・第X1回妹会議な場合
※今回の話はほぼ台詞のみとなります。
ご了承下さい。
・・・・・
うちの妹達は月に2、3回の頻度で集まり、何やら会議をしているらしい。
何を話しているかは知らないけど。
仲の良いことは兄としても非常に嬉しい。
しかし、一体何を話しているんだろうな?
絶対に教えてくれないから、結構気になったりしてるんだけどな?
・・・・・
クラリネの部屋
「えー、それでは『第X1回妹会議』を始めまーす!」
「もう何回目か分からないな」
「誰も覚えてるわけないって。私らが小さい頃からやってるんだから」
「それでクラリ姉様。今日の議題は何なのでしょうか?」
「今日はねー、これだ!」
【兄を振り向かせるためにはどうするか】
参加メンバー:クラリネ、フルー、ホルン、コルネッタ、バレス
「・・・分かったら苦労しない、もはや定番の議題でありますな」
「う・・・まあそうなんだけどね」
「けどよー、そろそろこの議題にチビ共も混ぜてやってもいいんじゃねぇかなと思うんだけどよ」
「それは駄目だよ!あの子たちは純粋すぎるから、ここでそんな話を聞いたら実践しちゃうに決まってるじゃない!」
「あー、まあ分かっけどよ。だからクラリ姉から俺までだってのも納得してるわけだし」
「バレス以降の妹は異色なのが多いからな」
「・・・おいフルー姉ぇ、俺もさり気なく異色の方に混ぜやがったなァ?」
「はて、おかしなことを言った気はしないのだが」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ(#゚Д゚)(゚Д゚#)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「はーいそこ喧嘩しなーい!フルーもバレスもいちいち間に受けないの!」
「形のいい胸の押し潰し合いになってるであります」
「冗談だよ。異色なのは否定できねぇし」
「それにこの程度のことで姉妹喧嘩などするはずもないだろう?」
「・・・先日、兄様が作ったお菓子の取り合いをして、家の壁をお吹き飛ばしたのは誰でしたでしょうかねぇ・・・(;^ω^)」
「あ、あれはバレスが勝手に私の分を取るからだな!」
「あァ!?フルー姉が大人気なく人より手元にかき集め込んだからじゃねぇか!!」
「お黙りなさい(#^ω^)」ピキピキ・・・
「「すみませんでした」」
「兄殿とホルンが頑張って壁を直してたでありましたからなぁ・・・」
「コルネッタも手伝ってくれれば良かったのに・・・」
「・・・いい雰囲気で入りづらかったであります」
「・・・確かに役得でした♪」
「ぐぬぬ・・・」
「そろそろ本題に戻すよー。それであの朴念兄さんに意識させるにはどうしたらいいかな?」
「下着や肌を見ても全く動じない兄殿に意識させるなど、もはや無理難題レベルでありますが」
「だからこうやってみんなで会議してるんでしょうが。月一頻度で」
「正直魔物として・・・いや女として悔しいところではあるがな」
「悔しいでしょうねぇ」
「黙れ四女。同類だからな?」
「フルータス、お前もか。ってやつであります」
「誰だよそれ・・・」ハァ
「だから母さん譲りのネタ応酬してる場合じゃないんだって!バレスでさえ呆れてるんだよ!?」
「でさえって何さ!?何か俺に対しての扱いがひどくねぇか!?」
「素直に反応するところが面白いからであります。愛されてる証拠でありますよ」
「うぅ・・・力で黙らせられればなァ・・・絶対やらねぇけど」
「私たちは!」
「力なんかに!」
「屈しはしない!!であります!」
「そもそも私とは力でも互角だから無理だな」
「チクショウ!何か悔しい!」
「悔しいでしょうねぇ」
「うっさい!さっきから何キャラだよコル姉!」
「それでまた逸れちゃったんだけど」
「兄様から私たちを異性として意識させる方法・・・ですか」
「うーむ・・・やはりここはお風呂に一緒に入るしかないであります」
「一番有効なのはそれだろうが、無理がある」
「兄様、入浴時には鍵をおかけになりますものね・・・」
「・・・でもこの前、誰か突入して失敗しなかったっけか?」
「・・・コルネッタ、また鍵開けしたの?」
「・・・何故分かったであります(´・ω・`)」
「いや鍵開けれるのコルネッタぐらいだからね?」
「その顔を見るに、失敗したんだろうが」
「・・・何故、分かったであります(´;ω;`)」
「泣くなよ・・・」
―その時の様子―
(・・・よし、これで良しであります)カチャカチャ・・・カチリ
「さーて、お風呂に入るであります!」バターン!
