蛇の恩返し
手帳を開き、貼り付けてある写真と、樹木の根元に生えている草を見比べる。
「これも違う・・・そんなに珍しい薬草でも無い筈なんだけどな」
彼の名はギア。薬師を志して故郷より薬学が発展している城下町へ移り住み、
専門学校を卒業した後、巷で名を馳せている薬師の住み込み弟子として
研究漬けの日々を送っている。
実験に使う為の薬草を採るため、図鑑の情報を頼りに近くの山に来たのだが、
目的の薬草どころか、薬として使えそうな草すら見つからない。
「このままじゃ帰れないなー・・・うん?」
何かの、声が聞こえる。
気になった彼は、声がするほうへ歩を進めてみた。
「このっ、このっ! あーもう! ついてないわね・・・」
「あれは・・・」
そこにいたのは、罠にかかったラミアだった。
蛇体の端がトラバサミに引っかかり、抜けなくなっている。
「だけど妙だな。トラバサミの罠は大抵ハサミの部分を思いっきり開けば
抜けるはずなんだけど」
現に、そのラミアは蛇体をくねらせトラバサミを開こうとしているが、
一向に開く気配が無い。
その時、彼はある事を思い出した。
「そういえば、最近は魔物を捕まえて売り捌く為に、専用の毒を塗った罠が
用いられているって話があったな・・・って事は、もしかして・・・」
気になった彼は、さらに近づいて罠を調べることにした。
「その・・・ありがと」
「気にしないで。手持ちの薬で間に合ってよかったよ」
案の定、刃に毒薬が塗ってあった。
常に持ち歩いている実験用手袋をはめてトラバサミを外した後、
傷口に手当てを施し、今に至る。
「にしても酷い事する奴もいるな。これ違法薬物じゃないか」
「正直焦ったわ。大抵の罠は力任せに体を振ってれば外れるんだけど」
「筋肉を弛緩させる系統の毒だからね。人間だったら命にも関わってくるよ」
適当に話をした後、彼は立ち上がり、ラミアに別れを告げる。
「それじゃ、僕は用事があるからこの辺で」
「待って。貴方の名前は?」
「僕? ギア。ギア・アルシアだ」
「ギアね。私はエミュ。1週間くらい後に、ここの山を越えた先にある洞窟に来て。
お礼がしたいの」
「だから、気にしなくて・・・」
「こういうので借りを作ったままって、何か負けたみたいで嫌なの! いい、絶対来なさいよ!?」
「あー・・・うん、それじゃ行くよ」
1週間後。
約束通り、山を越えた先にある洞窟へと来たギア。
入り口は縦・横共に2m程度あり、中は割りと明るい。
「いらっしゃ〜い♪ ささ、中入って!」
「あぁ、それじゃ・・・」
エミュに連れられ、中に入る。
・・・実はこの時、彼はある違和感を感じていた。
(何となくだけど・・・この前遇った時と比べて見た目が違うような気がする・・・)
「この洞窟は色々と薬の材料になる物が採れるの。例えばそこのキノコとか」
「え? うわっ、これ師匠も滅多に手に入れられないって言ってたカラステングダケじゃないか!」
「他にも沢山あるから、好きなだけ採っていっていいわ」
「ありがとう! 何か、逆に申し訳ないな・・・」
そう言いつつも、目を輝かせて採集に勤しむギア。
その姿は実に幸せそうである。
・・・が、彼は気付いていなかった。
それを見つめるエミュの視線に、仄かに熱がこもっている事を・・・
「本当にいいのかな、こんなに貰っちゃって」
「大丈夫。ここは結構珍しい植物がよく育つ所みたいだから、またすぐ生えてくるわ」
「ありがとう。きっと師匠も喜ぶよ。それじゃ、そろそろ・・・」
「待って。まだ『とっておき』が残ってるわ」
そう言って、洞窟の奥へと向かうエミュ。
数分後、彼女は何かを持ってきた。
長く、太く、白い縄のような物。よく見ると規則正しく模様がついている。
「これは一体?」
「私の抜け殻。知ってると思うけど、ラミアの抜け殻って、すごく高級な薬材料として
取り扱われてるのよ」
そう言って、自身の抜け殻を手渡すエミュ。
ギアは、生まれて初めて見るラミアの抜け殻に、薬師としての感動を覚えていた。
「この前遇った時と比べて何処か変わったなと思ったら、こういう事だったんだ」
「脱皮の時期がそろそろだったから、折角だと思って」
「まさか、こんな物まで貰えるなんて・・・感謝してもしきれないよ」
「私にとっては3年に1回位で手に入る物だから、そんなに価値は感じないんだけどね」
「本当にありがとう。そうだ、お礼のお礼になっちゃうけど、何か僕に出来ることって無いかな?」
そう言った直後、突然ギアは地面に倒れた。
いや、正確には、『押し倒された』と言った方が正しい。
では、誰に押し倒されたのか?
