ルート１
「う…寝てた…夢…？」
風が木々を吹き抜ける音で目を覚ます。
身体がだるく、しばらくボーっとしていたが、今までの事を思い出してきて目を見開く。
「クーツィア!?」
そして己の腕の中の少女を抱き起し必死で声を掛ける。
深く眠ってしまったかの様に目を閉じている彼女…クーツィアを見て、大量の涙が溢れかえる。
「あぁ…そんな…そんなぁ……う"…うぁぁああーーーー!!あ"ぁ"あ"ぁ"ぁ"ーー!!」
ニクスはクーツィアを抱きしめて泣いた。辺りも気にせず子供のように大声で泣きじゃくった。
「…そんなに抱き締められて泣かれると流石に恥ずかしいよ…。」
「えっ!?えっ!?」
突如目の前からそんな声がした。
錯乱してニクスは必死に辺りを見渡すが、誰もいないのを見て半狂乱になる。腕の中の少女を守る様に、或（ある）いは宝でも護るかの様に強く抱き締めてあらゆる方向に首を動かした。
「ここだよ、全くどこを見てるのさ？」
「え…えぇ…？」
右左と止めどなく動くニクスの頭を、腕の中の少女ががっちりと両手で頬を持って固定させた。
ニクスは信じられないと言わんばかりに口を開けて放心する。
「なんて言えばいいのかな…。まずは…心配させてごめんね？」
申し訳なさそうに且（か）つ、バツが悪そうに桃色の瞳を背けながら少女が謝った。
しばらく二人の間で沈黙が流れる。
「クーツィア!!本当にクーツィア!!!」
「ちょ、ちょっとそんな泣きながら……本当に恥ずかしいよ…///」
ニクスの絶望しきった瞳に光が戻り、絶対に離さないと更に強く抱き締めまた啜（すす）り泣きを始めた。
クーツィアはそれに対してひどく恥ずかしそうに頬を紅潮させていたが、本気で嫌がっている様子はない。寧（むし）ろ慈愛と嬉々（きき）とした笑みを浮かべてニクスの黒い髪を撫でた。
「でも…嬉しいんだからいいけど、なんで死にそうだって言ってたのにその……元気なの??」
「それはぼくですらわからないんだ。いや…なんとなくでしかわからないから確信に変えたい。」
そう言ってクーツィアは名残惜しげに抱擁（ほうよう）から抜けると、魔力を纏わせたかのように全身が俄（にわ）かに発光する。すると出血こそしていないが、全身に夥（おびただ）しく痛々しい生傷が露わになった。
ニクスの顔が明らかに引き攣（つ）る。しかし唯引き攣るだけでなく、クーツィアを傷つけられたことに対する怒りも帯びていた。
「こんな身体だったの…？」
「痛々しいでしょ？だから魔法で隠してた。それじゃちょっと失礼…チュッ♥」
「んん!?///」
「チュパッ…プッ…レロォレルッ♥///」
クーツィアはそう言うと徐（おもむろ）にニクスの唇を奪った。それだけではない。舌を器用に使って唇を抉（こ）じ開け、その中の舌を淫（みだ）らに絡め舐（ねぶ）った。
二人に脳を焼き尽くさん限りの快感が走る。
「ん…ぐ…ぷはっぁ…」
突然ディープキスを止められてニクスは切なげな声が漏れる。
半ば不服そうにクーツィアを見つめるが、その身体の変化に今日一番の驚きを受ける。
痛々しい斬り傷がみるみる薄くなっていっているのだ。
「うん、やっぱりそうだ。ぼくが助かったのは君のお陰だね。」
「えぇ!?俺っ!?」
「そう、君は知っているかどうか知らないけど…魔物は魔王が代替わりした際の魔力の影響で変化した。人に『愛』を求める存在に。」
そう説明を始めながらニクスに抱き付き、優しく唇を合わせた。
「ん…♥…そしてその魔物は好いた人間相手の精を受ける事によって、爆発的に力を身に着ける。それは中途半端に影響を受けたぼくたちドラゴンも例外ではない…チュッ♥」
再度唇を合わせ離す。ニクスはクーツィアの傷が治っていくのを確認する。
クーツィアは口にできた銀色の糸を弄（もてあそ）びながら告げる。
「簡単に言うよ？ニクスがぼくを愛してくれて、ぼくがニクスを愛することが出来たから、ぼくはぼく一人で治せなかった傷を治すことが出来た…命を取り留めることが出来たんだ…！」
にっこり笑いと、そして桃色の瞳に涙を浮かばせてニクスの両手を取った。
「ぼくの命を救ってくれてありがとう…ニクス！」
そしてどちらからともなく今日何度目かの抱擁をした。
「あ…ニクスこれまた…///」
