汝は何ぞや?
「退屈だにゃ〜」
見渡す限り砂ばかりと言う風景の中、
何度目になるか分からない呟きを漏らす。
日がな一日この風景を眺め続けるのが日課なのだから、
そんなボヤキも上げたくなるものだ。
広大な砂の大地にそびえ立つ偉大なる「ファラオ」の遺跡を守護するお役目(キリッ
「な〜んてお題目を抱えていてもやっていることはただの見張りだからにゃ〜」
もしこんな独り言をアヌビスちゃんに聞かれたらお仕置きコース直行だろうな。
そう思いつつも退屈を持て余す口から漏れるボヤキを止める事が出来ない。
まあ、あの子はいつも遺跡の中で忙しそうにしているから聞かれることはないだろう。
しかしよくよく考えて見ると本来ならアヌビスと、
あたしことスフィンクスは遺跡の中と外を守る対の存在で本来対等な立場のはずだ。
「それなのになんであたしはただの見張り見たいな扱いを受けていて、アヌビスちゃんは遺跡の総管理者みたいになっているにゃ? どうして差がついたのかにゃ!」
「そりゃ日ごろの行いの差だろう、昼休みの時間だぞ」
気だるい独り言に後ろから返事が返ってくる、おお、この麗しの愛しい声は。
「ご主人様〜待ちかねたにゃ〜♪」
愛しのダーリンであるご主人様にダッシュで駆け寄る、ネコまっしぐらである。
……え? 「ファラオ」はどうしたって? あーあー、聞こえないにゃ〜♪
「大体アヌビスさんと扱いを同じにするなら仕事も同じにしなけりゃいけないんだぞ、あの綿密極まりない予定表だのマミーの管理だの計画書作成だの、あれをやりたいと思うのか?」
「う……やっぱり見張りでいいにゃ……」
「うーん、ご主人様の料理は何時食べても美味しいにゃ〜♪」
昼休みのあいだ見張りを請け負うマミーたちと交代し、
あたしたちは遺跡内部の夫婦の部屋で昼食を食べていた。
「砂漠でパスタが食べられるなんてこんな贅沢中々ないにゃ」
ご主人様は元冒険者。
今は冒険は引退しているが(と言うよりあたしが引退させてしまった)
たまに町に出かけてはそのころの知り合いから珍しいものを買ってきたりしてくれる。
「まあ水さえ使えるんだったら、大したことじゃあないんだけどな」
この遺跡は地下に水脈があるので内部に巨大な沐浴場を作れるほど、
とは言わないが、困らない程度に水を使うことは出来る。
「それでも十分にすごいにゃ〜」
本当にご主人様は凄いと思う、料理だけでなく色々なことが出来るし何より博識だ。
冒険者の嗜みと言っていたけれど、
あたしの出す問いかけもあっさりと解いてしまうのだ。
どんな質問をしてもすぐに答えられてしまって、ちょっと悔しかったな。
まあその後ヤったことも凄かったんだけどね。
……思い出したらまた欲しくなってきちゃったな♪
「ねぇ〜ん、ご主人様ぁ〜ん♪」
まさしく猫なで声でご主人様に擦り寄っていく。
「うん?おいおい、今からじゃ昼休みは終わっちまうだろ?」
「少しくらい大丈夫にゃ、ちょっとだけ、一回だけだからお願いにゃ〜ん♪」
「……だ〜め、またアヌビスさんに怒られちまうぞ」
むう、こうなるとご主人様も頑固だ、……かくなる上は!
「ねえ、ご主人様はあたしのこと……好きかにゃ?」
「なんだよいきなり? そんなの決まって……ッ! お前まさか!?」
「にゃっふっふ〜、もう遅いにゃ、これであたしに襲われるか、自分から襲ってくれるかの二つに一つにゃ、襲ってくれてもいいのにゃよ?」
そう、これは『スフィンクスの呪い』だ。
問いかけに答えられなかった者を強力に魅了するこの呪いにかかれば、
どんな鈍感系ハーレム主人公だろうと一発でメロメロにできるのだ。
答えられちゃったら自分に帰ってくるのが玉に瑕、いや、それもまた良しなのだ!
