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第七章 訓練と依頼の日記その三(バトル、シリアス、微ギャグ、ルール説明)
作者より皆様へ
今回の小説では登場人物が多いため台詞の前に名前を付けますのでご了承ください。

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ユキ「よーしみんな集まったか!!!今から全クラス合同授業による模擬戦争を行う!!!」

生徒全員『はい!!!!!』

フレイヤ達は合同授業による模擬戦争を行うために学園のグラウンドに居た。
現在大声を出しているのは戦闘部門の教師、ユキ先生その人だ。

ユキ「みんなにはすでに伝わっていると思うが、現在講師は私一人しかいない。このままでは授業にならないのは目に見えている。
そこで!!今回臨時で講師をしてくれる人に来てもらった!!紹介しよう、冒険者のヴァル=フレイヤ先生だ!!」

フレイヤ「ヴァル=フレイヤだ。よろしく」

ユキ「そしてフレイヤ先生の仲間のカリン、コリン、マリンだ!!」

カリン「あたしはカリン、よろしくな!!!」

コリン「コリンといいます。よろしくお願いします」

マリン「ま、マリンです。よ、よろしくお願いします」

たんたんと自己紹介を終えていくフレイヤ達。
生徒達はフレイヤ達の自己紹介を興味津々と言った様子で聞いていた。

ユキ「さて紹介が終わったところで、さっそくルールを説明する」

ユキ先生がそう言うと三姉妹がいつ持ってきたのか後ろのほうで大きな紙を広げていた。
その紙には今回行われる模擬戦争のルールが乗っていた。

模擬戦争ルール

その1
全員風船付きの兜を装着すること。
この風船が割られた場合は戦死扱いとして退場となる。
またこの兜を自分からはずしても戦死扱いになるから注意。

その2
勝利条件は大将の風船を割ること。
大将は先生が行うこと。

その3
武器は木剣と訓練槍と訓練弓のみ使用を許可する。

その4
学園の敷地内ならどこに移動してもよい。
学園の外に出ると授業放棄と見なして処罰の対象となる。

その5
学園内にある物なら武器以外で使うことを許可する。
(例えばスコップなら穴を掘って罠を作ってもよし)

その6
魔法の類は危険なため使用を禁止する。
使った場合はそれ相応の覚悟をすること。

ユキ「と以上が今回のルールとなるが他に分からないこととかあるか?」

生徒全員『・・・・・・』

ユキ「よしそれじゃあチーム分けだ。各クラスの代表者は集合!!!」

ユキ先生がクラスの代表者を集める。
そしてその手には棒が5本握られていた。

ユキ「くじでチームを分ける、白なら私のチーム、赤ならフレイヤ先生のチームだ。ちなみに赤と白の両方はそのクラスを半分にして両チームに入れるからな」

それぞれの代表者達がユキ先生の持っているくじを掴み、一斉に引き抜いた。

ユキ「決まったようだな。AとDクラスは私の下に集合!BとEクラスはフレイヤ先生の下に集合!そしてCクラスはクラス内でジャンケンをして勝ったほうは私の下に、負けたほうはフレイヤ先生の下に集合するんだ!いいな!!」

生徒全員『はい!!!!!!』

ユキ先生の指示に従い生徒達は行動を始めた。
AとDクラスはユキ先生の下に、BとEクラスはフレイヤの下へと動き、そしてCクラスは、

『ジャンケン!!!ポン!!!あいこでショ!!!あいこで・・・・・・』

ジャンケン大会が勃発していた。

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Cクラスのジャンケンがようやく終わり。
二人の下に連合チームが結成された。
そのチーム編成はこうだ。

ユキ先生チーム
大将 ユキ 1名
人間男 5名
人間女 5名
リザードマン 5名
オーガ 2名
マンティス 2名
グリズリー 3名
ネレイス 2名 
ミノタウロス 3名
デュラハン 3名
ホーネット 3名
ダークエルフ 2名
ケンタウロス 5名
アマゾネス 5名
ドワーフ 2名
稲荷 1名
ダークエンジェル 2名
計51名

