読切小説
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通い彼と私の愛欲
うむ、これで本日の仕事は終わりだな。
今日も一日、規則正しく、充実した一日だった。
さて、それでは帰って・・・む? 誰か来ているのか?
王との謁見時間はもう過ぎている。お引き取り願おうか。

・・・って、何だ君か。毎日、ご苦労な事だ。
そろそろこちらに住んだらどうだ? 街からここまで、近くはない。
金銭的にも体力的にも、効率が良いだろう?

何、「食費くらいは自分で賄いたい」? 殊勝な心掛けだな。
ただ残念ながら、君の貰っている賃金は各種手当諸々含めても
私の稼ぎの数分の一程度だ。だから、大人しく私に養われろ。
・・・「ヒモになるのはごめんだ」? 変な所で律儀な奴だな。
まぁ、私が惚れたのはそういう所だし、呪いで強制的に犯すという事をしないのも、
君の意識の高さに対する敬意、というものだがな。難儀なものよ。

そもそもとして、君が私に養われた所で、それはヒモとは違うだろう。
私が生活に対して逐一出す指示を全て受け容れる事になるのだから、働くのと変わりない。
確かに賃金は生まれないが、代わりに私の心の充足が約束されるのだから、十分だ。
だから、変なプライドに固執するのはよせ。私もそろそろ、呪いで強引に引っ張るつもりだ。
・・・敬意はどうしたと? 愛する男を自分の傍に置くのに敬意もへったくれもあるか。

それはさておき、今日も私と交わってくれるのか?
「その為に来ている」・・・ふふっ、私もまだまだ、捨てたものではないという事か。
よかろう。今宵もたっぷり、悦ばせてやる。それでは、私室に行こうか。



この付き合いも、もう3年になるか。長いものだな。
そろそろ婚姻関係を結びたいものなのだが・・・まだ未練があるか?
確かに君の身体を私の管理下に置く事にはなるが、全てを束縛する程、私は身勝手では無い。
定期的に外出許可は与えるし、その時には街に戻っても良い。それくらいは許そう。
・・・浮気は厳禁だがな。もしそんな事をしたら呪いで三日三晩死ぬ寸前まで搾り取ってやる。
「君がいるなら、浮気をする理由も意味も無い」? ・・・た、戯けっ! 
いきなり恥ずかしい事をのたまうな馬鹿者が! 全く・・・

ところで、だ。聞きたい事がある。
何だその・・・君は、私のどこに惚れてくれたのだ?
一応、私はそれなりに容姿に自信がある。髪や肌、毛並みの手入れを欠かしたことは無い。
だが、嫉妬深かったり何でも管理したがったり自分の思うままにならないと拗ねたり、
こう言っちゃなんだが、極めて面倒くさい女だぞ、私は?
なのに、何故君は何時もこうして、私に逢いに来てくれるのだ?

「誰よりも、可愛らしいアヌビスだったから」・・・だと?
おい待て、言っている意味が分からない。私が可愛らしいとはどういう事だ?
美しいだの高貴だのと世辞を言われた事はあるが、可愛らしい?
説明しろ。事と次第によっては二、三重くらいに呪いをかけてやる。

・・・「口調は素っ気ないけど、顔に大体の感情が出てる」・・・?

・・・それは本当か? カマをかけたつもりではなかろうな?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・参った。降参だ。敵う訳がない。
そうだ。いかにもお前の言う通り、私は意図的にこの事務的な口調をしている。
何故かは察している通りだ。このように喋らないと、私はどこまでも堕ちる。

私は君が好きだ。誰にも渡したくないほど好きだ。
願わくば全てのものをかなぐり捨ててでも、君と共にいたい。
君の髪の毛一本から血の一滴に到るまで、全てが欲しい。

運命だと感じたんだ。君を見た時から。
全てに対して論理性を求める、アヌビスである私が、『一目惚れ』などという
極めて抽象的で、突飛な理由で惚れてしまったのだからな。
・・・さて、そろそろ雑談も終わりにするか。
こっちに来い。極上の快楽を与えてやる。



まずはいつもの様に、足でしてやるか。
・・・知らなかったぞ。君が男の象徴である陰茎を足蹴にされて悦ぶ変態だったとは。
とは言っても、それに応じている私も私ではあるがな。
ほら、さっさと下を脱げ。

ちゃんと綺麗にしているな。
巷では意図的に洗わず、汚く、臭くなったモノを舐めさせたりする輩もいるそうだが、
私の隣に立つ男に、そんな真似はさせられん。
・・・まぁ、君のモノなら私は・・・と、とにかく、褒美だ。
このぷにぷにの肉球のついた足で、扱いてやる。