「まったく、しょうがない奴だな」
ご主人様はふぅとため息をつくと、覚悟を決めたような顔で答えてくれた。
「どうなっても知らんぞ? ……大好きだよ」
「ふ、フニャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン♪」
ああ、自分の呪いながら強力すぎる。
答えを聞いた瞬間、体に電流が走り、胸がキュ〜ンと締め付けられる。
ただでさえ大好きなのに、
それが更に上乗せされるように好きと言う感情が高まっていく、
あ、だめだ、もうがまんできな〜い。
「にゃぁぁぁ、ご主人様ぁ、ご主人様ぁ〜」
ご主人様に飛び掛り、自慢の肉球をぷにぷにと押し付けながら服を脱がせていく。
「お、おい、落ち着け、せめてベッドに」
「いやにゃ! 我慢できないにゃ!」
口では落ち着けと言いながらも、
ズボンを脱がすとあたしの大好物は元気に飛び出てくれた。
「にゅふふ、ご主人様はこれが大好きにゃ〜♪」
肉球でプニプニしてあげながらご主人様の竿をシコシコと擦りあげる。
「う……くぅ……」
「ご主人様、気持ちいいかにゃ〜?」
「ああ……気持ちいいよ」
「にゃ!? うにゃああ!?!?!?」
そうご主人様が答えてくれた瞬間、
大好きがまた勢いを増してあたしに襲い掛かってくる。
しまった、うっかり問いかけを呪いとして放ってしまったんだ。
既に残りカスと言っても良かったあたしの中の理性は、
元々我慢する気が無かったこともあってこれで全て吹き飛んでしまった。
「ご主人様大好き! ご主人様大好き! 好き! 好き! 好きぃ!!!」
「うわ? いきなりどうした?? あ、あああぁぁ!?」
好きがオーバーヒートしそうな頭にもう遠慮なんて無い。
勢いのままに押し倒し、欲しいモノを欲しがっている穴に埋めていく。
「にゃぁぁぁ! 好きぃ! うあぁ……ご主人様ぁ♪」
「くぁ……ま……激しすぎ……る」
この全力の好きを伝えんばかりに、じゅぶじゅぶと力の限り腰を動かし続ける。
「すま……ん、もう出そうだ……」
キャット種の身体能力を余すところ無く使った攻めに、
ご主人様はもう限界を迎えてしまうようだ。
「出してぇ! 大好きなのぉ! いっぱい飲ませてぇ!!!」
「く、イクぞ!!!」
「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♪♪♪」
大好きな人が大好きな肉棒から大好きな精液を出す。
にゃああ……しあわせぇ………………もっとぉ。
「ごしゅじんさまぁ、もっとしてぇ♪」
「お、おい、流石にこれ以上はまずいだろう?」
なにがまずいんだろう、こんなにおいしいのに。
完全にすっ飛んだ頭はこの幸せを感じること以外の機能を停止させてしまったようだ。
「おねがぁい、もっとぉ♪」
「ぐぁ、だめ……だって、時間が……」
どうすればご主人様はもっとしてくれるんだろう。
好きと快楽でとろけきった頭が考えていたことはこれだけだった。
そうだ、ご主人様にも魅了の呪いをかければ良い。
普段そうしてやろうとさまざまな問いかけをしては、
さんざん返り討ちにあっていることすら忘れて、
快楽にとけた頭は普段している問いかけとはちがう問題を導き出す。
「もんだいにゃあ〜♪ あなたはだぁれ?」
「く……なんだそりゃあ?」
いつものきちんとした問答とはちがうこの抽象的すぎる問いかけに、
ご主人様は慌てつつも答えを必死に探しているようだ。
「誰って……名前でも……っく……名乗れば良いのか?」
「にゅふ……ん……そんなんじゃないにゃ〜♪」
「じゃ……あ……人間とか?」
「んっんっ♪ ……それもちがうにゃ……にゃあ♪」
今も動き続けるあたしからの快楽に耐えながら、
答えようと頑張ってるご主人様を見るのも楽しいけれど。
「にゃあ……じかんぎれにゃあ〜♪」
「う……あ!?!?!?」
ご主人様の必死に理性を保とうとしていた顔立ちが、
見る見るとろけた表情に変わっていく。
さあ、抵抗できなくなったご主人様を存分に味わって……
「好きだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「にゃ? にゃああああああああああ???」
突然暴走しだしたご主人様に逆に組み伏せられてしまった。
「ご主人様!? そんな急にぃ?」
「俺だって我慢してたのに! こんなに好きにさせやがって! ああ、大好きだ!!!」
今度はご主人様がじゅぶじゅぶとあたしの中を突き上げてくれる。
ご主人様が、いつもきっちりしていて、
普段だらしないあたしをたしなめてくれるご主人様が、
こんなに激しくあたしを求めてくれてる、ああ、嬉しい!
