68 祭り開催の日の夜に
ナッカーサーが初めに俺を連れてきたのは…なんと入口付近だったんだよ!!
あの壁のところにぶら下がっている野いちごには見覚えがあるからな…
でも、なんでナッカーサーは入口付近に俺を連れてきたんだ?
なんて思いながら、ナッカーサーの後ろを歩いていると…
ナッカーサーがいきなり止まったんだよ!!
いやぁ……余りにいきなりだったから背中に頭をぶつけてしまったぜ…
「いたっ……い、いきなり止まるなよなぁ…」
「あぁ…悪い悪い…えっと、ここが入口だな…他にも6箇所入口があるんだが、その場所全てにこの機工障壁が建設されているんだ!」
「……そういえば、前から疑問に思っていたんだが…機工障壁ってなんだ?」
「あれ?説明していなかったか?」
なんてのんきにナッカーサーは言ってくるが…ナッカーサーが機工障壁って呼んでいるのはこの大きな壁のことか?
なんて思いながら、多分5mくらいはある壁を見つめていた俺…
「機工障壁ってのは、お前が今現在見ているその壁の事さ…機工障壁にはさまざまな効果があって…まずは、どれだけ強い攻撃を加えても崩壊しない頑丈さだ!!ケイの話だと、ロケット弾120発とテラフォーミングシステム搭載サイクロンランチャーって名前の武器の攻撃を防ぐことが出来るように設計されたらしいんだよ!!しかも、特殊効果の一つに、内側に入った者の魔力を分散させるって効果と上空から稀に進入しようとする魔物娘達をテレポーテーションシステムの応用で違う場所にワープさせることが出来るんだよ!!さらに、内部にセットされている装置で外側からインターホンを鳴らしてきた人物には赤外線レーザーが照射され、それで男かどうかを判断し、そのあと…脳内をチェックしてその人物に結婚歴があるか…そして、離婚したかが判断され、その結果、独り身の男のみ国内に入ることが出来るんだ!!」
「へ、へぇ〜…結構最新鋭のシステムなんだな…」
「あぁ…これを作ったケイは本当に凄いぜ…なんせ、これを作ったおかげで、結婚する男子が大幅に減ったからなぁ!!おかげで、怪しい侵入者が入ってくることもなくなったんだ!」
……つまり、これがあるからメガロス帝国には侵入するのは難しい…そして、メガロス帝国の中にいれば絶対に安全…逃げる必要もないって事か!?
す、すばらしいシステムだ…
なんて思っていると、ナッカーサーがまた手招きをしてきたんだよ!!
そろそろ…次の場所にでも向かうのかな?
「じゃあ…次は北の港にでも行くとするか?」
「あ…了解…でさ、ナッカーサー…」
「ん?どうした?」
「一つ疑問に思ったんだが、この機工障壁ってどこかで総合コントロールしているのか?」
「あぁ…西の機工障壁制御プラグラム所で制御しているが…国内にあるわけだから、気にしなくてもいいぜ?」
「あぁ…よかった…」
俺はそう言いながらナッカーサーの後を追いかけて、またさっきここに来たときに使用していたテレポーテーションシステムを使い、北の港って場所に来たんだが…
こ、ここ…港が展開されているけど機工障壁が無いじゃないか!!
だ、大丈夫なのかよ…!?
「……そうだデメトリオ…この港では常に油断するなよ?釣りが好きな兵士連中には、結構多くの魚がつれるいい場所とかで人気なんだが…ここは機工障壁が展開されていないんだ!つまり、いつ…どの瞬間に魔物娘が出現してもなんらおかしくない場所なんだ!!まぁ、出くわしたら死ぬ気で国内の方に移動すれば機工障壁があるからいいんだが…毎年、兵士の450人くらいがここで行方不明になっているんだ…」
「あぁ…それなら安心してくれ!!俺…つりは余り好きじゃないんだ!!」
「あれ…?そうなのか?結構何も考えていない雰囲気を出していたからてっきり好きなのかと…」
「な、何も考えていないってどういうことだよ?」
「はっはっは…冗談だよ!!じゃあ、次の場所にでも行くか?」
「あとどのくらいの場所があるんだ?」
「まぁ…雑に回るつもりだからあと二箇所かな…次は、メガロスタウンだ」
ナッカーサーはそういうと、この港を後にするため…テレポーテーションシステムのところまで移動するが…俺も後を追いかけていると港の方になんだか透き通ったプルプルしたものが…な、なんだアレは!?
などと思いながら、横で作業しているナッカーサーを尻目にじっと観察していると…いきなりシー・スライムの女性が海から昇ってきたんだよ!!
しかも…俺達二人のことに気がついているようだし…
「な、ナカサー…や、やばいって…」
「あぁ?俺の名前はナッカーサーだっての!!ナカサーじゃないから、間違えないでくれよ?」
「だ、だから、そんな事はどうでもいいの!今、俺達絶対に標的にされているって!!なっ!?」
「そんな冗談ばかり言うなって!後少しだから、そんなに焦らせるな」
「もっと焦ってくれよ!!やばいって!!」
なんて叫んでいる間に、もうシー・スライムの女性は物凄い笑顔でこっちの方に歩いてきているんだよ!こ、これは…言ったそばから出来事がおこってしまうなんて…
などと思っていると、ナッカーサーはようやくテレポーテーションシステムを起動させることに成功したようなんだよ!!
