12 山だ!フラグだ!そして俺だ!
山…それは、いろいろな町の近くに位置するいわば壁のような存在…
それはわかっていたんだが…
「も、もう無理だって…坂つらいって…」
「デメトリオ…まだ全体のうちの半分も行ってないわよ?」
「そうですよ?まだまだ全体の10分の1いったか行ってないか…」
メリィとマヘリアがそう言って振り返っているのを見ながらも、俺はもう死にそうだ。
一体、どうやったらあれほどの体力がつくんだ?
まったく、どうすればいいのか教えて欲しいくらいだぜ…
文句を内心言いながらも、俺は必死に足を動かしていた。
今の俺はただ、水を求める旅人…今、俺の持っている飲み物はカスタニアワインだけだからなぁ…洒落にならないくらいつらいんだよ…本当に!
「はぁ…はぁ…も、もうやばいぜ…スカニ、水持ってないか?」
「あぁ?甘ったれるんじゃねぇよデメトリオ…お前が頭をうまく使わずに水を大量に買っていなかったのがそもそものミスだろ?自業自得だってな」
……そこまで一気に言い放たなくてもいいんじゃないか?
でも、正論だから何も言い返せない…これ以上に悔しいことはなかなか起こらないと思うぜ…
「ちくしょう…世の中は非情だぜ…」
俺はこう言ったはずなのだが、誰も俺のことを気にかけてくれなかった…
……って、すでに俺の近くに誰もいないじゃないかよ!
「ま、待ってくれ!置いていかないでくれって!」
そして、俺が他のメンバーに追いついたのは、湖を見つけて、そこでのんびりと休憩を取るときだった。
本当にみんな足が速いなぁ…なんでだ?
まぁ、とにかく水が手に入ったんだ!助かったぜ!
「ごくっ…ぷはぁ!やばいぜ…この水の存在は俺からしたらまさに神クラスだぜ…」
「お兄さん、そんなにのどが渇いていたんですか?」
「あぁ…セムちゃんはのどが渇いてなかったのかい?ゆっくり飲んでいきなよ?これから先もひたすら山だからな…」
俺はそういうと、湖の水をある程度空き瓶に入れ、一本だけ生えている木の陰に腰を下ろした。
さ〜て…今から楽しみにしていたチーズを食べるとするか…
「・・・」
なんだ?物凄く視線を感じるんだが…
「デメトリオさん…そのチーズ、少しミリアナにも分けてあげてくれませんか?」
「えぇ?リーネ…俺がどれだけ必死にこのチーズを手に入れたか…」
……なるほど、この視線はミリアナだったのか…なら、あげなくてもいいかな、このチーズ高かったし…
「悪いが、あきらめてくれないか?」
「!!ひ、酷い…」
俺があきらめろといった瞬間、俺の後ろから声が聞こえてくると同時に殺気が押し寄せてきた!
そして、気がついたら俺は後ろからタックルされ、宙を飛んでいた。
「え…ま、まさか…」
まてまてまて!俺の目の前に見える映像…そう、太陽の光を反射させてきらめいている湖が近づいてくる!
「嘘だろ!?何もこんな良くありそうな展開にならなくても…ごはぁっ!」
俺は結局、ありきたりのように湖に落とされると、全身ずぶぬれ状態で陸に上がった。
「うぅ〜…さ、寒いな、服乾かしておくかな…」
そう言って、焚き火を炊いて服を乾かす作業に入った後、俺はミリアナのほうに走った!
あぁ!走ったさ!いきなり突き飛ばすなんてどういうことなのか、速攻で理由を聞きたかったからな!
「ミリアナ危ないだろ!?なんでいきなりあんなことを…」
「デメトリオが私にカスタニアチーズをくれないからでしょ!?」
…このチーズがどれだけ高価なチーズかってわかっていて言っているのか?
「絶対にあげないからな!?俺はこのチーズに5年分の収入をかけたんだから!」
「そうですか…それなら私にも考えがあります…」
何をする気だ?いや、別にチーズを食べられるよりは酷い目にはあわないだろうけど…
そう油断していると、ミリアナがいきなり両手に火炎魔法を展開しはじめた!
まさか!?アレを俺に投げてくるなんてことは無いよな!?
「燃えろ!ファイアーボール!!」
うわぁーー!!来た!?本気で!?
そう思い、必死に顔を両手で覆った俺だが、何も俺には起こらなかった。
一体、どういうことだ?
「何だ…まったく、驚かせやがって…」
そう言いながら顔を上げた俺が見たものは、物凄い速度で炎上している俺の服だった。
「嘘だろ!?消えろ火!頼むから!」
そう言いながら、必死に水をかけて服に引火した火を消す…
この服…一着しかないんだぞ…
火が完全に消えた後の俺の服は完全に消し炭になっていた。
「こ、この服お気に入りだったのに…」
「チーズをくれないからですよ〜…次はズボンでも燃やしますか?」
…駄目だ!このズボンだけは絶対駄目だ!これは親父が一番最後に俺にくれた
プレゼントだからな!
