晴れ時々雪女。ところにより不法侵入。(エロあり)
一般的に適温とされる気温は25℃とされている。
湿度による個人差はあるであろうが、大体の人間は25℃の室温であれば人は快適に睡眠を出来るという。
然るに――それを超えた温度は人体に強く影響し、容易にその休息を打ち破れる。
そういった意味では彼、文月 玖郎(ふみつき くろう)は不幸と言えるだろう。
人体より大分温度の低い、等身大の人形(ひとがた)に彼は組み伏せられる。
強制的に奪われる体温に彼は悲鳴とも快感ともつかない空気を喉の奥から漏らす。
「あら、冷た過ぎました? 初めてでしたので上手く出来ませんでした……この位では如何です?」
馬乗りになりながらしな垂れ掛かるのは、着物を肌蹴た氷山 碧(ひやま みどり)と名乗った女性であった。
二の腕あたりまで内に着ていた襦袢を肌蹴させ、成人男性の掌では支え切れず呑み込みそうな大きさの青み掛かった乳房が外気に晒されたまま玖郎の胸板に合わさるよう大きく変形している。
太陽光を受けた雪原の影のような青い人外色の肉球は、先端にあるしこりが玖郎の肌に触れる度に断続的な刺激を両者に送り続けていた。
玖郎は答える事が出来ず、ただただ小さく息を吸っては漏らすという作業しか出来ない。
だが――――
「うふふ♥声は出なくても――こちらは正直者ですね?」
主の代弁と言わんばかりに玖郎の分身は屹立していた。
適度な冷たさ。触れられる度に走る静電気のような快感。
女の甘い体臭に、本体の意思を代弁するかのように玖郎の分身はピクリ、ピクリと小刻みに震えていた。
「――新ちゃん? そろそろ限界でしょうし、玖郎さんの初物を頂きましょうね?」
「うあぃ」
呻き声とも返事とも判別のつかない声で、のそりと完全に死体としか思えない女が現れる。
緩慢な動作で、しかし狙った獲物を逃さないという表情を浮かべながら現れた雪下 新(ゆきした あらた)は、やはり緩慢な動作で着実に寝台へと這いずって来た。
その様子に、命の危険は無いと分かっていても玖郎の瞳に怯えの光が混ざる。
それを碧は見逃さなかった。
「玖郎さん? 新ちゃんも女の子なんですから。そんなの怖がっては可哀想ですよ」
数瞬、玖郎の意識を新から外すべく碧は玖郎の唇を貪った。
下唇の甘噛みから始まり、舌を滑らせ玖郎の舌と絡み合う。
上質な、後味の残らない爽やかな甘みを感じていると玖郎の舌の動きが急に止まる。
唇を離した時に引いた唾液の橋が名残惜しそうに繋がったままで碧は後ろを振り向くと、一心不乱に玖郎の一物をしゃぶる新の姿があった。
先程の緩慢な動作等嘘であったようなその動きは、さながら熱砂の中に水を見つけた遭難者を連想させる。
亀頭を咥え、雁の裏側を蠢いていた舌はより強い圧力を加えて弱いところを探し出そうと肉竿を満遍なく這い続ける。
それに歯茎や喉奥まで使うストロークが加わり、突然の衝撃染みた快感を与えられた玖郎は掠れた声を上げるしか手段が無かった。
唾液でふやかすように吸い付き離れ――血液の集中と灼熱感を伴う腫れで限界まで膨れ上がった陰茎が玖郎の目尻を伝う涙のように先走りを垂れ流し続けている。
そしてそれは――新が咥えた肉棒をそのまま吸い上げながら徐々に口外から露出させ、鈴口に舌を割り入れたところで爆発した。
「〜〜〜〜〜〜〜〜♥♥♥ぷぅ♥はああぁぁぁぁ♥♥♥♥」
暴発した白濁がその小さな口内を満たし尽くす。
ごくごくと嚥下するその姿と満たされたその顔は正しく九死に一生を得た遭難者のそれである。
容積が足りないのか鼻の穴からも僅かに精液が伝ってきたが、それすらも啜り上げて喉奥に仕舞い込む。
最後の一滴まで吸い上げた後で漸く玖郎の一物から口を離した新の口から漏れるのは、只々快楽に蕩けきった声音だけであった。
「あらあら……新ちゃん、お弁当ついてますよ? お姉さんが取ってあげますから動かないでね……?」
んぅ? と気の抜けた声を上げた新に、湿り気のある冷たくて柔らかいものが触れる。
