51 逃げるものと追うもののバトルステージ
さぁて…本来のペースで行けば今日で砂漠は抜けることが出来るが…
俺は朝おきてからというもの、ニギラさんが言っていた今日は砂漠を抜けないほうがいいって事が…頭に引っかかっているんだ…
いや、これは感なんだけどな?
さて…俺の感だけでメリィに言ってもいいのかどうか…
本音を言えば、メリィは俺の言うことに耳を傾けない気がするし…
俺は食事中ずっとそのことを考えていたんだが…結果だけをお教えしよう!
俺は結局、ニギラさんが言っていたことをメリィに告げることはしなかったんだ。
所詮、おじいさんが言ったことだし、メリィに言っても無駄なんだろ?
最近、旅に出てから確実に俺は…判断力が的確になった気がするぜ…
そして、ナスバを離れて数分…俺は今回、メリィや他のモンスターラグーンのメンバーの荷物を持って砂漠を歩くというすばらしく名誉ある任務についているのさ!!
……本音、物凄くだるいんだけどな…一つ一つは軽いけど、塵も積もれば山となるって言うし…重いんだよ!!
でも…こんな扱いをされても最近、当たり前と…いや、むしろうれしいと思い始めた俺もいるわけで…
などと俺が言っていたときだった…
「……あれ?リーダー…あれって竜巻じゃないですか?」
「…そうね、また竜巻かぁ…面倒ね」
いや、面倒ねって言ってますけど、俺は皆さんの荷物を持っているんですよ!?回避行動を取ることが出来ないじゃないですか!!
だが、俺がここで荷物を背負った状態でも竜巻は動きを止めてくれるって事も無く、俺たち一行を直撃した。
いや、正確に言えば…メリィ達は皆竜巻に対して対処したが、俺は出来なかったんですけどね?
「うおぉぉぉぉぉっ!!と、トルネードぉーーー!!」
この期に及んでかっこいい台詞を言ってみるが…何を馬鹿なことをしているんだ俺は!!
あ、あぁっ!?メリィ達の荷物が竜巻に巻き上げられていろいろな所に!?
……そして、竜巻が収まってきたとき…俺は収まってきた竜巻の中に遺跡があるのを見つけたんだ!!
…メリィ達のところに行きたいけど、ここからはかなり距離があるし…これは、一時的にあの遺跡に…退避させてもらおうか!!
そうして、俺は一時的に遺跡に退避したのさ!!
遺跡の中にあった石碑を見てみると…ここはどうやらクローデットって呼ばれる場所のようだな…
内装は…古いんだけど、結構丈夫そうだし…砂嵐が収まるまでここにいさせてもらうとするかな!?
「……結構、埃っぽいんだな…」
俺は入り口付近で座っていたんだが…結構空気が重い感じがするんだよなぁ…
さて、そろそろ竜巻も収まっただろうし…出るとするかな…
そう思って俺が後ろを振り返ると、何と!!扉が閉まり始めてきているんだ!
ま、待ってくれって!!せめて俺が出るまで待ってくれ!!あぁ〜〜!!
俺は急いで扉の方に向かったが、扉は無情にも重々しい音を立てながら閉まってしまったのだった…
「な…なんてことだ…終わった…何もかも…」
俺はそう言いながら地面にペタリと座り込んで、何もやる気がなくなったのだが…待てよ?ここ以外にも出口があるかも知れないぜ!?
……よぉし!!探しに行ってやろうじゃないか!!
さて…探すとしたらやっぱり奥に行かないとダメなんだよなぁ…
よしっ!!
「ノックしてもしもーし…」
そう言いながら扉を開けてみる俺…
そこには、漆黒の闇に包まれて廊下がただひたすらに続いていたんだ。
そうして…どれくらいの道のりをただひたすら歩いただろうか…
俺はこの異常だと思える長さの廊下を無限回廊と勝手に名づけ、ただ無言で歩いていたんだ。
近くではヒカリゴケが繁殖しており、微妙に灯りがあるんだけど…早く出口に行きたいもんだぜ…
あっ!!あの光は…希望の灯の予感が!!
そう…無限回廊を必死に歩き続けると、目の前にうっすらとろうそくの灯りが見えてきたんだよ!!
よしっ!!俺はあそこまで…走らせてもらうぜ!?
そしてカッコよく走り始めたんだ…が、50M地点で石に足を引っ掛けて盛大に転びました…はい…
これは…キャラに似合わず無謀なことをしたことに関するバツなのだろうか…
俺はただひたすらそれを心で感じながら歩いていたのだった…
そして俺は遂に大きな広間に出たんだよ!!で、そこに謎の幼女の姿を発見!
……って、なんでこんなところに幼女がいるんだ!?
あ、怪しい…怪しすぎるぜ…
俺は、まだ俺には気付いていない幼女を遠くでこっそり見つめていた…
果たして、危険な子なのか…それとも無害か…その見極めが大事だぜ…
そして数分間ずっと見張っていたが…そんなに危険な雰囲気は感じ取れないなぁ…ここは、行ってみるのもいいんじゃないか!?
