彼女が目を覚ました時、そこはフカフカとしたベッドの上だった。ただ足首に冷たく硬い感触を感じ、それが鎖で壁と繋がれた足枷であることを視認した。
　なせこんな事になっているのか、記憶を辿った。
（何でこんな事になってるのかしら…？　えっと………………）
「あぁあっ！あの人間ッ、よくも私をぉッ！」
　全てを思い出したセオナは思わず怒号を上げた。そしてベッドから起きあがり鎖を千切ろうとした。
「ソレ、無駄ト思ウヨ？」
「え？」

　後ろから突然声を掛けられ、セオナは驚いて振り向いた。そこには円柱の形の大きな水槽に入ったスライムと、その隣の同じ形の水槽に入ったバブルスライムがいた。
「新しく捕まってきた方でしょ？」
　少し片言で喋るのがスライム、流暢に喋るのがバブルスライムだ。
「あなた達は？」
「一モ、二モ、彼ニ捕マッタヨ」
「そう。あなたと同じようにここに連れてこられたのよ」
「二人もか？！」
　セオナは水槽に近寄った。
「ソノ鎖、絶対二切レナイ。彼、言ッテタヨ」
　とスライムは言った。
（そうか…あの椅子の枷と同じ物なのね…）

　セオナは次に水槽をマジマジと見た。
「この水槽もそうなのか？」
「そう。一応ガラスか何かみたいだけど、とても割れないの。私や１が水流になっても割れなかったから、あなたでも無理ね」
「１？」
「ええ、彼女の事よ。１は彼女の名前、私は２という名前よ」
「彼、私タチニ名前クレタヨ」
　１はニッコリと笑った。

　何かが違う、とセオナは思ったが、あえてそれで通すことにした。
「平気なのか、こんな所に閉じこめられて…？」
「平気ユウカ、トテモイイ。コーユーノ何テイウカ？」
「快適よ」
「ソウ！快適ネ」
　２の言った言葉を１が笑顔で繰り返した。
　セオナは驚いた。快適とはどういう事だろうか。

「どういう事だ？」
「この中は温度や湿度が一定で、たまに私には濁水、彼女には清水を入れてくれるの」
「そうなのか…」
　セオナは首を傾げた。
「アナタモ、ゴ飯アルヨ？」
　と１が指さしたテーブルの上においしそうな料理が置かれていた。
「ほんとね…」
　セオナはキョトンとした。
「そう言えばあなたの名前は？」
「え？あ、私はセオナよ」
「セ…オナ？彼ガ付ケタカ？」
「いいえ、親の付けた名前よ」
「ソウカ。私タチ、ココ来ルマデ名前ナカッタナ」
「そうなの…でもヴェノムには何かしらされたんでしょ？」
「ヴェノム？」
「ヴェノム、ダレカ？」
　予想だにしなかった反応だった。
「あいつのことだ、私たちを掴まえた…」
「彼、ヴェノムというの？」
「いや、本名じゃないらしいが……知らなかったのか？」
「初メテ聞イタヨ」
　どうやら二人にとっては彼は彼であり、二人の間では『彼』とはヴェノムの事をいうのだ。
　『彼』から『ヴェノム』になったところで、セオナは話を戻した。
「二人は何もされなかったのか？」
「ウウン、一杯サレタヨ。キモチヨカッタナ…」
　１はうっとりしてしまっている。一体何をされたのだろう。
「私もされたわ。気持ちいいだけではなかったけど、一番驚いたのは、私のガスが全く聞いていないのに衝撃を受けたわ」

　バブルスライムのガスと言えば、いわずと知れた即効性の毒ガスである。それが聞かないとはいやはや…
　セオナはますますヴェノムが人とは思えなくなってきた。
「まぁゴハンでもどうぞ。お腹空いてない？」
「いや、空いていないことはないが…何か入ってるかも…」
　当然の感想だ。盛るには最適、入っていないと思える方がおかしいはずだが。
「ヴェノム、実験ノ時以外、毒使ワナイヨ」
「そうなの？」
「ええ、そうよ」
「ヴェノム、言ッテタヨ。毒使ウ時、スゴイ疲レル。ソレニ『キロク』ト『ショチ』ガ出来ナイトダメダカラッテ」
「そうか…」
　セオナはそれを聞いたことと、空腹感を憶えたためにそこに用意された食事に手を付けた。