「わかった!わかったよ!少しならあげるからさ!な?」
「丸ごと一個ですよね?」
うっ…それはきつい…でも、仕方が無いか…
「わかったよ…もう、俺の服を燃やすとかいう暴挙も、俺の持っている何かが欲しいとか言うのもやめてくれ…本気で疲れたよ…」
結構精神的に大きなダメージを受けた気がする…
「やったーー!早速レベッカにチーズフォンデュにしてもらってこようっと!」
本当に、次からは俺に何か物をねだらないでくれよ…
そして、俺の服が完全に燃え尽きるというイベントが終わって、俺が一人でチーズを味わっていると、アイネがこっちに歩いてくるのが見えた。
なんだろう…すごく嫌な予感がするぜ…
「デメトリオ!貴殿は少し弱すぎる!さぁ、この時間も一緒にトレーニングしよう!」
「…アイネ、あんたは賢いんだから俺がやばい目にあっても知恵で何とかしてくれるんだろ?いちいちそんなめんどくさいことをしなくてもいいんじゃ…」
「戦力として数えられないほど貴殿が弱いから鍛えてやろうというのだ!早くマッチョになって私好みの男になってみせろ!」
「えぇーー!?」
そして、断る暇も無いほどの速さで物事が進み俺は今、木製の剣をもって木の人形を攻撃しているところだ…
「せやぁ!とぅ!」
「そこはもっと腰を落として横に切るんだ!もっと動きにキレを加えろ!」
……どこをどう切ればいいんだよ!?
そう文句を考えながらも、俺は必死に木の人形を攻撃し続けた。
「よし…まぁ、今日はいいだろう…次は腕立て伏せだな…」
えぇ!?もう疲れたからしたくないよ!ここは仕方が無い…
「勘弁してください!じゃ!」
「あ!?待て!」
俺は、一気に山の上り道を走り抜けた!
しかも、服を着た状態でなぁ!決していつ服を着たのかとかを聞くのは無しの方向で頼むぜ!?
そして、俺は看板が立っているところでみんなを待つことにした。
それにしても、うんざりするほどにいい天気だな…
空にさんさんと輝いているあの太陽は、俺のHPをすごく削ってくれている…
「…熱いなー…この看板って、なんて書いてるんだ?あ…えぇ!?」
なんと…この看板には山の頂上までただいま4分の1と書いてあるじゃないか!まだ4分の1!?
「……燃え尽きたぜ…真っ白にな…」
俺はその看板のところに腰を下ろした。
「お!?ここにおったのかデメトリオよ…わしは疲れたのじゃ…水を少々わけるのじゃ!」
どうやら、他のメンバーがようやく追いついてきたようだな、結構待ったけど、何していたんだ?
まぁ、深くは詮索しないことにしよう。
「水?いいけど、そんなに飲まないでくれよ?」
俺は自分の水をゾーネにあげると、すぐにメリィのところに走っていった。
「今日は一体どのくらいの時間動くつもりですか?」
「ん?今日は5時くらいでいいわ…そこまで急がなくても3日以内に山は抜けられそうだしね?」
「5時ですか!?やったぜ!墓場のときより2時間早い!」
これは吉報だな…しかも、半端じゃないほどのな?
俺は物凄くテンションを上げた状態でまた山登りを再開した。
山を登り始め、ようやく昼になるかというときだった。
そういえば、俺はゾーネに水をあげてたんだったな…
「ゾーネ?俺の水はもってるか?のどが渇いてもう本当にやばいぜ…」
「デメトリオか?少し待っておれ…確かここに…」
そういうと、ゾーネは袋の中を探し始めた。
「あった…これじゃこれじゃ…ほれ!」
「おっと!?危ないな…割れて中身がこぼれ出たらどうするつもりだったんだ!?」
そう言いながら俺はビンの中身を一気に飲み干した!
って、あれ?一滴も入ってなかっただと?まさか!?
「ゾーネ!まさか全部飲んだんじゃないだろうな!?俺の命の元を全部!?」
「飲んだぞ?当然じゃがな!」
「えぇーーー!?若干そんな気もしたけど…やっぱりかよ!?」
……少し予想が出来ていたという事実が、複雑な気分だ。
「デメトリオ…あんた、なんでそんなに疲れているのよ?」
「ん?そりゃあこんなに熱いと疲れもするさ!」
ククリが俺に話しかけてくるのは本当に珍しいな…
「そんなことよりも、いいのかよ?もう結構置いていかれてるぜ?」
「え?…クレスタさん!?アンデッドだから夜しか動けないんじゃ!?」
「ふっ…ゾーネってやつがくれたこの装置があれば大丈夫さぁ!」
そういうと、クレスタは口に咥えていた何かを俺に差し出してきた。
一見するとたばこのようにも見えるが、よく見ると機械的な感じになっているな…これも、ゾーネの発明品か?
