連載小説
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91 主人公と海賊とサルベージ
「ふあぁっ…はっ!?ちょっと眠っちまったかな?今、何時だ?」
「もう朝の6時だけど…?」
「うおぉっ!?ケイ…脅かさないでくれよ…」

そう…まさか、俺の後ろからいきなりケイが話しかけてくるなんて思わないだろ?だからさぁ…俺の心臓は思わず止まってしまうんじゃないかって思ってしまったぜ…
っていうか…なんでケイが俺の後ろにいるんだ…?

「驚いたのはそっちが勝手に…まぁ、いいか…それより、こんなところでのんびりとしていてもいいのかい?僕は後3時間くらいで作っていたものが完成するから、終わったらデメトリオを手伝ってもいいけど…」
「手伝うって…俺に何をしろって言いたいんだ?」
「やだなぁ…デメトリオの仕事はモニターで、メガロス帝国内の確認だろ?まぁ、夜の間は眠くもなるだろうと思って、起こさなかったけど…そろそろ仕事も忙しくなるだろうから…早めにいきなよ?」
「……あぁ…それね…了解!じゃあ、今から行ってくるよ」

……監視の仕事…かぁ…一回、大きな負けを作ってしまったから…もうやりたくないなぁ…
そうだ!!モニターの監視をするって言っておいて、その仕事をしなければいいじゃないか!!俺一人の能力なんて、たかが知れているんだからな!!
いやぁ…我ながら、天才的な考えだな…
じゃあ、上に移動したらメガロチックファイターでもプレイするかな?

俺がそう思いながら、去ろうとした瞬間…ケイが俺を呼び止めてきたんだ…
……ま、まさか…俺がさっき考えた天才的な考えが…読まれたのか…!?
まぁ、読まれても…あまり大したことじゃないからいいんだけど…

「デメトリオ?そろそろ朝飯が来るからさ…あそこにある皿も一緒に持っていってくれないかな?で…昨日と同じように持ってきてくれるとうれしいんだけど…」
「いいぜ?じゃあ…機械の作成…頑張りなよ?」

そして…俺が上にエレベーターって奴で移動すると…部屋全体が赤い光に包まれていたんだよ!!
も、モニターが真っ赤なんだが…一体なにが起こったというんだ…!?
一回だけ…一回だけモニターをチェックしてみようかな?

俺はそう思って、そっとモニターの再生ボタンを押したんだが…
俺はモニターが再生された瞬間…何も起こっていないことに少々…残念な気分になったんだよなぁ…
………それにしても、東門の兵士は何をやっているんだよ…?
なんか…凄い数が少なくないか…?集団でサボっているのかな…?
……きっとそうだな…

俺がそう思って、背もたれがついている椅子に座…うぉわぁっ!?
痛たたたたっ…椅子の背もたれが折れたぞ…
長い間…使われていてガタが来たのか…
よしっ!!下からソファでも持ってくるかな?椅子が無いとゲームを楽しくプレイできないし…それに、コンクリートの床に座りたくないんでね?
この壊れた椅子は……あそこのスペースに隠しとくか…

「おーい…デメトリオー?どうだ?調子は…」
「うわぁっ!?って…ナッカーサーかよ…脅かさないでくれよな…」
「驚くお前が悪いんだって…で、さっきも聞いたけど…どうだ?調子は…?」
「えっと…俺の調子か?相変わらず、いたって普通の状態だけど?」
「いや…それじゃなくて…仕事の方だって…そろそろデメトリオの集中力が切れてくるんじゃないかって思ってよ?応援すると同時に、朝食持ってきてやったんだよ」
「し、仕事…?えっと…まぁ、頑張ってるよ?うん…もう、これ以上無いってくらいな?」
「へぇ…もう飽きてきているか、挫折している頃だって思ったんだけど…案外そうじゃないんだな?見直したぜ…」
「へ、へへっ…これからも見直してくれるとうれしいぜ…」

よ、よかった…どうやら俺がモニターの仕事を諦めたって事は、まだばれていないようだな…
ナッカーサー…勘が鋭すぎだろ…
でも、俺の嘘には気がつかなかったようだな…やっぱり、俺の嘘はばれにくいって事か…?
まぁ…正直、あまり嘘をつきたくはないんだけどな?世の中には嘘をつかないといけない時ってのがあるからさ…わかるだろ?
ふぅっ…現実味のあるいい台詞を言ったぜ…

