読切小説
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ギャグまもむす日和「5つ子大家族」
 5つ子の娘を持つエキドナの元に取材依頼が舞い込む。しかし、リポーターとカメラマン(どっちも人間の男)がエキドナの家に行ってみると、そこにいるのは母親と長女のエキドナだけだった。テレビ撮影なのに音響担当すらいないのか、とかツッコんではいけない。



リポーター「どういう事ですか。ちゃんとギャラはお支払いしたでしょう」
母親(エキドナ)「うちの5つ子はまだどこの局にも出ていない『新品』なんだよ。あの程度のギャラではせいぜい長女だけってとこだね」
リポーター「1人だけでは意味無いんですよ」
母親(エキドナ)「舐めるんじゃないよ。うちの長女のはじめは芸達者なんだ。ピンでも十分番組作れるよ」
リポーター「芸なんていいから5人全員撮らせてくださいよ。何のための取材だと思っているんですか」
母親(エキドナ)「うちのはじめの芸を見てもそう言えるかな。見せておやり」
はじめ(ロリエキドナ)「はーい。怒ったハートのトランパートのモノマネやりまーす……オレァクサムヲムッコロス!」
 ぎょろりと目を見開き、歯をむき出しにした顔芸を披露する長女のエキドナ。これには子供相手とはいえリポーターも本気で激昂する。
リポーター「テレビ舐めんな! そんなんで番組作れるか!」
 やり取りをカメラに収めていたカメラマンの顔にも困惑の色が浮かぶ。
カメラマン「先輩、どうしますか。もうこれで何とか編集で誤魔化しますか」
リポーター「どこをどう編集すれば誤魔化せんだよこれで。5人全員撮らないと俺達が来た意味無いんだよ。どこにいるんですか後の4人は」
母親(エキドナ)「さあ、どこだろうね。家の中のどこかに隠れているよ。見つけられないだろうけどね」
リポーター「金払っているんだ。絶対写してやる。家じゅう探すぞ」
カメラマン「はい」
 こうして、エキドナの母親の挑発にまんまと乗せられたテレビクルーによる家探しが始まった。



 30分後、リポーターの顔に疲れの色が見え始める。
リポーター「ちくしょう。これだけ探しても見つからないなんて」
 その時、クローゼットの1つが勢いよく開き、中に隠れていたデビルが勢いよく転がりだしてきた。
???(デビル)「あ、しまった」
リポーター「いたぞ。追え、捕まえろ」
カメラマン「俺カメラが重いんでお願いします」
リポーター(2人目でこれとか俺は気が重いよ……)
 心の中で愚痴をこぼしながらも、リポーターは逃げようとするデビルをなんとか捕まえる。
???(デビル)「わー、捕まっちゃった」
リポーター「あ、この娘の服に『メイ』って書いてある。たぶん五女だ」
メイ(デビル)「くっ、撮れ!」
 こうしてリポーターとカメラマンはどうにか2人目をカメラに収めた。まだ3人も残っている。

カメラマン「庭とかにも隠れているかもしれませんね」
 そう言ってカメラマンが庭に出た時、屋根の上で大きな影が動いた。それは音も無く滑空し、カメラマンの背後に迫る。
リポーター「志村山本、後ろー!」
カメラマン「え? ……うわー!」
 カメラマンの山本を襲ったのは小さなワイバーンだった。カメラマンの服を剥ぎ取り、騎乗位で犯そうとするワイバーンの服には「うづき」と書かれた名札が付けられている。
カメラマン「ちくしょう。ただでは犯されんぞ!」
 カメラマンはワイバーンに跨られた体勢から、上半身を起き上がらせて相手の腰に抱き着いた。
うづき(ロリワイバーン)「うあっ!?」
カメラマン「今です!」
 リポーターはカメラマンが取り落としたカメラを拾い、動けなくなったワイバーンの四女の姿を記録に収めた。
うづき(ロリワイバーン)「私の負けね。撮るがいいわ。だけどこれでいい気になるにはまだ早いわよ。後の2人に比べたら私なんてまだまだスローすぎてあくびが出るレベル。私達5つ子は上位ナンバーになるほどスピードが速いんだから。長女のはじめお姉ちゃん以外は」
はじめ(ロリエキドナ)「悪かったわね」
リポーター「上位ナンバーって何だよ……」

