10 執念を感じる死者の女王
「ひぃ…ひぃ…お、俺…もう無理…マジで…」
「デメトリオ！まだ１０回しか腕立て伏せをしてないじゃないか！頑張れ！」
が…頑張れといったって、普段の生活でこんなことしないしなぁ…
本音、俺はそこまで強くならなくてもいいし、普段の生活でシーツを井戸からあげていたときも、てこの原理を利用させてもらってるし…
「あと２００回はいこう！私もやるからな？貴殿が強くなればメンバー全員が気楽になれるし、私もうれしいんだ」
「２００！？無理だよ…ぐはぁ〜…」
俺は、２００という数字を聞いたとたん、一瞬でやる気が消えてなくなった。
そして、一気に地面にうつぶせに倒れこむ…はぁ、誰が筋トレなんてするものかよ、本当に…
「あ！？デメトリオ…何サボっているのだ！？貴殿には男としてのプライドが無いのか！？」
「……ふぅ、アイネ、そこまで体を鍛えてもいいことないさ…」
「駄目だこいつ…早く何とかしないと…」
俺は、まるで何かを悟ったような顔でクールに言い返し、アイネは俺を冷ややかな目で見てきた。
駄目だ…この見下す視線に耐え切れない…
俺は、ささっとその場を後にして今は一人、門の空いているスペースに行って干し肉をかじっている。
うはっ、この味…はまりそうだな…今度レベッカにこの干し肉の作り方を教えてもらおう。
「そろそろ行くわよ？」
「え？もう…？もう少し休んでいこうよ…駄目か？」
俺は、腕立てを１０回もした後だったからもう少しのんびりしたかったんだが…やっぱり、駄目そうだな…
だんだん、俺の意見は次々採用されていかない気がしてならなくなっている。
俺ってそんなに頼りがいが無いだろうか？
そして俺達が墓場を歩いていると、目の前に何か白いものがちらほらと落ちているのが見えた。
「……？あれ？コレは…骨か？」
俺は、近くに転がっていた骸骨の近くに行ってみる。
……動きが無い、只の骸骨のようだ。
「ここの場所にある骸骨はまだ、スケルトンにはなっていない見たいね…」
「ああ…この場所の骸骨たちはまだ、死んで２０年しかたってないからな、いくら魔界化の影響があったとしてもそうすぐには現世に戻ってこれないはずだ」
……さすが、もう死んでいるクレスタの言うことはなんか、説得力あるよなぁ…
それにしても、ここは本当になんか不気味な場所だなぁ…
「デメトリオよ…ちょっと良いか？」
「何だゾーネ…俺に何かようか？」
俺は、顔だけをゾーネのほうに向け、乱雑に扱われていたであろう骸骨をきれいに整えていた。死後ぐらいは、こんな善意あることをされてもいいと思うしな。
「お主の武器のことで少し言いたいことがあってのう…その武器じゃが、わしの技術で後２段階は強化できるのじゃ。しかし、取り扱い方で言い忘れておったことがあってのぅ…まず、幼女を幼女化させると、体の内部組織に刺激が与えられて異常に能力値が上がるのじゃ！次に、もともと幼女だった魔物娘をZボタンを押しながら大人にしようとすると、剣に秘められた魔力が逆反射してお主が子供に戻ってしまうぞ？その部分はしっかりと覚えておくのじゃ！最後になるが…その剣で絶対に男を切ってはならぬぞ？男の大事なあの部分がついているまま幼女化するという、いわばバグが発生するのでな…」
「……そんな大切なことははじめに言ってくれよ」
「忘れていたのじゃ、気にするでない！」
……ゾーネ、毎回こういった大事なことを忘れて余計なことばかりしているからなぁ、本当に…
そろそろ、骸骨をきれいに整えれたかな？
そう思いながら、骨の部分に手を伸ばしてみるが、変な感触がする。
骨がふにふにしているんだ、なんていうか、肉がついた…みたいな感じかな。
「あれ？おかしいな…」
俺はそう思いながらおそるおそる振り返る。
そこには、信じられないほど顔が高揚しているスケルトンが俺のほうを見ていた。
俺の手は、微妙に彼女の女性器付近を触っていた状況だが、俺は即座に手を離し、後ろに後ずさった。
「…デメトリオ、見損なったわ…」
「お兄さん、最低です…」
「おぬしは本当に屑じゃな」
「違う！これは誤解だ！俺だって好きでやっていたわけじゃない！」
「そう言って？実は楽しんでたり？」
「やはり貴殿も男だったということか…」
「本当に…頭が残念なんだな…お前は…」
駄目だ…いくら弁解しても非難の目が俺から離れてくれない…
そんなに酷く言わなくてもいいじゃないかよ！
俺は、それでも頭の端っこでは罪悪感がふよふよ浮かんでいた。
そして、俺はあることを思い出した。
クレスタは、まだスケルトンとして活動するには時期が早いと言っていたはずだが、こうやって動いているじゃないか！？どうなってるんだ？
