連載小説
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年越し~angel dream~
今日は大晦日…今年もあと数時間で終わる…
みんなは大晦日はテレビで何見る?
俺はガキ使。ガマンなんてせずにバカ笑いする方で〜す。
『年越した瞬間地球にいなかった』ってやった事ある?俺はやってた。暇だったから…
数日前までは今年も一人寂しくソバすすりながら年越すんだろうなあ、
って思ってたんだけど…

ズズッズズズ〜
『(デデ〜ン!)◯◯ タイキック〜!』
「うっはははww!こりゃひでぇわwww」

ズズズ〜
『正解〜、◯◯チームポイント獲得〜!』
「やった♪ここも正解です、調子良いですね♪」

「…なあ、クイズ番組とか見ていて楽しいのかよ?」

「そんな事言うなら太一君こそあんなに人を執拗に
叩く番組がどうして面白いって思えるんですか?」

「その叩く原因が『笑ったから』なんだぜ?つまりは大爆笑間違い無しな
イベントがたっくさんあるわけだ。そこが面白いんじゃねぇか」

「笑いならこちらにもありますよ?芸人さんも
参加していますから私も時々笑ってしまいます」

「言ってもちょっとやそっとだろ?こっちは下ネタも多いし」

「それがイヤなんです;テレビを見ている方々に裸を晒すなんて…(赤)」

「妙に詳しいな?麗見た事あるんじゃないか?」

「…姉さんが見ていたのを少しだけ…」

…今年(といってももうすぐ終わるけどな)からはそんなこともなさそうだ…
彼女の名前は天空 麗。数日前のクリスマスに親父によって
幼馴染みから俺の彼女へとクラスチェンジされたエンジェルだ…
されたと言っても、麗本人は満更でもないどころか願ったり叶ったりらしい。
その想いの本気度たるは恋人同士になって翌日に部屋ごと引っ越してくるほど;
んで、そこまでくれば初Hも早いかなと思ってたんだが、
麗とは同棲して数日経ってもそういう関係に至ってない。
というかキスすらも済ませていない。
してこないのは麗の性格ゆえか。
じゃあ自分から誘ったらどうなんだと言われれば、
俺も実はあまりそういう気になれないでいる。
・・・なんて言うかつい最近まで仲良くやってた娘となら
そういう気分にもなれたかもしんないが、
つい最近まで疎遠になっていた幼馴染みと
いきなり近しい関係になると何か気後れするっつうか…
この気持ちわかんねぇかな?

「?どうかしましたか?急に黙って…」

「ん?あぁ、こうやってオマエと二人暮らしする事になるなんて、
ちょっと前までの俺なら考えもしなかったんだろうなぁって・・・」

「ふふっ、そうですね。何せ数日前に恋人同士となったのですから♪」

「そっから次の日にゃ同棲だもんな…何かポンポン進み過ぎて怖くなってる位だよ;」

「?、なぜ怖いんですか?」

「ん〜、何つうかあんまりにも早すぎて夢なんじゃないかって思ってさ;
いや、夢じゃないことはわかってはいるぞ?でもなんだかさ…」

「・・・ではもっと関係を深めれば実感が湧くのではないでしょうか?」

「・・・深める?」

「はい!もう少し先でもいいかなと思いましたが、それを聞いては
悠長に構えていられません、今日は同衾いたしましょう!」

えっえぇえぇ!?;『どうきん(漢字忘れた;)』ってアレだよな!?
それを麗から誘ってきてるって・・・おいおい、流石にこれは夢じゃないか?;

「どうきんってオマエ…;ああでもアレって、
ただ一緒に寝るっていう意味もあるんだったか?;」

「それもありますが私はそちらの意味のつもりで言ってはいません・・・」

「え;ってことはそういうコトでいいの?」

「そ、そうですよ?関係を深めると言ったのですからそういうコトですよ?(赤)」

「いやでも、麗エンジェルだろ?みだらなとかハレンチなとか思ったりは…」

「姿はそうですけど、属で見れば私もサキュバスですよ?
だ、だから、これ位で抵抗なんて、か、感じてませんよ…(真っ赤)」もぞもぞ

いやいや口ではそう言っておられますが麗さん、目がそれてるし顔真っ赤だしで、
完全に恥ずかしがってんじゃん;無理してるであろうが見てわかるよ;

「いやいいよ、そんな…;さっきの言葉を気にしての事だったら大丈夫だって;」

「もしかして…私と寝るのは、嫌なんですか?」しゅん…

「いやいやいや;そうじゃなくて…」

そういう顔をされるとどう言えば良いか;
いやもちろんイヤなわけじゃないが、
こんなとんとん拍子で進んで良いのかって思いもあるわけで。
…それにしたってわたわたし過ぎだろうな俺;
普段女の子と話していた時はこうはならんってのに…

…これ以上うじうじするのは良くないな。
麗が俺のために顔真っ赤にしてまで言ってくれてるんだ、
俺だってやってやろうじゃないか!