　食事を食べ終わってしばらくした時に、彼が部屋にやってきた。
「食事は取った様だな…」
「ヴェノム、名前ヴェノムダッタカ。知ラナカッタナ」
「なに…？」
「あなた、名前を教えてくれなかったでしょ？」
「なんだ…イチもニもそんな物を知る必要はなかっただろう。それより、おい、セオナ。『仕事』だ」
　ヴェノムはベッドに座っていたセオナを向いて言った。セオナは眉間に皺を寄せた。
「…嫌よ」
「…何を勘違いしている？」
「え？」
「お前に、拒否を含めた意思選択などここにはない。今のは、ただの報告であって、お前の意思を確認する事ではない。お前が拒否しようが、俺はお前を連れて行く」
「なんだとッ」
　そう怒鳴った瞬間、彼女は異常を感じた。

（…視界が……意識も………）
　彼女はベッドの上に倒れ込んだ。
　ヴェノムは意識のない彼女の足枷を外して担ぎ上げた。
「今日はどの毒なのかしら？」
「さぁな…ヒッヒ…」
　黒い笑みを浮かべながら、ヴェノムは部屋を出ていった。その笑みはとても楽しげだった。



　少し肌寒いと思える空間でセオナは目を覚ました。
　まだ多少体に怠さを残すが、頭はもう覚めきっていた。
「またか…」
　とセオナは呟いた。
　その原因はあの椅子意外になかった。手首と足首を固定している忌々しい枷は以前同様がっちりとセオナを捉えて離さない。
「ふぅん…やっとお目覚めかぁ」
　ヴェノムは白衣を纏った姿で椅子に座っていた。その目はセオナを蔑むように見つめ、表情は退屈そうだ。
　セオナは彼を睨みながら、静かな口調で訊いた。
「ヴェノム…何をしたのよ？」
「さぁな…」
　だがヴェノムはそうはぶらかす様に、蔑むように見つめていた目線を逸らせ、退屈そうな表情のまま何も話そうとはしなかった。
　この目の前に居る男が気にくわなかったのは今に始まったことではないが、やはり気にくわないとセオナは思った。
（この私を見下すなんて…あいつ…絶対にいつか…）
　ギシッと歯を噛み締めて、セオナは憎悪を燃やした。
「さてっ…！」
　ヴェノムは退屈そうだった表情を一変させ、セオナに笑顔を向けた。そして立ち上がり、一歩ずつ、リズミカルにセオナに近づいていった。
　そしてグイッと以前のように顔を近づけ、ニッと笑った。
「今日は、口からがいい？それとも下の口からかァ？」
　ヴェノムは黒い笑みを浮かべながらセオナに迫った。
「どっちからもお断りよッ…ぷっ」
　セオナは自分を嘗めきったその態度を含め、ヴェノムの全てが気に入らず、彼の案外整った顔に唾を吐きかけた。
「………。ふふ…嫌いじゃないゾ、そう言う態度は」
「んぐッ！？」
　ヴェノムはセオナの顎を持って無理矢理に舌を彼女の口内へねじ込み、唾液を流し込んだ。
「はぁあぁ…注入完了だ…」
「貴様ッ…」
「ヒヒヒ…俺の顔に唾を吐き捨てたお前が、どんな風に崩れていくのか…見物だな」
「この下衆がッ」
　セオナは目つきを険しくして、ヴェノムを罵倒した。
　しかし彼は何かを思いだしたように、「おっと」と言って後ろを振り返った。
「まだ準備の途中だったナ」
　ヴェノムはそう言って椅子に座って、色々いじり始めた。
　そして時は流れ、もう二十分は経っただろう。しかし、依然としてセオナは変化を自覚できなかった。
　セオナは思った。毒は効果を発揮できなかったのではないか、ヴェノムは失敗したのではないか、と。
　だがそんなことは思い違いも甚だしかったということを、この後思い知るのである。

