敏感×敏感
「これで終わりにゃ、いやー、手伝って貰っちゃって悪いにゃ〜」
「いえいえ〜、お気になさらず〜」
荷物運びのお手伝いを終えたあたしに、スフィンクス様が声をかけてくれる。
でも、こうして砂漠の遺跡の雑務をこなすことも、マミーであるあたしの仕事の一部なのだから当然のことなのだ。
「でも、今日は君はお休みの日だったはずだにゃ、なのに手伝ってくれたにゃ」
「いや〜、これだけのお荷物を〜、お一人で運ぶのは大変そうでしたから〜」
運び込まれた荷物は、食べ物や生活必需品、
中々の広さがあるこの遺跡の皆の分ともなると、かなりの量になる。
一人で運ぶとなると、人より強い魔物娘であっても、
相当にくたびれる仕事になっただろう。
「ん〜、偉いにゃ! 感動したにゃ! お礼にコレあげちゃうにゃ!」
スフィンクス様は荷物から袋を一つ取り出し、あたしに渡してくれた。
中身は……色とりどりの野菜、砂漠ではもちろん貴重な食べ物だ。
特に赤い芯を持つ葉物の野菜が目を引く、保存処理のされていない葉っぱの生野菜など、そうそうお目にかかれる物ではない。
「こんな高そうな物〜、受け取れませんよ〜、それにこれは皆の物では〜?」
「大丈夫にゃ、それは個人的に取り寄せた物にゃ、遠慮なく受け取るにゃ」
う〜ん、そう言われても気が引けてしまう、本当に当然のことをしただけなのに……
「これで君のご主人様に美味しい物でも作って褒めてもらうにゃ」
「ありがたく頂戴いたします!」
魔物娘にとって旦那様は何よりも優先されるのだ、あたしは悪くねぇ!
「さ〜て〜、何を作ろうかな〜」
ここは遺跡の中のあたしと旦那様の部屋。
夫を手に入れた娘には、小さいながらも夫婦専用の個室が与えられるのだ。
「野菜炒め〜、煮込むならス〜プとかカレ〜とか〜、せっかくの生野菜だから香辛料をまぜて〜、スパイスサラダなんかもいいかな〜?」
キッチンに並べた食材を、どう料理して見せようか考え込む。
腕によりをかけて美味しい料理を作って、旦那様に美味しいって褒めてもらって、ご褒美に頭撫ででもらったりしちゃってそれで体いっぱい触ってもらっちゃったりしてそれでそれでいっぱいいっぱいシてもらっちゃったりしてイヤンイヤン…………
いかんいかん、落ち着けあたし、素数でも数えて落ち着くんだ。
……さて、まずは目立つあの野菜をどうするか決めようかな。
「葉っぱを使うなら〜、やっぱりサラダかな〜、赤い芯も食べられるのかな〜? ともかく、味も見ておこう〜」
何せ見たこともない野菜だ、どのような物か確かめなければ料理も決めようがない。
芯を包む外側の葉を一枚ちぎって食べてみる。
「お〜、すごくシャキシャキ〜、美味しい〜」
シャクシャクと小気味良い音とともに、
ほんのり甘みを伴う旨みが口いっぱいに広がっていく。
乾燥した保存食の多い砂漠では、まさに新鮮な食感だ。
「うんうん〜、これならサラダに決まりだね〜、あ、もう一枚〜」
あまりの美味しさに、ついもう一枚、葉をかじってしまう。
不思議と一枚目より少し美味しく感じるのは先ほどより内側の葉だからだろうか?
