39.あと一日
「見たこと無いです、こんな肉・・・」
「ヤバイ、涎止まんねぇ」
王都の高級レストランにて。
二人の前にあるのは、300gの分厚いステーキ。
だが、二人はこのステーキに一切のお金を払っていない。
事は数十分前に遡る。
「泊まれませんでしたし、何か美味しいもの食べますか」
高級ホテル宿泊を断念し、別の所で贅沢をしようと考えた結果、
とりあえず、確実に幸せになれそうな選択をした二人。
折角なので、大衆店ではなく、ストレートに高級店に行ってみることにした。
「エトナさんの希望は？」
「肉！」
「えっと・・・何の肉かとか、調理法とかだと？」
「そうだな、ステーキ食いたい」
「となるとレストランですね。ランチメニューでやってる所、となると・・・」
見つけたのは、少し行列が出来ている店。
その最後尾に、二人は並んだ。
「列が出来てるって事は、評判になっているはずです」
「この分ならそんなにかからないだろうしな。待つか」
「ところでエトナさん、テーブルマナーってご存知ですか？」
「・・・知ってるなら、教えてくれ」
「分かりました。まず、ナイフとフォークですが・・・」
待つこと１５分。列は進み、入り口近辺に来た時。
「・・・ん？」
「おい、割り込みじゃねーか？」
列の先頭に、横から入り込む男女。
誰かが割り込みをかけたようだ。
「長蛇の列ならまだしも、今の所僕とエトナさんが最後尾なんで、
あんまり意味ないと思うんですけど」
「２、３人抜かしても大して変わんねぇのに。何やってんだか」
「もう少しですから、このまま待ちましょう」
割り込みを咎めることもなく、そのまま待つこと更に５分。
二人が店内に入った瞬間。
「おめでとうございます、お客様！」
「うわっ！？」
「へっ？」
クラッカーの音と共に、従業員が二人の下へと集まった。
「只今、お客様感謝祭を行っておりまして。
あなた方が、当店開店から丁度１００万組目のお客様です！
記念と致しまして、今回限り、当店の料理を無料で提供いたします！」
「マジで！？」
全くの偶然。とんでもない幸運が降りかかった。
「特にご希望がございませんでしたら、当店の最高級フルコース
『History of royal』を提供させて頂きますが、宜しいでしょうか？」
「どうします？ 僕はお店の方の仰る通りにした方がいいと思いますが」
「同感だ。こういうのはプロに任せたほうがいい。『餅はどっちだ』って言うし」
「『餅は餅屋』です。一体餅と何が並んでる状況なんですか」
「・・・大福？」
「それもほぼ餅です。ということで、そのコースでお願いします」
「かしこまりました。こちらのお席へどうぞ」
従業員がテーブル席へと二人を案内しようとした、その時。
「おいコラ！ 俺達が１００万組目だろーがよ！」
「そうよ！ そうならそうと店の前に書いておきなさいよ！」
突然、男女二人が怒鳴り声を上げて、従業員に詰め寄った。
両者、着ているものは高価だが、とにかく高い物を寄せ集めただけという感じであり、
センスのかけらも感じられない。
「いえ、お客様方は９９万９９９８組目でございます。
割り込みをされなければ、１００万組目でしたが・・・」
「だったら俺らが１００万組ってことじゃねーか！ 並んだのは丁度なんだからよ！」
「そうよ！ 私達にそのなんとかロイヤルってコース料理持ってきなさいよ！」
「そう仰られましても、入店のタイミングでカウントさせて頂いておりますので・・・」
先程、列の先頭に割り込んだ客。
割り込まずにきちんと並んでいれば、１００万組目の客はこの二人だった。
「そもそも店の前に後何人かぐれー書いとけよ！ 騙しやがってこの詐欺料理店が！」
「いいからとっとと寄越しなさいよ！ それか私達の料金タダにしなさい！」
「お客様、あまり騒がれますと迷惑に・・・」
「お前がちゃんと出すもん出せば黙ってやるよ！ バカかテメェ！」
「みみっちい店ね本当！ みなさーん！ この店は詐欺料理店ですよー！」
「お客様！」
喚き散らす客に困惑する従業員。
この場にいる客がこの二人だけだったら、もう少し長引きそうだったが。
（シロ）
（はい）
（いいか？）
（はい。でも、なるべく傷はつけないようにお願いしますね）
（分かった）
アイコンタクトで、意思疎通を完了。
エトナが二人の前に歩み寄る。
「オイ。黙れ」
「うるせぇ！ お前らがいなけりゃ・・・あ゛ぶっ゛！」
素早く腕を取り、関節技をキメる。
完全に肩を持っていかれた男は、苦悶の表情で呻き声を上げた。
「お゛お゛お゛お゛お゛！！！！！」
「もう半分回せば、完全に肩がイカれる。
選べ。黙ってメシ食ってるか、メシの食えねぇ身体にされるか」
「メ゛ジ・・・ぐい゛、ま゛ず・・・」
要した時間は数秒。
当たり前のことではあるが、すぐに決着がついた。
腕を解放し、男を追いやる。
「今度騒いでみろ。関節が増えるぞ」
「ヒィッ・・・！」
「・・・仕方ないわね」
恐怖に慄く男と、しぶしぶといった女。
それでも、両者共に自分達の席へ戻って行った。
「んじゃ、案内してもらえるか？」
「お客様・・・誠に申し訳ございません！ お客様の手を煩わせてしまうとは・・・
お帰りの際、会計担当の者にお声をかけて下さいませ。
今回のサービスとは別途、迷惑料を支払わせて頂きます」
「いいって。んなもん出したらその場で叩き返すからな」
