連載小説
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人の幸せを願える人間は自分の幸せをも願う資格を持つ、後編
さて、シュメル様が顔を赤らめている理由はわかってるんですよね……
チラチラ見てるところにあるのってさ……まあ、うん。
ほら?思春期ってあれじゃん?溜まるじゃん?滾るじゃん?
で、俺は実はエロゲーマーでもある。
……因みに年が年だから買えないが母親がその趣味があってだな。
言うな、酷い趣味だと、因みにエロゲのシチュを親父と楽しんでるらしい。
息子に言うな、興味ないからどうでも良いが。
それで適当に買い漁ってる中から俺は拝借している訳なんだが……

ポツーン

ベッドにあるー!?戻していた筈なのにベッドにあるー!?!?
ベッドにある理由が何となくわかるのが嫌なのもある!
親父だ!あと母親だ!あの二人だ!絶対そうだ!
俺が最近仲良くなって連れ込んでる(意味深ではない)女の子がいるからだ!
ぜってぇ余計なお世話し始めたな!シット、ファック!
……シュメルさん?

「うわーこういうのあるんだ……」

じっくり鑑賞していらっしゃられる。
てかそのエロゲ内容……じ、女性上位物だと……?

「こういうの好きなの?」

嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど……いや、むしろ。

「はは……」

何か今日、年貢の納め時かもしれんな。
目が、光ってるように感じた。














「シュメル?」
「……」

ゲームをプレイしているシュメル。
先から静かになってプレイしてる。
な、何か怖い……それとなんか体が近い。
それに……な、なんだ?凄い甘い臭いがする、クラクラするような……
これは……?

「ねぇ」
「なんだ?」
「……まだダメ?」
「……」

言わんとしてることがわかるが……やっぱりエロゲか、あれがかなりの速度で近づいていた、それに対して止めになったか。
感覚的には俺が石に躓いて転んだところを鬼が捕まえたような……
……どうなんだろうな。
昔から考えるとかなりのもんだ。

「……どうしたの?」
「何でもねえ、ちょっとばかしな。昔に初恋をしたときにオタクが原因でぶっ壊れたのに。今はオタクが理由で迫られるとはってね」
「……突然どうしたの」

少し驚き気味な反応。
この突然の初恋話に驚いたんだろう。
だがこれは俺からの唯一のヒントを教えるためのものだ。

「なんでも、それにな。ただ言えることは最近、俺はお前からのアプローチ、拒絶してたっけな?ってな。教えてやるけど、俺は受け身な人間だ」

俺は受け身だ、といっても嫌なことに乗れるほどドMじゃないがな。
ただ、拒絶する理由がないのなら、俺はどうしようもない受け身だ。
行って砕けたんだ、あれはもう嫌だね。
だから、俺がなにかをすることはほとんどない、恋愛は特に。

「受け身……」
「魔物娘は種族がら体当たりなのが多いらしいが、変わり者のお前は違うのか?」
「……」

少しの沈黙、テレビの光がこちらに伝わり、二人して照らされる。
俺はこれ以上言うことはない、おちゃらける、ふざけるのもやめだ。
内っ側でも、今日だけはふざけるのはやめようか。
なんか知らんが今この瞬間から変化が起こる気がする。

「一哉、こっち向いて」
「おう?何だ」

受け身らしく、シュメルのほうを見た。
そうしたら側にシュメルの顔があり、瞑った目が映った。
キスだ、唇が触れ合うあれで古風に言うなら接吻だ。
触れ合う感覚は柔らかで脳が食われる独特の感覚。
少しの時間、そして離れる、口惜しいものを感じた。

「じゃあ、もう遠慮しない」
「……ヘタレだぜ?」
「私が攻め手になる」

おうおう、俺好みの反応で嬉しいことだ。
受け身の逃げ腰、俺にはちょうど良い相手かもしれん。
もう逃げる理由が消え、残るは受けるだけ、シュメル。
面倒くさい男相手によく離れなかったな、これが魔物娘って奴かい。
こりゃ確かに、愛が強いな、その上逃がさない、文字通り。













ベッド、そこに押し倒されている俺。
立場的にはなんか違う気もするが……俺にはあってるな。
今の俺は昔が原因で、オタクらしく恋愛は奥手だからな。
……魅夜のやつは食い散らかされた先駆者だから、あれかもしれんな……
おっと、こんな状況で他の奴を考えるのは失礼な他ないか。

「するよ」
「俺は?」
「私が全部する」

服を脱がせる、これの服を、光景としては非常に滾る。
男の妄想の具現化もという考えとしては非常に……

「もう大きい……」
「やめて、生理現象なんだから」

はず、恥ずかしい……
くそ、これじゃ俺が乙女みてえな……

「熱い……」

シュメルは俺のモノを握る、優しく、いじらしく。
他人、しかも女なんかに触らせたことなど無いわけで……
そんな童貞な奴が触られればどうなるか何て目に見えて、

「ぁ……ぅ……」

色々と来る、暴発することはなくとも、それはなくとも。
色々と下半身に力が必要で、耐える。

「……」

そうしている俺を見たシュメルは何を思い至ったのか……
これでもかと動かした。
どうなるかはお分かりだろう……

「ちょっ!?まぁ……!?」

とても虚しき光景だが布団を握ってグリグリ攻撃に耐える。
そんなのが続き、パッと止まる。
もう既に俺は息も絶え絶えだ。

「す、少しは手加減してくれませんかねえ!」
「……」
「ど、どうした?」
「もう、するわ。我慢できない」

我慢、どういうことかは何となく予想がついた。
俺はそれを聞いてベッドの側にあったものをとろうと思い動いたならば、

「入れる」

それを取る暇もなくのし掛かってきた。
だが流石にそうもいかない。

「ま……待て、今コンドームを」
「いらない」
「い、いらないって……」
「一回や二回じゃ魔物娘達は妊娠しない。簡単じゃないから」
「は、初耳なんですけど?」
「言ってないかったから。ねえ……ダメなの?」

