ちゃりん、と小銭が落ちる音が響いて、俺は思わす顔を向けた。見れば露天商の前で腹の出た間抜けそうな男が財布から小銭をこぼしたところだった。地面を転がる小銭を俺はついつい目で追ってしまう。小銭を捕まえて顔を上げた男と目が合って、俺は顔を逸らした。
　他人の、それもあんなはした金に目を奪われるとはさもしいったらありゃしねぇ。心の中で毒づくが、腹の虫が声を上げるだけだった。辺りを見渡せば露天商が並べる肉や野菜の他に、それを焼いて作った屋台の香りまで漂ってくる。懐に納めた自分の財布を探ってみるが、指先は裏地を空しく引っ掻くだけだった。
　俺はこんな金に困る奴ではなかったはずだ。屋台なんて店ごと買い上げられるくらいの金もあった。商人としての才覚はあるつもりだ。そう自負するだけの結果は残してきたつもりだった。巷の噂話に絶えず気を配っていた俺は、ある日王宮で異国の花が流行っていることを知った。つてを頼りにその花の球根をかき集めてきたら、あっという間に売り切れて大儲けとなった。もっとも、大儲けできたのは初めの一回か二回くらいで、それ以降は他の商人が集まってきて、激しい競争になった。ここでも俺は他の商人の一歩先を行った。そのころには街には絶えず球根が送られてきた。貿易商から受け取った球根は街の市場に持ち込まれ競りにかけられる。そこで争っていたら金がいくらあっても足りやしねぇ。俺が目をつけたのはその前だ。貿易商に相場より幾らか割高な金を払って、俺だけに球根を運んでもらうようにした。相場より高いからその段階では赤字だ。だがそこから実際に球根が届くのは次の春と決めていた。球根の相場は毎日上がっていったから、貿易商が俺に球根を届けてくれた時には、相場は俺が支払った額を遥かに超えていた。貿易商から受けっとった球根を俺が競りに持ち込んだら、自分の店に並べるより何倍も大きな儲けになった。
　この仕組みにやましいところは一切なかった。たしかに、俺が払った金は今の相場からすればずっと少ない。だが俺は球根を受け取るはるか前に金を支払っていて、その時は相場を上回っていた。その金は球根を運ぶ貿易商の隊商を作る金になり、異国で球根を栽培する園芸農家の食い扶持になった。俺は安く仕入れられて、隊商や農家は商品が売れずに困ることもない、街には安定して球根が届く。誰もが喜ぶ最高の取引だった。気をよくした俺はこの商売を広げようと借金をして更に多くの球根を貿易商に頼んだ。それが失敗だった。
　ある日、球根が売れなくなった。誰かが言うには王様が花に飽きたらしい。だが俺は納得していねえ。まだ金が残っていた頃に人を送って王宮の様子をうかがったら、庭園にはその花が相も変わらず咲き誇っていたという。どうであれ球根は急に売れなくなった。市場に俺が球根を持ち込んでも、競りには誰も乗らなかった。街の商人たちは球根が高値で売れるから買いあさっていた。払った値以上に売れる見込みがないとなっては誰も見向きもしなかった。あれだけ高値をつけていた球根の相場は一気に落ち込んだ。捨て値をつけてでも球根を売り払らおうとするが、そうこうしている内に球根は腐ってしまい、借金だけが残った。
　屋台から漂う香ばしい香りに腹がくすぐられるが、依然として買えるあてはない。市場の中には俺の顔見知りがいるが、俺が借金まみれになった途端に離れていった。何かあったら助けてくれると約束してくれた商売仲間の店を訪ねまわったが、俺が無一文だと知るやいなや皆俺を軒先から追い出した。つまるところ皆金目当てだったのだ。力になるぞと胸を叩く男たちも、愛してるとしなだれかかった女たちも、俺じゃなくて俺が持っている金に向かって言っていたんだ。そう思うと腹が立つ。腹が立つのだが、その怒りも空きっ腹に飲まれて消えた。
　どうにかして金を稼がなくちゃいけねえ。俺は歩きながら市場の様子を伺った。球根の話を最初に見つけた俺だ。直接話を聞けずとも、辺りを飛び交う世間話から儲け話の一端くらい見つけられるはずだ。雑踏の中に聞き耳を立てる。

　ちゃりん

　硬貨が落ちる音がして、俺はまた反射的に目を向けた。視線の先は狭い路地だ。影が落ちるその路地には、さっきの間抜け男みたいな人影はない。代わりにその薄暗がりの向こうで小さい何かが煌いていた。金を落としたことに気付かずに、そのまま路地を通り抜けた大まぬけがいるらしい。