「そうだ…これが朝飯だ…こっちは王様の作ったうどん…で、こっちがテスタロスとメビウスが喧嘩しながら作った餃子…で、これが俺が作ったパンケーキだ…まぁ、王様のうどん以外は味の保障ができねぇんだけどさ…食ってくれ」
「あぁ…サンキュー!!いやぁ…ミカルドのみんなって…料理できるんだな…」
「長い間の生活の中で、男しかいねぇ環境だからな…まぁ、自然と身についてしまうものなんだって!」
「なるほどなぁ…ナッカーサーたちは色々な料理が作れて羨ましいぜ…」
「ん?いや…俺が作れるのはパンケーキだけだから…ミカルドのメンバーの中で一番料理が多く作れるのは…ザボルグかな?あいつの料理を食べたら…驚くぜ?」
「マジかよ…食べてみたいな…」
「今晩、あいつの担当だから楽しみに待ってな!!さてと…ケイにも持っていってやるかな…」
「あ、ナッカーサー…俺、下に用事があるからさ…俺が代わりにもっていってやるって!!ナッカーサーも仕事あるんだろ?そっちに行けよ」
「……悪いな…こんど、酒でも飲むか?まぁ、落ち着いたらだけどな?」
「いいねぇ…景色が綺麗なところにしようぜ?」
「それは…保障できねぇかなぁ…じゃあなぁ〜!!」

そして、ナッカーサーはその場を去っていったのだった…ってな?
さぁて…ケイの為に食事を持って行って、ついでにソファーでも取ってくるかぁ…

そうして、俺はまた下の階に行ったわけだが…
ケイ、今どこにいるんだ?

「おーい…ケイ?どこにいるんだよ?」
「ん?デメトリオか?僕はここだよ?」
「け、ケイ…もう機械の作成作業に取り掛かっているのかよ…!?」
「あぁ…どうも、何もしていないのは苦手でね…それに、この作業をしている時って楽しいからさ…?で、何のようだ…って、あぁ…食事か…」
「あぁっ!!ナッカーサーが持ってきてくれたんだ!!」
「じゃあ、そこのテーブルにおいておいてくれ…僕はこの第5ケーブルと空調調節パイプの整備が終わったら食べるからさ」
「了解…あっ…そうだ…なぁ、ソファー余ってないか?」
「ソファー?それだったら、部屋の端っこに赤色のあまり使わないソファーが余っているよ?」
「それ、上に持っていくよ…ありがとよ!!」

そう言いながら壁に押し付けられているソファーの部分に行く俺…
こ、このソファーは…!?肌触りからしても、中々のものじゃないか…
ケイ…いいセンスしてるぜ!!
そう思いながら俺は持ち上げようとするが…お、重いぞこれ…!?
とてもじゃないが…一人で持っていけそうな重さってLVじゃない!!
……押していくか…

お…?案外、いけそうな雰囲気じゃないか…いやぁ…宿屋の店主をしていた時に、凄い重い荷物を押していたのが、報われたか…?
この勢いで、エレベーターに乗せちまおう…

ガツッ!!ガンッ!!

………!?あれ?何かに当たった…?何に当たったんだ…?
俺はそう思いながらエレベーターの方に移動して行ったんだ…まぁ、何に当たったかを確認するだけでも…十分だろ?

「これは……エレベーターの前に段差があるのか…?まったく…バリアフリーじゃないぞ…?こんな小さな段差でも困る人がいるんだから…ちゃんと考えて作れよ…」

まぁ、要因が分かってしまったら気楽だよ…よし…一気に押し入れる!!
多分、勢いよく押していったら入ると思うんだよ!!行くぜ…!!

「うおぉぉぉぉぉぉっ!!全力だぁーー!!」

ガツッ…

お…?おぉっ!?来たよ来たよっ!このままの軌道だったら、エレベーターの中に無事入ってくれるだろ…
だが、俺はその瞬間、動くソファの上に体重をかけすぎたみたいで…エレベーターの中に倒れこんだんだ…
しかも、綺麗に一回回転してな?そして、次の瞬間俺の上に倒れてくるソファー…おいおい…順番、逆じゃないか?
っていうか、このままだと俺がソファーに潰されるぞ!?お、落ち着け!!
今止まってくれたら、お前を大切に使ってやるから、倒れてこないでくれよ!
やめろって…倒れてくるなってソファー!!

ドーンッ!!