で、俺たちは運よくワープできたんだ…
「さぁて…ここはメガロスタウン…まぁ、兵士達の居住区…みたいなものかな?まぁ、中には戦うのが嫌で店屋を開いている奴もいるんだけどな?」
「へぇ〜…誰でも兵士をしたがるってわけじゃないんだな…」
「まぁ、世の中そんなものさ…メガロスタウンには俺達の武器の予備が大量に保存されてある地域もあってな?まぁ、メガロスタウンがメガロス帝国の大部分を占めているといっても過言じゃないな…」
そういわれれば…そういう気がしないでもないなぁ…
なんて思いながら、俺は辺りをいろいろ見回してみたんだ…
道行く人全てが、なんとなくだが…楽しそうなんだよなぁ…
うん…やっぱり、俺の判断に間違いは無かった!!メガロス帝国は…結構普通のいい国じゃないか!!
「さぁて…時間的にも、最後になるが…最後はフォード・コーポレーションだな…結構大きな会社なんだぜ?ほら…ここからでも見える…あれだよ」
そう言いながら、ナッカーサーが指差したところには…城よりは少し小さいながらも、結構大きめな建物があったんだよ!!
あ、あれかぁ…
「あそこにはテレポーテーションシステムがつながっていないからな…スーパーカキサトレインを使うぜ?」
「す…すーぱーかきさとれいん?」
「あぁ……まぁ、見てみれば分かるな…ついて来いよ!」
そういわれて、俺はナッカーサーの後を追いかけ…なんていうか、よく分からない場所につれてこられたんだが…
しかも、そこに見たことが無いおおきな乗り物があるんだよ!!
こ、これは一体…
「これがスーパーカキサトレイン…略してSKTだ…これに乗っていかないといけないんだ」
「こ、これは安全なのか?凄い不安なんだけどなぁ…」
「大丈夫だって!!リニアシステムを搭載しているから、自動だ…乗ってのんびりとしていれば、あっという間につくさ!!乗ろうぜ?」
なんていいながら乗っていくナッカーサーの後ろを追いかけていく俺…
ま、まぁ…ナッカーサーが大丈夫って言うなら、大丈夫なんだろ…
そうして、20分くらいした時だった…俺は物凄くゆったりと飲み物を楽しんでいたんだが…
ま、まさか…スーパーカキサトレインがこれほどまでに便利な乗り物だったとは…これなら、子供達に対しては大人気だな…
「ついたついた…ここがフォード・コーポレーション…ケイ=ラングスフォードの建てた会社さ…ここで、国内の武器の生産と生活が便利になる道具が作られているんだよ!!」
「お、おぉーー…」
なんて感心しながら、辺りを見回している俺だったが、その時、物凄く懐かしい人物を見つけたんだよ!!
「……!?ご、ゴルガーじゃないか!?どうしてここにいるんだ!?」
「………で、デメトリオか!?髪の毛の量が少なくなっているから誰かと思ったが…久しぶりじゃないか!!」
「あぁ……15年ぶりか?」
あっ…紹介しておかないといけないな…
こいつの名前はゴルガー=ドートレスって言うんだけど…
実は、俺がフェルス興国に行く前にいた町での友達なんだよ!!
俺が親父が再婚してフェルス興国に行く前に出会ったのが最後だろうか…?
あの時は……あいつと俺ともう一人の女の子の三人で秘密基地を造ったりして遊んでいた子供だったなぁ…
あの出来事が起こる前までは、三人いつも一緒だったのに…世の中ってのは、分からないものだぜ…
「なぁ…俺はすぐに引っ越したから分からないんだけどさ…あの時、俺達の秘密基地だった教会でミランダは…あの後どうなったんだ?」
「………その話はしないでくれ…後、ナッカーサーさん…そろそろ俺に…魔物娘を捕らえているっていう場所に連れて行ってくださいよ…」
「ダメだ…お前には教団的思想が感じられるため、教えるわけにはいかないな、俺達の国は人の魔物娘達も傷つけずに、自分達だけが傷つくのをよしとする思想を持っているからな?他人を傷つける可能性がある奴には教えないことになっているんだ…わかっているだろう?」
「ナッカーサーさんは間違っている!!世の中でもっとも優れているのは人間でしょう!?なら、この世界を人間のものにするために……排除すべきだ!」
あ…あれ…?ゴルガー…俺とミランダと一緒に秘密基地で遊んでいた時は…
世の中の差別を嫌っていたはずなのに……どうしたんだ?
昔は…差別されている子供達に対してこっそり食べ物をあげたりしていたはずだし、その時は魔物娘たちとも仲がよかったはずじゃないか…!?
俺はその時、そっと遠くの方で逃げる準備をしながら見守っていたのに…
……人は見ない間に、変わるんだな…一体ゴルガーになにがあったのか…
ま、まぁ…俺には関係ないことだけどさ…?
