第1章:レーメイア攻防戦 BACK NEXT


「報告いたします。竜騎兵隊の偵察によりますと、
砦内の敵総兵力はおよそ2000人程度、
防御兵器の類はいまのところ見当たらないとのことです。」

赤い長髪に赤い瞳、ついでに鎧も真っ赤という
天然警告色の塊のような女性騎士が、報告書を片手に簡潔に説明を続ける。

「また、兵士の一部にはオーガやミノタウルスなどの魔物も混ざっており、
小兵力ながらも侮れない戦力に違いありません。」
「そうか。まあ、そこに腰かけるといい。」

その報告を聞いているのは、司令官のエルだ。
暑い地域だというのに、熱々の紅茶をカップに注ぎ、
木製の椅子に腰かけるとともに、女性騎士に対しても椅子に座るよう促す。

「ほかに変わったことはないか。」
「そうですね、変わった動きといたしましては、
砦内では兵士がしきりに壺を集めているみたいです。」
「壺を集めている、だと?いったいなんのために?」
「さあ、そこまでは…」
「ふむ。」

そこまで聞いたエルは、カップを片手に黙々と考え込む。
一体壺なんか集めて何をする気なのだろう。つぼまじんを使って罠を仕掛ける気だろうか?
いや、彼らが戦争に関係ない魔物を巻き込むことはしないだろうから、その可能性は低い。
とすれば、単純に何かを入れる容器として使うと見るのが妥当か。
壺の中に熱湯を注いで、城壁を上る兵士にぶっかければ確かに効果は抜群だ。

「うーん、熱湯でも入れて城壁を上るわが軍に浴びせかけるためじゃないでしょうか?」
「それは今、俺も考えていたところだ。しかし、あの規模の砦だと現状では城壁を登って徐々に攻め込むよりも
投石機で門を破壊して一気になだれ込んだ方がむしろ効率がいいし、被害も少ない。
おそらく敵もそれを知ってると思うが…。」
「でも、それでしたら籠城していること自体おかしいってことになりませんか?」
「それもそうだな。」

エルは再び考える。

ふと、一つの考えが頭をよぎった。


「油か。」

「油、ですか?」
「壺に油を入れ、縄で持つところをつける。
あとは投げ込む前に点火して投げつければ、落下地点はあっという間に燃え上がる寸法だ。
察するに、奴らは今夜あたり焼き打ちをしてくるだろう。
この地域は海からの風が強いうえに、乾燥した気候により火は容易に燃え上がる。
しかもわが軍は今日ここに陣を築いたばかり。
奴らが夜襲を仕掛ける最大チャンスは今夜になるな。」
「なるほど、では早速夜襲に備えるよう全軍に通達を…」
「まあまて。ただ単純に待っているばかりではいささか面白くない。全力で歓迎してやらねばな。
マティルダ、各師団の将軍に『半刻(一時間)以内に司令部に集合せよ』と伝えてくれ。」
「了解しました。」
 
マティルダとよばれた赤い女騎士は伝令書を手にいそいそと椅子から立ち上がる。

「エル様、その前に一言よろしいでしょうか。」
「なんだ。」
「何度も言っておりますが、紅茶に入れる砂糖の量をもう少し控え目にされた方が…」
「だまれ、俺のケツを舐めろ。」
「…………///」
「ええい、顔を赤くするな。とっとと行ってこい。」

そういってエルはマティルダを追い払い、再び椅子に深く腰掛ける。
そしてカップにスプーン五杯目の砂糖を何のためらいもなく入れたのだった。



エルは現在、親魔物国に変わっていった半島地域を
再び反魔物勢力に組み込むための戦争…レ・コンキスタの最中だ。

エル軍は序盤から快進撃を行い、瞬く間にこの地域を席巻。
さらに一か月前には、親魔物国同士が連合を組み
この地域のサバトと合わせて、エル軍に対し3倍の兵力で挑んできた。

だが、オーガスト原野において親魔物国連合は大敗し
大損害を被った末に南部地域に撤退した。
そして現在、残すところは最南端の軍事拠点である目の前の砦と、
その向こうにある港湾都市レーメイアのみとしている。

