38.最後の地、謎すぎる血
太陽が真上を通り過ぎてから暫く。
ベッドの上で、二人は抱き合っている。
「・・・射精そう」
「・・・っ♪」
「んっ・・・♥」
シロの陰茎は、エトナの膣の中。
抜かずの2時間で、何度も精を吐き出している。
「ふぁぁ・・・♥」
「うん、締めてやるからいっぱい射精せ♥」
「ふぁい・・・♥」
キュッ、キュッと、先端と入り口が刺激される。
搾り取るような蠢きが、快感を更に深める。
「あぁ・・・気持ちいい・・・♥」
「アタシも。・・・可愛いな、シロ」
「エトナさんも、すごく綺麗で・・・可愛いです」
「・・・この野郎♥」
わしゃわしゃと頭を撫で、髪をぐしゃぐしゃにする。
心底嬉しそうなエトナの顔は、シロと同様、真っ赤に染まっていた。
「ここが王都なんですね。名前はよく聞きますけど、来るのは初めてです。
といっても、今まで訪れた所は全部初めてでしたが」
「それじゃ、準備いいな?」
「はい!」
王都ジェルスティン。大陸中央の首都。
王は代々、親魔物政策を推し進めており、人間も魔物娘も多数見かける。
更に、都市の中でも区画毎に様々な施設があり、
今まで訪れた町の特色全てを凝縮したかのような都市となっている。
「ここにシロの両親がいる訳だな。一応資料見とくか」
「どうぞ。東居住区のマンション・・・ここですね」
情報屋のアイリスから受け取った、シロの両親の居場所が記載された紙。
教団との繋がり、現在の状況、性格等々。
その殆どは、我が子を売っただけあり、酷いものだった。
そして、シロはここで初めて知ることになる。
「『ハイン・イーグル』、『カリスタ・イーグル』。・・・へぇ。
こんな名前だったんですね、僕の両親」
「・・・名前も分からなかったんだよな」
「えぇ。この写真を見るまでは、顔も分かりませんでした。
でも、仮に僕のことを忘れていたとしても、破魔蜜のことをチラつかせば、
何らかのアクションは起こすでしょう」
「反応あれば確定だろ。人違いの心配は無いな」
「はい。・・・それじゃ、行きますか」
衛兵の検査を受け、街の中へ。
ゆっくりと、馬車を進めて行った。
「そこでアタクシは言ったんですよ。
『お前さん、それじゃウチの家のジジイの方がまだいいよ』ってね♪」
「あっはっはっはっ!」
「くふっ・・・!」
目的は決まっているとはいえ、まずは観光。
街の劇場を訪れ、人情噺を楽しむ二人。
エトナは勿論、珍しくシロも笑っている。
「いやー・・・年季感じましたね」
「だろ? これもアタシが見せたかった物なんだよ」
「エトナさんに出会えなかったら、これも知らないままでした」
「まだまだ教えたいことあるから、覚悟しとけよ?」
「お手柔らかに、お願いしますね」
演目が終わったところで、劇場を後にしようとした所。
突然、出口の方から大きな声が響いた。
「何だ? 何か揉め事っぽいな」
「どうしたんでしょうか」
場所的に通り道になるので、軽く様子を見てみる。
すると、怒鳴り声を上げている男と、頭を下げる劇場スタッフがいた。
「終わっちまったじゃねーかよ! お前がくだらねーことほざいてる内に!」
「申し訳ございません! ですが、私の・・・」
「知らねーよんなもん! さっさと値下げりゃよかったんだよ!
ジュース一つで銅貨10枚とかふざけんなよ!」
「ですから、劇場というものは・・・」
「うるせぇ! サテンですら7枚取りやがるのに10だ?
