山に住むようになって、約1年過ぎたときのお話。


　山の中腹辺りに小屋を作ったため交通や資源の面では不便だが良いところもないわけではない。
　あたり一面自然であること、森の中に住むのは迷ってしまっても困るので開けている広めの草原に小屋を建てたのだが、通り抜ける風が気持ちいい、朝多少体調が悪くとも、その風を浴びれば元気になると言っても過言ではないほど。
　また夜になると星空がとても綺麗だ、町では見えない暗い星まではっきりと肉眼で見ることができる。そんなこんなでここでの生活をそこそこに楽しんでいる。

　だが、連日の雨でついに食料がつきそうだ、今日明日の分はあるが流石に心許ない。

「はぁ」

　ため息を吐きながらドアを開け、外の様子を見る。雲が切れ間なく広がっている様子を見ると当分雨は止みそうにない。
　仕方なく、傘をさし町へ行くことにした。




　町へ向かう途中、家から出て草原から森の小道に入ってすぐのこところで、何やら見たことのないモノが遠くに見えた。橙色と茶色の混じったような石のようなになにか、ただぼんやりと光ってるようにもみえる。
　雨の中だけで見つかる珍しいモノかもしれない。見に行くことにした。



（あれ？　え？）

　近づいて驚いた。それは魔物娘だったのだ。
　町は親魔物の地域なので比較的、魔物娘を目にしたことがあったが、見たことがない種族だった。
　髪は灰色をしていて、体の半分ぐらいは硬そうな岩のような物に覆われていて、もう半分は橙色で柔らかそうなモノで出来ている。顔も橙色だか、非常に整った顔していて美人といえるだろう。と、冷静に観察したがどうやら様子が変だ。ガタガタと震えている。

「……大丈夫？」

　返事がない。どうやら何か原因はわからないがとても弱っているようだ。
　この雨の中流石に放っておくわけにもいかないと思い一度この子を担いで戻ることにした。幸い行きで見つけたおかげで特に荷物も持っていない。

「よっこらせっと」

　担いだとき、んっと小さく声が聞こえた。
　少しの間背負っていると何故かほんのりと背中が暖かくなった。でも、震えていたと言うことはこの人は熱でもあるのだろうか。急いで戻ることにした。



　家に帰るととりあえず一度その子を椅子に座らせてから。暖炉の近くにベッドを持ってきた。
　本来は体を拭くべきなのかもしれないが、相手が女性と言うことで、抵抗があり出来なかった。おそらくベッドが濡れてしまうが諦めてベッドの上に何枚かタオルを敷き寝かすことにした。

　何を食べるかわからないが何か暖かいものか体力のつくものを作ろうとし、貯蔵庫を見たとき――今何故外に出たのかを思い出した。そうだ、食べ物がもうほとんどないんだった。

　さてどうしようか、自分の体を拭きながら考えた。この子を置いて町へ出るか、町へ行くのはまた明日にして今日は一応横にいてやるか。
　まぁもちろん後者を選ぶ。もし、町に行っている間に目を覚ましたら、誘拐されたと勘違いされてしまうかもしれない。

　何とかあるものでスープを作った。味はある程度保障するが、具材はだいぶ少なくひもじいものになっている。

　まだ連れてきてから、起きていなかった。だが震えは止まっていて、心なしか元気になったようだった。
　ちょっと安心すると眠くなってきた。彼女がおきるまで寝よう。横のソファで少しねることにした。

――――――――

　目を覚ましたとき私はベッドのうえにいた。

（あれ？確か外で雨を浴びて体が冷え倒れてたはずじゃなかったかしら）

　見たことのない景色で私は驚いた。
　どうやらどこかの家の中と言うことはわかる。私はまだ体が冷えていたが、そっと起き上がった。

　すぐ近くには暖炉があり、近くのテーブルにはまだほんのりと暖かいスープが乗っかっている。
　周りを見渡すといろいろなものが置いてあるがなによりも目に入ったのは、

（ニンゲン？……）

　長い椅子でねている人間がいた。
　起こさないように近づくとスースーと寝息を立てている。

――人間、私の周りの仲間達からはいい人もいるけど敵対心を持ってる人もいると聞いていた。
　私は人間に会うのが初めてなので、どちらのタイプなのか見ただけではよくわからない。
　そう考えていると、色々と嫌な考えが頭をよぎる。もしかしたらこの人は私を誘拐して何かしようとしたのではないか、あの料理も毒でも入っているのかもしれない。
　もちろん考えすぎかもしれないがもしそうだったら取り返しのつかないことになってしまう。