エルは教会騎士団のように魔物とその家族を
皆殺しにするといったことをせずただ単に国から追い出す程度にとどめ、
魔物と特に親しくしていたとされる人物であっても、特に罰則は加えないでいた。
それでも、初めのうちは住みかを追われる魔物の抵抗は激しかったが、
次第に魔物にとって住みにくい土地となっていったため、徐々に抵抗は減り、
一時期は魔物が普通に往来していた原野から魔物は姿を消していく。
こうして、わずか半年で親魔物勢力は風前の灯火となってしまったのだ。
もちろん、彼がこれだけの戦果をあげられたのは彼単独の力だけではない。
マティルダをはじめとする優秀な部下たちや
死者が出るほど訓練に訓練を重ね、幾多の戦場をくぐりぬけた精鋭の兵士たち、
そして何より…


「エルさん。今よろしいでしょうか?」
「ああ、ユリアさん。ちょうど紅茶をいれたところです。よかったらどうですか。」
「そうでしたか!実は新しい味のクッキーを焼いてみたので、ごいっしょにお茶にしましょう。」
「ほう。(←甘いものに目がない)」
「たくさんありますのでお好きなだけどうぞ。」

エル軍につき従うユリアの存在があった。

ユリアは、エルが思っていた以上に優秀なエンジェルで、
自己紹介をしたその日のうちに、エルの配下の将軍たちと友好関係を築き
今ではエルに匹敵するほど将兵から慕われている。

そしてもう一つエルを驚かせたのが、ユリア自体が持つ力である。
彼女の唱える加護の魔法は一万人近い規模を持つエル軍をもやすやすとカバーし、
魔力が充満する地域であっても、一瞬のうちに浄化するという破格の力を持っている。
さらに、彼女の攻撃魔法は、もはや下手なバフォメット以上の威力を持ち
戦闘と支援両方に十二分な能力を発揮している。
そんな彼女の力にエルの指揮能力が加わるのだから、
戦う相手からすればたまったものではない。




「お、このクッキーは林檎の味がしますね。」
「はい!煮詰めた林檎と蜂蜜で味付けしてみました。」
「おいしいです、これ。紅茶にすごく合います。」
「お褒めいただき、うれしい限りです。」

エルがユリアからもらったクッキーを一口食べたところに
先ほど出て行ったマティルダが戻ってきた。

「エル様、各将軍に通達を終えました…
あ、これはユリア様!どうしたのですか、そのクッキーは?」
「さっき私が焼いたものです。マティルダさんもいかが?」
「ユリア様が!はい、喜んで!」

さらに、そこへ軽めの鎧を着た紫髪の男性武将が入ってきた。

「失礼いたします。第三師団長ノクロス、ただいま参りました…
なにやらいい匂いがしますね。」
「ノクロスか。早かったな。マティルダ以外はまだ来てないから、
それまでユリアさんが焼いてくれたクッキーを食べるといい。」
「いい匂いの正体はクッキーでしたか。しかもユリア様のお手製とは。
ありがたく頂戴いたします。」
「ふふふ、どうぞ。」


数十分後
重そうな黒鎧に身を包んだ赤髪の男性騎士と
青いローブを纏った銀髪の女性武将が
同時に幕舎に入ってきた。

「第二師団長ジョゼ、ただいま参りました!」
「…第五師団長リノアン、ただいま参りました。」

やたらとでかい声に続いて、控えめな声。

「おつかれさまです。」
「なんだノクロス、もう来てたのか。」
「ええ、設営が早く終わりましたのですぐにでもと。」
「…申し訳ありません。魔道書の整理に時間が。」
「いや、大丈夫。まだ集合時間までだいぶ余裕があるから。
あとは、第四師団のソラトだけか。」
「お!なにやら美味そうなクッキーが!」
「ユリア様が焼いてくださったんです。二人もいかが?」
「おお!それはそれは!」
「…では、私も一つ。」

直後、軽装に双剣を携えたエメラルド髪の男性武将が幕舎に入ってくる。

「第四師団長ソラト、ただいま参りました。」
「いようソラト。お前で最後だ。」
「あれ?もしかして遅刻した!?」
「…大丈夫。私たちも先ほど来たところよ。」
「よかったら私の焼いたクッキーもどうぞ。」
「ユリア様がクッキーを焼いてくれたのですか。では一つ、
…Oh!イッツデリシャス!見栄えも外と中の焼き加減も十全。
この蜂蜜と煮詰めた林檎の味つけなど、
エリスのとある有名菓子店を思い出しますね。
ただ…惜しむらくは砂糖の味に頼りすぎている感あり。
中の上、というところですかな。
…どうしたの、みんな?」
「ソラト。あなたなかなかの通ね。」
「一口食べただけでそこまで分かるとは…」
「でも、この味付けはどちらかというとエル様の好みですよね。」
「当たりだ。」

