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トレジャーハンターと一体のドラゴン(番外編)
ここは、とある山奥にある洞窟。

そこに棲む一体のドラゴンが集めている宝を求め、幾多のトレジャーハンターがこの洞窟へ足を運んでいた。

だが、その内部は幾多の分かれ道がある為、途中で力尽き、或いは挫折し、引き返した者も多く、最深部までたどり着けた者は未だ誰もいなかった。


そんな中、たった一人だけこの複雑な自然迷宮を攻略し、最深部へたどり着いた者が居た。


これは、その男が味わった、悪夢のようなとんでもない災難話である・・・



***最深部・ドラゴンの間***


「さ〜て、ようやく最深部に到着したわけだが・・・・え〜っと、お宝は・・・っと、あったあった♪」

男が奥まで進むと、隅の方に無造作に宝が山積みにされているのを見つけた。

「で、後はドラゴンに勝って、嫁にして帰る訳だが・・・・?」


男が内部を捜索するも、肝心のドラゴンの姿が何処にも見えない。一体何処へ行ってしまったのだろうか?


「くくく・・・愚かな人間よ、よくぞこの最深部へたどり着いたな・・・」


すると突然、何処からともなく透き通るような声が聞こえて来た。



「どこだ!どこに居る!姿を見せろッ!!」

男が再び辺りを見渡しながら声を上げる。と、山積みになった宝のさらに奥から、ドラゴンらしき姿が見えた!


ばば〜ん!(効果音) 

“ドラゴンが現れたッ!!”



「いっひっひ・・・お前さんも物好きよのぉ〜、そんなにワシに会いたかったんかえ?」


・・・出てきたのは年老いたドラゴン。ご丁寧に杖まで突いてます(笑)


「・・・って、ええええ〜!?」


じゃあ、あの声は何!?どっからあの声出したんですかアンタは!?


「何じゃ?何をそんなに驚いておる?・・・あぁ、あの声の正体かや?ほっほ、これぢゃよ。ワシの自慢の宝物ぞえ♪」

そういってババゴンが杖を突いてないほうの手で持っていたものを見せてきた。え?それって、蝶ネクタイ?

・・・・何か、どこかで見たような気がするが、きっと気のせいだ。


「この数千年の間、誰もこの最深部へは入って来れなんだから、ワシもすっかり年を取ってしもうたわい」


アア、サイデスカ、ソウデスカ。


「じゃが、やっとワシにも春が来たわい♪」

杖と蝶ネクタイをポイと投げ捨て、頬を赤く染め、シワシワの手をワキワキさせながら迫ってくるババゴン。


ヤメテ、コナイデ、トイウカ、トシガイモナクホオヲソメナガラ、テヲワキワキシナイデ、オネガイシマスカラ。


「と言う訳で、オヌシの精をたんまりいただくぞい♪」


まるでキスをせがむ様な顔で、男に向かって飛んでくるババゴン。


「うわぁ〜〜〜!!もう嫌だぁ〜〜〜〜!!俺、もうトレジャーハンターなんてやめてやる〜!!うわぁ〜〜ん!!!」

男は泣きながら一目散に逃げ出した!!

「あぁん、何処へ行くのぢゃ〜!待たんか〜!ワシのダ〜リ〜ン!!」

「イ〜〜〜〜ヤ〜〜〜〜〜〜!!!」



この後、男とババゴンの追いかけっこは両者が力尽きるまで終わらないのであった・・・



*************




「・・・と言う夢を見たんだ。」

「貴方、大丈夫?顔色悪いわよ?じゃあ、今日のお弁当は何か元気の出るもの作って持って行ってあげるわね」

「・・・サンキュー」

嫁のドラゴンは笑顔が可愛くて、良く気が利く優しいドラゴンでよかった・・・

あぁ、ピンクのフリフリエプロンが今日も良くお似合いだ・・・



・・・夢オチで良かったよ(笑)
12/09/07 19:10更新 / 四爺麓参

■作者メッセージ
実は夢オチでしたっていう(笑)

はい、とても深く反省しております。
自分には熟女なドラゴンは難しすぎて書けませんでした・・・orz
熟女なドラゴンを書いていたつもりが、いつの間にやらこんなギャグモノに(汗)

・・・どうしてこうなった。



なお、アウトだった場合や不快に感じる方がおられましたら即抹消します。

また、処女作の続編については考案中なので、気長にお待ちください(泣)

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