連載小説
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その三  男だけれど・・・
「あ、ごめんねまたせちゃって・・・」
「ん、いやまあ、大丈夫だけどよ・・・」

誰にだって、忘れたい過去がある。
例えば、中学生の時に自分は世界を救うヒーローだと思い込むこととか。
例えば、好きなあの子のパンツを持って帰ってしまったりとか。

「で、話ってなんだよ」
「あっ、・・・うん、あー・・・、あのね・・・びっくりしないで聞いてくれるかな・・・。」
「おっ、おう・・・」


とりあえず、きりが無いわけだが・・・。
自分のは、特にたち悪いと思う・・・。

「あのね・・・僕ね・・・君が好きなんだ・・・」


あれは、忘れもしない中学三年の秋。
俺は男に告られた・・・。











「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!俺はノンケだああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「うっせぇぞ尾田ぁぁぁぁ!!!」


スコーンと、景気のよい音と共に、眉間にチョークが着弾した。
本当に着弾と表現したほうが分かりやすい、剛速球を当てた数学教師の高橋
(通称高やん)は鬼も逃げ出すような表情で、ゆっくりと近づいてきた。

「おだちゃあぁん、きいぃみは、なんなのかなぁぁ??、また俺の授業を、ぶち壊しにしたいのかなぁ??」
「はっ、はいいいぃぃぃぃぃ!!」

青筋が二本立ってる上に、その青筋が破裂しそうになっている。
同時にごきごきと、指を鳴らす。
ブチギレているのがよくわかる。


「あっ、あーえとその・・・、ごめんなさい!!」
「次やったら、どうなるかは、わかってるなぁ?」
「りょっ、了解!!」
「よろしい、なら座れ!!」
「イエッサー!!」


周りからは、クスクスとこらえ笑いがおきていて。
それと同時に、非常に木っ端恥ずかしい気分になって、一人真っ赤になっていた。
まったく、ひどい夢を見たものだ・・・。と尾田 健介は思った。
ことの元凶は、中学三年の秋。
親友だった、四之宮 景に告白されたことだ。






朝登校してみると、下駄箱に見慣れぬ便箋、封を切ると、体育倉庫で待つとだけ書かれていた。
そして差出人には、四之宮とだけ書かれていて、びっくりしたものだ。
行くか行かないかと、うだうだ考えていると、いつの間にか放課後になっていた。
仕方が無いので、覚悟を決め、いざ行ってみると・・・。
お互い受験生という立場で、何でこのタイミングでと言うこともあり一番印象に残り、一生ものの心の傷になったわけだが・・・。


「はぁぁぁぁぁぁぁっ」


いまさらになって、記憶のかなたに置き去りにしてきたはずの恥ずかしい記憶が、何故だか今になりぱっくり開いたわけで・・・。
とにかく、ため息しか漏れないのだ。

(よりによって、何で今更・・・・)

とにかく毎日毎日、この悪夢が襲い掛かってくるわけで、うかうか寝られない
というわけで、夜更かししてすごすわけだが、やはり昼間の授業で、力尽きて、また悪夢を見る。教師に(特に高やんに)怒られる。
以下エンドレス。

(・・・無限ループって怖くね?)

高校生の体力だからまだなんとなく大丈夫だが、マジで、洒落に何なくなってきているので、そろそろ病院でも行くかと思っている。

(・・・、四之宮か・・・)

告白事件があってから、なんだかんだで口を利かなくなった。
高校は同じ心神学園だけれども、クラスが違うため滅多に会うことが無い。
つまり、あれが最後の会話だったわけだ・・・。

(おおう、・・・何と言うか・・・嫌な分かれ方だな・・・)

別に別れちゃいないが・・・、そういえば、全然逢っていない。
行こうと思えば、いける距離、しかし相手は・・・

(・・・でもまぁ・・・まぁたしかに、可愛いと言う部類は、入っていたよな・・・。)

元が中性的な外見のため、よく女と間違われていたためか。
遊びで他の町に行くと、よくカップルと誤解されていた。
そのときの四之宮は、やけに嬉しがっていたが・・・。

(・・・あれ?、そういや俺って、何て返事したんだっけ?)