「クレスタの義姉さん！これって、どういうことなんですか！？」
「……わからねぇ、この土地で何かが起こっているということはわかるが…」
……そういえば、昨日の晩にはあれほどいたアンデッドたちをゾンビ以外一切見ていないな…良く考えたら、コレはラッキーとも思えるがおかしなことじゃないか？
駄目だ…こういうことは関わらないほうがいいな…
明らかにコレはフラグだろう？
「少し気にはなるけど…今、私達はメガロス帝国に早くいくことが大切なの…ここは、気にせずに先に進みましょう？それで…あの子どうする？」
メリィ…初めて俺の考え通りの決断をしてくれた…
これは多分、めったに起こらない現象だろうな…うん。
「……うぅ？」
「わしが少々預かろう！ちょうど研究のために少し知りたいこともあるのでな…終わったらデメトリオにでも任せればよいのじゃ！」
「何で俺が！？毎回こんな役目ばかり押し付けられている気がするんだが？」
「……お主がこやつの体でいやらしいことを考えたのはわかっておるのじゃ！」
えぇーー！？なに勝手に変なこと考えてくれちゃってるの！？本当にゾーネって天才なのか？
「違うって！俺はそんなことを考えてなどいない！これは本当だよ！」
俺は必死に自分の本音をぶちまけた！これ以上俺の評判を下げるわけにはいかないしな…
「……ロリコンの癖に、生意気じゃのう」
「だから！俺はロリコンじゃねえ！」
「もう、これは私が調教して改心させるしかないね！」
「キュラス、お前は黙ってろ…」
「うぅ〜…本気でいったのに…まぁ、あきらめないけどね〜」
……なんか、変な話になっていっているな、ここは早く話の方向を違う方向に変えたほうがよさそうだ。
俺はそう思い、一人で逃げるように門から先へと足を踏み出した。
そして、この墓場もそろそろ終わりかという場所で俺達は立ちすくんでいた。
おかしいな…俺の持っている本には、ここには橋しかないはずなんだが…
俺達の目線の前には、大昔の造りの城が一つ、橋の上にまたがっていた。
かなり大きな橋の隙間さえも作らないほどのこのつくり…
「なんなの？この建物…」
「…城、みたいだけど…」
「それは見たらわかるのよデメトリオ…用は、なぜここに城が立っているのか…それが知りたいのよ！」
そ、そんなにいらいらしなくてもいいじゃないか…
メリィがいらいらしているのをはじめて見た俺は少し困惑しながらも城をもう一度見てみた。
結構内装広そうだが…
「行くしかないわね…みんな、準備はいい？」
「おぉーーー！！」
他のメンバーはやる気満々に掛け声を上げたが、俺は掛け声を上げる気にはなれなかった。はっきり言うと、今すぐ引き返したいです、はい。
俺は内心こう思いながらも城に入っていったほかのメンバー達を追いかけていった。
中は普通の城といった感じの内装だった。違うところといえば、見張りの兵士が一人もいないといったところか？
「……誰とも出くわさずに外につけそうね…あそこが出口か…罠もなさそうだしね…」
「なんじゃ…なにもおこらんかったのぅ…」
いや…なにか起こったら困る状況になるじゃないか…
何も起こらないことに越したことは無いって…そう簡単になにかが起こってしまったら、俺の精神面が持たないぜ本当に…
「待ちなさい…あなた達、この城の城主に挨拶もなしに去るつもりかしら？」
……だから、狙い済ましたかのようにイベントが発生するのはやめてくれよ！
本気で精神的に来るぞ、このタイミング…
「残念ながら、私達は急いでいるのよ…ごめんなさいね？」
そう言いながら、動きを止める気配を見せないメリィ…
俺も慌てて後を追いかけていく。まぁ、確かにいい考えではあるな…
触らぬ神にたたり無しだ…フラグは回避したことに越したことはないし…
「…あくまで私に挨拶もせずに去る気らしいわね…いいわ、そっちがその気なら、こちらにも考えがあるのよ……落ちなさい！」
そういったと思うと、いきなり足元の地面がパカっと開いた！
しかも、ご丁寧にパカっと音まで再現してくれちゃって…そんな要素いらないっての！
「って、内心文句言ってる場合じゃねぇ！？うわああっ！？」
当然、俺達はみんな落ちていく…そう思っていたんだが…
俺が落ちながら見たのは、安全な場所で穴をのぞいているメンバーや、明らかに自分の背中に生えた羽でゆうゆうと飛んでいるメリィ…あれ？これって、落ちているの俺だけってパターン？
俺は、思いっきり地面に背中を打ち付けた…微妙に床が衝撃を緩和してくれる素材で出来ていたので大事にはいたらなかったけど…
運が悪かったら俺…死んでたよ！？本当…俺って運で何回くらい死亡フラグ回避してるんだろう？
「くっ…床か！？だが…」