ぐほっ!?な、なんという攻撃力…俺はもう、本気で死ぬかと思ったね…
………で、俺は一体どうやって上の階のボタンを押せばいいんだ?
まさか…念力って奴か!?よし…うおおぉぉぉぉぉぉぉっ…
って、出来るわけねぇだろ!!
俺は普通の宿屋店主だからな…そんな特殊な能力があるわけじゃないからな…
……よしっ!!俺の剣であのボタンを押すか…よっと…
あれ?とどかねぇな…まったく、なんで一番上にボタンがついているんだよ…
正直…困るよなぁっと…よしっ!!
こうして、俺は無事(?)に上の階に移動することが出来たのだった…

そして、上の階に到着してすぐに新しいソファーの座り心地を確かめる俺…
こ、これはいいな…滑らかな感じの生地にこの弾力性…そして、この背もたれ!どれをとっても完璧なソファーだぜ…
俺がソファー職人をランク付けすることが出来る権利があるなら、容赦なく百点をあげたいね!!
よし…これで躊躇なくメガロチックファイターを…ってあれ?

俺は今からメガロチックファイターをやるぞーー!!って思ったときに、ある人物がモニターに写ったのが見えたんだよ…
か、彼は間違いない…俺達を襲い掛かってきた海賊の一人じゃないか!!
えっと…リカル・ユーマンだっけか?
どうして彼がメガロス帝国北門の近くにある港周辺にいるんだ…?
ってか、どうしてあんなに大きな船を持っているのに、彼は一人で釣りをしているんだ?他の連中は…どうしたんだろ…?
まぁ…どうでもいいことかぁ…多分、攻めてきたりはしないだろうし…
北門も多分見張りがいるだろ…
さぁて…ゲームでもするかな!!

〜〜〜ユーマンの視点に移動します!!〜〜〜

………まったく、どうして俺がこんなことをしているんだ…
あいつら、俺一人に船を任せてメガロス帝国の食糧分捕りに行ったからな…
正直、俺一人が残されるなんて、その時は思ってもいなかったぜ…
まぁ、今現在はあいつらが戻ってくるまでの食糧確保の為に釣りをしているってわけだ…
たくさん釣らないと…食糧を盗りに行っている俺の妻…アニーたんが怒るからな…
最近は、ろくな食べ物にめぐりつけてないから…正直命がけだ…
っと、ヒットしたか!?

「…結構、大物のような気がするぜ…一気に行くかぁっ!!おらぁあああっ!!」

そして俺は力の限り釣竿を引いたのだが、その時に釣り上げたものが以外に硬く…俺は釣り上げたもので顎を強打したんだ…
まったく、痛いじゃないか…何だよ…この箱はよ…?

釣り上げた物が魚ではないって事を知ったとたん、俺は物凄いがっかりとした気分になったが…まぁいい…何もつれないよりは、ゴミでも釣ったほうがうれしいからな…
で、中身はなんだ…?

「……これは…面白い形のナイフだな…装飾から判断しても…今から2世紀くらい前のものか…?保存状態からしても、高値で売れるものだな…そして…これは、フックショットか…?俺も名前しか聞いたことが無かったが…まさか実在している道具だったなんてな…」

ま、とにかく、色々な意味で儲けたと思っておけば、気が楽か…?
フックショットは実用性が高そうだし…このナイフはレア物のような気がするからな?
……ん?これは…紙…?

『 この宝物を手に入れたラッキーなあなたへ!!
 うふふっ♪これを手に入れることが出来るなんて、あなたはトテモ運がいいわよ?このナイフにはなーんと…特殊な能力が込められています!!
わーっ!!ぱふぱふっ!!どんどんっ!!
おほん…このナイフに込められた魔力…それは…切った対象相手を物凄い快感で動けなくすることができるのです!!
これで切られてしまうと…余りの気持ちよさに敵の意志はぐにゃぐにゃに…そして、何も考えられなくなってしまうのですよ!!
これを愛しの方に使えば、きっとあなたの虜になること間違いなし!!
快楽剣【アヘリオン】!!これで…愛しのあの子もメロメロだね♪
追伸 この装備は使うものの寿命を半分以下にするおまけ効果もついております♪装備したら…はずさせないよぉーー?』

な、なんだと…!?まさかこのナイフ…呪いの武具…!?
危ない…危うく装備してしまうところだったな…
こんな危険なもの…持っていていいんだろうか…?
なんとなくだが…早めに誰かに売った方がいいな…
まぁ、呪いの武器って言わなければ、興味本位で買う奴もいるだろ…
で、このナイフが呪われていたってことは、このフックショットも呪いの品の類かもしれねぇな…
ちょっと…調べるか?

