4夜目(こーはん☆)
僕は吹き出しそうになるのをこらえつつ話を始めた。
「まず、最初に君は魔物娘に好かれないと言ったがそれは大きな間違いだ。」
彼はきょとんとした顔で反論を試みる。
「私がもし魔物娘に好かれるのであれば、避けられたりすることはないだろう?」
「そここそが間違いなんだよ。君は魔物娘から愛されているからこそ好かれないんだ。」
可愛らしい顔を訝しげな表情で彩りながらこっちを見てる、可愛い。ずっと見ていたいがここは我慢しよう。
「幾ら魔物娘の性格が十人十色だったとしても中には直情的な娘もいるはずだ、と言うか寧ろそちらのほうが多いはずなのに、どうして君が猫屋敷で働いた時に誰も、それこそ誰の一人も魔物娘が手を出さなかったのか?」
「だから、それは私が魔物娘に好かれな・・・・」
「魔物娘に好かれないのであればどうして受付のハーピー嬢や刑部狸の森永さんは君に普通に接していたのかな?」
「どうして、未婚の魔物娘だけがこぞって示し合わせたように君から距離を取るのかな?どうして稲荷山で出会った九尾は君の言葉を否定したのかな?」
「・・・・・・・・。」
「ごくごく単純、簡単、今日び小学生ですら一瞬でたどり着けるような明確なたった一つのシンプルな答えさ。既に君は魔物娘に愛されているんだよ。」
「そんなバカなことは無いだろう、私は・・・私は・・・」
「また自虐かい?違うだろう?君がしているのは最低最悪な行為だよ。薄々勘付いていたんじゃないか?でも怖い、自分が傷つくのが怖くて怖くて仕方が無いんだろう?関係性を壊すのが、今の距離が心地よくてたまらなくて仕方が無いんだろう?」
「・・・・・・。」
「君が欲しかったのはたった一つだ、僕からの最期の後一歩の後押し。たったこれだけの為にわざわざ僕の目に留まるように魔物娘についての小説が揃っている小説板に小説を書きこんだのだろう?」
「・・・・っ。」
「大丈夫、君は確かに相手の気持ちを踏みにじるような行為をした。だけれどもまだ十分に間に合うさ、幸い君のパートナーは本能に縛られずじっと・・・それこそ気が遠くなるくらい長い時間君を、君だけを想って今でも待っていてくれるのだから。」
「私は・・・きっと彼女を怒らせてしまったのだろうね。」
「ああ」
「私は・・・謝らないといけないのだろうね。」
「ああ」
「私は・・・」
「ここから先の言葉は僕じゃ無くて君のパートナーに伝えてあげるんだよ、さぁ隣の部屋でずっと耐えてきた彼女に伝えてくるんだね。」
「・・・・・すまない、そして有難う。」
ガチャリと扉が閉まる音を聞いて僕はほぅっとため息を一つついた。
「これでいいですか?大家さん?」
ドロリと壁に掛かった時計が紫紺のスライムへと変化する。
「ええ、上出来よ。依頼の完了については森永さんに伝えておくわね。」
「まいどー・・・はぁ、僕もそろそろパートナー欲しいんですけどね。」
「うふふ・・・私みたいに不特定の男の子を導くのも悪くは無いわよ?」
「僕はお嫁さんになりたいんですよ!・・・はぁ、どっかに良い男いないかなぁ・・」
僕は猫屋敷に所属する恋愛サポートエージェントの一人だ。今回の依頼はへたれな男の子と辛抱強すぎる女の子をくっつけてあげるのが目的だった。
はっきり言ってあの女の子の忍耐力が幾ら魔物娘として異常だとしても、かなり臭いが強くなっていたからそう遠くないうちに最終的には本能に負けて男の子を襲って、勝手にくっついていただろう。独身の子が襲わないでおこうって思うくらいには強い香りだったね。
ただ、それでは女の子の恋は報われないのだ。ここまで本能を抑えて育んだ彼女の恋心はせめて一点の曇りもない美しい、彼女の望む形で迎えさせてあげたい。だからこそ僕は依頼を受けてから大急ぎて色々手配を行ったんだ。
彼が稲荷山に行くことは知っていたから大急ぎで九尾の姉さんに連絡を取り、「僕」が現れた時に素直に僕の存在を受け入れるように少々の暗示と言葉に因る刷り込みを行う。それとついでに彼へのカマかけだね。
その後、アパートに帰ってぐったりしていた彼に大家さんがお酒をもって接触し小説を2夜目まで書き進めさせる。そしてその後僕が彼の前に颯爽と登場!(ここが3夜目からだね)暗示のお陰で僕を違和感なく受け入れた彼と小説の話に混ぜて実生活の話をしながら小説の執筆を続けさせる。
で、華々しくフィナーレ!!今も隣からギシアンが止まらないね!!僕ってば最高!隣は朝までフィーバー!!・・・悔しくないよ。
・・・・いやまぁね、小説最後まで書かせる必要あるの?とか穴だらけなんだけど、とか暗示万能すぎない?とかそもそもじゃあこの文は誰が書いてるの?とか色々突っ込みたいと思う。(因みにこの文章は僕が彼のPCをちょっくら拝借して書いてるよー)
でもね、日本には素晴らしき言葉があるじゃない?
「終わりよければ全て良し!」
・・・・あ、因みにカレシ募集中でっす☆僕ってば献身的に尽くしちゃうから、もうあんな事からこんな事までしちゃうよ?興味があったら、猫屋敷まで来てねー!!