・・・この洞窟にいるのは、ギアの他にはただ一人だけである。
「うふふ・・・それじゃあねぇ・・・」
「え、あれ、何?」
困惑するギアをよそに、エミュは彼の唇を奪う。
「んんっ!?」
「ん・・・あん・・・」
そのまま舌を入れ、口内を舐め回す。
ギアは彼女にされるがままになっていた。
「ん、んんっ、んん!?」
「あむ・・・ん・・・」
息が苦しくなって来た所で唇を離され、大きく息を吸い込むギアの目に映る、エミュの顔。
それは酷く紅潮していて、強い色香を感じさせた。
「エミュ・・・これは・・・」
「この事は知ってたかしら? ラミアって脱皮した後は、すごーく
・・・・・・えっちになっちゃうの♪」
そう言うと彼女は、身に着けているものを脱ぎ始めた。
元々、胸と腰周りを布で覆っている程度の際どい衣装が取り払われて現れた身体は、
膨らみと括れがはっきりしており、この上なく扇情的であった。
「だから・・・しよ?」
熱に浮かされたような表情をして、魔力のこもった甘い声で誘うエミュ。
その瞬間、ギアの理性が爆ぜた。
「あん! あぁん! もっと、もっと気持ちよくして!」
豊かに実った二つの果実をギアに揉まれ、喘ぐエミュ。
「胸、弱いんだ?」
「おっぱい揉まれるの大好きなの! 私のおっぱいもっともみもみして!」
言われるがまま、目の前にあるエミュの大きな胸を捏ね繰り回すギア。
しかし、既に硬くなっている突起には触れず、その周辺を揉むだけである。
「あん、あ、さきっぽ、さきっぽも触って!」
「触って欲しいのなら、言い方があるんじゃないかな?」
「いじ、わるっ、あんっ! おね、がいっ、さわって、くださいっ!」
「よくできました。んむっ」
「あああああぁぁっ!」
ギアがエミュの期待に震える乳首を吸うと、エミュは全身を痙攣させ、快感にのた打ち回った。
胸だけで、絶頂に達したようである。
「本当に弱いんだね」
「脱皮した後って、感度も上がっちゃうの・・・」
「じゃあ、こことかはどうかな?」
そう言うと、ギアは脱皮したての色鮮やかな蛇体を撫でた。
その途端、尻尾が大きく跳ね、洞窟にエミュの快楽に悶える絶叫が響き渡った。
「にゃああああああああああ!!!!!」
「うわ、凄い反応」
「らめぇっ! おかひくなっひゃう! ひっほはりゃめにゃのぉ!」
「はいはい。それじゃおかしくなってねー」
「うにゃあああああああああ!!!!!」
脱皮直後のラミアにとって、蛇体を撫でられるというのは、
快楽神経に直に触れられているのと何ら変わらない。
呂律も回らなくなり、ただただ叫び、暴力的な悦楽を享受する事しかできなくなったエミュ。
すると突然、ギアが愛撫を止める。
「ふに、何で・・・?」
「そろそろ僕も気持ちよくして欲しいなー、なんて」
ギアの肉棒は大きく屹立しており、それに気付いたエミュは目を輝かせた。
「素敵・・・すっごく大きい・・・」
導かれるように手を伸ばし、剛直を擦る。
ゆっくりとしているが、力加減は絶妙で、確実に快感を増幅させる動きだ。
「うっ・・・いい感じだよ、エミュ」
「ありがとう。・・・それじゃ、ラミアにしかできない事、してあげる」
一度手を止め、蛇体をくねらせるエミュ。
そして、それをギアの肉棒に巻きつけ、動かす。
脱皮したての瑞々しい蛇体は柔らかく、湿り気を帯びていて、優しく包み込むようでありながらも、
鱗のざらつきがアクセントとなり、緩急織り交ぜた刺激を与える。
「どう? これ、気持ちいいでしょ?」
「あぁ・・・だけど、さ」
ギアはエミュのウエストに手を伸ばし、そのまま下へと動かす。