　ヴェノムはスイッチを押し、以前の時のように分娩台の様な形に椅子を変形させた。
　セオナは吃驚して思わず声を挙げた。
「うわっ！？」
　その声の所為なのか、恰好の所為なのか、彼女は顔を赤くした。
　ヴェノムはセオナに近づき、ニヤリと笑みを浮かべた。セオナはその笑顔に一瞬恐怖を憶えた。
　彼は手を彼女の秘部へ伸ばした。そして、筋を肛門の方から先に向かってなぞった。
「あっ」
「ヒヒヒ…なかなか良い反応をするナァ？」
「う、うるさいッ」
　セオナは顔を背けた。しかしすぐに来た快感に体をビクリと震わせた。
「あンッ」
　彼女の秘部はしっとりと濡れだし、やがて指がなめらかに秘部をなぞるようになっていった。
　堪えてはいるが、時折、いいポイントに触れた時には艶やかな声を挙げていた。
「ンッ………ゥアッ………ンフゥ………アッ……」
　ガマンしているとは言っても、文字通りガマンしているだけ。忌々しい男の手によって秘部からもたらされる快感は、確実に彼女に興奮と快楽を与えていた。
　だんだんとセオナの口から漏れる声が多くなりつつあることに、ヴェノムが気づいていないことはない。
　彼は見計らって指を穴に入れた。
「あァンッ！」
　セオナから今までで一番淫らで大きな声が漏れた。
　ヴェノムは指を鉤爪の様に曲げ、膣の腹側を強めに押しながら場所をゆっくりと移動させた。
　何かを探すように動いている間も、当然、彼女の体に快感を走らせる。確かにその快感だけでも、セオナは淫靡な声を発していた。
　しかし、ヴェノムはそれでは不満だった。
　丁度、彼の指が彼女の膣の１２時の位置で子宮口のすぐ手前に来た時、セオナの体が激しく動いた。
「ひゃゥンッ!!」
　ヴェノムは一瞬口角を上げ、その場所を激しく責め始めた。
「アゥッ、あンッ、あンッ、アッ、あンッ―」
　声を抑えられないほどの快感を起こすそのポイント、俗に言うＧスポットというものだ。
　その場所を執拗に責め立てられ、彼女の絶頂は目の前だった。
（イくッ、イっちゃうッッ―）
　セオナはその大きな快楽の波を受け入れようとした。少しの不安と大きな期待を持って、それを求めた。
「…ふぇっ？！」
　彼女は絶頂を求めて閉じていた目をパッと見開いた。
　その姿を見た瞬間、ヴェノムはニヤッと笑った。
「ヒヒヒ…成功らしい」
「えっ？それってどういう…あンッ！」
　何がどう成功したのか、それを訊こうとした瞬間、セオナはまたＧスポットからの快楽の流れに曝された。
「うァンッ、アゥッ、あァンッ、やァッ―」
　先ほどよりも早く絶頂がセオナに迫っていた。先ほどの愛撫で敏感になった体では当然と言えた。
「イく、イくぅッ―！」
　またやって来た波。
　それを受け入れようとした時、突如として波は引いてしまった。
「ハァッ、ハァッ、なんで…どうして…？」
　荒い息のまま、セオナはそう疑問を投げかけていた。
　別にそれはヴェノムに対して投げかけたわけではなかったが、そう問わずにはいられなかった。
「この毒は…」
　とヴェノムは話し始めた。
「この毒は、アドレナリン及びドーパミンが一定濃度に達すると、括約筋、子宮、膣奥付近への電気信号の送信と、それらからの感覚信号の受信を阻害する。これがどういう事か分かるか？」
　まだ息の荒いまま、セオナは話を聞いていた。
「…どういう、ことよ…」
「快感を覚える時、生物はアドレナリンやドーパミンを分泌する。魔物も然りだ。また括約筋、子宮、膣奥などを刺激、そしてそれらが規則的に収縮運動をすることで、絶頂、すなわちオーガズムに達する。この毒はそれらを阻害する。つまり………お前は毒の効果が切れるまでイくことができない」
「なッ―」
　そう言うことだったのか、とセオナは思った。
「ァンッ―！」
　また急にヴェノムの指が愛撫を始めた。
「やンッ、あンッ、あッ、やァッ―」
　先ほどとは違い、陰核も刺激して、激しい快感が襲ってくる。体のあちこちの筋肉が躍動し、体が無意識のうちに悶えている。
　セオナは頭の中が白く霞んで来るのを感じた。そしてその中で絶頂が迫ってくるのを感じていた。
「イくッ、イくッ、イくぅーッ！」
　堪らずに叫び声を上げ、絶頂を迎えようとする。
　しかし、今それが叶うことはない。どれだけ願おうと、どれだけ求めようと、ヴェノムの毒は確かにその効果を現していた。