「どうしてもと仰るのであれば、その分は今から頂く料理で頂戴いたします。
より一層、心を込めて頂くという意味で、ね」
「お客様・・・恐れ入ります。料理人一同に申し伝えます。
今までで一番の料理を作りなさい、と。では、改めてこちらのお席へ」
そして、思いがけなく手にしたフルコースも中盤。
待望の肉料理、登場である。
「シャトーブリアンステーキでございます」
「うわっ、香りが」
「美味そう・・・アタシでも分かる。この肉、普通じゃない」
「シャトーブリアンですからね。牛一頭から数百グラムしかとれないとか。
それじゃ、頂きましょうか」
スッと、自然にナイフが入り、現れたのは程よく赤身を帯びた断面。
ゆっくりと口に運び、咀嚼する。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
人間も、魔物娘も、不思議なものである。
あまりに大きな衝撃を受けると、何の言葉も出ない。
（脂の量も質も凄いことになってる。繊維もすごくきめ細かい。
食べたこと無いから当然だけど、僕の知ってるお肉じゃない。
元々お肉ってそんなに食べてなかったけど、世の中にはこんなのがあるんだ）
（コレ肉なのか本当に。美味すぎるだろ。そして柔らかすぎるだろ。
肉ってもっと硬いもんじゃなかったか？ アタシが今まで食ってきた肉の方が違ってたのか？
じゃあアタシは今まで何を食ってきたんだ？）
頭の中には、無数の言葉が飛び交っている。
しかし、それを口にすることはなかった。
ようやく口を開けたのは、二口目を飲み込んだ後。
「これ、普通に頼んだらおいくらするんですかね」
「分からん。本当にツイてたな、シロ」
「えぇ。・・・ちょっと、複雑ではありますが」
「まぁ・・・な」
素直に喜ぶに当たって、僅かに障害となる事。
それは、先程難癖をつけてきた、二人組。
まさか、ここでも出会うことになるとは思っていなかった。
「僕が自分達の息子であるとは、気づいていないでしょうね。
視界には入ったはずですが、特に何の動きもありませんでしたし」
「生まれてからすぐってことは、ほぼ十年会ってないんだろ？
ただ、それでも面影くらい覚えてそうなもんだけど」
「二人にとっては瑣末な記憶だったんでしょう。渡された金貨に比べれば」
「そういうことに、なっちまうか」
「はい」
どこでも、振る舞いは変わらない。
シロの両親だった。
「・・・ちょっと、この場には合わない話ですね。
今は食事を楽しみましょう」
「だな。メシは楽しく食うもんだ」
どうせなら、楽しく。
とりあえず、二人は目の前にある幸福を、文字通り噛み締めた。
食事を終え、レストランから馬車へ。
途中で買ったおやつをつまみながら、この後についての相談。
「ゲヌアの一件もありますし、教団がここで活動してることはないでしょう。
僕の両親と接触はしたみたいですが」
「それだけが気になるんだよな。あの二人はともかく、
教団の奴らが何か仕掛けてるっていう線もあるかもしれねぇし」
「注意しておくに越したことはないでしょう」
ターゲットの確認。
自分の体力。
心の準備。
用意は整った。
あとは、いつ、どうやるかだけ。
「シロ。・・・遠慮はいらねぇ。思いっきりやってやれ」
「はい。この旅で分かりました。
僕の両親は、何の疑いも無く、クズだってこと。
僕を売ったことはともかく・・・あまりにも、救い様が無さ過ぎます」
エトナとの二人旅で、シロは少しずつ、少年らしい感情を手にした。
喜び、怒り、哀しみ、楽しみ・・・平坦な土地を、耕すようにして。
それでも未だ、自分の両親が、金貨一万枚で自分を売ったことは、そこまでの問題にしていない。
自分の持つ力が、あまりに面倒であると考えていたから。
それが、合理的な考え方しかしない、或いは『できない』、シロの結論。
そんな彼だからこそ、思いついた。
「・・・あ、そうだ。エトナさん。一つ、お願いがあるんです」
「何だ？」
「決行は、明日にします。そこでなんですが・・・」
「ふむ・・・」
シロの話した、エトナへの頼み。
その内容を聞いたエトナは。
「・・・いらなくね？」
「とは思いますけど、万が一ってことはありますし。
直接対面すれば、多少は事が変わるかもしれませんし」
「まぁ、シロの頼みなら断らねぇけどさ。んじゃ、そうするか」
「ありがとうございます」
二つ返事、とはならなかったが、了承した。
「さて、まだ外を歩ける時間ですが」
「ヤリたくなった、と」
「・・・恥ずかしながら」
「言っとくけど、このまま普通に外に戻るつもりだったら
引っ掴んでベッドにブン投げて犯してたからな」
「・・・あはは」
「それじゃ、歯ァ磨くか」
「ですね」
まだ眠くはない。食欲は先ほど満たされたばかり。
となれば、残った欲の解消となるのは自然なこと。
もっとも、今となっては前二つの欲が多少ある程度では、
止めることができないくらいに、性欲は膨れ上がっているが。
ベッドに寝転がり、互いの服を脱がせる。
露になった肌を擦り合わせ、そのまま唇を重ねる。
「んっ・・・ちゅるっ・・・じゅるるっ・・・」
「じゅっ・・・じゅるるっ、じゅぶっ」
エトナの口内に控えめに入れた舌が、少しだけ強く吸われる。
境界線が融け、頭に上った血を下半身に送り込む指令が下される。
触れてさえいないのに、陰嚢が甘く疼きだす。
この熱い昂ぶりを、すぐにでも射精したい。
ゆっくりと熱を高めることも大切だと分かっている。