そう言ってクーツィアは突き飛ばす様にニクスを離す。その目線の先は、ニクスの股間だ。
「あ、愛し合う事で傷が治ると言うなら、い…今すぐしようか！///」
ニクスは顔を真っ赤にしながらも、恥のついでと言わんばかりに開き直ってクーツィアを押し倒した。
「い、今すぐ!?大丈夫だよ!!もう命の危険はないから、そんな焦らないでっ！」
「でも早くきれいな身体を見てみたい！直接舐めたりすれば早く治るかも…///」
「そんなことない!!そんなこと多分ないからちょっと待っ…あひゃんっ!!♥」
腹部の刺し傷を舐められてクーツィアはつい喘ぎ声を漏らした。舐められた傷がまるで魔界銀の武器で貫かれたように疼く。否、それ以上にサンダーバードの電撃をより甘く激しくしたような快感に、全身が痺れて力が抜けた。
「顔には全然傷がないんだね。ペロペロ」
「あうぅん♥顔はぁ、斬られない様にっ♥上手く躱（かわ）してたから…♥」
「そうか。よかった、可愛い顔に傷がなくて。…おっぱいも斬られちゃったんだね。早く治ると良いね。ペロ…レロ」
「んぁ〜〜♥そこらめぇー♥」
左胸の斬り傷を舐められて、遂に呂律も回らなくなる。
「はぁはぁ、クーツィアっておっぱい弱いよね…ここも舐めてもっときれいに…ペロ…ピチャ…ジュルルルルッ!!」
「っーー♥♥そこはきずできてにゃい♥すっちゃやら♥ちがう♥♥やっぁあっー♥♥♥」
無傷な薄桃色の乳首を舐め回されて、止（とど）めと言わんばかりに吸われて絶頂した。
クーツィアは仰向けに倒れると、呼吸も整わず蕩（とろ）けた表情が治りきらぬままニクスの首を尻尾で軽く締め上げて睨みつけた。
「はぁはぁ、調子乗り過ぎ…何かいう事は？///」
「ごめん、可愛くってエロくって…調子乗りました。///」
「もぅ…キスしたら許す…///」
そう言って睨むのを止め微笑むとニクスを離した。
解放されたニクスはクーツィアを起こし、その顔に両手をそっと添える。そして謝罪の意味も込めて深く優しく唇を重ねた。
「プハッ…クーツィアってキス好きだよね？」
「好きなものは仕方ないでしょ？一番あ…愛を感じれるから…///」
「なぁ、もう我慢の限界なんだ…。このまま最後までしてもいい？///」
そう言いつつニクスは自らの服を乱暴に脱ぎ始めた。
クーツィアはそれに対して生唾を飲み込むも、目を逸らしながらとりあえず抗議した。
「…我慢って、最初から我慢なんてしてなかっただろぅ？もう…し、仕方ないから…しよう…か///」
「クーツィア！」
「きゃっ！？///」
今だ尚ぎこちなく恥らうクーツィアに辛抱堪らず、ニクスは再度押し倒した。そしてまじまじとその身体を眺めた。
最初に明かした時のグロテスクで生々しい傷は、まだまだ傷跡として目立ち残っているものの全て治っていた。
「きれいだよ、クーツィア…」
「言葉だけでなく行動で表してよ…///」
「ならそのお望み通り…」
「はぁん♥」
ニクスがクーツィアの豊かな乳房を鷲掴みにする。掌よりも遥かに大きなそれをタプタプと上下左右に弄ぶ。
更に親指と薬指で輪を作ると、ぷっくりと膨らむ乳輪に差し込んで締めたり引っ張る。そして更に人差し指と中指を器用に扱い、ピンと突き出た乳首を弾（はじ）いたり挟（はさ）んだり、捏（こ）ね繰り回した。
「んぁあっ♥ニクスってぼくの胸好きだね…///」
「そりゃぁもう、こんなにも大きいのに形も色もきれいで…ある意味極上のお宝だよ！」
「なら、そんな極上の宝を…もっと君の手で磨いて♥」
その言葉に更に火がついて、彼女の乳首にむしゃぶりつく。
己の性欲を満たす為、丁寧でいて激しく乳房を弄び尽くす。
「ニクス、君のも…君のも見せてよ！♥」
「あぁ、存分に見て!!///」
ニクスは名残惜しげに乳房から手を離すと脱ぎ捨てた衣服を地面に敷いて横になる。
クーツィアはそそり立つ男根をまじまじ見つめると、右手を添えて咥えこんだ。
（クーツィアのフェラ…やっぱ気持ちいい…上手だ）
「クーツィア…もう出そうだ…///」
「プァッ…なら、ここに…♥」
口を離すと立ち上がり、そして男根の上ヘと腰を下ろし始めた。
「さぁ存分に…ぼくで気持ち良くなって♥ふぁーー〜〜♥♥♥」
「あぁっ!!これヤバッ!!!///」