俺はそう判断すると、その幼女のところに行ってみたんだ…
「…あのぉ、ちょっといいかな?聞きたいことがあるんだけど…」
「はっ!?男性の予感!?」
そう言って振り返ってきた幼女は…全裸だったぜ…
って、待てぃ!!なんだよこの展開!?えぇっ!?
まさにカオスとしかいえないこの状況で、俺はただ黙っていることしか出来なかった。
「来たぁーーっ!!かれこれ数年間、ずっとここで裸待機して聖剣を守っていたら遂に!!夫♪慈愛♪青春だー♪」
……い、嫌な予感がするぜ…
これはこの瞬間、ただならぬ悪寒を全身で感じ取り、即座に撤退を開始したんだ!!ふっ…世の中の戦闘は逃げれば勝ちってね!!
「あぁーー!!逃がさないからねーー!!」
こうして、俺の逃亡劇が始まったのだった…
しかも、俺がきた場所とは違う出口だ…果たして、どんな道になっているのかなっと…
俺は、逃げ始めてからこの道を選んだのは正解だったかも知れないと内心思っていたぜ…
だって、周り角が沢山あるんだぜ!?逃げるのにこれほど適した環境はないだろう!!
「行けー!!私の触手ーー!!」
彼女がそういうと、いきなり彼女の横をふよふよと謎の球体が浮遊し始め、俺に向かって黒いウネウネしたものを伸ばしてくるのが見えたんだよ!!
何!?あれ!?ま、まぁいい…俺の逃げ足に…勝てると思うなよ!!
だが、俺はすぐにあの黒いウネウネが只者ではないことを知ることになった…
早いんだよあれ!!いつの間にか…俺の真横を同じ速度で移動して攻撃の隙をうかがっているんだぜ!?
俺は一応、自分の剣を右手に持ち必死に走っていたわけだぜ…
どうでもいいんだが、こうやって必死に走っているときって中々疲れないよね?なんでだろうなぁ…
あ、危ねぇ!?ふぅ…油断すると一発でつかまるなぁ…
そして、必死に走って逃げ続けること数分…なんで俺なんかを追いかけているのか…その理由をだんだん聞きたくなってきたんだが、俺はそれを必死に我慢して走っていたのさ!!
俺は絶対に…戦う気は無いから…逃げ切って見せる!!
「もぉっ!!しつこいんだからぁっ!!私が追いかけているんだからおとなしくつかまってよ!!」
「ほっといてくださいよぉ!!俺は君が追いかけてきても…絶対に止まらないからな!!」
……俺はただここから出たいだけなんだから…ほっといて先に行かせてくれればいいのに…
「もぉっ!!やっちゃうから!!うなれエクスカリバー!!目の前の男を時の流れに閉じ込めて!!」
そういって彼女が剣を振ると、一気に縦に青色の剣筋が!?
ま、まさかの遠距離攻撃かよぉ!?俺はこの瞬間、真横にギリギリ交わしたんだが…
き、切られた場所が灰色になって…空中で瓦礫が固まっているだと!?
こ、これは…本気でやばい!!
どうしてこんな恐ろしい子に目をつけられているんだよぉーー!!
…さぁて…今現在、あの恐ろしい子を一時的に撒く事に成功したぜ!!
いやぁ…壁に思いっきり激突して追いつかれそうになったときはどうしようかと思ったけど…その壁がいきなり開くなんて思って無くてさ…
また変な広場には出たんだが、生きているって事を喜ぶとしようか?
そして俺はこの広場の真ん中に大きな宝箱があることに気がついたんだ!!
こんなところに宝箱が二つ…これは絶対隠しアイテムだろ!?
そして俺は容赦なく宝箱の中身をいただくことにしたんだ。
いいだろ?これは俺へのご褒美なんだって!!
そして俺がオープンした宝箱の一つ目には……剣が入っていたんだ。
こ、これは…噂でしか聞いたことは無いが、世界に一つしか存在しないって噂の伝説の剣じゃないのか!?
ほら!!ここに古代文字でエクスって書かれてるし!!
あっ!!古代文字読めたのかよお前って思っただろうけど、上に俺でもわかる言語で小さく書いてあったから読めたんだぜ?その証拠に、その下の古代文字は俺でもわかる言語のところが綺麗に磨り減ってて読めないし…な?
さぁて…次の宝箱にはなにが入っているんだ!?一つ目は武器だったし、二つ目は防具か!?
