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第七章 訓練と依頼の日記その四(バトル、微ギャグ、シリアス)
シルミア「大将、現在前線の中央部隊が攻め込まれているようですが、指示は出しやがらないのですか?」

この質問をしているのはフレイヤの後方部隊にいるゴーレムのシルミアだ。
ちなみに大将とはフレイヤのことだ。

フレイヤ「・・・まだだ、今は前線部隊の力を信じる。それに・・・」

シルミア「それに?」

フレイヤ「攻め込まれているのはあくまで中央部隊だ。右翼と左翼はまだなんの襲撃も受けていない」

シルミア「立派なことを言ってるようにも聞こえますが、本当はどう指示をしていいかわからないだけでは?」

この言葉にフレイヤはキッと睨んで答える。

フレイヤ「たしかに、私は指揮に立つのは初めてだ。だが、だからと言って勝手が分からないわけではない、今はまだ指示を送るときではないだけだ」

シルミア「・・・そうでござりやがりますか、とんだ失礼をこきました大将」

フレイヤ「いやそんなには気にしていない、引き続き戦況を分析し続けてくれ」

シルミア「・・・正直めんどいですが、了解です大将」

フレイヤ「・・・・・・」

このゴーレム大丈夫なのかと一抹の不安を覚えたフレイヤであった。

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最前線

ベル「はぁーぶつぶつぶつぶつ・・・・・・」

前線の少し後ろのほうでベルがぶつぶつと何かをしゃべり「の」の字を書きながら落ち込んでいた。
実は先ほどのショックから未だに立ち直れずにこの状態が続いている。
現在前線では先ほどの4人が奮闘し、ギリギリの攻防を行っている。

ティル「覚悟してくださーい!」

剣を大きく振りかぶり、相手の前線部隊に攻撃を仕掛けていくオークのティナ。
しかしその攻撃はやすやすと見極められ、軽々とよけられ、そのまま兜の風船を狙って反撃される。

男子E「危ない!!!」

間一髪のところで男子生徒が助けに入る。

ティナ「あ、ありがとうです」

そして極上のスマイルが送られる。
その豊満な果実もさることながらそのようなスマイルを見せ付けられては。

男子E「ふおー!!!百万馬力入りましたー!!!」

とこのように通常の倍以上の力で押し返していくのだ。
実は先ほどからこの光景が何度も起きていて。
それを見ていた男子共はティナの笑顔を見ようと我こそはといわんばかりにティナを守りにいくのだった。

一方変わってこちらはワーウルフ、ワーキャット、ワーラビットのワートリオが維持している戦線。

クー「いくぞ、俺達の必殺技を見せ付けてやるぞ!」

フィー「OKだにゃ!」

レナ「そんなもんあったかぴょん?」

クー「いや、そこは乗ってくれないと面白みに欠けるじゃん。なんかこう必殺技があるとこうなんか燃えるというかそのー・・・」

フィー「ひっさーつ!顔洗い!くしくし・・・」

レナ「それのどこが必殺技ぴょん?」

とこのようにこのバカトリオの織り成すバカな世界に思わず見とれて、相手はポケラーンとしてしまい、攻撃が度々ストップしていた。
しかし、ストップしがちだった攻撃もだんだん慣れてきたのかお構い無しに攻撃をしてくるようになってきた。
オーガの強力な拳やキック、グリズリーの素早くパワーのある攻撃、リザードマンとアマゾネスの見事な連携剣術、マンティスの静かな鎌捌き、ミノタウロスの豪快な槍が次々と中央部隊に猛攻を与えていた。
一人、また一人と風船を割られる男子達、だんだんと後退をしていく。