ん！？俺以外にも落ちてきている人がいたのか！？
そして、その仲間はきれいに地面に剣を突きつけた。
しかも、その後地面をえぐりながらきれいにその場に立っていた。
何でだろう…俺が背中を強打して落ちたというのに、こいつは…ジャンヌはかっこよく落ちてくるなんて…このかっこよさに嫉妬しそうだ。
「あたたたた…なんでいつもこんな目に…」
「本当に、良くいきてるよあんた…あとは、足を引っ張らないでくれるとありがたいんだけどね…」
「そういうジャンヌだって…落ちてきているじゃないか！俺だけが足をひっぱっているわけでは…」
俺は少し、ジャンヌの言い方にいらつきを覚え言い返した。
本当に…俺に対する扱いを少しは優遇しろ！
内心ではこう思いながらも、実際に口に出すのは怖いので無言だがな？
「デメトリオが私の足を落ちる前につかんだから、私も落ちてきたんだぞ？いわば道連れだ」
そういえば…落ちる前に文句いってる場合じゃねぇ！と言ったときに何かをつかんだ気がする…
「本当にすみませんでした…」
俺は、即座に謝り相手の表情を見る…
どうやら怒ってはいないようだな…よかった〜…
そして、俺とジャンヌはこの部屋から出るための道を二人で歩いていた。
灯りが見えてきているが…明らかに出口だとは思えないんだよなぁ〜…
「ここは…？」
俺達は灯りの見えた場所に行くと、そこは変なホールになっていた。
左上を見ると、メリィたちが俺達を指差して騒いでいる。
右上には…明らかに王様が出ますよ〜的な見晴らしがよさそうな場所があった。
「思いのほか少ないけど…まぁ、男が引っかかったからよしとしましょうか」
「……本当に、あなたは誰なの？こんな面倒なことをしてくれちゃって…」
メリィが素朴な疑問を謎の声に問いかけているのが、かろうじて聞こえてくる。結構あそこまで高さがあるんだな…こんなに声が小さく聞こえるなんて…
「私？私はここの城主であり…生前は死霊術士として人生をエンジョイしていた者よ？８０００殺しのガデッドといえば、結構有名だと思うけど…」
「なっ！？が、ガデッド！？」
…メリィが驚いているのをはじめてみたな、いや、そんなことよりも俺も驚いておかないと、タイミングを逃すじゃないか！
「えぇーーーーーーー！？」
よし！タイミングはばっちりだ！まあ、ガデッドなんて名前は聞いたことも無いんだけどな…
「あら？私が封印され処刑処分された日から２００年くらいたってるはずだけど…やっぱり、死してなおこれほどの衝撃を与えられる人間って私くらいしかいないわねぇ…」
そう言いながら、見晴らしがよさそうなバルコニーに、ヴァンパイアの女性が顔を見せた。
かなり自分に酔ってるな…あの感じ…
「そんな…嘘でしょ…？ガデッドは男だったはずよ！？」
「ふっふっふ…私がただ単に封印されて死ぬと思っていたの？確かに封印をとくのに２００年費やしたけれど、肉体ならすでに転生させる準備はしていたんだから…昔みたいにかっこいいルックスではなくなったし、自慢だったチ○コもなくなったけど…今の体も悪くは無いわ」
「……でも、その様子だと…復活して間もない状態のような気がするわ…あなた、まだ自分の体をうまく使いこなせないんでしょ…？」
メリィが言い返すが、俺にはわかる。あの声…いつものような冷たさが無く、震えている感じだ！俺にはわかるぞ！←（大事なことなので、二回言ってみたぜ）
「まぁ…確かに昔のような力は無いけれど…それでも今なら昔の１０分の１はアンデッドモンスターを生産できるし…胸もあなたよりあるわ！」
「！！！ま、負けた…結構気にしていたのに…」
初めて、メリィが地面に両手をついた瞬間だった。
俺は…どうやら空気状態になりつつあるようだ…
このままそっとここを立ち去れば俺は安全圏をキープでき…
「さて…この体の力を取り戻すには男の精は不可欠…私の軍団の兵士達も男の精で活動する…一番ここで手に入れる存在はそこのさえない青年…あなたよ？」
だから！なんでこういったタイミングで俺に話を振って来るんだよ！？
もうすぐ空気になれたはずなんだぞ！？
「絶対目的はあのさえない青年の確保…次にあの魔物娘達を戦力不足ぎみの私の部隊を強化するためにアンデッド化させれば…相変わらず、私の計画は完璧ね…」
そういいながら、変な紐を思いっきり引いたガデッド…
俺とジャンヌは左右に柵で分断され、それと同時に多数の柵があがった。
そこから、一体のグールが姿を見せる。
「え…？えぇ！？まさか！？まさかのこのパターン！？」
「気をつけなさいよデメトリオ！あなた弱いんだから！」
ジャンヌ…だから、弱いは余計だって…
グールは俺のほうを見ると、物凄くにやりと口元をゆがませた。