「・・・分かった、一緒に寝よう!でもその前にお風呂入ろう!」

「!、一緒にですか!?」

「え、それは・・・良いのか?;流石に恥ずかしいんじゃ…」

「そんな事言っていたらその後が出来ませんよ、もう一思いにいきましょう!」フンス!

本人が良いというのならば、良いんだろう…
こっちもやってやると決めたんだ、この際思いっきり堪能しよう。
しっかしどうきんといい混浴といいホントに急展開が過ぎるな…
・・・俺明日死ぬんじゃないのか?;



〜入浴後〜

入浴シーンはどうしたって?何だかんだ言ってやっぱ恥ずかしかったんだろうな…
成長期ならではの見事なヌードではなく、
翼を活かした見事なガードを見させてもらったよ。
いやマジすごかったよ;ぱっと見タオル巻いたみたいだったよ。
…つっても『隠したい部分だけ隠しました』って感じでもあったから
これはこれで、てなモンだったけど。
んでもってそっから麗より早く着替え終えたんで、
俺は今自分の布団を敷いている真っ最中だ。
入浴中どっちの寝具で寝ようかって話をして麗の方はベッドだから
二人入るには少し小さいし壊れたりでもしたら大変だって事で
俺の方のでという事に決まった。俺の方も広いわけじゃないが
布団である分あれこれ不便は無いだろう。
とかあれこれ思い返している内に敷く作業は終わった。後は麗が来るのを待つだけだ。
やっぱりというか女の子の着替えって時間かかるんだなぁ…
翼のある麗は見るからに大変そうだった。
ホントは手伝いたかったんだけど、恥ずかしがってやらせてもらえなかった。
(さっきはあんなこと言っていたクセにあんな所で顔赤くしてんだもんなぁ…たまらんわ♪)
なんて思っていたら、麗がパジャマ姿で部屋に戻ってきた。

「お、お待たせしました…(照)」

「お、おう…」

同棲を始めてもう何度か見たはずなんだが、
あんな事言われた後だからか改めて見てみると思いのほか色っぽい…
最近まで見た事もなかったから未だ新鮮味があるっていうか…
ほこほこと湯気を立て火照った顔がすごくイイ・・・

「?、どうかしましたか?」

「ん?あぁえっと、ちょっと見とれてた♪」

「みっ!?;も、もう太一君ったら(赤)」

褒め言葉一つで可愛い反応を見せてくれる。
こんなんで赤くなっててこの先できるのかと心配にもなるが、
今更『やっぱりやめとくか?』なんて言うのは麗に失礼だろう…

パチンッ
「よっと…」ごそ
「んしょ、と…」もぞもぞ

電気を消し、お互い布団に入ってそのまま向かい合って…

「・・・」
「・・・」

それから・・・

「・・・」
「・・・」

それから・・・

「え〜〜っと〜〜;まず何しようか?;」
「そ、そうです、ねぇ…;」

うわぁグダッちゃってるよ;でもしゃあないじゃん;
こんな事お互い初めてなんだからさ。
さっきから心臓鳴りっ放しで耳ん中がうるせぇことこの上ない;
音でか過ぎて麗に聞こえてるんじゃねぇかってレベルだこれ;

(落ち着いて何から始めるか考えよう;キスからか?抱きしめるか?
ここはやっぱベタに手をつなぐからやってみて・・・)

「・・・太一君、すごく緊張していますね?」

「へっ!?あ、当たり前だろ?こんなこと初めてなんだから;
そういう麗だってどうなんだ?お前だってこういう事は初めてだろ?」

「…は、はい、私も太一君と今からすること考えているだけで・・・」

言いながら麗は自分の手を俺の手の方に重ねてきた。
そのまま手を繋いでくるかと思ったら、自分の身体の方へ俺の手を引いて…

ぽふっ
「むっむむ、胸の高鳴りが、と、止まらないんで、す、うぅうっ(真っ赤)」

そのまま自分の胸に押し当ててきたのだ!
パジャマ越しでも確かな麗の感触が伝わってきて、
ってそんな事を思っている場合じゃない!;
入浴中にも見せなかったレベルで顔がまっかっかになっている!;