ぼったくりもいい加減にしろってんだ!」
どうやら、ジュースを買おうとした男が値切り交渉をしていたようだ。
こういった場所で、嗜好品の類が多少高くなるのは普通のことなのだが、
男はどうしてもそれが気に食わないらしい。
「みみっちい野郎だなオイ。なぁシロ・・・シロ?」
「・・・・・・声は、出さないで下さいね」
スッと、紙を手渡す。
それを見たエトナは、思わず上げそうになった声を、手で強引に押し殺した。
暴れる男の顔は、写真と一緒。
つまり、この男はシロの父親、ハイン・イーグル本人だった。
「・・・今はまだ、泳がせます。住所は知ってますけど、念の為。
後をつけて、確定させましょう」
「・・・分かった」
エトナは、この男がシロの父親とは思えなかった。
写真と違う訳でもなければ、シロ、もしくはアイリスが嘘をついているとも考えていない。
ただ、シロに流れる血の半分が、この男と一緒とは思えなかったのである。
活気溢れる大通りを歩きながら、ハインの後をつける。
人も魔物娘も多い為、近づいてもバレる心配は無さそうだ。
「あっ、あのパン美味しそう」
「どれだ?」
「そこの青い看板の店の、コロッケが挟んであるやつです。ほら、二段目の」
「デカいな。後で買うか?」
「はい。あの大きさなら1個で十分ですね。分けて食べましょう」
辺りの店のショーウィンドウを見ながらでも余裕。
それなりに自分の欲望を口に出すようになったシロを見て、エトナもご機嫌。
無意識に、手がシロの頭に伸びる。
「あれは・・・ふに」
「どれだー?」
「あの、何で僕の頭を・・・?」
「ん? あ、いつの間に。で、どれ?」
「えぇっと・・・まぁいいや。そこの店のサンダルなんですけど・・・」
(髪柔らかい。ふかふか)
なでなでわしわし。
若干、注目度が上がったが、依然として気づかれる気配は無い。
「なんかさ、いいな」
「はい?」
「シロの頭、丁度いいとこにあるから撫でやすい」
「・・・僕の背が低いということですか?」
「違うって。丁度いいってこと」
「一緒だと思うんですけど」
「流石に5cmはあるだろ?」
「それより小さかったら多分僕、踏まれてます」
「その前にアタシが保護するから大丈夫だって」
「・・・キスとかできませんよ?」
「・・・それは嫌だな。ごめん」
「分かればいいんです」
「50cmは必要か」
「エートーナーさーん?」
「ごめんって。撫でてやるから許せ」
「そんなことで騙される僕じゃ・・・」
「そっか、んじゃやめる。ごめんな」
「撫でて下さいお願いします」
「了解♪」
「見えます?」
「余裕。オーガの視力ナメんな」
シロの両親が住むマンションの向かい側の廃ビル。
屋上から、ハインの姿が確認できた。
「左から1、2、3・・・4つ目か」
「このマンションは15階建てなんで、部屋番号は1504ですね。
アイリスさんから頂いた情報と間違いありません」
「よし、決まったな」
全ての点が、繋がった。
シロの両親は、王都の高級住宅街のマンションに住んでいる。
「いつでも行けるぜ?」
「そう・・・ですね」
両親を、殴りに。
その目的は、もうすぐ達成できる。
「今日は一旦、泊まりましょう」
「そうするか。シロ、折角の王都なんだし、ちょっといい宿探さないか?」
「・・・うーん、確かにそれくらいの余裕はありますけど」
「たまには贅沢しようぜ? なぁ、いいだろ?」
「・・・そうですね。僕はお金は貯めるものだと思ってますけど、
本来は使うものですし、探してみますか」
「よっしゃ!」
質素倹約生活が基本のシロだが、ここまで来るに当たって得た金は、結構な額。
なら、それなりには贅沢してもいい。
それがエトナも楽しませることができることなら、尚更であった。
「申し訳ございません、本日は全室予約済みでして・・・」
ここに来て、問題が発生。
都内の高級ホテルは軒並み、予約が埋まっていた。
観光地としても名を馳せているジェルスティンは、宿泊施設も多い。
しかし、それ以上に観光客も多く、高級ホテルの一部は数ヶ月先まで予約で埋まっている。
「分かりました。では、失礼します」
「6件回ってコレか。厳しいなこりゃ」
辺りは徐々に暗くなってきている。
あまり猶予は無い。
「どうします? もう少し探しますか? それとも馬車に戻るか」
「探す。馬車でもいいけど、できるだけは探したい。
ここ街灯多いから、暗くなっても大丈夫だし」
「分かりました、それじゃ今度は・・・」
近隣のホテルへ行こうとした時。
隣のカウンターから怒声が発せられた。
「金ならあるって言ってるじゃない!」
「予約が優先ですので、お金を出されましても・・・」
「倍よ倍! 倍額出す客を何で取らないのよ!