そういえばなんて答えたか、なんて思い出せなかった。
何せ、状況が状況だったので・・・。
そんなことを考えていると、授業終了のチャイムがなった。








「しっかし、おまえも不運だよなぁ!!」
「ほっとけ!!」

昼休み、学生たちでごった返す食堂と言う名の戦場で、戦利品であるカツ丼定食をたべながら、健介は向かい側で、そば定食を頼んだ鎌田 樹に絡まれていた。

「毎度毎度、あの調子で騒いでいたら、その内高やんに取り殺されるんじゃねぇか!?」
「そうならないことを切に願うよ・・・。」

いつものように、悪夢にうなされ、飛び起きて叫ぶようなことをつづけているもんで、何時しか、クラスの名物のようになっていた。
そんなわけで、事の顛末みんな知っている、と言うか吐かされた。
男子からは笑われたり、からかわれたりしたが、女子たちはからは、なんだか哀れみの目で見られたり、中には物凄く心配してくれる奴も。

「元気出せよぉ!!、まぁあれだよ、あと十年もしたら、いい思い出に変わってるからさ!!」
「けっ、リア充め、爆破しろ!!」


そう、この学校に限ったことではないが、クラスのほとんどの男女が、男と女の関係、つまり恋人同士なのだ。
ほとんど者が中学生、早い者では小学生、幼稚園のころから付き合っているものもいるわけで。
昼間なんかは、いたるところで、恋人たちがいちゃついているわけだ。
お互いに、見つめ合ったり、弁当の食べあいしたり。
あげくのはてには、人前でキスなんかし始めたりして・・・。
うっかり、あぶれてしまった奴らからすると、非常に心臓に悪い光景だったりする。

(好きで、あぶれちゃいないがよう・・・)

と言うか、高校まで何にも無い奴というのも珍しいものだ、
単純に、数が合わずかつ他の魔物たちに目をつけられていないだけなのかもしれない。
それにしても、不運すぎる・・・。

「まぁさ!!、きっといつかは、いい子が見つかるって!!」
「なんか、おまえに言われると、ムカつくわぁ。」

いつもちゃらんぽらんしているこいつでさえ、彼女と呼べる存在がいるのだから、世の中間違っている。

「いやいや!!、いても大変なだけだぜぇ女なんて」
「それは、リア充の理屈だって、残りモンからしたら、ただの惚気話だからよ」
「いやいやいや!!、これはだれだって思っていっっっっ」

途中で言葉が途切れたので、何かと思えば、石化した鎌田が目の前にいた。
ご丁寧に口と耳だけは、石化してないようだ。

「やぁ〜っと、見ぃぃぃつけたわよ、樹ぃぃぃぃっ!!」
「そっ、その声はっっっっ、あっ朱美か!!」

地を這う呪縛霊よろしく、怨念と怒りとその他もろもろ混ざったかのような声で、ゆっくりと背後から現れるメデゥーサの少女は、そのままゆっくりとその尾を巻きつけて、両手で、石化した鎌田を抱きしめる。

「30分ならいざ知らず、二時間も放置とか・・・、ちょっときなさぁい・・・」
「いっいや、これはそのですねっ、あっあの朱美さぁん、どこへっ!!、何処へ連れて逝くのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
「んふふふ♪っ、覚悟しなさぁい♪、今日は寝かさないわよぉ♪」
「ちょっま、おっ、尾田ぁたすけてぇっ!!」
「毎度毎度、ごくろうなこったな」
「ごめんね尾田君、この馬鹿借りていかいますからぁ♪」
「どーぞ」

人攫いのごとく、石化した鎌田を連れて行く朱美。
残されたのは、尾田と食いかけのそば定食だけだった。
途中途中で、「たっ、たすけてくれぇぇぇえぇぇぇ!!、おだぁぁぁぁぁぁ!!」
とか聞こえたが、聞こえなかったことにする。

「・・・うらやましいよなぁ・・・」

誰に言うわけでもないが、気が付くとそう、ポツリとこぼしていた。
メデゥーサは、普段はツンツンだが、デレると束縛の強い魔物だと言うことをらしいが、裏を返せばそれほど思われていると言うことだ。
確かに、あれはやりすぎな感があるが、しかしとてうらやましいことに越したことは無い。

