笑顔の女生徒、ミラ・ラルガルント
「ん?」
女生徒は俺を見つけてスキップを止めて立ち止まった。
「あの、ええーっと新入生の人?」
小首をかしげる女生徒は何処か幼さを残した顔つきだが、それを否定するかのように胸が・・・もうね。
「あ、ああ。はい。すみませんが学園長室ってどこにあるかご存知でしょうか?」
取り敢えず初対面の人には敬語を使うチキンな俺。
これも家の教育の賜物とでもいうのだろうか。くだらねぇ。
「あはは、そんなかしこまらなくていいよぉ〜。私もね、新入生だから」
そう言って朗らかに女生徒は笑った。
それにつられて俺も微笑み返す、が上手く笑えているだろうか。
・・・愛想笑いは苦手だな、本当に。
「えっとね、私の名前はミラ。ミラ・ラルガルント。あなたは?」
「・・・二荒葉。数字の二に荒波の荒、葉っぱの葉で二荒葉」
そして何より、一番嫌いな名前。初対面には名乗らなくちゃいけないが、本当に鳥肌が立つ。
「そっか!これからよろしくね二荒くん!」
「あ、ああ。うん。よろしく・・・」
訂正しようと思ったが、やめた。
まあ、この子とはもう合うことも無いだろう。一時の我慢だ。
そう思い直し俺はまた出来ているかどうかわからない微笑みを向け
「あのさ、もし良かったらなんだけど・・・」
「?」
−−−−−−−−−−−−
「へぇ、じゃあミラは小学校からこの学校の付属校に?」
「うん。だから学園祭とかの時に来たことがあるから、中身はよく知っているのです」
えっへんと胸を張るミラ。まあ張ってるのは胸ではなくそこの部分の服の布だが。
どうやら話を聞けばこの麻海学園は小・中と付属校があるらしく、この学校の殆どの生徒が付属校出身らしい。
「小・中学校は女子校だから皆も男の人に会えて嬉しいと思うなー」
「あはは、まあ四年に一度だしね・・・」
とにかく俺が一番気になっているところはそこだ。
小・中を女子校にして、いざ高校になっても男は一人だけ、何処までここは禁欲的な学校なんだ?仏教でも信仰しているのだろうか。
「あ、ここだよ二荒くん。学園長室」
「あ、ありがとう。ごめんな、連れて来てくれて」
まあ、迷子になるよりは恥をしのんで人に聞くのが一番手っ取り早い。
まあ別に恥だとは思わないけど。
そういうことで俺はミラに学園長室まで連れてきてもらったのだ。
いやいや、別にいいよぉ。とミラはまた朗らかに笑う。
「それじゃあ一緒のクラスになれたらいいね!!」
そう言い残しミラは去って行った。
そうだなぁ。一緒のクラスになれたら・・・なれたら?
「・・・、?」
疑問、なれたらいいね?
いやいや、おかしいだろう。クラス発表は正門に出されているんだからそこでの質問は「何組?」のはずだ。
まるでまだ決まってないような、寧ろ今から決められるような言い方だった。
「・・・どうでもいいか」
質問しようにもミラの姿はもう無い。第一なろうとなるまいと俺には関係のないことだ・・・多分。
心の中でもう一度あの笑顔の可愛い女生徒にありがとうと呟いて
「しつれいしまーす」
俺は学園長室のドアを開けた。
女生徒は俺を見つけてスキップを止めて立ち止まった。
「あの、ええーっと新入生の人?」
小首をかしげる女生徒は何処か幼さを残した顔つきだが、それを否定するかのように胸が・・・もうね。
「あ、ああ。はい。すみませんが学園長室ってどこにあるかご存知でしょうか?」
取り敢えず初対面の人には敬語を使うチキンな俺。
これも家の教育の賜物とでもいうのだろうか。くだらねぇ。
「あはは、そんなかしこまらなくていいよぉ〜。私もね、新入生だから」
そう言って朗らかに女生徒は笑った。
それにつられて俺も微笑み返す、が上手く笑えているだろうか。
・・・愛想笑いは苦手だな、本当に。
「えっとね、私の名前はミラ。ミラ・ラルガルント。あなたは?」
「・・・二荒葉。数字の二に荒波の荒、葉っぱの葉で二荒葉」
そして何より、一番嫌いな名前。初対面には名乗らなくちゃいけないが、本当に鳥肌が立つ。
「そっか!これからよろしくね二荒くん!」
「あ、ああ。うん。よろしく・・・」
訂正しようと思ったが、やめた。
まあ、この子とはもう合うことも無いだろう。一時の我慢だ。
そう思い直し俺はまた出来ているかどうかわからない微笑みを向け
「あのさ、もし良かったらなんだけど・・・」
「?」
−−−−−−−−−−−−
「へぇ、じゃあミラは小学校からこの学校の付属校に?」
「うん。だから学園祭とかの時に来たことがあるから、中身はよく知っているのです」
えっへんと胸を張るミラ。まあ張ってるのは胸ではなくそこの部分の服の布だが。
どうやら話を聞けばこの麻海学園は小・中と付属校があるらしく、この学校の殆どの生徒が付属校出身らしい。
「小・中学校は女子校だから皆も男の人に会えて嬉しいと思うなー」
「あはは、まあ四年に一度だしね・・・」
とにかく俺が一番気になっているところはそこだ。
小・中を女子校にして、いざ高校になっても男は一人だけ、何処までここは禁欲的な学校なんだ?仏教でも信仰しているのだろうか。
「あ、ここだよ二荒くん。学園長室」
「あ、ありがとう。ごめんな、連れて来てくれて」
まあ、迷子になるよりは恥をしのんで人に聞くのが一番手っ取り早い。
まあ別に恥だとは思わないけど。
そういうことで俺はミラに学園長室まで連れてきてもらったのだ。
いやいや、別にいいよぉ。とミラはまた朗らかに笑う。
「それじゃあ一緒のクラスになれたらいいね!!」
そう言い残しミラは去って行った。
そうだなぁ。一緒のクラスになれたら・・・なれたら?
「・・・、?」
疑問、なれたらいいね?
いやいや、おかしいだろう。クラス発表は正門に出されているんだからそこでの質問は「何組?」のはずだ。
まるでまだ決まってないような、寧ろ今から決められるような言い方だった。
「・・・どうでもいいか」
質問しようにもミラの姿はもう無い。第一なろうとなるまいと俺には関係のないことだ・・・多分。
心の中でもう一度あの笑顔の可愛い女生徒にありがとうと呟いて
「しつれいしまーす」
俺は学園長室のドアを開けた。
13/03/23 17:39更新 / アルバス
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