そう思いながら、俺はナッカーサーに連れられてある部屋に入ったんだよ…
で、ナッカーサーが作業をしているのをじっくり見ていると…なんと、いきなり真下にものすごい重力を感じたんだ…しかも、部屋のところにあるランプがだんだん数字が上がっていくんだよ!!
そして…数字が最高値に達すると、いきなり扉が開いて気がつくと…さっきまでは違う部屋にいたんだよ!!
ど、どこだよここは!?さ、さっきの部屋に何か仕組みがあるのか!?
「……おや?驚いているようだな…さっきの部屋はエレベーターっていうらしいぜ?あのシステムを作ったのもケイだ…凄いだろ?エレベーターを使えば、いちいち階段を上ったり降りたりする作業をしなくてもいいんだぜ?」
「さ、さすがだなケイ…実際にあったことは無いけど…恐ろしい男だ…」
「だーれーが…恐ろしいって?ん?」
俺が恐ろしい男だって言った瞬間、俺の後ろの方からその声が聞こえてきた時…俺は本気で焦ったぜ…
い、いきなり後ろから話かけてくるのはやめて欲しいぜ…
「ケイ!!デメトリオを案内すると同時に、ついでに一緒に祭りでもしないかって事で、迎えに来たぜ〜?後、20分くらいだしさ?」
「まぁ…いいよ?する事はもう終わったしさ…」
「何をしていたんだ?デメトリオの後ろから来るって事は、エレベーターを使って来たって事だよな?地下作業室か?」
「あぁ…僕の作成している大型ロボットの骨格の作成は終わったからな…量産機も僕専用機も骨格は完璧だし…今はやることないかな?量産機といっても、3種類の別々の機体だし、まだ量産に成功してはいないんだけどな…」
……だ、ダメだ…一体なんの話なのか検討もつかない…
あれかなぁ…?超幼女機工バフォメットリオンZみたいな感じかな?
まぁ…実物を見ないと何も言えないんだけどな?
「……見るかい?コードナンバー00【セレナーデ】でも…まだ、外骨格だけだけど…それとも、量産機の023【ラウゼス】とか、025【デスナイトMK-U】とか、035【オーバゾイ】とかが見たいのか?全部外骨格だけだけど…」
「いや…別にいいや…祭りもそろそろ始まるし、急いだほうがいいだろ?」
「そうだな…じゃあ、行こうか?」
こうして、俺たちはまたSKTを使用し…初めにいた中央広場にテレポーテーションを使用して戻ってきたのだった…
で、俺達が中央広場につくと…あたりの屋台の準備はもう終わったようで、中央のステージの上で王様がうどん粉にまみれながらうどんを叩いているのが見えたんだよ!!
お、おぉ…王様…やってるなぁ…
「よぉっ!!ナッカーサー…少し遅かったな…?」
「いやぁ…結構急いで案内したんだぜ?まぁいいや…今回の祭りは結構食べ物屋が多いな…」
「あぁ…今年は国内で作った野菜が大量に取れたからな…感謝祭もかねているんだ!!じゃあ、うどんでも食べるかい?ほら…」
「あ、ありがとう…この祭りって何日続くんだ?」
「えっと…二日ぐらいかな…二日目には、国民でゲーム大会の予定さ!」
「おっ…いいねぇ……じゃあ、のんびりと食べ歩くかデメトリオ?」
「了解…で、でも…俺お金余り持ってないんだよなぁ…」
「…じゃあ、終わったら俺の部屋で、テスタロスたちと一緒にゲームでもするか?明日のゲーム大会に向けてさ…当然、ケイも来るよな?な?」
「まぁ、僕は別にいいけど…そうだ、何か設計図でも書くための紙を用意してくれるとうれしいんだけど…」
「あぁ…任せておけ…」
そうして俺たちは、祭りの会場で少しのお金を持ち、食べ歩きに繰り出したのだった…
〜〜〜〜〜〜メガロス帝国南部8km地点〜〜〜〜
私は、ある程度いろいろな地域で協力を求めた後、メガロス帝国の約8km地点にデメトリオの宿を展開して…他のみんなが戻ってくるのを待っていたんだけど…
私がはじめに思っていた時よりは、早く終わりそうね…
なんて思いながら、私は宿屋に残っていたゾーネと作戦を考えていた…
「…ゾーネ…あなたの意見を聞きたいんだけど…メガロス帝国を攻めるに当たって…どのくらいの戦力があればいいと思う?」
「そうじゃのぅ…あの壁なのじゃが、わしはあの壁の素材を見たことが無いのじゃ…つまり、あの壁に一体どの程度の耐久度があるのか…そして、どのような武器が搭載されているのかが分からぬからのぉ…ある程度はいると思うのじゃ…」
「そう……まぁ、沢山の人に救援を求めたから…ある程度はあつまるわね…後は、モンスターラグーンの中でまだ結婚していないメンバー23万8437人を集めれば…すぐに落とせるかしら?」
「そ…そんなにおったのか…!?モンスターラグーン…」
「えぇ…それだけ、縁がない魔物娘達もいるって事よ……」
私はそういいつつ、一気にテーブルに置いてあったコップを手に取り、中にあるコーヒーをすすり始めた…
その時、デメトリオの部屋から誰かが出てきたのよ…
えっと、彼女達は確か…デメトリオが旅の途中で養うことになった…将来、サリィの子供になる子たちじゃない…
どうしたのかしら…?