あったま悪いわねアンタ!」
金にものを言わせ、強引に予約に割り込もうとしている客。
装飾品の類は高級なもので固めているが、その姿は酷く醜い。
そして、今度は二人揃って気づく。
「気になりますけど、一旦離れましょう。万が一がありますし」
「あぁ。・・・今日は馬車に泊まるか。な」
隣にいた客は、シロの母親。
カリスタ・イーグルであった。
馬車に戻った二人。
ベッドに腰かけ、ほぼ同時に。
「「何だ(何ですか)これ!?」」
殴るべき対象の相手が、想像以上に下卑た輩であることについて、シンプルな感想を吐いた。
「シロ、お前は本当にあの二人から産まれたのか?」
「そのはずです。まさか、こんな人間だったとは・・・」
「・・・隠し子か何かじゃねぇのか? 一体どこ受け継いだんだか」
「僕、今なら言えます。あんな両親の下で育たなくて良かったって」
シロも見放す、親の醜態。
もし、彼が特異体質ではない人間だとしたら、両親の下に居たことになるが、
虐待の繰り返しか、親と同じく醜悪な人間になるかのどちらかだっただろう。
「ラシッドの人達、ぶっきらぼうですけど、皆さん優しかったですし」
「シロが好かれてただけじゃねぇのか? お前、魔物どころか人まで呼び込めそうだし」
「そんなことないですよ。礼節は大事にしようとは思ってましたけど」
「十分。こんだけしっかりしてて可愛いなら、誰からも好かれるっての。
ま、シロを一番好きなのは、間違いなくアタシだけどな♪」
そう言いながら至極自然に、シロをベッドへと押し倒す。
宿探しに時間がかかった為、時間的には頃合い。
「それじゃ、ヤるか。気持ちいいこと」
「その・・・おっぱい、揉みたいです」
「分かった。・・・っと」
片手で胸当てを外し、シロの上から隣へと寝転ぶ。
右手はシロのお腹に、左手は頭に。
「ほら。シロ専用のおっぱい。揉んでも舐めても挟んでも、何でもしていいんだぞ」
「・・・もう、何でそんなに頭がおかしくなりそうなこと言えるんですか」
「シロが大好きだから」
「もう・・・♥」
谷間に顔を埋め、真っ赤になった肌を隠す。
赤みは増したが、エトナからは見えない。
(やわらかい・・・あったかい・・・)
「ふふっ、アタシじゃ手伝えないから、呼吸はちゃんとしろよ?」
シロの小さな手からはみ出る、エトナの豊かな乳房を揉む。
柔らかくもしっかりとした質感を感じ、脳が蕩ける。
「あぁ・・・あぁ・・・!」
「可愛い。シロ、可愛い」
「おっぱい・・・やわらかい・・・はむっ」
「んっ!」
乳首を口に含み、舐め転がす。
先端を舌先で突いたり、周辺をくるくると舐め回す時が一番、反応が大きい。
今までの経験から、エトナも気持ちよくなれるように責める。
「んっ、んっ。んんっ・・・んっ」
「あっ! あぁっ・・・んぁぁぁっ!」
顔面と両手いっぱいに柔らかさを感じながら、乳首を責める。
ガチガチに硬くなった陰茎が、エトナの太股に刺さった。
顔を綻ばせたエトナに、シロは肉棒への快楽もねだる。
「・・・太股で、お願いします」
「うん、分かった」
軽く脚を上げ、シロの一物を挟み込む。
程よい硬さの太股を擦り合わせ、ぐにぐにと扱く。
「はぁ・・・はぁ・・・あぁっ、気持ちいい・・・♥」
「シロからも突いてみろ。
筋肉って力抜くと、めっちゃくちゃ柔らかくなるから」
「えっ? ・・・あ、本当だ。むにむにがむにゅむにゅになった」
「言い方可愛いな。んじゃ、むにゅむにゅも味わってみろ♪」
「はいっ!」
エトナの身体に乗っかり、太股の間に挿れた肉棒を抜き差し、抜き差し。
最低限の力で締め付けられてはいるが、全体としてはリラックス状態。
先ほどまでとは違った圧迫感が、快楽神経を刺激する。
「ふあ・・・これ、柔らかいのに凄くキツい・・・」
「ふふっ。アタシの身体は全部シロのものだ。対価は勿論、シロ自身♥」
「僕で、良ければ・・・♥ ふぁぁ・・・♥」
「シロがいい。シロでいいんじゃなくて、シロがいい。
シロじゃなきゃ嫌だ。シロになら、アタシの全部、預けられる」
(あぁ・・・もう・・・きもちいいししあわせだし、おかしくなる・・・♥)
太股コキで肉体が、声で精神が蕩ける。
混濁した意識の中、送り込まれるものを防ぐ術も無く。
