3 検閲
ーーーそんな恐ろしいことが…
「はい…悔しいですが、あの時は自分の劣情を吐き出すのにいっぱいいっぱいで…」
被害者の涙。それは、この村の歪んだ婚姻関係を物語っていた。
ーーーしかし、なぜそのような野蛮な行為が明るみに出ないのでしょうか…
取材班はさらなる調査を試みる。
「まず、この村に連れてこられた人間が外界との接触を絶たれているということが大きいです。そして…」
ーーーそして…?
被害者はエルフたちのおぞましい計画的犯行を口にした。
「検閲と宣伝です。」
あれは確か、契約書を書かされてから数週間経った頃でした…
数週間経った、その間休みなどなく
常にセクハラとHの嵐。
しかし、彼女たちに嫌悪感を抱くどころか日を重ねる毎にその美貌に惹かれていく。
そんなある日
1人のエルフがやってきて
目の前にペンと便箋を置いた。
彼女の名前はべツィ
黒髪ロングと長身が特徴で
自分のことを「僕」と呼んでいる王子様系のエルフだ。
よくエルフに伝わるおとぎ話を聞かせてくれる。主にお姫様と王子様がどうたらこうたらみたいな…
「お義母さまへ手紙を書きたいだろうと思ってね。好きに使ってくれ。
これは…チャンスだ!
魔法暗号を使えば、助けを呼べる…
「あ、ありがとうございます…」
手を伸ばし、取ろうとすると
スっと紙が引いていった。
彼女は、満面の笑みのまま顔を近づけ耳元で囁く。
「その代わり…今日の夜伽の指名は…♡
誰にすればいいか分かってるね…?
この前の続き…今夜楽しもう…♡」
「ひ、ひゃい…♡」
急に近づかれては考える暇もない
すぐに交渉は決まる。
満足そうに口角を上げると
頬にキスを残し、彼女は去っていった。
「(暗号作戦がバレたかと思った…)」
その夜
今日の夜伽は誰かと食卓を囲みながら
言葉が飛び交う。
「お兄ちゃ〜ん…♡今日は私と寝よ?♡
聞いて欲しい話がいっぱいあってね…♡」
「あら、お子ちゃまは早くベッドに
行った方がいいんじゃないかしら?
今日はお姉ちゃんと一緒に寝よっか…♡」
「ちっ…年増女こそ早く寝れば?
シワが増えちゃいますよ〜」
「は…?」
半ば戦争のようなこの言い争いも
すっかり慣れたものだ…
いつもなら、当番順で決まるのだが…
「きょ、今日はベティさんで…」
自分から指名したことは1度もなかった。
そのため、みんな鳩が豆鉄砲をくらったように目を丸くする。ただ、1人を除いて…
「おや、僕かい…?♡
いいよ、ゆっくり''お話''しようか…♡」
昼の約束を知らなかったかのように
とぼけてみせるベティさん
少々臭い演技だ。
もちろん、みんなからは大ブーイングの嵐だったがベティさんは「弱者の僻みだね…」と一蹴して、取り合わない。
僕の肩を抱くと、そのまま部屋へと連れていかれた。
ベティさんの部屋はすごくいい匂いがする。お花の匂いだろうか?つい、うっとりとしてしまうそんな匂いだ…
弛緩した体をしっかりと抱きすくめ
ベッドへと僕を誘う。
その凛々しい顔は貴族を彷彿とさせるほど高貴で、美しい。
「ほら、座って…♡手紙はこれかい…?」
「は…はい…♡」
そうだ、本題はこれだった。
瞬時に現実へと引き戻された。
助けを呼ぶ手紙。
今日の本題はこれだ。これを届ければ、きっと助けが来る。
「あ…」
ベティさんは検閲をしているようだ…
だが、魔法暗号は何重にもかけた。
バレっこない。
「ふむふむ…へぇ…
助けてみんな、恐ろしいエルフに捕まっている…か…」
え…?どうして…
暗号は完璧だった…
知り得るはずのない本当の文章を彼女は読み上げていく。
「ふふ…♡可愛い魔法暗号だね…♡