　呆れていると腹が鳴った。空腹感に苛まれながら路地裏にぽつんと落ちた煌きを見据える。あれが一番安い銅貨でも、パンを一つ買うには十分だ。そう思うと自然と足が路地裏に向かっていた。
　日が差す大通りから、影が落ちる裏通りに入る。その明暗の差に、視界も一瞬だけ暗くなった。もっとも、すぐさま慣れて薄暗い路地が見えるようになる。だが、その一瞬の視界の明滅で、さっきまで存在したあの輝きが見えなくなっていた。信じられずに路地の奥に目を凝らすが、依然として煌きは失われたままだ。きっと位置が悪くなって反射光が見えなくなっただけだろう。それに、今は銅貨一枚だって惜しい。俺は構わず奥に向かった。
　ようやく何かが煌いていたところまで到着し、俺はしゃがみ込んで地面を調べた。だが薄暗がりの石畳には何も落ちていない。そんな筈はない、俺は確かに見たんだ。そう思い位置を変え、角度を変え、辺りを更に探っていく。その時、俺の背後で音がした。
　
　ちゃりん
　
　硬貨が石畳に落ちる音。俺はすぐさま後ろを振り返った。そこは裏路地から更に折れ曲がったところだ。狭さを増したその道は、太陽との位置が悪いのか、より一層暗くなっている。その暗がりの向こうで何かが輝いていた。それは俺が探していた硬貨の輝きだった。
　なぜさっきの場所から消えたのか、なぜ今の場所に移動したのか、そもそも音を立てて硬貨を落としたのは誰なのか、疑問はいくらでも湧いた。だが、別の考えがその疑問を掻き消した。あの輝きは銅貨じゃない。くすんだ銅ではこの暗がりでは輝けない。こんな暗がりでも輝けるのは金貨か銀貨だ。といっても金貨がこんな路地裏に転がってるわけはない。だからあれは銀貨だろう。銅貨ならパン一個にしかならないが、銀貨なら食堂で腹いっぱいになるまで飯が食える。選り好みさえしなければ宿にだって泊まれる。それだけの値打ち物が路地裏に転がってる機会なんて滅多にねえ。俺は足を踏み出した。
　裏路地の奥に踏み入ると、視界は一段と暗くなった。背後で響いていた市場の喧騒も遠くなっていく。狭い路地に俺の靴音だけが響き渡る。そこでふと思う。あの硬貨の落とし主のことについてだ。おそらく落とし主はこの狭い道を通り抜けていったのだろう。だが、さっき俺が地面にはいつくばって銅貨を探していた時、そんな急いた足音が聞こえていただろうか。
　ほんのつい先ほどまでの記憶。それを思い起こそうとしたところで背後から大声が響いた。泥棒！　驚いて振り返るとさっきまで俺がいた路地裏の入り口を何かを抱えた小さい影が駆け抜けていった。続けて腹が出た中年男の影がそれを追いかけていく。パン泥棒とそれを追う店主だろう。途切れてしまった考え事にため息をついてから俺は向き直る。すると先ほどまで奥にあった銀貨の輝きが消え去っていた。
　思わず駆け出してその場所に急ぐ。狭い路地の突き当り、さらなる奥につながる曲がり角の地面を俺は見下ろす。だが、先ほどまであったあの銀貨と思しき輝きはどこにもなかった。
　ありえない、こんなことなど起きっこない。心の中で憤るが、消えた輝きが現れることはない。俺の体が影になっているだけだと考えて、位置を変えて探すが見つからない。ついには腰を落として地面に這いつくばる。そのときまたあの音が聞こえた。
　
　ちゃりん
　
　顔を上げて音が響いてきた方角を見据える。それはこの角を曲がった先だった。狭い路地はいよいよ人が一人通るのがやっとという幅になっている。左右の軒が重なり合って、もはや日の光も届かない。光源は俺がいるこの曲がり角から差し込む光くらいだ。その光でぼんやりと浮かび上がった通路の突き当り、薄汚れた煉瓦の壁でふさがれた行き止まりに、俺が探していた輝きがあった。
　袋小路の奥の煌めきは、辺りを包む闇に負けないように、より一層強く輝いている。あんな闇の中では銀貨は輝けない。当然ながら銅貨でもない。思い至った輝きの正体に俺は生唾を飲んだ。あれは金貨だ。
　銅貨だとパン一つ買うのがやっとだ。銀貨だと宿で一晩寝て消える。だが、これが金貨なら？　さすがに遊び惚けるには心もとない。だが、それでも美味いものを腹いっぱい食べることができる。寝泊まりするところにもしばらく困らない。それになにより、金貨ともなれば種銭には十分だ。銅貨を元手に金貨を稼ぐのは俺でも奇跡がなくちゃ無理だが、金貨を元手にもう一枚金貨を稼ぐのともなれば俺くらいなら朝飯前だ。金貨一枚を金貨二枚に、金貨二枚を金貨四枚に、こうして増やしていけば元の生活に戻ることができる。俺を捨てた奴らの鼻を明かすこともできるのだ。