「あ、それ返して!咥えておかないと普通に死体に戻っちまうからさ…」
「あ…はい、それってどんなものなんですか?」
「それはわしが説明するのじゃ!」
うぉ!?ゾーネ…一体いつの間に俺の股の間に入り込んだんだ!?
「クレスタが咥えておるのはわしとスカニが協力して作った発明品、リビングデッドじゃ!これでアンデッド系の魔物娘を昼間も活動可能にすることが出来る優れものじゃ!」
「しかも、ほのかにりんごの味がするのがいいよな、飽きないから」
……ちゃっかりりんご味だと…まぁ、そこまで俺に被害が来ない発明だから今回は多めに見ておいてやるか。
って…すでにクレスタとゾーネも俺の近くにいない!?また置いていかれたのかよ俺!?
「はぁ…はぁ…疲れた…あれ?道が二つに分かれているのか?」
俺の目の前には山沿いにある道と、山と山の間にある道の二つの道が展開されていた。他のメンバーは一体どこにいったんだろう?
どうするか…
よし、ここは安全な山の間にある道を通ることにしよう!
俺はそう決断して、山の間の道を歩いていった。
「…本当にこっちの道でよかったのか?見事に誰もいないな…」
俺は、相変わらず景色が変わらない山と山の間の道をひたすら歩いていた。
本当にぜんぜん景色が変わらない!変化0だ!
「…引き返そうかなぁ、そろそろ…いや、でも前のほうにいるのかもしれないし…」
俺は、戻るかいくかを真剣に悩み始めた。決めるなら今…きっとそうだ。
「あれ?あれは人か?」
俺は、ちょうどそのときに遠くのほうに人が倒れているのを見つけた!
なんか、すごくタイミングがいい気もするが…きっと気のせいに違いない!
…旅人か?結構ワイルドな服装の女性だな…
とにかく、大丈夫か確認しないとな。
「大丈夫ですか!?」
「うぅ…あ、助かりました…少し足をくじいてしまっていたみたいで…」
足をくじいていたのか…こんな山に女性の冒険者が一人でうろつくなんて危なくないのかな?俺だったら絶対に嫌な状況だね!
もしも山賊に襲われたりしたら終わりだもんなぁ、絶対に一人でうろつくなんて馬鹿なことは出来ないだろ?
そうならないためにも他のメンバーたちと早く合流しないといけないな…
そう思いながらも、目の前の女性を放っておけなかった俺はかばんから包帯と傷薬を取り出した。
いやぁ、俺って結構いいやつだよな?
「…ふふっ」
「どうしたんですか?いきなり笑って…」
「いや、すぐに人を信用するなんて馬鹿だなと思っただけよ…」
「え…?」
今、なんていった?すぐに人を信用するなんて馬鹿だと言ったか?
「ナスカ!サタナ!獲物がかかったぞ!」
「え!?な、なんだ?」
いきなり目の前の怪我をしていたはずの女性が俺を殴ってくると同時に、両方の山の上からすごい速度で誰かが走り抜けてきた!
「グフ!?なんという攻撃力…そして痺れ…がくっ」
俺は決して陸専用のロボットの名前を言いながら気絶したわけじゃないぞ!?
そこのところを…よろしく…頼んだぜ…
そして、俺はこのタイミングで気絶するだろうと本気で思っていたんだが…
なぜだろうか?うまく気絶が出来ないんだよ!
これじゃあ上の5行目の台詞の意味がだな…と、まあいいか。
「さて…じゃあ持っている食い物と水、お金になるもの全部もらおうか?」
「何でですか!何で俺がこんな目に!?」
「だって、あたし達は山賊だからね?」
嘘だろーー!山賊に捕まったらとか言っておきながらつかまってどうするんだよ俺!
「なーんだ…ショタっていえるほどの年齢じゃないなぁ…ちぇ…」
「でも、この鞄の中からアルラウネの蜜の匂いがするぞ?こいつ結構金目のもの持ってるぜ?それに、カスタニアチーズの匂いもこんなにするなんて…」
「え?い、嫌だなぁ…そんなもの持っているわけ無いじゃあーりませんか〜、はっはっはっは…」
これでごまかせたか?結構改心の演技だと思うのだが…
「この鞄の中のもの全部引っ張りだして奪い取るわよ!そして適当にぼこぼこに殴りまくって放置ね」
む、無理でしたーー!しかも、酷いこと言ってるよ…
「じゃあ先に叩きのめしておこうよ〜、そのほうが鞄を楽に探せるしさぁ…」
「それはいいなぁ…じゃ、やるか?」
や、やばいぜ…俺、絶対絶命!?
いやいや、落ち着け…今までもこんなことは良くあったけど、そのたびに仲間が助けてくれたじゃないか!今回もきっと助けてくれるに違いない!