そう重いながら俺は二つ目の箱を期待を込めて開けたんだが…
「じゃじゃーーん!!宝箱は可愛いミミックでしたぁーー♪おっめでとぉー♪」
「ふぅ…閉めなおそう…」
「あぁーー!!待って待ってぇーー!!」
……どうやら俺は、一つ目にいいものが入っていたからって調子に乗って罠にかかってしまったようだぜ…
で、ミミック…ミミックかぁ…
俺は早速頭の中で逃げる方法を考え始めたわけだが…
「ちょっと待っててねぇ?リボン体に巻くから…」
「……な、なぜだ?」
「もっちろん、私をテイクアウトしてもらうからだよ?」
ふぅっ…仕方がないな…ここは…
「かっこよく逃げさせてもらうぜーー!?宝箱だからここまでもこれないだろー!?じゃあなぁーー!!」
「むっ…逃がすかーー!!」
そして逃げながら俺が振り向くと、カチャって音がして宝箱に車輪がセットされ、こっちに向かってきたんだよ!!
そ、それは…卑怯じゃないのかよぉ!?
俺はまたもや新しい通路にでたが…あのミミックの女の子の速度は常軌を逸していた…
俺はすぐにつかまりそうになったんだぜ…こ、こうなったら…
「頼んだぞ!?伝説の剣!!うおりゃぁーー!!」
そういいながら俺は剣を振ってみる…伝説の剣なら剣の波動が出てきて相手を吹き飛ばしてくれるとかどうとか…
……えっと、何もおこらないだと!?
「あっ…お兄さん、サリアの横にあった宝箱取ったでしょー?それ、伝説の武器のパチモノのエクスカウパーだよ?しかも…持っているとだんだん眠くなってくるし捨てることもできない…のろいの品なんだよ♪」
なっ!?の、呪いの武器だと!?甘いな…俺にはリーダー…あっ、あの昔、フェルス興国にいたときに会っていた神父のことだぜ!?覚えているよな?
あの人にもらった護符で一回だけ呪いのアイテムを無効化できるのだ!!
呪いなんて…怖くないんだよぉ!!
でも…でもな?俺はこの武器を伝説の武器だと思っていた…
だからこそ、俺はこの台詞を心のそこから言いたいんだよ!!
「伝説の武器じゃないのかぁーー!?」
ふぅ…もう満足したし、逃げるのを再開するとしますか!?
そして俺は、さっきバカなミスをしたせいで、サリアとの距離を大幅に狭めた状態で必死ににげていたんだ。
どうでもいいことだが、なんだか変なにおいが進行方向から漂って来るんだが…思わず、顔を背けたくなるような…強烈な匂いがな?
「はい!!また変な広場に出ましたぁーー!!」
もう、俺のテンションは逃げ続けた余りおかしいぜ…
で、この広場に入ったとたん、俺は思わず動きを止めてしまったんだ…
右も左も死体だらけ…物凄い匂いがここまで伝わって来るんだよ…
な、なんだよ…この部屋…
「……また、哀れな生き物が生命の間に入り込んだか…」
「だ、誰だ!?」
俺は、結構いろんな人が言いそうな台詞をこの瞬間、つぶやいたんだ…
「…わたしはキャサリア=ステインダーク=アルム…この恨みただよう広間の監視者だ…」
「はぁ…そうですか…俺、今はそれどころじゃないので失礼します!!」
そう言って、俺はそのキャサリアの横を通ってこの部屋からにげようとしたんだが…
「待て青年…」
「うおっと!?」
やっぱり、つかまるわけですね…はぁ…
「折角きたんだ、彼女たちの体に包帯を巻くのを手伝ってくれないか?」
「か、彼女たちって!?」
「ほら…周りに沢山いるじゃないか…争いの被害者たちがな?」
周りに沢山って…ま、まさか!?
俺にこの死体の体に包帯を巻けといっているのかキャサリアは!?
い、嫌だよ俺は!!この人たちが生前どんな人であったとはいっても…
そりゃあ、俺も丁寧に供養してあげたいよ!?出来ることなら…
でも、今は後ろの方からサリアが追いかけてきているし…そんな余裕がある時間じゃないんだ!!わかってくれ!!
「…俺は、出来ませんよ!!今、後ろから追っ手がきているんですから!!」
「なんだと!?もしそうだとしても、大昔にこの地で起こった戦争で死んでしまった…かわいそうな彼女たちに供養の心すらないというのか!?君は…彼女たちと同じ人間なんだろ!?」
「俺だって…俺だってなぁ!!」
だが、俺はこれ以上何も言うことは出来ず、無言でこの広場を去ったのだった…後悔?していないって言ったら…嘘になるかな?
「待て!!その心…私が正義の道に戻してやる!!」
おまけに、逃げるべき対象増えちゃったしなぁ…
そうして俺はしばらく逃げ続けた結果、出口を見つけることに成功したんだ!
あの…日の光は絶対に出口に違いないだろ!?
そう思ってその光が差し込んでいる出口に行ってみたんだが…
「えっ……?が、崖だと…?なんで砂漠に崖があるんだよーー!?」
「見つけたぁーー!!まったく…お兄さんが逃げるからこんなところまで来てしまったじゃない!!」
……君たちが追いかけてきたからだろうが…なんて、俺は心のそこでは思うけど、口には出さないぜ?