ユリアの作るお菓子は美味しいのだが、
つい、エルの味覚を基準にしてしまうためとても甘い。

「さて、食べ物話題はここまでにして作戦会議に移ろう。
竜騎兵隊の偵察によると、敵はどうやら大量の壺を集めているらしい。
これが意味することは、罠や迎撃のためではなく
焼夷弾として使うつもりだろうと予想される。」
「…つまり焼き打ちですか。」
早速リノアンが反応する。
「そう、それも今夜のうちにあるだろう。」
「確かに、短期決戦に持ち込みたい相手としては
今夜が最大のチャンスだろうな。」
ジョゼが頷く。
「そこで、だ。この動きを逆手にとり、今夜中に砦の兵力を出来る限り削る。」
「して、その作戦とは?」
ノクロスが机の上に広げられた地図を覗き込む。
「まず、ソラトとリノアンは夜になったら谷に隠れ、
合図があったのちに敵の側面を衝く。」
「了解。」「…わかりました。」
「ジョゼは陣地の後方で待機。敵が攻めてきたら陣に再突入せよ。」
「合点です!」
「そして最後にノクロスは…ちょっと耳を貸せ。」

ひそひそ…

「なるほど。承知しました。」
「どうしたんですか?」
「いやな、ちょっとしたサプライズを計画しておいた。
そして本体は幕舎の中で待ち伏せする。
マティルダはそのように手配しておくこと。」
「はっ!」

「では、以上で作戦会議を終わる。各員気を引き締めてかかれ。」
『おーっ!』

こうしてエル軍は動き始めた。




変わってこちらは砦内の親魔物勢力軍。、
ショートの茶髪、額に傷のあるリザードマン、アリアは
武器の手入れに余念がなかった。

一ヶ月前のオーガスト原野における決戦で
親魔物国連合とサバト連合はエル軍に対して3倍の兵力を持ちながらも惨敗。
勢いに乗った敵を抑えきれず半島中部の拠点は次々と陥落していった。
そしてすでに戦えるのは最南端に位置するレーメイアのみ。
しかも、オーガスト原野の戦いでレーメイア軍も少なからぬ被害を被り
その規模を3000人程度にまで減らしていた。
それに比べ、エル軍は開戦以来ほぼ損害がなく、
10000人の兵力を持って臨んでいる。
レーメイア自体の守備にも1000人程度兵力を割く必要もあり、
全軍を砦にこもらせるわけにはいかない。
よって、敵と味方の兵力差は5倍。しかも防御兵器もないこの砦では
投石機を持つエル軍相手に一日も持たないだろう。
しかし、ここが陥落すればレーメイアが落ちたも同然である。
各地で敗北し、海峡の向こうに撤退する友軍とその家族たちのためにも
彼女は一日でも長くここを守らなければならないのだ。
相次ぐ敗戦ですっかり士気が下がってしまった兵士たちを
声が嗄れるほど叱咤激励し、今夜の決戦に向けて準備を進める。

「これ以上、奴らの思う通りにさせて…たまるか!!」

そう叫ぶと同時に、研いでいた2mもある長剣を振りかざす。
窓から差し込むこの地域特有の強い直射日光を剣が反射し、
一瞬部屋を照らす。

「その心構えは頼もしいが、今夜の作戦に備えて少し体力を温存したらどうだ。」
「あ、フェオル。準備はできたの?」

彼女が振り返るとそこには歴戦の勇士を思わせる風格の男が立っていた。
彼はアリアの夫のフェオルである。彼女とは10年以上も前に大決闘の末に引き分け、後に結婚。
今では軍を率いる彼女の良き相談役として常に傍らにいる。
今夜の襲撃計画を立案したのも彼だ。

「油の質は多少悪いかも知れんが、まあ火がつけば問題ない。
あとは夜になるのを待つばかりだ。」
「そう、じゃあ兵士たちに今のうちに気力をつけておくようにいってきましょう。」
「それと、万が一出撃している間に敵に砦を攻撃された場合に備えて
リューに留守を頼んでおいた。」
「残留兵力は?」
「300人いれば、レーメイアにおいてきた予備兵力半分(500人)も合わせて
十分守りきれるだろう。」
「何から何まで苦労かけたわね。」
「なぁに、これからが正念場だ。腕が鳴るぜ。」