「みんなーー!!助けてくれーーー!!」
あたりに一瞬だけ緊迫とした空気が発生したが…誰も助けに来てくれなかった。
「誰もこないじゃないの!おとなしくそこで寝てなさい!」
「ぐはぁ!?そ、そんな…馬鹿な…」
「絶対に誰も助けになんて来てくれないよ!」
「うぐぅ!?お、俺は主人公特典を受け取れるはずでは…」
「そこで一生寝てろ!」
「かはっ!?うぅ…い、痛みがぜんぜん取れない…」
やばい…こんなことなら、真面目にトレーニングしていればよかった…
俺はもう駄目だ…今度こそ本当に終わったよ…
「大丈夫かデメトリオ!?」
え…?アイネが来ただと…
やった…助かったぜ…でも、来るの遅すぎ…
どうやら俺がぼこぼこにされた後にモンスターラグーンのメンバーたちが俺のことに気付いたらしいな…
来てくれたのはうれしいけど…なんだかなぁ…
「た、助かったよ…本当に…」
「だから鍛えておけとあれほど…おっと!!」
なっ…後ろからの攻撃をアイネは余裕でかわしただと!?
……あれは鍛えてもどうにもならないのでは?
「ほぅ…やはりアイネか…どうしたこんなところに?」
「姉上こそ、このようなところで何をしておるのですか?かつてハルムーン家の中でも鮮血の騎士と呼ばれていたあなたが、このようなところでこのような真似を…」
「ふん…妹でエリートと言われていたやつが、いまさら俺に何の用だ?最後にあったのは生前の、俺達の家とファルス家の連中との争いがあったときだったか?」
え…この二人…知り合いだったのか!?それに、生前ファルス家の人と争ったって…どれだけ前の話だよ…
「姉上は私達が処刑処分を受けて一度死んだときに、私達家族を捨てて一人逃げた後、どこで過ごしたのですか?」
「あぁ?誰だって死ぬのは怖いだろ?当然逃げたんだけどなぁ…一時期、年下のガキの家に厄介になってよ、そこでそのガキと楽しく暮らしてたんだよ。ある時期までな?あの時は良かったぜ…罪悪感もきれいに忘れられたってもんだ」
……これは、二人の過去話か?結構内容が重いんだが…
これは、俺は口出しをするのは駄目なのか?
「それで?」
「…それで、ある日さぁ…俺が厄介になってた家のガキが家に押しかけてきた連中に連れて行かれて、俺も広場で処刑処分ってわけさ。結局逃げられなかったよ?まさか、死んでなおアンデッドとして動ける血筋だとは思わなかったけどな?ところで、母さん元気?」
「母様は…どこにいったかもわかりませんわ、母様を王家となったフェルス家に売った父様に復讐しにでも行ったのでは?」
「へぇ…まぁ、そこのところは興味も無いなぁ…今は家族を見捨てて逃げた俺に復讐をするつもりなのか、非常にどきどきしているぜ…?」
「そんなことはしませんわ…でも、少々…いやだいぶ今のあなたは変わりましたね?昔はあなたにあこがれて剣術を練習したのですが…」
あぁ〜なるほど…それがアイネの強さの秘密か…
さて…そろそろ体のしびれも直ってきたし、逃げるとするかぁ…
俺は、姉妹でシリアスな会話をしているところをよそに、混乱に乗じて逃げようとした…んだが。
「あなた…どこに行こうというの?折角の金づるちゃん?」
「せめて、私達の理想郷をかなえるための資金を置いていってよ?」
「は…ははは…ど、どうしていつもこういったフラグって回避できないんですか?」
「さぁ?さて…私達の生活費用は稼がせてもらうわよ!?」
……もう、ほんとにフラグ立てなくてもいいから、せめて普通に旅させてくれよ…
「デメトリオは返してもらうわよ…野蛮じゃない方法でね…」
「なんですって?野蛮じゃない方法って?」
「これよこれ…わかるわね?」
あ、アレは…トランプとUNOだと…あ!?魔界人生ゲーのダリオンまであるじゃないか!?
「それは、トランプ?それにUNOじゃないの…あと、人生ゲーム…それで勝負するの?」
「えぇ…まさか、力だけでわたしたちにかなうとでも?こっちは数が多くそろっているのよ?提案は素直に受けておくのが利口だと思うけれど…」
「いいわ…受けて立とうじゃないの!私はUNOを戦ってあげるわ…」
「私はトランプやりたいなぁ〜…」
「じゃあ俺は人生ゲームだ…当然、相手はアイネ以外何だろ?」
「決まったようね…じゃあ、早速やりましょうか…」
……すごく平和的な戦いが始まったな…
というか、本気で全員やる気だよ…
当然、俺は参加しない方向だよな!?な?