クーツィアは一気に腰を落とした。プチュンッと淫らな水音を立てて秘所に深々と突き刺さり、お互いに絶頂を迎えた。クーツィアはそのままガクガクと震えながらニクスにヘタリと倒れ込む。
「クーツィア…大丈夫？///」
「大丈夫ではないかも…足…力入んない…♥///」
クーツィアは蕩けて尚健気に笑顔を向けながら、プルプルと痙攣（けいれん）して告げる。その様子に、ニクスの身体は瞬く間に復活してしまった。
「クーツィアごめん！クーツィアが可愛すぎてもう…このまま動くよ!!♥」
「えっ!?えっ!!?待っ!!!−−−♥♥♥」
下から男根で突き上げられ、身体を仰け反らせて声にならない嬌声を上げる。
「あぁっ！あぐっ!!///」
ニクスは喘ぎ声を上げながら仰け反るクーツィアの太腿をがっちり掴み、獣の様に何度も突き上げた。
「あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥」
突き上げられる度に意識が飛びそうになり、乳房がブルンブルンと暴れる。
「うっ！ふっ！クーツィア！もっ…イクよ！出すよっ！！///」
「はぁっ♥んぁっ♥だしってっ♥♥」
そしてクーツィアの一番深い所で二度目の射精が果たされた。
クーツィアは再度ニクスの胸元に倒れ込んだ。
「…うっ…グス…」
「！クーツィア泣いてるのっ!!えっとその…無理やり犯ってごめん!!」
ニクスが余韻に浸っていると、クーツィアから啜り泣く声を聴いて驚愕し、反射的に謝罪した。
「違うの…これは…グス…嬉し涙。…嬉し涙とかいろいろ…。」
そう言って涙を拭い、落ち着かせるようにキスをした。
「これも知ってるかどうか知らないけど、ぼくたちドラゴンは死んだ際に強烈な未練が残るとアンデッドとして蘇ってしまうのさ。そうなったら最後、誇りもなく男を求めるだけのドラゴンゾンビに成り果ててしまう。…あのまま誰にも見つからず命を落とせば、きっとそのまま死に切ることが出来たであろう…。でも、もしドラゴンゾンビになっていたらって…そう思うと怖くて……。ニクス…」
潤んだ瞳で微笑むと、ニクスに頬擦りをして囁いた。
「ぼくを見つけてくれて本当にありがとう…大好きだよ…。」
それを聴いて、ニクスの涙腺も決壊する。
「それを言うなら俺の方だ。君を失わなくてよかった…愛してる。」
そして二人はまた口付けを交わした。
しばらくお互いに抱き合い寝転がっていたが、ニクスが起き上がってその場に座った。
何事かとクーツィアも無言で起き上がったが、その瞬間ニクスに仰向けに寝かし付けられた。上半身だけ起き上がらせると、腰に手を添えられるのを確認してコロンと寝転がった。
「いい…の？」
「うん、いいんだよ。言いそびれてたけどぼくはとっくに君に負けてるつもりなんだ。…負けたドラゴンはどうなるか知ってる？」
「どう…なるの？///」
「御主人様に逆らえないエッチなメストカゲになるんだよ？」
クーツィアがまるで主人を求める様に両手を伸ばす。
「じゃあ…いくよ？」
「きて…。」
そうしてクーツィアの秘所に男根を挿入した。
二人の甘い声が森に響く。
「クーツィア…可愛いよクーツィア！///」
「んゃあぁ♥首噛まないでぇ♥」
ニクスが何をしたら悦ぶかと試す為に乳房を弄び、左首筋に軽く歯を立てた。
しかし何をしてもキュキュッと男根を締め付けられるので、次第に嗜虐心を強くさせていった。
そして遂にどちらかが絶頂を迎える前に男根が秘所から引き抜かれた。
「ぇ…？」
クーツィアから切なげな声が漏れる。それだけでニクスはもっと虐（いじ）めたい衝動に掻き立てられるが、グッと堪えてクーツィアに強請（ねだ）る。
「クーツィア、君のおっぱいで俺のを挟んでしごいてほしい。」
「え…？えっ!?///」
意味を理解してクーツィアの顔がボッと真っ赤に染まった。
「さぁ早く。」
「ま、待ってよ！///するっ！するけど一ついい!?ぼくこんなにおっぱい大きいけど人間に換算すると12〜13歳の子供だよ!?尊厳はないのっ!?」
「………尊厳以上に君を恥ずかしがらせたい。」
数秒の沈黙の後出された答えに、クーツィアは最早何も言えなくなる。