「・・・かたづけるか」

そう思い、席を立とうとしたとき。誰かがか向かい席に着くようだったので、
そそくさと、鎌田の盆も下げようとすると。

「あ、あの・・・」
「ん?」
「けんく・・・、尾田 健介君だよね?・・・」

視線をそちらに持っていこうとすると、金髪の長髪のサキュバスと視線がぶつかった。
身長が低いので、やたらと大きな胸が目を引く。

「そうだけれど?」


途端に腕をつかまれ、わけも分からないまま、走り出していた。
小さな身体に、似合わない腕力で、ぐんぐんと引っ張られたものだから、ちょっとあせる。

「ちょちょちょっと、ちょっと!!、待てって、頼むから!!!」

そんな声も届かず、ずんずん進む少女、途中で予鈴が鳴ったことにも気が付かない様子だった。そんなこんなで、ついたのは体育倉庫。
そのマットの上に、乱暴に投げこまれた。

「おいおい、いきなり何っ」

瞬間、唇を奪わた。普通なキスならまだしも、お互いの舌を絡みつかせる、ディープキスだった。

「んふぅん・・・ちゅっ、ちゅっ♪・・・」

頭の芯まで痺れて、身体中がほんのり温まるような、それでいて激しいキス。
まるで、舌同士でセックスしているようだ。
酸素が、鼻からしか入らないから、軽い酸欠のような状態になった。

「ぷはっ!!・・・はぁ、はぁっ」

長生キスから開放されると、次第に思考がクリアになって行く。
そんでもって、今の状況が理解できない。

「おまえ・・・なんで・・・?」

そこにいた、サキュバスは四之宮だった。








頬を朱色に染め、ウットリとした表情で、しなだれかかり。
さっきまで唇を奪っていたのは、親友で何度も夢に出てきた、四之宮 景だった。

「・・・たり・・・ない・・・」
「え?・・・」

軽いショック状態だった健介の身体の上でポツリと呟いた四之宮は、いきなり健介のYシャツのボタンをむしりとり、Tシャツをびりびりとやぶき始めた。
そして腹部を舌で、つつううぅぅぅぅぅぅぅっと、なぞり始める。

「おっ、おい四之宮!!、やめっ!!、やめろっくっ!!・・・うぁっ」

今度は分厚い胸板の乳首を舐め始める。
体中をくまなく嘗め回され、そのたびに、ゾクゾクとした快感が脳髄まで響いた。

「うぁ・・・やめろっ、やめろてっぇ・・・」

そして、唾液で、てかてかになってから、やっと開放された。
身体が、かなり敏感になっているためか、軽く痙攣している。
すると今度はカチャカチャとベルトに手をかけて脱がしにかかっていた。
もはや、止める気力も無い。
するするとズボンを脱がされ、ボクサーパンツを脱がされた。
ズロン、と愚息が露出した。

「ふぁあああっ・・・、いい匂い・・・」

鼻をひくひくさせながら、ウットリとした表情で呟く四之宮。
そしてそのまま、愚息をゆっくりとしごき始めた。
どんどんと大きくなるペニス。すると、今度はそのおおきくなりはじめたペニスを、口の中にほおばった。

「くぁあああっ・・・しのみやっ、やめっ、やめろぉ・・・」
「んっ、んっ、・・・、んふふ、おちんちん♪おちんちんっ♪♪」


唾液を口の端から、だらだらとたらしながら、
一心不乱に頭をふって、舌で、アイスキャンディーみたく亀頭と裏筋を可愛がる。
暴発するのも、時間の問題だった。

「んふ♪・・・けんくんもう出るの?、いいよぉ♪、いっぱいだしてぇ♪」

さらにフェラチオの速度を速める四之宮。
瞬間、口の中でペニスが爆ぜた。
ドクドクと、精子が放たれ。
そのたびに、びくっびくっと腰が痙攣した。

「んぶっ!!・・・んっ・・・」

景は初めは少し驚いたものの口の中に放たれた精液を、二、三度ほど、クチュクチュと噛んでから、少しずつ、愛おしそうに飲みこんでいった。

「はぁっはぁっ・・・」
「んぁああ♪、いっぱいでたねぇえ♪」

よほどうれしかったのだろう、ぷるぷるとからだを震わせながら
彼、いやもう彼女か、は妖艶に笑った。

「はぁっ・・・しっ四之宮っ・・・」
「あはっ♪・・・まだ大きい♪・・・」

ようやく身体の自由が利いてきたようだった。が四之宮は身体の上にずっと居座っており、動くこうにも動けない。

「次はっ♪・・・」


そう言うと、こんどはするするとショーツを脱ぎ捨てる。

「んふふっ♪・・・、こっちのお口だよっ♪」

そのまま膣に入れようとして腰を下ろそうと・・・。

ガシャンッ!!