だが、とてつもなく全部のゲームに参加させられている自分の姿が浮かんできて複雑な気分になった俺がそこにいた。
それはわかっていたんだが…
「も、もう無理だって…坂つらいって…」
「デメトリオ…まだ全体のうちの半分も行ってないわよ?」
「そうですよ?まだまだ全体の10分の1いったか行ってないか…」
メリィとマヘリアがそう言って振り返っているのを見ながらも、俺はもう死にそうだ。
一体、どうやったらあれほどの体力がつくんだ?
まったく、どうすればいいのか教えて欲しいくらいだぜ…
文句を内心言いながらも、俺は必死に足を動かしていた。
今の俺はただ、水を求める旅人…今、俺の持っている飲み物はカスタニアワインだけだからなぁ…洒落にならないくらいつらいんだよ…本当に!
「はぁ…はぁ…も、もうやばいぜ…スカニ、水持ってないか?」
「あぁ?甘ったれるんじゃねぇよデメトリオ…お前が頭をうまく使わずに水を大量に買っていなかったのがそもそものミスだろ?自業自得だってな」
……そこまで一気に言い放たなくてもいいんじゃないか?
でも、正論だから何も言い返せない…これ以上に悔しいことはなかなか起こらないと思うぜ…
「ちくしょう…世の中は非情だぜ…」
俺はこう言ったはずなのだが、誰も俺のことを気にかけてくれなかった…
……って、すでに俺の近くに誰もいないじゃないかよ!
「ま、待ってくれ!置いていかないでくれって!」
そして、俺が他のメンバーに追いついたのは、湖を見つけて、そこでのんびりと休憩を取るときだった。
本当にみんな足が速いなぁ…なんでだ?
まぁ、とにかく水が手に入ったんだ!助かったぜ!
「ごくっ…ぷはぁ!やばいぜ…この水の存在は俺からしたらまさに神クラスだぜ…」
「お兄さん、そんなにのどが渇いていたんですか?」
「あぁ…セムちゃんはのどが渇いてなかったのかい?ゆっくり飲んでいきなよ?これから先もひたすら山だからな…」
俺はそういうと、湖の水をある程度空き瓶に入れ、一本だけ生えている木の陰に腰を下ろした。
さ〜て…今から楽しみにしていたチーズを食べるとするか…
「・・・」
なんだ?物凄く視線を感じるんだが…
「デメトリオさん…そのチーズ、少しミリアナにも分けてあげてくれませんか?」
「えぇ?リーネ…俺がどれだけ必死にこのチーズを手に入れたか…」
……なるほど、この視線はミリアナだったのか…なら、あげなくてもいいかな、このチーズ高かったし…
「悪いが、あきらめてくれないか?」
「!!ひ、酷い…」
俺があきらめろといった瞬間、俺の後ろから声が聞こえてくると同時に殺気が押し寄せてきた!
そして、気がついたら俺は後ろからタックルされ、宙を飛んでいた。
「え…ま、まさか…」
まてまてまて!俺の目の前に見える映像…そう、太陽の光を反射させてきらめいている湖が近づいてくる!
「嘘だろ!?何もこんな良くありそうな展開にならなくても…ごはぁっ!」
俺は結局、ありきたりのように湖に落とされると、全身ずぶぬれ状態で陸に上がった。
「うぅ〜…さ、寒いな、服乾かしておくかな…」
そう言って、焚き火を炊いて服を乾かす作業に入った後、俺はミリアナのほうに走った!
あぁ!走ったさ!いきなり突き飛ばすなんてどういうことなのか、速攻で理由を聞きたかったからな!
「ミリアナ危ないだろ!?なんでいきなりあんなことを…」
「デメトリオが私にカスタニアチーズをくれないからでしょ!?」
…このチーズがどれだけ高価なチーズかってわかっていて言っているのか?
「絶対にあげないからな!?俺はこのチーズに5年分の収入をかけたんだから!」
「そうですか…それなら私にも考えがあります…」
何をする気だ?いや、別にチーズを食べられるよりは酷い目にはあわないだろうけど…
そう油断していると、ミリアナがいきなり両手に火炎魔法を展開しはじめた!
まさか!?アレを俺に投げてくるなんてことは無いよな!?
「燃えろ!ファイアーボール!!」
うわぁーー!!来た!?本気で!?
そう思い、必死に顔を両手で覆った俺だが、何も俺には起こらなかった。
一体、どういうことだ?
「何だ…まったく、驚かせやがって…」
そう言いながら顔を上げた俺が見たものは、物凄い速度で炎上している俺の服だった。
「嘘だろ!?消えろ火!頼むから!」
そう言いながら、必死に水をかけて服に引火した火を消す…
この服…一着しかないんだぞ…
火が完全に消えた後の俺の服は完全に消し炭になっていた。
「こ、この服お気に入りだったのに…」
「チーズをくれないからですよ〜…次はズボンでも燃やしますか?」
…駄目だ!このズボンだけは絶対駄目だ!これは親父が一番最後に俺にくれた
プレゼントだからな!