（この人はなにかするきなんだろうか）

　恐くなり逃げ出そうと考えた。幸い、この人間は起きそうにない。
　私の種族のラーヴァゴーレムは水に弱い。
　普段なら逃げ出すことなんて弱気なことはしないだろう。
　今回は急に雨が降ってきたせいで、どこに隠れることも出来ず、もろに浴びてしまい体が冷え本来の調子が全く出ていないように感じた。

　どうやら今は天気がさっきほど悪くない、雨は上がり、雲の切れ間から日がさし出している。私はそっとドアを開け外に逃げたした。

――――――――

　目が覚めたらもう真っ暗だった。どうやら夜まで寝てしまっていたらしい、こんなに寝る予定ではなかったのに自分で思っているより疲れていたみたいだ。寝ぼけ眼を擦りながら、テーブルの真ん中にあるライトをつける。


　部屋が明るくなり、異変にすぐ気付いた。

（あの人がいない）

　部屋のいろいろなところを見てみたがどうやらどこにもいないようだった。
　ドアの鍵が開いている。どうやら外に行ったみたいだ。外は暗くて雨は降ってはいないが、月は見えていないので曇っているのだろう。

「……まぁ出てく余裕があるなら大丈夫か」

　そう独り言をポツンとつぶやく。
　口ではそう言うが、逃げたということはオレに何かされると思われたに違いない。美人さんにそんな風に思われるのは内心へこんでいる。スープも一口も減っておらずひんやりとしている。
　スープを見て思い出す、食べ物がほとんど無い、だがすっかりおなかも減っている。
　仕方なくスープを温め直して食べることにした。



　食べ終わり若干腹に溜まったが、物足りない。だからといって食材も無く、こんな時間から料理する気力も無い。
　こういうときはお腹がすくまえに寝てしまうのがいいだろう、まぁさっきまで寝ていたからそんなに眠くないのだが……
　それでも起きて動いてお腹を空かすより寝転がって朝になってから町へ向かい食材を買う方が利口だろう。
　そう思いベッドに寝転がった……ベッドはベショベショだった。

「忘れてたよ……」

　どこにも向けられない怒りを抑えながらソファに寝転がった。



……朝になった。だいぶ寝付くまで時間がかかったが。なんにせよもう町の店は開いている時間だ。急いで支度し町にでようとソファから起き上がった。

「あっ」

　暖炉にの近くに移したベッドに目が入る。シーツを触ってみるとまだ濡れている。さらにシーツを取ってみるとマットレスまで濡れているようだ。とりあえずマットレスは立てかけ、シーツは水に浸けた。
　そして急いで食材を買いに出かける支度をする、天気は曇り。ここ最近のことを考えると悪くはない天気だ。朝食を作っているあいだに降られても嫌なので、朝食は町で何か食べることにしよう。
　そう思い昨日の雨の匂いが少し残るなか駆けだした。



「いらっしゃいませ〜お一人様ですか？」
「……はい」
「ソレではこちらお席へどうぞ〜」

　魔物娘との夫婦で営んでいる喫茶店に入り、席に案内してくれるウェイトレスの人についていく。正確に言うと人ではなくキキーモラだが、優しく案内してくれた。
　案内は丁寧だったが、心は晴れやかではなかった。

「ご注文のほうお決まりになりましたらお呼びください〜」
「はい……」

――外は雨が降り出していた、店で色々と買いこんだのはいいが少し悩み過ぎたようだ。両手は荷物でふさがっている。
　店とこの喫茶店は中で繋がっていたが、もちろん家に帰るためには外に出なきゃならない。
傘を買ってもいいが、荷物が多くてどうせまともにさせるわけが無い。
　サンドイッチを注文してとりあえず腹ごしらえをしながら、ずぶ濡れになる覚悟を決めることにした。

「まさか二日連続なんてな……」

――――――――

「まさか二日連続なんてね……」

　私は木の下で座り込んだ。また雨が降ってきてしまった。昨日の人間どうしているのか少し気になり向かっていたところ、雨が降り出してしまった。空を見るが切れ間なく雲が広がっている。
　雨自体は昨日ほどでは無いが、昨日よりも気温が低いためそこそこ寒い。正直倒れそうだ。

（はぁ晴れる日まで待てば良かったわ）
　
　震えながらそう考えていると。
　雨の中タッタッタと走る音が聞こえてきた。

　私は道から見えない位置に移動して道の影に隠れた。


　足音が近づき近くで止まった。

（見つかったかしら）

　ちょっとだけ顔をだしてみると。――目があった。

――――――――

　雨の中早く帰ろうと走っていたところ、遠くにほんやりとオレンジ色が見える。少しだけ道から外れたところだろうか、もしかしたら昨日見た人かもしれない、似たような色な気がする。