「ああ……ご主人様ぁ、そんなに……そんなにぃ……あたしのこと……好きぃ?」
「好きだ! 好きだよ! くぅぅ……大好きだ!!!」
「にゃうううう!? 好きぃ! あたしも大好きぃ!!!」
あ……問いかけ……いいよね、もう我慢しなくて良いんだもん。
「ご主人様ぁぁぁ♪ にゃあん♪ ご主人様好きぃ♪ 大好き♪ あたしのこと好き? 好き? 好きぃ?」
「あああああ、好きだ! 好きだ! 大好きだぁぁぁぁぁぁ!!!」
「にゃううう!? 止まらないぃ♪ 好きが止まらないぃぃぃ♪ 大好きぃ♪ 好き? あたしのこと好き? にゃ? んん……ちゅう、ちゅ……ちゅぱ……」
これが答えと言わんばかりに、あたしにキスをしてくれる、でも言葉で返さないと……
「ん、んううううう!?!?!? ……あああぁぁ、好きだ好きだ好きだぁぁぁぁ!!!」
「にゃううう、好き! 大好き! 大好き? 大好きぃぃぃぃぃ♪」
どんどん好きが高まって、動きも激しくなっていく、
ああもうだめだ、気持ちよすぎるぅ♪
「好きぃ♪ 好きぃ♪ にゃあぁ、もうだめぇ♪ イク♪ イキそぉ♪ イキそぉ???」
「ああ! イキそう! イクぞ! 出すぞ! 出すぞ!!!」
ああ、もうすぐ大好きなのがくるぅ♪ 大好きなのがもらえるぅ♪
「にゃああああああああ♪ イクぅぅぅぅぅ♪ 大好きぃぃぃぃぃぃぃ♪♪♪♪♪♪」
「ああああああああああ! 好きだぁぁぁぁ! 大好きだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
出てる……すごい気持ち良い……大好き……♪
「にゃああ……好きぃ……もっとぉ……♪」
「ああ……もっと、もっとしてやる!」
あ……これ……いつ止まれば……好きだから良いかにゃあ……♪
「うにゃ……うにゃあ……?」
意味のない呻き声と共にあたしは目を覚ます。
あれから何発ヤってたんだろう、時間は……日付回って朝だコレ、ありえん。
ご主人様は……まだ眠っている、まああれだけヤれば当然か。
「にゅふふ、ご主人様〜♪」
朝のまどろみのままに大好きなご主人様に体を擦り付ける、ああ、幸せ♪
「……む?」
おっと、どうやら起こしてしまったようだ。
「ご主人様、おはようにゃ」
「あれ?あーっと……そっか、うん、おはよう」
ご主人様も少しぼーっとしていたようだが、少しずつ目が覚めてきたようだ。
「ああもう、あんなになっちまうとは……すごいな、お前の呪い」
「あたしの自慢の力だもん、当然にゃ」
とは言うものの呪いを受けたご主人様が、
あんなにすごいなんて思わなかったんだけどね。
「そういえば……結局あの問いかけの答えはなんだったんだ?」
「んにゃ? まだわからないかにゃ? いつも言ってるのにぃ♪」
「あれから考える余裕がなかったんだよ、しかしいつも言ってるってのは?」
んもう、簡単なのにしょうがないにゃ〜、あたしの……そう、答えは。
「あなたは……あたしのご主人様にゃ♪」
おしまい
「と思っていたのか?」
デデーンな効果音が聞こえてきそうなオーラを出しながら、
マミーたちに連行されたあたしを睨み付けてくるのは他でもない、
この遺跡のもう一人の守護者、アヌビスちゃんだ。
つーか、コレはまずい、完全に怒っている、カンカンだ、目が攻撃色だ。
「旦那といちゃラブしてて、仕事ほったらかしにするのもこれで何度目だ?」
「あ、あの、これは、その……」
「スフィンクスよ……いちゃラブするのは良いが仕事はしろと何度も言ったよなぁ……」
「だって……仕方ないにゃ、旦那がいればシたくなるのは魔物娘として当然で……あたしは悪くにゃい、悪くないにゃあ!」