「ふぁ・・・イク・・・」
「うん、射精せ♥」
エトナの手が、頭を撫でるのと同時に。
「ふぁぁぁぁぁ・・・・・♥♥♥」
(射精てる・・・あったかい♥)
むにゅむにゅと肉棒を締め付ける太股の中、精液を漏らした。
「ふわぁ・・・だいすき・・・エトナさん、だいすき、です・・・♥」
「アタシも大好きだぞ、シロ♥」
「・・・ふわっ♥」
ギュッ、ギュッと、まるで膣の蠕動を想起させるような動きで締め付けを強め、
最大限に快楽を深く、長引かせる。
錯覚を起こした頭が、更に脳内麻薬の分泌を促した。
(もう、なにもかんがえられない・・・♥ きもちよすぎて、なにも・・・♥)
「シロ、次はどうする?」
「もっと、きもちいいこと・・・♥」
「ぐちゃぐちゃじゃねーか。可愛い♥」
呆けきった顔に、濃密な口付け。
蛇のようにねちっこく責める舌が、口内を蹂躙し、骨の髄まで侵し尽くす。
シロは、ひたすら多幸感に浸ったまま、唾液やら何やら流すだけ。
言語能力など、殆ど壊れていたが。
「おちんちん・・・おまんこ・・・・・・挿れたいれふ♥」
雄の本能が、声帯を震わせた。
「可愛いなぁもう! 覚悟しとけよ、死ぬ寸前まで気持ちよくしてやるからな!」
場に反して健康的な、エトナの満面の笑みすら、シロの頭は認識できない。
桃色に染まった頭の中は、愛欲と性欲と肉欲でいっぱいいっぱいだった。
それでも、一つしかないのだから、やることは決まっている。
「アタシも、一緒に気持ちよくなりたい。シロの太くて硬いチンコ、挿れてくれ」
「・・・はい♥」
「・・・・・・♪」
「・・・・・・♥」
濡れそぼった秘裂に亀頭を押し当て、膣肉を掻き分けるようにして中へ。
ぐにゅりと蠢く肉襞が、待ち望んだ一物を擦り上げ、締め付け始めた。
「んはぁぁぁぁぁ♥ エトナさん、きもちいいです・・・♥」
「シロの、気持ちいい・・・♥ アタシの弱いトコ、当ててくる・・・♥」
ゆっくりと最奥まで辿り着いた後、同じペースで入り口に戻り、もう一度奥へ。
一往復ごとの甘い痺れにつられ、その速度は増して行く。
「はぁ・・・はぁ・・・♥」
「んっ、んっ・・・シロ、いくらでも気持ちよくなれよ。
アタシの身体は全部シロのもの。ココだって、シロ専用のオナホ・・・んっ!?」
かけられる言葉が、欲情を煽り過ぎて。どうやって応えればいいか、分からなくて。
シロはひたすら腰を動かし続けると共に、エトナを全力で抱きしめた。
子供らしくて、純粋な、好意の表し方。
それが、たまらなく愛おしい。
(本当に、アタシをどこまで夢中にさせるつもりなんだよお前は!)
脚も絡め、自分の身体から動けないようにして抱きしめ返す。
破られた境界線をさらにすり潰すようにして、密着する。
心臓の鼓動や、血液の流れまで感じられるよう、全身の感覚を研ぎ澄ませて。
気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。
大好き。大好き。大好き。
身体も、心も、感覚も、想いも、全て一緒。
紛れも無く、二人は一つになった。
(もう・・・ダメ・・・射精ちゃう・・・♥)
濃密さを増した身体接着と、本格的に搾り取る為のうねりを始めた膣内。
幾度と無く感じた臨界点は、すぐそこ。
「エトナさん、も・・・♥」
「・・・♥」
帰ってきたのは、頭を撫でる手。
後に続くのは「一緒にイッて下さい」だということは、言うまでも無く。
エトナも既に、オーガズムを迎える準備が整っている。
一瞬だけ、動きを止めてから。
「・・・んんっ!」
「んあっ!」
一気に、突き入れて。
「「んああああああああああああっ!!!!!」」
白濁に染められた膣内が、極限の快楽を享受したと共に、
締め上げられた肉棒に、至上の快感が伝わった。
尾?骨から骨盤を揺さぶられてる様な衝撃が背筋へと走り、
そのまま全身を駆け巡る、長く、深い絶頂。
触れ合う身体の肉感と肌触りが、理解の範疇を超えるほどに官能を高め、
相手の身体の中へ溶けていくような感覚を、二人に齎した。
自分の身体から、快感以外の感覚が消えて行く。
気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。
