っておくか。
13/05/05 18:26更新 / 群青さん
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