「(;゚Д゚)!」
「おわっ!?兄殿!まさか入浴されているとh」(やや棒読み)
ガシッ
「そぉい!!」ブゥン
「あるぇー!?」
ボフゥン・・・
―――
「で、そのまま投げ返されたと」
「綺麗に投げ返されたであります・・・」
「突入の勢いを利用しての投げ技とかありえねぇだろ」
「顔面から突っ込んだであります・・・」
「床とかにぶつけたりしなかったのか?」
「幸いバスタオルが積んであったであります。おかげでかすり傷すらなかったであります」
「・・・そりゃ絶対先読みしてただろうね。予め積んでおいたんだ」
「・・・でも裸でふかふかのタオルに勢いよく包まれたのは、少し気持ちよかったであります♥」
「あー・・・なんか気持ち分かるわァ・・・」
「・・・バレスも経験済みか」
「あれは中々に心地良いものですからねぇ・・・♥」
「・・・あれ?みんなやったことあるの?え?私だけ無いの?」
「「「「・・・・・・・・・」」」」
「え、何このむしろ何でやられたことないの?って反応」
「まあ、クラリ姉は下半身が蛇だから・・・」
「投げるのは、難しいでありますなぁ・・・」
「兄貴にゃ荷が重いよな・・・」
「それ以前にクラリ姉様が一番良い子ですから・・・」
「産まれて初めてこの体を呪ったわ・・・あとバレス、後でちょっと表でなさい。誰が重いって?」
「えぇ!?・・・あ!違うぜ!?そう言う意味じゃねぇよぅ!!」
「さて、風呂が無理となると・・・もう日常では難しいな」
「兄様、隙が無いですからね・・・」
「バレス、何かいい案はないでありますか?」
「えー、俺ぇ?」
「何か文句でも・・・?(゚言゚ )」ズズズズズ・・・
「ひィ!?ええと!うーんと・・・!((((;゚Д゚))))」ブルブルブル
(さ、流石にちょっと理不尽でありますな・・・)
(でもフォローできんな。とばっちり怖い)
(ごめんなさい、バレス・・・)
「ええと、ええと・・・(;ω;)グスン」
(((でも泣き顔見るのは楽しい)))
「ええと・・・やっぱり、どっか特別なときじゃねェと無理なんじゃないかなっ!?」
「ほう、例えば・・・?(゚言゚ )」
「た、例えば・・・旅先!そう!どっか旅行にでも行った先とかよ!」
「・・・・・・・・・」
「ど、どうだ・・・?」
(無言の圧力が怖えよぅ・・・(☍﹏⁰)グスン)
「確かに、それは有りかもしれないわね」
「ほっ・・・・・・」
(よかった・・・よかったよぉ・・・)
「そうですね。どこかに泊まるとなれば、兄様も家事を忘れて私たちを意識するやもしれませんね」
「何気に良案だったな」
「問題は時間と資金面・・・・・・・・・あ」
「どうしたの?コルネッタ」
「・・・いえ、別に何でもないであります」
(兄殿が旅行計画を考えていましたが、秘密でありますから)
「・・・何か、隠してるな」
「言いがかりはやめてほしいであります」
「切り返しと口調が早まるのは、コルネッタが何か隠してる時ですよね?」
「何もないであります」
「流石双子。よく知ってる」
「違うであります。そんなことないであります」
「・・・現に、そういう反応してるじゃないか」
「そんなことないであります」プイ
(兄殿と二人だけの秘密・・・!絶対に言いたくないでありますっ!ヤであります!)