こうして両足で挟んで、しゅこ、しゅこ。
手入れの行き届いた毛並みとぷにぷにの肉球が、最高に気持ちいいだろう?
ふふっ、だらしない顔をして・・・私の足コキに夢中の様だな。
先に言っておくが、簡単に射精するんじゃないぞ。私の許可が出てからだ。
それまでは耐えろ。例えこうして、動かしにくいが故に力が入り、
強い刺激で扱かれようが、薄布から透ける陰裂を見て、射精欲を煽られようとな。



・・・それで本当に耐えるのだからな君は。
本来、ここで普通に射精して、私に呪いをかけられるのが常なのだが。
聞いたぞ? 房中術を学んでいる男がいるという話は。
それもクノイチ辺りに教わればいいものを、独学で学ぶとはな。
「君以外と交わる事は許されない」・・・本当に、馬鹿者だよ君は。
分かった。射精許可を出そう。正直、私も脚が疲れてきた。
私の足に負け、無様に白濁液をぶちまけてみせろ。

んっ・・・熱い・・・太いモノから、ドロドロの精液が・・・
・・・まだ脈打って・・・ふぅ、出し切ったか。
相変わらずお前の精は上質だな。濃度も量も素晴らしい。
この味を知っているのは私だけ・・・中々に、優越感があるな。

今日は水分を多めに摂取したようだな。勢いよく精液が飛んだ。
・・・何故分かったのか? それくらい、アヌビスであるなら常識だ。
精液の色や匂い、粘性や飛び方で体調を把握するぐらい、造作も無い。
況してや、君の事なら尚更だ。理由は聞くなよ。どうせ分かっているはずだ。

それはそうと、アヌビスの肌は褐色だから、精液とのコントラストが目立つだろう?
その淫猥な姿を見れば・・・そうして、また勃つのも無理は無いな。
さて、次は何処で搾ってやろうか。睾丸の様子を見る限り、まだまだ搾れる。
そうだな・・・聞くだけ聞こう。君はどうされたい?

は!?「髪を巻きつけて扱いて欲しい」だと!?
君が変態だという事は知っていたが、何を言ってるんだ!? 私の、髪でしろと!?
「肌だけじゃなくて髪も汚したい」って・・・痴れ者! この変態!
私を甘く見るな! 誰がそんな気違いの様な真似を・・・

・・・その捨てられた仔犬のような目をやめてくれないか。
私がその目に弱いのは知ってるだろう? こんな事の為に使うのはよせ。
・・・うぅ、何でこう君はそこまで庇護欲をそそる顔が出来るんだ。
・・・・・・・分かったよ。すればいいんだろう?

はい。一応、出来たが・・・これでいいのか?
確かにこの状態から射精すれば、間違いなく私の髪は君の精液で汚される。
だが、それは果たして気持ちの良いモノなのか?
手の肉球の感覚も薄れるし、いくら綺麗にしてある髪とはいえ、ザラつくと思うんだが。
「すべすべしてて心地いい」? ・・・何故だろう、あまり喜べん。

まぁ、うだうだ言ってても仕方ないか。それじゃ、始めるぞ。
要領は普通の手コキと何ら変わりないが、髪が尿道口やら、痛みを感じる部分に入らないように
注意する必要があるな。開発するとなったら別だが、それは後日としよう。
雑菌が入らないように、色々と準備する物が出てくるしな。

どうだ? 私の髪の感触は?
出来る事なら普通に手で触れて欲しかった所だが・・・まさかこうなるとはな。
君の変態さ加減には毎度驚かされるよ。良くも悪くもな。
こんな形で、想定外の出来事に弱いという、アヌビスの弱点を突いて来る辺り、
本当に、君はアヌビスというものをよく分かっているよ。
といっても君の事だ。別にそんな事、意図してはいまい。

こうして、亀頭を撫でまわす様にして、回転を加えながら・・・なるほど。
髪を使うと陰茎との接触面が増え、更に摩擦係数も変わってくる。
通常の手コキとはまた違った刺激になるのか・・・意外と合理的だな。
言っておくが、こんな事をするのは君だけだぞ? アヌビスは男を選ぶ。
変態的な要求を受け入れる事も、私の髪を汚す事も、君だけの特権だ。
・・・玉袋が上がってきているな。射精が近いか。
良いぞ、出せ。片手が開いているから、睾丸を少し強めに揉んでやる。
ほら・・・イけ!