「あのぉ…ゾーネさん…ちょっと聞きたいことがあるのですが…」
「…ん?どうしたのじゃ狸巳?」
「お父さんは今…どこにいるんですか?」
「……で、デメトリオは今…ちょっと遠くの方に買い物に行っておっての?少し帰ってくるのは遅くなるのじゃが…心配しなくても大丈夫じゃ!!そうじゃ…そういえば、エルナにおやつをあげたか?まだなら…わしの部屋の冷蔵庫の中にプリンがあったはずじゃから、みんなで食べるのじゃ!!」
「はーい…」
……そうか、デメトリオの奴も子供には心配されているのね…
でも、あの子達にはサリィの子供として生きて貰わないといけないから…
まったく…デメトリオったら…あんなに小さい女の子達も心配させて…許せないわ…
私はそう思いながら、一気にコーヒーを飲み干して宿屋の外に行き、遠くに小さく見えるメガロス帝国を見ていたんだけど…
その時、私は宿屋の裏の方で何か音がしたのを聞いたのよ…
……誰かが戻ってきたのかしら…?この私にも報告せずに?
…うーーん…一応、誰に報告したのかを知りたいから会いに行こうかしら…?
そう思いつつ、私は音がしたほうに向かって行ったんだけど…
「か、可愛い……な、なんなんだ!?あの子は!?か、可愛すぎる…な、名前はエルナちゃんっていうのか……け、結婚したい…!!」
なんてぼやきながら、宿屋の窓をのぞいている明らかに怪しい男がいたのよ!
……エルナちゃんのことを見ている…って事は、不振人物!?
私はそう思うとすぐにその男に飛び掛り、思いっきり殴りつけて気絶させた…
こんなところに…人間の男がいるということが只の偶然だったとは思えないしね?
そうして、謎の男を宿屋の中の椅子に縛り付けると…私はゾーネに発明品を用意するように指示し、思いっきり水をかけて起こしたのよ…
今から少し……心優しい私が質問をしてあげるわ…ふっふっふ…
「うわぁっ!?な、なんだぁっ!?み、水!?だ、誰だあんたは!?」
「……それはこちらの台詞よ?あなた…どこから来たのよ?まさか…メガロス帝国じゃないでしょうね?」
「……こ、答える義務なんて無いはずだ!!俺には黙秘権がある!!」
「………へぇ…あなたに権利があるとでも思うの?ちょっと、自分の立場を再確認する必要があるわね…ゾーネ!!」
「……ふっふっふ、わしの研究兵器の一つを使えば、嫌でも言うことを聞くようになるのじゃ…この兵器を使えば貴様はわしの言うことを常に聞く男になるのじゃ…」
「ひ、ひぃぃ…嘘だろ!?それは悪い冗談だ!!」
「私が悪い冗談を言うと思うのかしら?始めなさい…」
「わ、わかったよ!!言うよ!!言うからやめてくれよ!!俺はジャックって言うんだ!!旅の動物学者だよ!!ここには珍しい生物がいるかも知れないからやってきたんだよ!!」
「…で?」
「それで、夕方になったからテントでもはるかって思った時に、建物を見つけてさ…今晩、泊めて貰おうかって思ったんだ!!そしたら、おいしそうに食べ物を食べている3歳のぬれおなごの可愛い子がいて…気がついたら今のこの状況になっていたんだって!!」
なんて言っているけど、私はこの男が本当のことを言っているかどうかがいまいち信用できなかった…
口だけで言うのは簡単だし…どうにかして、本当の気持ちを聞いてみないと…
なんて思っていると、ゾーネがわかっているといいたそうに頷くとジャックにいきなり青色の液体を飲ませたのよ!!
あ、あれは一体…何かしら?
私がそう思っていると、ゾーネがそっと近づいてきて私に教えてくれたのよ…
「あれはわしが発明した自白剤じゃ…」
「ありがとうゾーネ…さて…さっき言った事って本当なの?」
「本当ですよ!!嘘ついても、いい事なんて無いじゃないですか!!」
……ふむ、本当のことを言っていたようね…
私はそのことに気がつくとすぐに、あることを考えたの…
こいつなら、男以外が入ったことが無いといわれるメガロス帝国に侵入できるんじゃないの…?
なら、利用すれば戦う前から敵の情報を知ることもできるんじゃないの…?
そうね……もしスパイ活動でも行ってくれたら、エルナとの結婚を考えてあげてもいいって答えたら…いけるわね!!
「ねぇ…ちょっと頼みがあるんだけど…メガロス帝国の中にスパイとして行ってくれない?もしもやってくれたら、エルナとの結婚を考えてあげてもいいわよ?」
「マジか!?わ、わかった!!行くぜ!!」
「………ふっ…(計画通りね…しかも、考えてあげてもいいって言ったから、別に結婚させるわけじゃなし…せいぜい、役にたってね?)」
「……な、なんか、寒気がするなぁ…まぁいいや、明日行くか…メガロス帝国に…」
あの壁のところにぶら下がっている野いちごには見覚えがあるからな…
でも、なんでナッカーサーは入口付近に俺を連れてきたんだ?