　既に実験が始まって一時間が過ぎようとしていた。
　何度も何度もセオナの体に快楽の波が押し迫ったが、毒という堤防がどれだけ大きな波であっても完全に防ぎきってしまっていた。
　実験室には彼女の喘ぎ声だけでなく、泣き声も満ちていた。
「あンッ…うぐッ…ぐすッ…はぅ…うァンッ…やだぁ…」
　今のセオナにもう本来のダークエルフの面影を見ることは出来ず、ただすすり泣く子供のような姿だった。
　目からは涙がボロボロと零れ、体のあちこちが快楽を求め痙攣していた。
「もうやだぁ…イかせてよぉ…」
「そう言われてもナ、どれだけ責めようが絶対に行くことは出来ない。もっと苦しくなるだけダ、ヒッヒ」
　今のセオナの頭の中には、もう絶頂を求めることしかなかった。
　ヴェノムは責めを強めた。
「やァンッ、アッ、あンッ、あぁンッ、イッ、くぅッ、イクぅッ、イッ――、ッハァッ、ハァ、ハァ…うぅゥッ…イかせてよぉ、うぅッ、うぅぅ…」
　どれだけ愛撫されようが、敏感な場所を責められようが、苦しみが増すだけ。それを分かっていても、自分には拒んでヴェノムを突き放すことは出来ない。
　それに体は絶頂の波が忽然と引くたびに、次の責めを求めていた。
「まぁ安心しろ、そろそろ切れる頃だ」
「あンッ、あンッッ、ほんッ、とに、あンッ」
　セオナは一瞬嬉しそうな顔をした。だがヴェノムはまた黒い笑みを浮かべて言った。
「ああ、まぁその後に『本当の効果』があるんだがナ…」
「え？あンッ、あァンッ、あンッ、イく、イく、イく、イくぅッ!!　イッ――」
　彼女の下腹部と膣が激しくビク、ビク、と収縮した。毒の効果が切れたのだ。
　セオナは声にならない声を出し、恍惚の表情を浮かべながら体を激しく震わせてやっと訪れた絶頂に溺れた。
　しかし、いつもと違ったのはここからだ。
「くァッ―――あぁぁァンッ、やぁぁ―――」
　セオナの体から一向にオーガズムの波が引いていかないのだ。それどころか、頂上のまま弱まる気配すらない。
　体は魚のように跳ね動き、大きな喘ぎ声が止まらない。ちなみに、今ヴェノムは一切手を触れていない。
「どうだ？お前があんなに求めていた絶頂だ。存分に楽しむことだナ」
　ヴェノムはそう言うと、椅子に座って机の上の紙に記録を取り始めた。
「あァ―アァァッ―やァッ―」
　セオナの体から汗が噴き出し、秘部からは果てしなく愛液が垂れ流され、時折勢いよく尿道から、尿ではない液体が噴出された。