フレイヤチーム 名前
大将 フレイヤ
ゴブリン カリン、コリン、マリン 
人間男 20名 無名
人間女 11名 無名           
ドラゴン ベル
ゴーレム シルミア
ジャイアントアント ティナ
ハーピィー ネル
ピクシー フェリカ
コカトリス ホルン
ワーウルフ クー
エルフ セレスト
妖狐 チャチャ
ホブゴブリン テルタル
サハギン エスト
マンドラゴラ セリーナ
スケルトン レイティア
オーク ティル
ワーキャット フィー
ワーラビット レナ
計51名

以上がチーム編成だ。
えっ?なんで人間とユキ先生のチームは名前がないのかって?
ユキ先生のチームに名前が無いのはフレイヤチームの視点でのみ書くから名前は不要と判断したからだ。
人間に名前が無いのはモブキャラだからだよ。

ユキ「それじゃフレイヤ、当初の予定通りに決めた陣地に向かって、鐘の音を合図に戦闘開始といこう」

フレイヤ「わかりました。ところで鐘の音は誰が?」

ユキ「アレク校長に頼んでおいたから問題は無いよ、今の時間は8時、8時30分になったら鳴るはずだ」

フレイヤ「わかりました。訓練とはいえ負ける気は無いので全力でやらせていただきます」

ユキ「ふっ望むところだ。集団戦は俺の得意分野、負けるわけにはいかねえからなこっちも全力でいくぜ」

お互いにガシッと握手を交わし、その場を後にする。

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ここからはフレイヤチームの視点のみでいきます。

フレイヤは自分の陣地であるテント内でこれからともに戦う仲間に作戦を指示していた。

フレイヤ「と今言ったように展開してほしい。この作戦はシンボリ大陸ではあまり使われないが実用性のある作戦だと私は思ってる。何か質問はあるか?」

フレイヤの言葉に反応した一人が手を上げた。

ベル「あの、なんで私が部隊長なんでしょうか?」

質問をしたのはドラゴンのベルだった。
ベルは自信なさげに質問をしていた。

フレイヤ「理由は君がドラゴンだったからなんだが、成績を見ても優秀だったからな」

ベル「で、ですけど、私には自信がありません、どうか他の人に・・・」

フレイヤ「いいかいベル、これはあくまで訓練だ。ベルは強くなるためにこの学校に通っているのだろう?それなのに自信がないからと辞退していてはこの先の成長は見込めなくなってしまうよ。ベルは誇り高きドラゴンなんだからそんな弱々しい姿を見せてはいけない、もっと自信を持って堂々とすればいいんだ。」

ベル「ど、ドラゴンだからって誰でも強いわけじゃないです、私は落ちこぼれなんです。戦闘能力だって優秀とは言ったってあくまでドラゴンという種族の恩恵があるから、多少身体能力が優れているだけで、戦闘の技術に関して言えば私はクラスで一番弱いんです。いつもそうだ、どれだけ頑張っても、どれだけ勉強しても、技術じゃ誰にも勝てないんです」

フレイヤ「・・・それで?」

ベル「えっ?」

フレイヤ「技術が無いから部隊長やめたいというなら、それは甘えだよ。技術が無くてもその恩恵はあるのだろう。ならばその恩恵を最大限に利用するべきじゃないのか?世の中には恩恵も才能も技術だって無いやつはごまんといる。ベル、君はドラゴンという種族に生まれたために常にトップにいるべきだと思っていたんじゃないか?だから技術だ才能だ落ちこぼれだという言葉を口にする。・・・うぬぼれるな!そんな考えを持つから行動が縮こまってしまうんだ。余計なことは考えずに自分にできることを精一杯やればいいんだ。・・・ともかく私はベルを部隊長にすると決めた、変更は無い。他に質問は?」

フレイヤの説教を浴びて、呆然とするベルをおいて他に質問が無いかを聞くフレイヤ。
今度は誰も反応しなかった。

フレイヤ「よし、質問は無いようだな。それでは各自、武器と兜を装備してグラウンドにて先ほど言ったように部隊展開してほしい」

生徒全員『はい!!!!!』

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グラウンドには既にユキ先生のチームが部隊を展開しており、準備万端と言った様子だった。
縦長に編成された部隊で一点集中の攻撃編成のようだった。

それに対しフレイヤのチームは横に広げた部隊編成で前衛部隊、中堅部隊、後方部隊と言った様子で作られていた。
前衛部隊には中央部隊、右翼部隊、左翼部隊といったように三つの隊が作られた。
中堅部隊は主に弓を主力とする部隊である為特に分けてはいない。
後方部隊は大将であるフレイヤの護衛と中堅部隊に弓矢の補給をする部隊だ。
そのため一番人数が少ない部隊である。

