連載小説
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王国奪還
俺はアクエリウスを解放した翌日、越後城領主に吉報を伝える為、直ぐにでも出航可能な船に乗船し、美代と一緒にジパングへ帰還する事にした。
その際、お礼と言う形で海洋の魔物娘から最短で戻れる海路を割り出してもらい、その海路に従って船を進めた所、一日でジパングの越後港に到着した。その後、港に着いた俺達は宿屋で一泊し、次の朝、城に向かって馬を走らせた。
そして俺と美代は大陸の港町の事を蒼緋さんと千代姫さんに報告した。

「そうか、解放してくれたか」
「お主等ならやってくれると信じておった」
「私達だけの力ではありません」
「解放軍が協力してくれた御蔭で取り戻す事が出来ました」

俺は事の一部始終を蒼緋さんと千代姫さんに伝えた。
大陸の港町を取り戻した事、大陸の住人達と親交を深めた事等だ。

「また西へ戻るのか?」
「はい、西の大陸では未だ教団の勢力が跋扈しています」
「その為、教団がいつ港町を襲撃してくるか分かりません」
「分かった、引き続き、解放軍と連携して治安を取り戻すのじゃ」
「それでは西の大陸に私達は戻ります」
「蒼緋さん、千代姫さん、息災であれ」
「お主達も無病息災でな」
「いつでも帰ってきていいからな」
「うむ、ここは、お主等の家でもあるのじゃからな」
「ありがとうございます」
「では」

俺達は一礼した後、城の外で待機している馬に騎乗すると越後港に向かった。
その後、魔力を原動力に動く蒸気船に乗船し、俺達は再び西の大陸へ渡った。

解放軍がアクエリウスを教団の手から奪還して数か月が経過した。
殆ど被害の少なかった港町はそれほど復興に時間は掛からなかった。
その為、教団の支配下になる以前の姿を比較的に早い段階で取り戻した。
しかし、その一方で近隣諸国や地方等では未だ教団の勢力が跋扈している。

「今日、部隊を率いる君達に集まってもらったのは他でもない」

此処はアクエリウス治安維持組織団体…通称『悠久の翼』の総本部。
あの戦いの後、彼等は解放軍レジスタンスから治安維持組織団体と改名した。
統括者は解放軍レジスタンスからの最高司令官リエス=エリオン総帥である。

「ライブラに派遣した部隊によると、あの国に不穏な影がある」
「どう言う事?」

エリオン総帥の話を促す様に口を開いたのは美しい容姿と美貌を兼ね備えた彼を補佐するエルフの少女レナスである。彼女は人と交流を深める類い稀なエルフの少女であり、不思議と同族から忌み嫌われない変わった存在でもある。

「詳しい詳細は未だ分からないけど政務を執り行なう大臣の様子が近頃、少し怪しいと言う知らせだ…警備の兵士の証言によると度々、部屋の中から妙な物音が聞こえるみたいなんだ」
「その大臣…もしかしたらライブラを掌握するつもりかもしれないわね」
「何のためにライブラを掌握すると言うのだ?」
「ライブラを手に入れる為よ」

反論を見せたのは若干小柄な体躯をした上半身が人間の少女、下半身が馬の姿をした草原の民独自の民族衣装を着こなし、強靭な足腰で凄まじい機動力を誇るスタイルの非常に整ったケンタウロスの美少女である。

「風の知らせによるとライブラの国王は病の床に伏せてる」

『自然の賢者』と称えられるレナスは自然界に満ち溢れるマナを操り、自分の意識とシンクロさせる事で自分が"その眼"になる事が出来る。ただし、この能力は自然界のエネルギーを多く必要とする為、建物内部等で使用するのは避けた方がいい。仮に建物内部で使用する場合、自分の魔力を大量に消費する事になる為、もしもの時以外は極力使用しない方が賢明である。
魔力は大気に満ちる自然のエネルギーを術者の精神と力の術法に従えて使用するものであり、もし仮に敵陣で魔力が切れたとなれば純粋な体術の心得の無い者は確実に狙われる。

「その国王が崩御してしまうと跡取りのないライブラは大臣が政権を握る事になる…或いは病を装った国王の暗殺も有り得るかもしれない」
「しかし、それは仮定の定義だろう?実際にそうなるかは分からない」
「勿論、これはあくまでも仮説よ、ファリス…実際、その大臣がどう動くか私に分かるわけないでしょ?」

尤もな正論にファリスと呼ばれたケンタウロスの少女は納得の表情を見せる。
また総本部の軍議室に集まった部隊の責任者も同じ意見の為、何も言わない。
それは斥候部隊の情報も、きちんと各部隊に報告されているからである。
軍議とは作戦の相談や軍事について評議を執り行なう場でもあるが同時に皆の意見等を確かめる場所でもある。