「ちょっ、おい大丈夫か?;今までに見たことないくらい顔真っ赤じゃねぇか;」

「しっしし、心配なんていりません!;こ、この程度なぁんでもありまっせん!
た、太一君の、好きなように、すきな…ようにぃぃ・・・あうぅ」ばしゅうっ

やっぱり恥ずかしかったのだろう、
蒸気機関車の様な吹き上げを見せ麗は目を回してしまった;
そのまま後頭部から床に倒れそうになったので俺は慌てて体を抱き留めた。

「うおぉっと;大丈夫か?やっぱり無理してたんじゃ…」

「う、うぅう〜…」ぐるぐる

これはしばらく気が付かなさそうだ;
こうなれば麗を元の寝具で寝かしつけるべきだろうか?

「いや、折角だから・・・」

せめて一緒に寝る位はしたいな、と思った俺は
麗を抱きしめる様にして改めて布団に一緒に入る。

「ゴメンな、気を使わせちまって・・・」

サラサラの金髪がキレイな頭を撫でながら俺は麗に話しかける。
今思えばバカなこと言っちまったな;『夢なんじゃないか』だなんて…
もしそうだったら一番イヤなのは麗だってのに・・・

「大丈夫だ、ちゃんと分かってる。おまえはちゃんと俺の傍にいる…
こんなに暖かく感じれるんだ、夢のワケがねぇさ…」

・・・なんて聞いていない時に言ったって意味ないよな;

「今度改めてちゃんと言わないとな・・・」
「・・・だ、大丈夫です、ちゃんと伝わりました。太一君の気持ち・・・」

「あ、ありゃ;気絶してたんじゃ;」

「流石にそこまでは;受け答える余裕がないくらい気が動転してしまっただけで…」

気を失ったかと思いきやちょっとしたパニックになってただけらしい。
聞いてないと思って言ってたもんだからちょっと恥ずかしいな;

「ごめんなさい、私から言い出したのにこんなことになって・・・」しゅん

「いや、元はといえば俺がオマエを不安にさせる様なこと
言ったからだ…もう一回言うけどごめんな?」

「太一君が謝ることなんてありませんよ;
不安に思って行動しようしたのも確かです、けど・・・」

「けど?」

「恋人同士になれて、こうして一緒に暮らせる様になって、
どんどん幸せに思えることが起こって、もっと太一君と幸せになりたいな
と思ってた時に太一君のあの言葉で良い機会なのかもとも思って・・・
でも想像以上に恥ずかしくなっちゃって;」

「そっか・・・」

「い、いえ、やっぱり今からでも仕切り直して;」かぁぁっ

「言いながら顔真っ赤になってんじゃん?無理すんなって。」

あれ程パニクってもなお再トライをしようとする麗を止める。
その心意気には嬉しい気持ちもあるんだけど
さっきばりのパニックぶりを繰り返しかねないし
そんなことになったら冗談抜きで麗が死にかねない;

「で、でも・・・」

「代わりといっちゃなんだが今日はこのまま一緒に寝てやるから、な?」

「・・・わかり、ました。ではせめてと言っては何ですが・・・」ごそ

言いながら体の向きをこちらへ回して来たかと思うと
俺の胸元へ体をさらに寄せそして翼の片方を俺の背中へ回してきた。
俺が麗を腕で抱き寄せているのに対し麗は俺を翼で包んで来たのだ。

「こ、これぐらいはさせて下さい(赤)」

「お、おぉ・・・」

こんな形で天使のほうようを体感することになるとは・・・
抱き寄せている子にさらに抱きしめられているとかすげえ不思議な感覚だな。
赤くなってる分体温が上がってるはずなんだけど
暑苦しいなんてことはなくむしろ心地良い暖かさっていうか
翼のふわふわ感も加わってマジですげぇ心地良い・・・
これはきっと良い夢が見れるに違いない、
では、目を閉じておやすみなさい







(困ったな…)
(困りましたね…)

(すっぽり囲う様に抱き締めてるから匂いとか感触とかも伝わってきて…)
(太一君の鼓動や体温を先ほど以上に感じて…)

(全っ然ねむれねぇ;)
(全く眠れませんっ;)

てなわけで落ち着いて眠れる様になったのは年越して数時間後の事だった。
23/01/09 00:08更新 / うたたねこっくりk
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