「なに!!っ」
「ふぇっ!?」




不意に窓が割れる音がして、刹那サッカーボールが四之宮の顔面にぶち当たる。


「きゅ〜」
「あっ!!おい!!」


そのまま四之宮が倒れこむので、あわてて抱きかかえる。
何だか、漫画みたいオチだが、とりあえずよかったのか?。

「やべぇ、窓割っちまったよぉ!!」
「うわぁ・・・取り行くかぁ?」


・・・よくないな・・・。他の奴らが来る前にとんずらするか。
健介は後片付けもそこそこに、体育倉庫を後にした。







「あ〜うん、それただ精が切れだけだと思う」
「はぁ・・・えっとそれって・・・」

あの後、気絶した四之宮を連れ込んだのは保健室。
丁度養護教諭の先生がいたため、全て話した。
色々と面識のある先生だから話すのも楽だ。

「えっと・・・、精渇望症じゃないんですか?」
「それは、リア充な魔物がかるやつ。今回はただのガス欠よ」

もともと精渇望症は、夫の精の味を知った魔物がなるものらしく。
長期間、夫と交わってないと起こる症状だそうだ。
本当に発症したらこんなのの非じゃないらしい。寝る以外ずっと交わらなくてはならないそうだ。

「ガス欠って、じゃあ、あいつ飯食ってなかったんですか!?」
「たぶんそれも含まるんじゃい?、4割くらいは。」
「後の6割は?・・・って、俺か・・・。」

魔物は元来、夫に決めたものとしか交わらない。
つまり四之宮は・・・・。


5時限目終了のチャイムが鳴った。

「んじゃぁ、とりあえずその子運んでってあげて。」
「クラスにですか?」
「お馬鹿、この子んちよ」
「ウェ!?」

そそそそそれっていうのわわわわわわわわ。

「んじゃ、後は若い二人でよろしくやってなさいな。あんたから搾り取ったようだから等分は襲われないわよ。あ、あとここでやったら殺すわよ・・・」
「はっ!!はいっ!!!」

そういって、先生は、保健室を後にした。残っているのは二人だけ・・・。
と言うかうちの先生方って、あんな感じな方が多いよなぁ・・・。
と、とにかくだ・・・。
カーテンの閉まってるベットへ近づき中をのぞいた。
数ヶ月ぶりに見る親友は、昔よりも女らしい容姿で目の前に現れ。
今スウスウと吐息を立てて寝ている。

「・・・ホントに四之宮なんだな・・・」

角があって翼があって尻尾があって。、金髪で長髪の上、身長に不釣りあいな、巨乳をしていても
何時までたっても、声変わりがしない所。むしろ中学に入りその声がもっと高くなったところ。右目の所に泣きボクロがあるところ。
そして何より・・・、未だに自分が好きだという事実。

「俺は・・・どうしたらいい?・・・」

確かに自分は、ノンケだし、こいつに対して恋愛的な感情を持ったことは無い。
しかし、こいつは持ってしまった。俺を恋愛対称だと思ってしまった。
だから女に変わった。
愛おしい人と、永遠を過ごせるアルプと言う淫魔に。

「一方的な愛は、恋じゃない・・・。」

分かっているのだ・・・・。そのくらい・・・。
もしこのままこいつを仕方なく恋人として認めたら、どうあれこうあれ、長続きしないと思う、もし続いても、いつかは・・・最悪な形で別れが来ると思う。

「それだけは・・・、嫌だよな・・・」
「・・・何が嫌なの?」

聞きなれた声が耳に届いた。
顔を上げると、首まで夏がけを被った四之宮がこちらを見ていた。

「もう、大丈夫なのか?」
「うん、おかげ様で」

そう言って、苦笑いする四之宮。

「ごめんね、変なことしちゃって・・・。」

次に出たのは謝罪の言葉だった。

「ボクね、どうかしちゃったんだと思う・・・、この姿になってからずっと・・・ううん、君に振られてからも、君に振られる前から、君が好きでね、でも、君は・・・男の子なんて相手にしないだろうから。」