「わかった!わかったよ!少しならあげるからさ!な?」
「丸ごと一個ですよね?」
うっ…それはきつい…でも、仕方が無いか…
「わかったよ…もう、俺の服を燃やすとかいう暴挙も、俺の持っている何かが欲しいとか言うのもやめてくれ…本気で疲れたよ…」
結構精神的に大きなダメージを受けた気がする…
「やったーー!早速レベッカにチーズフォンデュにしてもらってこようっと!」
本当に、次からは俺に何か物をねだらないでくれよ…
そして、俺の服が完全に燃え尽きるというイベントが終わって、俺が一人でチーズを味わっていると、アイネがこっちに歩いてくるのが見えた。
なんだろう…すごく嫌な予感がするぜ…
「デメトリオ!貴殿は少し弱すぎる!さぁ、この時間も一緒にトレーニングしよう!」
「…アイネ、あんたは賢いんだから俺がやばい目にあっても知恵で何とかしてくれるんだろ?いちいちそんなめんどくさいことをしなくてもいいんじゃ…」
「戦力として数えられないほど貴殿が弱いから鍛えてやろうというのだ!早くマッチョになって私好みの男になってみせろ!」
「えぇーー!?」
そして、断る暇も無いほどの速さで物事が進み俺は今、木製の剣をもって木の人形を攻撃しているところだ…
「せやぁ!とぅ!」
「そこはもっと腰を落として横に切るんだ!もっと動きにキレを加えろ!」
……どこをどう切ればいいんだよ!?
そう文句を考えながらも、俺は必死に木の人形を攻撃し続けた。
「よし…まぁ、今日はいいだろう…次は腕立て伏せだな…」
えぇ!?もう疲れたからしたくないよ!ここは仕方が無い…
「勘弁してください!じゃ!」
「あ!?待て!」
俺は、一気に山の上り道を走り抜けた!
しかも、服を着た状態でなぁ!決していつ服を着たのかとかを聞くのは無しの方向で頼むぜ!?
そして、俺は看板が立っているところでみんなを待つことにした。
それにしても、うんざりするほどにいい天気だな…
空にさんさんと輝いているあの太陽は、俺のHPをすごく削ってくれている…
「…熱いなー…この看板って、なんて書いてるんだ?あ…えぇ!?」
なんと…この看板には山の頂上までただいま4分の1と書いてあるじゃないか!まだ4分の1!?
「……燃え尽きたぜ…真っ白にな…」
俺はその看板のところに腰を下ろした。
「お!?ここにおったのかデメトリオよ…わしは疲れたのじゃ…水を少々わけるのじゃ!」
どうやら、他のメンバーがようやく追いついてきたようだな、結構待ったけど、何していたんだ?
まぁ、深くは詮索しないことにしよう。
「水?いいけど、そんなに飲まないでくれよ?」
俺は自分の水をゾーネにあげると、すぐにメリィのところに走っていった。
「今日は一体どのくらいの時間動くつもりですか?」
「ん?今日は5時くらいでいいわ…そこまで急がなくても3日以内に山は抜けられそうだしね?」
「5時ですか!?やったぜ!墓場のときより2時間早い!」
これは吉報だな…しかも、半端じゃないほどのな?
俺は物凄くテンションを上げた状態でまた山登りを再開した。
山を登り始め、ようやく昼になるかというときだった。
そういえば、俺はゾーネに水をあげてたんだったな…
「ゾーネ?俺の水はもってるか?のどが渇いてもう本当にやばいぜ…」
「デメトリオか?少し待っておれ…確かここに…」
そういうと、ゾーネは袋の中を探し始めた。
「あった…これじゃこれじゃ…ほれ!」
「おっと!?危ないな…割れて中身がこぼれ出たらどうするつもりだったんだ!?」
そう言いながら俺はビンの中身を一気に飲み干した!
って、あれ?一滴も入ってなかっただと?まさか!?
「ゾーネ!まさか全部飲んだんじゃないだろうな!?俺の命の元を全部!?」
「飲んだぞ?当然じゃがな!」
「えぇーーー!?若干そんな気もしたけど…やっぱりかよ!?」
……少し予想が出来ていたという事実が、複雑な気分だ。
「デメトリオ…あんた、なんでそんなに疲れているのよ?」
「ん?そりゃあこんなに熱いと疲れもするさ!」
ククリが俺に話しかけてくるのは本当に珍しいな…
「そんなことよりも、いいのかよ?もう結構置いていかれてるぜ?」
「え?…クレスタさん!?アンデッドだから夜しか動けないんじゃ!?」
「ふっ…ゾーネってやつがくれたこの装置があれば大丈夫さぁ!」
そういうと、クレスタは口に咥えていた何かを俺に差し出してきた。
一見するとたばこのようにも見えるが、よく見ると機械的な感じになっているな…これも、ゾーネの発明品か?
