ヴァンパイア、ラスト・グラウンドフォールと名無しの小娘、二日目、朝(if)
私はヴァンパイアだ。
高貴なる闇の貴族だと教わった。
うん。貴族だ。そう、貴族だから人間に恋するなんていけないのではないか。
ああ、いや、でも。お母様もお父様は人間だったと言っていたわけだしいいのか……いや、いや、インキュバスだったらまだしも人間はいけない。
「そう、いけない。私は二荒実に会いにきただけなんだから、うん」
そう自分の心にストッパーを掛ける。が、
「どうしたの?気分悪い?」
「いゃっ、だ、大丈夫じゃ!」
不思議そうにこちらを見る二荒葉。
ダメだ、話そうとするだけで声が裏返る。
目を合わせようとするだけで頭とかが蕩けそうになってくる。
これが恋と言う奴なのだろうか。
「いやいやいやいや、ないないないないない」
そう自分で言って見るものの
「ラストー!コッチきてよー!」
「ひゅんっ」
名前を呼ばれただけで変な声が漏れてしまう。本当に私はどうかしてしまったのかもしれない。
ああ、いや、まて。落ち着きなさいラスト・グラウンドフォール。落ち着いて今までの状況を整理してみなさい、うん。
−−−−−−−−
私が二荒家に滞在することになって始めての朝。
葉のいない朝食を食べ(初めて和食と言うものを食べた)、二荒実と葉を探そうと思いながら与えられた部屋に戻ると
「あ、おはよう!」
「なっ………!」
二荒葉が普通に部屋にいた。しかもそのままにしてあった布団まで片付けてくれている。
「な、何をしている!」
「しーーっ!僕がここにいることがばれたら怒られるから!」
口に人差し指を当て静かにして、と文句を言ってくる。
まあ、確かに私とてもう葉が痛めつけられるところは見たくない。
「す、すまん」
「ん。ええっと、名前は?」
そこでまだ私は葉に自己紹介をしていないことに気がついた。
「私はラスト、ラスト・グラウンドフォール。高貴なる闇の貴族だ」
そう周りにも言っているもはや定型文となった自己紹介をすませる。
「わかった。じゃあラストでいいね」
「ふぇっ!?」
い、いきなりファーストネームだと!?いや、ダメと言うわけではないが、その、心の準備というのが
「どうしたの?あ、ダメだった?」
「いゃ!大丈夫だ!」
そこで私は変に声が裏返った。
「そ、それで。一体なんのようだ?私は今から二荒実を捜しに」
「うん。そのことなんだけどさ。僕も一緒について行ってもいいかな?家にいても特にする事がないし」
それに、合わせたい子もいるんだよね、と葉は微笑する。
「ま、まぁ。お前がついてきたいというのなら、別に構わないが」
私はそこで変に偉ぶってしまう。あれだ、貴族としてのプライドがあるのだ、私にも。
「ん。ありがとう!じゃあ先に外にでとくね?」
そう言って葉は部屋から飛び出していった。
−−−−−−−−−−
私が葉に連れられてきたのは、初めて出会った時のあの公園だった。
休日ということもあり、だいぶ人間が多い。
いや、そこは問題じゃない。
そう、そんなことは問題じゃないのだ。
「ラスト?なんで、日陰にばっかりいるの?暑いの苦手?」
「ま、まぁ。そんなところだ……」
私はヴァンパイアだから太陽の元に出るといろいろとマズイのだ。
昨日の攻撃か避けられなかったのもそれが原因だった。
夜だったら勝ってた、勝ってたから。
「あ、いた!おーーい、【 】ーーー!」
葉が誰かの名前を呼ぶ。
すると、砂場で遊んでいた幼女が顔をあげ、周りを見渡し、こちらに気づけば
「葉ーー!!」
たたたっ、とかなり早く走ってきた。
そのまま、葉に体当たりし
「げふっ!」
葉が吹っ飛んだ。
体当たりじゃない、タックルだった。
「だ、大丈夫か葉?」
「う、うん。慣れてるから……」
それを聞いてほっとする。
それも束の間、またしても私は殺気に襲われた
「………あんた、誰?え?葉になにしてんの……?」
「………口の利き方を気をつけろ小娘。まだ死にたくはなかろ?」
昨日と違って今私は日陰にいるからか余裕をもって対応することが出来た。
それに、いかにもというようなこの殺気。これだけで次なにをするか考えがわかる。まず負けることはない。
「は………?ねぇ、葉。この女だれ?」
「おじいちゃんの知り合いだって」
そう言うと幼女の殺気がスッと霧散した。
「あ、なーーんだ。おじいちゃんの知り合いか」
「お前も実を知っているのか……?」
そう言うと葉は笑ってこう言った
「だって【 】のおじいちゃんも実おじいちゃんだもの」
は?