「あら、拗ねちゃった」
「まあ無理に言わせるのも悪いだろう」
「そうですね」
「・・・何か俺の時と扱いが違う」
「ごめんって。二人共私の大事な妹だから」ナデナデ
「ご、誤魔化されねーぞ・・・///」
「顔赤くして、これじゃアカオニね♪」
「う、うっせーやい!///」
「微笑ましいな。長女と五女の絡みは」
「ふふっ・・・そうですね」
「むぅ・・・何か悔しいであります」
「悔しいでしょうねぇ♪」
「ホルン!?か、返されたであります!?」
「だって隠してるんですもの。ちょっとした仕返しです♪」
「隠してないでありますっ!!・・・ただ」
「ただ?」
「・・・少しお小遣いは節約しようと思うであります」
「それって・・・」
「どういう・・・ことだ・・・?」
「それだけであります!他意は無いであります!」プクー
「あらあら、頬膨らませちゃって」( ´ω`)σ
ぷにー
プスー
「空気を抜かないで欲しいであります!」
「私も協力します。頑張りましょうねっ!」
「・・・ありがとうであります」
「・・・(・ω・)?」←イマイチ理解できてないフルー
「それじゃ今回の議題は『旅行先で家事を忘れさせ意識させる』で一先ず解決案ってことでいいかな?」
「異議なし」
「勿論です♪」
「無論であります」
「やったぜ!俺のおかげだよな!」
「バレスにしては良い意見だったな」
「にしてはって言うなよ。確かに考えっことは苦手だけどよ・・・」
「いつもは解決案も出ずに終わることが多いのですから、頑張ったと思いますよ?」
「おう、ありがとなホルン姉!」
「まあどっかの誰かが既に考えていてもおかしくない案でありますが」
「い、言ったもん勝ちなんだよ!こーゆーのは!」
「意見が採用されたよ!やったねバレス!」
「おいやめろ」
クゥゥゥ~~・・・
「・・・今の、誰の腹の音だ?」
「わ、私じゃないよ!///」
「私ではありませんよっ!!///」
「わぅ・・・ハッ!?違うであります!///」
「・・・あははー、参ったぜ・・・///」
「全く、揃いも揃って」クリュゥゥ~~
「「「「・・・・・・・・・・・」」」」
「コホン・・・・・・全員、だったな・・・///」
「な、何かお夜食作りましょうかっ!///」
「そーだな!頼むぜホルン姉!」
「私も、手伝うよ!///」
「では、キッチンに向かうとするか(`・ω・´)」キリッ
「今更決め顔しても遅いであります」
・・・・・
「・・・あれ、明かりがついて・・・兄さん!?」
「おう。話し合いは終わったか?」
丁度会議が終わったのか、妹5人がキッチンへやってきた。
タイミングばっちりだな。
「こんな時間に何を作ってるのですか?」
「ああ、きっとお腹が空いてくる頃だと思ってな。軽い夜食を用意していたんだ」
「流石は兄と褒めてやりたいところだ!!!」キリッ
「・・・フルーがやたらと張り切ってるんだけど、何かあったの?」
「先程可愛らしいお腹の音を出した為、照れ隠しであります」
「把握」
「そ、そんなわけない!そんなわけないからな!!///」
「大事なことだから2回言ったんだな」
「えーい!やかましい!!」
「あっはっはっ!それじゃ早く食べようか。先に席についといで」
『はーい!』
うむ、元気がよくてよろしい!
でも夜中にこんな元気なのも、少し困りものだったりするのは内緒。
随分大人になったと思ったけど。
まだまだ、子供なんだろうなぁ。
そんなことを考えながらも、夜は更けていく。
これもいつも通りな日常の、大事な一場面である。
(((((でも本音を言うなら・・・)))))
(兄さんを) (兄を) (兄様を) (兄殿を) (兄貴を)
(((((ちょっぴり食べたい♥))))であります♥)
うん。
熱っぽい視線を5つ程感じるけども。
だがきっと気のせい。勘違いだろう。
俺なんかにそんな視線を送る人がいるはずがない。
俺なんかにそんな視線を送る妹もいるはずがない。
・・・・・・・・・多分。
13/04/02 23:59更新 / 群青さん
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