　雨の中、近くまではしり木の裏側をのぞいてみた。

――ばっちり目が合った。

　昨日見た人に間違いなかった、昨日は寝ているところしか見られなかったが、今日初めて起きているところを見て目の色も独特なことがわかった。こう見ていると明らかに人間とは作りが違いそして、とてつもない美人なことがわかる。
　彼女はびっくりした表情でこっちを見てきている。

「えっと……貴女は、何をしているの？」

　こう訪ねるとこの人はますますおどろいた顔をして伏せてしまった。
……別に変なことを聞いたつもりは無かったが、どうしたのだろうか…と考えてこの人をじっと見ていると、ガタガタとふるえていることに気が付いた。

「んと、大丈夫？」
「だ、だいじょうぶよ」

　明らかに大丈夫ではなさそうだ。

「……強がってるでしょ」

　荷物を置いて立たせるために手を引こうと手にさわる。
　この人の手はとても暖かかった。失礼を承知でおでこを触ると手よりも数段暖かい。

「え！　凄い熱だ！」

　また驚いた顔をしてこっちを見ている。頭が回らないほどの熱なのだろうか。急いで雨の浴びないところにつれいてかないと、そう考えた。
　とりあえず荷物はいったん諦め、比較的雨が当たらない木陰に置き、両手を空けた。

「よっと」
「……ぇ」

　彼女の体を持ち上げる。彼女は小さく声を出した……がそんなことよりもが急がねばと思い家に向かって走った。



　家に着き取りあえず暖炉の前に椅子を置き彼女に座らせた。まずあげた寝床を作らなければそう考えているとき、彼女が小声で話した。

「私……熱じゃ無いわ」
「嘘だ、ものすごい高熱だろう」
「違う、私はラーヴァゴーレム、もともと体が暖かいの」

　ラーヴァゴーレムきいたことの無い種族名だった。溶岩のゴーレムというような物だろうか。溶岩の色と岩の色の2色で、ゴーレムに近いものと考えるとしっくりきた気がする。

「でも、震えてたじゃないか」
「私たちは、寒さに弱いの。ほんとは雨の日は外になんか出ないんだけど、急にふってくるものだから」

……なるほど溶岩の魔物という見立ては間違っていなかったらしい。彼女が寒さに弱いのは本当らしく暖炉に火傷するほど近づき暖を取っている。

「…何か暖かい物でもつくるよ」
「ありがとう……でもあなた全部置いてきてたわよ。あんな量買ったってことは、もう食べものがつきそうなんじゃないの？」
「……ぁ」

　思い出した。木陰に荷物を全て置いてきていた。
　食料は……恥ずかしながら彼女の言うとおりここにはもうほとんど何も無い。

「取ってくる！　ちょっと待ってて！　まだ暖炉は消えないと思うから！」

　そう言って雨が降る外へ駆けだした。

――――――――

　彼は外に駆けだした。

　体温の上がりきってない私は暖炉にこれでもかと近づき、暖を取りながら考え事にふけっていた。

　2度も彼に助けられた。

　昨日は彼を疑ったがどうやら何か酷いことをされる様子はないようだ。それどころかなにか料理を振る舞ってくれるらしい。昨日は作って貰った物を疑って食べなかった上に逃げ出したというのに。

（いい人にもほどがある気が）

　少しだけ部屋を見て回ることにした。気が引けるが……あの距離にあれだけの荷物が置いてあるならまだかえってこないだろう。


――軽く部屋を見て回ったが、刃物は料理に使う包丁程度、変な薬も特になさそうだ。

(ほんとに、なにもするきないのかしら？)

