雲一つない満月の夜、月明かりに照らされた廃墟の街で今、凄まじい剣戟音と爆裂音が辺りを震わせていた。

「ちぃっ!!」

　片方は青年だ。短く刈り上げた紺色の髪と青い眼に、上質な布とハーフプレートアーマーを身を包み、飾り気のない幅広の刃を持つ短槍を巧みに操っている。

「はっ!!」

　そしてもう片方はなんと少女だ。金糸で出来ているかの様な柔らかく透き通った金色の長髪に碧色の瞳、そして禍々しくも美しい白い大鎌を振う美少女であった。だが、それは唯の少女ではない。
　頭部から太く反った山羊の様な双角、金色の毛に覆われた手足、先端と恥部のみを隠す布に白いマント。そう、最上位の魔物、バフォメットであった。

「ハァ…ハァ…、ついてないな…！魔界でもない場所でバフォメットと遭遇するとは…；」
「我等バフォメットとて生き物だ。そもそも私はサバトを捨て旅をしている最中…こういう出会い方もあるのだぞ？それにしても強いなお主。」

　青年が変則的な鎌の動きを全て捌きながら吐き捨てるのに対し、バフォメットは余裕の笑みを浮かべて青年に話し掛けていた。その声は声変わりの来ていない少女の声ながらも、年長者然とした堂々とした口調であった。

「こう見えても、『風裂きのコーウェン』とも言われてたんだ。簡単に負けるものかよっ!!」
「おおぉ！コーウェンというのか!!良い名だ！私の名前はマレルだ。よろしくな、コーウェン！」

　マレルは嬉々として自己紹介をすると風魔法を放ち、コーウェンはそれを見て槍で風魔法を一突きにする。すると風魔法は弾けて消え、コーウェンは追撃を恐れて一度距離を取った。
　二人の間に、読み合いが始まる。

「なぁコーウェン。そなた逃げようとしておるな…何故だ？」

　間合いを保ったままマレルが真っ直ぐな瞳で問う。
　コーウェンは魂胆を読まれた為渋い顔をしていたが口を開いた。

「そりゃそうだろう？俺ではあんたには勝てない。魔物に負けたら最後だ。生きる為に…逃げるさ！」

　そう言うか否や距離を詰めると槍を振り下す。
　マレルは難なく受け止めると嗤った。

「嘘だな。そなたは魔物を傷付ける事を恐れているとみた。私の見立てでは実力はほぼ五分。それでは逃げ出すにも逃げ出せまい…」
「なんだとっ!?」
「隙ありっ!!」
「しまっ…ぐうぁあーーーー!!」

　マレルに内心を看破され動揺した一瞬、渾身の風魔法がコーウェンの目の前で炸裂し武器ごと弾き飛ばされるてしまった。
　そんな吹き飛ぶコーウェンの身体はふわりと浮いて降下し、マレルにお姫様抱っこをされる形で受け止められた。

「私の勝ちだな♪スンスン…あぁぁ…♥この濃い雄の匂い…童貞の匂い…♥」

　勝利宣言をしたマレルは、コーウェンの臭いを嗅ぐとうっとりとした顔を晒した。

「ど、童貞…だと？貴様ふざけているのか？俺をどうするつもりだ!?喰う気か!?」
「ふふっ食べなどせんよ。ところでコーウェン、そなた勇者であろう？何故魔物を傷付ける事に抵抗があるだ？」

　興味津々といった感じで聞いて来るマレルの笑顔に照れ、コーウェンはそっぽを向くも説明を始めた。

「別にもう勇者じゃない。魔物をたくさん…傷付けてきて、でも傷付ける度に心が痛むだけで、誰も彼も俺を恐れるだけだったさ。だからもう勇者はやらない。どこか平和で穏やかな場所に行こうと思った。ただそれだけだよ。」
「そうか、勇者を辞め旅か…。サバトを捨てた私と同じだな…うむ！コーウェン、そなたを気に入った！私の婚約者にならないか!?」
「なっ!?お前のっ!?」