頤(おとがい)から口元へ辿るそれを、新はややあって碧の唇であると理解する。
伝った精液の道を辿るそれは、その大元であった新の口内に緩やかに侵入した。
碧は新の口内に残る馳走の余韻を味わい、新は口内を舐る碧の舌にされるがままになっている。
数秒、数分経過したろうか。
ややあって急に碧の動きが途絶えたのを新は感じた。
少し離れて見てみれば、碧が余裕無く打ち震えているのが分かる。
瞳は潤み口をだらしなく半開きにして、支える腕に力が入らないのか新が一抱え出来そうな二つの果実が悩ましげに震えている。
原因を探してみると――程なく見つかった。
碧の股座に顔を突っ込んでいる玖郎である。
どうやら先程の自分を無視した二人のじゃれ合いを面白く思えなかったのか、碧の菊座に左右の指を一本ずつ入れては出してを繰り返している。
それに加えて玖郎の口は現在碧の下の口と熱烈な接吻を行っており、時々立てられる歯が鋭い快感となって碧を攻め立てているようだった。
新は視界に自身を収めておきながら焦点の合っていない碧と再び臨戦態勢を取り戻した玖郎の分身を見比べると、角度を調整しその先端を己の秘所に押し当てる。
躊躇う事無く降ろしたその腰から感じるのは、内部から焼かれるのではないかと思える程の灼けた鉄棒を思わせる熱量だった。
如何に死体で暑い寒いを感じぬ身体であっても膣は別である。
愛を確かめ合う事に特化したその器官は、死した身体に唯一生を感じさせてくれる数少ない器官であった。
「んくぅ♥さっき、より、おっきいぃ♥♥」
程好い温度と柔らかさに触れた玖朗の分身は、より硬度を増すべく血液を集中する。
怒張した肉棒は膣内を更に押し広げようと動き、膣はその大きさに合わせようと収縮を繰り返す。
その度に玖朗は水気と粘性の高い蜜で荒々しく扱かれる己の分身から伝わる快楽に脳が焼かれるような快感を味わっていた。
「あは♥玖朗さん、お口がお留守ですよ?」
玖朗が果てたせいで幾分作られた時間を用い碧が復活する。
二穴を攻め立てられた意趣返しか、今度は自分から秘所を玖朗の口に押し付けてきた。
濃厚な甘い匂いの肉壷から溢れる秘水は止め処なく、適度に冷たい清涼水のような喉越しもあり玖朗は溺れない為生存本能に従って勢い良く嚥下していく。
まるでバキュームのように女陰へ吸い付く玖朗に、碧は再度気をやる寸前まで攻められる。
「あは♥は♥ は♥す、すごいですくろうさん♥もっと、もっとお♥♥♥」
しな垂れかかるように新の唇といわず首といわず強く吸い付いては離れるを繰り返す碧。
「み、どり♥ あそば、ないで……あ♥ すご♥ おくで、ビクビク、して♥♥」
そんな碧の豊かな母性の象徴に自らの小さくない肉果実を押し潰されながら膣を締め上げる新。
「んむぅぅぅうううううううううう♥♥♥♥」
碧から過剰供給される愛液の影響で、充満する雌の匂いに反応し思い切り種を吐き出す玖朗。
三人共に達しながら今だ繋がり続ける姿は、さながら快楽を貪る為の永久機関のようであった。
「ああ……ずるいなぁ、ずるいなぁ……。新だけそんなにいっぱい貰ってずるいなぁ……」
ちゅくちゅくと水気のある音がする。
玖朗の位置からは見えない――というより新の後ろから声がするので誰からも見えない――位置から羨ましげな声が聞こえてくる。
「こーんなゴボゴボ注がれてさ? ぜーんぶ独り占めってずるいと思うんだよねぇ……♥だからぁ……ちょっとちょーだい♥」
「ひぅ! め、めい♥そこ、だめ♥今はだめだからぁ♥」
新の秘所は玖朗の剛直をずっぽりと飲み込んでいるだけでは飽き足らず、奥へ奥へと飲み込む勢いで密着している。
そこに明の舌が隙間をこじ開けるよう執拗に責め立てていた。
当然その動きは玖朗も含んでおり、新しく加わった快感に怒張がより大きさを増していく。
結果新と玖朗はお互い隙間が生まれないくらい、より密着するのだが明は諦める様子がない。