それから俺は木箱を念入りに調べ始めたんだ…
だが…いくら探しても木箱から、フックショットの説明書やフックショットの注意書きなんて入ってなかったんだ…
……これを、呪われていない道具として判断して…いいのか?
この場合、使ってみないとなんとも言えないんだが…

それからしばらくの間考え続け、俺は結果的に、使わせてもらうことにしたんだよ…
まぁ、呪われていたとしても、後で呪いを解くように頼んでみたりするのもありだとは思うからな…

〜〜〜デメトリオの視点に戻ります!!〜〜〜

さて…メガロチックファイターの準備も出来たし…少し遊ぶか?
でも、対戦ゲームってのは…一人でやっていると飽きるからなぁ…
あっ…でも、三時間くらいだったら持つかな…?
三時間後にはケイも作業が終わって上がってくるっていってたし…
そこから対戦を始めて…

「おいっ!!デメトリオ!!ちょっといいか…!?」
「ん…?テスタロス…?そんなに慌ててどうしたんだよ?」
「お前…監視の仕事していたんだよな?だったら…東門の連中がどうなったのかわかるんだろ?あいつらの顔をみねぇんだよ…」
「え…!?あ、あぁ…あれだよ…きっとどこかでサボっているんだよ…」
「サボっているだと…?でも、食事の時間にあいつらを見ないのはちょっとおかしいぜ!?だってよぉ…東門の連中は食事の時間に来なかったことはないんだぜ!?」
「だったら、テスタロスが気がつかない間に食事をすませたんじゃないか?」
「……じゃあ、モニターからちょっとあいつらの様子を見せてくれないか?」
「えぇっ!?見せるの…?ちょっと…待ってくれないか?」
「何でだよ?」
「えぇっ…まぁ…あれだよ…準備があってだな…」
「準備…?初期設定で準備は出来ているはずだろ?ケイに前にモニターを見せて貰った時にそう聞いたぜ?」
「………あれから設定が変わったんだって!(絶対にゲームするために設定を変えたなんて言えねぇよなぁ…?)」
「まぁ、準備出来たら連絡くれよ…通信装置はONにしておくからよ」

テスタロスはそういうと、すぐに俺のいるこの部屋から慌てて走っていったんだよ…
まったく…仕方がないなぁ…適当に調べてやるとするかな?
俺はそう思いながらモニターの電源を入れ、メガロチックファイターのゲーム機を取り外した後、設定を戻したんだが…
相変わらず、東門は静かなままなんだよなぁ…本当に…人一人も通らないぜ…
東門付近を警備していた連中…なんて凄いサボり能力なんだ…
正直、モニター越しに監視しているはずの俺でも気付かないなんて…

俺がそう思いながら感心していると、モニターの端の方で誰かが集団で動いているのが見えたんだよ…
……えっ!?そんな馬鹿な!?南門の建物の中から、大勢の魔物娘が武装して出てきているだと…!?
まさか…南門の戦闘が終了して、こんなことになっていたなんて…
とにかく、気がついてしまった以上…放置しておくなんて出来ないよな!!
……放置しておいたら、彼女たちが俺のところにたどり着いた時、俺が酷い目に合わされる訳だし…絶対に、それだけは阻止しなければ…

そうだ…このことを早く全員に伝えないと…
俺はそう思い、慌ててメガロス帝国の兵士達に連絡をするため、連絡用のボタンを押した後マイクを取った…って、ちょっ!?マイク…そこで落ちるか!?
くそぉっ!!いいだろう…そんな隙間に逃げたからって安全だと思わないことだな!!

「う…うぉぉぉぉぉぉっ…届くか…?あと、少しなんだって!!」

だが…後数センチのところでどうしても届かないんだよなぁ…
何か…別の手段でもあればいいんだが…って、そういえば、俺は武器を持っているじゃないか!!
この武器を使えば…いけそうだぜ…

「よし…ここを左に…って、おまっ…!?ちょっとマイクさん!?奥に行くのやめて貰ってもいいでしょうか!?って、こんなことを言っている場合ではない…さっきよりも奥に行ってしまったぞ…」

そう…一体誰がこんなことになると考えただろうか…?
俺の取ろうとしていたマイクは俺の剣の先に押され…もっと奥の方に転がって行ったんだよ!!

ぐぐぐっ…もう取れないのか…?いや…何か別の方法が…あるかなぁ…?
そう思ってしばらく考えてみるが…ダメだ…何も浮かばねぇ…
いやな?この重そうなタンスが楽に動いてくれれば…

ズズッ……

「ヘッ…?なんでそこで動くんだよぉっ!!あいたっ…」

まさか…こう都合よくタンスが動くなんて…
俺って…ついているんじゃないか…?まぁ…体を床に打ち付けてしまったが…
それでも、これでようやく他の連中に連絡が取れるぜ…
そして俺は颯爽と奥に転がったマイクを取る!!
ふっふっふ…さぁ、俺の身の安全とおまけとしてメガロス帝国のみんなの安全を守るために…行くとしようか!!
あっ…でも…ミカルドのみんなは俺の身の安全と同等くらいかな…?
おまけ…じゃないな…
それに…よく考えたら人の命をおまけって言うのは…よくないことだよな…
さっきの台詞…取り消すぜ!!