ニクスはクーツィアから放たれる失望や憐（あわ）れみ、蔑（さげす）みといった眼差しに何故か快感を覚えてしまった。
「さぁ、一思いに俺のに振り下すんだ。///」
「わ、わかったから…いくよ？///」
そうして再度強要すると、覚悟を決めたクーツィアが、一思いに乳房が男根の上にズシリッと落とした。
「あぅっぐっ!!///」
「気持ちいいの!?これほんとに気持ちいいのっ!?///」
「あぁ、気持ちいいよ！もっと動かしてっ///」
男根は乳房に埋もれて亀頭部のみが僅かに顔を出していた。そして男根から伝わる得も言えない快楽に、ニクスは懇願する。
「気持ちいいんだ…ねぇ、どうしたらもっと気持ちいいか教えてっ///」
クーツィアはぎこちなく男根を擦り合わせて押しつぶして行為に臨むも、いまいち自信がなくてニクスに問い掛けた。
「それじゃあはみ出た亀頭をしゃぶって///」
「わ、わかった…いくよ…ジュル…」
「ひわぁっ!!///それヤバいっ!!///」
ニクスは乳房に挟まれる感覚と咥えられる感覚を同時に受けて、今まで一番情けない喘ぎ声を上げた。
「ンチュッ…チュピッ♥」
その反応に嬉しく思ったのか、行為の速度が徐々に上がっていく。
「クーツィアもうっもうむりっ///」
「ほーふり？ほれひゃあへんりょなふ…はひてね♥」
咥えたままそう言うと同時に、ニュパンッと弾けた音と共に男根が乳房で潰された。
凄まじい快楽に意識を混濁（こんだく）させながら、ニクスは射精した。その威力の程も甚大で、咥えていたクーツィア思わず放しその顔を白く染め上げてしまった。
ニクスは射精の余韻に放心していると、心配そうにクーツィアが顔を覗きこんでいた。
「大丈夫？」
「あぁ…ちょっと気を失ってた？」
「うん、凄い気持ちよさそうだった。でも…その…ぼくは…///」
そう言い淀んで顔を背けるともじもじしだした。どうしたのかと顔を覗こうとすると、クーツィアの股から愛液が止めどなく滴っているのを見つけてしまう。
瞬間、男根が臨戦態勢に戻り、それを見てクーツィアが悲鳴を上げた。
「ねぇほんとに大丈夫!?勃起のしすぎで死んじゃったりしないっ!?///」
「俺はクーツィアを残して死んだりなんかしないよ。」
「なっ!?♥…もぅそんなの卑怯だよ…♥」
「これで最後だから…最後は一緒に気持ち良くなろう？///」
「先にイッたりしたら許さないから…♥」
そう言って向かい合い唇を合わせると同時に、秘所に男根が挿入された。
「クーツィアって12〜13歳なのに乳首をコリコリこんなに勃起させて…本当にエッチな子だね。///」
「いやぁー！摘ままないでっ♥言わないでっ♥」
ニクスの乳首責めと言葉責めに、クーツィアはゾクゾクと悶（もだ）えた。
それを愉（たの）しくも嬉しくも思ったニクスは、動きも言葉もヒートアップさせていった。
「はぁっはぁっ！…そんなエッチなクーツィアが好きだ！健気に心配してくれるクーツィアが好きだ！可愛いクーツィアが好きだっ！それから、…それから…どうしよう!?俺クーツィアのこと全然知らないっ！///」
「んぁあっ！♥なら知ってっ!!ぼくは物知りっ！ニクスよりも物知りなんだからあぁっ!!♥///」
ニクスに当てられて遂にクーツィアも腰を振り始めた。
「なら頭も良くて物知りなクーツィアが好きだ！大好きだっ!!///」
「ぼくも好きぃーっ!!♥どんなお宝や宝石よりも大好きーっ!!♥」
お互いに愛を語り合い、愛欲のまま森に淫らな水音を響かせた。その激しい二人の動きは正に、愛を確かめ満たし合う魔物同士のものであった。
「クーツィア！俺の街は最近、親魔物領入りしたんだ！だから…一緒に棲もう！」
「うん！棲もう！どこまでもついてく!!♥」
限界が近づき更に動きが激しくなる。クーツィアの身体に、もう一片の傷跡もない。
「ねぇ、ぼくのっ♥言った約束っ覚えてるっ!?♥」
「覚えてるよっ！せーので…言おうかっ!?」
「うん！せーの…」
「「死ぬまで一緒にいよう!!♥」」
二人はお互いの黒と桃の瞳を覗き合い、これからの事を想って微笑んだ。
これから待つ、孤独のない幸せで輝く生活に夢を見て。
「ずーっとずーっと一緒だよ…ぼくの大切な宝石…♥」
おわり
風が木々を吹き抜ける音で目を覚ます。