うつむいたまま、彼女は続ける。


「きっと、この姿でも、君は受け入れてくれないと思った・・・。だから、精の摂取も控えたの、君以外の精なんて欲しくないから・・・そしたら・・・」

吐き出すように言葉を紡ぐ。ひとつひとつ丁寧に。

「そしたらっ、あっ、頭の中ぐちゃぐちゃになっちゃって・・・気が付いたら
制御できなくなってて・・・でっ・・でっ!!」
「わかった、もういい!!」

気が付いたら泣いていた、そしてその身体をゴツゴツした大きな身体が、
しっかり抱きしめていた。

「けん・・・くん・・・」
「久しぶりだな、そんな名前で呼ばれるの。」

ゆっくりと抱きしめる腕力が、緩くなる。

「・・・別に俺は、お前のこと嫌いじゃない。でもさ、それは友人として。
だから、恋人は無理だと思う。」
「じゃあ・・・」
「ただし、それは男としてだ・・・。」

そしてゆっくりと彼女のほうに向き直り、言った。

「女としてのお前を好きになれるか、ちょっと試させてくれるか?」
「え?、えっ?」

混乱している彼女をよそにぶっきら棒に健介は言った。

「だ〜か〜ら〜、・・・今はお前女なんだろ?、だったら・・・その、昔より魅力があるんだろう!!、だったら・・・試させてくれよ・・・お前がどのくらい、いい女なのか。」
「ででも、ボク、昔は男だよ!!」
「いやぁ、あのな、それに関してなんだが・・・。」

バツが悪そうにそっぽを向き。

「まことに勝手ながら、その、なんだ・・・体がお前を女だって認識しちまうみたいで・・・今だって・・・。」
「あっ」

大きくて硬くなった男の象徴が擦り付けられる。

「もっ、もう・・・けんくんたら、節操無しのこらえ性無しなんだらっ!!」
「申し訳ない・・・」

そういって、今まで泣いていた顔が笑った。
晴れやかな笑いだった。




しとしとと降るのは、夏場最後の雨。
この雨が過ぎれば、心神町は秋色に染まる。


「ふぁっむ・・・ちゅっちゅっ・・・ぁっんむちゅっ♪っ」


締め切ったドアから漏れるのは、ほのかな光と人二人分の吐息だった。

「んっちゅっ・・・ちゅぅぅぅっ・・・あむっ♪」
「おぃ、・・・耳たぶ噛むなよ・・・」
「んー?・・・んふふふふ♪」

いたずらっぽく笑う四之宮、その行為を苦笑しながらも見守る健介。

「んーまっ・・・、ふふっ、だって嬉しくて♪」
「何が?」
「だって、久しぶりにあった大切な人が、恋人になるかもしれないんだよ?
嬉しいに決まってるよ♪」
「そうだなぁ、もう決まりかもなぁ」
「むーっ、まだ本気出してないんだからっ!!判定はまだ先っ!」
「へいへいっ♪」