蛇体のところまでたどり着くと、エミュは嬌声をあげた。
「きゃうんっ!」
「エミュも、相当感じてるよね」
「ううっ、我慢してるのにっ!」
刺激を受けているのはギアだけではない。
敏感な蛇体に肉棒が当たっているという状況から来る興奮も相まって、
エミュも感じていた。
ギアは蛇体に優しく手を当て、ゆっくりと撫でた。
エミュが感じすぎてしまわないように、あくまでゆっくりと、高価なガラス細工を扱うように。
「あ・・・それ・・・」
「これくらいなら、大丈夫?」
「うん・・・んんっ・・・」
微かに震えながら、快楽に耐えるエミュ。
その震えはギアの肉棒にも伝わり、不規則で繊細な刺激を与える。
徐々に、射精感がこみ上げて来た。
「エミュ、そろそろ出そう・・・」
「私も・・・イっちゃうっ!」
「はは・・・それじゃ、一緒にイこう」
撫でる速度を上げる。
その途端、エミュは絶頂に達した。
「あああああぁぁぁんっ!」
「うっ・・・うぁっ!」
それとほぼ同時に、ギアも欲望の塊を吐き出した。
次々に出るギアの精液が、エミュの色鮮やかな蛇体を白く汚していく。
10秒経ったかどうか、という所でようやく射精が止まった。
「すごく多いし濃くてネバネバ・・・溜まってたんだ」
「ずっと研究漬けだったからね。抜く暇無くて」
「そうなんだ・・・うふふ、気持ちよかった?」
「そりゃもう最高に」
「嬉しい♪ でも・・・」
射精後にも関わらず、全く萎えていないギアの肉棒の先端に、
自身の濡れそぼった秘所を当てるエミュ。
「まだ、ヤれるよね?」
「どう答えたって、結果は同じだろ?」
「身も蓋もないなー。だけどその通りだったり♪」
一気に、腰を落とす。
そして腰を激しく動かし、自分本位の快楽を得ようとする。
「あぁん! あっ、あっ、あっ、気持ちい、気持ちいいようっ!」
「僕も・・・メチャクチャ気持ちいい」
無数の襞が絡みつき、これまでとは比べ物にならない快楽をギアに与えるエミュの膣。
その一方で、彼女もまた、ギアから与えられる快楽にのた打ち回っていた。
「んっ、あ、あああぁっ!? んあぁぁっ!?」
「お、弱点発見かな」
「ま、待って! そこ責められたらんにゃあああぁぁ!!!」
「どうやら合ってるみたいだね」
「何で、あんっ! ギアって人間なのにっ、そんなに、んっ、上手いのっ?」
「どうしてだろうね? ま、人間は魔物に襲われるだけの存在じゃないって事かな?」
凄まじい快感を得ながらも、涼しい顔で腰を振るギア。
それとは対照的に、されるがままになっているエミュ。
念の為注釈をつけておくと、脱皮直後のラミアは別に弱い訳ではない。
むしろより好色的になり、全力で男を襲いにかかる。
ただ今回は、その相手がやたらと性行為が上手かった為、こうなっているのである。
「ああんっ! またイく、イっちゃう!」
「待って。僕ももうそろそろだから」
「早く、早くぅ! も、もう無理っ、イっちゃう、お、おまんこイっちゃうっ!」
「我慢して。一緒にイこう?」
「もう駄目っ! あ、あぁっ、あにゃ、イく、イくうにゃぁぁぁぁああああああああっ!!!!!」
先に絶頂に達したのはエミュだった。大きな叫び声を上げ、派手によがる。
それによってエミュの膣が激しくうねり、ギアの精を搾りにかかる。
堪らず、ギアも絶頂に達した。
「あ・・・うわああぁっ!」
2回目の射精にも関わらず、大量の白濁液をエミュの中へ放つギア。
それを受け止めるエミュは、二重、三重と何重にも重なった絶頂に至る。