なんて思いながら、ナッカーサーの後ろを歩いていると…
ナッカーサーがいきなり止まったんだよ!!
いやぁ……余りにいきなりだったから背中に頭をぶつけてしまったぜ…
「いたっ……い、いきなり止まるなよなぁ…」
「あぁ…悪い悪い…えっと、ここが入口だな…他にも6箇所入口があるんだが、その場所全てにこの機工障壁が建設されているんだ!」
「……そういえば、前から疑問に思っていたんだが…機工障壁ってなんだ?」
「あれ?説明していなかったか?」
なんてのんきにナッカーサーは言ってくるが…ナッカーサーが機工障壁って呼んでいるのはこの大きな壁のことか?
なんて思いながら、多分5mくらいはある壁を見つめていた俺…
「機工障壁ってのは、お前が今現在見ているその壁の事さ…機工障壁にはさまざまな効果があって…まずは、どれだけ強い攻撃を加えても崩壊しない頑丈さだ!!ケイの話だと、ロケット弾120発とテラフォーミングシステム搭載サイクロンランチャーって名前の武器の攻撃を防ぐことが出来るように設計されたらしいんだよ!!しかも、特殊効果の一つに、内側に入った者の魔力を分散させるって効果と上空から稀に進入しようとする魔物娘達をテレポーテーションシステムの応用で違う場所にワープさせることが出来るんだよ!!さらに、内部にセットされている装置で外側からインターホンを鳴らしてきた人物には赤外線レーザーが照射され、それで男かどうかを判断し、そのあと…脳内をチェックしてその人物に結婚歴があるか…そして、離婚したかが判断され、その結果、独り身の男のみ国内に入ることが出来るんだ!!」
「へ、へぇ〜…結構最新鋭のシステムなんだな…」
「あぁ…これを作ったケイは本当に凄いぜ…なんせ、これを作ったおかげで、結婚する男子が大幅に減ったからなぁ!!おかげで、怪しい侵入者が入ってくることもなくなったんだ!」
……つまり、これがあるからメガロス帝国には侵入するのは難しい…そして、メガロス帝国の中にいれば絶対に安全…逃げる必要もないって事か!?
す、すばらしいシステムだ…
なんて思っていると、ナッカーサーがまた手招きをしてきたんだよ!!
そろそろ…次の場所にでも向かうのかな?
「じゃあ…次は北の港にでも行くとするか?」
「あ…了解…でさ、ナッカーサー…」
「ん?どうした?」
「一つ疑問に思ったんだが、この機工障壁ってどこかで総合コントロールしているのか?」
「あぁ…西の機工障壁制御プラグラム所で制御しているが…国内にあるわけだから、気にしなくてもいいぜ?」
「あぁ…よかった…」
俺はそう言いながらナッカーサーの後を追いかけて、またさっきここに来たときに使用していたテレポーテーションシステムを使い、北の港って場所に来たんだが…
こ、ここ…港が展開されているけど機工障壁が無いじゃないか!!
だ、大丈夫なのかよ…!?
「……そうだデメトリオ…この港では常に油断するなよ?釣りが好きな兵士連中には、結構多くの魚がつれるいい場所とかで人気なんだが…ここは機工障壁が展開されていないんだ!つまり、いつ…どの瞬間に魔物娘が出現してもなんらおかしくない場所なんだ!!まぁ、出くわしたら死ぬ気で国内の方に移動すれば機工障壁があるからいいんだが…毎年、兵士の450人くらいがここで行方不明になっているんだ…」
「あぁ…それなら安心してくれ!!俺…つりは余り好きじゃないんだ!!」
「あれ…?そうなのか?結構何も考えていない雰囲気を出していたからてっきり好きなのかと…」
「な、何も考えていないってどういうことだよ?」
「はっはっは…冗談だよ!!じゃあ、次の場所にでも行くか?」
「あとどのくらいの場所があるんだ?」
「まぁ…雑に回るつもりだからあと二箇所かな…次は、メガロスタウンだ」
ナッカーサーはそういうと、この港を後にするため…テレポーテーションシステムのところまで移動するが…俺も後を追いかけていると港の方になんだか透き通ったプルプルしたものが…な、なんだアレは!?
などと思いながら、横で作業しているナッカーサーを尻目にじっと観察していると…いきなりシー・スライムの女性が海から昇ってきたんだよ!!
しかも…俺達二人のことに気がついているようだし…
「な、ナカサー…や、やばいって…」
「あぁ?俺の名前はナッカーサーだっての!!ナカサーじゃないから、間違えないでくれよ?」
「だ、だから、そんな事はどうでもいいの!今、俺達絶対に標的にされているって!!なっ!?」
「そんな冗談ばかり言うなって!後少しだから、そんなに焦らせるな」
「もっと焦ってくれよ!!やばいって!!」
なんて叫んでいる間に、もうシー・スライムの女性は物凄い笑顔でこっちの方に歩いてきているんだよ!こ、これは…言ったそばから出来事がおこってしまうなんて…
などと思っていると、ナッカーサーはようやくテレポーテーションシステムを起動させることに成功したようなんだよ!!