身体がだるく、しばらくボーっとしていたが、今までの事を思い出してきて目を見開く。
「クーツィア!?」
そして己の腕の中の少女を抱き起し必死で声を掛ける。
深く眠ってしまったかの様に目を閉じている彼女…クーツィアを見て、大量の涙が溢れかえる。
「あぁ…そんな…そんなぁ……う"…うぁぁああーーーー!!あ"ぁ"あ"ぁ"ぁ"ーー!!」
ニクスはクーツィアを抱きしめて泣いた。辺りも気にせず子供のように大声で泣きじゃくった。
「…そんなに抱き締められて泣かれると流石に恥ずかしいよ…。」
「えっ!?えっ!?」
突如目の前からそんな声がした。
錯乱してニクスは必死に辺りを見渡すが、誰もいないのを見て半狂乱になる。腕の中の少女を守る様に、或（ある）いは宝でも護るかの様に強く抱き締めてあらゆる方向に首を動かした。
「ここだよ、全くどこを見てるのさ？」
「え…えぇ…？」
右左と止めどなく動くニクスの頭を、腕の中の少女ががっちりと両手で頬を持って固定させた。
ニクスは信じられないと言わんばかりに口を開けて放心する。
「なんて言えばいいのかな…。まずは…心配させてごめんね？」
申し訳なさそうに且（か）つ、バツが悪そうに桃色の瞳を背けながら少女が謝った。
しばらく二人の間で沈黙が流れる。
「クーツィア!!本当にクーツィア!!!」
「ちょ、ちょっとそんな泣きながら……本当に恥ずかしいよ…///」
ニクスの絶望しきった瞳に光が戻り、絶対に離さないと更に強く抱き締めまた啜（すす）り泣きを始めた。
クーツィアはそれに対してひどく恥ずかしそうに頬を紅潮させていたが、本気で嫌がっている様子はない。寧（むし）ろ慈愛と嬉々（きき）とした笑みを浮かべてニクスの黒い髪を撫でた。
「でも…嬉しいんだからいいけど、なんで死にそうだって言ってたのにその……元気なの??」
「それはぼくですらわからないんだ。いや…なんとなくでしかわからないから確信に変えたい。」
そう言ってクーツィアは名残惜しげに抱擁（ほうよう）から抜けると、魔力を纏わせたかのように全身が俄（にわ）かに発光する。すると出血こそしていないが、全身に夥（おびただ）しく痛々しい生傷が露わになった。
ニクスの顔が明らかに引き攣（つ）る。しかし唯引き攣るだけでなく、クーツィアを傷つけられたことに対する怒りも帯びていた。
「こんな身体だったの…？」
「痛々しいでしょ？だから魔法で隠してた。それじゃちょっと失礼…チュッ♥」
「んん!?///」
「チュパッ…プッ…レロォレルッ♥///」
クーツィアはそう言うと徐（おもむろ）にニクスの唇を奪った。それだけではない。舌を器用に使って唇を抉（こ）じ開け、その中の舌を淫（みだ）らに絡め舐（ねぶ）った。
二人に脳を焼き尽くさん限りの快感が走る。
「ん…ぐ…ぷはっぁ…」
突然ディープキスを止められてニクスは切なげな声が漏れる。
半ば不服そうにクーツィアを見つめるが、その身体の変化に今日一番の驚きを受ける。
痛々しい斬り傷がみるみる薄くなっていっているのだ。
「うん、やっぱりそうだ。ぼくが助かったのは君のお陰だね。」
「えぇ!?俺っ!?」
「そう、君は知っているかどうか知らないけど…魔物は魔王が代替わりした際の魔力の影響で変化した。人に『愛』を求める存在に。」
そう説明を始めながらニクスに抱き付き、優しく唇を合わせた。
「ん…♥…そしてその魔物は好いた人間相手の精を受ける事によって、爆発的に力を身に着ける。それは中途半端に影響を受けたぼくたちドラゴンも例外ではない…チュッ♥」
再度唇を合わせ離す。ニクスはクーツィアの傷が治っていくのを確認する。
クーツィアは口にできた銀色の糸を弄（もてあそ）びながら告げる。
「簡単に言うよ？ニクスがぼくを愛してくれて、ぼくがニクスを愛することが出来たから、ぼくはぼく一人で治せなかった傷を治すことが出来た…命を取り留めることが出来たんだ…！」
にっこり笑いと、そして桃色の瞳に涙を浮かばせてニクスの両手を取った。
「ぼくの命を救ってくれてありがとう…ニクス！」
そしてどちらからともなく今日何度目かの抱擁をした。
「あ…ニクスこれまた…///」
そう言ってクーツィアは突き飛ばす様にニクスを離す。その目線の先は、ニクスの股間だ。
