「龍瞳…龍瞳ぉーーっ！」

　今頃は家で暖かい魅月尾の点てた茶を飲んでいるはずだった―
　本当なら、赤い飛沫が舞うところなど目の当たりにはしなかった―
　しかしこれが現実だった。龍瞳の命の火が消えかかっていることが、変えようのない事実だった―




　魅月尾の目の前には、血を大量に流して龍瞳が倒れている。そして、彼女には…いや、彼女にも銃口が向けられていた。
　その銃を向けている男の指が再び引き金を引こうとする。
　龍瞳は激痛の中で再び立ち上がり、魅月尾の前に立ち塞がった。

　無情にも放たれた銃弾が、二人の回りに着弾し龍瞳の両足の血肉を貫き、削ぎ食らった。
「…魅月尾…逃げろ…」
「龍瞳もっ、あなたも一緒にっ―」

　咄嗟に掴んだ手に、魅月尾は生暖かい液体の感触を覚えた。そして出かかっていた言葉が止まる。　
「だめだ、二人とも狙われて終わる…」

「でもっ…」
「幸いなことに精度は良くないらしい……森の中なら…逃げ切れる…」

「でもっ…でもぉっ…」

　龍瞳は魅月尾を突き飛ばし、銃の方を向いて札を取り出して引き金を持つ男に投げた。しかし、力無くその札は男と彼との中間にも届かずに落ちてしまう。

（あぁ…視界が………寒い…呼吸も上手くできない…
　僕はここで………魅月尾は…無事なのか………？）

　引き金がまた引かれようとしている。そして龍瞳の体が前に傾き、膝がカクンと折れた―

　その時だった。地に落ちたあの札を掴んで引き金を引こうとした男に直接誰かが貼り付け、動きを止めた。惜しくも数発の銃弾が放たれてしまったが、木の幹や森の土をえぐるだけに終わった。
　崩れかけた龍瞳の体を魅月尾が抱きかかえた。
「龍瞳っ、龍瞳ぉっ！」
「龍瞳っ、しっかりしろっ！」

　消えかけている意識の中、ぼんやりとその声が耳に入ってきた。

（魅月尾…無事なのか…それに…この声は………）

　やがて龍瞳の意識は表から離れ落ちていった。




　魅月尾の部屋の隣の部屋に、龍瞳は寝かされている。衣服は籠の中に無造作に入れられ、十以上の穴が空き血が染み込んで黒ずんでいた。
　魅月尾の部屋には、魅月尾と幟狼、乎弥が静かに、しかし落ち着き無く座っていた。
　龍瞳は幟狼によってあの後この屋敷まで運ばれた。男の動きを止めたのも彼だった。

　あの場で幟狼と魅月尾、遅れて到着した乎弥は龍瞳の比較的出血の多い傷口を布きれなどで塞ぎ、他の傷口を手で直接押さえて止血した。そして幟狼は知り合いの医者はいないのかと訊き、魅月尾は思考を巡らせた。
「町に、鹿臥槌(カガツチ)というお医者様がいますっ。彼なら…」
「鹿臥槌、だな？
　乎弥っ」

「はいっ！」

　乎弥は町まで鹿臥槌を呼びに行き、幟狼は龍瞳を屋敷へと運び込んだのだ。

　襖の開く音がして隣の部屋から白衣を着た鹿臥槌が移ってきた。
「鹿臥槌様、龍瞳はっ…？」

　魅月尾は立ち上がり、祈るような顔で鹿臥槌に訊ねた。
「出血はもう無い。脈拍も呼吸も今は正常だ、本当に今の彼の能力値でなければとうの昔に死んでいる…」

　彼は白衣を脱いで椅子に座り、用意されていたお茶を一気に飲み干した。
「…ゴク……あぁ。
　弾が全部貫通してくれてたのが、結果的にいい方に転がったんだ…。あの状態から弾を取り出す手術をしなければならないとなると、困難を極めてた。
　それに新陳代謝、血液の生産まで上がっているとは思わなかったよ…。輸血が必要だったら間に合ってなかったところだ。
　治療魔法で傷口の治癒速度の補助もしてるけど、早くても半月はかかる。あとは意識の回復を待つだけだけど、こっちも早くて一週間は眠ったままじゃないかと思うよ」