で、どうして砂漠に崖が…?いや、別にそこまで重要なことじゃないんだろうけど、どうして…?
俺はそのことばかり考えていて目の前に三人も集まったことに気がつかなかったんだ…
「…!?ニカシャンティーナ様!?あなた様は今、神具の間でエクスカリバーの守護をしているはずでは…」
「えぇー…だって、久しぶりの男だもん…この遺跡に入ることが出来たって事は、強い人でしょー?私だって…夫が欲しいのよーー!!」
「そうは言ってもですね!?あなた様はエクスカリバーを守るのが役目なわけでありまして…そのために持ち場を離れるのは感心しません!!」
……えぇっと…これは、俺は空気になっている状況だよな?な?
では、ちょっと失礼して…この部屋から逃げさせてもらいましょうか?
そして、微妙に…本当に微妙に横に移動している俺…よし!!ばれてないぞ!
だが、俺は二人のことにばかり目が向いていて、実はもう一人…サリアもこの部屋にいたことに気がついていなかったわけで…
気がついたら、つかまってしまっていましたとさ…
「へっへ〜ん!GET!!」
「うわぁーー!!は、離せって!!な?な?」
「えぇー…嫌だよ?離したら逃げるじゃん…」
くっ…す、鋭いじゃないか…
こうなったら、この手段は使いたくなかったが…仕方がない!!
「そ、そうだ!!俺を離してくれたら世界の半分をくれてやろう!!コレでどうだ!?」
「嫌だよーー!!だって、お兄さんが世界の半分をくれるくらい強いって思わないもん…」
ですよねーー!!
いや…初めから無理だと思っていたよ?でも、心のそこではもしかしたらって気はしてたんだ…
やっぱり、こんな誘いに乗るのはルタか俺くらいのものだよなぁ…
「はっ…サリア!!あなたも隠し部屋の番をしてないとだめではないか!!どうしてこんなところにいるんだ!?」
さっきまでニカシャンティーナっていう名前のダークマターの女の子を相手にしていたキャサリアが、サリアのことにも気がついて、こっちに歩いてきたんだよ!!
いやぁ…キャサリア…真面目な人だよなぁ…
このまま、俺のことなんて放っておいてくれたらありがたいんだけどなぁ…
「あぁう…ちょっと待ってよーー!!このお兄さんはどうするの?逃がすの?」
「ん…?あぁ…彼は私が責任を持って世話を…」
「そ、それはさすがに認められないよ!?いくらキャサリアでも卑怯だよー!」
おっと…どうやら仲間内で口喧嘩が始まったようだし…俺はこの隙に…
俺は、ばれないようにそっと崖際に移動したんだ…もう、ここから脱出するしかないだろ!?
そして俺は…意を決して崖に向かってジャンプしたんだぜ!!
「あ、あぁーーっ!!逃げられたー!!」
「くぅっ…お、覚えていろ!!いつか必ず…捕まえてやるからな!!」
いやいや…それよりも前に俺が死ぬかも知れないぜ!?
だって…俺は落ちているんだから!!
嫌だぁーー!!まだ死にたくないーー!!うおわぁーー!!
「……デメトリオは何をもがいておるのじゃ?」
「…知らないわ、竜巻にあおられて頭でもおかしくなったんじゃないの?」
……え?この声は…メリィとゾーネじゃないか!?
俺はすぐに体を起こし、辺りを見てみるんだが…えぇ!?
俺は…夢でも見ていたんだろうか?辺りを見ても、俺を見ているモンスターラグーンの皆以外、遺跡も、崖も…何も無かったんだ…
……ま、まさかの夢オチか!?嘘だろぉーー!?
俺はそう思いながら立ち上がったんだ…が、不意に腰の部分に変な重みを感じたんだ…
なんだ?なにが入っているんだ…?
俺はすかさず腰の部分を探ってみる…すると!!
こ、これは…あの遺跡で手に入れた伝説の武器…のパチモノじゃないか!!
な、なんで俺の腰に…?あれは…あの出来事は…夢オチじゃなかったのか!?
そう思って困惑していると、いきなりゾーネが近づいてこういってきたんだ。
「デメトリオ!!それは…エクスカウパーではないか?なぜおぬしがもっておるのじゃ?」
「……でも、所詮は伝説の武器のパチモノ…」
「…ふっ…肩書きなどは所詮飾りじゃ…凡人にはそれがわからんのかのぅ…それとおぬしの剣をしばし、わしにかかすのじゃ」
俺はそういわれて、一応ゾーネに俺の武器を預けてみたが…一体どうするつもりなんだ?
今の俺には…検討がつかなかった…
そしてしばらく歩くと、遂に!!見慣れていた砂漠の風景から打って変わり、大きな町が見えてきたんだよ!!
いやぁ…少しはのんびり出来そうだぜ!!
俺は、たったの一日でも、のんびりと町で過ごせるって事に喜びを捨て去ることが出来なかったのであった…ってな?