で、俺たちは運よくワープできたんだ…
「さぁて…ここはメガロスタウン…まぁ、兵士達の居住区…みたいなものかな?まぁ、中には戦うのが嫌で店屋を開いている奴もいるんだけどな?」
「へぇ〜…誰でも兵士をしたがるってわけじゃないんだな…」
「まぁ、世の中そんなものさ…メガロスタウンには俺達の武器の予備が大量に保存されてある地域もあってな?まぁ、メガロスタウンがメガロス帝国の大部分を占めているといっても過言じゃないな…」
そういわれれば…そういう気がしないでもないなぁ…
なんて思いながら、俺は辺りをいろいろ見回してみたんだ…
道行く人全てが、なんとなくだが…楽しそうなんだよなぁ…
うん…やっぱり、俺の判断に間違いは無かった!!メガロス帝国は…結構普通のいい国じゃないか!!
「さぁて…時間的にも、最後になるが…最後はフォード・コーポレーションだな…結構大きな会社なんだぜ?ほら…ここからでも見える…あれだよ」
そう言いながら、ナッカーサーが指差したところには…城よりは少し小さいながらも、結構大きめな建物があったんだよ!!
あ、あれかぁ…
「あそこにはテレポーテーションシステムがつながっていないからな…スーパーカキサトレインを使うぜ?」
「す…すーぱーかきさとれいん?」
「あぁ……まぁ、見てみれば分かるな…ついて来いよ!」
そういわれて、俺はナッカーサーの後を追いかけ…なんていうか、よく分からない場所につれてこられたんだが…
しかも、そこに見たことが無いおおきな乗り物があるんだよ!!
こ、これは一体…
「これがスーパーカキサトレイン…略してSKTだ…これに乗っていかないといけないんだ」
「こ、これは安全なのか?凄い不安なんだけどなぁ…」
「大丈夫だって!!リニアシステムを搭載しているから、自動だ…乗ってのんびりとしていれば、あっという間につくさ!!乗ろうぜ?」
なんていいながら乗っていくナッカーサーの後ろを追いかけていく俺…
ま、まぁ…ナッカーサーが大丈夫って言うなら、大丈夫なんだろ…
そうして、20分くらいした時だった…俺は物凄くゆったりと飲み物を楽しんでいたんだが…
ま、まさか…スーパーカキサトレインがこれほどまでに便利な乗り物だったとは…これなら、子供達に対しては大人気だな…
「ついたついた…ここがフォード・コーポレーション…ケイ=ラングスフォードの建てた会社さ…ここで、国内の武器の生産と生活が便利になる道具が作られているんだよ!!」
「お、おぉーー…」
なんて感心しながら、辺りを見回している俺だったが、その時、物凄く懐かしい人物を見つけたんだよ!!
「……!?ご、ゴルガーじゃないか!?どうしてここにいるんだ!?」
「………で、デメトリオか!?髪の毛の量が少なくなっているから誰かと思ったが…久しぶりじゃないか!!」
「あぁ……15年ぶりか?」
あっ…紹介しておかないといけないな…
こいつの名前はゴルガー=ドートレスって言うんだけど…
実は、俺がフェルス興国に行く前にいた町での友達なんだよ!!
俺が親父が再婚してフェルス興国に行く前に出会ったのが最後だろうか…?
あの時は……あいつと俺ともう一人の女の子の三人で秘密基地を造ったりして遊んでいた子供だったなぁ…
あの出来事が起こる前までは、三人いつも一緒だったのに…世の中ってのは、分からないものだぜ…
「なぁ…俺はすぐに引っ越したから分からないんだけどさ…あの時、俺達の秘密基地だった教会でミランダは…あの後どうなったんだ?」
「………その話はしないでくれ…後、ナッカーサーさん…そろそろ俺に…魔物娘を捕らえているっていう場所に連れて行ってくださいよ…」
「ダメだ…お前には教団的思想が感じられるため、教えるわけにはいかないな、俺達の国は人の魔物娘達も傷つけずに、自分達だけが傷つくのをよしとする思想を持っているからな?他人を傷つける可能性がある奴には教えないことになっているんだ…わかっているだろう?」
「ナッカーサーさんは間違っている!!世の中でもっとも優れているのは人間でしょう!?なら、この世界を人間のものにするために……排除すべきだ!」
あ…あれ…?ゴルガー…俺とミランダと一緒に秘密基地で遊んでいた時は…
世の中の差別を嫌っていたはずなのに……どうしたんだ?
昔は…差別されている子供達に対してこっそり食べ物をあげたりしていたはずだし、その時は魔物娘たちとも仲がよかったはずじゃないか…!?
俺はその時、そっと遠くの方で逃げる準備をしながら見守っていたのに…
……人は見ない間に、変わるんだな…一体ゴルガーになにがあったのか…
ま、まぁ…俺には関係ないことだけどさ…?