　マレルはコーウェンを下しながらそんな事を言い、コーウェンは素っ頓狂な声で驚くと頭を抱えて考え始めた。そしてぶつぶつと独り言を言い始めた。

「…だからな…でも…マレル可愛い…な………」
（あ、試そうと思ったけど可愛いだって♥『兄様』決定♥）

　独り言からその様に聞こえ、マレルは満面の笑みで『兄』に決めた。が、

「…将来が楽しみ……」
「将来が楽しみ…？」

　とボソリと聞こえた時にはマレルはコーウェンを押し倒していた。

「「将来」か〜。残念だなぁ、でも仕方ないか。コー兄様は勇者で童貞だもんなぁ…」
「コー兄様っ!?って言うか何っ!?それと服を脱ぐなっ!!///」

　押し倒したまま身に着けていた物を脱ぎ払ったマレルの、色白で幼い身体と小さいながらしっかり形を保ち眼前で僅かに揺れる乳房に、コーウェンは顔を真っ赤にして背けた。

「何って、教えてあげるんだよ？少女の背徳と魅力を♥チュッ！♥」
「ングゥッ!?///」

　マレルはそっぽを向く顔を力任せに向い合せると、そのままディープキスを始めた。

「ンッ…ピチュッ…レルッ…♥」
「ウッ…ァ…フウウ…///」
（何だ…コレ…!?こんなの、知らない…！気持ち良すぎる!!///）

　マレルに口内を徹底的に蹂躙され、徐々に股間のモノが膨らんでゆく。

「プハッ…♥良いだろうプニプニの少女の唇、ちっちゃな少女の舌触りは♥」

　マレルはそれを見逃さず唇を離すと嬉々とズボンを脱がしに掛かる。

「っ!!やめろっ!!」
「うわっ!?何故そんなに抵抗を!?えぇい！見せてみよ!!」

　暴れるほど抵抗するコーウェンに少々動揺したマレルであったが、結局強引に下してしまった。

ブリンッ
「うわ〜…♥」

　すると目の前には巨根が反り起っており、嬉しさのあまり目を輝かせて生唾を飲み込んだ。

「やめてくれよっ!!」
「ぇ…？」

　不意に突き飛ばされる。コーウェンから強い拒絶を受けて、マレルはショックで一瞬放心してしまう。しかしコーウェンの目に涙が浮かんでいるのに気付くと、ショックを振り払うかのように首を振り、コーウェンの頭に手を置いた。

「…ごめん。少しだけ、記憶を覗くよ。」
「嫌だっ！やめろよっ!!お願いだからやめてーっ!!!」

　本気で嫌がるコーウェンの声に心を痛めながらも、自身の知りたいトラウマを覗く。
　そこで視えたのは、魔物を悲痛な思いで攻撃するコーウェン。恋仲になった女性がペニスを見て怯えて部屋から飛び出す様。そして何故か巨根だと同僚にバレて向けられる白い目線。遂には、巨根だという噂を聞いただけで去勢を勧める教団幹部の姿だった。

（何これ…胸糞が悪い…コー兄様こんなに傷付いて………）

　心の傷を視たマレルは、頭を下げ「やめて…やめて…」とボソボソと繰り返し涙を零すコーウェンを見て居られず、咄嗟に頭を抱き締めた。そして思いつく限りの己の思いを言葉にした。

「…辛かったな。たっくさん傷付いて…傷付けられて…。でももう大丈夫、もうコー兄様を傷付ける奴はいないし、私が守る…慰める！私が受け止めるから…全て。」
「全…て？」

　必死になって声を掛けるマレルに、コーウェンは目線を向けるとハッと目を見開く。

「なんで…マレルが泣いてるの…？」

　マレルが涙を流してこちらを見つめていた。コーウェンはその涙をあまりにも理解出来ず、思ったことが口に出ていた。

「泣くよ！心優しいコー兄様が人にも愛にも裏切られてこんなにも傷付いたんだもの！だからもう傷付いてほしくない！助けたいんだよ…あなたを!!」

　涙を拭い叫ぶマレルに、憑き物でも落ちたかの様な顔でコーウェンは見た。しばらくそのままの状況が続き、コーウェンが口を開いた。

「本当に…受け入れてくれるの…俺を…？」
「うむ。もう他人に怯えるのも好意を拒絶するのも終わり。大丈夫、おっきなペニスはね、魔物ならば誰もが求めて止まないモノなんだよ。私だって例外じゃない。…コー兄様は、受け入れてもらえるんだ。」
「う…うぅぅぅぅ…」

　マレルに頭をポンポンと撫でられ、コーウェンはしばらく啜り泣きを始めた。そして零れ落ちる涙と共に、その心をマレルへと堕としていった。

「…なんだかみっともないな。少女に慰められるなんて。」
「あ！また「慰められるなんて。」って言った！よ〜し…」

　すっかり泣き止み落ち着いたコーウェンに、今度こそ自らの身体で少女の背徳と魅力を教えようと、脱いだ服から小瓶を取り出した。

「それは？」
「これは『リッチの射乳薬』♥要は母乳が出るようになる薬！」

　そう説明すると薬を一煽りしてクルリと背を向けてコーウェンの手を持つと、己の乳房に押し当てた。

「さぁ、おっぱい揉んでコー兄様♥」
「え、えぇ？；」

　コーウェンは戸惑いながらも言われるがまま、ぎこちなくマレルの乳房を揉んだ。

「ん♥もっと厭らしく触って♥…あぅっ♥そう♥」
「何だ…これ///ちっちゃいのにしっかり柔らかくて弾力があって…///」
「あぁっ♥おっぱいジンジンする！♥クる♥♥」