「あ、それ返して!咥えておかないと普通に死体に戻っちまうからさ…」
「あ…はい、それってどんなものなんですか?」
「それはわしが説明するのじゃ!」
うぉ!?ゾーネ…一体いつの間に俺の股の間に入り込んだんだ!?
「クレスタが咥えておるのはわしとスカニが協力して作った発明品、リビングデッドじゃ!これでアンデッド系の魔物娘を昼間も活動可能にすることが出来る優れものじゃ!」
「しかも、ほのかにりんごの味がするのがいいよな、飽きないから」
……ちゃっかりりんご味だと…まぁ、そこまで俺に被害が来ない発明だから今回は多めに見ておいてやるか。
って…すでにクレスタとゾーネも俺の近くにいない!?また置いていかれたのかよ俺!?
「はぁ…はぁ…疲れた…あれ?道が二つに分かれているのか?」
俺の目の前には山沿いにある道と、山と山の間にある道の二つの道が展開されていた。他のメンバーは一体どこにいったんだろう?
どうするか…
よし、ここは安全な山の間にある道を通ることにしよう!
俺はそう決断して、山の間の道を歩いていった。
「…本当にこっちの道でよかったのか?見事に誰もいないな…」
俺は、相変わらず景色が変わらない山と山の間の道をひたすら歩いていた。
本当にぜんぜん景色が変わらない!変化0だ!
「…引き返そうかなぁ、そろそろ…いや、でも前のほうにいるのかもしれないし…」
俺は、戻るかいくかを真剣に悩み始めた。決めるなら今…きっとそうだ。
「あれ?あれは人か?」
俺は、ちょうどそのときに遠くのほうに人が倒れているのを見つけた!
なんか、すごくタイミングがいい気もするが…きっと気のせいに違いない!
…旅人か?結構ワイルドな服装の女性だな…
とにかく、大丈夫か確認しないとな。
「大丈夫ですか!?」
「うぅ…あ、助かりました…少し足をくじいてしまっていたみたいで…」
足をくじいていたのか…こんな山に女性の冒険者が一人でうろつくなんて危なくないのかな?俺だったら絶対に嫌な状況だね!
もしも山賊に襲われたりしたら終わりだもんなぁ、絶対に一人でうろつくなんて馬鹿なことは出来ないだろ?
そうならないためにも他のメンバーたちと早く合流しないといけないな…
そう思いながらも、目の前の女性を放っておけなかった俺はかばんから包帯と傷薬を取り出した。
いやぁ、俺って結構いいやつだよな?
「…ふふっ」
「どうしたんですか?いきなり笑って…」
「いや、すぐに人を信用するなんて馬鹿だなと思っただけよ…」
「え…?」
今、なんていった?すぐに人を信用するなんて馬鹿だと言ったか?
「ナスカ!サタナ!獲物がかかったぞ!」
「え!?な、なんだ?」
いきなり目の前の怪我をしていたはずの女性が俺を殴ってくると同時に、両方の山の上からすごい速度で誰かが走り抜けてきた!
「グフ!?なんという攻撃力…そして痺れ…がくっ」
俺は決して陸専用のロボットの名前を言いながら気絶したわけじゃないぞ!?
そこのところを…よろしく…頼んだぜ…
そして、俺はこのタイミングで気絶するだろうと本気で思っていたんだが…
なぜだろうか?うまく気絶が出来ないんだよ!
これじゃあ上の5行目の台詞の意味がだな…と、まあいいか。
「さて…じゃあ持っている食い物と水、お金になるもの全部もらおうか?」
「何でですか!何で俺がこんな目に!?」
「だって、あたし達は山賊だからね?」
嘘だろーー!山賊に捕まったらとか言っておきながらつかまってどうするんだよ俺!
「なーんだ…ショタっていえるほどの年齢じゃないなぁ…ちぇ…」
「でも、この鞄の中からアルラウネの蜜の匂いがするぞ?こいつ結構金目のもの持ってるぜ?それに、カスタニアチーズの匂いもこんなにするなんて…」
「え?い、嫌だなぁ…そんなもの持っているわけ無いじゃあーりませんか〜、はっはっはっは…」
これでごまかせたか?結構改心の演技だと思うのだが…
「この鞄の中のもの全部引っ張りだして奪い取るわよ!そして適当にぼこぼこに殴りまくって放置ね」
む、無理でしたーー!しかも、酷いこと言ってるよ…
「じゃあ先に叩きのめしておこうよ〜、そのほうが鞄を楽に探せるしさぁ…」
「それはいいなぁ…じゃ、やるか?」
や、やばいぜ…俺、絶対絶命!?
いやいや、落ち着け…今までもこんなことは良くあったけど、そのたびに仲間が助けてくれたじゃないか!今回もきっと助けてくれるに違いない!