(宣伝とカレシ募集までしちゃうなんて僕ってばやっぱり天才だなぁ、くふふ・・・)
「まず、最初に君は魔物娘に好かれないと言ったがそれは大きな間違いだ。」
彼はきょとんとした顔で反論を試みる。
「私がもし魔物娘に好かれるのであれば、避けられたりすることはないだろう?」
「そここそが間違いなんだよ。君は魔物娘から愛されているからこそ好かれないんだ。」
可愛らしい顔を訝しげな表情で彩りながらこっちを見てる、可愛い。ずっと見ていたいがここは我慢しよう。
「幾ら魔物娘の性格が十人十色だったとしても中には直情的な娘もいるはずだ、と言うか寧ろそちらのほうが多いはずなのに、どうして君が猫屋敷で働いた時に誰も、それこそ誰の一人も魔物娘が手を出さなかったのか?」
「だから、それは私が魔物娘に好かれな・・・・」
「魔物娘に好かれないのであればどうして受付のハーピー嬢や刑部狸の森永さんは君に普通に接していたのかな?」
「どうして、未婚の魔物娘だけがこぞって示し合わせたように君から距離を取るのかな?どうして稲荷山で出会った九尾は君の言葉を否定したのかな?」
「・・・・・・・・。」
「ごくごく単純、簡単、今日び小学生ですら一瞬でたどり着けるような明確なたった一つのシンプルな答えさ。既に君は魔物娘に愛されているんだよ。」
「そんなバカなことは無いだろう、私は・・・私は・・・」
「また自虐かい?違うだろう?君がしているのは最低最悪な行為だよ。薄々勘付いていたんじゃないか?でも怖い、自分が傷つくのが怖くて怖くて仕方が無いんだろう?関係性を壊すのが、今の距離が心地よくてたまらなくて仕方が無いんだろう?」
「・・・・・・。」
「君が欲しかったのはたった一つだ、僕からの最期の後一歩の後押し。たったこれだけの為にわざわざ僕の目に留まるように魔物娘についての小説が揃っている小説板に小説を書きこんだのだろう?」
「・・・・っ。」
「大丈夫、君は確かに相手の気持ちを踏みにじるような行為をした。だけれどもまだ十分に間に合うさ、幸い君のパートナーは本能に縛られずじっと・・・それこそ気が遠くなるくらい長い時間君を、君だけを想って今でも待っていてくれるのだから。」
「私は・・・きっと彼女を怒らせてしまったのだろうね。」
「ああ」
「私は・・・謝らないといけないのだろうね。」
「ああ」
「私は・・・」
「ここから先の言葉は僕じゃ無くて君のパートナーに伝えてあげるんだよ、さぁ隣の部屋でずっと耐えてきた彼女に伝えてくるんだね。」
「・・・・・すまない、そして有難う。」
ガチャリと扉が閉まる音を聞いて僕はほぅっとため息を一つついた。
「これでいいですか?大家さん?」
ドロリと壁に掛かった時計が紫紺のスライムへと変化する。
「ええ、上出来よ。依頼の完了については森永さんに伝えておくわね。」
「まいどー・・・はぁ、僕もそろそろパートナー欲しいんですけどね。」
「うふふ・・・私みたいに不特定の男の子を導くのも悪くは無いわよ?」
「僕はお嫁さんになりたいんですよ!・・・はぁ、どっかに良い男いないかなぁ・・」
僕は猫屋敷に所属する恋愛サポートエージェントの一人だ。今回の依頼はへたれな男の子と辛抱強すぎる女の子をくっつけてあげるのが目的だった。
はっきり言ってあの女の子の忍耐力が幾ら魔物娘として異常だとしても、かなり臭いが強くなっていたからそう遠くないうちに最終的には本能に負けて男の子を襲って、勝手にくっついていただろう。独身の子が襲わないでおこうって思うくらいには強い香りだったね。
ただ、それでは女の子の恋は報われないのだ。ここまで本能を抑えて育んだ彼女の恋心はせめて一点の曇りもない美しい、彼女の望む形で迎えさせてあげたい。だからこそ僕は依頼を受けてから大急ぎて色々手配を行ったんだ。
彼が稲荷山に行くことは知っていたから大急ぎで九尾の姉さんに連絡を取り、「僕」が現れた時に素直に僕の存在を受け入れるように少々の暗示と言葉に因る刷り込みを行う。それとついでに彼へのカマかけだね。
その後、アパートに帰ってぐったりしていた彼に大家さんがお酒をもって接触し小説を2夜目まで書き進めさせる。そしてその後僕が彼の前に颯爽と登場!(ここが3夜目からだね)暗示のお陰で僕を違和感なく受け入れた彼と小説の話に混ぜて実生活の話をしながら小説の執筆を続けさせる。
で、華々しくフィナーレ!!今も隣からギシアンが止まらないね!!僕ってば最高!隣は朝までフィーバー!!・・・悔しくないよ。
・・・・いやまぁね、小説最後まで書かせる必要あるの?とか穴だらけなんだけど、とか暗示万能すぎない?とかそもそもじゃあこの文は誰が書いてるの?とか色々突っ込みたいと思う。(因みにこの文章は僕が彼のPCをちょっくら拝借して書いてるよー)
でもね、日本には素晴らしき言葉があるじゃない?
「終わりよければ全て良し!」
・・・・あ、因みにカレシ募集中でっす☆僕ってば献身的に尽くしちゃうから、もうあんな事からこんな事までしちゃうよ?興味があったら、猫屋敷まで来てねー!!
(宣伝とカレシ募集までしちゃうなんて僕ってばやっぱり天才だなぁ、くふふ・・・)
18/07/13 21:59更新 / JPcat
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