　マレルは身体を反らせると、ビュビュッと母乳を迸らせた。
　コーウェンはマレルの桃色の乳首から滴る母乳に、目が離せなくなる。

「ほ、本当に出っちゃってる…///」
「ふふっ準備が出来た♥さぁコー兄様、私の膝に…♥」

　マレルは幼くも妖艶な笑みを向けスルリとコーウェンから抜け出すと、座って膝をポンポンと叩いて手招きした。
　促されるままコーウェンはマレルの膝に横になると、頭を持ち上げられてその口を乳首に含まらせられるのであった。

「ンプッ!!ンッ！///」
「どうだ…？♥少女に授乳されるという究極の背徳の一つは♥」
「ンチュッ…きゅうひょふの…はいほく…？///」
「んん♥そうだ、少女から噴き出す母乳を、兄様が赤子の様に与えられて飲むという行為！♥通常叶わないことにいけないことを重ねに重ねた、正に究極の背徳と言えよう！♥」
（少女からの…授乳…背徳…///）

　コーウェンは言い聞かされた状況を理解すると、どうしようもなく興奮してしまった。

「あぁんっ♥コー兄様の吸う力が強くなった♥♥よちよち♥いっぱいマレルのロリミルクをチュッチュしましょうねぇ〜♥」
「ング…ゴク…プハッ///」
「ふふ♥たくさん飲めたね♥お味は如何？♥」
「ほんのり甘くて…クリーミィで、もっと飲んでいたい…///」
「そうかそうか！♥ならばもっと飲むと良いぞコー兄様♥でも…ここはパンパンだぞ？♥」

　そう言うと乳房に顔を押し付けると同時に勃起した巨根を左手で掴み、シュコシュコと上下に動かし始めてしまった。

「少女による授乳手コキだよ♥背徳を存分に味わえ！♥」
「チュバッ…うあぁ！///マレルの手、もふもふしてて気持ちいい///うぅっふぐあぁっっ///」

　マレルの四本の指から巧みに与えられる快感に、コーウェンは情けない喘ぎ声を上げた。

「マレル、もうイキそう…だっ///」
「んん？♥もうイキそうか♥ならば…」
「え…？」

　もう少しで絶頂するといったところで、マレルは授乳も手コキも止めてしまった。

「そう切ない声を出すな♥もっと良い事をしてやろうというのだ…♥」

　そう淫らな笑みで言うと勃起したペニスに唾液と母乳を塗（まぶ）してゆく。そして幼く小さな乳房で強引にコーウェンの巨根を挟み込んだ。

「うあああっ！///なんで…こんなに…///」
「気持ち良いか？♥これが少女の身体を目一杯使ったパイズリだ♥あ〜コー兄様の蕩けた顔…最高だ♥ペニスもビクビクと脈打っておる…♥」
「やめ…も…限界だっ///」
「さぁ我慢するな…！ロリちっぱいで、果てるがよい!!♥」
「あぁ、マレル〜!!///」

　コーウェンは切な気に叫ぶと絶頂し、その顔に射精してしまった。
　マレルは顔を大量の精液に汚れた事に悦び、恍惚の笑みを浮かべて全て掬って飲み込んでしまうのだった。

「さぁコー兄様、今度は私のおっぱいを好きに弄ってくれ♥」
「マレルのを…好きに…？///」

　そう言われた瞬間、コーウェンは再度マレルの乳首に吸い付いた。

「ジュルルル///ピチャッチューーーチュチュチュッ///」
「んあぁっ！♥さっきとっ違う♥やぁ〜♥♥」

　今度は唯吸うのではなく、可愛らしく勃起した乳首を音を立ててしゃぶり、食（は）み、舌で転がした。
　空いている方の乳首も指でクリクリとなぞり転がし摘まみ上げ、さらに乳房全体に手を触れると乳搾りでもするかのような手つきで責めた。搾り出される母乳は、最早ホルスタウロスの搾乳の如くビュルビュルと迸っていた。

「あぁっ♥あはっ♥あああぁあぁああぁあ♥んぁあ♥ふぁあっ♥あっーぁあっ♥♥」

　その快感にマレルは事在る毎に喘ぎ、嬌声を上げ、身をよじった。

「んんあぁっー♥おっぱい吸われて搾られるの気持ち良いっ♥…決めたぞ♥今日より、『マレル・サバト』再始動だっ!!♥」

　マレルは乳房からの快感に蕩けながら、自身のサバトを再始動させることを宣言した。

「唯再始動するのではない！ふぁっ♥少女による授乳と搾乳、母乳プレイといった少女性と母性という二極の背徳を説くサバトだっ！んあぁんっ♥あっっ♥その名を…『カペラク・サバト』とするっ!!♥やぁんイクうっっ♥♥♥」