何も考えられない。このまま溶けてしまいそう。
このまま、ずっと・・・
「・・・・・・んっ」
「おはよう・・・でもないか。シロ」
どうやらあの後、自分もエトナも眠ってしまったらしい。
寝るには少し早い時間だった為か、辺りはまだ暗い。
「エトナさん」
「何だ?」
「『大好き』以上に大好きな気持ちを伝えられる言葉って、無いんですかね」
「シロで分かんないなら、アタシも分かんねぇよ」
「教えて下さい。僕の知らないことは、エトナさんが教えてくれましたから」
「・・・ま、強いて言うなら」
シロを抱きしめ、耳元で。
「愛してる」
潤った吐息混じりに、囁いた。
「エトナさん、愛してます」
「シロ、愛してる」
これ以上の言葉が欲しいと思った。
それでも、かけてくれる相手がシロであり、エトナであるなら、それでいい。
全く同じ事を、二人は感じていた。
ベッドの上で、二人は抱き合っている。
「・・・射精そう」
「・・・っ♪」
「んっ・・・♥」
シロの陰茎は、エトナの膣の中。
抜かずの2時間で、何度も精を吐き出している。
「ふぁぁ・・・♥」
「うん、締めてやるからいっぱい射精せ♥」
「ふぁい・・・♥」
キュッ、キュッと、先端と入り口が刺激される。
搾り取るような蠢きが、快感を更に深める。
「あぁ・・・気持ちいい・・・♥」
「アタシも。・・・可愛いな、シロ」
「エトナさんも、すごく綺麗で・・・可愛いです」
「・・・この野郎♥」
わしゃわしゃと頭を撫で、髪をぐしゃぐしゃにする。
心底嬉しそうなエトナの顔は、シロと同様、真っ赤に染まっていた。
「ここが王都なんですね。名前はよく聞きますけど、来るのは初めてです。
といっても、今まで訪れた所は全部初めてでしたが」
「それじゃ、準備いいな?」
「はい!」
王都ジェルスティン。大陸中央の首都。
王は代々、親魔物政策を推し進めており、人間も魔物娘も多数見かける。
更に、都市の中でも区画毎に様々な施設があり、
今まで訪れた町の特色全てを凝縮したかのような都市となっている。
「ここにシロの両親がいる訳だな。一応資料見とくか」
「どうぞ。東居住区のマンション・・・ここですね」
情報屋のアイリスから受け取った、シロの両親の居場所が記載された紙。
教団との繋がり、現在の状況、性格等々。
その殆どは、我が子を売っただけあり、酷いものだった。
そして、シロはここで初めて知ることになる。
「『ハイン・イーグル』、『カリスタ・イーグル』。・・・へぇ。
こんな名前だったんですね、僕の両親」
「・・・名前も分からなかったんだよな」
「えぇ。この写真を見るまでは、顔も分かりませんでした。
でも、仮に僕のことを忘れていたとしても、破魔蜜のことをチラつかせば、
何らかのアクションは起こすでしょう」
「反応あれば確定だろ。人違いの心配は無いな」
「はい。・・・それじゃ、行きますか」
衛兵の検査を受け、街の中へ。
ゆっくりと、馬車を進めて行った。
「そこでアタクシは言ったんですよ。
『お前さん、それじゃウチの家のジジイの方がまだいいよ』ってね♪」
「あっはっはっはっ!」
「くふっ・・・!」
目的は決まっているとはいえ、まずは観光。
街の劇場を訪れ、人情噺を楽しむ二人。
エトナは勿論、珍しくシロも笑っている。
「いやー・・・年季感じましたね」
「だろ? これもアタシが見せたかった物なんだよ」
「エトナさんに出会えなかったら、これも知らないままでした」
「まだまだ教えたいことあるから、覚悟しとけよ?」
「お手柔らかに、お願いしますね」
演目が終わったところで、劇場を後にしようとした所。
突然、出口の方から大きな声が響いた。
「何だ? 何か揉め事っぽいな」
「どうしたんでしょうか」
場所的に通り道になるので、軽く様子を見てみる。
すると、怒鳴り声を上げている男と、頭を下げる劇場スタッフがいた。
「終わっちまったじゃねーかよ! お前がくだらねーことほざいてる内に!」
「申し訳ございません! ですが、私の・・・」
「知らねーよんなもん! さっさと値下げりゃよかったんだよ!
ジュース一つで銅貨10枚とかふざけんなよ!」
「ですから、劇場というものは・・・」
「うるせぇ! サテンですら7枚取りやがるのに10だ?