そう言って、着ていたいたワイシャツに手をかけ、ひとつずつ外して行く
そして、ブラに守られた豊潤な胸が露になる。

「・・・四之宮さん、あーたこれすごいね」
「えへへへ、がんばりあした!!」

ブラをはち切れんばかりに押し上げる柔肉は、ここぞとばかりに自己主張しており、下手をすると、零れ落ちるんじゃないかとひやひやさせる代物だった。

「はぁー、なんだか神々しさがあるな、ありがたやー」
「えっへん!!」
「おまえじゃねえよ!!」
「酷い!!、もう触らせてあげない!!」
「ごめんなさい・・・」

冗談はさておき、しゅるりとブラを取る。
流石に、形は崩れないようだ。やはり凄い、凄いが・・・。

「おまっ、これっ・・・」
「んふふ、凄いでしょっ」

胸の頂点に赤々と実っているはずの、乳首がない、と言うか・・・。

「陥没・・・してる」

俗に言う没乳首である。乳輪の下に隠れてしまっているのだろう。
そこには小さなあながある。

「初めは、嫌だったんだけれども、けんくんなら、見せてもいいかなぁ〜って思ったり、思わなかったり」


途端に押し倒される。そしてそのまま左乳輪にか噛み付かれる勢いで、
吸いつかれた。

「きゃっ、ちょっ、だめだよっ、けんくんっ乱暴はっ、うあっあああああっっ♪」

瞬間に訪れたのは、雷に打たれたかのような快感が彼女を襲った。

「あん、りゃめっ♪りゃめだよぉう♪、そんないっぱいちゅっちゅっしたらっ」


刺激をあたえると、ゆっくりと露出してきた乳首を口に含み、舌全体で舐めまわす。


「ふわっ、あああっ、ひっ、昼間のお返しなの?」
「ちげぇよ、凄い綺麗でな、そんでもってかなりエロかった・・・」

四之宮の頭を撫で回しながら、感想を述べる。
そのまま、もう片方の、露出してきた乳首も舐めまわす。

「んひゃっ、らっ、らめらよう♪、あっ、あああっ!!」

あらかた舐めまわすと、もう完全に出来上がった四之宮がまた舌を絡めてきた。

「んっ、ちゅっ、ねぇっもう・・・」
「えっと・・・それって」
「んっそうだよう・・・、これ」

そう言って、ズボンの上からペニスを触ってきた。

「これをね?」
「・・・おう」

ゆっくりとジッパーを下げトランクスから、もうガチガチなイチモツを出す

「んっ、やっぱぁりっいい匂いだようぅ・・・」
「じゃあ、こっちもな・・・」

そう言って、ショーツに手をかける。
しかしそこは・・・。

「ぐっしょりだ・・・」
「あぅ、いわないでぇ・・・」
「いや、言せてもらう、おまえは男に、胸や乳首を舐められただけで
濡らしてしまう、淫乱アルプだ。」
「やあああああっ、違うっ!!、ボクっ淫乱じゃ!!」
「いんや、淫乱だっ、とびっきりのド変態だ」

そういいながら、ゆっくりと中指を、金色の湿地帯へ埋めてゆく

「ああっ♪」
「ほ〜ら、すんなり入った、これなら・・・」

そのまま、胡坐をかいてベットの上に座る。そして、四之宮を導くようにして、自分の足の上に腰を下ろすようにして座らせて、ゆっくりと挿入した。

「あぇっ、けんくんっ、何処に入れるか分かって、ふぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
「大丈夫、予習済ませてあるからっ、くぁっ!?」

そのままゆっくりゆっくりと、ゆりかごのリズムで動き出す

「ふうぁあっ♪しゅごっしゅごいいいいいっ♪、ゆっ、ゆっくりなのにいいっっ、気持ちいよおおっ♪」

破瓜の痛みさえもさっき徹底的に乳首をいじめたがため、まったく感じなくなっているようだ。少しずつ速度を速めてゆく。

「ふぁああああああっ♪、きもちいいいっ♪、下からじゅんじゅんってぇっ♪
がつがつえぐってぇっ♪」
「くおっ!!、ミミズが蠢いてるって言うけれど、芯まで蕩けそうだっ。」

お互い無意識だろうか、いつの間にか唇をむさぼるようにして、キスしていた。
まるで、舌自体が独立してで動いているかのような錯覚を覚える長い長いキス。

「んちゅあっ♪ああっキス気持ちいいいっ♪じゃえんぶ、じゃえんぶとろけりゃう♪とろけりゃよおう♪」

そのまま背中からベットになだれ込む様にして、体位を変える。
そのままさっきとはまるで違うスピードで腰を降り始める。

「にゃああああああ♪っ、らめえええええええ♪っ、もうっもう、らめらのっおおおおおおおお♪、イグっイグのおおおお♪」

犬のように舌を出し、とろとろに蕩けたきった表情で自分の絶頂を宣言する様は、もはや人間でも魔物でもない、恥もなにもかも捨てている
ただの牝の姿だった。

「あっあっあっ♪、うあああああああっ♪イグっ、もうイグっ♪イグのおおおおおおおおおおおおおおっ♪」

しかしそこでピストンがピタリと止まった。
さっきまでの響いていた水音がピタリとやみ聞こえるのはお互いのは激しい吐息のみ。

「あっうあっ、なっんれ・・・」
「なぁ、四之宮・・・おねだり・・してくれるか?」
「ふぇ?・・・おね・・・だり?」
「そう・・・、とびっきりエロいおねだり、だって、四之宮は俺の彼女になるんだろ?・・・」
「うぁっ・・・」

断る理由など無かった。愛おしい彼氏たっての希望、だらしない顔作りながら
誘うようなしぐさで、言い放った。

「おっ、おねがいれすうううっ♪、けんくんのおおおおおっ♪、プリップリの
なまザー汁ううううっ、ボクのおおおっ♪、ボクのくっつしゃいグロマンコにっ♪、たくさんったくさんそそいでくださいいいいっ♪」
「わかったよ・・・景」