そう言って開かれた窓から顔を出す。
乾燥した平野の向こうの丘に、密集した陣を築く敵軍がわずかながらに見える。
百年近くの歳月を経てやっと人と魔物が共存できる環境が出来てきたのに、
彼らは半年もたたぬうちに更地のようにしてしまったのだ。
しかし、この半島地域の親魔物勢力にはすでに彼らを押し返すだけの力はなく
別の地域の親魔物勢力のもとに駆け込むしかない。
自分たちの無力さを嘆いたところで、戦況は覆らない。
だが、せめて相手に一矢報いたい気持ちは
この軍の誰もが持っていた。



「隊長!全員分の油壺の用意が出来ました!」
「ごくろーさん。あとは今夜に備えて英気を養っておきなよ。」

場所は変わって砦守備隊の一角。
隊長と呼ばれたオーガが、部下のアマゾネスにねぎらいの言葉をかける。

「しかし、今回の作戦。上手くいきますかね?」
「不安か?」
「まあ、なにせあのティファナ様率いるサバト連合軍を
破った軍ですから、いったいどんだけ化け物ぞろいなのかと。」
「確かになぁ、バフォメットのティファナ様が直々に率いるサバトをほぼ無傷で倒すとか
どんだけチートなんだよって私も突っ込みたいわ。
だがな、逆を返せばバフォメットさまだって無敵ではないということは、だ。
あいつらだって無敵ではないってことだ。」
「!!なるほど!!そういう考えもあり得ますね!
まさに、目から目脂が落ちた気分です!」
「顔はちゃんと洗えよ。
それはさておき、そんな強い奴らが相手だからこそ
相手としては不足はないと思わないか?」
「確かに!」
「私たちがやらねば誰がやる?
いや、私たちがやらなければならないんだ!
私たちに背中を預けてくれている人々のためにも!」
「キャー隊長ー!かっこいいー!」


「…という決め台詞を考えたんだが、どう思う?」
「ズコーーーーっ!!」

部下と漫才を繰り広げるオーガ。
彼女の名はベルカ。【鉄の踊り子】という物騒な異名を持つ。
開戦当初から生き残っている名うての傭兵である。


半島地域最南端レーメイア。
それぞれの思惑を秘め、夜を待つ。











そして数刻後、陽は落ち、あたりは闇に包まれる。

今夜はちょうど新月で、月明かりもほとんどない。
フェオルが今夜襲撃を行った理由は、ここにもあった。
自然の闇はレーメイア軍の姿を覆い隠し、
強い風音は彼らの足音をうまい具合に消してくれる。
まさに、絶好の機会であった…


「よーし、みんな!これより敵陣に突入する!準備はいいか!」

『…………』

「行軍中は静かにしろって言ったのはアリアだろ。」
「あ、そっか(汗」
「まあいい。偵察によると、奴らは見張りが数人いるほかは
幕舎の中に入ってしまってるとのことだ。」
「それは好都合ね…。
見張りを突破して一気に突入しよう。」

そうしているうちに、敵軍の陣地が一歩また一歩と近付く。
そして、彼我の距離が50メートルを過ぎたあたりで、
ついにアリアは号令を下す。


「今よ!全軍突撃!」
『おーーっ!!!』


一斉に突撃を開始したレーメイア軍は瞬く間に見張りを倒し、陣地に侵入した。
見回りらしき兵を蹴散らし、陣地内部でアリアの部隊とフェオルの部隊は
二手に分かれて進軍する。
頃合いを見計らい兵士たちは、ひもにくくりつけてある油壺に次々と点火する。

そして、いざ投げ込もうとしたその直後…



彼らの視界が急に白一色に染まった。


「うおっ!眩しい!!」
「目が、目が〜〜っ!!」

「くっ!一体何が起きた!?」
突然のことに驚くアリア。
その正体は、ユリアが放った強烈な閃光魔法だった。
効果は一瞬だが、その光は太陽光にも匹敵する明るさを持っていたため
闇夜に慣れていてレーメイア軍は一瞬にして網膜を焼かれたのだ。
次々とその場に崩れ落ちる兵士たち。
そこに、周囲から喚声が上がった。