口からは涎があふれてきており、とてつもなく嫌な予感がする。
「デメトリオ！来るわよ！？」
「はっ…わ、わかった！」
俺はすごく変な構えをして、グールのほうを見た。
「私の剣は…あんたごときには受け止められない！」
そう言って、ジャンヌは猛然とグールに走っていったが…
「へ…へぇ…俺に向かってくるのか？いいのか！？俺はそりゃあ物凄く強いと評判で…」
「男〜…７０年ぶりの…はぁ…はぁ…」
……これは、俺のせりふは耳に入ってないんじゃ…
そしてついに、俺のほうも戦闘が始まってしまった。
「手加減はしないわ…【ヘルファイアヴォルケーノ】！【スタンライジング】！【超・獄炎５連斬り】！」
……えぇーーー！？固有技が三つもあるの！？しかも、連続で出せるなんて…
俺なんか…俺なんか、【嫉妬ストリームアタック】しかないのに…
「……やばいな…これは、逃げるしかないだろ！」
俺は確実にエリアの壁に張り付き、必死にグールから逃げていた。
無様だって？好きに言ってればいいさ…
「無様じゃのうデメトリオは…」
…ゾーネ、俺の心を刺し貫く行為は本当にやめて欲しい…
そして、どうやらジャンヌはグールを気絶させることに成功したらしく、俺とジャンヌを分断していた柵を剣で叩き斬った。
「まずい！こうなったら…全員を仕向けるしかないわ…皆…行きなさい！」
グールが出てきた場所から、さまざまなアンデッドたちが大勢飛び出してきた！
俺達は慌てて出口に続いているであろう道に飛び込み、走り出す！
そして…ついに俺達はこの城の出口の部分まで来ることが出来た！
他のメンバーが俺達のことを確認すると騒ぎ出し、メリィがほっとしたような顔で出迎えてくれた。
「はぁ…はぁ…つ、疲れた…」
「本当にデメトリオは体力無いのね…」
「余計な…お世話…だ」
とにかく、早くここを離れよう…
「待ちなさい！！せめて、その男は置いていきなさい！」
「残念ながら、それは出来ないわね…みんな、行くわよ！」
「待ちなさいって！あぁ…この大きくなりすぎた胸が邪魔で走りにくい！」
……ふぅ…あれだったら、追いつかれることはなさそうだな。
そして、このせりふを聞いたとたんに、メリィがふっと鼻で笑うと、こう言い放った。
「そのでかい胸があだとなったなぁ！！大きけりゃあいいってものじゃねえんだよ！あはははは！！」
……初めてだ、ここまで乱雑な話し方をしたメリィは…
それほどに胸の大きさを指摘されるのが嫌だったのか！？
「ぺたんこの断崖絶壁には言われたくないわね！それは嫉妬？元男だったはずの女に胸の大きさで圧倒的に負けたからって嫉妬しているの？まぁ…仕方ないわよ…私の体は完璧だから！」
「胸の部分にそんな大きな脂肪の塊を二つもつけてるやつの頭の中が見てみたいな！」
「これは脂肪の塊じゃないわよ？この二つの大きな胸はロマンよ！そして愛よ！あなたにはそれが一切見えないほどに無いけどね！胸が！」
「何だと…」
……おいおい！一体何の戦いなんだコレは！？
見苦しい…非常に見苦しいぞ…
「メリィさん…落ち着いてくださいよ！はやくここから逃げましょう！」
「…そうね、あんな胸女には構う価値も無いわ…」
俺はどれだけそこにこだわっているんだと突っ込みたくなったが…
とにかく、無事に城から脱出することが出来た。
「はぁ…はぁ…朝日だ…！まぶしいほどの朝日だ！」
一日ぶりに俺は朝日を見たが…この土地の中での朝日はとてもうれしいものだった！
「くぅう！？ま、まさかもう朝…うあぁああ！！く…覚えていなさいよ！絶対に…あんた達を強制的に仲間に…そこの男…デメトリオは…精奴隷にしてやるからぁ！！」
「ふっ…いつでもこい！この胸女！！」
「そうです！いつでもこいです！！」
メリィ…しつこいぞおい…
あと、何でセムちゃんも挑発的な態度をとっているんだ！？
そして、ついに俺達は旧ステイン国処刑場跡大墓地を抜けることに成功した！
長かった…いや、本当に長かった…
俺は、二日間しかここにいなかったのに、物凄く疲れたよ…
「……さて、そろそろカスタニアに着くわよ？」
「え！？このルートを通るとカスタニアを通るのか！？」
俺はカスタニアと聞いて非常にハイテンションになった。
カスタニアと言ったら、カスタニア山脈といわれる山のすぐ近くにある町で、なんと！チーズがうまいと聞いたことがある。あとワインが…
しかも、この町には世界でも有名な宿屋があり、俺の店のこれからの進行方向の参考にさせてもらえるじゃないか！
そして、俺は誰よりも早くカスタニアの国の門を通りカスタニアについた！
さて…これからどうしようか？
「デメトリオ！まだ１０回しか腕立て伏せをしてないじゃないか！頑張れ！」
