ヒャッハー！
　俺達は空を自由に駆け回る空賊、ダダン・ダンダ団！
　飛空艇シュワルツェネッガー号を駆って、今日も空の海をひた走る！
　邪魔者は皆ターミネートだ！



　……と、船長は嘯いているが、実の所、俺達は気楽に空の旅を楽しんでいるだけだったりする。
　俺達は運び屋を隠れ蓑に裏では空賊として略奪の限りを尽くし、大陸全土から指名手配される、巷で噂のクレイジーな空の暴れ者！
　……の筈だったのだが。
　何を間違ったのか、俺達は皆お人好しだった。
　船長も悪人ぶってあんな事を態々大声で叫んで、誰もいない青空に虚しくアピールしているが、本当の悪人ならあんな事言う前に行動は終わっているものだ。

　そんなお陰で、何時の間にか表向きだけの筈だった運び屋稼業は船員達のそこはかとないサービス精神から顧客には好評で、船員の皆にとって毎日は忙しく回っていた。

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33