ぼったくりもいい加減にしろってんだ!」
どうやら、ジュースを買おうとした男が値切り交渉をしていたようだ。
こういった場所で、嗜好品の類が多少高くなるのは普通のことなのだが、
男はどうしてもそれが気に食わないらしい。
「みみっちい野郎だなオイ。なぁシロ・・・シロ?」
「・・・・・・声は、出さないで下さいね」
スッと、紙を手渡す。
それを見たエトナは、思わず上げそうになった声を、手で強引に押し殺した。
暴れる男の顔は、写真と一緒。
つまり、この男はシロの父親、ハイン・イーグル本人だった。
「・・・今はまだ、泳がせます。住所は知ってますけど、念の為。
後をつけて、確定させましょう」
「・・・分かった」
エトナは、この男がシロの父親とは思えなかった。
写真と違う訳でもなければ、シロ、もしくはアイリスが嘘をついているとも考えていない。
ただ、シロに流れる血の半分が、この男と一緒とは思えなかったのである。
活気溢れる大通りを歩きながら、ハインの後をつける。
人も魔物娘も多い為、近づいてもバレる心配は無さそうだ。
「あっ、あのパン美味しそう」
「どれだ?」
「そこの青い看板の店の、コロッケが挟んであるやつです。ほら、二段目の」
「デカいな。後で買うか?」
「はい。あの大きさなら1個で十分ですね。分けて食べましょう」
辺りの店のショーウィンドウを見ながらでも余裕。
それなりに自分の欲望を口に出すようになったシロを見て、エトナもご機嫌。
無意識に、手がシロの頭に伸びる。
「あれは・・・ふに」
「どれだー?」
「あの、何で僕の頭を・・・?」
「ん? あ、いつの間に。で、どれ?」
「えぇっと・・・まぁいいや。そこの店のサンダルなんですけど・・・」
(髪柔らかい。ふかふか)
なでなでわしわし。
若干、注目度が上がったが、依然として気づかれる気配は無い。
「なんかさ、いいな」
「はい?」
「シロの頭、丁度いいとこにあるから撫でやすい」
「・・・僕の背が低いということですか?」
「違うって。丁度いいってこと」
「一緒だと思うんですけど」
「流石に5cmはあるだろ?」
「それより小さかったら多分僕、踏まれてます」
「その前にアタシが保護するから大丈夫だって」
「・・・キスとかできませんよ?」
「・・・それは嫌だな。ごめん」
「分かればいいんです」
「50cmは必要か」
「エートーナーさーん?」
「ごめんって。撫でてやるから許せ」
「そんなことで騙される僕じゃ・・・」
「そっか、んじゃやめる。ごめんな」
「撫でて下さいお願いします」
「了解♪」
「見えます?」
「余裕。オーガの視力ナメんな」
シロの両親が住むマンションの向かい側の廃ビル。
屋上から、ハインの姿が確認できた。
「左から1、2、3・・・4つ目か」
「このマンションは15階建てなんで、部屋番号は1504ですね。
アイリスさんから頂いた情報と間違いありません」
「よし、決まったな」
全ての点が、繋がった。
シロの両親は、王都の高級住宅街のマンションに住んでいる。
「いつでも行けるぜ?」
「そう・・・ですね」
両親を、殴りに。
その目的は、もうすぐ達成できる。
「今日は一旦、泊まりましょう」
「そうするか。シロ、折角の王都なんだし、ちょっといい宿探さないか?」
「・・・うーん、確かにそれくらいの余裕はありますけど」
「たまには贅沢しようぜ? なぁ、いいだろ?」
「・・・そうですね。僕はお金は貯めるものだと思ってますけど、
本来は使うものですし、探してみますか」
「よっしゃ!」
質素倹約生活が基本のシロだが、ここまで来るに当たって得た金は、結構な額。
なら、それなりには贅沢してもいい。
それがエトナも楽しませることができることなら、尚更であった。
「申し訳ございません、本日は全室予約済みでして・・・」
ここに来て、問題が発生。
都内の高級ホテルは軒並み、予約が埋まっていた。
観光地としても名を馳せているジェルスティンは、宿泊施設も多い。
しかし、それ以上に観光客も多く、高級ホテルの一部は数ヶ月先まで予約で埋まっている。
「分かりました。では、失礼します」
「6件回ってコレか。厳しいなこりゃ」
辺りは徐々に暗くなってきている。
あまり猶予は無い。
「どうします? もう少し探しますか? それとも馬車に戻るか」
「探す。馬車でもいいけど、できるだけは探したい。
ここ街灯多いから、暗くなっても大丈夫だし」
「分かりました、それじゃ今度は・・・」
近隣のホテルへ行こうとした時。
隣のカウンターから怒声が発せられた。
「金ならあるって言ってるじゃない!」
「予約が優先ですので、お金を出されましても・・・」
「倍よ倍! 倍額出す客を何で取らないのよ!