「…………それが遺言で良いんだな?」
あ、やばい、オワタ。
「今日と言う今日は許さん! 貴様はお仕置きマッスィーン6号機『無能部下全身コチョグリ君ハイパワーカスタム』の刑に処す」
「ちょ、ちょっと待つにゃ、前から思ってたけど部下ってなんだにゃ、アヌビスとスフィンクスは本来同格で……」
「あ〜ん? 聞こえんなぁ? そんな戯言はせめて自分の仕事ぐらいこなしてから言え!」
う……ぐぅの音もでないにゃ……でも……でも……
「おねがいにゃ、それだけは勘弁して……」
「もはや問答無用! ひったてぃ!」
マミーたちがあたしを抱えて運び始める、ドナドナ〜って言ってる場合じゃない!
「まって、マミーちゃん、やめてにゃー!」
「しっとの炎を〜燃やせ〜、アベックたちを〜成敗するぞ〜」
「彼氏がいるなんて〜妬ましい〜妬ましい〜妬ましい〜パルパル〜」
駄目だこいつら……早く何とかしないと……の前にあたしを何とかしないと!
「許してにゃ、お願いにゃ、もうしにゃいから、サボらないからーー!」
そんな叫びも空しく、お仕置き部屋へと運ばれていくあたし。
あ、ほんと勘弁して、ね、お願いだから、あ、ちょ、まって、ま、にゃ……にゃあーー!
終われ
見渡す限り砂ばかりと言う風景の中、
何度目になるか分からない呟きを漏らす。
日がな一日この風景を眺め続けるのが日課なのだから、
そんなボヤキも上げたくなるものだ。
広大な砂の大地にそびえ立つ偉大なる「ファラオ」の遺跡を守護するお役目(キリッ
「な〜んてお題目を抱えていてもやっていることはただの見張りだからにゃ〜」
もしこんな独り言をアヌビスちゃんに聞かれたらお仕置きコース直行だろうな。
そう思いつつも退屈を持て余す口から漏れるボヤキを止める事が出来ない。
まあ、あの子はいつも遺跡の中で忙しそうにしているから聞かれることはないだろう。
しかしよくよく考えて見ると本来ならアヌビスと、
あたしことスフィンクスは遺跡の中と外を守る対の存在で本来対等な立場のはずだ。
「それなのになんであたしはただの見張り見たいな扱いを受けていて、アヌビスちゃんは遺跡の総管理者みたいになっているにゃ? どうして差がついたのかにゃ!」
「そりゃ日ごろの行いの差だろう、昼休みの時間だぞ」
気だるい独り言に後ろから返事が返ってくる、おお、この麗しの愛しい声は。
「ご主人様〜待ちかねたにゃ〜♪」
愛しのダーリンであるご主人様にダッシュで駆け寄る、ネコまっしぐらである。
……え? 「ファラオ」はどうしたって? あーあー、聞こえないにゃ〜♪
「大体アヌビスさんと扱いを同じにするなら仕事も同じにしなけりゃいけないんだぞ、あの綿密極まりない予定表だのマミーの管理だの計画書作成だの、あれをやりたいと思うのか?」
「う……やっぱり見張りでいいにゃ……」
「うーん、ご主人様の料理は何時食べても美味しいにゃ〜♪」
昼休みのあいだ見張りを請け負うマミーたちと交代し、
あたしたちは遺跡内部の夫婦の部屋で昼食を食べていた。
「砂漠でパスタが食べられるなんてこんな贅沢中々ないにゃ」
ご主人様は元冒険者。
今は冒険は引退しているが(と言うよりあたしが引退させてしまった)
たまに町に出かけてはそのころの知り合いから珍しいものを買ってきたりしてくれる。
「まあ水さえ使えるんだったら、大したことじゃあないんだけどな」
この遺跡は地下に水脈があるので内部に巨大な沐浴場を作れるほど、
とは言わないが、困らない程度に水を使うことは出来る。
「それでも十分にすごいにゃ〜」
本当にご主人様は凄いと思う、料理だけでなく色々なことが出来るし何より博識だ。