入口から離れた幕舎に潜んでいたエル軍の兵士が
四方からアリアの部隊に襲いかかったのだ。
それに加えて、後方に控えていたジョゼの部隊が
正面から突っ込んでくる。

ジョゼ率いる第二師団はグレートナイトやアーマナイトを中心に構成された
重装部隊であり、その勢いはまさに鉄の津波といっても過言ではなかった。
そしてジョゼ本人も重厚な鎧に身を包み、先頭に立って突撃していく。

「はぁっはははは!!かかったなアホどもが!
生きて帰れると思うなよ!」

アホみたいな大声でトマホークを振うジョゼであった。


「まずい!作戦は失敗だわ!
全員、急いで手持ちの油壺を適当に放って撤退しなさい!
点火してないものはそのまま放棄しなさい!」

奇襲が失敗したと判断したアリアは即座に撤退命令を出す。
兵力が十分ならそのまま戦闘続行もできただろうが
いかせん、彼我の兵力差が大きすぎる。
このままでは一方的に包囲殲滅されてしまうだろう。

「アリア様!ここはわたくしが引き受けます!
アリア様は撤退の指揮に専念してください!」

副官のオーク、ピドーがアリアに先に行くよう促す。
アリアは一言「ありがとう」といって
混乱する兵士をまとめ上げることに専念し始めた。
司令官は兵士たちのため、簡単に死ぬべきではないということを
アリアもピドーも理解していた。

踏みとどまるピドーのもとに、ジョゼが襲いかかる。
「あら、なかなかいい男ね。こんなときじゃなければ
こっちから襲いかかってやりたいくらいだわ。」
「そいつは光栄だが、どちらにせよお断りだ!」
ピドーは手に持つ戦鎚を振り下ろす。
だが、ジョゼは重い鎧を着ているにもかかわらず
素早く一歩下がり、攻撃をかわす。
一撃目を外したピドーは第二撃目を横から打ち込むべく
軌道修正したのち一歩大きく踏み込む。
だが、ジョゼは30sもあるトマホークを片手のみで頭上で大きく振り回し
ピドーの脳天めがけ振り下ろす。

グワァーン!と猛烈な音が響く。

なんとか戦鎚で受け止めたが、すさまじい衝撃に思わず武器を落としそうになる。
これではどちらが魔物かわかったものではない。

撃ち合うこと3合でジョゼはピドーを血の海に沈めた。

「そこそこやるようだが、まだ不足!来世でまたやり直せ!」

そう言うとジョゼはすでに追撃に移っている兵士たちとともに
自身も敵を打ち砕くべく突撃していった。




フェオルの方も、突如として発せられた閃光で進撃を止められたところに
周囲からの伏兵を受け、混乱状態にあった。

「おのれ、まさかここまで完璧に対処されるとは…
いささか相手を甘く見ていたようだな。」

しかし、不幸中の幸いか、閃光に驚いた兵士たちの数人が
油壺を投げたためあちらこちらで火災が発生している。
幕舎は瞬く間に燃え上がり、すぐに隣の幕舎にも燃え移っている。
このため、敵も行動を幾分か阻害され、アリア軍ほど大きな被害は受けていない。
だが、このまま戦っていればすぐに全滅してしまうことは明らかだ。

「撤退しろ!別れた味方と合流するんだ!」
彼もまた、混乱する味方をまとめ、撤退させる。
すると…

「そこにいるのは敵将と見た!」
全身赤一色の女騎士、マティルダがフェオルを見つけ馬を走らせる。
「ちぃっ!やるしかないようだな。」
そう言って彼も剣を構える。
彼はもともと名のある冒険者だった。
その力は、リザードマンでも上位の実力を持つアリアに
半日にわたる決闘の末勝ったという経歴からも
彼が只者ではないことが分かる。
その上、長年培われてきた経験が彼の腕に円熟味を加えている。
それに比べ、マティルダはまだ20にもならない。

カン!カン!カン!キーン!
剣と槍が激しく打ち合う。

マティルダが馬上から繰り出す銀の長槍は
一切の隙がなく、フェオルを苦しめる。
歩兵と騎兵、剣と槍、という相性の悪さもあるが
それを差し引いても、彼女の技はフェオルの想像をはるかに上回った。
フェオルも繰り出される突きを剣で払うが、
斬りこむタイミングがつかめない。

キンッ!ガキン!