「うにゃあああああ!!! せっ、せーえき、しきゅーにいっぱいしゅごいよおおっ! おまんこ気持ちいいのっ! こんにゃの初めてにゃにょおぉっ!!!」
蛇体を撫でられた時よりも呂律が回らなくなり、淫語、卑語をまくし立て、よがり狂うエミュ。
彼女の脳には大量の脳内麻薬が分泌され、完全に『快楽』に支配されている。
エミュにとって幸運だったのは、脱皮後で好色になっている所で出会ったギアが、絶倫であった事。
エミュにとって不運だったのは、そのギアがあまりに絶倫過ぎた事である。
ギアはあろう事か、この状態のエミュの蛇体を、痛みを感じない範囲での最大の強さで、
擦ったのである。
「!!!!!!!!!!??????????!!!!!!?????!?!?!?!?!?!?」
もはや声にもならない。
快楽を越え、苦痛になった所をさらに超えたような意味不明の快楽に殴られ、
エミュの意識は闇へと墜ちた。
それから2時間後。
エミュが失神した事にも気付かず腰を振り続けていたギアはその後更に7度精を放ち、
膣内をドロドロにした所でようやく状況に気が付いた。
慌てて手当てをしようとしたが、気を失っているだけだということを知り、
エミュの意識が戻るのを待ち、起き上がった所で今に至る。
「凄かったー・・・あんなに気持ちいいの初めてだったよ・・・」
「ごめん、ちょっとやり過ぎたね」
「ちょっとどころじゃないよぉ・・・でも素敵だったわ、ギア♪」
頬を染め、笑顔になるエミュ。
・・・が、それと同時に、さりげなくギアの足に巻きつく。
「・・・俗に言う、『誘拐』ってヤツ?」
「人聞きの悪い。里に『持ち帰る』だけよ」
「待った、それは困る。僕は薬師を目指してるんだ」
「私には関係無いわ! って言いたい所だけど・・・正直あなたの夢を壊すのも嫌だし・・・そうだ!」
ギアの耳元に口を寄せ、囁くエミュ。
それを聞いたギアは、驚愕せずにはいられなかった。
「おはようございます、師匠」
「おはようございます、ログノさん!」
「あぁおはよう。エミュ、お前さんが頼んでいたアルラウネの蜜が届いておるぞ」
城下町、ギアの師匠のログノ・コバルトが営む薬屋。
何と、エミュはギアが住み込み弟子をしているこの薬屋に住む事にしたのだ。
元々薬材料が豊富な洞窟に住んでいただけあって、薬調合に精通していたエミュは、
自身の知識と経験を活かし、店の一部を借りて、魔物向けの薬を販売する事にしたのである。
ちなみに、販売している薬の半数は媚薬である。
「いずれは結婚して、二人で開業しよ?」
「完全に巻きつかれたなこりゃ・・・痛い痛い! 大丈夫、僕もそのつもりだから!」
この二人が薬屋を開業し、名うての薬師夫婦になるのは
また別のお話。
「これも違う・・・そんなに珍しい薬草でも無い筈なんだけどな」
彼の名はギア。薬師を志して故郷より薬学が発展している城下町へ移り住み、
専門学校を卒業した後、巷で名を馳せている薬師の住み込み弟子として
研究漬けの日々を送っている。
実験に使う為の薬草を採るため、図鑑の情報を頼りに近くの山に来たのだが、
目的の薬草どころか、薬として使えそうな草すら見つからない。
「このままじゃ帰れないなー・・・うん?」
何かの、声が聞こえる。
気になった彼は、声がするほうへ歩を進めてみた。
「このっ、このっ! あーもう! ついてないわね・・・」
「あれは・・・」
そこにいたのは、罠にかかったラミアだった。
蛇体の端がトラバサミに引っかかり、抜けなくなっている。
「だけど妙だな。トラバサミの罠は大抵ハサミの部分を思いっきり開けば
抜けるはずなんだけど」