フィー「にゃー!!このままじゃ、負けるにゃ!!!」

クー「くそ!ここは俺が食い止める!みんなはその内に逃げるんだ!」

レナ「変な死亡フラグ立ててないで防御に専念しろぴょん!」

ティナ「もう!きつきつです〜」

ベル「はっ!?いつの間にか戦線がここまで後退している!?」

レナ「今頃立ち直ったのかぴょん!早く指揮するぴょん!!」

ベル「は、はい!え〜と・・・そうだ!たしかフレイヤ先生が・・・」

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回想

フレイヤ『いいか!前半は中央部隊だけで向こうの前線部隊にぶつかる!
ベル!中央部隊の命運はベルの腕に掛かっている。ぶつかるときの指示はベルに任せるがこの指示だけは忘れるな。押し込まれ始めたら迷わず後退するんだ。そして例の作戦通りに展開するんだ。それだけは忘れるな」

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ベル「ッて言われていたんだっけ。み、みんな!後退!後退してください!!」

クー「な、なんだって!仲間の敵も討たずに敵に背を見せろって言うのか!?冗談じゃねごぶし!」

クーのお腹にレナの見事なボディーニーが炸裂していた。
いわゆる膝蹴りです!

レナ「了解だぴょん!みんな後退だぴょん!」

そして、気絶したクーをフィーといっしょに担ぎ撤退を開始するレナ。

フィー「ふにゃー!重いんだにゃー!」

ティナ「みんなー待ってくださいです〜!」

中央部隊が大きく後退を開始したのを確認したユキ先生の前線部隊はさらに追撃を掛けるべく猛烈な勢いで追いかけはじめた。
しかし後退をしていたベルの部隊が突然止まったのだ。
なぜという疑問符を抱きつつも突撃してくる敵前線部隊。
その時だった。

???「右翼部隊突撃!!!」
???「左翼部隊突撃アル!!!」

突然の号令、そして雄たけびと共に突撃してくる部隊。
フレイヤがあらかじめ少し後ろに配備していた中央部隊を援護するための右翼部隊と左翼部隊がユキ先生の前線部隊を左右から強襲したのだ。
ベルの部隊にしか注意を払っていなかった敵前線部隊は突然の左右の強襲にパニックに陥っていた。

レイティア「全員頭を集中的に狙え!戦闘力が違えど、風船が割れれば戦死にできるのだ。恐れずにいけー!」

的確な指示を出しているのは右翼部隊隊長のスケルトンのレイティアである。
この部隊はレイティアと男子5人という小隊である。

チャチャ「みんなー自分の風船は割られちゃダメアルよ。でも攻撃の手は緩めちゃダメアルよ!もうそれこそ相手犯しちゃうくらい滅茶苦茶にしてやるアルよ」

セリーナ「え?犯してもいいの?でも今は戦闘中だよ?というよりは相手を犯すくらいなら私を犯してほしいな」

アルアル口調でぶっ飛んだ発言をしたのは左翼部隊の隊長である妖狐のチャチャで戦闘中とは思えないほど気の抜けた台詞を喋ったのがマンドラゴラのセリーナである。
この部隊はチャチャとセリーナと男子5人と右翼より一人多い小隊である。

さてかなりこんがらがってきたのでここで一度最前線の状況を確認しよう。

ユキ先生の前線部隊
リザードマン5名
オーガ2名
マンティス2名
グリズリー5名
アマゾネス5名
ミノタウロス3名
計22名

フレイヤの前線部隊
人間男15名 (中央、右翼、左翼混合)
ドラゴン ベル
オーク ティナ
ワーウルフ クー
ワーキャット フィー
ワーラビット レナ
スケルトン レイティア
妖狐 チャチャ
マンドラゴラ セリーナ
計23名

敵前線部隊はいまだ無傷、フレイヤの前線部隊は戦死者5名。
むしろ戦闘のプロ相手によく持ったほうだろう。
数は同じくらいだがやはり戦力はあちらのほうが上だ。
その証拠にさっきまでパニックになっていたはずの敵前線部隊は落ち着きを取り戻し始め、三方向に分かれて迎撃をはじめた。

右翼部隊

男子F「隊長!敵の攻撃が凄すぎてもう限界です!」

レイティア「馬鹿者!軽々しく限界などいうんじゃない!まだ体が動く内は限界などとは呼ばん!」

一括を入れながら戦うレイティア。現在右翼が相手にしているのはグリズリー達だ。
最初の強襲で一人だけ割ることには成功したが、それ以降はグリズリーのスピードの前にひたすら防戦をしているのが現状だ。