「そうですか…
　…でも、二人はどうしてこっちに？」
「途中まで仲間が向かいに来てくれててな。突然血の臭いがするって言うから、胸騒ぎがして戻ってきたんだ」
「そう…ありがとう、幟狼、乎弥ちゃん…」

「お礼なんて。当然ですよ…大事な仲間ですから…お二人は」
「ああ。狼は、仲間意識が強いんでな…」

　魅月尾は二人の言葉が嬉しくて、思わず涙を零した。そして、彼女が落ち着くと見るや幟狼の顔は険しくなった。
「あいつらの使ってた武器…どう見たって最新のやつだ。それもおいそれと手にはいるような品物じゃない、龍瞳をやったやつは特にな…」
「今、仲間に調べてもらってます」

「ええ、そして調べがつきましたよ」

　戸を開けて部屋に入ってきたのは晶考(シャウコウ)とボルトスだった。
「お久しぶりです、魅月尾さん」
「色々大変みてぇだな？まぁ貸せるとこは力貸してやるから任しときな」

　晶考も頷いて笑顔を向けた。
「…ありがとう、二人とも」

　魅月尾は笑顔を返して答えた。

「で、どうだった？」

「報告によれば、まず小銃は同型の武器がビル＝ヘアフォード伯爵が領主となっているヘアフォード領の銃士隊に装備させるものだった様です。しかし、装弾数の少なさ、他幾つかの欠点とヘアフォード伯爵の命令で廃棄されています。おそらく、それを何らかのルートで入手したものだと考えます。

　そして次に大型の銃の方ですが、あれは『１０ミリ口径多銃身式機関砲』と呼ばれるものです。連射速度と発射される弾速が速く、威力も強力で一見戦闘に置いては推奨できる様に見えます。
　が、一定数連続してうち続けると、摩擦熱などの作用で部品の欠損、または回転速度の加速で弾詰まりなどが起こりやすくなるため、二十発から四十発の間で一旦発砲をやめる必要があり、命中精度も高くないという欠点もあります」

「そいつの入手ルートは？」

「牽制用などとして、西洋で所持している国は決して少なくはありません。最近ではこちらにもたびたび正規で流れてきているので、特定には至っていません」

「そうか…」

「ボス、俺ぁ此処に暫く止まらせてもらうぜ？龍瞳があの状態じゃ、今狙われると危ねぇだろ？」
「そうだな…ボルトス、そうしてやってくれ」

　ボルトスがここに残ることに決定し、日も沈み掛けているのでそれぞれ帰ることになった。
「じゃあ、龍瞳に何かあったらすぐに知らせてくれ。まぁ大丈夫だとは思うが」
「はい、何かあればすぐに…」

「俺たちも仲間のとこに戻る。ボルトスは置いてくから好きに使ってやってくれ、力仕事とか力仕事とか雑用とか雑用で」

「あのねぇボス…」

「うふふ…ありがとう、また助けてもらって…」
「いいんだよ、前は俺が助けてもらったし…まぁあいつが起きたら『一つ借りな』って言っといてくれ」
「ええ」

　鹿臥槌と幟狼ら三人は屋敷を出ていって、ボルトスは部屋を出ようとした。
「ちょっと、外の様子見てくる。結界は少し強めに張っといた方がいい」
「ええ」
　ボルトスは部屋を出て、玄関から庭に回ったようだった。