が…頑張れといったって、普段の生活でこんなことしないしなぁ…
本音、俺はそこまで強くならなくてもいいし、普段の生活でシーツを井戸からあげていたときも、てこの原理を利用させてもらってるし…
「あと２００回はいこう！私もやるからな？貴殿が強くなればメンバー全員が気楽になれるし、私もうれしいんだ」
「２００！？無理だよ…ぐはぁ〜…」
俺は、２００という数字を聞いたとたん、一瞬でやる気が消えてなくなった。
そして、一気に地面にうつぶせに倒れこむ…はぁ、誰が筋トレなんてするものかよ、本当に…
「あ！？デメトリオ…何サボっているのだ！？貴殿には男としてのプライドが無いのか！？」
「……ふぅ、アイネ、そこまで体を鍛えてもいいことないさ…」
「駄目だこいつ…早く何とかしないと…」
俺は、まるで何かを悟ったような顔でクールに言い返し、アイネは俺を冷ややかな目で見てきた。
駄目だ…この見下す視線に耐え切れない…
俺は、ささっとその場を後にして今は一人、門の空いているスペースに行って干し肉をかじっている。
うはっ、この味…はまりそうだな…今度レベッカにこの干し肉の作り方を教えてもらおう。
「そろそろ行くわよ？」
「え？もう…？もう少し休んでいこうよ…駄目か？」
俺は、腕立てを１０回もした後だったからもう少しのんびりしたかったんだが…やっぱり、駄目そうだな…
だんだん、俺の意見は次々採用されていかない気がしてならなくなっている。
俺ってそんなに頼りがいが無いだろうか？
そして俺達が墓場を歩いていると、目の前に何か白いものがちらほらと落ちているのが見えた。
「……？あれ？コレは…骨か？」
俺は、近くに転がっていた骸骨の近くに行ってみる。
……動きが無い、只の骸骨のようだ。
「ここの場所にある骸骨はまだ、スケルトンにはなっていない見たいね…」
「ああ…この場所の骸骨たちはまだ、死んで２０年しかたってないからな、いくら魔界化の影響があったとしてもそうすぐには現世に戻ってこれないはずだ」
……さすが、もう死んでいるクレスタの言うことはなんか、説得力あるよなぁ…
それにしても、ここは本当になんか不気味な場所だなぁ…
「デメトリオよ…ちょっと良いか？」
「何だゾーネ…俺に何かようか？」
俺は、顔だけをゾーネのほうに向け、乱雑に扱われていたであろう骸骨をきれいに整えていた。死後ぐらいは、こんな善意あることをされてもいいと思うしな。
「お主の武器のことで少し言いたいことがあってのう…その武器じゃが、わしの技術で後２段階は強化できるのじゃ。しかし、取り扱い方で言い忘れておったことがあってのぅ…まず、幼女を幼女化させると、体の内部組織に刺激が与えられて異常に能力値が上がるのじゃ！次に、もともと幼女だった魔物娘をZボタンを押しながら大人にしようとすると、剣に秘められた魔力が逆反射してお主が子供に戻ってしまうぞ？その部分はしっかりと覚えておくのじゃ！最後になるが…その剣で絶対に男を切ってはならぬぞ？男の大事なあの部分がついているまま幼女化するという、いわばバグが発生するのでな…」
「……そんな大切なことははじめに言ってくれよ」
「忘れていたのじゃ、気にするでない！」
……ゾーネ、毎回こういった大事なことを忘れて余計なことばかりしているからなぁ、本当に…
そろそろ、骸骨をきれいに整えれたかな？
そう思いながら、骨の部分に手を伸ばしてみるが、変な感触がする。
骨がふにふにしているんだ、なんていうか、肉がついた…みたいな感じかな。
「あれ？おかしいな…」
俺はそう思いながらおそるおそる振り返る。
そこには、信じられないほど顔が高揚しているスケルトンが俺のほうを見ていた。
俺の手は、微妙に彼女の女性器付近を触っていた状況だが、俺は即座に手を離し、後ろに後ずさった。
「…デメトリオ、見損なったわ…」
「お兄さん、最低です…」
「おぬしは本当に屑じゃな」
「違う！これは誤解だ！俺だって好きでやっていたわけじゃない！」
「そう言って？実は楽しんでたり？」
「やはり貴殿も男だったということか…」
「本当に…頭が残念なんだな…お前は…」
駄目だ…いくら弁解しても非難の目が俺から離れてくれない…
そんなに酷く言わなくてもいいじゃないかよ！
俺は、それでも頭の端っこでは罪悪感がふよふよ浮かんでいた。
そして、俺はあることを思い出した。
クレスタは、まだスケルトンとして活動するには時期が早いと言っていたはずだが、こうやって動いているじゃないか！？どうなってるんだ？
「クレスタの義姉さん！これって、どういうことなんですか！？」
「……わからねぇ、この土地で何かが起こっているということはわかるが…」