そして俺は、またも連絡用のボタンを押しに戻ったのだった…ってな?
えっと…このボタンを押しながら、マイクで話せばいいんだよな…?
よしっ…俺の仕事…全うさせて貰おうか!!

「みんなっ!!聞こえるかっ!!さっき、侵入者を発見したんだ!!ただちに気絶させに向かってくれ!!」

ふぅ…これで、俺の仕事は終わりだな…いやぁ…いい事をした後は気持ちがいいぜ…
なんて思いながら、俺がのんびりとくつろいでいると、メビウスが馬鹿を見るような冷たい目で俺を睨みつつ、部屋に入ってきたんだよ!!
な、なんなんだ…あの目は…?

「デメトリオ…さっきの放送は何なのです?」
「な、何って…侵入者を見つけたから報告を…」
「国内放送で報告をしてどうするつもりなんです?まるでテスタロスのような馬鹿なことをして……国内放送をしてしまうと、その侵入者にも聞こえてしまうでしょう!!私達のこの通信装置に連絡を入れるときは、そこの下がっているレバーを上げてからです!!まったく…これと同じ説明を一度、テスタロスにしたことがあるのですが…まさか、もう一度同じ説明をすることになるなんて…複雑な心境で思わず声も出ませんよ…ねぇ…?」
「……えぇっ!?そ、そんなの聞いていなかったからさ…悪い…」
「いや、別に悪いと思っているのなら、それでいいんですよ?テスタロスのような物分りの悪い言い訳ばかりする人と違って、デメトリオは少しは利口なようだ…すぐに謝ってくれますからね…」

メビウスはそういうと、いきなりテスタロスの愚痴をノンストップで語り始め、終わったかと思うと即座に去って行ったのだった…
な…なんだったんだ…一体…?
まぁ…一つ分かったことは…メビウスはテスタロスのことを散々馬鹿にしておきながら、あまり嫌いじゃないって事かな…?
さて…果たして本当に侵入者のモンスターラグーンの彼女たちに放送は聞かれているのかをモニターで確認だ…
よっと…

『さっきの放送…聞いた?どうやら、デメトリオが私達に気付いたみたいですよ?』
『まったく…この国には監視装置もついているのか…夜の間に結構調べて、中々に技術の進んだ国だって思ったけど…あたいの読み以上だな…ま、いいんだけど…』
『とにかく、リーダーが来るまでの間に少しでも攻めた場所を増やしておくのが私達の仕事だ…進行するとしよう…』
『あらっ…?相変わらず仕事熱心ですねぇ…アイネさんは…』
『私もそう思うなぁ…アイネさんは働きすぎだよー…疲れない?』
『リバティーはちょっとサボりすぎではないのか?とにかく…行くぞ!』
『『『おぉーーーーっ』』』

ば、ばれちゃってるよぉーーーっ!!
くぅっ…もしかしたら、ばれていないのではないかって思った俺の判断ミスって事か…
仕方が無い…危なくなったら容赦なく逃げさせて貰うけど…俺が安全な間はみんなのサポートを…再開してやるかな…?
あっ…でも、もう戦い中に口出しはしないぜ?そこのところは、自分で考えてくださいってやつだな…
もう、作戦を伝えてそれが完膚なきままに看破されるの…嫌だしね?
ふっふっふ…俺の活躍…楽しみにしているがいい!!

そして俺はここで華麗に決めポーズを取ろうとして、横においてあった機械に指をぶつけ、凄い痛みに襲われたのだった…
く…痛くない…痛くないぞ…
と、とにかく!!俺の次回からの活躍を…楽しみにして貰おうか!?
12/09/30 20:08更新 / デメトリオン
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■作者メッセージ
どうも!!

ふっふっふ…ここでまさかのリカル・ユーマンが再登場なのですよ…
そして、デメトリオが堂々の主人公に返り咲きました!!
デメトリオの活躍を…楽しみにしていただけるとうれしく思います!!

そして…さっそく次回から戦闘が始まります!!
もう結果が見えているような気もしますが…勝つのはメガロス帝国なのか…それともモンスターラグーンなのか…
楽しみにして置いてくださいねーー!!

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