「妬けちゃうなぁ、妬けちゃうなぁ……あんた達くっつき過ぎだよ? ほらほら、ちょっと仲間に入れてくれるだけでいいんだよ? でないとほら、こんな目にあっちゃうよ?」
そう言うと明は片手を新の尻穴へ滑り込ませると荒々しく掻き混ぜるように出し入れしていく。
括約筋の調子が戻らないのか、されるがままで強烈な快感を受け止めた新は自然と膣を締め上げる。
当然玖朗をより貪欲に包み込み、より密着する形で飲み込んでいくのだが明はそれで終わらせない。
同時に玖朗の睾丸に吸い付くと皺の一つ一つまで丹念に舐(ねぶ)っては唾液まみれにしていく。
舐り、ほじり、吸い付いては唾液に含まれる淫魔の魔力を浸透させて玖朗の精子を増産するよう弄んでいく。
明の愛撫が竿に及び軽く歯を立てた瞬間、玖朗は新の最奥で大量に吐精した。
思わず腰を浮かす玖朗と子宮口の奥に受け入れようと自然と腰を下ろした新。
お互い求め合うようにシンクロした結果、同じタイミングで白い視界の中綺羅星を見る。
だがそれでも明の期待した隙間は生まれなかった。
「あー、またイった。二人だけおいしい思いしてさ。ずるいなぁ、二人ともずるいわぁホント」
今度こそ気をやってしまったのか、新は母に甘える子のように碧に寄りかかる。
碧も玖朗の顔から腰を浮かし、倒れこんでくる新を優しく抱きとめた。
精を吐き出して幾分治まったお陰か、新が飲み込んでいた玖朗の肉棒がちゅぽん、と音を立てて解放される。
新の秘裂は玖朗の形を名残惜しそうに留めながらも、精子は零れず彼女の最奥に飲み込まれたままだった。
だが解放された肉棒の中の子種はそうはいかない。
外界に晒された玖朗の遺伝子が零れ落ちて無に帰する――そんな勿体無い事を彼女が許す筈がなかった。
「おーおー元気だねぇ君。どぉれ、次はお姉さんと遊んでちょーだい♥」
半分ほど萎えた陰茎をあやすようにして話しかけると、明はそれに吸い付いた。
舌の上で濃厚な味が広がると、余裕を無くして尿道の奥に残っている残滓を吸っては口内で転がしていく。
徐々に硬度を増していく玖朗の分身から根こそぎ精子を吸い上げるように動くと、海面から空気を求めるかの如く口を離した。
虚空を見る瞳と半開きの口に荒い息。
溺死寸前で九死に一生を得た、と言われても納得できる表情を浮かべる明だが、彼女は助かった訳ではない。
吸い出した精液はゼリーのような固さであり、彼女の唾液で徐々に溶けては舌から脳内を蹂躙していく。
あまりの濃度に咀嚼するのも勿体無く、だが嚥下しなければいつまでも痺れるような心地良さに動けない。
結果、彼女は下が大洪水になりながらも焦点の定まらない潤んだ瞳で痴呆にでもかかったような表情のまま口を半開きにした状態になっていた。
「あらあら、お掃除だけで達しちゃうなんて、明ちゃんらしくないですね」
「ひ、ひろりぃ……ほれ、ひゃふぁい♥ふごいふひぃ♥♥♥」
「玖朗さん、明ちゃんとも相性が良かったのね♥良かったわね、明ちゃん♪」
子供達の仲が良い事を喜ぶ母のように慈愛に満ちた表情で碧は語りかけるが、明はそれに反応する余裕がない。
食事として精を得た事はある。
面倒な時は味気ない補給剤で誤魔化した事もしょっちゅうある。
だが、ここまで自分好みの濃厚な味わいを彼女は知らなかった。
初めて知る極上の美味を処理するので精一杯で、その他が何一つ出来ない。
どうすれば良いのか分からず、考え付かない彼女が下した判断はとても幼いものであった。
「ひろりぃ……♥ふぁふふぇふぇ……♥」
口にしたものを飲み込めない、口から出せない。
そんな幼児のような状況で頼るのは包容力のある存在であった。
魔物として生を受けてから、母のように慕う碧に幼児退行を起こした明が縋りつく。
碧はまさしく母のような表情を浮かべると、新を起こさないよう玖朗の隣に横たえるとベッドから降りて明の下に向かう。
「大丈夫、大丈夫。くちゅくちゅしてごっくんすれば大丈夫ですからね」