「むぐむぐ、うん、やっぱり内側の葉のほうが美味しいな〜、もうちょっとだけ……」
シャクシャク、シャキシャキ、パリパリモグモグ。
あ、あれ? こんなに食べたら無くなっちゃう……
でも止まらない……なんだか変な感じ……
「ん……もうちょっと〜、あと一口〜、んん……美味しい〜、……?」
なんだろう、体が……なんだかむずむずしてきた。
マミーの敏感な肌を保護するための包帯はしっかり巻いてあるはずなのに、
むしろ包帯のある部分がむず痒くうずいてくる。
「ん……んん……ゴクッ……ああ……こ、これ〜、芯も食べられるの、かな〜?」
無視できないほどに疼きがひどくなり始めても、つまみ食いがやめられない。
包帯を無意識に緩めてしまう、体が暑く火照り、むず痒さに耐えきれない。
心のどこかでおかしいとわかっているのに、葉をつまむ手は止まらず、
不思議な赤い輝きを放つ野菜の芯から目が離せなくなってくる。
「が、我慢、できない〜、もう……だめ、これも、食べる〜」
素肌をさらすことによる敏感な肌の快楽に体を震わせながら、
誘惑するように輝くその芯をとうとうかじってしまった。
グミのように柔らかくも弾力のある食感と、
甘みの濃縮された、果物のような旨みが口いっぱいに広がっていく…………
「ただいまって、なんだ! どうしたんだ!?」
「……!? アナタァァ〜! た、助けてぇ! アナタァ〜〜〜!」
帰ってきてくれた旦那様に必死に助けを求める。
なぜだかよくわからないけれど、
気が付いたら体がむず痒くてむず痒くて、もうどうしようもなくなっていたのだ。
その疼きに耐えられず、包帯もすべて解いてしまい、
ずっと身悶えするしか出来なくなってしまっていた。
「な、何やってるんだよ、オマエは包帯取ったらそうなるに決まっているじゃないか」
「ち、ちがうのぉ〜、いつものとは〜、ああ〜、もうダメ〜、助けて、アナタァ〜」
「よく分からないけど、とにかく包帯を巻き直して、そうだな……アヌビスさんあたりに診てもらわないと」
確かにアヌビス様なら何か分かるかもしれない。
包帯を巻かれるのは辛い状態だけれど、裸で出るわけにもいかないし、
この敏感な肌を少しでも保護するために我慢しなければならないだろう。
床に散らばった包帯を集めてくれた旦那様が、
それを巻き直すためにあたしの肌に触れて……ッ!?
「ヒギャァァァァァァァァァァッァァァァァァッァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!! アァ〜〜!? アァッ!? アァァァァ〜〜〜〜〜!!!」
ナニコレ……? ナニ……コレ……? ア……ダメ…………
「……い……おい! しっかりしろ!」
……ア……うあぁ…………?
あ……あた……し、どうなって……?
「ああ良かった、いきなり叫んで気を失っちまってびっくりしたぜ」
そうだ……あたし、触られて……なんかスゴイのがきて……
スゴクて、スゴクて、分かんなくなって……キモチヨカッタ?
ア……気持ち良かったんだ……触られたトコ……まだジンジンする……キモチイイ。
「で、オマエさ、もしかしなくてもあの葉っぱ食べただろ?」
旦那様が指差したのはさっきまで私が食べていた葉っぱだ。
何故か食べるのをやめられなくて、止まらなくて、
芯などは全て食べ尽くしてしまい、もう葉の切れ端くらいしか残っていなかった。
「本で少しだけ見かけたことがあるんだが、あれはな、まといの野菜って言って、簡単に言えば肌がすごく敏感になる魔力が含まれている、らしいぞ」
まといの野菜、そんな効果のある野菜だったなんて知らなかった。
それのせいなんだ……体がこんなにうずうずするのは。
ちょっと触られただけで、飛んじゃうくらい気持ち良くなっちゃうのは……
これ……これぇ…………
「……も……っと」
「ん? どうした?」
「もっと……もっとして〜、おねがい〜」
もっと触ってほしい、あの感じがもっとほしい。
このうずうずする体を、めちゃくちゃにしてほしい。
「お、おいおい、お前こんなになっちまってるのになにを……」
「体が〜、うずうずしてぇ〜、我慢できないのぉ〜、おねがいだからぁ〜」
何かに触れると身悶えしてしまうほど肌が敏感になってしまっているのに、
旦那様が触れてくれた時のあの快楽が忘れられない。
「ああ〜、うあぁ〜、おねがいですぅ〜、触ってぇ〜、もっとぉ〜」
触ってほしい、触ってほしい、触ってほしい。
頭の中がそれいっぱいで、ほかのことなんて考えられない。
どうなってもいいから、おかしくなっちゃってもいいからぁ、
あたしに、あたしに触ってぇ……
「……………………」
ああ、旦那様が手を伸ばしてきた。
あたしに触れる、触れてくれる。
指が、指が、包帯の無い無防備なあたしの肌に……
ツン
「フギィ!? あ……うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜……」
指で突かれただけで、電気が走るような快感が体に走り、
それが後を引くようにじくじくと体に残り続ける。
「本当にお前は……これだけでそんなになっちまう状態のくせに」
ツン ツンツン
「ヒギィ! ヤァ、アアアアア!!!」
指で突かれる、快楽のツボを的確に押されているみたいにあたしの体が跳ねる。
指先一つでおかしくなっちゃう。
「どうなっても、しらないからな!」
つつ〜〜〜〜〜
「アアアアア!!! アアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!」
ゆ、ゆびぃ、お腹、つつ〜って滑って、
電気がぁ、痺れちゃう、痺れちゃうぅぅ〜
「……なんか、楽しくなってきたな、ほら、これはどうだ!」
「ヒ!?……指ぃ、五本!? ダ……メヒャワァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?!?!?」
あああ、指五本もぉ、体、触られてるぅ、体、這われてるぅ。
指通ったあとゾクゾクして体ビクビクとまらないぃぃぃ!!!