「あ、愛し合う事で傷が治ると言うなら、い…今すぐしようか！///」
ニクスは顔を真っ赤にしながらも、恥のついでと言わんばかりに開き直ってクーツィアを押し倒した。
「い、今すぐ!?大丈夫だよ!!もう命の危険はないから、そんな焦らないでっ！」
「でも早くきれいな身体を見てみたい！直接舐めたりすれば早く治るかも…///」
「そんなことない!!そんなこと多分ないからちょっと待っ…あひゃんっ!!♥」
腹部の刺し傷を舐められてクーツィアはつい喘ぎ声を漏らした。舐められた傷がまるで魔界銀の武器で貫かれたように疼く。否、それ以上にサンダーバードの電撃をより甘く激しくしたような快感に、全身が痺れて力が抜けた。
「顔には全然傷がないんだね。ペロペロ」
「あうぅん♥顔はぁ、斬られない様にっ♥上手く躱（かわ）してたから…♥」
「そうか。よかった、可愛い顔に傷がなくて。…おっぱいも斬られちゃったんだね。早く治ると良いね。ペロ…レロ」
「んぁ〜〜♥そこらめぇー♥」
左胸の斬り傷を舐められて、遂に呂律も回らなくなる。
「はぁはぁ、クーツィアっておっぱい弱いよね…ここも舐めてもっときれいに…ペロ…ピチャ…ジュルルルルッ!!」
「っーー♥♥そこはきずできてにゃい♥すっちゃやら♥ちがう♥♥やっぁあっー♥♥♥」
無傷な薄桃色の乳首を舐め回されて、止（とど）めと言わんばかりに吸われて絶頂した。
クーツィアは仰向けに倒れると、呼吸も整わず蕩（とろ）けた表情が治りきらぬままニクスの首を尻尾で軽く締め上げて睨みつけた。
「はぁはぁ、調子乗り過ぎ…何かいう事は？///」
「ごめん、可愛くってエロくって…調子乗りました。///」
「もぅ…キスしたら許す…///」
そう言って睨むのを止め微笑むとニクスを離した。
解放されたニクスはクーツィアを起こし、その顔に両手をそっと添える。そして謝罪の意味も込めて深く優しく唇を重ねた。
「プハッ…クーツィアってキス好きだよね？」
「好きなものは仕方ないでしょ？一番あ…愛を感じれるから…///」
「なぁ、もう我慢の限界なんだ…。このまま最後までしてもいい？///」
そう言いつつニクスは自らの服を乱暴に脱ぎ始めた。
クーツィアはそれに対して生唾を飲み込むも、目を逸らしながらとりあえず抗議した。
「…我慢って、最初から我慢なんてしてなかっただろぅ？もう…し、仕方ないから…しよう…か///」
「クーツィア！」
「きゃっ！？///」
今だ尚ぎこちなく恥らうクーツィアに辛抱堪らず、ニクスは再度押し倒した。そしてまじまじとその身体を眺めた。
最初に明かした時のグロテスクで生々しい傷は、まだまだ傷跡として目立ち残っているものの全て治っていた。
「きれいだよ、クーツィア…」
「言葉だけでなく行動で表してよ…///」
「ならそのお望み通り…」
「はぁん♥」
ニクスがクーツィアの豊かな乳房を鷲掴みにする。掌よりも遥かに大きなそれをタプタプと上下左右に弄ぶ。
更に親指と薬指で輪を作ると、ぷっくりと膨らむ乳輪に差し込んで締めたり引っ張る。そして更に人差し指と中指を器用に扱い、ピンと突き出た乳首を弾（はじ）いたり挟（はさ）んだり、捏（こ）ね繰り回した。
「んぁあっ♥ニクスってぼくの胸好きだね…///」
「そりゃぁもう、こんなにも大きいのに形も色もきれいで…ある意味極上のお宝だよ！」
「なら、そんな極上の宝を…もっと君の手で磨いて♥」
その言葉に更に火がついて、彼女の乳首にむしゃぶりつく。
己の性欲を満たす為、丁寧でいて激しく乳房を弄び尽くす。
「ニクス、君のも…君のも見せてよ！♥」
「あぁ、存分に見て!!///」
ニクスは名残惜しげに乳房から手を離すと脱ぎ捨てた衣服を地面に敷いて横になる。
クーツィアはそそり立つ男根をまじまじ見つめると、右手を添えて咥えこんだ。
（クーツィアのフェラ…やっぱ気持ちいい…上手だ）
「クーツィア…もう出そうだ…///」
「プァッ…なら、ここに…♥」
口を離すと立ち上がり、そして男根の上ヘと腰を下ろし始めた。
「さぁ存分に…ぼくで気持ち良くなって♥ふぁーー〜〜♥♥♥」
「あぁっ!!これヤバッ!!!///」