　輝きを見据えながら俺は腰を上げる。そのまま足を踏み出そうとしたところで胸の奥から得も言われぬ違和感が湧きあがった。何かが変だ。ひやりとした風が背筋をなぞって鳥肌が立つ。市場の喧騒ももはや聞こえなくなり、閉じ切った鎧戸の奥から僅かな物音だけが聞こえている。自分の息の音すら聞こえそうな静寂の中、金貨の煌めきだけが浮かんでいる。まるで俺を誘うように。罠という単語が頭に浮かんだ。だが、俺はその言葉を心の奥に押し込むと、足を踏み出した。どんなものにも危険はある。安全に金を稼ぐなどという虫のいい方法なんてこの世には存在しないのだ。
　俺は輝き見据えたまま闇の中を奥へ奥へと突き進む。途中で頭上から物音が響いた。きっと軒の上を歩く鳥の足音だ。気にする必要はない。今度は背後で足音が駆け抜けた。さっきと同じパン泥棒かなにかだろう。同じ手は食わない。明るい世界から響くすべてを無視して、俺は闇の中を突き進む。そして突き当たった行き止まり、膝を落とした地面の上、伸ばした指の先に、俺が探し続けた煌めきの主、金貨があった。
　指先に触れた金貨は確かな実体をもってその硬い感触を俺に返した。決して逃すまいと手のひらの中に握り込む。その中の感触を確かめながら眼前に持ってくる。改めて手を開くと、依然として金貨はそこにいた。最早先ほどのように消えることはない。安堵の息をつくきながら俺は立ち上がると、背後から差し込む光に金貨をかざした。浮かび上がった金貨には、作られた地の女王か女神か、女性の横顔が刻印されている。金色の輝きと相まって、思わずその横顔に見惚れてしまった。
　
「あら、そんなところで何してるのぉ？」
　
　唐突に背後から声が響いた。振り返ると、この袋小路の入り口に女が立っていた。同時に漂ってきた甘い芳香が、この女が街娼の類だと悟らせる。この場所で商売する夜鷹か何かだろう。だが、差し込む光を背に浮かび上がる女の影は、すぐさまそれが間違いであると示した。頭から垂らす二条の金髪は豊かな量感を以て丁寧に巻かれている。波打つ金糸に併せて視線を下げれば、思わず生唾をの呑みこむ込むほど膨らんだ胸が突き出ている。一方でその下の腰は見事に縊れていて、だらしない豊満ではなく、美しい豊かさを示していた。さらにその下、臀部や太腿も女性的に膨らんでおり、成熟した女性の美を体現しているようだった。視線を持ち上げて、改めて顔を見る。逆光に遮られてその細部はわからないが、それでも薄明りの中に唇の艶めきや頬の紅が判別できる。なにより闇に浮かぶ彼女の金色の瞳に、俺は思わず魅入ってしまった。女は路地裏にたむろする立ちんぼではない。むしろ女王か女神だ。そう呼ぶにふさわしい美をその女は放っていた。
　女の美貌に思わず見惚れていると、女は何かに気づいたように目を見開いた。
　
「あっ、金貨！　フロリア、金貨を持っているおじさまが大好きなのぉ」
　
　フロリアと名乗った女は俺の手の中の金貨を目ざとく見つけたようで、笑いながら俺の方に歩み寄ってくる。俺は慌てて金貨を握り隠した。迫りくる女は確かに極上の美女だ。男なら誰だって一晩を共にしたくなるだろう。だが、首や腕に輝く宝石や、ふんわりと波打つ髪を彩る髪飾りを見れば、女は底なしの悪女だと分かった。一度はまれば最後、財産すべてを貢いでしまう恐ろしい女だ。実際過去にそういう女に引っかかって身持ちを崩した知り合いを見たことがある。かつて嘲笑った彼らの二の轍を踏むわけにはいかない。そもそもこの金貨は俺の人生の再興がかかっている。一夜の快楽のためだけに失ってはならないのだ。
　
「いいか、これは俺が見つけたんだ。お前なんかに――」
　
　そう言いながら後ずさると、踵が何かを踏み、がちり、と音を立てた。響いた音に女は当惑したように足を止める。その隙に俺は視線を落とすと、足元の暗がりで何かが煌めいていた。俺は慌ててしゃがみ込むと、踏みつけていたそれを拾い上げる。腰を上げながら、路地に差し込む光にかざす。小さい円盤状のそれは、黄金色の輝きを反射しながら、女の横顔の刻印を俺に見せた。二つ目の金貨だった。
　背筋がぞくりとした。路地裏の暗がりに金貨が二枚も落ちている違和感や、それをさっきまで見つけられなかった違和感が胸の奥で淀む。だがそれ以上に新たな誘惑が俺の背筋を撫でたのだった。二枚あれば、片方でこの女を抱ける。