「フ、フフフフフ、これでもか! これでもかぁ!」
「アアアアアアアアアアアアアオッパイィ!!! オッパイィィィィィ!!!
胸ぇ、人差し指で渦を巻くように上ってきてぇ、
ち、乳首、指で、くりんくりんて、たまんないぃ、たまんないよう。
アア……でも……でもぉ……
どこを触られてもイってるのにぃ、
全身ビクビクしてお汁プシャプシャしてるのにぃ……
「…………足りない……もっと、もっとぉ……」
「マジか……ッたく! ほんとしょうがない奴だ、ほら!」
「ッ!?…………ア……ア…………!?!?!?」
だ!? 抱かれ!? 全身!? ダメ!!!!! ア?
……………………………………………
ココドコ? キモチイイ
アタシダレ? キモチイイ
ナニシテルノ? キモチイイ
キモチイイ キモチイイ キモチイイ キモチイイ キモチイイ
キモチイイ キモチイイ キモチイイ キモチイイ キモチイイ
「ゥアア!? アアッアアアア!!! ワアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
気が付けば叫んでた、有らん限りの力で叫んでた。
抱きしめられていた、挿入れられていた。
「キモチイイィィィィィ!!! 旦那しゃまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! キモチイイィィィィィィィィィ!!!!!!!」
「う……あ……すっげぇ……」
触られているところ全部イってる、突かれるたびにそれが弾ける。
全身で感じるおかしくなるほどの旦那様の気持ち良さが、アソコを突かれるたびにドッカンドッカン爆発してるみたい。
「ほ……ら……どう……だ……気持ちいいか!?」
「イイ…………ヒギィイイデスゥ…………アギャヒギィィィィィィィィ!?!?!?」
気持ち良すぎて気絶して、気持ち良すぎて目が覚める。
自分が起きているのか寝ているのかわからないけれど、
もう、どっちも気持ち良すぎてどうでもいい。
「キモチ…………………………イイィィィィィィィィィィィ!!! ……………………イイ! イイィィィィィィィィィィィィ!!!!!」
「わり……凄すぎて……もう……」
快楽の嵐の中で、かすかに旦那様の声を拾う。
こんな状態で、旦那様の精を頂けてしまえたら、
あたし、どうなっちゃうんだろ?
…………でも、止まれるわけがないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!
「うぐ……あ……ダメだ、出すぞ!」
「ア……………………………………………………!?!?!?」
キモチイイ光の中にあたしが消えた。
キモチイイだけで何もわからない。
キモチイイけど大丈夫。
キモチイイ旦那様がきっと抱きしめてくれているから。
キモチイイままでいればいい。
このまま、キモチイイままで、このまま……
やっぱり、もっとぉ♪
おしまい
「で、この様というわけだ」
「「アッハイ、ごめんなさい」」
アヌビスちゃんが怖い。
スフィンクスであるあたしを正座させるほどに怖い。
ちなみに隣でマミーちゃんのご主人様も正座させられていたりする。
「まあ、我ら魔物娘がこの手の事柄でどうこうはならんが、それでも三日は正気には戻らんだろうし、しばらくは安静にさせねばなるまい」
アヌビスちゃんの前には幸せそうにアヘアヘ言ってるマミーちゃんが寝かされてる。
いや〜、本当にイイ顔してらっしゃる、良い事したにゃ〜……うん、まさかここまですごい効果があったとは……やべえやりすぎた。
「さて、二人とも? 何か申し開きはあるかな?」
「あ……」「う……」
これは何を言っても無駄だろう。
どう弁明しても結果は変わってくれない、間違いない。
ちらりと隣を見ると、やっこさんも覚悟を決めたようだ。
ならば、言うべき言葉はただ一つ!
