第6話
ゴムボートに乗っていたのは、巨乳のブラックハーピーだった。
ふんぞり返るようにして立っているせいで、胸が非常に目立つ。
おそらく、彼女がバルカン・レイブンだろう。
「ここはレイブンの縄張りだ!プールに蛇は似合わない!迷い込んだしても見逃すわけにはいかんのだ!まずは挨拶だ!食らえ!」
レイブンは水鉄砲を取り出すと、スネークに向かって打ち出す。
「むおぉ!?」
顔面に強い水流を受け、思わず仰け反る。
「ワハハハハハ!いいぞ!その調子だ!跪け!蛇よ!大地を這い回るが良い!」
BEEP!BEEP!
「大佐!聞こえるか!?」
「スネーク!どうした!?」
「バルカン・レイブンに遭遇した!いいおっぱいだ!」
「おっぱいはどうでも良い!相手の武器は何だ!?」
「ゴムボートに水鉄砲だ!プールに浮いてる!」
「は?なにそれ……」
「とりあえずマンコちゃんに相談する!うっほう!おっぱい!おっぱい!」
ブチッ!
「……なんでわしに連絡をよこしたんじゃ……?」
BEEP!BEEP!
「こちらナスターシャ。どうした?」
「聞こえるか!?巨乳のブラックハーピーがゴムボートの上から水鉄砲で撃って来る!」
珍しく真面目な通信かと思ったら、意外と楽しそうだ。
「……ずいぶん楽しそうじゃ無いか。」
「バカ言え!水流が強くて意外と痛い!」
「……そうか。まあ、なんだ。そのタイプのゴムボートは、空気が小分けで入れられている。一カ所に穴を開けただけじゃ沈まないだろうな。」
「そうか、ありがとう!マンk」
「やられてしまえ!」
ブチッ!
「わーっはっはっは!それそれそれ!痛かろう怖かろーう!」
「(さて、どうしたもんか?)」
ナスターシャによれば、一カ所に穴をあけただけでは沈められない。
かといって、水鉄砲があるから不用意に近づけない。
それならば……
ザブン!
「んん?水中に潜ったのか!」
スネークは体をくねらせ、水中を器用に泳ぐ。しかし、体(主に蛇の部分)が大きいせいで、全く隠れられていない。
「ふふん!出てきた所を狙い撃ちにしてやる!」
水鉄砲に空気をため、水圧をあげる。
「さあ!出て来い!狙い撃ちに……!?」
「そぉい!」
スネークは水中からボートに体当たりして、ボートごとひっくり返した。
「う、うぶ!?」
「ボートの上に仁王立ちだなんて、ひっくり返してくれと言わんばかりの体勢じゃないか!」
プールの中にたたき落とされたレイブンは、羽をばちゃばちゃさせている。
「あばぶばあ!た、助けてええ!溺れ、溺れる!」
「(カナヅチならなんでプールにいたんだ?)まあいい!くらえー!」
「うわあー!やめろー!胸を揉むなぁー!」
「うははは!素晴らしいおっぱい!想像以上の揉み心地!」
「ボ、ボスー!助けてぇー!」
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「……うぅ、ぐすっ……穢された……」
BEEP!BEEP!
「あー、その……レイブン、大丈夫か?」
「……ボス、あれは、見逃してやったのだからな?別にやられたのではないのだからな?」
「にゃはははは!無様だにゃあ!レイブン!あいつをしとめるのは私にゃあ!」
「ふんっ!クイズでぼろ負けだった上に、どつき回されて泣いて帰ってきたくせに!」
「んにゃ!?だ、だって、クイズはなんかずるいし!叩かれたのは変な女だもん!」
「やーいやーい!泣き虫!」
「にゃんだとー!?べそかきながら言ってる奴に言われたくないにゃ!」
「うるさい!ばーかばーか!」
「喧しいぞお前達!」
怒られた。
そのころ。
「よし……。ミサイルはあっちだな?」
スネークはミサイルの保存庫に向かう通路を発見していた。
「この先に……」
BEEP!BEEP!
「……誰だ?」
「スネーク、気をつけろ……。そこには媚薬ガスが充満している。おまけに床は細かく振動している。そのまま進めば快感で動けなくなるぞ。」
「何だって!?(ちょっと体験してみたい気もする!)どうすればいい?」
「まずはガスを止めるんだ。……だが、スイッチはその通路の向こうにある。リモコンミサイルで破壊するんだ。」
「いや、そんなもんもってないぞ。」
「え、本当?どうしよう、えーと……」
「(なんだこいつ……)」
「……我慢して、頑張って進んで……下さい。」
「………。」
申し訳なさそうに無線は切れた。
ガスマスクの類いは持っていない。かといって、進む通路はココしか無い。
「……う〜ん……。とりあえず、息を止めて進んでみようかな。」
扉を開くと、どことなくピンク色のガスが噴出している。
「(これが、媚薬ガスか……)」
床が細かく振動して、ちょうど腰の当たりに心地よい刺激を与える。
「(んっ、おぉ……振動が良い感じだ……)」
そこでスネークは思ってしまった。このガスを吸ったらどうなるのだろうか?と。
普通なら、ガスを吸わないようにするのが普通。しかし、スネークは筋金入りの兵隊……
否。変態だったのだ!
「大佐!聞こえるか!?」
「どうしたスネーク?何かあったのか!?」
「ひょっとすると、あたしはもうダメかもしれない。いざと言うときには、代わりの兵を頼むぞ!」
「な、何を言っている!?スネーク!スネー……」
ブチッ!
「いくぞ……!スゥゥゥゥゥゥッ……!」
何を思ったのか、スネークは思い切り深呼吸を行い、ガスを吸い込んだ!
「んおおおおおおおおおおおおおお!」
「スネーク!応答しろ!スネーク!スネェーク!!」
To be coutinued……
13/04/13 16:31更新 / ホフク
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