冒険者の嗜みと言っていたけれど、
あたしの出す問いかけもあっさりと解いてしまうのだ。
どんな質問をしてもすぐに答えられてしまって、ちょっと悔しかったな。
まあその後ヤったことも凄かったんだけどね。
……思い出したらまた欲しくなってきちゃったな♪
「ねぇ〜ん、ご主人様ぁ〜ん♪」
まさしく猫なで声でご主人様に擦り寄っていく。
「うん?おいおい、今からじゃ昼休みは終わっちまうだろ?」
「少しくらい大丈夫にゃ、ちょっとだけ、一回だけだからお願いにゃ〜ん♪」
「……だ〜め、またアヌビスさんに怒られちまうぞ」
むう、こうなるとご主人様も頑固だ、……かくなる上は!
「ねえ、ご主人様はあたしのこと……好きかにゃ?」
「なんだよいきなり? そんなの決まって……ッ! お前まさか!?」
「にゃっふっふ〜、もう遅いにゃ、これであたしに襲われるか、自分から襲ってくれるかの二つに一つにゃ、襲ってくれてもいいのにゃよ?」
そう、これは『スフィンクスの呪い』だ。
問いかけに答えられなかった者を強力に魅了するこの呪いにかかれば、
どんな鈍感系ハーレム主人公だろうと一発でメロメロにできるのだ。
答えられちゃったら自分に帰ってくるのが玉に瑕、いや、それもまた良しなのだ!
「まったく、しょうがない奴だな」
ご主人様はふぅとため息をつくと、覚悟を決めたような顔で答えてくれた。
「どうなっても知らんぞ? ……大好きだよ」
「ふ、フニャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン♪」
ああ、自分の呪いながら強力すぎる。
答えを聞いた瞬間、体に電流が走り、胸がキュ〜ンと締め付けられる。
ただでさえ大好きなのに、
それが更に上乗せされるように好きと言う感情が高まっていく、
あ、だめだ、もうがまんできな〜い。
「にゃぁぁぁ、ご主人様ぁ、ご主人様ぁ〜」
ご主人様に飛び掛り、自慢の肉球をぷにぷにと押し付けながら服を脱がせていく。
「お、おい、落ち着け、せめてベッドに」
「いやにゃ! 我慢できないにゃ!」
口では落ち着けと言いながらも、
ズボンを脱がすとあたしの大好物は元気に飛び出てくれた。
「にゅふふ、ご主人様はこれが大好きにゃ〜♪」
肉球でプニプニしてあげながらご主人様の竿をシコシコと擦りあげる。
「う……くぅ……」
「ご主人様、気持ちいいかにゃ〜?」
「ああ……気持ちいいよ」
「にゃ!? うにゃああ!?!?!?」
そうご主人様が答えてくれた瞬間、
大好きがまた勢いを増してあたしに襲い掛かってくる。
しまった、うっかり問いかけを呪いとして放ってしまったんだ。
既に残りカスと言っても良かったあたしの中の理性は、
元々我慢する気が無かったこともあってこれで全て吹き飛んでしまった。
「ご主人様大好き! ご主人様大好き! 好き! 好き! 好きぃ!!!」
「うわ? いきなりどうした?? あ、あああぁぁ!?」
好きがオーバーヒートしそうな頭にもう遠慮なんて無い。
勢いのままに押し倒し、欲しいモノを欲しがっている穴に埋めていく。
「にゃぁぁぁ! 好きぃ! うあぁ……ご主人様ぁ♪」
「くぁ……ま……激しすぎ……る」
この全力の好きを伝えんばかりに、じゅぶじゅぶと力の限り腰を動かし続ける。
「すま……ん、もう出そうだ……」
キャット種の身体能力を余すところ無く使った攻めに、
ご主人様はもう限界を迎えてしまうようだ。
「出してぇ! 大好きなのぉ! いっぱい飲ませてぇ!!!」
「く、イクぞ!!!」
「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♪♪♪」