俺は朝おきてからというもの、ニギラさんが言っていた今日は砂漠を抜けないほうがいいって事が…頭に引っかかっているんだ…
いや、これは感なんだけどな?
さて…俺の感だけでメリィに言ってもいいのかどうか…
本音を言えば、メリィは俺の言うことに耳を傾けない気がするし…
俺は食事中ずっとそのことを考えていたんだが…結果だけをお教えしよう!
俺は結局、ニギラさんが言っていたことをメリィに告げることはしなかったんだ。
所詮、おじいさんが言ったことだし、メリィに言っても無駄なんだろ?
最近、旅に出てから確実に俺は…判断力が的確になった気がするぜ…
そして、ナスバを離れて数分…俺は今回、メリィや他のモンスターラグーンのメンバーの荷物を持って砂漠を歩くというすばらしく名誉ある任務についているのさ!!
……本音、物凄くだるいんだけどな…一つ一つは軽いけど、塵も積もれば山となるって言うし…重いんだよ!!
でも…こんな扱いをされても最近、当たり前と…いや、むしろうれしいと思い始めた俺もいるわけで…
などと俺が言っていたときだった…
「……あれ?リーダー…あれって竜巻じゃないですか?」
「…そうね、また竜巻かぁ…面倒ね」
いや、面倒ねって言ってますけど、俺は皆さんの荷物を持っているんですよ!?回避行動を取ることが出来ないじゃないですか!!
だが、俺がここで荷物を背負った状態でも竜巻は動きを止めてくれるって事も無く、俺たち一行を直撃した。
いや、正確に言えば…メリィ達は皆竜巻に対して対処したが、俺は出来なかったんですけどね?
「うおぉぉぉぉぉっ!!と、トルネードぉーーー!!」
この期に及んでかっこいい台詞を言ってみるが…何を馬鹿なことをしているんだ俺は!!
あ、あぁっ!?メリィ達の荷物が竜巻に巻き上げられていろいろな所に!?
……そして、竜巻が収まってきたとき…俺は収まってきた竜巻の中に遺跡があるのを見つけたんだ!!
…メリィ達のところに行きたいけど、ここからはかなり距離があるし…これは、一時的にあの遺跡に…退避させてもらおうか!!
そうして、俺は一時的に遺跡に退避したのさ!!
遺跡の中にあった石碑を見てみると…ここはどうやらクローデットって呼ばれる場所のようだな…
内装は…古いんだけど、結構丈夫そうだし…砂嵐が収まるまでここにいさせてもらうとするかな!?
「……結構、埃っぽいんだな…」
俺は入り口付近で座っていたんだが…結構空気が重い感じがするんだよなぁ…
さて、そろそろ竜巻も収まっただろうし…出るとするかな…
そう思って俺が後ろを振り返ると、何と!!扉が閉まり始めてきているんだ!
ま、待ってくれって!!せめて俺が出るまで待ってくれ!!あぁ〜〜!!
俺は急いで扉の方に向かったが、扉は無情にも重々しい音を立てながら閉まってしまったのだった…
「な…なんてことだ…終わった…何もかも…」
俺はそう言いながら地面にペタリと座り込んで、何もやる気がなくなったのだが…待てよ?ここ以外にも出口があるかも知れないぜ!?
……よぉし!!探しに行ってやろうじゃないか!!
さて…探すとしたらやっぱり奥に行かないとダメなんだよなぁ…
よしっ!!
「ノックしてもしもーし…」
そう言いながら扉を開けてみる俺…
そこには、漆黒の闇に包まれて廊下がただひたすらに続いていたんだ。
そうして…どれくらいの道のりをただひたすら歩いただろうか…
俺はこの異常だと思える長さの廊下を無限回廊と勝手に名づけ、ただ無言で歩いていたんだ。
近くではヒカリゴケが繁殖しており、微妙に灯りがあるんだけど…早く出口に行きたいもんだぜ…
あっ!!あの光は…希望の灯の予感が!!
そう…無限回廊を必死に歩き続けると、目の前にうっすらとろうそくの灯りが見えてきたんだよ!!
よしっ!!俺はあそこまで…走らせてもらうぜ!?
そしてカッコよく走り始めたんだ…が、50M地点で石に足を引っ掛けて盛大に転びました…はい…
これは…キャラに似合わず無謀なことをしたことに関するバツなのだろうか…
俺はただひたすらそれを心で感じながら歩いていたのだった…
そして俺は遂に大きな広間に出たんだよ!!で、そこに謎の幼女の姿を発見!
……って、なんでこんなところに幼女がいるんだ!?
あ、怪しい…怪しすぎるぜ…
俺は、まだ俺には気付いていない幼女を遠くでこっそり見つめていた…
果たして、危険な子なのか…それとも無害か…その見極めが大事だぜ…
そして数分間ずっと見張っていたが…そんなに危険な雰囲気は感じ取れないなぁ…ここは、行ってみるのもいいんじゃないか!?