　絶頂し、母乳を噴射させながら宣言を終える。
　蕩けた笑みを浮かべるマレルは、今度は優しくコーウェンに抱き付いて一緒に倒れ込んだ。

「気持ち良かったぞコー兄様♥それでは、コー兄様に原点にして頂点たる背徳を教えよう…♥」
「原点にして頂点…？ってまさか！///」

　マレルはコーウェンの衣服を脱がしてから下腹部まで移動して膝立ちすると、徐々に身を下して濡れに濡れた秘所に巨根をプニッと押し当てた。

「そうだ！♥少女と繋がり種付けをする事だ！♥」
「お、おい…；」
「んむっ！♥今日は正に記念に溢れる日だ♥コー兄様との出会いの日、カペラク・サバト始動の日、そしてコー兄様と初めて繋がる日っ!!♥♥」

　そう言うと一気に腰を落としてコーウェンのペニスを咥えてしまった。
　結合部からは鮮血が舞い、マレルは声もなく蕩けた顔を晒してゾクゾクと身を震わした。
　しかしコーウェンはそうではなく、快感に呻きながらも青ざめた顔をしてマレルの肩を掴んだ。

「マレル！なんてことをっ!!」
「んあ…？ふふ♥心配するな♥兄様のペニスはしっかり咥えたぞ♥心配されるというのも悪くない…しかし、心配出来てしまうようではまだまだ少女の良さを理解しきれてはいないとみえる…ご覧コー兄様♥」

　そう淫らに笑うと、己の腹部を見せつける様に身体を反った。コーウェンの巨根を咥えた腹部は、ボコッと歪に膨らませていた。

「これが私の身体であり魔物の身体であり、少女の身体だ♥コー兄様の巨根を受けて尚感じたのは痛みではなく快感♥そう、快楽なのだよ♥そして私が望むのは…」

　そう言いながら腹部を愛おしげに摩ると、腰を上げてペニスをゆっくり引き抜き、またも一気に腰を落とした。
　パチュンッと弾ける音を出しながら巨根を根元まで咥えたマレルの身体は、また巨根の形に腹部を膨らませた。

「んうぅ〜♥更なる快楽♥♥…心配するな、魔物身体は決して壊れない。コー兄様の巨根を受けて壊れないのが何より証拠だ…。怖がらなくて良いのだ。だから共に…快楽に溺れようぞ♥♥」

　それを合図にか、マレルは騎乗位のままピストン運動を始めた。

「あぐっ…あっ///搾り取られる…みたいだ///」
「あんっ♥んんっ♥コー兄様の巨根ペニスが狭い膣内抉って子宮口コンコン当たって気持ちいい♥♥コー兄様は、気持ちいい？♥♥」

　パンパンパチュパチュとリズムの良い厭らしい音を奏でなれる。
　マレルの幼く狭い膣内にギュウギュウと締められる快感に、コーウェンは最早絶頂寸前であった。

「あぁ…キツキツで締め付けられて…気持ち…いい///…もっと…もっと小さな身体を、感じたい…！///」
「んふぁ〜っ♥そう！♥♥もっと感じて…少女の身体を♥んあっ!?♥コー兄様が、動いてっ！♥あぁあっ♥」

　コーウェンは素直に言ってマレルの細い腰を掴むと、自らも腰を突き上げ始めてしまった。そして喘ぎ悦ぶ少女の姿を見て、こう思った。
　「愛しい」と。

「全てを受け入れてくれる…マレルを感じたいっ！///俺は…マレルが大好きだ!!///」
「私も大好き！♥もっと私を感じて♥愛でて♥コー兄様〜♥♥」
「うおおおおっっ!!///」
「んああ〜−♥♥お腹熱いいー♥♥♥」

　コーウェンは一際強く突くとマレルの膣内に大量に射精した。その威力の程はすごく、結合部からゴプリと白濁液を溢れ出させる程であった。
　マレルは中出しを受けてうっとりとイキ顔を浮かべ天を仰ぎながら、幼い乳房から母乳をピュピュゥと飛ばし滴らせた。
　そのまま射精の快感に放心するコーウェンの顔を見るとクスリと笑い、その胸元へとポフッと倒れ込んだ。

「…甘えるはずが、ほとんど甘えられなかったな。でもこれからは、たっぷりと甘えるから♥そしてたっぷり私に甘えて、コー兄様♥」

　そう言ってマレルはコーウェンの顔を抱き寄せて、優しくキスをした。
　これが、後の世界にその名を轟かせ猛威を振るう、『カペラク・サバト』の始まりであった。

■作者メッセージ
　二作目！やっとアンソロジーっぽくなりますねこれで。

　カペラク・サバトは随時信者募集中です！

　では次の作品で〜。ﾉｼ