十数合ほどで、フェオルは徐々に一歩ずつ後退していく。
一瞬でも気を抜いたら最後、マティルダの槍は彼の喉元を一突きするだろう。
時々、周りの兵士も加勢するものの、撃ち合うことなく
瞬く間に一突きで葬り去る。
そして…

カキーン!

フェオルは武器を弾き飛ばされた。
とっさに周囲の兵士五人がフェオルをかばうために
マティルダとフェオルの間に立つ。
しかし、五人程度ではすぐにつき破られてしまう。

「潮時か…」

彼はかばってくれた兵士たちに心の中で謝り
すぐさま撤退していった。


「ふう、さすがに手ごたえがあったけど、
逃したのはちょっともったいなかったな。」
周囲のレーメイア兵を一掃したマティルダは
追撃を部下に任せ、消火作業を始めることにした。
一応、予め消火専用部隊を組織しておいたが
やはり火の回りが早いため、これから戦闘していた兵士も混ぜて徹底的な
消火活動をしなければならないだろう。
少しでも火の気が残っていると
そこから再発火する恐れもあるためである。
気化した油のにおいと、幾分か血のにおいが漂う中
消火活動を指揮するマティルダのもとに、
ユリアがやってきた。

「大事ないですか?マティルダさん。」
「ユリア様!この辺りはまだ少々危険です!
戦闘が完全に終わるまで、安全なところに…」
「いいえ。こうして皆が必死に頑張っているというのに
私だけが一人で安全なところで待っているというのは
いささか耐えられません。」
「ユリア様…」
「ここに一時的な治癒の結界を張ります。
けが人がいらしたら、ここに連れてきなさい。
もちろん、捕虜の兵士も同様に、です。」
「前にも思いましたが、いいのですか?エンジェルの身にあられますのに…」
「ええ、それがエルさんの要望ですから。」

そう言ってにっこり笑うユリア。
毎度思うけど、どこか変わったお方だなと、マティルダは思った。








「ちっ!上手くいったと思ったのにすぐ退却する羽目になるとはね。」

一方、フェオル軍の中ほどにいたベルカは前衛が壊滅したと知るや否や
逃げまどう味方を守るために敵の追撃軍と激突した。
得物である二本のハルベルトを振い、
向かってきたランスナイト3騎を討ち取り、
続いてフェンサー5人を倒し、
さらにハルバーディア4人を斬り伏せる。
攻防の間、肩に矢を喰らってしまったが、
彼女にとってはどうってことはない。
しかし、エル軍の兵士とは何度も戦っているが、
やはりほかの国に比べて圧倒的に兵の質が高い。
それに加えて集団戦法にも長けているため
常に複数人を相手しなければならないのだ。
彼女もだいぶ分が悪くなってきた。

「味方もだいぶ逃げてきたようだな。
なら、我らもここからおさらばするぞ。」
「はいっ!隊長!」

彼女らも逃げる兵たちとともに
退却を開始する。
陣の入口まで戻ると、そこには

「おお、アリア様!ご無事でしたか!」
「やっぱり生きてたのねベルカ!
フェオルは無事なの?」
「フェオル様はつい先ほど陣を脱出しました。
あとは合流するだけです。」
「そう!ならば私たちも一刻も早く脱出しましょう」

直後、フェオルと合流を果たしたアリア軍。
判断が早かったせいか、
思ったほど損害は多くなかった。
そうと分かれば早く撤退するに限る。
彼らは砦目指してきた道を戻っていく。


その時であった。

「…今が頃合いね。ロングボウ部隊、一斉射撃!」
西側の丘の陰に潜んでいたリノアン率いる第五師団が
撤退するレーメイア軍の頭上に矢を雨あられと降らせる。

「この機を逃すな!本当の戦いはこれからだということを教えてやれ!」
東側の窪地に伏兵していたソラト率いる第四師団が
ドラゴンナイトを先頭に前方側面に切り込む。

レーメイア軍にとってはまさに絶望的な状態であった。
「…もはやこれまでか!」
「あきらめるなフェオル!私たちで血路を切り開くんだ!」


アリアとフェオルは覚悟を決め、斬りこんだ。
武器を失っていたフェオルは、兵士から
予備の剣を借りて、彼を狙うドラゴンナイトを驚くべき跳躍力をもって
一刀のもとに切り抜け、相手が落とした鋼の長槍を奪う。
そしてそのまま向かってきた2人のフェンサーと切り結ぶ活躍を見せる。