そう思いながら、俺はナッカーサーに連れられてある部屋に入ったんだよ…
で、ナッカーサーが作業をしているのをじっくり見ていると…なんと、いきなり真下にものすごい重力を感じたんだ…しかも、部屋のところにあるランプがだんだん数字が上がっていくんだよ!!
そして…数字が最高値に達すると、いきなり扉が開いて気がつくと…さっきまでは違う部屋にいたんだよ!!
ど、どこだよここは!?さ、さっきの部屋に何か仕組みがあるのか!?
「……おや?驚いているようだな…さっきの部屋はエレベーターっていうらしいぜ?あのシステムを作ったのもケイだ…凄いだろ?エレベーターを使えば、いちいち階段を上ったり降りたりする作業をしなくてもいいんだぜ?」
「さ、さすがだなケイ…実際にあったことは無いけど…恐ろしい男だ…」
「だーれーが…恐ろしいって?ん?」
俺が恐ろしい男だって言った瞬間、俺の後ろの方からその声が聞こえてきた時…俺は本気で焦ったぜ…
い、いきなり後ろから話かけてくるのはやめて欲しいぜ…
「ケイ!!デメトリオを案内すると同時に、ついでに一緒に祭りでもしないかって事で、迎えに来たぜ〜?後、20分くらいだしさ?」
「まぁ…いいよ?する事はもう終わったしさ…」
「何をしていたんだ?デメトリオの後ろから来るって事は、エレベーターを使って来たって事だよな?地下作業室か?」
「あぁ…僕の作成している大型ロボットの骨格の作成は終わったからな…量産機も僕専用機も骨格は完璧だし…今はやることないかな?量産機といっても、3種類の別々の機体だし、まだ量産に成功してはいないんだけどな…」
……だ、ダメだ…一体なんの話なのか検討もつかない…
あれかなぁ…?超幼女機工バフォメットリオンZみたいな感じかな?
まぁ…実物を見ないと何も言えないんだけどな?
「……見るかい?コードナンバー00【セレナーデ】でも…まだ、外骨格だけだけど…それとも、量産機の023【ラウゼス】とか、025【デスナイトMK-U】とか、035【オーバゾイ】とかが見たいのか?全部外骨格だけだけど…」
「いや…別にいいや…祭りもそろそろ始まるし、急いだほうがいいだろ?」
「そうだな…じゃあ、行こうか?」
こうして、俺たちはまたSKTを使用し…初めにいた中央広場にテレポーテーションを使用して戻ってきたのだった…
で、俺達が中央広場につくと…あたりの屋台の準備はもう終わったようで、中央のステージの上で王様がうどん粉にまみれながらうどんを叩いているのが見えたんだよ!!
お、おぉ…王様…やってるなぁ…
「よぉっ!!ナッカーサー…少し遅かったな…?」
「いやぁ…結構急いで案内したんだぜ?まぁいいや…今回の祭りは結構食べ物屋が多いな…」
「あぁ…今年は国内で作った野菜が大量に取れたからな…感謝祭もかねているんだ!!じゃあ、うどんでも食べるかい?ほら…」
「あ、ありがとう…この祭りって何日続くんだ?」
「えっと…二日ぐらいかな…二日目には、国民でゲーム大会の予定さ!」
「おっ…いいねぇ……じゃあ、のんびりと食べ歩くかデメトリオ?」
「了解…で、でも…俺お金余り持ってないんだよなぁ…」
「…じゃあ、終わったら俺の部屋で、テスタロスたちと一緒にゲームでもするか?明日のゲーム大会に向けてさ…当然、ケイも来るよな?な?」
「まぁ、僕は別にいいけど…そうだ、何か設計図でも書くための紙を用意してくれるとうれしいんだけど…」
「あぁ…任せておけ…」
そうして俺たちは、祭りの会場で少しのお金を持ち、食べ歩きに繰り出したのだった…
〜〜〜〜〜〜メガロス帝国南部8km地点〜〜〜〜
私は、ある程度いろいろな地域で協力を求めた後、メガロス帝国の約8km地点にデメトリオの宿を展開して…他のみんなが戻ってくるのを待っていたんだけど…
私がはじめに思っていた時よりは、早く終わりそうね…
なんて思いながら、私は宿屋に残っていたゾーネと作戦を考えていた…
「…ゾーネ…あなたの意見を聞きたいんだけど…メガロス帝国を攻めるに当たって…どのくらいの戦力があればいいと思う?」
「そうじゃのぅ…あの壁なのじゃが、わしはあの壁の素材を見たことが無いのじゃ…つまり、あの壁に一体どの程度の耐久度があるのか…そして、どのような武器が搭載されているのかが分からぬからのぉ…ある程度はいると思うのじゃ…」
「そう……まぁ、沢山の人に救援を求めたから…ある程度はあつまるわね…後は、モンスターラグーンの中でまだ結婚していないメンバー23万8437人を集めれば…すぐに落とせるかしら?」
「そ…そんなにおったのか…!?モンスターラグーン…」
「えぇ…それだけ、縁がない魔物娘達もいるって事よ……」
私はそういいつつ、一気にテーブルに置いてあったコップを手に取り、中にあるコーヒーをすすり始めた…
その時、デメトリオの部屋から誰かが出てきたのよ…
えっと、彼女達は確か…デメトリオが旅の途中で養うことになった…将来、サリィの子供になる子たちじゃない…
どうしたのかしら…?