現に、そのラミアは蛇体をくねらせトラバサミを開こうとしているが、
一向に開く気配が無い。
その時、彼はある事を思い出した。
「そういえば、最近は魔物を捕まえて売り捌く為に、専用の毒を塗った罠が
用いられているって話があったな・・・って事は、もしかして・・・」
気になった彼は、さらに近づいて罠を調べることにした。
「その・・・ありがと」
「気にしないで。手持ちの薬で間に合ってよかったよ」
案の定、刃に毒薬が塗ってあった。
常に持ち歩いている実験用手袋をはめてトラバサミを外した後、
傷口に手当てを施し、今に至る。
「にしても酷い事する奴もいるな。これ違法薬物じゃないか」
「正直焦ったわ。大抵の罠は力任せに体を振ってれば外れるんだけど」
「筋肉を弛緩させる系統の毒だからね。人間だったら命にも関わってくるよ」
適当に話をした後、彼は立ち上がり、ラミアに別れを告げる。
「それじゃ、僕は用事があるからこの辺で」
「待って。貴方の名前は?」
「僕? ギア。ギア・アルシアだ」
「ギアね。私はエミュ。1週間くらい後に、ここの山を越えた先にある洞窟に来て。
お礼がしたいの」
「だから、気にしなくて・・・」
「こういうので借りを作ったままって、何か負けたみたいで嫌なの! いい、絶対来なさいよ!?」
「あー・・・うん、それじゃ行くよ」
1週間後。
約束通り、山を越えた先にある洞窟へと来たギア。
入り口は縦・横共に2m程度あり、中は割りと明るい。
「いらっしゃ〜い♪ ささ、中入って!」
「あぁ、それじゃ・・・」
エミュに連れられ、中に入る。
・・・実はこの時、彼はある違和感を感じていた。
(何となくだけど・・・この前遇った時と比べて見た目が違うような気がする・・・)
「この洞窟は色々と薬の材料になる物が採れるの。例えばそこのキノコとか」
「え? うわっ、これ師匠も滅多に手に入れられないって言ってたカラステングダケじゃないか!」
「他にも沢山あるから、好きなだけ採っていっていいわ」
「ありがとう! 何か、逆に申し訳ないな・・・」
そう言いつつも、目を輝かせて採集に勤しむギア。
その姿は実に幸せそうである。
・・・が、彼は気付いていなかった。
それを見つめるエミュの視線に、仄かに熱がこもっている事を・・・
「本当にいいのかな、こんなに貰っちゃって」
「大丈夫。ここは結構珍しい植物がよく育つ所みたいだから、またすぐ生えてくるわ」
「ありがとう。きっと師匠も喜ぶよ。それじゃ、そろそろ・・・」
「待って。まだ『とっておき』が残ってるわ」
そう言って、洞窟の奥へと向かうエミュ。
数分後、彼女は何かを持ってきた。
長く、太く、白い縄のような物。よく見ると規則正しく模様がついている。
「これは一体?」
「私の抜け殻。知ってると思うけど、ラミアの抜け殻って、すごく高級な薬材料として
取り扱われてるのよ」
そう言って、自身の抜け殻を手渡すエミュ。
ギアは、生まれて初めて見るラミアの抜け殻に、薬師としての感動を覚えていた。
「この前遇った時と比べて何処か変わったなと思ったら、こういう事だったんだ」
「脱皮の時期がそろそろだったから、折角だと思って」
「まさか、こんな物まで貰えるなんて・・・感謝してもしきれないよ」
「私にとっては3年に1回位で手に入る物だから、そんなに価値は感じないんだけどね」
「本当にありがとう。そうだ、お礼のお礼になっちゃうけど、何か僕に出来ることって無いかな?」
そう言った直後、突然ギアは地面に倒れた。
いや、正確には、『押し倒された』と言った方が正しい。
では、誰に押し倒されたのか?