「止めれぇぇッ―死んじゃうッ―――あァ――ッッッ！」
　意識が薄れて来るのをセオナは感じた。視界が白く光に満たされたようになり、もう何も見えない。
　そして下腹部の収縮のために、セオナは大便を漏らしてしまった。
「ん？あ〜、そうか…まぁそうなるか…今度からはあらかじめ出しておく必要があるか…」
　ヴェノムはその光景を見て、そう言った。
　その後３０分間、セオナは辛うじて失神することなく、絶頂し続けた。
「ハァ…ハァ…、ングッ…ハァ…ハァ…」
　息は当然荒く、時折唾を飲み込みながら呼吸した。体に力はこもっておらず、ぐったりとしていた。
「どうだった？感想は？」
「…ぁ……ぅ…」
　疲労しているために、セオナはまともに話すことは出来ないようだった。


　ヴェノムは机の上のボタンを押し、椅子の形に戻し枷を外した。セオナが逃げたり襲ってきたりすることはないということが明らかだったからだ。
　ぐったりして片方の肘掛けに寄りかかるように座っているセオナを抱きかかえ、ヴェノムは振り返った。
　と、その時、脱力して抱えられていたセオナがすすり泣き始めた。
「…なんだ？」
「…もう…最悪……私が弄ばれるなんて………死にたい…」
　ダークエルフとしてのプライドを悉く崩され、自分たちの性奴隷となるはずの男に良いようにされているのが、セオナには許せなかった。逃げることは叶わず、襲うことも叶わず、残されたのは死だと、彼女は思っていた。
「くそぉ…もう舌噛みきって…」
　とセオナが呟いた時、ヴェノムが机の上にセオナを押し倒した。
「きゃっ…？！なにを…うぐっ…」
　セオナの口をヴェノムが掴んだ。
「まだ分かってないようだナ。お前は俺が所有している、貴様の権利は死すら俺が握ってんだよ、セオナ…」
　セオナは名前を呼ばれた瞬間、鼓動が大きくなった様な気がした。
「お前は黙って俺に飼われていれば良いんだ、ヒッヒ」
　ヴェノムはそう言うと、セオナを荷のように肩に担ぎ、部屋を出た。

　セオナは意識を保ったまま運ばれた。疲労で体に力があまり入らないが動かない訳ではない。
　ならどうして抵抗しなかったかと言えば、初めて見るこの空間の景色が新鮮だった事と、どうせ逃げられないという諦めからだった。
　機械音がして扉が開くと、ヴェノムはセオナを担いでそこに入っていた。
「ここは…？」
「バスルームだ」
　ヴェノムはセオナを大きな浴槽に下ろし、シャワーから水を出し暖かくなるのを待ってセオナに掛けた。
「わっ―」
　セオナの体と髪を濡らしお湯を止めて、ヴェノムはスポンジを取り石けんを付けた。
「おい」
「…なに？んぐ…」
　ヴェノムはセオナにキスをし、毒を注いだ。
「な、に…」
「麻痺毒だ。意識はあるが、体の自由が利かないようになる。暴れられても面倒だからナ」
　そういうとヴェノムはスポンジでセオナの体を擦り始めた。
　首、背中、腕、腋と手際よく洗っていった。
（ん…くすぐった…）
　ヴェノムはシャワーを取り、セオナを縁にもたれ掛からせて足を開かせた。そして粘液の付いた秘部と汚物の付いた肛門にシャワーを掛けながらスポンジで洗った。
「ん…あっ…」
　また感じているのか、声が漏れている。
　だがヴェノムは気にも留めていない様子で体を洗い終わった。そしてバスタオルで体を拭き、別の乾いたバスタオルをセオナの体に巻き、今度はお姫様だっこして彼女のいた部屋に運んだ。

　ベッドに寝かせると、用意してあってインナーを着せて足枷を付けた。
「まぁゆっくり休むこったナ」
　ヴェノムはそれだけ言うと部屋を出ていった。
　それからセオナが眠るまではそれほど掛からなかった。

■作者メッセージ
まぁベタな案ですね。
でもこれがホントにやるとキツいでしょうね。被験体の方にとっては。