大好きな人が大好きな肉棒から大好きな精液を出す。
にゃああ……しあわせぇ………………もっとぉ。
「ごしゅじんさまぁ、もっとしてぇ♪」
「お、おい、流石にこれ以上はまずいだろう?」
なにがまずいんだろう、こんなにおいしいのに。
完全にすっ飛んだ頭はこの幸せを感じること以外の機能を停止させてしまったようだ。
「おねがぁい、もっとぉ♪」
「ぐぁ、だめ……だって、時間が……」
どうすればご主人様はもっとしてくれるんだろう。
好きと快楽でとろけきった頭が考えていたことはこれだけだった。
そうだ、ご主人様にも魅了の呪いをかければ良い。
普段そうしてやろうとさまざまな問いかけをしては、
さんざん返り討ちにあっていることすら忘れて、
快楽にとけた頭は普段している問いかけとはちがう問題を導き出す。
「もんだいにゃあ〜♪ あなたはだぁれ?」
「く……なんだそりゃあ?」
いつものきちんとした問答とはちがうこの抽象的すぎる問いかけに、
ご主人様は慌てつつも答えを必死に探しているようだ。
「誰って……名前でも……っく……名乗れば良いのか?」
「にゅふ……ん……そんなんじゃないにゃ〜♪」
「じゃ……あ……人間とか?」
「んっんっ♪ ……それもちがうにゃ……にゃあ♪」
今も動き続けるあたしからの快楽に耐えながら、
答えようと頑張ってるご主人様を見るのも楽しいけれど。
「にゃあ……じかんぎれにゃあ〜♪」
「う……あ!?!?!?」
ご主人様の必死に理性を保とうとしていた顔立ちが、
見る見るとろけた表情に変わっていく。
さあ、抵抗できなくなったご主人様を存分に味わって……
「好きだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「にゃ? にゃああああああああああ???」
突然暴走しだしたご主人様に逆に組み伏せられてしまった。
「ご主人様!? そんな急にぃ?」
「俺だって我慢してたのに! こんなに好きにさせやがって! ああ、大好きだ!!!」
今度はご主人様がじゅぶじゅぶとあたしの中を突き上げてくれる。
ご主人様が、いつもきっちりしていて、
普段だらしないあたしをたしなめてくれるご主人様が、
こんなに激しくあたしを求めてくれてる、ああ、嬉しい!
「ああ……ご主人様ぁ、そんなに……そんなにぃ……あたしのこと……好きぃ?」
「好きだ! 好きだよ! くぅぅ……大好きだ!!!」
「にゃうううう!? 好きぃ! あたしも大好きぃ!!!」
あ……問いかけ……いいよね、もう我慢しなくて良いんだもん。
「ご主人様ぁぁぁ♪ にゃあん♪ ご主人様好きぃ♪ 大好き♪ あたしのこと好き? 好き? 好きぃ?」
「あああああ、好きだ! 好きだ! 大好きだぁぁぁぁぁぁ!!!」
「にゃううう!? 止まらないぃ♪ 好きが止まらないぃぃぃ♪ 大好きぃ♪ 好き? あたしのこと好き? にゃ? んん……ちゅう、ちゅ……ちゅぱ……」
これが答えと言わんばかりに、あたしにキスをしてくれる、でも言葉で返さないと……
「ん、んううううう!?!?!? ……あああぁぁ、好きだ好きだ好きだぁぁぁぁ!!!」
「にゃううう、好き! 大好き! 大好き? 大好きぃぃぃぃぃ♪」
どんどん好きが高まって、動きも激しくなっていく、
ああもうだめだ、気持ちよすぎるぅ♪
「好きぃ♪ 好きぃ♪ にゃあぁ、もうだめぇ♪ イク♪ イキそぉ♪ イキそぉ???」
「ああ! イキそう! イクぞ! 出すぞ! 出すぞ!!!」
ああ、もうすぐ大好きなのがくるぅ♪ 大好きなのがもらえるぅ♪