　また暖炉の前に戻り考え事をしていた。


「はぁぁ」
　ドアが急に開き、ため息とともに彼は帰ってきた。

「少し雨が止んでてくれて助かったよ、待たせたねなんか作るよ」

　そう言い彼はキッチンの前に立ち、コンロに火を付け何かを作り出した。


「そう言えばさ、君、名前はなんて言うの？」
「イオよ、そう言うあなたこそなんて言うの？」
「あ、言ってなかったね。サンだよ」
「サンね。覚えたわ」

　そう言うとサンはニコッとしてキッチンに向き直った。

　私はサンが手際よく料理を作っていくのを後ろで見ていた。

――――――――

　料理を作り終え、二人で食べ外を見るともう真っ暗になっていた。

　彼女……イオは自分より少し遅く食べ終わりごちしうさま、おいしかったわ。と呟いていた。

　久々に他の人にご飯をたべてもらい、誉めて貰った嬉しさを感じながら、気分良く食器を片づけ、洗い物を始めていた。

　少しするとイオは俺に尋ねてきた。

「どうしてこんな所に住んでいるの？」
「……うーんなんとなく？」

そう答えると、

「嘘。なんとなくこんな所に住む人間なんていないわよ」
と、イオはにらみつけながら答えた。

「強いて言うならあまり人付き合いが得意でなくてね」
「……ふーん。そうはみえないけどねぇ」
　今度はジトッとした目でこっちを見ながらそう言った。


「……なんかねぇお節介で早とちりみたいでね。『そんな余計なことするな』『ちゃんと確認してから動け』なんてよく言われてたよ。今回だって熱って早とちりして連れてきたわけだしね」

　そう言ってから……少し自分で愚痴っぽくなってしまったと後悔していると、

「あら、少なくとも私は感謝してるわよ。死にはしなかっただろうけど、苦しかったのは事実だし、おいしい料理も振る舞って貰えたわけだしね。お節介って言うのはわかるけどね。まぁ優しいってことなんじゃないかしら？」

　と、イオは真っ直ぐこちらを見ながら言った。
……そんな顔でそんなことを言われるとなんとも言えない気持ちになってしまう。
　なんと返そうか考えていると、イオは申し訳なさそうに、
「あと、昨日は逃げて申し訳なかったわ。さらわれたのかと思ってしまって……本当にごめんなさい」
　と、続けた。

「あ、い、いや、別に謝ることじゃないよ、気が付いたら人の家にいたら、逃げるのも当然だよ」
　挙動不審に少しなりながら答えると、

「本当に優しいのねありがとう」

　と笑顔を見せ暖炉の前に戻っていった。

――そんな顔するのは卑怯だ。またなんとも言えない気持ちになってしまうじゃないか。

――――――――

　サンが片付けを終えもう寝る準備をおえた頃、私の体は暖炉のおかげもあるが、体の中からも暖まってきてる。

　会って二日しかたっていないが、彼、サンを私のものにしたい。
　彼の優しさは飛び抜けている、他の人間にはあったことがないが見知らぬ人を助けるために家に上げ、料理を振る舞う人が他にいるのだろうか。

　サンは私に対して好意があるかどうかわからない。わからないなら好きになって貰えばいい。魔物娘としての精神が燃えてきた。
　2度も助けてくれた。少なくとも嫌われてはいない。



「サン、椅子は寝づらくないの？」

　私はベッドから起き、彼の前に立って言った。

「ん？　あぁ、気にしなくていいよ。大丈夫だから。それに……んぅ!?」

　そして、私は彼の唇を奪った。

「……んっはぁ、はぁ……イオ？　どうしたんだ？　急に？」
「サン……一緒に寝ましょう？」

　動揺する彼に言った。

「え？　ま、待ってくれ。どういう……」
「……私のこと嫌いかしら。」
「え、い、いやそういうことじゃ無くてさ」
「なら」

　私は彼を椅子から立たせ、ベッドへ強引に押し倒し、抱きしめた。

「……ッ」
　彼は顔を真っ赤にして私から目をそらした。

「サン、まだ寒いわ。あなたの体温で私を温めて」

　そう言うと彼は私のことを包み込むように優しく抱きしめてきた。……目をそらしたままだけど。

「い、イオ…その、イオのほうが、暖かくないか？」
「そんなこと無いわ、サン、とっても暖かい」

　彼のことをさらに強く抱きしめる

「イオ……あの、あ、あたってる…んだけど。」
「ふふっ案外慣れてないのね？　こういうこと。もしかして初めてかしら？」

　彼は少しかたまって恥ずかしそうに無言で頷いた。

「恥ずかしがらなくていいのよ、私もだから。一緒にキモチよくなりましょ？」

　彼の服を脱がせる。

「イオ？　待ってくれっ」
「……？　やっぱり魔物の私じゃ不満かしら？」
「ぃ、いや、そんなことは無い。イオみたいな美人あったことが無い。魔物なんて関係ない、と思っている。そうじゃなくて、その……俺なんかでいいのか？」
「ふふっ。真っ赤になりながら言って。優しいのね。ほんとにそんなこと気にしなくていいの、私はあなたがいいのよ。」
「……ッ」