人間が魔法に疎いというのは本当のようだ…♡」
渾身の魔法暗号はいとも簡単に見破られた。彼女曰く、この程度の暗号は小学生にも効かないらしい。
こうして、最後の望みも潰えた。
「書き直そうか…♡手伝ってあげよう…♡」
「い、いやだ…」
咄嗟に出た拒否の言葉。
瞬間的にこれはまずいと察知する。
ベティさんの表情は冷たくなっていく。
「へえ…」
逃げようとするも、既に遅い
肩を抱く手の力はさらに強く、
足は太ももに挟み込まれ拘束される
「今の君にピッタリのお話があるんだ…♡」
そうすると、唐突におとぎ話が始まった。
昔々、あるところにエルフのお姫様と人間のお婿さんがいました。
お姫様と婿は互いに愛し合っていましたが、悩みがありました。それは王子様が時々反抗的になってしてしまうことです。
そう、婿は人間の社会で悪霊をつけてしまったのです。姫はその度に深く傷つき、悲しみました。
ですが、姫は彼を見捨てたりしません。
夜伽を重ね、ついに悪霊を退治しました。
エルフの清廉さ、愛の力が勝ったのです。
そして2人は永遠の愛を手に入れ、末永く幸せに暮らしたそうです。
「僕の1番大好きなお話さ…
母親から聞かされて、僕もきっとこういう風にお婿さんを救ってみせると決めたんだ…♡」
息は荒く、目にははっきりとハートが浮かんでいる。
「今から君を朝まで抱き潰す…♡
本気で抱き潰して、僕に依存させる…♡
それから手紙を書き直そう…
期待しているよ…♡
まずは焦らしプレイかな…♡
良い方法を思いついてね…」
「おはよー、ベティ姉さん。
あれ、ベティ姉さん…?その手紙は?」
「おはよう。ああ…僕たちのイメージアップのための手紙さ…♡」
「はい…悔しいですが、あの時は自分の劣情を吐き出すのにいっぱいいっぱいで…」
被害者の涙。それは、この村の歪んだ婚姻関係を物語っていた。
ーーーしかし、なぜそのような野蛮な行為が明るみに出ないのでしょうか…
取材班はさらなる調査を試みる。
「まず、この村に連れてこられた人間が外界との接触を絶たれているということが大きいです。そして…」
ーーーそして…?
被害者はエルフたちのおぞましい計画的犯行を口にした。
「検閲と宣伝です。」
あれは確か、契約書を書かされてから数週間経った頃でした…
数週間経った、その間休みなどなく
常にセクハラとHの嵐。
しかし、彼女たちに嫌悪感を抱くどころか日を重ねる毎にその美貌に惹かれていく。
そんなある日
1人のエルフがやってきて
目の前にペンと便箋を置いた。
彼女の名前はべツィ
黒髪ロングと長身が特徴で
自分のことを「僕」と呼んでいる王子様系のエルフだ。
よくエルフに伝わるおとぎ話を聞かせてくれる。主にお姫様と王子様がどうたらこうたらみたいな…
「お義母さまへ手紙を書きたいだろうと思ってね。好きに使ってくれ。
これは…チャンスだ!
魔法暗号を使えば、助けを呼べる…
「あ、ありがとうございます…」
手を伸ばし、取ろうとすると
スっと紙が引いていった。
彼女は、満面の笑みのまま顔を近づけ耳元で囁く。
「その代わり…今日の夜伽の指名は…♡
誰にすればいいか分かってるね…?
この前の続き…今夜楽しもう…♡」
「ひ、ひゃい…♡」
急に近づかれては考える暇もない
すぐに交渉は決まる。
満足そうに口角を上げると
頬にキスを残し、彼女は去っていった。
「(暗号作戦がバレたかと思った…)」
その夜
今日の夜伽は誰かと食卓を囲みながら
言葉が飛び交う。
「お兄ちゃ〜ん…♡今日は私と寝よ?♡
聞いて欲しい話がいっぱいあってね…♡」
「あら、お子ちゃまは早くベッドに
行った方がいいんじゃないかしら?