潤んだ瞳が俺を射貫く。
そんな目で見られちまったら……拒絶できる男がいたのならそいつ多分ホモだわ。

「……わかったわ……出来たらどうしよ」
「結婚する?」
「年が足らん、親父がどうとでもしてしまいそうな気がするが。頼ったら負けな気がするわ……が、よっしゃ、もう覚悟決めたぜ」

やっちまおうっと両手を開いた。
受け身気味なのは変わらない、ことが終わるときまで多分変わらない。
だからシュメル、俺を変えてくれ。
ちょっと前のトラウマ壊してくれ。

「うん」

胸に飛び込んで、強く抱き締め会う、興奮を高めるための儀式のようなもの。
そんなものだが間違っちゃいないそれ。
キス、触れ合うようなものではなく、さっきのとは比べ物にならない、そんな深い深いキス。
厭らしく、むさぼるようなそんなキス。
そして俺はそれにいいようにされる。

「ん♥……ちゅる……ぁ……♥」
「く……ぁ……はぁ……嫌に、うまいな」
「そういう種族だから」
「す、すげえな、うむ……!?」

止まらず、少しの会話ですぐに再開する。
そうしている間にシュメルは俺のモノを触り、誘導していく。
俺はというとそんなことに気づく余裕すらも与えてもらえず、誘導され……

「ぅ……ん!?」
「あぁ……♥」

まるで蹂躙されるかのような感覚をモノから与えられた。
それによって今さっきまでキスしている間に誘導されていることに気づいた。

「ちょっ……と待て……魔物娘とのこれって……こんなに……!?」
「動いちゃ……ぁん……♥」

あまりの快楽、それによって生まれたそれは自分で慰める以上のものがあり……身を捩った。
結果としてはそれを後悔させるほどのものがやってくる。

「ぁ……が……!?……待て、抜け、頭が砕け……!?」
「いや……」

一気に力強く俺を抱きすくめるシュメル。
それによって快楽の抜け道がなくなり……いや、抜け道はある。
だからそこに向かって吐き出した。

「ぁぁぁ……」
「ぅ……あぁ……♥……いっぱい……こんなに……♥」

これでもかという量が出る。
今まで味わったこともない快楽によって吐き出されたその量は、普通じゃない。
今まででぶっちぎりの量だ、だってあふれでているから。
普通じゃないその大量精液が。

「嘘、だろ……これが補正……漫画じゃ……て!?」
「ん……♥……はぁ……ぁ……♥」

一度放った結果どうなったか、シュメルの理性が消し飛んだ。
絶対に逃がさないその力で抱きつきながら、腰を振る。
叩き付けられ、もっともっとだと。

「待て!?童貞にそれは……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!?」

獣のように悲鳴をあげる。
だがそれも仕方ないかもしれない。
今の関係は言うまでもなく草食獣と肉食獣だろう。

「い……く……あぁ♥」
「ひぃ!」

締まりがよくなるとはこの事、具りゅんぐりゅんを俺の大事にものの弱点だと思われるところを重点的に攻めていく。
そんなことされれば既に敏感で防御力がなくなっているのだ、耐えられるわけがなく。
また放たれる、先以上の量が、溢れていたが溢れ出たになる。

「待て、本当に自我取り戻……がぁ……!?」
「もっと、おちんちんからでるせーえきちょうだい」
「サキュバスだこれー!?あぁ……」

全力の突っ込みは意味をなさず、まるで真空状態に空気が入り込むかのように絞り尽くされる。
そしてイクごとに出る量が微量に増えているように感じるのは気のせいだろうか。

「待って、生き地獄、イキ地獄、逝き地獄ぅぅぅぅぅ!?」
「あぁぁぁぁぁぁぁ♥」

そのまま一時間とも言える時間、俺は快楽に翻弄されることになる。
……なぜ死ななかったし。














「つ、次は俺が攻め手になってやる」
「た、楽しみにしてる」

二人揃って腰が完全に砕け、息も絶え絶えにそう会話をしたのだった。














そうなった翌日の話。
……隼人と会った、で、行き成りこう告げられた。

「ちょっとばかし俺の手伝いしてくんね?」
「……何だよ」
「お前の彼女さんの力が必要だって話だ」
「……お前なんでそれを……いや、お前だからいいや。で?何が必要なんだよ?変なことさせる気か?」
「いやいや、演技を手伝えって話と、力を貸してくれって話だ」

何だ、わざわざ。
変なことさせるんじゃないかと不安になるんだが?

「変なことじゃねえからよ。俺たちの友人の話だ」
「……昌也?」
「わざわざ待ったんだ。お前らが恋仲になるまでさ。どこまで行ったかは流石にわからんが。雰囲気が違うね。幸せ臭がする」
「あいつか……」
「おう、態々手伝ってもらった」
「忍の奴か……!まあ、いいや。で?」

この日、昌也の後押しの準備が始まった。
15/11/27 18:02更新 / 幸せのためのキセキ
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■作者メッセージ
こんな感じです。
友人の間でめちゃくちゃ仲良いです。
こんな友人がいたら、世の中ラブコメ天国だ。

次回は隼人……
男の娘とのお話。

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