しかし、それよりもっと、直接的な快楽を味わいたい。
「・・・♪」
「ふぁっ♥」
触られたい、と思った瞬間。
エトナの右手はシロの肉竿に、左手は玉袋に添えられた。
いつもなら、まずはゆっくりと。しかし、シロの紅く染まった顔を見て、
落ち着いた気持ちで快楽を感じられる程度に抑えられながらも、手コキによる責めが始まった。
「ふぁぁぁぁっ♥」
「おちんちん、気持ちいい♥ おちんちん、気持ちいい♥」
敏感なカリ首を擦る右手も、凝り固まった精液を袋越しにほぐす左手も激しい動き。
なのに、与えられる言葉は、まるで子供をあやす様な、優しい言葉。
罵られる事も好きになっているシロだが、こういった言葉も好む。
ほぐれた精液の固まりは、睾丸に重量感をもたらす。
これから訪れる射精の快楽を極限まで高め、最高の幸福感を得る為の性欲を増進させる。
シロの頭の中は、エトナの手コキの快楽でいっぱいいっぱい。
「おちんちんから精子びゅるびゅる♥ 気持ちよーくぴゅっぴゅ♥」
「も・・・だめ・・・・♥」
「うん、たーくさん射精せ♥ 気持ちよーくぴゅっぴゅ♥」
「も・・・でりゅぅぅぅぅぅ♥♥♥」
濃密な手淫によって、いとも容易くシロは達した。
陰茎の根元、身体の奥底から亀頭へ濁流が流れ込み、エトナの手に打ち付けるようにして、
勢いよく、欲望の白濁液を放出した。
なおもエトナは、シロの耳元で囁く。
「ふぁぁぁぁぁぁ♥♥♥」
「気持ちいい♥ 気持ちいい♥ おちんちんから精液射精すの気持ちいい♥」
「あぁぁぁぁぁぁ♥♥♥」
快楽を、最高の状態で、最大限に与える。
与えられる快楽が僅かにでも少なくなることを、エトナは許さない。
耳からドラッグを流し込み、身体中に循環させる。
手と声だけで、シロの頭は混濁し、酩酊状態に陥った。
「ひもひぃ・・・ひもひ・・・♥」
「うん、いっぱい射精してえらいぞー♥」
既に至上の幸福の中にいるシロだが、忘れてはならない。
これはまだ、『前戯』の段階。
この後に待つのは、今と同じかそれ以上の天然媚薬漬けフルコース。
普通の人間なら、そこに至る前に脳が壊れ、命を落とすか廃人になるかの二択だが。
「もっと・・・くらはい♥」
「・・・も・ち・ろ・ん♥」
今のエトナは、どこか茶目っ気のある、悪戯おねえさん。
そう理解して、更なる欲望を持つくらいには、インキュバスのシロは意識を残せた。
その辺りは、エトナも知るところであり。
「んじゃ、今度はこっちで」
精液で塗れた人差し指を一舐めし、そっと唇の端に当て。
「んー・・・ぷはっ♥」
粘つく淫靡な銀糸と、欲情を煽る色味を帯びた口内粘膜を、これ見よがしに見せ付けた。
「おくちで・・・な？」
「・・・♥♥♥」
否が応にも、これから始まる口淫陵辱の感触を想像させる。
その中で妖しく蠢く、肉厚な舌を一度止めて。
「・・・どっちがいい？ 少しずつ嬲られるか、一気にイカされるか」
蠱惑的極まりない選択肢を提示され。
「いっきに！ 一気に犯してください！」
本能のままに、激しい責めを望み。
「・・・んんっ！」
「ひうぅっ！？」
一瞬で、肉棒がエトナの喉へと吸い込まれた。
「んぐっ、んぐ、んん゛っ！」
「ひぎっ！？ ふぁっ、エトナさん！？」
長さ・太さ共にインキュバスのサイズになっているシロの一物。
にもかかわらず、エトナは何の躊躇も無く、根元まで咥えこんだ。
下品に顔を歪ませ、口内の空気を抜くと、一心不乱に頭を前後へ。
責められているシロが不安になるほど、常軌を逸した動き。
締め付けと吸い込みに限って言うと、下の口を超えている。
唾液で湿り、ぬるぬるの舌と喉の粘膜に擦られ、
膣性交を錯覚するピストン運動まで加えられては、ひとたまりもない。
一度絶頂に達したことなど、気休めにもならず。
「エトナっ、さん！ もう、僕、すぐにいぃっ！？」
「んぶっ！ んぐぐっ！ ぐぶぅっ！」
一際強く頭を打ち付けたかと思うと、限界まで口を開け、
強引に睾丸まで口に含んだ瞬間、白濁液が噴射した。
「ひゃやああああああああ！？」
「んんーーーーーーーー！」
射精中の玉袋を更に舐め転がし、精液の増産を促しながら奪い取る。
精液どころか、陰茎ごと飲み込まれるのではないかという恐怖は、
神経を過敏にするだけの劇薬。
望んだ通り、無茶苦茶に犯され、破滅的な快楽に襲われた。
「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
「・・・・・・んっ」
「ひっ」
ゆっくりと、口内から開放するその最後まで、犯し尽くす。
喉を鳴らし、ほぼ直接注ぎ込まれた粘液を飲み下すと、エトナは満足げに、笑みを浮かべた。
「ごちそうさま♪」
「ふぁ・・・♥」
気の抜けたシロだが、休んでいる暇はない。
気づいた時には、自分の股間の上に跨るエトナがいる。
となれば、次に来るのは必然。
「挿れる・・・ぞっ！」
「ひひゃぁっ！？」
ぞりぞりと肉襞が擦り上げ、あっという間に根元まで歓待を受ける。
ほんの僅かに、そのまま止まる時間があったが・・・
「はっ、あっ、あっ、あぁっ！」
「あひぃっ！？ ふぁあああっ、あひゃっ！？」
すぐに、激しい上下運動が始まった。
エトナは腰を下げるたびに嬌声を漏らし、シロはほぼ常に喘ぐ。
その状態でなおも、快楽の沼に沈めにかかるエトナ。
「シロ、アタシはこっちやるから・・・ここは自分で、なっ！」