「あのぉ…ゾーネさん…ちょっと聞きたいことがあるのですが…」
「…ん?どうしたのじゃ狸巳?」
「お父さんは今…どこにいるんですか?」
「……で、デメトリオは今…ちょっと遠くの方に買い物に行っておっての?少し帰ってくるのは遅くなるのじゃが…心配しなくても大丈夫じゃ!!そうじゃ…そういえば、エルナにおやつをあげたか?まだなら…わしの部屋の冷蔵庫の中にプリンがあったはずじゃから、みんなで食べるのじゃ!!」
「はーい…」
……そうか、デメトリオの奴も子供には心配されているのね…
でも、あの子達にはサリィの子供として生きて貰わないといけないから…
まったく…デメトリオったら…あんなに小さい女の子達も心配させて…許せないわ…
私はそう思いながら、一気にコーヒーを飲み干して宿屋の外に行き、遠くに小さく見えるメガロス帝国を見ていたんだけど…
その時、私は宿屋の裏の方で何か音がしたのを聞いたのよ…
……誰かが戻ってきたのかしら…?この私にも報告せずに?
…うーーん…一応、誰に報告したのかを知りたいから会いに行こうかしら…?
そう思いつつ、私は音がしたほうに向かって行ったんだけど…
「か、可愛い……な、なんなんだ!?あの子は!?か、可愛すぎる…な、名前はエルナちゃんっていうのか……け、結婚したい…!!」
なんてぼやきながら、宿屋の窓をのぞいている明らかに怪しい男がいたのよ!
……エルナちゃんのことを見ている…って事は、不振人物!?
私はそう思うとすぐにその男に飛び掛り、思いっきり殴りつけて気絶させた…
こんなところに…人間の男がいるということが只の偶然だったとは思えないしね?
そうして、謎の男を宿屋の中の椅子に縛り付けると…私はゾーネに発明品を用意するように指示し、思いっきり水をかけて起こしたのよ…
今から少し……心優しい私が質問をしてあげるわ…ふっふっふ…
「うわぁっ!?な、なんだぁっ!?み、水!?だ、誰だあんたは!?」
「……それはこちらの台詞よ?あなた…どこから来たのよ?まさか…メガロス帝国じゃないでしょうね?」
「……こ、答える義務なんて無いはずだ!!俺には黙秘権がある!!」
「………へぇ…あなたに権利があるとでも思うの?ちょっと、自分の立場を再確認する必要があるわね…ゾーネ!!」
「……ふっふっふ、わしの研究兵器の一つを使えば、嫌でも言うことを聞くようになるのじゃ…この兵器を使えば貴様はわしの言うことを常に聞く男になるのじゃ…」
「ひ、ひぃぃ…嘘だろ!?それは悪い冗談だ!!」
「私が悪い冗談を言うと思うのかしら?始めなさい…」
「わ、わかったよ!!言うよ!!言うからやめてくれよ!!俺はジャックって言うんだ!!旅の動物学者だよ!!ここには珍しい生物がいるかも知れないからやってきたんだよ!!」
「…で?」
「それで、夕方になったからテントでもはるかって思った時に、建物を見つけてさ…今晩、泊めて貰おうかって思ったんだ!!そしたら、おいしそうに食べ物を食べている3歳のぬれおなごの可愛い子がいて…気がついたら今のこの状況になっていたんだって!!」
なんて言っているけど、私はこの男が本当のことを言っているかどうかがいまいち信用できなかった…
口だけで言うのは簡単だし…どうにかして、本当の気持ちを聞いてみないと…
なんて思っていると、ゾーネがわかっているといいたそうに頷くとジャックにいきなり青色の液体を飲ませたのよ!!
あ、あれは一体…何かしら?
私がそう思っていると、ゾーネがそっと近づいてきて私に教えてくれたのよ…
「あれはわしが発明した自白剤じゃ…」
「ありがとうゾーネ…さて…さっき言った事って本当なの?」
「本当ですよ!!嘘ついても、いい事なんて無いじゃないですか!!」
……ふむ、本当のことを言っていたようね…
私はそのことに気がつくとすぐに、あることを考えたの…
こいつなら、男以外が入ったことが無いといわれるメガロス帝国に侵入できるんじゃないの…?
なら、利用すれば戦う前から敵の情報を知ることもできるんじゃないの…?
そうね……もしスパイ活動でも行ってくれたら、エルナとの結婚を考えてあげてもいいって答えたら…いけるわね!!
「ねぇ…ちょっと頼みがあるんだけど…メガロス帝国の中にスパイとして行ってくれない?もしもやってくれたら、エルナとの結婚を考えてあげてもいいわよ?」
「マジか!?わ、わかった!!行くぜ!!」
「………ふっ…(計画通りね…しかも、考えてあげてもいいって言ったから、別に結婚させるわけじゃなし…せいぜい、役にたってね?)」
「……な、なんか、寒気がするなぁ…まぁいいや、明日行くか…メガロス帝国に…」
12/07/18 22:55更新 / デメトリオン
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