二人と一人の浮船
魅力的なマーメイドのお姉さん二人に誘われるがまま、フリッツはふらふらとゴンドラ乗り場の前にやってきた。
だが、あと一歩で乗ってしまおうかというところで、彼はハッと思考が冷静に戻った。
よくよく考えれば、彼女たちがこの町の案内人だと確信しているわけではないし、もしかしたら案内する人が二人いる分、料金がかなり高額なのかもしれない。
「あのーっ、この船は、その、観光案内用ですか?」
「うふふ、そうよ。私たち姉妹が、アル・マールのあんなところやこんなところ、おしえてアゲルわ♪」
「お金は…………」
「お金? お金なんていらないわ。君のようなかわいい子…………お金を取るなんて、とんでもない」
そうは言うものの「タダより高い物はない」は、商人の常識だ。
お金を取らない代わりに、後で取り返しがつかないことにならないか?
悩むフリッツの手を、マーメイド姉妹がぎゅっと握り、やや強引に自分たちのゴンドラに引きずり込んだ。
「おっとと……わ、わわ、わっ!?」
「あぁん♪ エレオノーラ姉妹の船にようこそ♪ 私が姉のセシリア・エレオノーラよ。よろしくね♪」
「あー、姉さんばっかずるーいっ! 私は妹のマノン・エレオノーラ。わからないことがあったら何でも聞いてね♪」
よろけた勢いでゴンドラに飛び込んだフリッツを、姉のセシリアが胸元でキャッチし、その豊かすぎる胸に顔を押し付けるようにぎゅっとハグをした。そして、妹のマノンも姉に負けじと後ろからフリッツを抱きしめ、姉に勝るとも劣らない弾力ある胸で、彼の後頭部を包んだ。
(お、おっぱい!? おっぱいがっ!?)
出会ってすぐ巨乳でサンドされるという強烈な歓迎を受けたフリッツは、見る見るうちに顔を真っ赤にして、もがいた。
「あ、あう………苦しい、です………」
「あらあら、ごめんなさいね。お姉さん、君みたいなかわいい子が大好きだから、つい♪」
「君はこの町は初めて見たいね。名前はなんていうの?」
「フリードリヒっていいます……みんなからは「フリッツ」って呼ばれてますけど」
「フリッツ君ね〜」
窒息寸前でセシリアの胸から開放してもらったフリッツは、改めて姉妹に自分の名前を名乗る。
けれども、マノンはまだフリッツの背中に抱き着いたままで、しかも後ろの三つ編みを優しく撫でながら、栗色の髪の毛に鼻を埋めて、匂いをスンスンと嗅いでいた。
頬は真っ赤に紅潮し、瞳も媚薬を嗅がされたかのようにトロンと蕩けている。
「フリッツ君……すごく、いい匂いがする♪ お姉さん、どうにかなっちゃいそう♪」
「ええっと…………」
執拗に自分の匂いをかがれるむず痒さと、首筋と耳元に吹きかかる熱い吐息で、フリッツまでどうにかなってしまいそうだった。
「うふふ、確かにいい匂いがするわ♪ どう? お姉さんの匂いも嗅いでみる?」
「いや、僕はそこまでは…………」
と言いつつも、自分の胸元に顔を寄せるセシリアの香りと、背後から包むマノンの香りは、どう表現したらいいかわからない…………今までに感じたことがない甘い香りがした。
二人の香りに包まれていると、ドキドキしながらもなぜか安心するようで、とても不思議な気分だった。
そして、ズボンの下では、彼の男性器が興奮でいきりたち、パンツの中で痛いほど膨れ上がっていることも感じていた。
(あわわ、おち〇ちんが…………バレちゃうとマズイっ!)
勃起がバレないよう、フリッツは懸命に心を鎮めようと努力するものの、セシリアとマノンのきめ細やかな手や、柔らかい身体がそれを許さない。
自分たちの好みのドストライクなフリッツを前に、姉妹は完全に歯止めを失っており、興奮の赴くまま彼の身体を撫でまわし、ついには張り詰める股間まで手を伸ばそうとした――――――その時
「ちょっと〜、そこの変態ショタコン姉妹〜、早く出発してくれないと、私のお客さんが乗れないんですけど〜」
空き乗り場待ちのネレイスの案内人が、痺れを切らしたのか、いちゃつく姉妹のゴンドラにその場から退くよう呼び掛けてきた。
「あ〜ら、ごめんなさいね、ツンデレチョロインさん♪ すぐに移動するわ」
「あと、そこのお客さん。その子はおしりが弱点よ♪ いいお知り合いになれるといいわね♪」
「だーれがツンデレチョロインですって! そして人の性癖を勝手にばらさないでっっ!」
こうして、フリッツの乗ったゴンドラは、追い出されるように桟橋を離れていった。
いいところを邪魔されたからか、姉妹の返答は実に辛辣で、ネレイスは顔を真っ赤にしてぷんぷん怒っていた。
「まったくっ! やっと空いたわ。ほら、私が案内してあげるから、さっさと乗りなさいっ! まごまごしてると、私たちも怒られちゃうからっ! …………え? 弱点は本当なのかって? な、何言ってんのよバカっ! 早く忘れなさいよっ! で、でも……どうしてもって言うなら………」
ゴンドラに乗り込んだ桟橋をポカーンと見つめるフリッツ。
徐々に遠ざかる乗り場。そして左右には、自分に熱いまなざしを向けてくる二人のお姉さん。
そして悟った。
何かあったら、もう、助からないぞ…………と。
だが、あと一歩で乗ってしまおうかというところで、彼はハッと思考が冷静に戻った。
よくよく考えれば、彼女たちがこの町の案内人だと確信しているわけではないし、もしかしたら案内する人が二人いる分、料金がかなり高額なのかもしれない。
「あのーっ、この船は、その、観光案内用ですか?」
「うふふ、そうよ。私たち姉妹が、アル・マールのあんなところやこんなところ、おしえてアゲルわ♪」
「お金は…………」
「お金? お金なんていらないわ。君のようなかわいい子…………お金を取るなんて、とんでもない」
そうは言うものの「タダより高い物はない」は、商人の常識だ。
お金を取らない代わりに、後で取り返しがつかないことにならないか?