今日はお姉ちゃんと一緒に寝よっか…♡」
「ちっ…年増女こそ早く寝れば?
シワが増えちゃいますよ〜」
「は…?」
半ば戦争のようなこの言い争いも
すっかり慣れたものだ…
いつもなら、当番順で決まるのだが…
「きょ、今日はベティさんで…」
自分から指名したことは1度もなかった。
そのため、みんな鳩が豆鉄砲をくらったように目を丸くする。ただ、1人を除いて…
「おや、僕かい…?♡
いいよ、ゆっくり''お話''しようか…♡」
昼の約束を知らなかったかのように
とぼけてみせるベティさん
少々臭い演技だ。
もちろん、みんなからは大ブーイングの嵐だったがベティさんは「弱者の僻みだね…」と一蹴して、取り合わない。
僕の肩を抱くと、そのまま部屋へと連れていかれた。
ベティさんの部屋はすごくいい匂いがする。お花の匂いだろうか?つい、うっとりとしてしまうそんな匂いだ…
弛緩した体をしっかりと抱きすくめ
ベッドへと僕を誘う。
その凛々しい顔は貴族を彷彿とさせるほど高貴で、美しい。
「ほら、座って…♡手紙はこれかい…?」
「は…はい…♡」
そうだ、本題はこれだった。
瞬時に現実へと引き戻された。
助けを呼ぶ手紙。
今日の本題はこれだ。これを届ければ、きっと助けが来る。
「あ…」
ベティさんは検閲をしているようだ…
だが、魔法暗号は何重にもかけた。
バレっこない。
「ふむふむ…へぇ…
助けてみんな、恐ろしいエルフに捕まっている…か…」
え…?どうして…
暗号は完璧だった…
知り得るはずのない本当の文章を彼女は読み上げていく。
「ふふ…♡可愛い魔法暗号だね…♡
人間が魔法に疎いというのは本当のようだ…♡」
渾身の魔法暗号はいとも簡単に見破られた。彼女曰く、この程度の暗号は小学生にも効かないらしい。
こうして、最後の望みも潰えた。
「書き直そうか…♡手伝ってあげよう…♡」
「い、いやだ…」
咄嗟に出た拒否の言葉。
瞬間的にこれはまずいと察知する。
ベティさんの表情は冷たくなっていく。
「へえ…」
逃げようとするも、既に遅い
肩を抱く手の力はさらに強く、
足は太ももに挟み込まれ拘束される
「今の君にピッタリのお話があるんだ…♡」
そうすると、唐突におとぎ話が始まった。
昔々、あるところにエルフのお姫様と人間のお婿さんがいました。
お姫様と婿は互いに愛し合っていましたが、悩みがありました。それは王子様が時々反抗的になってしてしまうことです。
そう、婿は人間の社会で悪霊をつけてしまったのです。姫はその度に深く傷つき、悲しみました。
ですが、姫は彼を見捨てたりしません。
夜伽を重ね、ついに悪霊を退治しました。
エルフの清廉さ、愛の力が勝ったのです。
そして2人は永遠の愛を手に入れ、末永く幸せに暮らしたそうです。
「僕の1番大好きなお話さ…
母親から聞かされて、僕もきっとこういう風にお婿さんを救ってみせると決めたんだ…♡」
息は荒く、目にははっきりとハートが浮かんでいる。
「今から君を朝まで抱き潰す…♡
本気で抱き潰して、僕に依存させる…♡
それから手紙を書き直そう…
期待しているよ…♡
まずは焦らしプレイかな…♡
良い方法を思いついてね…」
「おはよー、ベティ姉さん。
あれ、ベティ姉さん…?その手紙は?」
「おはよう。ああ…僕たちのイメージアップのための手紙さ…♡」
22/02/01 23:42更新 / 星清華
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