……そういえば、昨日の晩にはあれほどいたアンデッドたちをゾンビ以外一切見ていないな…良く考えたら、コレはラッキーとも思えるがおかしなことじゃないか？
駄目だ…こういうことは関わらないほうがいいな…
明らかにコレはフラグだろう？
「少し気にはなるけど…今、私達はメガロス帝国に早くいくことが大切なの…ここは、気にせずに先に進みましょう？それで…あの子どうする？」
メリィ…初めて俺の考え通りの決断をしてくれた…
これは多分、めったに起こらない現象だろうな…うん。
「……うぅ？」
「わしが少々預かろう！ちょうど研究のために少し知りたいこともあるのでな…終わったらデメトリオにでも任せればよいのじゃ！」
「何で俺が！？毎回こんな役目ばかり押し付けられている気がするんだが？」
「……お主がこやつの体でいやらしいことを考えたのはわかっておるのじゃ！」
えぇーー！？なに勝手に変なこと考えてくれちゃってるの！？本当にゾーネって天才なのか？
「違うって！俺はそんなことを考えてなどいない！これは本当だよ！」
俺は必死に自分の本音をぶちまけた！これ以上俺の評判を下げるわけにはいかないしな…
「……ロリコンの癖に、生意気じゃのう」
「だから！俺はロリコンじゃねえ！」
「もう、これは私が調教して改心させるしかないね！」
「キュラス、お前は黙ってろ…」
「うぅ〜…本気でいったのに…まぁ、あきらめないけどね〜」
……なんか、変な話になっていっているな、ここは早く話の方向を違う方向に変えたほうがよさそうだ。
俺はそう思い、一人で逃げるように門から先へと足を踏み出した。
そして、この墓場もそろそろ終わりかという場所で俺達は立ちすくんでいた。
おかしいな…俺の持っている本には、ここには橋しかないはずなんだが…
俺達の目線の前には、大昔の造りの城が一つ、橋の上にまたがっていた。
かなり大きな橋の隙間さえも作らないほどのこのつくり…
「なんなの？この建物…」
「…城、みたいだけど…」
「それは見たらわかるのよデメトリオ…用は、なぜここに城が立っているのか…それが知りたいのよ！」
そ、そんなにいらいらしなくてもいいじゃないか…
メリィがいらいらしているのをはじめて見た俺は少し困惑しながらも城をもう一度見てみた。
結構内装広そうだが…
「行くしかないわね…みんな、準備はいい？」
「おぉーーー！！」
他のメンバーはやる気満々に掛け声を上げたが、俺は掛け声を上げる気にはなれなかった。はっきり言うと、今すぐ引き返したいです、はい。
俺は内心こう思いながらも城に入っていったほかのメンバー達を追いかけていった。
中は普通の城といった感じの内装だった。違うところといえば、見張りの兵士が一人もいないといったところか？
「……誰とも出くわさずに外につけそうね…あそこが出口か…罠もなさそうだしね…」
「なんじゃ…なにもおこらんかったのぅ…」
いや…なにか起こったら困る状況になるじゃないか…
何も起こらないことに越したことは無いって…そう簡単になにかが起こってしまったら、俺の精神面が持たないぜ本当に…
「待ちなさい…あなた達、この城の城主に挨拶もなしに去るつもりかしら？」
……だから、狙い済ましたかのようにイベントが発生するのはやめてくれよ！
本気で精神的に来るぞ、このタイミング…
「残念ながら、私達は急いでいるのよ…ごめんなさいね？」
そう言いながら、動きを止める気配を見せないメリィ…
俺も慌てて後を追いかけていく。まぁ、確かにいい考えではあるな…
触らぬ神にたたり無しだ…フラグは回避したことに越したことはないし…
「…あくまで私に挨拶もせずに去る気らしいわね…いいわ、そっちがその気なら、こちらにも考えがあるのよ……落ちなさい！」
そういったと思うと、いきなり足元の地面がパカっと開いた！
しかも、ご丁寧にパカっと音まで再現してくれちゃって…そんな要素いらないっての！
「って、内心文句言ってる場合じゃねぇ！？うわああっ！？」
当然、俺達はみんな落ちていく…そう思っていたんだが…
俺が落ちながら見たのは、安全な場所で穴をのぞいているメンバーや、明らかに自分の背中に生えた羽でゆうゆうと飛んでいるメリィ…あれ？これって、落ちているの俺だけってパターン？
俺は、思いっきり地面に背中を打ち付けた…微妙に床が衝撃を緩和してくれる素材で出来ていたので大事にはいたらなかったけど…
運が悪かったら俺…死んでたよ！？本当…俺って運で何回くらい死亡フラグ回避してるんだろう？
「くっ…床か！？だが…」
ん！？俺以外にも落ちてきている人がいたのか！？
そして、その仲間はきれいに地面に剣を突きつけた。