「俺は!」「あたしは!」
「「悪くねぇ!!!!!」」
「…………………………二人ともお仕置き部屋行き!」
「「アイエエエ……」」
ムゴイケジメなので強制終幕
「いえいえ〜、お気になさらず〜」
荷物運びのお手伝いを終えたあたしに、スフィンクス様が声をかけてくれる。
でも、こうして砂漠の遺跡の雑務をこなすことも、マミーであるあたしの仕事の一部なのだから当然のことなのだ。
「でも、今日は君はお休みの日だったはずだにゃ、なのに手伝ってくれたにゃ」
「いや〜、これだけのお荷物を〜、お一人で運ぶのは大変そうでしたから〜」
運び込まれた荷物は、食べ物や生活必需品、
中々の広さがあるこの遺跡の皆の分ともなると、かなりの量になる。
一人で運ぶとなると、人より強い魔物娘であっても、
相当にくたびれる仕事になっただろう。
「ん〜、偉いにゃ! 感動したにゃ! お礼にコレあげちゃうにゃ!」
スフィンクス様は荷物から袋を一つ取り出し、あたしに渡してくれた。
中身は……色とりどりの野菜、砂漠ではもちろん貴重な食べ物だ。
特に赤い芯を持つ葉物の野菜が目を引く、保存処理のされていない葉っぱの生野菜など、そうそうお目にかかれる物ではない。
「こんな高そうな物〜、受け取れませんよ〜、それにこれは皆の物では〜?」
「大丈夫にゃ、それは個人的に取り寄せた物にゃ、遠慮なく受け取るにゃ」
う〜ん、そう言われても気が引けてしまう、本当に当然のことをしただけなのに……
「これで君のご主人様に美味しい物でも作って褒めてもらうにゃ」
「ありがたく頂戴いたします!」
魔物娘にとって旦那様は何よりも優先されるのだ、あたしは悪くねぇ!
「さ〜て〜、何を作ろうかな〜」
ここは遺跡の中のあたしと旦那様の部屋。
夫を手に入れた娘には、小さいながらも夫婦専用の個室が与えられるのだ。
「野菜炒め〜、煮込むならス〜プとかカレ〜とか〜、せっかくの生野菜だから香辛料をまぜて〜、スパイスサラダなんかもいいかな〜?」
キッチンに並べた食材を、どう料理して見せようか考え込む。
腕によりをかけて美味しい料理を作って、旦那様に美味しいって褒めてもらって、ご褒美に頭撫ででもらったりしちゃってそれで体いっぱい触ってもらっちゃったりしてそれでそれでいっぱいいっぱいシてもらっちゃったりしてイヤンイヤン…………
いかんいかん、落ち着けあたし、素数でも数えて落ち着くんだ。
……さて、まずは目立つあの野菜をどうするか決めようかな。
「葉っぱを使うなら〜、やっぱりサラダかな〜、赤い芯も食べられるのかな〜? ともかく、味も見ておこう〜」
何せ見たこともない野菜だ、どのような物か確かめなければ料理も決めようがない。
芯を包む外側の葉を一枚ちぎって食べてみる。
「お〜、すごくシャキシャキ〜、美味しい〜」
シャクシャクと小気味良い音とともに、
ほんのり甘みを伴う旨みが口いっぱいに広がっていく。
乾燥した保存食の多い砂漠では、まさに新鮮な食感だ。
「うんうん〜、これならサラダに決まりだね〜、あ、もう一枚〜」
あまりの美味しさに、ついもう一枚、葉をかじってしまう。
不思議と一枚目より少し美味しく感じるのは先ほどより内側の葉だからだろうか?