 そしてリポーターはワイバーンのうづきに犯され始めたカメラマンを庭に残し、再び家の中に戻ってきた。その時、戸棚の陰から何かが勢いよく飛び出し、リポーターの足に噛み付いて目にも留まらぬ速さで再び走り去っていく。
リポーター「何ぃ!? いつの間に?」
 すると、カメラマンを犯しているワイバーンのうづきが庭から叫んだ。
うづき(ロリワイバーン)「やよいお姉ちゃん!」
リポーター「弥生……三女か。なんて速さだ。速すぎて何の種族かもさっぱりわからんぞ」
やよい(???)「まだまだ加速するぜぇ! ヒャッハー!」
 その時、母親のエキドナがリポーターを嘲笑するように言った。
母親(エキドナ)「おや、気付いていないのかい? もう1人この部屋にいるって事に」
リポーター「何? それはどういう……まさか」
母親(エキドナ)「そのまさかだよ。最速の次女、きさらぎも既にこの部屋にいるんだよ。人間の目には捉えられない速度で動き続けているのさ」
 母親の言葉とともに、やよいとはまた別の何かが目にも留まらぬ速さでリポーターに迫った。ズボンを脱がそうと力強く引っ張っては物陰へと隠れていく。しかし、リポーターの動体視力では黒く光る背中のような物を捉えるのが精一杯だった。
母親(エキドナ)「ほらほら何ボーッとしてんだい。突っ立っているだけではきさらぎどころかやよいも撮れはしないよ」
 母親があざ笑う間にもリポーターの肌には獣の噛み痕のようなものが増えていき、片手で必死に抑えているズボンがダルンダルンになっていく。
カメラマン「先輩、動きに惑わされては、駄目です。相手はまだ、子供。そこをなんとか付けば……うっ、出る」
 カメラマンはというと三女のワイバーンに犯される快楽の虜になり、騎乗位で犯されながらも自分から腰を突き上げていた。
リポーター(自分は早々にリタイヤして楽しみやがって。俺なんて凄い事になってんだぞ)
 リポーターは片手でカメラをどうにか構え、力強く引っ張られているズボンをもう片方の手でなんとか抑えつつ、全身に噛み痕が増えていくのを堪えながら心の中で毒づいた。
うづき(ロリワイバーン)「ほらほら。お兄さんも、んっ、お姉ちゃん達の、あっ。餌食になるといいわ」
リポーター(本能のままに楽しみやがって……まてよ、本能のまま?)
 その時、リポーターの頭にある考えが浮かんだ。そして、彼は驚くべき行動に出る。ダルンダルンになったズボンを下着ごと勢いよく脱ぎ捨て、魔物娘に噛まれ続けた影響からか勢いよく屹立する逸物を晒したのだ。
リポーター「負けたよ。さあ、どっちが先に俺のを咥えるか、早い者勝ちだ」
 叫ぶが早いかカメラを構える。すると、カメラの前に2つの影が飛び込み、ゴツンと勢いよくぶつかって動きを止めた。我先にとリポーターの逸物を咥えようとしたデビルバグの次女とラージマウスの三女が頭をぶつけたのである。
きさらぎ(ロリデビルバグ)&やよい(ロリラージマウス)「「いたたたたた……」」
リポーター「引っかかったな馬鹿め! さあ、これで5人全員撮ったぞ!」
 急いでズボンを穿き直し走り去るリポーター。うっかりなのか囮のつもりなのか落としていった彼のパンツにデビルバグの次女とラージマウスの三女が群がる。
母親(エキドナ)「何やってんだいあんた達は」
やよい(ロリラージマウス)「くんくん。この匂い、あのお兄さん、ちょっと我慢汁が、出てたみたい。ああっ、我慢できない」
きさらぎ(ロリデビルバグ)「すぅはぁ。なんとしても、この匂いを、覚えるのよ。絶対に、あの男の家まで、辿ってやるんだから。でもその前に……んっ」
 とりあえずこの場は逃れられたリポーターだが、彼のパンツに顔を押し付けながら一心不乱に自らを慰めるデビルバグの次女とラージマウスの三女の姿を見るに、彼女達に捕まるのは時間の問題だろう。




 リポーターが去った家の中で、エキドナの母親は呟いた。
母親(エキドナ)「やれやれ。5人のうち4人も撮られるとはね。まあ、3人に夫ができるなら悪くないかな」
 そう言った時、デビルのメイが隠れていたクローゼットの奥から新たにもう1人の影が姿を現した。5つ子の「本当の」五女、さつきである。
さつき(ロリデーモン)「私は助かったみたい。メイおばさん、ありがとう」
メイ(デビル)「いいかいあんた達。大事なのはスピードよりも、頭の使いようだよ」
19/02/23 03:35更新 / bean

■作者メッセージ
 というわけでシリーズ化させてみました。
 2作目にして文章では表現しづらいネタだったかも…

 ちなみにムッコロスというのは不思議の国の方言で「夫のいないジャブジャブの巣窟に放り込む」とかそういう意味です、たぶん。

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