うわ・・・んっ? あれ・・・?
何だこれは・・・何と言うか・・・不思議な感触だな。
こうして髪が汚されていくのははっきり映っているというのに、その感覚があまりない。
・・・あぁそうか。髪には神経は存在しないからな。だからか。
それにしても盛大に出したな。しっかり洗わねば、臭いが残ってしまいそうだ。
「他の誰にも盗られないようにする為に、多目に出した」? ・・・ば、馬鹿者!
そんな事を言われても私が喜ぶ訳・・・無い事も、ない、が・・・その・・・馬鹿が・・・
そもそも、私はもう君の・・・あぁもう喧しい! 黙れ馬鹿者が!
「そんなに喋ってもいない」? あぁそうだな私が悪かったよ! 気は済んだか!
もういい! ここまで貴様の要求に従ったんだ! ここからは私がさせてもらうぞ!



大体、君が望めば最初から出来たというのに、どうして女陰を使おうとしない?
本来男根とはここに挿れるべきものであって、足コキ等はあくまで興奮を高めるための・・・
「説教はその辺にしておけ」・・・はいはい。私の長話は聞くに堪えんか。
とはいっても、やるなら早くヤるべきだというのも事実だ。早速、始めるとするか。

・・・こう、君からは特に何もされていないのに、足コキやら髪コキやら、
変態的な奉仕をすると濡れてしまう辺り、私も徐々に変態になってきているんだな。
余計な事を仕込まれてしまったよ。自分が情けない。

いや、君が謝る事は無いぞ? 変態的な行為である事は間違いないが、
別にそこまでそういった事が嫌という訳では・・・とっ、とにかく!
私の方は準備万端だ。いつでも君を迎え入れる事が出来る。
それじゃ・・・挿れてくれ。



んっ・・・そうだ。ゆっくりと、徐々に深く・・・君も分かってきたじゃないか。
いきなり激しい交尾を望む者もいるが、私はこうして、じっくりと深くまぐわうのが好きだ。
何だかんだ言っても、君は出来た男だ。この私が認めるのだから、光栄に思え。
これは・・・私からのお返しだ。

どうだ? 私の随意的締め付けは。
膣だって当然鍛えている。王を襲おうとする愚か者を始末する為、必要な事だ。
・・・どうした? 急に不機嫌な顔をして。
ふむ・・・私が他の男と交わっているのが気に入らないのか。
成程、要するにやきもちを焼いているのだな。可愛い奴め。
・・・いやすまない。頭では分かっていても、心が許してはくれぬだろう。
ならば、そのような下卑た輩の事など忘れる位に、激しく抱いてくれ。
いつもと比べても、そろそろ頃合いだし・・・な。

んぅっ! あぁっ! あっ、あぁんっ!
硬くて太いモノが、膣壁に擦れて・・・んあぁっ!
君はっ、本当に最高の男だ! 性交の、んっ、相性も含めて!
ほら、私も締め付けてやる! 気を抜いて暴発させるなよ?
勝手に射精したら貞操帯をつけて、一ヵ月は射精管理をしてやる!

くふっ!? なっ、子宮口を叩くな! そんなにされたら・・・!
「君の子宮が下りてるだけ」だと? 馬鹿な、そんな・・・んあああっ!!
ひぎっ! 亀頭っ、突かれて、入口が・・・あああああっ!!!

分かった! もう射精していいから、これ以上子宮を揺らすな!
そんなにされたら、本当に受精体勢に・・・ひぃぃっ!?
この期に及んで、責めが激しくっ!? あぁ・・・あぁっ!
もう、イクッ! 君も、一緒にイってくれ! 君の子種が欲しい!
おちんぽからザーメン、受精準備完了したおまんこにぶちまけて!



んん・・・んああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!



はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
あぁ・・・君のが・・・沢山・・・
こんなに注がれたら、確実に妊娠だな。責任、取れよ・・・?
「言われなくてもそうする」・・・本当に、君は最高の男だ。
君に出会えて、私は幸せだ・・・



・・・待て。誰が抜いていいと言った。
君の一物はまだ硬さを保ったままだし、私もまだ満足していない。
それに、もっと注いでもらった方が、必然的に孕む可能性は高まる。
なら、とりあえずあと100発位は射精してもらわねばな。

何を青ざめている。房中術を学んだのなら、それ位余裕だろ?
「あれは便利な魔法じゃない」? 私の知った事では無いな。
私が射精せと言っているのだから、射精してもらうだけだ。

だから、まだまだ付き合ってもらおうか。
今日こそ、しっかり妊娠するまで、とことん。
子供が出来たら、呪いを使ってでもこっちに住まわせるから、
帰ったら街の人々に挨拶をしておくように。私も後日行くからな。

それじゃ、2回戦と行こうか。
愛してるぞ・・・私の旦那様♥
15/05/14 01:05更新 / 星空木陰

■作者メッセージ
この後、干物になった彼の意識が戻らなくなり、遺跡中が大騒ぎになったとか・・・

何でも管理したがるアヌビスさん。
でも、心を許した相手の望みは大体受け入れる、器の大きさもあると思うんです。

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