__ピチャ………ピチャ………
暗い、暗い、洞窟の中。何故、こんなことになったんだろう。
私は、ただあの子を愛していただけなのに。
悪い虫がつかないよう、していただけなのに。
なのに。なのに。なのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのに。
あの子はわかってくれていなかった。
__『貴方のせい!私の好きな人を尽く奪っていく!』
なんで。貴方には私がいるじゃない。
なんで。なんで。
私の
私の
私の可愛い可愛い織ちゃん。
______________________ズルリ。
…………一気に現実に引き戻される。何かがくる。
得体の知れない、何かが。
「あらあらァ、?こんな所に人間ちゃん。どうしたのぉ?」
ヒッ、と声が漏れる。
後ずさる。
暗闇で光る瞳。
カンテラで照らす。
現れたのは、触手の女性。
マインドフレイア………………。
頭をやられたら、終わり。
「あらあらァ。怖がらないで。ワタシは理由を聞きたいのォ。」
「…………っ、た、ただの肝試し…………そう、肝試しよ!」
「ふゥん?」
ジロジロと見られる。
「貴女、好きな子、いるのねェ。」
「…ええ、居ますよ」
「クスッ………………ワタシがァ、貴女の恋、応援しちゃってあげてもイイわよぉ?」
ドキリ、と胸が高鳴る。
応援?どうやって?
「魔物化………してみない?」
__……ぬるり
いつの間にか、足元に触手がいた。
触手に、手足を縛られ、中ずりになる。
「イヤっ!やだ、!」
「あっはァ……………。大丈夫よォ。キモチイイコトしかしないからァ……♡」
艶やかに微笑みながら、悠然とソレは近づいてくる。
そして、細い触手が、頬を這う。
「っひ……」
得体の知れない何かが身体中を駆け巡る。
__ツプ………ン
「あっ…がぁぁぁぁぁぁ!?や"ぁぁ!」
「あは……………いい声ねェ………♡さてと、貴女の好きな子はァ…………」
チュクチュクと脳を掻き乱される。
「ばなじで……………ぇ"…………!!!」
「いたいたァ……………女の子なのォ♡いいわねぇ………」
「ひっぅんっ……♡」
ガクガクと腰が震える。
「イったァ?ほらね?キモチイイコトしかしてないでしょぉ?」
「やらぁ……………も、やめへぇ…………」
あたまなにもかんがえられないのぉ♡♡♡♡
__ずくんっ♡
「そういえば、貴女のお名前、直接聞きたいわァ」
「あけぼの すおうですぅ♡」
「蘇芳ちゃんねぇ。ワタシはイーゼン・クヴァルグ。イーゼンって呼んでぇ」
「はひ、イーゼンお姉様ぁ…………♡♡♡」
「蘇芳ちゃん、織ちゃんって子のこと、落としたいんでしょぉ?」
「落したいっ落したいですぅ♡」
「なら、このままだとぉダメねぇ。」
「どうしたらいいんですかぁ♡?」
とん、と胸のあたりに指が当たる。
「魔物化よォ?さっきも言ったでしょぉ?」
まものか…………お姉様といっしょ…………
「なりますぅ。させてくださぁい♡♡♡」
「クスッ、そうこなくっちゃぁ♡♡…………でもねぇ、きょうはこれで終わりぃ。今日はこのまま帰って。何も無かったと言うの。そして、一ヶ月後に織ちゃんと一緒にいらっしゃい?いいわね?」
「はい」
拘束が解かれる。ぬるぬるとした粘液が、スゥ、と皮膚に吸い込まれていった。
織ちゃん……………織ちゃん…………。
夢遊病者の様に、洞窟から出ていった。
お姉様に言われた通りに。
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