「にゃああああああああ♪ イクぅぅぅぅぅ♪ 大好きぃぃぃぃぃぃぃ♪♪♪♪♪♪」
「ああああああああああ! 好きだぁぁぁぁ! 大好きだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
出てる……すごい気持ち良い……大好き……♪
「にゃああ……好きぃ……もっとぉ……♪」
「ああ……もっと、もっとしてやる!」
あ……これ……いつ止まれば……好きだから良いかにゃあ……♪
「うにゃ……うにゃあ……?」
意味のない呻き声と共にあたしは目を覚ます。
あれから何発ヤってたんだろう、時間は……日付回って朝だコレ、ありえん。
ご主人様は……まだ眠っている、まああれだけヤれば当然か。
「にゅふふ、ご主人様〜♪」
朝のまどろみのままに大好きなご主人様に体を擦り付ける、ああ、幸せ♪
「……む?」
おっと、どうやら起こしてしまったようだ。
「ご主人様、おはようにゃ」
「あれ?あーっと……そっか、うん、おはよう」
ご主人様も少しぼーっとしていたようだが、少しずつ目が覚めてきたようだ。
「ああもう、あんなになっちまうとは……すごいな、お前の呪い」
「あたしの自慢の力だもん、当然にゃ」
とは言うものの呪いを受けたご主人様が、
あんなにすごいなんて思わなかったんだけどね。
「そういえば……結局あの問いかけの答えはなんだったんだ?」
「んにゃ? まだわからないかにゃ? いつも言ってるのにぃ♪」
「あれから考える余裕がなかったんだよ、しかしいつも言ってるってのは?」
んもう、簡単なのにしょうがないにゃ〜、あたしの……そう、答えは。
「あなたは……あたしのご主人様にゃ♪」
おしまい
「と思っていたのか?」
デデーンな効果音が聞こえてきそうなオーラを出しながら、
マミーたちに連行されたあたしを睨み付けてくるのは他でもない、
この遺跡のもう一人の守護者、アヌビスちゃんだ。
つーか、コレはまずい、完全に怒っている、カンカンだ、目が攻撃色だ。
「旦那といちゃラブしてて、仕事ほったらかしにするのもこれで何度目だ?」
「あ、あの、これは、その……」
「スフィンクスよ……いちゃラブするのは良いが仕事はしろと何度も言ったよなぁ……」
「だって……仕方ないにゃ、旦那がいればシたくなるのは魔物娘として当然で……あたしは悪くにゃい、悪くないにゃあ!」
「…………それが遺言で良いんだな?」
あ、やばい、オワタ。
「今日と言う今日は許さん! 貴様はお仕置きマッスィーン6号機『無能部下全身コチョグリ君ハイパワーカスタム』の刑に処す」
「ちょ、ちょっと待つにゃ、前から思ってたけど部下ってなんだにゃ、アヌビスとスフィンクスは本来同格で……」
「あ〜ん? 聞こえんなぁ? そんな戯言はせめて自分の仕事ぐらいこなしてから言え!」
う……ぐぅの音もでないにゃ……でも……でも……
「おねがいにゃ、それだけは勘弁して……」
「もはや問答無用! ひったてぃ!」
マミーたちがあたしを抱えて運び始める、ドナドナ〜って言ってる場合じゃない!
「まって、マミーちゃん、やめてにゃー!」
「しっとの炎を〜燃やせ〜、アベックたちを〜成敗するぞ〜」
「彼氏がいるなんて〜妬ましい〜妬ましい〜妬ましい〜パルパル〜」
駄目だこいつら……早く何とかしないと……の前にあたしを何とかしないと!
「許してにゃ、お願いにゃ、もうしにゃいから、サボらないからーー!」
そんな叫びも空しく、お仕置き部屋へと運ばれていくあたし。
あ、ほんと勘弁して、ね、お願いだから、あ、ちょ、まって、ま、にゃ……にゃあーー!
終われ
17/04/26 19:25更新 / びずだむ