「みんなーー!!助けてくれーーー!!」
あたりに一瞬だけ緊迫とした空気が発生したが…誰も助けに来てくれなかった。
「誰もこないじゃないの!おとなしくそこで寝てなさい!」
「ぐはぁ!?そ、そんな…馬鹿な…」
「絶対に誰も助けになんて来てくれないよ!」
「うぐぅ!?お、俺は主人公特典を受け取れるはずでは…」
「そこで一生寝てろ!」
「かはっ!?うぅ…い、痛みがぜんぜん取れない…」
やばい…こんなことなら、真面目にトレーニングしていればよかった…
俺はもう駄目だ…今度こそ本当に終わったよ…
「大丈夫かデメトリオ!?」
え…?アイネが来ただと…
やった…助かったぜ…でも、来るの遅すぎ…
どうやら俺がぼこぼこにされた後にモンスターラグーンのメンバーたちが俺のことに気付いたらしいな…
来てくれたのはうれしいけど…なんだかなぁ…
「た、助かったよ…本当に…」
「だから鍛えておけとあれほど…おっと!!」
なっ…後ろからの攻撃をアイネは余裕でかわしただと!?
……あれは鍛えてもどうにもならないのでは?
「ほぅ…やはりアイネか…どうしたこんなところに?」
「姉上こそ、このようなところで何をしておるのですか?かつてハルムーン家の中でも鮮血の騎士と呼ばれていたあなたが、このようなところでこのような真似を…」
「ふん…妹でエリートと言われていたやつが、いまさら俺に何の用だ?最後にあったのは生前の、俺達の家とファルス家の連中との争いがあったときだったか?」
え…この二人…知り合いだったのか!?それに、生前ファルス家の人と争ったって…どれだけ前の話だよ…
「姉上は私達が処刑処分を受けて一度死んだときに、私達家族を捨てて一人逃げた後、どこで過ごしたのですか?」
「あぁ?誰だって死ぬのは怖いだろ?当然逃げたんだけどなぁ…一時期、年下のガキの家に厄介になってよ、そこでそのガキと楽しく暮らしてたんだよ。ある時期までな?あの時は良かったぜ…罪悪感もきれいに忘れられたってもんだ」
……これは、二人の過去話か?結構内容が重いんだが…
これは、俺は口出しをするのは駄目なのか?
「それで?」
「…それで、ある日さぁ…俺が厄介になってた家のガキが家に押しかけてきた連中に連れて行かれて、俺も広場で処刑処分ってわけさ。結局逃げられなかったよ?まさか、死んでなおアンデッドとして動ける血筋だとは思わなかったけどな?ところで、母さん元気?」
「母様は…どこにいったかもわかりませんわ、母様を王家となったフェルス家に売った父様に復讐しにでも行ったのでは?」
「へぇ…まぁ、そこのところは興味も無いなぁ…今は家族を見捨てて逃げた俺に復讐をするつもりなのか、非常にどきどきしているぜ…?」
「そんなことはしませんわ…でも、少々…いやだいぶ今のあなたは変わりましたね?昔はあなたにあこがれて剣術を練習したのですが…」
あぁ〜なるほど…それがアイネの強さの秘密か…
さて…そろそろ体のしびれも直ってきたし、逃げるとするかぁ…
俺は、姉妹でシリアスな会話をしているところをよそに、混乱に乗じて逃げようとした…んだが。
「あなた…どこに行こうというの?折角の金づるちゃん?」
「せめて、私達の理想郷をかなえるための資金を置いていってよ?」
「は…ははは…ど、どうしていつもこういったフラグって回避できないんですか?」
「さぁ?さて…私達の生活費用は稼がせてもらうわよ!?」
……もう、ほんとにフラグ立てなくてもいいから、せめて普通に旅させてくれよ…
「デメトリオは返してもらうわよ…野蛮じゃない方法でね…」
「なんですって?野蛮じゃない方法って?」
「これよこれ…わかるわね?」
あ、アレは…トランプとUNOだと…あ!?魔界人生ゲーのダリオンまであるじゃないか!?
「それは、トランプ?それにUNOじゃないの…あと、人生ゲーム…それで勝負するの?」
「えぇ…まさか、力だけでわたしたちにかなうとでも?こっちは数が多くそろっているのよ?提案は素直に受けておくのが利口だと思うけれど…」
「いいわ…受けて立とうじゃないの!私はUNOを戦ってあげるわ…」
「私はトランプやりたいなぁ〜…」
「じゃあ俺は人生ゲームだ…当然、相手はアイネ以外何だろ?」
「決まったようね…じゃあ、早速やりましょうか…」
……すごく平和的な戦いが始まったな…
というか、本気で全員やる気だよ…
当然、俺は参加しない方向だよな!?な?
だが、とてつもなく全部のゲームに参加させられている自分の姿が浮かんできて複雑な気分になった俺がそこにいた。
12/01/29 18:43更新 / デメトリオン
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