左翼部隊

男子K「チャチャ隊長、どう頑張っても相手を犯しにいけません!」

チャチャ「頑張るアル!無茶が通れば道理は引っ込むものアル!ガンガンいくアル!」

セリーナ「どうでもいいけど、犯すんじゃなくて攻撃してほしいな。むしろ犯すなら後で私を犯してほしいな」

とこちらは男子とチャチャのエロパワーとセリーナの植物の蔓の鞭で攻撃していた。
男子とチャチャは完全にエロが目的になってしまい驚異的な回避力でズンズン前に進み、唯一攻撃しているのはセリーナだけという見事にアンバランスな状態になっていた。
こちらの敵はオーガとミノタウロス達だが、この不思議なエロパワーの前に若干押されぎみで少々困っていた。
エロいことが好きな魔物ではあるが、魔物にだって好みがある。
さすがに好みでも気に入ってもいないやつを相手にしたくないのか追い払うように攻撃をする彼女達。
これが左翼部隊の現状だ。

中央部隊

中央部隊はリザードマンにアマゾネスにマンティスといった魔物達と戦闘を展開していた。
先ほどよりは楽になったおかげか多少は落ち着きを持って戦闘をしていた。

べル「私だって、隊長としての意地があるんです!でやあー!!!」

ティナ「当たってくださいー!」

クー「今度こそ俺たちの必殺技を見せてやろうぜ!」

フィー「ひっさーつ!ねこぱーんちにゃ!」

レナ「それは必殺にはならないぴょん」

あれ、あまりさっきと変わらないような?
ともかく戦闘の流れは少しずつフレイヤのチームに流れ始めていた。

そんな優勢になりかけていた時だった。

男子A「・・・はっ!?べル隊長!向こうから砂煙が見えます!」

べル「えっ!?」

男子A「恐らくは敵の増援部隊です!!」

べル「そ、そんなやっと均衡を保てる戦力になったのにこのままじゃ!」

その情報に動揺があらわれたせいか、その一瞬の隙を突き敵前線部隊は一気に反撃に出た。
右翼と左翼の男子数名が一瞬にして風船を割られ、戦死してしまったのだ。

べル「くっ、しまった!こうなったら、全前線部隊に告げます!ひとまず中堅部隊まで退却!退却をしてください!」

この瞬間フレイヤチームの前線は破られたことになる。
ベルは瞬時にフレイヤに言われていたことを思い出し退却を選んだ。
全滅しては元も子もないと。
前線部隊は退却を開始した、しかし今は戦闘の最中、退却するので見逃してくださいなんて頼めるはずも無かった。
そこでベルは先に左翼と右翼を退却させるべく中央部隊に指示を出した。

べル「中央部隊!右翼と左翼が抜けるまでこの場で食い止めてください!」

この指示により前線部隊の退却戦が開始された。

右翼と左翼はベルの指示を聞き、退却を開始していた。
もちろん敵の追撃つきで。

右翼部隊

男子F「隊長!このままじゃ追いつかれます!」

レイティア「わかっている!無駄口を叩かずに走れ!」

左翼部隊

男子K「クー、襲うこともできずに退却するとは無念です!チャチャ隊長!」

チャチャ「大丈夫アル!退却した後でもチャンスは来るアルよ!その時を待つね」

セリーナ「この部隊は本当に欲にまみれてるよねー」

中央部隊

べル「来ました!ワートリオさん達はは右翼部隊の援護をお願いします!ティナさんは男子をつれて左翼部隊の援護をお願いします!」

全員『了解!!!』

ティナやワートリオはベルの指示通り援護に向かう。

クー「ここは通さないぜ!」

フィー「そうだにゃ!」

レナ「珍しくまじめな台詞だぴょん」

ティナ「ごめんなさいーここは通行止めですー」

べル 「私だってやる時はやるんです」

それぞれが足止めをしてくれたおかげで右翼と左翼は無事に前線を切り抜けることに成功した。

べル「中央部隊今度は私達が退却しますよ!」

全員『了解!」

今度は足止めをしていた中央部隊が退却をはじめた。
中央部隊はかなり優秀な戦力がつぎ込まれていたので逃げ足も速く、なんとか退却はうまくいきそうに見えた。
しかし一人だけ遅れている者がいた。