あったま悪いわねアンタ!」
金にものを言わせ、強引に予約に割り込もうとしている客。
装飾品の類は高級なもので固めているが、その姿は酷く醜い。
そして、今度は二人揃って気づく。
「気になりますけど、一旦離れましょう。万が一がありますし」
「あぁ。・・・今日は馬車に泊まるか。な」
隣にいた客は、シロの母親。
カリスタ・イーグルであった。
馬車に戻った二人。
ベッドに腰かけ、ほぼ同時に。
「「何だ(何ですか)これ!?」」
殴るべき対象の相手が、想像以上に下卑た輩であることについて、シンプルな感想を吐いた。
「シロ、お前は本当にあの二人から産まれたのか?」
「そのはずです。まさか、こんな人間だったとは・・・」
「・・・隠し子か何かじゃねぇのか? 一体どこ受け継いだんだか」
「僕、今なら言えます。あんな両親の下で育たなくて良かったって」
シロも見放す、親の醜態。
もし、彼が特異体質ではない人間だとしたら、両親の下に居たことになるが、
虐待の繰り返しか、親と同じく醜悪な人間になるかのどちらかだっただろう。
「ラシッドの人達、ぶっきらぼうですけど、皆さん優しかったですし」
「シロが好かれてただけじゃねぇのか? お前、魔物どころか人まで呼び込めそうだし」
「そんなことないですよ。礼節は大事にしようとは思ってましたけど」
「十分。こんだけしっかりしてて可愛いなら、誰からも好かれるっての。
ま、シロを一番好きなのは、間違いなくアタシだけどな♪」
そう言いながら至極自然に、シロをベッドへと押し倒す。
宿探しに時間がかかった為、時間的には頃合い。
「それじゃ、ヤるか。気持ちいいこと」
「その・・・おっぱい、揉みたいです」
「分かった。・・・っと」
片手で胸当てを外し、シロの上から隣へと寝転ぶ。
右手はシロのお腹に、左手は頭に。
「ほら。シロ専用のおっぱい。揉んでも舐めても挟んでも、何でもしていいんだぞ」
「・・・もう、何でそんなに頭がおかしくなりそうなこと言えるんですか」
「シロが大好きだから」
「もう・・・♥」
谷間に顔を埋め、真っ赤になった肌を隠す。
赤みは増したが、エトナからは見えない。
(やわらかい・・・あったかい・・・)
「ふふっ、アタシじゃ手伝えないから、呼吸はちゃんとしろよ?」
シロの小さな手からはみ出る、エトナの豊かな乳房を揉む。
柔らかくもしっかりとした質感を感じ、脳が蕩ける。
「あぁ・・・あぁ・・・!」
「可愛い。シロ、可愛い」
「おっぱい・・・やわらかい・・・はむっ」
「んっ!」
乳首を口に含み、舐め転がす。
先端を舌先で突いたり、周辺をくるくると舐め回す時が一番、反応が大きい。
今までの経験から、エトナも気持ちよくなれるように責める。
「んっ、んっ。んんっ・・・んっ」
「あっ! あぁっ・・・んぁぁぁっ!」
顔面と両手いっぱいに柔らかさを感じながら、乳首を責める。
ガチガチに硬くなった陰茎が、エトナの太股に刺さった。
顔を綻ばせたエトナに、シロは肉棒への快楽もねだる。
「・・・太股で、お願いします」
「うん、分かった」
軽く脚を上げ、シロの一物を挟み込む。
程よい硬さの太股を擦り合わせ、ぐにぐにと扱く。
「はぁ・・・はぁ・・・あぁっ、気持ちいい・・・♥」
「シロからも突いてみろ。
筋肉って力抜くと、めっちゃくちゃ柔らかくなるから」
「えっ? ・・・あ、本当だ。むにむにがむにゅむにゅになった」
「言い方可愛いな。んじゃ、むにゅむにゅも味わってみろ♪」
「はいっ!」
エトナの身体に乗っかり、太股の間に挿れた肉棒を抜き差し、抜き差し。
最低限の力で締め付けられてはいるが、全体としてはリラックス状態。
先ほどまでとは違った圧迫感が、快楽神経を刺激する。
「ふあ・・・これ、柔らかいのに凄くキツい・・・」
「ふふっ。アタシの身体は全部シロのものだ。対価は勿論、シロ自身♥」
「僕で、良ければ・・・♥ ふぁぁ・・・♥」
「シロがいい。シロでいいんじゃなくて、シロがいい。
シロじゃなきゃ嫌だ。シロになら、アタシの全部、預けられる」
(あぁ・・・もう・・・きもちいいししあわせだし、おかしくなる・・・♥)
太股コキで肉体が、声で精神が蕩ける。
混濁した意識の中、送り込まれるものを防ぐ術も無く。
「ふぁ・・・イク・・・」
「うん、射精せ♥」
エトナの手が、頭を撫でるのと同時に。
「ふぁぁぁぁぁ・・・・・♥♥♥」
(射精てる・・・あったかい♥)
むにゅむにゅと肉棒を締め付ける太股の中、精液を漏らした。
「ふわぁ・・・だいすき・・・エトナさん、だいすき、です・・・♥」
「アタシも大好きだぞ、シロ♥」
「・・・ふわっ♥」
ギュッ、ギュッと、まるで膣の蠕動を想起させるような動きで締め付けを強め、
最大限に快楽を深く、長引かせる。