しかも、その後地面をえぐりながらきれいにその場に立っていた。
何でだろう…俺が背中を強打して落ちたというのに、こいつは…ジャンヌはかっこよく落ちてくるなんて…このかっこよさに嫉妬しそうだ。
「あたたたた…なんでいつもこんな目に…」
「本当に、良くいきてるよあんた…あとは、足を引っ張らないでくれるとありがたいんだけどね…」
「そういうジャンヌだって…落ちてきているじゃないか！俺だけが足をひっぱっているわけでは…」
俺は少し、ジャンヌの言い方にいらつきを覚え言い返した。
本当に…俺に対する扱いを少しは優遇しろ！
内心ではこう思いながらも、実際に口に出すのは怖いので無言だがな？
「デメトリオが私の足を落ちる前につかんだから、私も落ちてきたんだぞ？いわば道連れだ」
そういえば…落ちる前に文句いってる場合じゃねぇ！と言ったときに何かをつかんだ気がする…
「本当にすみませんでした…」
俺は、即座に謝り相手の表情を見る…
どうやら怒ってはいないようだな…よかった〜…
そして、俺とジャンヌはこの部屋から出るための道を二人で歩いていた。
灯りが見えてきているが…明らかに出口だとは思えないんだよなぁ〜…
「ここは…？」
俺達は灯りの見えた場所に行くと、そこは変なホールになっていた。
左上を見ると、メリィたちが俺達を指差して騒いでいる。
右上には…明らかに王様が出ますよ〜的な見晴らしがよさそうな場所があった。
「思いのほか少ないけど…まぁ、男が引っかかったからよしとしましょうか」
「……本当に、あなたは誰なの？こんな面倒なことをしてくれちゃって…」
メリィが素朴な疑問を謎の声に問いかけているのが、かろうじて聞こえてくる。結構あそこまで高さがあるんだな…こんなに声が小さく聞こえるなんて…
「私？私はここの城主であり…生前は死霊術士として人生をエンジョイしていた者よ？８０００殺しのガデッドといえば、結構有名だと思うけど…」
「なっ！？が、ガデッド！？」
…メリィが驚いているのをはじめてみたな、いや、そんなことよりも俺も驚いておかないと、タイミングを逃すじゃないか！
「えぇーーーーーーー！？」
よし！タイミングはばっちりだ！まあ、ガデッドなんて名前は聞いたことも無いんだけどな…
「あら？私が封印され処刑処分された日から２００年くらいたってるはずだけど…やっぱり、死してなおこれほどの衝撃を与えられる人間って私くらいしかいないわねぇ…」
そう言いながら、見晴らしがよさそうなバルコニーに、ヴァンパイアの女性が顔を見せた。
かなり自分に酔ってるな…あの感じ…
「そんな…嘘でしょ…？ガデッドは男だったはずよ！？」
「ふっふっふ…私がただ単に封印されて死ぬと思っていたの？確かに封印をとくのに２００年費やしたけれど、肉体ならすでに転生させる準備はしていたんだから…昔みたいにかっこいいルックスではなくなったし、自慢だったチ○コもなくなったけど…今の体も悪くは無いわ」
「……でも、その様子だと…復活して間もない状態のような気がするわ…あなた、まだ自分の体をうまく使いこなせないんでしょ…？」
メリィが言い返すが、俺にはわかる。あの声…いつものような冷たさが無く、震えている感じだ！俺にはわかるぞ！←（大事なことなので、二回言ってみたぜ）
「まぁ…確かに昔のような力は無いけれど…それでも今なら昔の１０分の１はアンデッドモンスターを生産できるし…胸もあなたよりあるわ！」
「！！！ま、負けた…結構気にしていたのに…」
初めて、メリィが地面に両手をついた瞬間だった。
俺は…どうやら空気状態になりつつあるようだ…
このままそっとここを立ち去れば俺は安全圏をキープでき…
「さて…この体の力を取り戻すには男の精は不可欠…私の軍団の兵士達も男の精で活動する…一番ここで手に入れる存在はそこのさえない青年…あなたよ？」
だから！なんでこういったタイミングで俺に話を振って来るんだよ！？
もうすぐ空気になれたはずなんだぞ！？
「絶対目的はあのさえない青年の確保…次にあの魔物娘達を戦力不足ぎみの私の部隊を強化するためにアンデッド化させれば…相変わらず、私の計画は完璧ね…」
そういいながら、変な紐を思いっきり引いたガデッド…
俺とジャンヌは左右に柵で分断され、それと同時に多数の柵があがった。
そこから、一体のグールが姿を見せる。
「え…？えぇ！？まさか！？まさかのこのパターン！？」
「気をつけなさいよデメトリオ！あなた弱いんだから！」
ジャンヌ…だから、弱いは余計だって…
グールは俺のほうを見ると、物凄くにやりと口元をゆがませた。
口からは涎があふれてきており、とてつもなく嫌な予感がする。
「デメトリオ！来るわよ！？」