悩むフリッツの手を、マーメイド姉妹がぎゅっと握り、やや強引に自分たちのゴンドラに引きずり込んだ。
「おっとと……わ、わわ、わっ!?」
「あぁん♪ エレオノーラ姉妹の船にようこそ♪ 私が姉のセシリア・エレオノーラよ。よろしくね♪」
「あー、姉さんばっかずるーいっ! 私は妹のマノン・エレオノーラ。わからないことがあったら何でも聞いてね♪」
よろけた勢いでゴンドラに飛び込んだフリッツを、姉のセシリアが胸元でキャッチし、その豊かすぎる胸に顔を押し付けるようにぎゅっとハグをした。そして、妹のマノンも姉に負けじと後ろからフリッツを抱きしめ、姉に勝るとも劣らない弾力ある胸で、彼の後頭部を包んだ。
(お、おっぱい!? おっぱいがっ!?)
出会ってすぐ巨乳でサンドされるという強烈な歓迎を受けたフリッツは、見る見るうちに顔を真っ赤にして、もがいた。
「あ、あう………苦しい、です………」
「あらあら、ごめんなさいね。お姉さん、君みたいなかわいい子が大好きだから、つい♪」
「君はこの町は初めて見たいね。名前はなんていうの?」
「フリードリヒっていいます……みんなからは「フリッツ」って呼ばれてますけど」
「フリッツ君ね〜」
窒息寸前でセシリアの胸から開放してもらったフリッツは、改めて姉妹に自分の名前を名乗る。
けれども、マノンはまだフリッツの背中に抱き着いたままで、しかも後ろの三つ編みを優しく撫でながら、栗色の髪の毛に鼻を埋めて、匂いをスンスンと嗅いでいた。
頬は真っ赤に紅潮し、瞳も媚薬を嗅がされたかのようにトロンと蕩けている。
「フリッツ君……すごく、いい匂いがする♪ お姉さん、どうにかなっちゃいそう♪」
「ええっと…………」
執拗に自分の匂いをかがれるむず痒さと、首筋と耳元に吹きかかる熱い吐息で、フリッツまでどうにかなってしまいそうだった。
「うふふ、確かにいい匂いがするわ♪ どう? お姉さんの匂いも嗅いでみる?」
「いや、僕はそこまでは…………」
と言いつつも、自分の胸元に顔を寄せるセシリアの香りと、背後から包むマノンの香りは、どう表現したらいいかわからない…………今までに感じたことがない甘い香りがした。
二人の香りに包まれていると、ドキドキしながらもなぜか安心するようで、とても不思議な気分だった。
そして、ズボンの下では、彼の男性器が興奮でいきりたち、パンツの中で痛いほど膨れ上がっていることも感じていた。
(あわわ、おち〇ちんが…………バレちゃうとマズイっ!)
勃起がバレないよう、フリッツは懸命に心を鎮めようと努力するものの、セシリアとマノンのきめ細やかな手や、柔らかい身体がそれを許さない。
自分たちの好みのドストライクなフリッツを前に、姉妹は完全に歯止めを失っており、興奮の赴くまま彼の身体を撫でまわし、ついには張り詰める股間まで手を伸ばそうとした――――――その時
「ちょっと〜、そこの変態ショタコン姉妹〜、早く出発してくれないと、私のお客さんが乗れないんですけど〜」
空き乗り場待ちのネレイスの案内人が、痺れを切らしたのか、いちゃつく姉妹のゴンドラにその場から退くよう呼び掛けてきた。
「あ〜ら、ごめんなさいね、ツンデレチョロインさん♪ すぐに移動するわ」
「あと、そこのお客さん。その子はおしりが弱点よ♪ いいお知り合いになれるといいわね♪」
「だーれがツンデレチョロインですって! そして人の性癖を勝手にばらさないでっっ!」
こうして、フリッツの乗ったゴンドラは、追い出されるように桟橋を離れていった。
いいところを邪魔されたからか、姉妹の返答は実に辛辣で、ネレイスは顔を真っ赤にしてぷんぷん怒っていた。
「まったくっ! やっと空いたわ。ほら、私が案内してあげるから、さっさと乗りなさいっ! まごまごしてると、私たちも怒られちゃうからっ! …………え? 弱点は本当なのかって? な、何言ってんのよバカっ! 早く忘れなさいよっ! で、でも……どうしてもって言うなら………」
ゴンドラに乗り込んだ桟橋をポカーンと見つめるフリッツ。
徐々に遠ざかる乗り場。そして左右には、自分に熱いまなざしを向けてくる二人のお姉さん。
そして悟った。
何かあったら、もう、助からないぞ…………と。
20/05/06 08:24更新 / ヘルミナ
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