言うが早いか、明の唇に碧は優しく吸い付いた。
貯めた唾液を明の口内に送り込み、己の舌を用いて固まっている明の舌に絡みつく。
明の舌上にある濃密な塊は、碧の唾液に混ぜられ捏ねられて固形物から粘質な液体に還っていく。
痙攣して動かなかった明の舌も、碧のリードを得てぎこちなくその動きを取り戻していく。
薄まり広がる濃厚な味わいに明は碧の舌を巻き込んで、ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅと転がしては僅かな恵みの虜になっていた。
「おいひぃ♥おいひぃよぉ♥みろりぃ♥♥」
舌で潰すとプチプチと弾けていく玖朗の種達。
少し余裕が出てきたのか、弾ける度に舌に乗る感覚と味わいを楽しんでいた明だが食べ物で遊ぶような行為を許さない者が一人。
「はい、ごっくんですよ♥」
碧(オカン)である。
鼻を摘み顎を持ち上げて明の頤(おとがい)が動くのを確認する。
完全に油断していた明の喉奥に重力に従った唾液と精液の混合物が滑り込んでいく。
舌を焼き、喉を焼きながら嚥下された精液は胃の腑へ到達するとじんわりと明の体を温める。
余った熱が自然と口から流れ、解放された鼻腔と一緒に外へ出て行った時の感覚を何と言えば良いのか。
明の語彙では明確に表現する事が出来なかったが、甘いホットミルクを飲んだ後にくる満足感のようなものが明を包んでいた。
「よく出来ましたね明ちゃん。いい子いい子♪」
幼い我が子を褒めるように碧が抱き寄せる。
経験が違う。種族が違う。実年齢は兎も角、外見上明と碧は大きく離れていないにしても年齢も違う。
端から見れば姉妹ほどしか違わない二人なのにまるで母娘のようである。
向けられる慈しみと身体の中から温まる感覚に、満腹になった幼児の如く眠気を憶える明。
冷たい筈の身体に沁みる外と中からの温もりに安心感を覚え、遂に明は目蓋を下ろし意識を手放した。
「あらあら、二人とも寝てしまいましたね。二人には悪いですが私もそろそろ頂きたいですし……さ、玖朗さん。不束者ですが宜しくお願い致しますね?」
一人用にしてはやや大きめのベッドだが、碧を含めて四人は流石に手狭といえる。
だが自分の為に新と明の二人を蹴落とす訳にはいかず、碧は出来るだけ密着して交合すべく呼吸が出来る程度の隙間を空けて玖朗を抱き寄せた。
人間と同じ大きさが密着する面積はほぼ全身といって差し支えなく、冷却という観点からみれば効率良く無駄な熱を移し変える事が出来たのだが――――
「あらあら、玖朗さんもお休みですか。」
急激な運動で火照った身体を冷ますには碧の身体は適切過ぎたようで、肢体の柔らかな感触も手伝って休息に玖朗の意識を刈り取っていく。
「……こうしてみると、みんな何だか大きな赤ちゃんみたいですね」
疲労から回復できず、今だ半分以上舟を漕いでいる玖郎の耳にそんな言葉が滑り込んでくる。
とはいえそれは蔑むような響きは一切無く、生まれて間もない我が子を慈しむような慈愛に満ちた声音だった。
「ふふ♥でもココはとっても聞かん坊……よいしょ、と……ん♥ふ、ぅ♥♥」
半分以上意識を手放している玖朗の下半身から言い知れぬ快感が這い寄ってくる。
ズズズ、ブチ、と何かを破るような感覚と押し殺された声が耳に残る。
「新ちゃんのおかげでしょうか? おねむな顔なのに溶けそうなくらい熱くて、すごく逞しいです♥」
敵意や害意が感じ取れないその声に玖郎は安心し、自身を漂白する快感と心地良い優しさに包まれようと己を小さく折り畳む。
記憶に残る母の匂い、という訳ではないが薄っすらと香る甘い匂いに釣られて思考を放棄しようと匂いの強いところへ潜り込むように頭を振る。
その感触に思うところがあるのか、まだ少しだけ幼さを残す声が再び玖郎の耳朶を打った。
「ん♥……もう、もしかして起きてるんじゃないですか? 役得ですけど、お乳はまだ出ませんからね? いっぱい熱いの、びゅーびゅー出して孕ませてくださいね、旦那様♥」