ティナ「みなさーん待ってくださいー」

それは中央部隊の殿を走っていたオークのティナだった。
彼女は一生懸命に走っているのだが、どう見てもジョギングをしている程度のスピードしか出ていないのだ。
このままでは彼女が追いつかれるのは時間の問題だった。彼女を救出するべく男子がやってくるかと思われたが一向にその気配は無かった。
その男子達はティナの少し先を走っておりちらちらと後ろを見ては何かを叫び加速していくのだ。
理由は簡単。

ティナ「置いてかないでくださーい!」

 ぶるん ぶるん ぶるん

男子全員「ふおー!!!たまんねえー!!!」

とこのようにティナの揺れる果実を見ては暴走した機関車のごとく加速する男子達がそこにいた。
哀れティナはついに相手の前線部隊に捕まり、風船を割られてしまった。

アスナ「戦死者は罰ゲームよ♪」

ティナ「痛いのはいやです〜(ガクブル)」

アスナ「大丈夫よ。すぐに快感に変わるから♪」

ティナ「いやです〜!」

ユキ先生の前線部隊は合掌をしつつ、追撃を開始するのであった。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

シルミア「大将、前線部隊が退却を開始しました」

フレイヤ「そうか。・・・ではホルン。伝令を頼む」

ホルン「まっかせてください!」

と自信満々なコカトリスのホルン。
フレイヤは伝令の詳細を伝えた。

ホルン「ではいって参ります」

ビシッと敬礼のポーズをとり、格好をつけるホルン。
しかし。

フレイヤ「・・・足が震えているが大丈夫か?」

ホルン「(ガクガク)・・・こ、これは武者震いってやつです。も、問題ありません!」

恐らくはコカトリスの性質上本当は相当ビビッているのだろうが、無理して格好つけているようだ。

フレイヤ「ならばいいのだが、途中で逃げ出したら、分かってるな?」

ホルン「は、はひぃ、分かっております。で、ではいってきます」

敬礼を再度行いくるりと後ろを向き一気に駆け出すホルン。

フレイヤ「さすがはコカトリス、あっという間に遠ざかっていく、これならばすぐに伝わるだろう」

シルミア「ですがあのチキンが伝令を忘れていたらどうなりますかね?」

フレイヤ「・・・そんなに忘れっぽいのか、彼女は?」

シルミア「ええ、それこそ3歩歩けばすぐに忘れることができるくらいです」

フレイヤ「・・・三姉妹、すまないが伝令を頼めるか」

心配になったフレイヤは結局三姉妹にも伝令を伝えるように命令をした。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

と今日はここまでにするとしよう。続きはまた明日だ。
さて今日も寝る前にカリン達をしごくとするか。
前回は腕立て100回だったから、今回は腹筋100回にするかな?
                                   ○月×日 ヴァル=フレイヤ




11/03/23 01:55更新 / ミズチェチェ
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■作者メッセージ
はい皆様お久しぶりです。
実は前回書き忘れがあるのを思い出したので書かせていただきます。

今回の東北大震災の被災者様へ
自分には募金などと言ったことしかしてあげることができませんが全員一丸となってこの災害を心から乗り越えてほしいと思います。

さて、小説に戻りますが今回は前線部隊の戦いと退却戦の模様をえがかせていただきました。
正直なかなか苦戦しました。
というよりは最近スランプです。
やはり集団戦は書くのが難しいです。
これなら1対1のバトルのほうがまだ楽です。
とりあえず楽しんでもらえたでしょうか?

最後に読者のみなさんへ被災者の皆様のためにも最寄の募金箱へどうぞ募金をお願いします。

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