俺はそう判断すると、その幼女のところに行ってみたんだ…
「…あのぉ、ちょっといいかな?聞きたいことがあるんだけど…」
「はっ!?男性の予感!?」
そう言って振り返ってきた幼女は…全裸だったぜ…
って、待てぃ!!なんだよこの展開!?えぇっ!?
まさにカオスとしかいえないこの状況で、俺はただ黙っていることしか出来なかった。
「来たぁーーっ!!かれこれ数年間、ずっとここで裸待機して聖剣を守っていたら遂に!!夫♪慈愛♪青春だー♪」
……い、嫌な予感がするぜ…
これはこの瞬間、ただならぬ悪寒を全身で感じ取り、即座に撤退を開始したんだ!!ふっ…世の中の戦闘は逃げれば勝ちってね!!
「あぁーー!!逃がさないからねーー!!」
こうして、俺の逃亡劇が始まったのだった…
しかも、俺がきた場所とは違う出口だ…果たして、どんな道になっているのかなっと…
俺は、逃げ始めてからこの道を選んだのは正解だったかも知れないと内心思っていたぜ…
だって、周り角が沢山あるんだぜ!?逃げるのにこれほど適した環境はないだろう!!
「行けー!!私の触手ーー!!」
彼女がそういうと、いきなり彼女の横をふよふよと謎の球体が浮遊し始め、俺に向かって黒いウネウネしたものを伸ばしてくるのが見えたんだよ!!
何!?あれ!?ま、まぁいい…俺の逃げ足に…勝てると思うなよ!!
だが、俺はすぐにあの黒いウネウネが只者ではないことを知ることになった…
早いんだよあれ!!いつの間にか…俺の真横を同じ速度で移動して攻撃の隙をうかがっているんだぜ!?
俺は一応、自分の剣を右手に持ち必死に走っていたわけだぜ…
どうでもいいんだが、こうやって必死に走っているときって中々疲れないよね?なんでだろうなぁ…
あ、危ねぇ!?ふぅ…油断すると一発でつかまるなぁ…
そして、必死に走って逃げ続けること数分…なんで俺なんかを追いかけているのか…その理由をだんだん聞きたくなってきたんだが、俺はそれを必死に我慢して走っていたのさ!!
俺は絶対に…戦う気は無いから…逃げ切って見せる!!
「もぉっ!!しつこいんだからぁっ!!私が追いかけているんだからおとなしくつかまってよ!!」
「ほっといてくださいよぉ!!俺は君が追いかけてきても…絶対に止まらないからな!!」
……俺はただここから出たいだけなんだから…ほっといて先に行かせてくれればいいのに…
「もぉっ!!やっちゃうから!!うなれエクスカリバー!!目の前の男を時の流れに閉じ込めて!!」
そういって彼女が剣を振ると、一気に縦に青色の剣筋が!?
ま、まさかの遠距離攻撃かよぉ!?俺はこの瞬間、真横にギリギリ交わしたんだが…
き、切られた場所が灰色になって…空中で瓦礫が固まっているだと!?
こ、これは…本気でやばい!!
どうしてこんな恐ろしい子に目をつけられているんだよぉーー!!
…さぁて…今現在、あの恐ろしい子を一時的に撒く事に成功したぜ!!
いやぁ…壁に思いっきり激突して追いつかれそうになったときはどうしようかと思ったけど…その壁がいきなり開くなんて思って無くてさ…
また変な広場には出たんだが、生きているって事を喜ぶとしようか?
そして俺はこの広場の真ん中に大きな宝箱があることに気がついたんだ!!
こんなところに宝箱が二つ…これは絶対隠しアイテムだろ!?
そして俺は容赦なく宝箱の中身をいただくことにしたんだ。
いいだろ?これは俺へのご褒美なんだって!!
そして俺がオープンした宝箱の一つ目には……剣が入っていたんだ。
こ、これは…噂でしか聞いたことは無いが、世界に一つしか存在しないって噂の伝説の剣じゃないのか!?
ほら!!ここに古代文字でエクスって書かれてるし!!
あっ!!古代文字読めたのかよお前って思っただろうけど、上に俺でもわかる言語で小さく書いてあったから読めたんだぜ?その証拠に、その下の古代文字は俺でもわかる言語のところが綺麗に磨り減ってて読めないし…な?
さぁて…次の宝箱にはなにが入っているんだ!?一つ目は武器だったし、二つ目は防具か!?