不満を漏らす形ではあるものの、これから過ごす生活が愛おしいのか壊れ物を扱うように碧は玖朗を優しく撫でる。
玖朗を起こさない為胸の内に何とか収めてはいるが、碧は先程の破瓜で全身を伝う快楽が強過ぎて自分の思う以上の行動が出来ないでいた。
碧自身は意識した憶えはないが、己の膣は挿入した玖朗の分身を奥へ奥へと誘っていき吐き出される精を最奥に導かんと現在進行形で蠢いている。
結果どうなるかというと
「ひぃ!? あ♥だめ♥ちょっと待って♥とまってぇ♥♥」
玖朗はそれにつられるように碧に自身を預けていき、より強く碧を求めて抱きついていく。
母を求める子のように。陽だまりを求める草木のように。
碧の好意を極自然に玖朗は求めていく。
膣がうねり、無数の突起が肉棒を刺激し生命の種を吐き出すよう弄び続ける。
碧の雄を求める雌の行為が極自然と玖朗の更なる行為の助長を招いた。
最初は体力に余裕が無くぐちゅぐちゅと音を立てて前後するだけだった玖朗だが、少しの休息と浸透してきた魔力によって回復した体力を使い動きを加速させていく。
膨張した本能によって蹴飛ばされた理性は戻る事無く、玖朗は碧の尻肉を掴むと乱暴に体勢を変えて下から碧を突き上げ始めた。
「お♥お♥お♥お♥」
急な攻勢に成す術も無く翻弄される碧は力の抜けた身体を何とか崩し切らないよう、子鹿のように震えながら耐えている。
突かれる度に脳裏に弾ける火花に最早、意味のある言葉を組み上げる事すら満足に出来ていない。
ぱつぱつ、ぱつぱつ、と肉同士が打ち合う音が響き渡るが碧への攻めがこれで終わった訳ではない。
「あ〜こんどは碧かぁ♥また私のけもの〜?」
瞬間、碧の両乳房を強引に揉みしだく者が現れる。
背後から思い切り碧の乳を揉んでいるにも関わらず、掛けている体重を一切感じさせないのは文字通り浮いているからか。
名前とは正反対の仄暗い姿。
フルネーム 碓氷 明(うすい めい)――暫定復活である。
彼女は乳絞りでもするかのように碧の豊かすぎる母性の象徴を弄んでいた。
「でかいよねぇ? ……でかいよねぇ? も一つおまけにでかいよねぇ? 大事な事だから3回いっちゃたけどさぁー……新といい碧といい、なんであたしの周りはでっかい奴しかいないのかしらねぇ……?」
サイズ的に言えば零れるほど実り豊かな碧、碧ほどではないが形と大きさのバランスが高いレベルである新、それ以下の明の順になる。
彼女の名誉の為にも言っておくが、明も決して貧しい訳ではない。
碧、新ほど肉感的な身体つきはしていないだけであり、一般で言うモデル体形な体躯である。
ただ、魔物娘のバストサイズは上を見れば果てが無く、下を見れば際限が無い。
並び立つ者が居ない以上、ヒエラルキーの最下層に位置する事を余儀なくされた明が恩を仇で返せる機会に注力しない訳がないのである。
「あたしより、おっぱい大きいよぉぉぉおおおおっ!!!!」
「ちょ♥明ちゃん!? 私のおっぱいで遊ばないで下さい!!」
乳腺を刺激する動きから乳首への軽い刺激。
叩かれてたぷたぷと波打つ両果実は玖朗の眼前で起きている出来事である。
意図しない胸への刺激に反応した碧はその刺激から膣を先程まで締めてしまう。
孕ませるべく動いている玖朗の動きに与えられた影響と新たな刺激に感じ入った碧の動き。
両者が重なった結果、お互いの防波堤が一気に決壊した。
「んひぃぃいいいいい♥♥♥♥」
碧の子宮は既に玖朗の肉棒とディープキスが出来るほど下がっており、玖朗の肉棒は碧の動きに耐え切れず吐精するべく更なる怒張をしていた。
子宮口を抉じ開けると同時に思う存分された射精が、内部から碧を灼いていく。
程なくして、碧は力なく玖朗に身体を預けたのであった。
だが、まだ終わらない。
「え?」
上下を反転し体勢を入れ替えた玖朗は、治まらない熱に動かされるまま射精する直前と同じ速さで強引に碧の内部を抉っていく。