「ふひぃっ！？ あっ、ふぁあっ！」
シロの手を乳首に動かし、自身は睾丸を揉む。
性感帯になりうる場所を全て刺激し、自ら快楽を貪らせる。
それは、つまり。
「アタシをオカズに乳首オナって、アタシをオナホにして、射精しちまえ♥」
自らの体全てを、性欲の捌け口にしていい、ということ。
蕩けきった脳で、それを理解した瞬間。
「・・・ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♥♥♥♥♥」
シロの精神は、乳飲み子まで退化し、与えられるもの全てを享受することにした。
「ひあぁぁぁ♥・・・あぁん♥・・・♥」
「シロっ！ シロっ！ んあっ！」
くりくりと乳首を弄りながら、なかなか重ならない目の焦点をエトナへ。
激しく揺れるＨカップのバストの辺りに照準を定め、少しずつ合わせていく。
（僕のいじるのも・・・きもちいいけど・・・）
触れたい。揉みしだきたい。
自然と、両手が自分の胸から離れ、エトナへと伸びる。
「ん・・・？ ・・・しょーがねーな」
「ふぁっ♥」
シロの望むことをすぐに察知したエトナ。
体を前に倒し、シロの手を掴む。
「こっちの方が、好きか♥」
「・・・！！！」
こくこくと、全力で首肯。
それがいじらしくて、可愛くて。
「それじゃ・・・おっぱい、揉んでくれ♥」
「・・・っ！」
「んっ♥」
自分の乳房を軽く握らせた途端、十指が乳肉に沈んだ。
シロの小さな手からはみ出し、覆いきれないエトナの美巨乳。
柔らかさと弾力が絶妙な配合でブレンドされた、極上の乳肉。
両手で犯しているのはシロ。しかし、手を犯し返すのはエトナの乳房。
伝わる感触が多幸感を齎し、既に溶けきった頭をぐちゃぐちゃにかき回す。
目が気持ちいい。
手が気持ちいい。
陰茎が気持ちいい。
睾丸が気持ちいい。
全部が気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい。
（エトナさん・・・大好き♥）
肉体的快楽は勿論、精神的幸福も十二分。
エトナは自分にどこまでも愛情を注ぎ、自分を溺れさせてくれる。
愛欲に溺れているのは、シロだけではない。
欲望が満たされ過ぎて、ぐちゃぐちゃになった顔で喘ぐことしかできない姿を見て、
魔物娘であるエトナが、どうかしない訳が無い。
愛する男の剛直が、子宮を揺らす。
力強くも優しく、指が胸に埋もれる。
こんなにも小さくて、こんなにも幼い少年が、
今、自分を精一杯、貪っている。
（本当に・・・シロは可愛いな！）
なら、それに全力で応えるのが自分の務め。
そう思った思考回路と、神経が直結するかのように、膣の締め付けを強めた。
「ひひゃぁっ！？」
「我慢なんて、させねぇからな？ シロのザーメン、全部アタシが搾り出してやる・・・！」
（がまん・・・って、なに・・・？ あ・・・もう・・・♥）
精巣の疼きが、急速に強まり、玉袋が縮む。
咽かえるほどに淫靡な空気の中、体の奥底から湧き上がる衝動。
「・・・イけ♥」
声と同時に、ずっと弄ばれ続けていた陰嚢を、ギリギリの強さで握り締められ。
「いっ・・・ああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！！！！！」
溜まりに溜まった淫欲が、弾け飛んだ。
輪精管をめりめりと押し広げながら、燻り続けていた精液が出口へと雪崩れ込む。
陰茎の感覚が共感覚として伝わったのか、視界に閃光が乱舞した。
ぎゅっ、ぎゅっと、脈動と同期して搾るエトナの玉責めが、殊更に快楽を増幅させる。
「ーーーーーーーーーーーーーー！！！！！！！」
空気を全て体外に出しても、尚も続く射精快楽が膨大すぎて。
掠れた音がするだけになっても、喉は叫びを続けようとしている。
「・・・・・・っ！！！！！！」
エトナもエトナで、子宮の底から雌の悦びの暴虐を受けている。
意識が朦朧としたが、この感覚を朧なままに受けてなるものかと、強引に意識を保つ。
シロと同じく、視界が明滅を繰り返す中、快楽の沼に溺れ続けた・・・
長い射精が終わり、ぐったりしたシロ。
一応、その気になればまだまだ続けられるが、どちらにせよ多少は休憩がいる。
（更に言うなら、エトナが動けば意志に関係なく続行だが）
「んー・・・」
「どうした？」
「インキュバスになって変化するものは、性欲と精力と寿命の三つ。
つまり、体力は変わらないんですよね。そこも変わってくれれば、もっとエトナさんと
愛し合うことができるのに、もどかしいです」
「これからつけてけばいいだろ。無理すんな」
「無理してでもやりたいんですよ。僕はエトナさんが大好きですし、
その・・・気持ちいいし」
「言うようになったな♪ けど、それでいいんだ」
「いい加減、僕も変わらなきゃいけないと思ったんですよ。色々な意味で。
エトナさんからはたくさんのものを貰いましたから、僕も報いなきゃって」
「・・・そっか」
自力で、心を融解できるようにもなった。
ここまでくれば、ゴールはもうすぐ。
奇しくも、タイミングが旅の終わりと重なった。
「今日は、これくらいでいいですかね。明日、全てを決めるつもりなので」
「体調は万全に、だな。それならこの辺にしとくか。続きは朝にな♪」
「あはは・・・」
両親を、殴りに。
二人の旅の目的。
それが果たされるまで、あと数時間。
「ヤバイ、涎止まんねぇ」
王都の高級レストランにて。