・・・この洞窟にいるのは、ギアの他にはただ一人だけである。
「うふふ・・・それじゃあねぇ・・・」
「え、あれ、何?」
困惑するギアをよそに、エミュは彼の唇を奪う。
「んんっ!?」
「ん・・・あん・・・」
そのまま舌を入れ、口内を舐め回す。
ギアは彼女にされるがままになっていた。
「ん、んんっ、んん!?」
「あむ・・・ん・・・」
息が苦しくなって来た所で唇を離され、大きく息を吸い込むギアの目に映る、エミュの顔。
それは酷く紅潮していて、強い色香を感じさせた。
「エミュ・・・これは・・・」
「この事は知ってたかしら? ラミアって脱皮した後は、すごーく
・・・・・・えっちになっちゃうの♪」
そう言うと彼女は、身に着けているものを脱ぎ始めた。
元々、胸と腰周りを布で覆っている程度の際どい衣装が取り払われて現れた身体は、
膨らみと括れがはっきりしており、この上なく扇情的であった。
「だから・・・しよ?」
熱に浮かされたような表情をして、魔力のこもった甘い声で誘うエミュ。
その瞬間、ギアの理性が爆ぜた。
「あん! あぁん! もっと、もっと気持ちよくして!」
豊かに実った二つの果実をギアに揉まれ、喘ぐエミュ。
「胸、弱いんだ?」
「おっぱい揉まれるの大好きなの! 私のおっぱいもっともみもみして!」
言われるがまま、目の前にあるエミュの大きな胸を捏ね繰り回すギア。
しかし、既に硬くなっている突起には触れず、その周辺を揉むだけである。
「あん、あ、さきっぽ、さきっぽも触って!」
「触って欲しいのなら、言い方があるんじゃないかな?」
「いじ、わるっ、あんっ! おね、がいっ、さわって、くださいっ!」
「よくできました。んむっ」
「あああああぁぁっ!」
ギアがエミュの期待に震える乳首を吸うと、エミュは全身を痙攣させ、快感にのた打ち回った。
胸だけで、絶頂に達したようである。
「本当に弱いんだね」
「脱皮した後って、感度も上がっちゃうの・・・」
「じゃあ、こことかはどうかな?」
そう言うと、ギアは脱皮したての色鮮やかな蛇体を撫でた。
その途端、尻尾が大きく跳ね、洞窟にエミュの快楽に悶える絶叫が響き渡った。
「にゃああああああああああ!!!!!」
「うわ、凄い反応」
「らめぇっ! おかひくなっひゃう! ひっほはりゃめにゃのぉ!」
「はいはい。それじゃおかしくなってねー」
「うにゃあああああああああ!!!!!」
脱皮直後のラミアにとって、蛇体を撫でられるというのは、
快楽神経に直に触れられているのと何ら変わらない。
呂律も回らなくなり、ただただ叫び、暴力的な悦楽を享受する事しかできなくなったエミュ。
すると突然、ギアが愛撫を止める。
「ふに、何で・・・?」
「そろそろ僕も気持ちよくして欲しいなー、なんて」
ギアの肉棒は大きく屹立しており、それに気付いたエミュは目を輝かせた。
「素敵・・・すっごく大きい・・・」
導かれるように手を伸ばし、剛直を擦る。
ゆっくりとしているが、力加減は絶妙で、確実に快感を増幅させる動きだ。
「うっ・・・いい感じだよ、エミュ」
「ありがとう。・・・それじゃ、ラミアにしかできない事、してあげる」
一度手を止め、蛇体をくねらせるエミュ。
そして、それをギアの肉棒に巻きつけ、動かす。