静かに合図を待つ中、時計の針は8時30分を指そうとしていた。

 カチカチカチカチカチ カキ リンゴーン リンゴーン

鐘の合図とともに両チームは一斉に走り出した。
生徒たちは雄たけびを上げつつ武器を構える。
ユキ先生の一点集中型の部隊がフレイヤの中央部隊に突撃してゆく。

男子A「いいかお前ら!わが中央部隊隊長のベルさんのためにも死に物狂いで行くぞ!!!」

中央男子全員『おおお!!!!!』

中央部隊の男子全員が武器を構え突撃する。
互いの部隊が激突した。
相手の剣を受け止め、攻撃を返したりと乱戦状態に突入していった。

しかし、わずか数分で中央部隊が押され始めた。
その理由はリザードマン、アマゾネス、オーガ、グリズリー、マンティス、ミノタウロスといった戦闘のプロフェッショナルといった面子がそろっていたユキ先生の主力部隊のせいだった。

ベル「えーと、落ち着いて、後退しながら防御してください!」

部隊長であるベルの指示が下される。
その指示通りゆっくりと後退しつつ防御していた。
しかし容赦の無い攻撃についに風船を割られる者が出始めた。

 パーン! パーン! パーン!

一気に三人も割られてしまった。

???「戦死者は罰ゲームよ」

突如現れたダークエルフにより魔法で拉致られる男子3人。

男子B「うわ!なぜ拷問部門担当のアスナ先生がここに!?」

男子C「っていうか罰ゲームって何だよ!?」

男子D「いったい何をされるんだ!!!」

アスナ「それは地下室でのお・た・の・し・み♪」

男子BCD「「「助けてくれー!!!!!」」」

アスナ先生が指を鳴らすとパッと男子3人とアスナ先生が消えた。
突然の事態に唖然とする両部隊。

ベル「・・・はっ!ぼ、ボーっとしてないで今が反撃のチャンス!反撃開始!!!」

中央男子全員『・・・お、おおおお!!!!!』

いち早く反応したベルがすぐに指示を出し、男子が突撃していく。
相手部隊もいきなりのことに混乱したのか取り乱して防御をしつつ後退を始めた。

ベル「そろそろ出番ですよみなさん。いまがチャンスです」

クー「やっと出番か待ちくたびれたよ」

フィー「んにゃ?やっと出番かにゃ?」

レナ「待ちくたびれたんだぴょん」

ティル「がんばりますー」

ベル「すいません、私の判断が遅れて・・・」

クー「あーごめん!そーいうつもりで言ったんじゃないんだよ」

フィー「じゃあどういうつもりでいったんだにゃ?」

レナ「どうでもいいからさっさと突撃するぴょん、ティルはもう行っちゃったぴょん」

レナが言うとおりティルがとたとたと走り剣を構えて突撃している姿があった。

クー「やっべ、俺も早くいかねえといくぞ!お前ら!・・・ってあれ?」

クーが二人に声を掛けたが返事が無く、振り向くと二人の姿は無く前を見るとすでに走っている二人の姿が見えた。

クー「わー、待ってよ置いてかないでくれー!!!」

と急いで戦線に向かうクー。

ベル「やっぱ私には部隊長は無理だったんだ・・・・・・ぶつぶつ」

とこちらは未だに落ちこんでいるベルが座り込んでいるのであった。

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今日はここまでかな、続きはまた明日にしよう。
それにしてもなかなか個性豊かなメンバーがそろったものだ。
果たして勝つことができるかどうか、それは次の日記までのお楽しみだ。

                                     ○月×日 ヴァル=フレイヤ
11/03/18 00:52更新 / ミズチェチェ
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■作者メッセージ
皆様お久しぶりです。
というわけで模擬戦争が始まりました。
正直に言って、私は戦争物はど素人です。
なので、人数を極端に減らし書きやすいようにと奮闘しております。
見ていておやなんか変じゃねえこれと思ったら、それは俺のど素人な創造で書いているものなのであまり突っ込まないでいただけるとうれしいです。
まあお前の話事態が滅茶苦茶だと言われると何も言い返せないんですけどね。
とりあえず次回は模擬戦争の中盤と後半を書いていこうと思っています。
皆様の感想をお待ちしております。

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