クーツィアは一気に腰を落とした。プチュンッと淫らな水音を立てて秘所に深々と突き刺さり、お互いに絶頂を迎えた。クーツィアはそのままガクガクと震えながらニクスにヘタリと倒れ込む。
「クーツィア…大丈夫？///」
「大丈夫ではないかも…足…力入んない…♥///」
クーツィアは蕩けて尚健気に笑顔を向けながら、プルプルと痙攣（けいれん）して告げる。その様子に、ニクスの身体は瞬く間に復活してしまった。
「クーツィアごめん！クーツィアが可愛すぎてもう…このまま動くよ!!♥」
「えっ!?えっ!!?待っ!!!−−−♥♥♥」
下から男根で突き上げられ、身体を仰け反らせて声にならない嬌声を上げる。
「あぁっ！あぐっ!!///」
ニクスは喘ぎ声を上げながら仰け反るクーツィアの太腿をがっちり掴み、獣の様に何度も突き上げた。
「あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥」
突き上げられる度に意識が飛びそうになり、乳房がブルンブルンと暴れる。
「うっ！ふっ！クーツィア！もっ…イクよ！出すよっ！！///」
「はぁっ♥んぁっ♥だしってっ♥♥」
そしてクーツィアの一番深い所で二度目の射精が果たされた。
クーツィアは再度ニクスの胸元に倒れ込んだ。
「…うっ…グス…」
「！クーツィア泣いてるのっ!!えっとその…無理やり犯ってごめん!!」
ニクスが余韻に浸っていると、クーツィアから啜り泣く声を聴いて驚愕し、反射的に謝罪した。
「違うの…これは…グス…嬉し涙。…嬉し涙とかいろいろ…。」
そう言って涙を拭い、落ち着かせるようにキスをした。
「これも知ってるかどうか知らないけど、ぼくたちドラゴンは死んだ際に強烈な未練が残るとアンデッドとして蘇ってしまうのさ。そうなったら最後、誇りもなく男を求めるだけのドラゴンゾンビに成り果ててしまう。…あのまま誰にも見つからず命を落とせば、きっとそのまま死に切ることが出来たであろう…。でも、もしドラゴンゾンビになっていたらって…そう思うと怖くて……。ニクス…」
潤んだ瞳で微笑むと、ニクスに頬擦りをして囁いた。
「ぼくを見つけてくれて本当にありがとう…大好きだよ…。」
それを聴いて、ニクスの涙腺も決壊する。
「それを言うなら俺の方だ。君を失わなくてよかった…愛してる。」
そして二人はまた口付けを交わした。
しばらくお互いに抱き合い寝転がっていたが、ニクスが起き上がってその場に座った。
何事かとクーツィアも無言で起き上がったが、その瞬間ニクスに仰向けに寝かし付けられた。上半身だけ起き上がらせると、腰に手を添えられるのを確認してコロンと寝転がった。
「いい…の？」
「うん、いいんだよ。言いそびれてたけどぼくはとっくに君に負けてるつもりなんだ。…負けたドラゴンはどうなるか知ってる？」
「どう…なるの？///」
「御主人様に逆らえないエッチなメストカゲになるんだよ？」
クーツィアがまるで主人を求める様に両手を伸ばす。
「じゃあ…いくよ？」
「きて…。」
そうしてクーツィアの秘所に男根を挿入した。
二人の甘い声が森に響く。
「クーツィア…可愛いよクーツィア！///」
「んゃあぁ♥首噛まないでぇ♥」
ニクスが何をしたら悦ぶかと試す為に乳房を弄び、左首筋に軽く歯を立てた。
しかし何をしてもキュキュッと男根を締め付けられるので、次第に嗜虐心を強くさせていった。
そして遂にどちらかが絶頂を迎える前に男根が秘所から引き抜かれた。
「ぇ…？」
クーツィアから切なげな声が漏れる。それだけでニクスはもっと虐（いじ）めたい衝動に掻き立てられるが、グッと堪えてクーツィアに強請（ねだ）る。
「クーツィア、君のおっぱいで俺のを挟んでしごいてほしい。」
「え…？えっ!?///」
意味を理解してクーツィアの顔がボッと真っ赤に染まった。
「さぁ早く。」
「ま、待ってよ！///するっ！するけど一ついい!?ぼくこんなにおっぱい大きいけど人間に換算すると12〜13歳の子供だよ!?尊厳はないのっ!?」
「………尊厳以上に君を恥ずかしがらせたい。」
数秒の沈黙の後出された答えに、クーツィアは最早何も言えなくなる。
ニクスはクーツィアから放たれる失望や憐（あわ）れみ、蔑（さげす）みといった眼差しに何故か快感を覚えてしまった。
「さぁ、一思いに俺のに振り下すんだ。///」