二人の前にあるのは、300gの分厚いステーキ。
だが、二人はこのステーキに一切のお金を払っていない。
事は数十分前に遡る。
「泊まれませんでしたし、何か美味しいもの食べますか」
高級ホテル宿泊を断念し、別の所で贅沢をしようと考えた結果、
とりあえず、確実に幸せになれそうな選択をした二人。
折角なので、大衆店ではなく、ストレートに高級店に行ってみることにした。
「エトナさんの希望は？」
「肉！」
「えっと・・・何の肉かとか、調理法とかだと？」
「そうだな、ステーキ食いたい」
「となるとレストランですね。ランチメニューでやってる所、となると・・・」
見つけたのは、少し行列が出来ている店。
その最後尾に、二人は並んだ。
「列が出来てるって事は、評判になっているはずです」
「この分ならそんなにかからないだろうしな。待つか」
「ところでエトナさん、テーブルマナーってご存知ですか？」
「・・・知ってるなら、教えてくれ」
「分かりました。まず、ナイフとフォークですが・・・」
待つこと１５分。列は進み、入り口近辺に来た時。
「・・・ん？」
「おい、割り込みじゃねーか？」
列の先頭に、横から入り込む男女。
誰かが割り込みをかけたようだ。
「長蛇の列ならまだしも、今の所僕とエトナさんが最後尾なんで、
あんまり意味ないと思うんですけど」
「２、３人抜かしても大して変わんねぇのに。何やってんだか」
「もう少しですから、このまま待ちましょう」
割り込みを咎めることもなく、そのまま待つこと更に５分。
二人が店内に入った瞬間。
「おめでとうございます、お客様！」
「うわっ！？」
「へっ？」
クラッカーの音と共に、従業員が二人の下へと集まった。
「只今、お客様感謝祭を行っておりまして。
あなた方が、当店開店から丁度１００万組目のお客様です！
記念と致しまして、今回限り、当店の料理を無料で提供いたします！」
「マジで！？」
全くの偶然。とんでもない幸運が降りかかった。
「特にご希望がございませんでしたら、当店の最高級フルコース
『History of royal』を提供させて頂きますが、宜しいでしょうか？」
「どうします？ 僕はお店の方の仰る通りにした方がいいと思いますが」
「同感だ。こういうのはプロに任せたほうがいい。『餅はどっちだ』って言うし」
「『餅は餅屋』です。一体餅と何が並んでる状況なんですか」
「・・・大福？」
「それもほぼ餅です。ということで、そのコースでお願いします」
「かしこまりました。こちらのお席へどうぞ」
従業員がテーブル席へと二人を案内しようとした、その時。
「おいコラ！ 俺達が１００万組目だろーがよ！」
「そうよ！ そうならそうと店の前に書いておきなさいよ！」
突然、男女二人が怒鳴り声を上げて、従業員に詰め寄った。
両者、着ているものは高価だが、とにかく高い物を寄せ集めただけという感じであり、
センスのかけらも感じられない。
「いえ、お客様方は９９万９９９８組目でございます。
割り込みをされなければ、１００万組目でしたが・・・」
「だったら俺らが１００万組ってことじゃねーか！ 並んだのは丁度なんだからよ！」
「そうよ！ 私達にそのなんとかロイヤルってコース料理持ってきなさいよ！」
「そう仰られましても、入店のタイミングでカウントさせて頂いておりますので・・・」
先程、列の先頭に割り込んだ客。
割り込まずにきちんと並んでいれば、１００万組目の客はこの二人だった。
「そもそも店の前に後何人かぐれー書いとけよ！ 騙しやがってこの詐欺料理店が！」
「いいからとっとと寄越しなさいよ！ それか私達の料金タダにしなさい！」
「お客様、あまり騒がれますと迷惑に・・・」
「お前がちゃんと出すもん出せば黙ってやるよ！ バカかテメェ！」
「みみっちい店ね本当！ みなさーん！ この店は詐欺料理店ですよー！」
「お客様！」
喚き散らす客に困惑する従業員。
この場にいる客がこの二人だけだったら、もう少し長引きそうだったが。
（シロ）
（はい）
（いいか？）
（はい。でも、なるべく傷はつけないようにお願いしますね）
（分かった）
アイコンタクトで、意思疎通を完了。
エトナが二人の前に歩み寄る。
「オイ。黙れ」
「うるせぇ！ お前らがいなけりゃ・・・あ゛ぶっ゛！」
素早く腕を取り、関節技をキメる。
完全に肩を持っていかれた男は、苦悶の表情で呻き声を上げた。
「お゛お゛お゛お゛お゛！！！！！」
「もう半分回せば、完全に肩がイカれる。
選べ。黙ってメシ食ってるか、メシの食えねぇ身体にされるか」
「メ゛ジ・・・ぐい゛、ま゛ず・・・」
要した時間は数秒。
当たり前のことではあるが、すぐに決着がついた。
腕を解放し、男を追いやる。
「今度騒いでみろ。関節が増えるぞ」
「ヒィッ・・・！」
「・・・仕方ないわね」
恐怖に慄く男と、しぶしぶといった女。
それでも、両者共に自分達の席へ戻って行った。
「んじゃ、案内してもらえるか？」
「お客様・・・誠に申し訳ございません！ お客様の手を煩わせてしまうとは・・・
お帰りの際、会計担当の者にお声をかけて下さいませ。
今回のサービスとは別途、迷惑料を支払わせて頂きます」
「いいって。んなもん出したらその場で叩き返すからな」
「どうしてもと仰るのであれば、その分は今から頂く料理で頂戴いたします。
より一層、心を込めて頂くという意味で、ね」