　魅月尾も部屋を出ると隣の龍瞳の寝ている部屋に入った。掛け布団から出ている両腕は、前腕が包帯でグルグルと巻かれていた。しかし、彼の見えていない部分にはもっと多くの包帯が巻かれていることを推測するのは、彼女にとっては息をするに等しく容易かった。
　包帯には魔力の宿った文字で術式がかかれていた。これがおそらく鹿臥槌の言っていた治療魔法なのだろう。

　魅月尾は彼の傍らに座り、そっと額を撫でた。
（龍瞳………
　あなたは私を守るためにこんな傷を負って…人を殺す覚悟までして…
　あなただけが傷ついていく…私は…なにも………）
「龍瞳…」

「前に行くのも、後ろにいるのも龍ちゃんだけってことよ…」

　脳裏に浮かんだのは、この前の翠蓮の言葉だった。
「前に行くのも…後ろにいるのも…」
　あのときは分からなかった言葉の意味が、今ははっきりと分かった。

「魅月尾〜？」
　外からボルトスの声がして、この部屋に入ってきた。
「なんだ、ここにいたのか。庭にこんなもんが落ちてたぜ？」
「あ、それ…」
　そこにあったのは龍瞳が式神に持たせて飛ばした彼の荷物だった。式神は無事に此処へとたどり着き、荷物を置いて巻物へと戻ったようだった。
「…そこの隅に置いておいてください」
「こりゃ何なんだ？」
「龍瞳の荷物よ。彼、今日から一緒に住むつもりだったから…」
「………」

　ボルトスは黙って荷物を部屋の隅に置き、魅月尾の隣に胡座(あぐら)をかいた。
「…龍瞳はよ、ウチのボスと似たところがあるんだと思う」
「幟狼と？」
「ああ。ボスはよ、体を張って俺たちを…仲間を守ってくれんだ。
　だからこいつも、あんたを体を張って守ろうとしてんだと思う。けどよ…」
「けど？」

　ボルトスは一拍溜めてこう言った。
「なんだかこいつぁ、生き急いでる感じがすんだ。
　確かにボスも『危ない時は自分の身を守れ、俺が死にかけてても危なかったら逃げろ』ってなことは言ってるけどよ、そんなときでもなるべく自分にも被害を少なくしようとする」

「言いたいこと、分かるわ…」
「…そうか。
　悪ぃな、つまんねぇ話しちまった」
「そんなこと…
　ありがとう、ここに残ってくれて…」
「いいんだよ、確かにボスと乎弥は借り、返してるかもしんねぇけど、俺も他の奴らもまだなんでな」
　ポルトスはそう言ってまた外に出ていった。




　柔らかな光を感じて、彼は目を開けた。体を起こして回りを見ようとするが、すぐに痛みを覚え体を起こすのをやめた。
　仕方なく寝たままの体勢で回りを見られる範囲で見回した。
　障子、天井、白い壁、襖、そして…包帯。
　腕を持ち上げてみると、肘から先は包帯で巻かれている。誰かいないか呼ぼうとするが、思ったように声が出ない。

（僕は…どうして…）
　そんな疑問を自分に投げかけると、記憶の棚からすぐに答えは返ってきた。
（あっ…そうだ………僕は撃たれて…
　じゃあここは…やっぱり魅月尾の…）

　襖が開いて、金色の髪と尾が目に入った。
「みづ…きお…」

　彼はやっと声を出すことができた。
「龍瞳…」

　魅月尾は一瞬驚いたような顔をして、すぐに平然を装って襖を閉めて龍瞳に近寄って傍らに座った。
「僕は…どのくらい…」
「三日よ…鹿臥槌さんは『一週間は目覚めない』って言ってたけど…」
「…そうか…鹿臥槌が…
　魅月尾は大丈夫だったか…？」
「ええ。幟狼が来てくれたから…幟狼が『借し一つな』って」
「そっか…」