「むぐむぐ、うん、やっぱり内側の葉のほうが美味しいな〜、もうちょっとだけ……」
シャクシャク、シャキシャキ、パリパリモグモグ。
あ、あれ? こんなに食べたら無くなっちゃう……
でも止まらない……なんだか変な感じ……
「ん……もうちょっと〜、あと一口〜、んん……美味しい〜、……?」
なんだろう、体が……なんだかむずむずしてきた。
マミーの敏感な肌を保護するための包帯はしっかり巻いてあるはずなのに、
むしろ包帯のある部分がむず痒くうずいてくる。
「ん……んん……ゴクッ……ああ……こ、これ〜、芯も食べられるの、かな〜?」
無視できないほどに疼きがひどくなり始めても、つまみ食いがやめられない。
包帯を無意識に緩めてしまう、体が暑く火照り、むず痒さに耐えきれない。
心のどこかでおかしいとわかっているのに、葉をつまむ手は止まらず、
不思議な赤い輝きを放つ野菜の芯から目が離せなくなってくる。
「が、我慢、できない〜、もう……だめ、これも、食べる〜」
素肌をさらすことによる敏感な肌の快楽に体を震わせながら、
誘惑するように輝くその芯をとうとうかじってしまった。
グミのように柔らかくも弾力のある食感と、
甘みの濃縮された、果物のような旨みが口いっぱいに広がっていく…………
「ただいまって、なんだ! どうしたんだ!?」
「……!? アナタァァ〜! た、助けてぇ! アナタァ〜〜〜!」
帰ってきてくれた旦那様に必死に助けを求める。
なぜだかよくわからないけれど、
気が付いたら体がむず痒くてむず痒くて、もうどうしようもなくなっていたのだ。
その疼きに耐えられず、包帯もすべて解いてしまい、
ずっと身悶えするしか出来なくなってしまっていた。
「な、何やってるんだよ、オマエは包帯取ったらそうなるに決まっているじゃないか」
「ち、ちがうのぉ〜、いつものとは〜、ああ〜、もうダメ〜、助けて、アナタァ〜」
「よく分からないけど、とにかく包帯を巻き直して、そうだな……アヌビスさんあたりに診てもらわないと」
確かにアヌビス様なら何か分かるかもしれない。
包帯を巻かれるのは辛い状態だけれど、裸で出るわけにもいかないし、
この敏感な肌を少しでも保護するために我慢しなければならないだろう。
床に散らばった包帯を集めてくれた旦那様が、
それを巻き直すためにあたしの肌に触れて……ッ!?
「ヒギャァァァァァァァァァァッァァァァァァッァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!! アァ〜〜!? アァッ!? アァァァァ〜〜〜〜〜!!!」
ナニコレ……? ナニ……コレ……? ア……ダメ…………
「……い……おい! しっかりしろ!」
……ア……うあぁ…………?
あ……あた……し、どうなって……?
「ああ良かった、いきなり叫んで気を失っちまってびっくりしたぜ」
そうだ……あたし、触られて……なんかスゴイのがきて……
スゴクて、スゴクて、分かんなくなって……キモチヨカッタ?
ア……気持ち良かったんだ……触られたトコ……まだジンジンする……キモチイイ。
「で、オマエさ、もしかしなくてもあの葉っぱ食べただろ?」
旦那様が指差したのはさっきまで私が食べていた葉っぱだ。
何故か食べるのをやめられなくて、止まらなくて、
芯などは全て食べ尽くしてしまい、もう葉の切れ端くらいしか残っていなかった。
「本で少しだけ見かけたことがあるんだが、あれはな、まといの野菜って言って、簡単に言えば肌がすごく敏感になる魔力が含まれている、らしいぞ」
まといの野菜、そんな効果のある野菜だったなんて知らなかった。
それのせいなんだ……体がこんなにうずうずするのは。
ちょっと触られただけで、飛んじゃうくらい気持ち良くなっちゃうのは……
これ……これぇ…………
「……も……っと」
「ん? どうした?」
「もっと……もっとして〜、おねがい〜」
もっと触ってほしい、あの感じがもっとほしい。
このうずうずする体を、めちゃくちゃにしてほしい。
「お、おいおい、お前こんなになっちまってるのになにを……」
「体が〜、うずうずしてぇ〜、我慢できないのぉ〜、おねがいだからぁ〜」
何かに触れると身悶えしてしまうほど肌が敏感になってしまっているのに、
旦那様が触れてくれた時のあの快楽が忘れられない。
「ああ〜、うあぁ〜、おねがいですぅ〜、触ってぇ〜、もっとぉ〜」
触ってほしい、触ってほしい、触ってほしい。
頭の中がそれいっぱいで、ほかのことなんて考えられない。
どうなってもいいから、おかしくなっちゃってもいいからぁ、
あたしに、あたしに触ってぇ……
「……………………」
ああ、旦那様が手を伸ばしてきた。
あたしに触れる、触れてくれる。
指が、指が、包帯の無い無防備なあたしの肌に……
ツン
「フギィ!? あ……うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜……」
指で突かれただけで、電気が走るような快感が体に走り、
それが後を引くようにじくじくと体に残り続ける。
「本当にお前は……これだけでそんなになっちまう状態のくせに」
ツン ツンツン
「ヒギィ! ヤァ、アアアアア!!!」
指で突かれる、快楽のツボを的確に押されているみたいにあたしの体が跳ねる。
指先一つでおかしくなっちゃう。
「どうなっても、しらないからな!」
つつ〜〜〜〜〜
「アアアアア!!! アアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!」
ゆ、ゆびぃ、お腹、つつ〜って滑って、
電気がぁ、痺れちゃう、痺れちゃうぅぅ〜
「……なんか、楽しくなってきたな、ほら、これはどうだ!」
「ヒ!?……指ぃ、五本!? ダ……メヒャワァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?!?!?」
あああ、指五本もぉ、体、触られてるぅ、体、這われてるぅ。
指通ったあとゾクゾクして体ビクビクとまらないぃぃぃ!!!