そう重いながら俺は二つ目の箱を期待を込めて開けたんだが…
「じゃじゃーーん!!宝箱は可愛いミミックでしたぁーー♪おっめでとぉー♪」
「ふぅ…閉めなおそう…」
「あぁーー!!待って待ってぇーー!!」
……どうやら俺は、一つ目にいいものが入っていたからって調子に乗って罠にかかってしまったようだぜ…
で、ミミック…ミミックかぁ…
俺は早速頭の中で逃げる方法を考え始めたわけだが…
「ちょっと待っててねぇ?リボン体に巻くから…」
「……な、なぜだ?」
「もっちろん、私をテイクアウトしてもらうからだよ?」
ふぅっ…仕方がないな…ここは…
「かっこよく逃げさせてもらうぜーー!?宝箱だからここまでもこれないだろー!?じゃあなぁーー!!」
「むっ…逃がすかーー!!」
そして逃げながら俺が振り向くと、カチャって音がして宝箱に車輪がセットされ、こっちに向かってきたんだよ!!
そ、それは…卑怯じゃないのかよぉ!?
俺はまたもや新しい通路にでたが…あのミミックの女の子の速度は常軌を逸していた…
俺はすぐにつかまりそうになったんだぜ…こ、こうなったら…
「頼んだぞ!?伝説の剣!!うおりゃぁーー!!」
そういいながら俺は剣を振ってみる…伝説の剣なら剣の波動が出てきて相手を吹き飛ばしてくれるとかどうとか…
……えっと、何もおこらないだと!?
「あっ…お兄さん、サリアの横にあった宝箱取ったでしょー?それ、伝説の武器のパチモノのエクスカウパーだよ?しかも…持っているとだんだん眠くなってくるし捨てることもできない…のろいの品なんだよ♪」
なっ!?の、呪いの武器だと!?甘いな…俺にはリーダー…あっ、あの昔、フェルス興国にいたときに会っていた神父のことだぜ!?覚えているよな?
あの人にもらった護符で一回だけ呪いのアイテムを無効化できるのだ!!
呪いなんて…怖くないんだよぉ!!
でも…でもな?俺はこの武器を伝説の武器だと思っていた…
だからこそ、俺はこの台詞を心のそこから言いたいんだよ!!
「伝説の武器じゃないのかぁーー!?」
ふぅ…もう満足したし、逃げるのを再開するとしますか!?
そして俺は、さっきバカなミスをしたせいで、サリアとの距離を大幅に狭めた状態で必死ににげていたんだ。
どうでもいいことだが、なんだか変なにおいが進行方向から漂って来るんだが…思わず、顔を背けたくなるような…強烈な匂いがな?
「はい!!また変な広場に出ましたぁーー!!」
もう、俺のテンションは逃げ続けた余りおかしいぜ…
で、この広場に入ったとたん、俺は思わず動きを止めてしまったんだ…
右も左も死体だらけ…物凄い匂いがここまで伝わって来るんだよ…
な、なんだよ…この部屋…
「……また、哀れな生き物が生命の間に入り込んだか…」
「だ、誰だ!?」
俺は、結構いろんな人が言いそうな台詞をこの瞬間、つぶやいたんだ…
「…わたしはキャサリア=ステインダーク=アルム…この恨みただよう広間の監視者だ…」
「はぁ…そうですか…俺、今はそれどころじゃないので失礼します!!」
そう言って、俺はそのキャサリアの横を通ってこの部屋からにげようとしたんだが…
「待て青年…」
「うおっと!?」
やっぱり、つかまるわけですね…はぁ…
「折角きたんだ、彼女たちの体に包帯を巻くのを手伝ってくれないか?」
「か、彼女たちって!?」
「ほら…周りに沢山いるじゃないか…争いの被害者たちがな?」
周りに沢山って…ま、まさか!?
俺にこの死体の体に包帯を巻けといっているのかキャサリアは!?
い、嫌だよ俺は!!この人たちが生前どんな人であったとはいっても…
そりゃあ、俺も丁寧に供養してあげたいよ!?出来ることなら…
でも、今は後ろの方からサリアが追いかけてきているし…そんな余裕がある時間じゃないんだ!!わかってくれ!!
「…俺は、出来ませんよ!!今、後ろから追っ手がきているんですから!!」
「なんだと!?もしそうだとしても、大昔にこの地で起こった戦争で死んでしまった…かわいそうな彼女たちに供養の心すらないというのか!?君は…彼女たちと同じ人間なんだろ!?」
「俺だって…俺だってなぁ!!」
だが、俺はこれ以上何も言うことは出来ず、無言でこの広場を去ったのだった…後悔?していないって言ったら…嘘になるかな?
「待て!!その心…私が正義の道に戻してやる!!」
おまけに、逃げるべき対象増えちゃったしなぁ…
そうして俺はしばらく逃げ続けた結果、出口を見つけることに成功したんだ!
あの…日の光は絶対に出口に違いないだろ!?
そう思ってその光が差し込んでいる出口に行ってみたんだが…
「えっ……?が、崖だと…?なんで砂漠に崖があるんだよーー!?」
「見つけたぁーー!!まったく…お兄さんが逃げるからこんなところまで来てしまったじゃない!!」
……君たちが追いかけてきたからだろうが…なんて、俺は心のそこでは思うけど、口には出さないぜ?