高貴なる闇の貴族だと教わった。
うん。貴族だ。そう、貴族だから人間に恋するなんていけないのではないか。
ああ、いや、でも。お母様もお父様は人間だったと言っていたわけだしいいのか……いや、いや、インキュバスだったらまだしも人間はいけない。
「そう、いけない。私は二荒実に会いにきただけなんだから、うん」
そう自分の心にストッパーを掛ける。が、
「どうしたの?気分悪い?」
「いゃっ、だ、大丈夫じゃ!」
不思議そうにこちらを見る二荒葉。
ダメだ、話そうとするだけで声が裏返る。
目を合わせようとするだけで頭とかが蕩けそうになってくる。
これが恋と言う奴なのだろうか。
「いやいやいやいや、ないないないないない」
そう自分で言って見るものの
「ラストー!コッチきてよー!」
「ひゅんっ」
名前を呼ばれただけで変な声が漏れてしまう。本当に私はどうかしてしまったのかもしれない。
ああ、いや、まて。落ち着きなさいラスト・グラウンドフォール。落ち着いて今までの状況を整理してみなさい、うん。
−−−−−−−−
私が二荒家に滞在することになって始めての朝。
葉のいない朝食を食べ(初めて和食と言うものを食べた)、二荒実と葉を探そうと思いながら与えられた部屋に戻ると
「あ、おはよう!」
「なっ………!」
二荒葉が普通に部屋にいた。しかもそのままにしてあった布団まで片付けてくれている。
「な、何をしている!」
「しーーっ!僕がここにいることがばれたら怒られるから!」
口に人差し指を当て静かにして、と文句を言ってくる。
まあ、確かに私とてもう葉が痛めつけられるところは見たくない。
「す、すまん」
「ん。ええっと、名前は?」
そこでまだ私は葉に自己紹介をしていないことに気がついた。
「私はラスト、ラスト・グラウンドフォール。高貴なる闇の貴族だ」
そう周りにも言っているもはや定型文となった自己紹介をすませる。
「わかった。じゃあラストでいいね」
「ふぇっ!?」
い、いきなりファーストネームだと!?いや、ダメと言うわけではないが、その、心の準備というのが
「どうしたの?あ、ダメだった?」
「いゃ!大丈夫だ!」
そこで私は変に声が裏返った。
「そ、それで。一体なんのようだ?私は今から二荒実を捜しに」
「うん。そのことなんだけどさ。僕も一緒について行ってもいいかな?家にいても特にする事がないし」
それに、合わせたい子もいるんだよね、と葉は微笑する。
「ま、まぁ。お前がついてきたいというのなら、別に構わないが」
私はそこで変に偉ぶってしまう。あれだ、貴族としてのプライドがあるのだ、私にも。
「ん。ありがとう!じゃあ先に外にでとくね?」
そう言って葉は部屋から飛び出していった。
−−−−−−−−−−
私が葉に連れられてきたのは、初めて出会った時のあの公園だった。
休日ということもあり、だいぶ人間が多い。
いや、そこは問題じゃない。
そう、そんなことは問題じゃないのだ。
「ラスト?なんで、日陰にばっかりいるの?暑いの苦手?」
「ま、まぁ。そんなところだ……」
私はヴァンパイアだから太陽の元に出るといろいろとマズイのだ。
昨日の攻撃か避けられなかったのもそれが原因だった。
夜だったら勝ってた、勝ってたから。
「あ、いた!おーーい、【 】ーーー!」
葉が誰かの名前を呼ぶ。
すると、砂場で遊んでいた幼女が顔をあげ、周りを見渡し、こちらに気づけば
「葉ーー!!」
たたたっ、とかなり早く走ってきた。
そのまま、葉に体当たりし
「げふっ!」
葉が吹っ飛んだ。
体当たりじゃない、タックルだった。
「だ、大丈夫か葉?」
「う、うん。慣れてるから……」
それを聞いてほっとする。
それも束の間、またしても私は殺気に襲われた
「………あんた、誰?え?葉になにしてんの……?」
「………口の利き方を気をつけろ小娘。まだ死にたくはなかろ?」
昨日と違って今私は日陰にいるからか余裕をもって対応することが出来た。
それに、いかにもというようなこの殺気。これだけで次なにをするか考えがわかる。まず負けることはない。
「は………?ねぇ、葉。この女だれ?」
「おじいちゃんの知り合いだって」
そう言うと幼女の殺気がスッと霧散した。
「あ、なーーんだ。おじいちゃんの知り合いか」
「お前も実を知っているのか……?」
そう言うと葉は笑ってこう言った
「だって【 】のおじいちゃんも実おじいちゃんだもの」
は?
13/07/07 04:09更新 / アルバス
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