連載小説
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二荒葉、入学
四月八日、午前八時。入学式までまだ後三十分ちょいある。
それでも正門付近にはかなりの人だかりが出来ていた。

「流石にここからじゃ見えねーか」

正門にあるはずの板には新入生のクラス発表の紙が掲示されているのだが、あの人ごみの中に入りたくなかったので遠くから確認しようと思ったが、流石にそれは無理だったようだ。

「かと言ってあの中にはいるのもなー」

俺、二荒葉の入学するこの麻海学園には現時点では俺しか男子生徒がいない。つまりあの人混みの全ては女女女女女

「無理やり入って行ってきゃーちかーん、なんて言われた日にゃ首釣って死ぬぞ」

そんなボケをかまして一人苦笑する。これまでの人生の中で女が大量にいる所にはロクなことがおこらないことを俺は知っている。
なのになぜ、こんな所にきたのか、と言うと

「えーっと、学園長室学園長室」

なぜなら、この学校には寮制度があり親元を離れて暮らすことができる
家族が嫌いな俺にはそれはおあつらえむきだった、ということだ。

そして朝、ここにくる前に家に学園長からの電話が届き、「朝、学園についたら学園長室にきてくれない?」という連絡が入り、こうして学園長室を探しているわけだが

「・・・・・・さて、どうしたものかな」

校舎で早速迷子になってしまった。いやいや、どうしようかこれ。

「えーーっと、さっきはここをこう上がって、んで、そこをこう下がったのちに・・・」

頭の中で必死に整理するが無理だ。ああ、うん。人間諦めることも大切だな。

「さーって、どうしたものかな〜」

本日二回めの言葉をはき、ブラブラ歩き出す。
時計の時刻はまだ八時五分過ぎ。いざとなったらこのまま体育館に行って、入学式が終わってから学園長室に行くことにしようか。

そんなことを考えながら角を曲がったら

「〜〜〜〜」
「・・・・・・」

嬉しそうにスキップしながらこちらに向かってくる美少女が一名。

スキップするたびにたわわに実った二つの丘がたゆんたゆんと上下に揺れ動く。
だが、そこよりもまず目が行くところがあった。

ピコピコと嬉しそうに動く頭の上についている小さい耳。ブンブンと触れる尻尾・・・・・・、いやもしかしたらこれはそういったファッションなのかもしれない。
この麻海学園はわりかし規則がゆるく、私服登校が許されている。なんでも生徒の自主性を重んじるとか何とか。
ああ、そう考えるとこの二つは合点がいく。きっとそういうものなんだろう。

そこら辺には疎い俺だ。

だが、何より、何より、だ。

その美少女の足。
そう。足が人のそれではなく、白黒のまだらな牛の蹄だった。
13/03/23 02:12更新 / アルバス
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■作者メッセージ
どうも、初投稿、アルバスです。
拙いところも有るかと思いますが
これからどんどん書き進めて行くつもりなのでよろしくお願いします!!

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