「お客様・・・恐れ入ります。料理人一同に申し伝えます。
今までで一番の料理を作りなさい、と。では、改めてこちらのお席へ」
そして、思いがけなく手にしたフルコースも中盤。
待望の肉料理、登場である。
「シャトーブリアンステーキでございます」
「うわっ、香りが」
「美味そう・・・アタシでも分かる。この肉、普通じゃない」
「シャトーブリアンですからね。牛一頭から数百グラムしかとれないとか。
それじゃ、頂きましょうか」
スッと、自然にナイフが入り、現れたのは程よく赤身を帯びた断面。
ゆっくりと口に運び、咀嚼する。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
人間も、魔物娘も、不思議なものである。
あまりに大きな衝撃を受けると、何の言葉も出ない。
（脂の量も質も凄いことになってる。繊維もすごくきめ細かい。
食べたこと無いから当然だけど、僕の知ってるお肉じゃない。
元々お肉ってそんなに食べてなかったけど、世の中にはこんなのがあるんだ）
（コレ肉なのか本当に。美味すぎるだろ。そして柔らかすぎるだろ。
肉ってもっと硬いもんじゃなかったか？ アタシが今まで食ってきた肉の方が違ってたのか？
じゃあアタシは今まで何を食ってきたんだ？）
頭の中には、無数の言葉が飛び交っている。
しかし、それを口にすることはなかった。
ようやく口を開けたのは、二口目を飲み込んだ後。
「これ、普通に頼んだらおいくらするんですかね」
「分からん。本当にツイてたな、シロ」
「えぇ。・・・ちょっと、複雑ではありますが」
「まぁ・・・な」
素直に喜ぶに当たって、僅かに障害となる事。
それは、先程難癖をつけてきた、二人組。
まさか、ここでも出会うことになるとは思っていなかった。
「僕が自分達の息子であるとは、気づいていないでしょうね。
視界には入ったはずですが、特に何の動きもありませんでしたし」
「生まれてからすぐってことは、ほぼ十年会ってないんだろ？
ただ、それでも面影くらい覚えてそうなもんだけど」
「二人にとっては瑣末な記憶だったんでしょう。渡された金貨に比べれば」
「そういうことに、なっちまうか」
「はい」
どこでも、振る舞いは変わらない。
シロの両親だった。
「・・・ちょっと、この場には合わない話ですね。
今は食事を楽しみましょう」
「だな。メシは楽しく食うもんだ」
どうせなら、楽しく。
とりあえず、二人は目の前にある幸福を、文字通り噛み締めた。
食事を終え、レストランから馬車へ。
途中で買ったおやつをつまみながら、この後についての相談。
「ゲヌアの一件もありますし、教団がここで活動してることはないでしょう。
僕の両親と接触はしたみたいですが」
「それだけが気になるんだよな。あの二人はともかく、
教団の奴らが何か仕掛けてるっていう線もあるかもしれねぇし」
「注意しておくに越したことはないでしょう」
ターゲットの確認。
自分の体力。
心の準備。
用意は整った。
あとは、いつ、どうやるかだけ。
「シロ。・・・遠慮はいらねぇ。思いっきりやってやれ」
「はい。この旅で分かりました。
僕の両親は、何の疑いも無く、クズだってこと。
僕を売ったことはともかく・・・あまりにも、救い様が無さ過ぎます」
エトナとの二人旅で、シロは少しずつ、少年らしい感情を手にした。
喜び、怒り、哀しみ、楽しみ・・・平坦な土地を、耕すようにして。
それでも未だ、自分の両親が、金貨一万枚で自分を売ったことは、そこまでの問題にしていない。
自分の持つ力が、あまりに面倒であると考えていたから。
それが、合理的な考え方しかしない、或いは『できない』、シロの結論。
そんな彼だからこそ、思いついた。
「・・・あ、そうだ。エトナさん。一つ、お願いがあるんです」
「何だ？」
「決行は、明日にします。そこでなんですが・・・」
「ふむ・・・」
シロの話した、エトナへの頼み。
その内容を聞いたエトナは。
「・・・いらなくね？」
「とは思いますけど、万が一ってことはありますし。
直接対面すれば、多少は事が変わるかもしれませんし」
「まぁ、シロの頼みなら断らねぇけどさ。んじゃ、そうするか」
「ありがとうございます」
二つ返事、とはならなかったが、了承した。
「さて、まだ外を歩ける時間ですが」
「ヤリたくなった、と」
「・・・恥ずかしながら」
「言っとくけど、このまま普通に外に戻るつもりだったら
引っ掴んでベッドにブン投げて犯してたからな」
「・・・あはは」
「それじゃ、歯ァ磨くか」
「ですね」
まだ眠くはない。食欲は先ほど満たされたばかり。
となれば、残った欲の解消となるのは自然なこと。
もっとも、今となっては前二つの欲が多少ある程度では、
止めることができないくらいに、性欲は膨れ上がっているが。
ベッドに寝転がり、互いの服を脱がせる。
露になった肌を擦り合わせ、そのまま唇を重ねる。
「んっ・・・ちゅるっ・・・じゅるるっ・・・」
「じゅっ・・・じゅるるっ、じゅぶっ」
エトナの口内に控えめに入れた舌が、少しだけ強く吸われる。
境界線が融け、頭に上った血を下半身に送り込む指令が下される。
触れてさえいないのに、陰嚢が甘く疼きだす。
この熱い昂ぶりを、すぐにでも射精したい。
ゆっくりと熱を高めることも大切だと分かっている。
しかし、それよりもっと、直接的な快楽を味わいたい。
「・・・♪」
「ふぁっ♥」