「フ、フフフフフ、これでもか! これでもかぁ!」
「アアアアアアアアアアアアアオッパイィ!!! オッパイィィィィィ!!!
胸ぇ、人差し指で渦を巻くように上ってきてぇ、
ち、乳首、指で、くりんくりんて、たまんないぃ、たまんないよう。
アア……でも……でもぉ……
どこを触られてもイってるのにぃ、
全身ビクビクしてお汁プシャプシャしてるのにぃ……
「…………足りない……もっと、もっとぉ……」
「マジか……ッたく! ほんとしょうがない奴だ、ほら!」
「ッ!?…………ア……ア…………!?!?!?」
だ!? 抱かれ!? 全身!? ダメ!!!!! ア?
……………………………………………
ココドコ? キモチイイ
アタシダレ? キモチイイ
ナニシテルノ? キモチイイ
キモチイイ キモチイイ キモチイイ キモチイイ キモチイイ
キモチイイ キモチイイ キモチイイ キモチイイ キモチイイ
「ゥアア!? アアッアアアア!!! ワアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
気が付けば叫んでた、有らん限りの力で叫んでた。
抱きしめられていた、挿入れられていた。
「キモチイイィィィィィ!!! 旦那しゃまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! キモチイイィィィィィィィィィ!!!!!!!」
「う……あ……すっげぇ……」
触られているところ全部イってる、突かれるたびにそれが弾ける。
全身で感じるおかしくなるほどの旦那様の気持ち良さが、アソコを突かれるたびにドッカンドッカン爆発してるみたい。
「ほ……ら……どう……だ……気持ちいいか!?」
「イイ…………ヒギィイイデスゥ…………アギャヒギィィィィィィィィ!?!?!?」
気持ち良すぎて気絶して、気持ち良すぎて目が覚める。
自分が起きているのか寝ているのかわからないけれど、
もう、どっちも気持ち良すぎてどうでもいい。
「キモチ…………………………イイィィィィィィィィィィィ!!! ……………………イイ! イイィィィィィィィィィィィィ!!!!!」
「わり……凄すぎて……もう……」
快楽の嵐の中で、かすかに旦那様の声を拾う。
こんな状態で、旦那様の精を頂けてしまえたら、
あたし、どうなっちゃうんだろ?
…………でも、止まれるわけがないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!
「うぐ……あ……ダメだ、出すぞ!」
「ア……………………………………………………!?!?!?」
キモチイイ光の中にあたしが消えた。
キモチイイだけで何もわからない。
キモチイイけど大丈夫。
キモチイイ旦那様がきっと抱きしめてくれているから。
キモチイイままでいればいい。
このまま、キモチイイままで、このまま……
やっぱり、もっとぉ♪
おしまい
「で、この様というわけだ」
「「アッハイ、ごめんなさい」」
アヌビスちゃんが怖い。
スフィンクスであるあたしを正座させるほどに怖い。
ちなみに隣でマミーちゃんのご主人様も正座させられていたりする。
「まあ、我ら魔物娘がこの手の事柄でどうこうはならんが、それでも三日は正気には戻らんだろうし、しばらくは安静にさせねばなるまい」
アヌビスちゃんの前には幸せそうにアヘアヘ言ってるマミーちゃんが寝かされてる。
いや〜、本当にイイ顔してらっしゃる、良い事したにゃ〜……うん、まさかここまですごい効果があったとは……やべえやりすぎた。
「さて、二人とも? 何か申し開きはあるかな?」
「あ……」「う……」
これは何を言っても無駄だろう。
どう弁明しても結果は変わってくれない、間違いない。
ちらりと隣を見ると、やっこさんも覚悟を決めたようだ。
ならば、言うべき言葉はただ一つ!
「俺は!」「あたしは!」
「「悪くねぇ!!!!!」」
「…………………………二人ともお仕置き部屋行き!」
「「アイエエエ……」」
ムゴイケジメなので強制終幕
15/05/02 23:54更新 / びずだむ