「はっ…わ、わかった！」
俺はすごく変な構えをして、グールのほうを見た。
「私の剣は…あんたごときには受け止められない！」
そう言って、ジャンヌは猛然とグールに走っていったが…
「へ…へぇ…俺に向かってくるのか？いいのか！？俺はそりゃあ物凄く強いと評判で…」
「男〜…７０年ぶりの…はぁ…はぁ…」
……これは、俺のせりふは耳に入ってないんじゃ…
そしてついに、俺のほうも戦闘が始まってしまった。
「手加減はしないわ…【ヘルファイアヴォルケーノ】！【スタンライジング】！【超・獄炎５連斬り】！」
……えぇーーー！？固有技が三つもあるの！？しかも、連続で出せるなんて…
俺なんか…俺なんか、【嫉妬ストリームアタック】しかないのに…
「……やばいな…これは、逃げるしかないだろ！」
俺は確実にエリアの壁に張り付き、必死にグールから逃げていた。
無様だって？好きに言ってればいいさ…
「無様じゃのうデメトリオは…」
…ゾーネ、俺の心を刺し貫く行為は本当にやめて欲しい…
そして、どうやらジャンヌはグールを気絶させることに成功したらしく、俺とジャンヌを分断していた柵を剣で叩き斬った。
「まずい！こうなったら…全員を仕向けるしかないわ…皆…行きなさい！」
グールが出てきた場所から、さまざまなアンデッドたちが大勢飛び出してきた！
俺達は慌てて出口に続いているであろう道に飛び込み、走り出す！
そして…ついに俺達はこの城の出口の部分まで来ることが出来た！
他のメンバーが俺達のことを確認すると騒ぎ出し、メリィがほっとしたような顔で出迎えてくれた。
「はぁ…はぁ…つ、疲れた…」
「本当にデメトリオは体力無いのね…」
「余計な…お世話…だ」
とにかく、早くここを離れよう…
「待ちなさい！！せめて、その男は置いていきなさい！」
「残念ながら、それは出来ないわね…みんな、行くわよ！」
「待ちなさいって！あぁ…この大きくなりすぎた胸が邪魔で走りにくい！」
……ふぅ…あれだったら、追いつかれることはなさそうだな。
そして、このせりふを聞いたとたんに、メリィがふっと鼻で笑うと、こう言い放った。
「そのでかい胸があだとなったなぁ！！大きけりゃあいいってものじゃねえんだよ！あはははは！！」
……初めてだ、ここまで乱雑な話し方をしたメリィは…
それほどに胸の大きさを指摘されるのが嫌だったのか！？
「ぺたんこの断崖絶壁には言われたくないわね！それは嫉妬？元男だったはずの女に胸の大きさで圧倒的に負けたからって嫉妬しているの？まぁ…仕方ないわよ…私の体は完璧だから！」
「胸の部分にそんな大きな脂肪の塊を二つもつけてるやつの頭の中が見てみたいな！」
「これは脂肪の塊じゃないわよ？この二つの大きな胸はロマンよ！そして愛よ！あなたにはそれが一切見えないほどに無いけどね！胸が！」
「何だと…」
……おいおい！一体何の戦いなんだコレは！？
見苦しい…非常に見苦しいぞ…
「メリィさん…落ち着いてくださいよ！はやくここから逃げましょう！」
「…そうね、あんな胸女には構う価値も無いわ…」
俺はどれだけそこにこだわっているんだと突っ込みたくなったが…
とにかく、無事に城から脱出することが出来た。
「はぁ…はぁ…朝日だ…！まぶしいほどの朝日だ！」
一日ぶりに俺は朝日を見たが…この土地の中での朝日はとてもうれしいものだった！
「くぅう！？ま、まさかもう朝…うあぁああ！！く…覚えていなさいよ！絶対に…あんた達を強制的に仲間に…そこの男…デメトリオは…精奴隷にしてやるからぁ！！」
「ふっ…いつでもこい！この胸女！！」
「そうです！いつでもこいです！！」
メリィ…しつこいぞおい…
あと、何でセムちゃんも挑発的な態度をとっているんだ！？
そして、ついに俺達は旧ステイン国処刑場跡大墓地を抜けることに成功した！
長かった…いや、本当に長かった…
俺は、二日間しかここにいなかったのに、物凄く疲れたよ…
「……さて、そろそろカスタニアに着くわよ？」
「え！？このルートを通るとカスタニアを通るのか！？」
俺はカスタニアと聞いて非常にハイテンションになった。
カスタニアと言ったら、カスタニア山脈といわれる山のすぐ近くにある町で、なんと！チーズがうまいと聞いたことがある。あとワインが…
しかも、この町には世界でも有名な宿屋があり、俺の店のこれからの進行方向の参考にさせてもらえるじゃないか！
そして、俺は誰よりも早くカスタニアの国の門を通りカスタニアについた！
さて…これからどうしようか？
12/01/19 19:13更新 / デメトリオン
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