　二人は二、三秒の間言葉を交わさなかった。だが、やがて魅月尾が意を決したように口を開いた。
「龍瞳…」
「…何？」

「…なんで…なんでそんなに傷だらけになってるの…」

「え？」
「守ってくれてるのは分かってる…でも、自分を犠牲にしすぎてる…」
「………」
「翠蓮さんがね、『前に行くのも、後ろにいるのも龍瞳だけ』って、そういってた………意味、わかる？」

　龍瞳は黙り込んでしまった。
　魅月尾の声は震えていた。
「一番前で傷ついてしまうのも、一番後ろで襲われるのもあなた。あなただけが傷ついているって事…
　確かに…それで私も、翠蓮さんも瑚湖ちゃんも守られてきた…でもその度にあなたが傷ついて、死にかけて…
　傷ついてるのっ…私も、私たちもっ…！」
「魅月尾…」

　膝の上に握った拳、その手の甲に涙がこぼれ落ちた。
「翠蓮さんが魔術師になるために、いきなり出ていったのはどうしてか…あなたが翠蓮さんを守るために犠牲になって傷つくのがいやだったからよっ…！
　今度だって、あなたが撃たれるのを目の前で見て…目の前で血を流して…死んじゃうかもしれないって…不安だったの…すごく怖かった………
　龍瞳に守ってもらいたくない訳じゃない…でも今までみたいに、自分だけ犠牲にするのはやめて…自分を投げ出すのはやめて…
　守りたいのは私たちも一緒…あなたにも傷ついて欲しくないとみんな思ってるの…」

　龍瞳はそっと彼女の手に自分の手を重ね、魅月尾はその手を握り返した。強く、強く。
「きっと…きっとあなたが死んだら私…耐えられないからっ……お願い……」

（父さんが言ってたのは…こう言うことだったんだ……
　僕は、俺は…本当に馬鹿だった………）

「魅月尾…僕は………俺は、きっと君を守ってみせる。俺も絶対に死なない…生きて、生きて愛して抜いてみせるっ…！」

　戒めの痛みの走る体で、龍瞳は魅月尾を抱き寄せて強く抱きしめた。
「…うぅっ…うわぁあぁあぁぁっ…あぁあぁぁっ…」
　魅月尾が安堵の泣き声を上げながら龍瞳を強く抱きしめた。

　龍瞳の頬を一筋の涙が伝っていた。




　落ち着いた魅月尾は龍瞳の体を優しく抱えて再び寝かせた。
「ごめんなさい…こんな体なのに…」
「気にするなよ」
「もう一度ゆっくり寝た方がいいわ。今はボルトスが居てくれるから、安心して大丈夫よ…」
「そうか、ボルトスが…わかった」

　龍瞳は目を閉じると吸い込まれるように眠ってしまった。魅月尾は安心して微笑みを浮かべ、その部屋から出た。
　外にはボルトスがいて、壁にもたれかかり腕組みをして笑みを浮かべていた。
「目ぇ…覚めたんだな？」
「ええ。
　薬をもらいに行くから、町まで付き合ってもらえるかしら？」
「ああ。でもこっちはどうすんだい？」
「大丈夫よ、『血髪結界』を張っていきますから」

　『血髪結界(ちはつけっかい)』とは自分の切った毛髪の束に自らの血を数滴垂らして染み込ませ、術式の書かれた板や紙の上に乗せて発動する結界の一種である。魔力の宿ると言われている毛髪と自らの生力と魔力を運ぶ血とをエネルギー源とし、自分がその結界の中にいなくともそれと同等の結界を張ることが出来るのである。
　魅月尾はすでにその行程を終了し、自室の卓上へ置いてあった。
　彼女は外着に着替えると、ボルトスを伴って町へ赴いたのだった。

「意識がもう回復してるなんて…驚いたよ」
「たぶん私の魔力の作用だと思うわ…」
「あ、はい薬。朝食と夕食の後に飲ませて。
　たぶんこの薬が要るのもほんの数日だろうけど…」
「ありがとうございます」