脱皮したての瑞々しい蛇体は柔らかく、湿り気を帯びていて、優しく包み込むようでありながらも、
鱗のざらつきがアクセントとなり、緩急織り交ぜた刺激を与える。
「どう? これ、気持ちいいでしょ?」
「あぁ・・・だけど、さ」
ギアはエミュのウエストに手を伸ばし、そのまま下へと動かす。
蛇体のところまでたどり着くと、エミュは嬌声をあげた。
「きゃうんっ!」
「エミュも、相当感じてるよね」
「ううっ、我慢してるのにっ!」
刺激を受けているのはギアだけではない。
敏感な蛇体に肉棒が当たっているという状況から来る興奮も相まって、
エミュも感じていた。
ギアは蛇体に優しく手を当て、ゆっくりと撫でた。
エミュが感じすぎてしまわないように、あくまでゆっくりと、高価なガラス細工を扱うように。
「あ・・・それ・・・」
「これくらいなら、大丈夫?」
「うん・・・んんっ・・・」
微かに震えながら、快楽に耐えるエミュ。
その震えはギアの肉棒にも伝わり、不規則で繊細な刺激を与える。
徐々に、射精感がこみ上げて来た。
「エミュ、そろそろ出そう・・・」
「私も・・・イっちゃうっ!」
「はは・・・それじゃ、一緒にイこう」
撫でる速度を上げる。
その途端、エミュは絶頂に達した。
「あああああぁぁぁんっ!」
「うっ・・・うぁっ!」
それとほぼ同時に、ギアも欲望の塊を吐き出した。
次々に出るギアの精液が、エミュの色鮮やかな蛇体を白く汚していく。
10秒経ったかどうか、という所でようやく射精が止まった。
「すごく多いし濃くてネバネバ・・・溜まってたんだ」
「ずっと研究漬けだったからね。抜く暇無くて」
「そうなんだ・・・うふふ、気持ちよかった?」
「そりゃもう最高に」
「嬉しい♪ でも・・・」
射精後にも関わらず、全く萎えていないギアの肉棒の先端に、
自身の濡れそぼった秘所を当てるエミュ。
「まだ、ヤれるよね?」
「どう答えたって、結果は同じだろ?」
「身も蓋もないなー。だけどその通りだったり♪」
一気に、腰を落とす。
そして腰を激しく動かし、自分本位の快楽を得ようとする。
「あぁん! あっ、あっ、あっ、気持ちい、気持ちいいようっ!」
「僕も・・・メチャクチャ気持ちいい」
無数の襞が絡みつき、これまでとは比べ物にならない快楽をギアに与えるエミュの膣。
その一方で、彼女もまた、ギアから与えられる快楽にのた打ち回っていた。
「んっ、あ、あああぁっ!? んあぁぁっ!?」
「お、弱点発見かな」
「ま、待って! そこ責められたらんにゃあああぁぁ!!!」
「どうやら合ってるみたいだね」
「何で、あんっ! ギアって人間なのにっ、そんなに、んっ、上手いのっ?」
「どうしてだろうね? ま、人間は魔物に襲われるだけの存在じゃないって事かな?」
凄まじい快感を得ながらも、涼しい顔で腰を振るギア。
それとは対照的に、されるがままになっているエミュ。
念の為注釈をつけておくと、脱皮直後のラミアは別に弱い訳ではない。
むしろより好色的になり、全力で男を襲いにかかる。
ただ今回は、その相手がやたらと性行為が上手かった為、こうなっているのである。
「ああんっ! またイく、イっちゃう!」
「待って。僕ももうそろそろだから」
「早く、早くぅ! も、もう無理っ、イっちゃう、お、おまんこイっちゃうっ!」
「我慢して。一緒にイこう?」