錯覚を起こした頭が、更に脳内麻薬の分泌を促した。
(もう、なにもかんがえられない・・・♥ きもちよすぎて、なにも・・・♥)
「シロ、次はどうする?」
「もっと、きもちいいこと・・・♥」
「ぐちゃぐちゃじゃねーか。可愛い♥」
呆けきった顔に、濃密な口付け。
蛇のようにねちっこく責める舌が、口内を蹂躙し、骨の髄まで侵し尽くす。
シロは、ひたすら多幸感に浸ったまま、唾液やら何やら流すだけ。
言語能力など、殆ど壊れていたが。
「おちんちん・・・おまんこ・・・・・・挿れたいれふ♥」
雄の本能が、声帯を震わせた。
「可愛いなぁもう! 覚悟しとけよ、死ぬ寸前まで気持ちよくしてやるからな!」
場に反して健康的な、エトナの満面の笑みすら、シロの頭は認識できない。
桃色に染まった頭の中は、愛欲と性欲と肉欲でいっぱいいっぱいだった。
それでも、一つしかないのだから、やることは決まっている。
「アタシも、一緒に気持ちよくなりたい。シロの太くて硬いチンコ、挿れてくれ」
「・・・はい♥」
「・・・・・・♪」
「・・・・・・♥」
濡れそぼった秘裂に亀頭を押し当て、膣肉を掻き分けるようにして中へ。
ぐにゅりと蠢く肉襞が、待ち望んだ一物を擦り上げ、締め付け始めた。
「んはぁぁぁぁぁ♥ エトナさん、きもちいいです・・・♥」
「シロの、気持ちいい・・・♥ アタシの弱いトコ、当ててくる・・・♥」
ゆっくりと最奥まで辿り着いた後、同じペースで入り口に戻り、もう一度奥へ。
一往復ごとの甘い痺れにつられ、その速度は増して行く。
「はぁ・・・はぁ・・・♥」
「んっ、んっ・・・シロ、いくらでも気持ちよくなれよ。
アタシの身体は全部シロのもの。ココだって、シロ専用のオナホ・・・んっ!?」
かけられる言葉が、欲情を煽り過ぎて。どうやって応えればいいか、分からなくて。
シロはひたすら腰を動かし続けると共に、エトナを全力で抱きしめた。
子供らしくて、純粋な、好意の表し方。
それが、たまらなく愛おしい。
(本当に、アタシをどこまで夢中にさせるつもりなんだよお前は!)
脚も絡め、自分の身体から動けないようにして抱きしめ返す。
破られた境界線をさらにすり潰すようにして、密着する。
心臓の鼓動や、血液の流れまで感じられるよう、全身の感覚を研ぎ澄ませて。
気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。
大好き。大好き。大好き。
身体も、心も、感覚も、想いも、全て一緒。
紛れも無く、二人は一つになった。
(もう・・・ダメ・・・射精ちゃう・・・♥)
濃密さを増した身体接着と、本格的に搾り取る為のうねりを始めた膣内。
幾度と無く感じた臨界点は、すぐそこ。
「エトナさん、も・・・♥」
「・・・♥」
帰ってきたのは、頭を撫でる手。
後に続くのは「一緒にイッて下さい」だということは、言うまでも無く。
エトナも既に、オーガズムを迎える準備が整っている。
一瞬だけ、動きを止めてから。
「・・・んんっ!」
「んあっ!」
一気に、突き入れて。
「「んああああああああああああっ!!!!!」」
白濁に染められた膣内が、極限の快楽を享受したと共に、
締め上げられた肉棒に、至上の快感が伝わった。
尾?骨から骨盤を揺さぶられてる様な衝撃が背筋へと走り、
そのまま全身を駆け巡る、長く、深い絶頂。
触れ合う身体の肉感と肌触りが、理解の範疇を超えるほどに官能を高め、
相手の身体の中へ溶けていくような感覚を、二人に齎した。
自分の身体から、快感以外の感覚が消えて行く。
気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。
何も考えられない。このまま溶けてしまいそう。
このまま、ずっと・・・
「・・・・・・んっ」
「おはよう・・・でもないか。シロ」
どうやらあの後、自分もエトナも眠ってしまったらしい。
寝るには少し早い時間だった為か、辺りはまだ暗い。
「エトナさん」
「何だ?」
「『大好き』以上に大好きな気持ちを伝えられる言葉って、無いんですかね」
「シロで分かんないなら、アタシも分かんねぇよ」
「教えて下さい。僕の知らないことは、エトナさんが教えてくれましたから」
「・・・ま、強いて言うなら」
シロを抱きしめ、耳元で。
「愛してる」
潤った吐息混じりに、囁いた。
「エトナさん、愛してます」
「シロ、愛してる」
これ以上の言葉が欲しいと思った。
それでも、かけてくれる相手がシロであり、エトナであるなら、それでいい。
全く同じ事を、二人は感じていた。
16/11/02 23:49更新 / 星空木陰
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