「いずれにしても何名かライブラに派遣した方がよさそうだね」
「でも誰を派遣するのよ、リエス」
「それは検討する…多忙の中、集まってくれて感謝する、軍議は以上だ」

総帥が解散の意を示すと各部隊を指揮する統率者は次々と立ち上がり、軍議室から退室して自分の任に戻る。残ったのは『悠久の翼』最高司令官リエス=エリオン総帥と美しいエルフの少女レナスだけだった。二人は今後の日程等を話す為、広い軍議室から総帥の部屋に場所を移すと話し合いを始めた。

軍議が終わり、俺は日課となった抜刀術の素振りを行なう為、港に来た。
その傍らでは鉄扇術の鍛錬と魔力・霊力の修練に美代は励んでいる。
この数ヶ月間で美代の尻尾は六本となり、性欲も以前より顕著になった。
しかし、それは美代だけではなく俺も同じで彼女と肌を重ねる毎に魔力や霊力を送り込まれ、以前よりも身体能力等が遥かに向上し、性欲も増加した。今では霊力に加えて魔力も増加する様になった。これが何を意味するのか分からない…確かなのは確実に俺の中で何かが起こり始めている。

「はっ!!」

気合の掛け声と共に俺は鞘に収めた神霊刀『神威(かむい)』を抜く。
抜かれた白銀の刃は綺麗な弧を描き、何も無い虚空を切り裂く。
その際、高波が押し寄せて来たが構わず、刃を鞘に収めると再び抜刀した。
俺はその繰り返しを幾度か行ない、最終的に五百回の素振りを終えた。
抜刀術は片手で刀を素早く抜く動作の為、非常に腕力や筋力が必要になる。
また長時間に及ぶ戦闘を持続する為、体力等も無ければ話にならない。

「ふぅ」

最後の一振りが終わり、俺は左手に持った鞘に神威の刀身を収める。
この神霊刀は刃や鞘等を含めると合計で二キロ近くの重量がある。
これを片手で長時間扱う為には、それ相応の体力等が必要不可欠になる。
程なくして総帥の伝令が現れ、俺は『悠久の翼』総本部に足を運んだ。

「お呼びですか?リエス=エリオン総帥、レナス=アイリス参謀」
「此処に呼び出された時点で既に理解してると思うけど」
「ソウキとミヨ、これより貴方達をライブラへ派遣します」

俺は美代と一緒にライブラの宿場町にやって来た。
既に潜伏する派遣部隊の話によると、この国は城下町を見渡せる様に小高い丘の上に王宮があり、城下町の門は東西南北に分類され、堅固な城壁によって護られている。
また親魔物派の領地と言う事もあり、街の至る所に彼女達の姿が確認できる。
他に東・南・北の門を出た先には集落や住処等の存在が確認されているが現在は全く交流が無い為、特に気にする必要は無い。

「立派な城壁だな」
「国民の安全を第一に考慮した建造ね」

俺と美代は『大道』と呼ばれる西門を通過した宿場町に居る。
この西門は非常に商人や旅人等が利用する為、宿場施設が充実している。
恐らくこの西門の『大道』が様々な地域へ行く道筋となるのだろう。

「まず情報収集が先だな」

茜色に染まる空…俺と美代は最も情報が多く集まる酒場に足を運ぶ。
其処には先行した諜報派遣部隊の情報通り、王宮警備騎士が雑談中だ。
彼等の王宮勤務は交代制の為、此処に居るのは非番の騎士達だ。
他にもギルド帰りの傭兵や旅人等が一日の終わりを迎えている。

「本当ですか?」
「あくまでも王宮内の噂だ」

酒場の喧騒により、王宮警備隊の会話は周囲に届いていない。
俺は騎士達の会話が聞こえる場所まで移動した。

「でも確かに大臣の様子が最近少し変ですね」
「お前もそう思うか?」
「え!?先輩もですか?」
「何だが得体のしれない者が大臣に取り憑いている様な感じだ」

どうやら非番の騎士達が十名ほど酒場で話をしているようだ。
俺は王宮内の情報を入手する為、騎士達の会話に加わる。

「もう少し詳しく教えてくれないか?」
「ん?誰だい?兄ちゃん」
「あ、もしかして新しい王宮警備隊の方ですか?」
「そんな所だ…つい先程、到着したんだ」
「いいぜ、別に聞かれても都合が悪い話じゃない」
「悪いな」
「ただし口外はするなよ?変に国民の混乱を招きたくない」
「それは充分承知してる」

口外しない事を約束した俺は王宮警備騎士達から話を聞いた。

「本題に入るけど最近、大臣の様子が少し変なんですよ」
「変とは?」
「一年前まで大臣も国王様と一緒に内政等を執り行なっていたんだが…」
「近頃は部屋に引きこもる事が多くなったんです」
「それに大臣の部屋を巡回する時、妙な物音も聞こえるんだよ」