子宮内から広がる多幸感に膣内を高速で突き続ける断続的な快感を加えられ、今度こそ碧に余裕がなくなってしまう。
声なき声で歓声を上げ、玖朗の背中に十分に引っ掻いた痕を残した彼女が静まったのは玖朗の一際大きい痙攣からたっぷり30秒は経った後であった。
「いやぁ、あんだけ怯えてた割に事が始まると一気に野獣化。体は正直だね。ホント」
碧に覆い被さるよう身体を重ねていた玖朗越しに明が後ろから覗き込む。
今の碧は普段の節度と余裕を持った淑女ではなく、白目を剥いてだらしなく口を開き犬のように荒い呼吸を繰り返している。
明にとって碧は別段嫌いな人物ではない。
何ら明確な目的意識も無く、適当に誰かを捕まえて独占する性交以外刺激の無い日常を過ごそうと雲のようにふらついていた自分にジパング式の嫁入り心得を要らぬお節介と断った筈なのに叩き込んでくれた事など微塵も気にしていない。
機械音痴で天然で少し目を離すと何処かに行ってしまって迷惑を掛ける癖に、いざ見つかると持ち前のほんわかした雰囲気で、さもこちらが迷子だったかのように扱ってくる事など全然根に持っていない。
いざ文句を言おうにも毒気を抜かれて『次でいいか』など甘い考えを持ってしまい、その度に『次こそは』と決意しては悪循環に陥っている事など全く、これっぽっちも関係ない。
なので、いざ改めて碧のあられもない、弛緩しきっただらしない姿を見てしまっても『ざまぁ』なんて感情は一欠片も感じていないのである。
「碧ー? みーどーりー? 聞こえてるー? 気に入った男の子にクソ熱い精子ぶちまけられてどんな気分? ねぇねぇどんな気分?」
玖朗の背後からひゅるりと滑るように碧に近づき、ペチペチと軽く頬を叩いては煽っていく。
自身がこれより酷い幼児退行を起こしていた事など知った事かと言わんばかりに煽っていく。
恐らく本人が見たら確実に苛つくドヤ顔で明は碧の反応を待つ。
「うっわー酷い顔。たっぷり出されてご満足って感じですわコレ。ほれほれ玖朗、ちょっと一緒に見てみなさいよ。アンタが仕出かしたから碧最高に幸せそ――――」
ケラケラと笑う明だったが、最後まで言い切る事はなかった。
『僕、ビースト君! よろしくね!』と清々しいほど野獣のような荒々しさで玖朗は明の唇を貪る。
否、唇どころか新にされたように口内の舌を舌で舐り歯をなぞり、歯茎の凹凸一つ一つまで堪能しては唾液を送り込みつつ蹂躙していく。
15秒ほどそれが続き離れた時には碧の事など言えたものではない姿が出来上がっていた。
それを見て玖朗は少し強めに明を突き飛ばす。
風船のように軽い彼女は風に吹かれるようにゆっくりと碧の母性クッションに収まっていった。
玖朗はそれを見て、明の腰を持ち上げると自身の逸物と丁度良い高さへと調整。
いまだに己の分身を濡らす碧の愛液と自身の精液の混合物を潤滑液に、張りのある明の尻肉を使って肉棒を挟み扱きあげる。
そうじゃない、挿入して欲しい。
そう懇願しようとした矢先に、明の下である人物が復活する。
「あらあら明ちゃん。随分軽いですね? 三食きちんと食べてますか?」
碧(オカン)復活。
明の返答を待たず、明の下で身を捩じっていく。
碧は自分の顔の位置が明の小振りな胸に到達した瞬間、おもむろに吸い付いてきた。
「ひぃいぅ♥」
軽い吸い付きを繰り返して乳首を甘噛み。
明が逃げないよう両の腕でがっちりホールドも忘れない。
胸へ続く刺激の強弱と尻から伝わる脈打つ熱に明の元々無い余裕が更に無くなっていく。
「またサプリメントばかり摂っていたでしょう? 明ちゃん、形は良いんですからもっと栄養摂らないと大きくなりませんよ?」
その言葉を聞いた時、明の飛んでいったなけなしの理性が警鐘を鳴らす。
捕まったという恐怖感と逃げなくてはという焦りから、無い筈の心臓が激しく鼓動を打つ錯覚が明を襲う。
「知ってます? 玖朗さん。栄養って腸から吸収すると早く体に届くそうですよ?」
だが遅い。彼女は既にがっちりホールド済みである。