「わ、わかったから…いくよ？///」
そうして再度強要すると、覚悟を決めたクーツィアが、一思いに乳房が男根の上にズシリッと落とした。
「あぅっぐっ!!///」
「気持ちいいの!?これほんとに気持ちいいのっ!?///」
「あぁ、気持ちいいよ！もっと動かしてっ///」
男根は乳房に埋もれて亀頭部のみが僅かに顔を出していた。そして男根から伝わる得も言えない快楽に、ニクスは懇願する。
「気持ちいいんだ…ねぇ、どうしたらもっと気持ちいいか教えてっ///」
クーツィアはぎこちなく男根を擦り合わせて押しつぶして行為に臨むも、いまいち自信がなくてニクスに問い掛けた。
「それじゃあはみ出た亀頭をしゃぶって///」
「わ、わかった…いくよ…ジュル…」
「ひわぁっ!!///それヤバいっ!!///」
ニクスは乳房に挟まれる感覚と咥えられる感覚を同時に受けて、今まで一番情けない喘ぎ声を上げた。
「ンチュッ…チュピッ♥」
その反応に嬉しく思ったのか、行為の速度が徐々に上がっていく。
「クーツィアもうっもうむりっ///」
「ほーふり？ほれひゃあへんりょなふ…はひてね♥」
咥えたままそう言うと同時に、ニュパンッと弾けた音と共に男根が乳房で潰された。
凄まじい快楽に意識を混濁（こんだく）させながら、ニクスは射精した。その威力の程も甚大で、咥えていたクーツィア思わず放しその顔を白く染め上げてしまった。
ニクスは射精の余韻に放心していると、心配そうにクーツィアが顔を覗きこんでいた。
「大丈夫？」
「あぁ…ちょっと気を失ってた？」
「うん、凄い気持ちよさそうだった。でも…その…ぼくは…///」
そう言い淀んで顔を背けるともじもじしだした。どうしたのかと顔を覗こうとすると、クーツィアの股から愛液が止めどなく滴っているのを見つけてしまう。
瞬間、男根が臨戦態勢に戻り、それを見てクーツィアが悲鳴を上げた。
「ねぇほんとに大丈夫!?勃起のしすぎで死んじゃったりしないっ!?///」
「俺はクーツィアを残して死んだりなんかしないよ。」
「なっ!?♥…もぅそんなの卑怯だよ…♥」
「これで最後だから…最後は一緒に気持ち良くなろう？///」
「先にイッたりしたら許さないから…♥」
そう言って向かい合い唇を合わせると同時に、秘所に男根が挿入された。
「クーツィアって12〜13歳なのに乳首をコリコリこんなに勃起させて…本当にエッチな子だね。///」
「いやぁー！摘ままないでっ♥言わないでっ♥」
ニクスの乳首責めと言葉責めに、クーツィアはゾクゾクと悶（もだ）えた。
それを愉（たの）しくも嬉しくも思ったニクスは、動きも言葉もヒートアップさせていった。
「はぁっはぁっ！…そんなエッチなクーツィアが好きだ！健気に心配してくれるクーツィアが好きだ！可愛いクーツィアが好きだっ！それから、…それから…どうしよう!?俺クーツィアのこと全然知らないっ！///」
「んぁあっ！♥なら知ってっ!!ぼくは物知りっ！ニクスよりも物知りなんだからあぁっ!!♥///」
ニクスに当てられて遂にクーツィアも腰を振り始めた。
「なら頭も良くて物知りなクーツィアが好きだ！大好きだっ!!///」
「ぼくも好きぃーっ!!♥どんなお宝や宝石よりも大好きーっ!!♥」
お互いに愛を語り合い、愛欲のまま森に淫らな水音を響かせた。その激しい二人の動きは正に、愛を確かめ満たし合う魔物同士のものであった。
「クーツィア！俺の街は最近、親魔物領入りしたんだ！だから…一緒に棲もう！」
「うん！棲もう！どこまでもついてく!!♥」
限界が近づき更に動きが激しくなる。クーツィアの身体に、もう一片の傷跡もない。
「ねぇ、ぼくのっ♥言った約束っ覚えてるっ!?♥」
「覚えてるよっ！せーので…言おうかっ!?」
「うん！せーの…」
「「死ぬまで一緒にいよう!!♥」」
二人はお互いの黒と桃の瞳を覗き合い、これからの事を想って微笑んだ。
これから待つ、孤独のない幸せで輝く生活に夢を見て。
「ずーっとずーっと一緒だよ…ぼくの大切な宝石…♥」
おわり
21/08/14 22:32更新 / 矛野九字
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