　魅月尾は薬を受け取ると、医院の建物を後にした。
　町を出るには龍瞳の借りていた借り家の近くを通る事になった。二人がそこを通りかかった時、魅月尾は龍瞳の家の戸を一人の老人がたたいていた。
「龍、龍っ、いねぇのか？」

「あの…」
「ん？」

「龍瞳様に何かご用ですか？」

　そこにいたのは肌の黒い、白髪の男性。体は筋骨隆々として、力強さを感じさせた。
「あんたら、龍の知り合いか？」
「はい。あなたは…？」
「おお、悪ぃな。俺は鋼ってんだ。龍の刀を作った刀匠だ」
「龍瞳様はいま私の家に居ます。訳あって今は怪我をしていて外には出られませんが…」
「あぁ、そうか…じゃあ、その怪我とかが直ったらすぐに儂のところに来るように言ってくれるか？」
「はい、わかりました」

　鋼はそう言って帰っていったようだった。


　二人は町を出て館に戻った。結界はちゃんと張られていたし、異常は見受けられなかった。
　ガチャっと戸を開けて、中に入った。

　ガタンッ

　音がしたので何事かと思い、二人は龍瞳の寝ているはずの部屋まで急いだ。
「龍瞳っ…！」

　思わず声を上げた魅月尾であったが、龍瞳に異変はなく布団の中で安静にして眠っていた。今の音は立てかけていた刀が倒れた音だったのだとすぐに分かった。
　魅月尾はその太刀を丁寧に持って立てかけようとした。異常がないかどうかを確かめた上で。魅月尾はそっと鞘から刀身を少し抜いた。
「えっ…！？」

　魅月尾が驚きの声を上げた理由。それは刀身の色にあった。
　もともと龍瞳の刀の刀身は他の刀と変わらない色だったはずだ。いや、そう以外なりようがない。
　しかし、今見ている刀身は黒。それもとても嫌な色味だった。
　禍々しさすら感じてしまう色。

「何…これ…
　…まさか、このことで…？」

「ん…魅月尾…？
　どうした？」
　龍瞳が目を覚ました。
「龍瞳…これ…」

　魅月尾は龍瞳にその刀身を見せた。
「…それは…！？」
「分からない…音がして来てみたら刀が倒れてて、中を確かめようとしてみてみたら…」
「…そうか…」
「あの、さっきまで薬をもらいに町まで行ってたの。
　帰りに鋼さんって方に会って…」
「鋼さんに？」
「ええ、来れるようになったら刀をすぐに持ってきてほしいって…」

　龍瞳は黒く汚れた刀身を見つめ、暫く考えている風だった。
「魅月尾、悪いけど持って行って来てもらえるか。貴太夫も一緒に…」
「脇差しも？
　いいわ、持って行く。どういう事か分かったら伝えるわ」
「頼む。…悪いな」
「いいえ、気にしないで」

　魅月尾はまたボルトスと共に町へ赴くのだった。






　そのころ、所変わって十六夜の銀狼のアジトでは。
「ボスッ、策科と接触のあった人物が分かりましたっ！」
　晶考は急いでいる様子で幟狼に伝えた。
「ホントかっ？！
　で、どいつらだ？！」
「それが…」
「なんだ、なにかあったのか？」
　晶考は真剣な顔をして、次のように続けた。
「ここに、接触したと思われる人物をリストしました。
　見てください…」
「………？！
　こりゃあ…どういうこった？」

「そう、リストした内の１５名が立て続けて………死亡してるんです…」

　名簿の名前の上には赤い十五本の線が引かれていた。

■作者メッセージ
またも続けてシリアス要素多し
今回のテーマは自分の信条を表したようなものです。


次も楽しみにしてて下さい。
楽しんで頂けたら幸いですが、今度からもうちょいエロ要素入れていきます。