「もう駄目っ! あ、あぁっ、あにゃ、イく、イくうにゃぁぁぁぁああああああああっ!!!!!」
先に絶頂に達したのはエミュだった。大きな叫び声を上げ、派手によがる。
それによってエミュの膣が激しくうねり、ギアの精を搾りにかかる。
堪らず、ギアも絶頂に達した。
「あ・・・うわああぁっ!」
2回目の射精にも関わらず、大量の白濁液をエミュの中へ放つギア。
それを受け止めるエミュは、二重、三重と何重にも重なった絶頂に至る。
「うにゃあああああ!!! せっ、せーえき、しきゅーにいっぱいしゅごいよおおっ! おまんこ気持ちいいのっ! こんにゃの初めてにゃにょおぉっ!!!」
蛇体を撫でられた時よりも呂律が回らなくなり、淫語、卑語をまくし立て、よがり狂うエミュ。
彼女の脳には大量の脳内麻薬が分泌され、完全に『快楽』に支配されている。
エミュにとって幸運だったのは、脱皮後で好色になっている所で出会ったギアが、絶倫であった事。
エミュにとって不運だったのは、そのギアがあまりに絶倫過ぎた事である。
ギアはあろう事か、この状態のエミュの蛇体を、痛みを感じない範囲での最大の強さで、
擦ったのである。
「!!!!!!!!!!??????????!!!!!!?????!?!?!?!?!?!?」
もはや声にもならない。
快楽を越え、苦痛になった所をさらに超えたような意味不明の快楽に殴られ、
エミュの意識は闇へと墜ちた。
それから2時間後。
エミュが失神した事にも気付かず腰を振り続けていたギアはその後更に7度精を放ち、
膣内をドロドロにした所でようやく状況に気が付いた。
慌てて手当てをしようとしたが、気を失っているだけだということを知り、
エミュの意識が戻るのを待ち、起き上がった所で今に至る。
「凄かったー・・・あんなに気持ちいいの初めてだったよ・・・」
「ごめん、ちょっとやり過ぎたね」
「ちょっとどころじゃないよぉ・・・でも素敵だったわ、ギア♪」
頬を染め、笑顔になるエミュ。
・・・が、それと同時に、さりげなくギアの足に巻きつく。
「・・・俗に言う、『誘拐』ってヤツ?」
「人聞きの悪い。里に『持ち帰る』だけよ」
「待った、それは困る。僕は薬師を目指してるんだ」
「私には関係無いわ! って言いたい所だけど・・・正直あなたの夢を壊すのも嫌だし・・・そうだ!」
ギアの耳元に口を寄せ、囁くエミュ。
それを聞いたギアは、驚愕せずにはいられなかった。
「おはようございます、師匠」
「おはようございます、ログノさん!」
「あぁおはよう。エミュ、お前さんが頼んでいたアルラウネの蜜が届いておるぞ」
城下町、ギアの師匠のログノ・コバルトが営む薬屋。
何と、エミュはギアが住み込み弟子をしているこの薬屋に住む事にしたのだ。
元々薬材料が豊富な洞窟に住んでいただけあって、薬調合に精通していたエミュは、
自身の知識と経験を活かし、店の一部を借りて、魔物向けの薬を販売する事にしたのである。
ちなみに、販売している薬の半数は媚薬である。
「いずれは結婚して、二人で開業しよ?」
「完全に巻きつかれたなこりゃ・・・痛い痛い! 大丈夫、僕もそのつもりだから!」
この二人が薬屋を開業し、名うての薬師夫婦になるのは
また別のお話。
10/10/26 21:36更新 / 星空木陰