で、どうして砂漠に崖が…?いや、別にそこまで重要なことじゃないんだろうけど、どうして…?
俺はそのことばかり考えていて目の前に三人も集まったことに気がつかなかったんだ…
「…!?ニカシャンティーナ様!?あなた様は今、神具の間でエクスカリバーの守護をしているはずでは…」
「えぇー…だって、久しぶりの男だもん…この遺跡に入ることが出来たって事は、強い人でしょー?私だって…夫が欲しいのよーー!!」
「そうは言ってもですね!?あなた様はエクスカリバーを守るのが役目なわけでありまして…そのために持ち場を離れるのは感心しません!!」
……えぇっと…これは、俺は空気になっている状況だよな?な?
では、ちょっと失礼して…この部屋から逃げさせてもらいましょうか?
そして、微妙に…本当に微妙に横に移動している俺…よし!!ばれてないぞ!
だが、俺は二人のことにばかり目が向いていて、実はもう一人…サリアもこの部屋にいたことに気がついていなかったわけで…
気がついたら、つかまってしまっていましたとさ…
「へっへ〜ん!GET!!」
「うわぁーー!!は、離せって!!な?な?」
「えぇー…嫌だよ?離したら逃げるじゃん…」
くっ…す、鋭いじゃないか…
こうなったら、この手段は使いたくなかったが…仕方がない!!
「そ、そうだ!!俺を離してくれたら世界の半分をくれてやろう!!コレでどうだ!?」
「嫌だよーー!!だって、お兄さんが世界の半分をくれるくらい強いって思わないもん…」
ですよねーー!!
いや…初めから無理だと思っていたよ?でも、心のそこではもしかしたらって気はしてたんだ…
やっぱり、こんな誘いに乗るのはルタか俺くらいのものだよなぁ…
「はっ…サリア!!あなたも隠し部屋の番をしてないとだめではないか!!どうしてこんなところにいるんだ!?」
さっきまでニカシャンティーナっていう名前のダークマターの女の子を相手にしていたキャサリアが、サリアのことにも気がついて、こっちに歩いてきたんだよ!!
いやぁ…キャサリア…真面目な人だよなぁ…
このまま、俺のことなんて放っておいてくれたらありがたいんだけどなぁ…
「あぁう…ちょっと待ってよーー!!このお兄さんはどうするの?逃がすの?」
「ん…?あぁ…彼は私が責任を持って世話を…」
「そ、それはさすがに認められないよ!?いくらキャサリアでも卑怯だよー!」
おっと…どうやら仲間内で口喧嘩が始まったようだし…俺はこの隙に…
俺は、ばれないようにそっと崖際に移動したんだ…もう、ここから脱出するしかないだろ!?
そして俺は…意を決して崖に向かってジャンプしたんだぜ!!
「あ、あぁーーっ!!逃げられたー!!」
「くぅっ…お、覚えていろ!!いつか必ず…捕まえてやるからな!!」
いやいや…それよりも前に俺が死ぬかも知れないぜ!?
だって…俺は落ちているんだから!!
嫌だぁーー!!まだ死にたくないーー!!うおわぁーー!!
「……デメトリオは何をもがいておるのじゃ?」
「…知らないわ、竜巻にあおられて頭でもおかしくなったんじゃないの?」
……え?この声は…メリィとゾーネじゃないか!?
俺はすぐに体を起こし、辺りを見てみるんだが…えぇ!?
俺は…夢でも見ていたんだろうか?辺りを見ても、俺を見ているモンスターラグーンの皆以外、遺跡も、崖も…何も無かったんだ…
……ま、まさかの夢オチか!?嘘だろぉーー!?
俺はそう思いながら立ち上がったんだ…が、不意に腰の部分に変な重みを感じたんだ…
なんだ?なにが入っているんだ…?
俺はすかさず腰の部分を探ってみる…すると!!
こ、これは…あの遺跡で手に入れた伝説の武器…のパチモノじゃないか!!
な、なんで俺の腰に…?あれは…あの出来事は…夢オチじゃなかったのか!?
そう思って困惑していると、いきなりゾーネが近づいてこういってきたんだ。
「デメトリオ!!それは…エクスカウパーではないか?なぜおぬしがもっておるのじゃ?」
「……でも、所詮は伝説の武器のパチモノ…」
「…ふっ…肩書きなどは所詮飾りじゃ…凡人にはそれがわからんのかのぅ…それとおぬしの剣をしばし、わしにかかすのじゃ」
俺はそういわれて、一応ゾーネに俺の武器を預けてみたが…一体どうするつもりなんだ?
今の俺には…検討がつかなかった…
そしてしばらく歩くと、遂に!!見慣れていた砂漠の風景から打って変わり、大きな町が見えてきたんだよ!!
いやぁ…少しはのんびり出来そうだぜ!!
俺は、たったの一日でも、のんびりと町で過ごせるって事に喜びを捨て去ることが出来なかったのであった…ってな?
12/05/27 19:36更新 / デメトリオン
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