まさか、いやあの時確かに碧は――――
そこまで明は考えたが、一歩遅かった。
「明ちゃんはおっぱいを大きくしたいそうですから。沢山栄養を上げて下さいね、玖朗さん♥」
碧の意図を察したのだろう。
そこから先は惚れ惚れするような素早さで玖朗が動いた。
扱いていた尻肉を広げて窄まっている粘液まみれの菊座を露わにする。
物欲しそうに小さく開閉を繰り返す肉穴の開いた瞬間を見極めて亀頭を当て、閉じる肉の動きに合わせて一気に挿入する。
人間であれば確約筋が間違いなく切れるほど強引に、しかしこれ以上無い程の精密さで一気に最奥まで腰を打ち付ける。
それと同時に玖朗の精巣で極限まで増産されていた精子が弾丸の如く発射。
世が世なら、穴掘りスナイパーの異名を得られるくらいの職人技である。
「ぎぃぃいい♥♥ひぃぃいいいい♥♥♥」
尻穴を貫かれた衝撃と腸内への大量射精に明が白目を剥いて吠える。
文字通り腹一杯に満たされた彼女は、舌を出しながら痙攣した。
これで終わり――――
そう、彼女は全身の力を抜いた。
「え? まだですよ明ちゃん。へばらないで下さいね?」
次の瞬間。
射精して硬度が下がった玖朗の逸物が明の腸内で膨れ上がる。
先程より明らかに太く、雁高になった形状に明は目を剥いた。
玖朗はまだインキュバスになってはいない。
如何に三人の魔物娘と交わったとしても、一時間にも満たない性交だけで簡単に変わる訳が無い。
余裕の無い頭で仕掛けを探す明が、漸く違和感を探り当てる。
新が居ない。
先程まで手狭なベッドの端で横たわっていた筈の死体娘がいつの間にか消えている。
自身が締め上げているにしても、様々な角度から遠慮なく腸内を注挿する肉棒に翻弄されつつ新を探す明の様子を他所に、碧は優しげな声で語りかける。
「その調子ですよ新ちゃん。玖朗さんにも明ちゃんと同じ気持ち良さを分けてあげましょうね♥」
「同じ、く♥気持ちって♥まさか……っ♥」
なけなしの膂力を振り絞って何とか振り返った明の目に映ったのは、玖朗の後ろの黒い影。
正確にはその臀部の後ろで蠢く何かであった。
注意して聞けば自らの放つ水音以外に不規則に響く湿った音が明の耳に届く。
急激な怒張と挿入の背景は、新が玖朗の前立腺を舌で刺激したのが原因であった。
「ああそれと――『どんな気分だったか?』でしたっけ。お腹から溶けるくらいふわふわしてたというか……くらくらしてたというか……うーん、何とも言葉では表し辛いですね。だから、明ちゃんも同じ体験をしちゃいましょう! そうすれば良く分かる筈ですよ」
言うが早いか、新の攻めに耐えられなくなった玖朗が獣のような咆哮を上げて射精する。
最初に腸内で撃ち出した時と同じ量と濃度が再び明の体内に満ちていく。
満ちた精液が発する体内を焼く溶岩のような熱さは、即座に快感に変わって碧の感覚を明に追体験させた。
「ほら♥新ちゃんも自分だけ沢山貰ったのは悪いからって頑張ってますよ? 玖朗さん、明ちゃんは寂しがり屋ですから大変でしょうけど、いっぱい愛してあげて下さいね♥」
最早理性が立ち戻る事は無く、玖朗は与えられた刺激のまま本日7発目の弾を撃つ。
人間であれば受け止める事が苦痛となってくる量を腹に入れられ、腸を灼きながらも玖朗は止まらない。
明の尻肉を毟るかのように爪を立て、荒々しく脈打ちながら腰を動かしている。
「ち、くしょ♥みどりいいいいぃぃぃぃ!!! あ♥ふぅぅうう♥♥」
締め切った部屋の中、只管に熱を放つ男が一人。
火照った身体を都度冷やす女が一人。
理性があれば肝を冷やす女が一人。
頭を冷やした女が一人。
今は良い。
だが、四季は移ろうものである。
果たして、室温的にも体温的にも低下一直線へひた走れる彼等が冬を越せたかは。
それはまた、別の話。
16/08/10 00:44更新 / 十目一八
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