触られたい、と思った瞬間。
エトナの右手はシロの肉竿に、左手は玉袋に添えられた。
いつもなら、まずはゆっくりと。しかし、シロの紅く染まった顔を見て、
落ち着いた気持ちで快楽を感じられる程度に抑えられながらも、手コキによる責めが始まった。
「ふぁぁぁぁっ♥」
「おちんちん、気持ちいい♥ おちんちん、気持ちいい♥」
敏感なカリ首を擦る右手も、凝り固まった精液を袋越しにほぐす左手も激しい動き。
なのに、与えられる言葉は、まるで子供をあやす様な、優しい言葉。
罵られる事も好きになっているシロだが、こういった言葉も好む。
ほぐれた精液の固まりは、睾丸に重量感をもたらす。
これから訪れる射精の快楽を極限まで高め、最高の幸福感を得る為の性欲を増進させる。
シロの頭の中は、エトナの手コキの快楽でいっぱいいっぱい。
「おちんちんから精子びゅるびゅる♥ 気持ちよーくぴゅっぴゅ♥」
「も・・・だめ・・・・♥」
「うん、たーくさん射精せ♥ 気持ちよーくぴゅっぴゅ♥」
「も・・・でりゅぅぅぅぅぅ♥♥♥」
濃密な手淫によって、いとも容易くシロは達した。
陰茎の根元、身体の奥底から亀頭へ濁流が流れ込み、エトナの手に打ち付けるようにして、
勢いよく、欲望の白濁液を放出した。
なおもエトナは、シロの耳元で囁く。
「ふぁぁぁぁぁぁ♥♥♥」
「気持ちいい♥ 気持ちいい♥ おちんちんから精液射精すの気持ちいい♥」
「あぁぁぁぁぁぁ♥♥♥」
快楽を、最高の状態で、最大限に与える。
与えられる快楽が僅かにでも少なくなることを、エトナは許さない。
耳からドラッグを流し込み、身体中に循環させる。
手と声だけで、シロの頭は混濁し、酩酊状態に陥った。
「ひもひぃ・・・ひもひ・・・♥」
「うん、いっぱい射精してえらいぞー♥」
既に至上の幸福の中にいるシロだが、忘れてはならない。
これはまだ、『前戯』の段階。
この後に待つのは、今と同じかそれ以上の天然媚薬漬けフルコース。
普通の人間なら、そこに至る前に脳が壊れ、命を落とすか廃人になるかの二択だが。
「もっと・・・くらはい♥」
「・・・も・ち・ろ・ん♥」
今のエトナは、どこか茶目っ気のある、悪戯おねえさん。
そう理解して、更なる欲望を持つくらいには、インキュバスのシロは意識を残せた。
その辺りは、エトナも知るところであり。
「んじゃ、今度はこっちで」
精液で塗れた人差し指を一舐めし、そっと唇の端に当て。
「んー・・・ぷはっ♥」
粘つく淫靡な銀糸と、欲情を煽る色味を帯びた口内粘膜を、これ見よがしに見せ付けた。
「おくちで・・・な？」
「・・・♥♥♥」
否が応にも、これから始まる口淫陵辱の感触を想像させる。
その中で妖しく蠢く、肉厚な舌を一度止めて。
「・・・どっちがいい？ 少しずつ嬲られるか、一気にイカされるか」
蠱惑的極まりない選択肢を提示され。
「いっきに！ 一気に犯してください！」
本能のままに、激しい責めを望み。
「・・・んんっ！」
「ひうぅっ！？」
一瞬で、肉棒がエトナの喉へと吸い込まれた。
「んぐっ、んぐ、んん゛っ！」
「ひぎっ！？ ふぁっ、エトナさん！？」
長さ・太さ共にインキュバスのサイズになっているシロの一物。
にもかかわらず、エトナは何の躊躇も無く、根元まで咥えこんだ。
下品に顔を歪ませ、口内の空気を抜くと、一心不乱に頭を前後へ。
責められているシロが不安になるほど、常軌を逸した動き。
締め付けと吸い込みに限って言うと、下の口を超えている。
唾液で湿り、ぬるぬるの舌と喉の粘膜に擦られ、
膣性交を錯覚するピストン運動まで加えられては、ひとたまりもない。
一度絶頂に達したことなど、気休めにもならず。
「エトナっ、さん！ もう、僕、すぐにいぃっ！？」
「んぶっ！ んぐぐっ！ ぐぶぅっ！」
一際強く頭を打ち付けたかと思うと、限界まで口を開け、
強引に睾丸まで口に含んだ瞬間、白濁液が噴射した。
「ひゃやああああああああ！？」
「んんーーーーーーーー！」
射精中の玉袋を更に舐め転がし、精液の増産を促しながら奪い取る。
精液どころか、陰茎ごと飲み込まれるのではないかという恐怖は、
神経を過敏にするだけの劇薬。
望んだ通り、無茶苦茶に犯され、破滅的な快楽に襲われた。
「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
「・・・・・・んっ」
「ひっ」
ゆっくりと、口内から開放するその最後まで、犯し尽くす。
喉を鳴らし、ほぼ直接注ぎ込まれた粘液を飲み下すと、エトナは満足げに、笑みを浮かべた。
「ごちそうさま♪」
「ふぁ・・・♥」
気の抜けたシロだが、休んでいる暇はない。
気づいた時には、自分の股間の上に跨るエトナがいる。
となれば、次に来るのは必然。
「挿れる・・・ぞっ！」
「ひひゃぁっ！？」
ぞりぞりと肉襞が擦り上げ、あっという間に根元まで歓待を受ける。
ほんの僅かに、そのまま止まる時間があったが・・・
「はっ、あっ、あっ、あぁっ！」
「あひぃっ！？ ふぁあああっ、あひゃっ！？」
すぐに、激しい上下運動が始まった。
エトナは腰を下げるたびに嬌声を漏らし、シロはほぼ常に喘ぐ。
その状態でなおも、快楽の沼に沈めにかかるエトナ。
「シロ、アタシはこっちやるから・・・ここは自分で、なっ！」
「ふひぃっ！？ あっ、ふぁあっ！」
シロの手を乳首に動かし、自身は睾丸を揉む。
性感帯になりうる場所を全て刺激し、自ら快楽を貪らせる。