派遣部隊の情報通り、騎士達の大半が大臣の部屋の前で何かを聞いてる。
その"何か"については分からないが殆どの警備騎士が口を揃えて言ってる。
今までおかしな点の無かった大臣の様子が近頃になって急変してる、と。
言い方はそれぞれ異なるが元を辿れば意味合いは殆ど同じだ。
王宮警備騎士の全員が大臣の変化に疑問等をいだいている。

「ありがとな」
「おうっ!良いって事よ」
「それでは王宮でお会いしましょう」
「ああ、またな」

俺は別れの挨拶の後、美代と一緒に酒場を出た。
宿屋に戻った俺達は提供された部屋で酒場で聞いた内容をまとめ始めた。

早朝…目を覚ますと俺の隣には一糸纏わぬ姿をした美代が静かな寝息を立てながら寝ている。昨晩、酒場で聞いた話をまとめ終わり、一休みしようと思った矢先に美代の身体が火照り出し、明け方まで肌を重ね続けた。昨晩の美代の性欲は以前、彼女を抱いた時よりも上昇していた為、俺の精力が先に限界を迎えると思った。しかし、俺自身も美代と交わる度に霊力や魔力を送り込まれてた為、大丈夫だった。

「(昨晩…俺は何回、美代と肌を重ね合わせたのだろう)」

稲荷の性欲の高さは尻尾の数に比例して変化すると言われる。
一本や二本の場合それほどでもないが三本や四本になると徐々に性欲が増え始め、五本や六本近くにまで増えると非常に好色となり、次第に肌を重ねる回数も増加する。また七本以上になると性欲は今まで以上に高くなる。だが其れに伴い自身でも制御可能になる、と以前、千代姫さんから聞いた事がある。

「むにゅ……おはよう、蒼輝」
「おはよう、美代」
「ちゅっ」

寝ぼけ眼をこすりながら美代は俺に口付けをしてきた。
そのまま美代はベッドの上に俺を押し倒すと重ねた唇を離す。
そして小動物が戯れる様に肌や頬を擦り合わせてくる。

「えへへ、あったかい……」
「昨晩は何度も肌を重ねてただろ?」
「其れとはまた違う感覚よ」

変化を解くと美代の頭頂には尖った耳が二つ、尾てい骨から尻尾が生えた。

「あ…尻尾が増えたよ、見て」
「本当だ」
「蒼輝の御蔭よ、私を毎日抱いてくれたから…わがままでごめんね」
「気にしないくていい、いつでも付き合うからな」
「ありがとう、大好きだよ、蒼輝」

美代は華奢な両腕を回し、愛しく俺を抱き締める。
俺も同じく愛しい美代を抱き締める。

「これからも数え切れないくらい沢山、私を愛して抱いてね」
「勿論、ただ今日から王宮に住居を構える事になるから…そのごめん」
「どうして謝るの?」
「いや…」
「ふふ、何の為に明け方近くまで肌を重ねたと思ってるの?」
「えっ?」
「こう言う事を見越したからに決まってるでしょ」

言うや否や再び美代は唇を重ね、今度は深い口づけをする。
そのまま舌を侵入させた美代は俺の舌と自分の舌を絡ませ合う。
徐々に熱を帯びた身体は火照り出し、互いの体温が一つに溶け合う。
歯止めの利かなくなった俺と美代は朝のベッドで昨晩の続きを始めた。

俺はライブラの最高権力者が日々の生活を送る国王の間に居る。
この部屋の天井は高く造られており、王座の入り口の対面側には国王が仕事や雑務をする為の広い机。窓の傍にある一人で寝るには大き過ぎる寝台は目を覚ますと朝の陽光が丁度当たる場所に設置されている。他にも部屋の奥には大きな浴室、机の近くの壁側には本棚があり其処に様々な資料等がある。

「君が新しく赴任して来た王宮警備騎士の者か?」
「はい、名を東国の文字で蒼輝…ソウキと御呼び下さい、陛下」

あれから時の流れを一定時間制御する非常に高度な魔法を発動した美代は俺達二人の『時間』を止めた。そのままベッドで二十回ほど美代と肌を重ねて精を搾り取られ、俺は性交を通じて体内に魔力と霊力を送り込まれた。その後、宿屋で料金を精算した俺達は部屋を引き払った。その後、小高い丘の上に建つ王宮に足を運び、俺は大臣の様子を探る為、王宮警備騎士に就任した。だが国王様も午前中は多忙だった為、午後に謁見する形となった。