　彼は顔を赤くして目をそらしたので、頬に軽くキスをした。
　ますます照れて赤くなるサン。あぁかわいぃ……

「サン、ほら好きにしていいのよ？」

　彼が私の胸を優しく揉み出す。

「ん、もっと触っていいのよ」
「イオすごく、暖かい……んっ」
「ぁん……」

　彼がまるで赤ちゃんみたいに私の胸に吸いつく姿がとてもかわいい。

「んっ……もっと吸って？　よしよし……」

　そういいあたまを頭をなでるともっと強く激しく揉み、吸い出した。

「ねぇ、サンもう我慢できないの。あなたもでしょう？」

　私はそう言い彼の固くなったモノをなでる。彼はビクッと反応し小さく声を上げ、ゆっくり頷いた。

「……ふふっ日常では積極的なのにベッドの上では案外弱気なのね？　そんなところももかわいいわ。大好きよ」
「ッやめ……」
　彼は小さな声で言った。

「大丈夫よ。ゆっくり貴方のモノ食べてあげるわ」

　私は彼の上に跨がりゆっくりと腰を下ろす。

「あっ……つ、ィ……ィオあ、っつい」
「あぁあ……サンきもちいいわ……とっても」

　脳が溶けるほど気持ちいい。私は激しく腰を動かす。

「あぅっ、イオ！　だっ……め、あつっ、いはげしっ……」
「はっ……はっ……ふふっサンまるで女の子見たいねっ……はっ……とってもかわいい」

　布団を握りしめて快楽を我慢する彼を見てさらに興奮する。

「だめっ……っもうっはぁ……我慢できなっ、はぁい」
「ぁぁ、はっ……気持ちいい……私の中で大きくなってるのがわかるわっ、我慢なんてする必要ないのよ？　一緒に快楽に……溺れましょ？」
「あぅ……で、でちゃう」

　そう耳元で囁くとソレが合図のように彼は私の中に種を吐き出した。あぁおいしい……一滴も逃したくない。

「たっくさん出たわね。サン」

彼の頭をなでる。と同時に……

「ィ、イオ、気持ちよすぎ、だよ……ってっあっ！」

また激しく腰を振る。もっと彼と繋がっていたい。もっと彼の精子がほしい。

「サンっ……まだ朝日は昇らないわよっ？　はぁ……はぁ……まぁ最も、朝になったからやめるつもりもないけどね？　ふふっ」
「そんっ、な、イオっダメ……イ……オっだめぇ」

――彼との交わりはずっと続いた。

――――――――

　目が覚めるとるともう月が上がっていた。
　自分は裸で隣を見ると……

「……すぅ……すぅ」

　俺の体力を吸い取っていった張本人が気持ちよさそうに寝ていた。しかも起きようにもがっつりと抱きつかれて起きられない。
　さっきからすこしずつ動いて抜けようとしているが、抜けようとすればするほど強く抱きしめられる。

「お、おいイオ？」
「……すぅ」
「おーい！」
「……んん……」

　やっと起きてくれたみたいだ。

「な、なぁ。話したいことがあるんだけど……」
「……？　なに？」

　寝ぼけているイオに息をゆっくり吸って言う

「これからもさ、ずっとここにいてくれないか？」

……沈黙。イオはぽかんとした様子だ。や、やっぱり早かったか？

「あ、あのさ「ふふっ、もとからそのつもりよ」」
「え？」

　イオは半笑いでそう答えた。
　今度は俺がぽかんとしている。

「何唖然としてるのかしら？　断られても居座るつもりだったわよ？」

　俺の顔を見てそう続けた。

「あ、でもサンから言ってくれるなんて嬉しいわね〜なんかまた体が暖まって来ちゃったみたいだわ？　どうしてくれるの？」
　イオはニタッと笑い、こちらを見てきた。

「……え、ソレはどういう？」
「こういうこと……よ！」

　そう言いながらイオが俺のことをベッドに押し倒した。

「イ、イオ待ってくれないか？　その体力的にさ……ね？」
「ふふっ大丈夫よ？　あなたは寝てるだけでいいのだから……ね」
「いや、待って」
「焦らさないで？　愛し合いましょ？」

こうしてこの山小屋に住む人が一人増えた。

――このあとは住む人が一人二人と増えていくのはまたもっと先のお話。

■作者メッセージ
読んで頂きありがとうございます。初回の投稿から半年経とうとしました。すいません。物凄いテンポで更新してる方本当に尊敬します。
　ラーヴァゴーレム、小説数は多くはないですがなにげ凄い好きな見た目、性格です。どの魔物娘もかわいいですが結構おしている種族です。
ここが良かった。ここはこうした方が良いなど様々な意見を、くみ取っていきたいと思っているので、どんな感想でも書いていただけるとうれしいです。