　種銭は貴重だ。それを半分とはいえ女に使っていいのか？　ためらいとともに女に目を向ける。俺が金貨を何枚も持つお大尽だと悟り流し目を向けてくる女。紅をちらした彼女の頬は、暗がりの中でもかすかに差し込む光に照らされて輝いている。それこそ金貨のように眩く輝いている。そう感じた途端、胸の奥でタガが外れた。この女は金貨を捧げるにふさわしい女だ。こんな極上な女を抱ける機会はそうそうない。金と見紛うように輝く彼女の肌は、そのまま金と等しい価値がある。その肌に手を這わすことができるなら、金貨一枚くらい安いものだ。俺は新たに手にした方の金貨を差し出して、言った。
　
「いいだろう、金貨一枚。これだけ払うんだからしっかり楽しませてくれよ」
　
「やったぁ！　フロリア金貨だぁい好き！　フロリアがおじさまのこといっぱい気持ちよくしてあげるね」
　
　俺の言葉ににんまりと笑った女は、言うやいなや俺の胸に飛び込んできた。柔らかな彼女の感触と、髪の毛から漂う甘い芳香に、それだけでも自分の中の男が首をもたげる。胸元に収まった女を両腕で包み込む。滑らかな女の背中に腕を這わせてその感触を楽しんでいると、女は首を持ち上げて、唇を突き出した。その意図を理解するまでもなく、俺は女に口づけしていた。
　女の唇が俺の唇に重なり、柔らかな感触を返す。その温もりだけでも雄として充実していくのを感じた。それでも俺は満足できず、さらに唇を押し付ける。欲望の赴くままに唇を食み、遂には舌を絡めて女の咥内を蹂躙する。深く交わした口を伝って女の甘い吐息が俺の肺腑に流れ込んできた。その陶酔感はかつて吸ったどんなタバコよりも俺の心を陶酔させた。
　女の味に惚けながら、頭の奥でかすかに残る理性で俺は考えた。残った一枚の金貨で、絶対に金持ちになって見せる。金持ちになって、またこの女を抱いて見せると。
　そう意気込んだところで、硬い何かが俺の頭を叩き、その後地面に落ちて音を立てた。
　
　ちゃりん。
　
　思わず女から唇を離して目を向ける。足元で何かが煌めいていた。最早拾い上げなくてもそれが何か分かった。金貨だ。俺の頭上に何があったのか思い起こす。重なり合った庇が路地を完全に覆っており、何かが落ちてくるような隙間はなかったはずだ。視線を正面に戻すと、地面の金貨を眺めていた女が目を細めながら言った。
　
「この金貨もおじさまのものなの？」
　
　俺は曖昧に笑いながら頷いた。この金貨が誰のものなのか、そもそもどこから出てきたのか検討もつかなかった。それでもこの金貨が自分のものであるか問われたからには、俺は肯定した。そうすればこの金貨を俺のものにできる。そしてこの女をもっと抱ける。
　
「フロリア、お金持ちのおじさまだぁい好き！　いっぱい、いーっぱい気持ちよくしてあげるね」
　
　そう言って満面の笑みを浮かべた女は、俺を石畳の上に押し倒した。馬乗りになった女は俺の唇を貪ろうと顔を寄せる。女の顔が俺の視界を覆うその瞬間、視界の端で女の髪から何かがこぼれ落ちるのが見えた。俺の唇を啄む湿った音をかき消すように、それは硬い音を立てる。
　
　ちゃりん。
　
　女の愛撫に惚けながら、俺はぼんやりと考える。あの金貨は女のものだったのかと。だが、そんなことはもうどうでも良かった。ここに落ちている金貨は全部俺のものだ。一つ残らず俺のものだ。すべての金貨を俺のものにして、俺は商いを再開するのだ。商いを再開して、何倍も何倍も儲けを出すのだ。そしてその金でこの女を買うのだ。手に余るほど金貨を稼いで、身を埋めるほど金貨を稼いで、そしてこの女を抱くのだ。金のように滑らかな女の肌も、金糸のように輝く女の髪も、金貨が詰まった革袋のような女の体も、全て俺のものにするのだ。
　俺の野心に応えるように、また音がした。ちゃりん。音は続ける。ちゃりんちゃりん。最早音は止むことなく女に這わした俺の手足を叩いていく。ちゃりちゃりちゃりちゃりちゃり。俺を、俺が抱く女を、俺が胸に抱いた欲望を、全てを埋め尽くすようにずっと、ずっと。ちゃりちゃりちゃりちゃりちゃりちゃりちゃりちゃりちゃりちゃりちゃりちゃりじゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららららら――。