「遠路遥々御苦労だったな、ソウキ…これから宜しく頼む」

この時から既に美代は千代姫さんから習った穏行術で外界と気配を遮断し、姿を隠蔽した。余程の事が無い限り、穏行術が見破られる事は無い。
この穏行術は千代姫さんが諜報活動における初動活動に基づいて相手方に気配を悟られない様に情報を収集する為、独自に編み出した技法の一つで非常に高度な技術を必要とする。
これは大気中の魔力をナノ単位の細かな粒子等に変換させ、術者を特殊な空間に転移させる術法だ。現状で美代の穏行術を見破れるのは恐らく伝授した千代姫さんと俺だけだろう。他にも魔力の扱いに長けたサキュバスやバフォメット、上位種のエキドナやドラゴン等と言った彼女達も穏行術を見破る事が出来る。

「彼が内政等を執り行なっている大臣だ、ソウキ」

王座の傍に四十代位の男性が一人居る。

「このような時期に王宮警備騎士を雇用するのは如何なものかと…」
「良いではないか、警備騎士の者達は一人でも多く居た方が心強い」
「……国王様が宜しいと仰るのであれば私に反対意見はございません」
「うむ」
「それでは私は部屋に戻って国務を続けてきますので失礼致します」

大臣は一礼すると王座の間から姿を消した。

「ラルフ=ゼルガを呼んでくれ」

すると王座の間のドアが開き、其処から一人の青年が現れた。
歳は二十代後半、膝から下を覆う脚甲や鎧等は全て輝く銀色で出来ている。
彼は俺が此処に来る時、国王の部屋の前を警備してた騎士団長だ。

「お呼びですか?」
「ラルフ、彼に王宮内の施設等を案内してくれ」
「構いませんが警備の方は如何致しますか?」
「アルス=ザルドと交代してくれ」

ラルフと呼ばれた青年騎士と俺は国王様に一礼した後、部屋を退出した。
此処で青年騎士ラルフに案内された王宮内部の説明を簡単にまとめよう。
この王宮は内部が非常に広く造られており、全部で三階層に分けられてる。
まず最上階の一階層には国王様と王妃様の居住施設等があり、二階層には重臣や警備騎士達の居住施設や鍛錬場等の設備が完備されており、三階層には食堂や医療施設の他に多くの施設等が整ってる。また地下施設の存在も確認されているが現在は殆ど使われていない。

「君の部屋は此処になる」

二階層の重臣や警備騎士には各部屋が割り当てられていた。

「どうも」

俺は割り当てられた自分の部屋の扉を開くと部屋の中は意外と広い。
窓際に寝台があり其の近くには机と椅子、別の場所には本棚等もある。
余計な装飾の無い至ってシンプルな部屋で個人部屋にしては勿体無い位だ。

「明日から近辺警備や修練等を行なう」
「了解」
「では私はこれで失礼する」

そのままベッドに寝転がった俺はこれからの事を考え始めた。

俺が王宮警備騎士になってあれから半年ほど経過した。
しかし、この半年間、未だ大臣が何かを起こす兆しは見えない。
また大臣の部屋から聞こえた妙な物音と言うのも、かなり前から急に聞こえなくなり、王宮警備隊の騎士達が不思議に思って部屋の前を何度か往復した事がある。だが矢張り何も聞こえなかったと言う。その為、妙な物音が聞こえなくなった現在、俺と美代以外は殆ど気にしなくなった。

「(もし大臣が行動を起こすなら、そろそろ動き出す時期だろうか…)」

其の時、国王様と王妃様が暮らす王宮の最上階が大きく揺れ動き、俺は穏行術で外界と気配を遮断し、姿を隠蔽している美代に声を掛けた。

「美代!」

同時に大気中の魔力濃度が高くなり、何も無い筈の空間から腰まで長い美しい黒髪を靡かせ、琥珀色の瞳を宿した着物姿の美少女、美代が現れた。

「何…?この禍々しい気配…」

現れた美代の頭頂には尖った獣の耳があり、尾てい骨辺りから数本の尻尾が生え、その全身からは人外の美しさを醸し出す。其れもその筈、美代は人間ではない、東国の島国に生息する稲荷と呼ばれる狐の妖(あやかし)である。
元々美代と俺は此処とは違う別の世界の住人であり、美代も俺も普通の学園生活を送る平凡な学生だった。しかし、故あって美代は人間の少女から稲荷へ転生を果たし、俺は其の身に宿る膨大な魔力と霊力の御蔭で身体能力が向上した他に長寿の力を得た。

「これが総帥の言ってた不穏な影の正体みたいだな」
「こんなに大きな気配がずっとこの国に?」
「恐らく穏行術とは全く異なる非常に高度な気配を隠蔽する術式が施されてたんだ」

王宮の最上階からは恐ろしいほど危険な気配と濃密な魔力が感じられた。

「急ごう」

俺は神霊刀『神威(かむい)』を腰に携え、浮遊する美代と一緒に王宮の最上階に向かった。
12/09/21 14:57更新 / 蒼穹の翼
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