それは、つまり。
「アタシをオカズに乳首オナって、アタシをオナホにして、射精しちまえ♥」
自らの体全てを、性欲の捌け口にしていい、ということ。
蕩けきった脳で、それを理解した瞬間。
「・・・ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♥♥♥♥♥」
シロの精神は、乳飲み子まで退化し、与えられるもの全てを享受することにした。
「ひあぁぁぁ♥・・・あぁん♥・・・♥」
「シロっ！ シロっ！ んあっ！」
くりくりと乳首を弄りながら、なかなか重ならない目の焦点をエトナへ。
激しく揺れるＨカップのバストの辺りに照準を定め、少しずつ合わせていく。
（僕のいじるのも・・・きもちいいけど・・・）
触れたい。揉みしだきたい。
自然と、両手が自分の胸から離れ、エトナへと伸びる。
「ん・・・？ ・・・しょーがねーな」
「ふぁっ♥」
シロの望むことをすぐに察知したエトナ。
体を前に倒し、シロの手を掴む。
「こっちの方が、好きか♥」
「・・・！！！」
こくこくと、全力で首肯。
それがいじらしくて、可愛くて。
「それじゃ・・・おっぱい、揉んでくれ♥」
「・・・っ！」
「んっ♥」
自分の乳房を軽く握らせた途端、十指が乳肉に沈んだ。
シロの小さな手からはみ出し、覆いきれないエトナの美巨乳。
柔らかさと弾力が絶妙な配合でブレンドされた、極上の乳肉。
両手で犯しているのはシロ。しかし、手を犯し返すのはエトナの乳房。
伝わる感触が多幸感を齎し、既に溶けきった頭をぐちゃぐちゃにかき回す。
目が気持ちいい。
手が気持ちいい。
陰茎が気持ちいい。
睾丸が気持ちいい。
全部が気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい。
（エトナさん・・・大好き♥）
肉体的快楽は勿論、精神的幸福も十二分。
エトナは自分にどこまでも愛情を注ぎ、自分を溺れさせてくれる。
愛欲に溺れているのは、シロだけではない。
欲望が満たされ過ぎて、ぐちゃぐちゃになった顔で喘ぐことしかできない姿を見て、
魔物娘であるエトナが、どうかしない訳が無い。
愛する男の剛直が、子宮を揺らす。
力強くも優しく、指が胸に埋もれる。
こんなにも小さくて、こんなにも幼い少年が、
今、自分を精一杯、貪っている。
（本当に・・・シロは可愛いな！）
なら、それに全力で応えるのが自分の務め。
そう思った思考回路と、神経が直結するかのように、膣の締め付けを強めた。
「ひひゃぁっ！？」
「我慢なんて、させねぇからな？ シロのザーメン、全部アタシが搾り出してやる・・・！」
（がまん・・・って、なに・・・？ あ・・・もう・・・♥）
精巣の疼きが、急速に強まり、玉袋が縮む。
咽かえるほどに淫靡な空気の中、体の奥底から湧き上がる衝動。
「・・・イけ♥」
声と同時に、ずっと弄ばれ続けていた陰嚢を、ギリギリの強さで握り締められ。
「いっ・・・ああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！！！！！」
溜まりに溜まった淫欲が、弾け飛んだ。
輪精管をめりめりと押し広げながら、燻り続けていた精液が出口へと雪崩れ込む。
陰茎の感覚が共感覚として伝わったのか、視界に閃光が乱舞した。
ぎゅっ、ぎゅっと、脈動と同期して搾るエトナの玉責めが、殊更に快楽を増幅させる。
「ーーーーーーーーーーーーーー！！！！！！！」
空気を全て体外に出しても、尚も続く射精快楽が膨大すぎて。
掠れた音がするだけになっても、喉は叫びを続けようとしている。
「・・・・・・っ！！！！！！」
エトナもエトナで、子宮の底から雌の悦びの暴虐を受けている。
意識が朦朧としたが、この感覚を朧なままに受けてなるものかと、強引に意識を保つ。
シロと同じく、視界が明滅を繰り返す中、快楽の沼に溺れ続けた・・・
長い射精が終わり、ぐったりしたシロ。
一応、その気になればまだまだ続けられるが、どちらにせよ多少は休憩がいる。
（更に言うなら、エトナが動けば意志に関係なく続行だが）
「んー・・・」
「どうした？」
「インキュバスになって変化するものは、性欲と精力と寿命の三つ。
つまり、体力は変わらないんですよね。そこも変わってくれれば、もっとエトナさんと
愛し合うことができるのに、もどかしいです」
「これからつけてけばいいだろ。無理すんな」
「無理してでもやりたいんですよ。僕はエトナさんが大好きですし、
その・・・気持ちいいし」
「言うようになったな♪ けど、それでいいんだ」
「いい加減、僕も変わらなきゃいけないと思ったんですよ。色々な意味で。
エトナさんからはたくさんのものを貰いましたから、僕も報いなきゃって」
「・・・そっか」
自力で、心を融解できるようにもなった。
ここまでくれば、ゴールはもうすぐ。
奇しくも、タイミングが旅の終わりと重なった。
「今日は、これくらいでいいですかね。明日、全てを決めるつもりなので」
「体調は万全に、だな。それならこの辺にしとくか。続きは朝にな♪」
「あはは・・・」
両親を、殴りに。
二人の旅の目的。
それが果たされるまで、あと数時間。
17/05/10 21:53更新 / 星空木陰
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