その瞬間また激しいピストンが始まり、四之宮の意識を絶頂まで押し上げる

「ふあぁあああああああっ♪、うれしっ♪、けいっ♪、けいって♪、言ってれたぁあああっ♪」
「んっ、でるぞっ」

その瞬間、膣の一番奥の奥でペニスが爆ぜた。
びゅるるるるるるるっ。

「おほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ♪れたっ♪れたのおっ♪」
「うあっ・・・これは・・すげえっ」

しかし、一回だけの射精で何度も断続的に爆ぜる。
終いには、膣口からあふれだして、周りが青臭くなっていた。

「んあっ♪、しゅごかったぁ♪」

うわの空になっている、四之宮の口を塞ぎ本日4度目の接吻をする。
まどろみの感覚の中で、自分の存在と相手の鼓動だけが、世界を支配していた。

「だ〜いしゅきだよ、けんくんっ」
「俺もだよ、けい」

お互い見つめ合い、またキスをする。
何時終わるとも分からない愛の営みの中で、二人はずっとお互いを感じていた。






差し込む光が目蓋に反射し、意識が覚醒し始める。
目覚まし時計を引っ張り込もうと思うのだが、何時もそこにある時計が見当たらない。
そこで、思い出した。

「あー、そういや・・・」

あのあとも、あんなもので足りるはずが無く、結局精根尽きるまで、お互いを
貪りあっていた。
しかして、今現在その相方は・・・。

「す〜っ・・・」

すやすやと、腕の中で爆睡中だった。
彼女も彼女で、ぎゅっと抱きつき、無邪気な寝顔を見せてくる。
と言うか・・・。

(むっ・・・胸がっ!!)

豊かな乳肉が、丁度胸板に押し当てられている状態だもんだから、朝から節操無しの愚息が大フィーバーなのだ。

「とっとにかく・・・」

この状態をどうにかせねばなるまいと思い、四之宮の顔を覗き込む。
すると、ばっちりと目が合う。

「なんだ、起きてたのか?」
「ふふっ、だってさっきからけんくんが百面相してて、面白かったよ?」
「起きてたんなら、声ぐらいかけろって・・・」

とてつもなく冷や冷やしたわ!!
しかし四之宮は、そのままもっと身体を密着させてきた。

「えっ・・・あの、景さん?」
「んふふっ、けんくんはしたくないのかなぁ?」
「そっそれは・・・吝かではないといいますか・・・」

愛おしい人の誘惑だが、そこをぐっと我慢する、聞きたいことがあるから。

「なぁ、景・・・、俺でホントにいいのか?」
「ん〜、話をはぐらかさなぁい」
「これは、真面目な話だって!!」

そうとだけいうと、景はころころと笑い。

「当たり前だよ、むしろ、こっちらの方がいいのかなって思うぐらいだからね?」
「そりゃ、当たり前だ・・・。お前以外の奴なんて、考えられない。」
「だったら大丈夫、ボクだって同じだよ?、この人と共に一生涯、ずっと歩みたい、この人の子が生したいって、男の子の時から、ずうぅぅぅっと」

改めて聞いてみたが、確かにこいつは自分に相当お熱だと思った。
だからこそ、こんなに愛してくれるのか・・・。
そして、今の自分も・・・。
こいつのが、大好きなのだろう。

「じゃっ!!、疑問も晴れたところで、いっぱついってみよう!!」
「チョイ待ち」
「もー!!、今度は何?」

そういえば、ずっと心に残っていた疑問があった。

「俺、お前に告られたとき、なんて言ったっけ?」
「・・・んー、それはねぇ・・・」




「おっぱいが合ったら考えるって、言ってたよ!」
「うそぉ!!」
「ほーんとっ、だからさっ・・・」


ボクは女の子になったよ♪君が好きだからっ♪


































11/09/17 15:04更新 / 漢凪丸
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■作者メッセージ
まず謝罪を、ルーターが落雷により壊れたがため、更新が遅れました、
え?、待ってない??、それなら幸いですが・・・ちょっと悲しい・・・。
最近SSにアルプさんを度々見かけるんですがね、今回は流行に乗ろうかと・・・
え?、流行ってない?・・・
・・・まぁ、それはさて置き、また以前のように執筆活動は続けますので
厨二みたいな作風ですが。これからもよろしくお願いいたします。

最近サバトから目を付けられるのですが・・・
やっぱりロリ巨乳は邪道か(r







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