アリアは丘の上の弓兵の数を減らすべく、リノアンの部隊に突撃する。
すると、彼女とその周りの兵士の足元に突如として亀裂が走る。
瞬間的に危機感を感じ取ったアリアは素早くバック転して
数歩分の距離をとる。

亀裂から巨大な氷柱が出現し、
周りにいた兵士たちは一瞬で氷柱の餌食となる。
それだけではなく、一部の氷柱は自ら砕け散り
さらに周囲にいる兵士に被害を与える。

『プルミエール・グラッソ』

リノアンが得意とする大々的な氷魔法。
「至高の氷花」の名を冠するこの魔法は
地中から巨大な氷柱を発生させて被害をもたらすと同時に
その氷柱は一時的な防壁にも使えるという
一見すると便利な技である。
難点は上手くコントロールできなければ
攻撃するどころか味方に被害を与えかねない。
そしてなにより、大規模すぎて
戦争でもしない限り使い道がないのである。


「あんなの反則でしょ!一体どうすればいいっていうのよ!?」

突然出現した氷柱に行く手を阻まれたアリアに
ロングボウ部隊の矢が降り注ぐ。
そのすべてを剣で弾くも、これ以上の前進は不可能と判断し
別の突破口を探しに向かう。




包囲殲滅が始まって数十分が経過し、
乱戦を切り抜けたベルカと周囲の一部の兵士が
包囲網の一部を突破することに成功した。

「やっとぬけたか…。さすがにしんどいな。」

満身創痍のベルカは、敵の騎兵から奪った馬にまたがり
一路砦を目指す。
アリアやフェオルのことは激しく気に掛るものの、
今は自分の身を案じなければならない。

「まさかここまで見事にしてやられるとは、な。」
「しかし、砦の方は大丈夫ですかね、隊長。」
「それも不安だ。あのエルのことだ、
そこまで手をまわしている可能性は十分にある。」


だが、砦が見えてきたものの
砦の回りには一兵も見当たらない。

「隊長。どうやら、杞憂だったようですね。」
「いや、まだ油断するな。
すでに砦が占領されている可能性もある。」

オーガにしてはやたら慎重なベルカであったが、
着いてみれば、城壁の上からワーウルフが顔をのぞかせた。
留守を任されていたリューであった。

「ベルカじゃないか!?どうしたんだその姿は!」
「リューか!残念ながら奇襲は大失敗だ!
アリア様とフェオル様は敵軍に包囲され
私も何とか自力で突破したが、このざまだ。」
「なんと!?」
「とりあえず、私もくたくただ。中に入れてくれ。」
「分かった!早く入って手当てするんだ。」
「かたじけない。」

こうしてベルカは砦に戻ることが出来た。

「アリア様が危機に…。
全兵を集めろ!アリア様たちを救出しに行く!」
「よせ、リュー。今お前が今出て行ったら
誰がこの砦を守るんだ?」
「でもっ!」
「おちつけっ!っつう…」
「隊長!今叫んだら傷に響きます!」
「とにかく…、今はこの砦を維持することに専念するんだ。
そのうち敗走した兵が次々に戻ってくるはずだ。」
「…わかった。」

リューはしぶしぶ頷くと、追加の回復薬を倉庫から出すよう
部下に通達した。







包囲から三十分。アリアとフェオルの周囲の兵は百にも満たない人数までその数を減らしていた。
その包囲網の中央で、アリアとフェオルの二人を同時に相手している人物がいた。

第四師団長のソラトだ。

彼は遠く東方に位置するといわれている国『ジパング』の武器である
カタナを獲物としている。
カタナといえば、同じジパング出身の『サムライ』と呼ばれる
特殊な戦士のみが使用するのが普通である。
なぜかといえば、『サムライ』は押すよりも、引く方が力が出しやすいため
カタナもそれに合わせて最大限に力を発揮する。
逆に、押す力が強いこの地域の人種にはあまり向かないのである。
そんな見るのも珍しいカタナを、

彼は両手に持って戦うのである。

キィン!キィン!キィン!ガキューン!

アリアとフェオルは互いに連携して
彼に迫るも、人間とは思えない素早さで
彼らを右に左にと翻弄し、隙さえあらば
首を刎ねんとする勢いである。

「どうしたんだい?お得意の連携攻撃とやらはそんなものかね?」
「ぬかせ!その増上慢、打ち砕いてやるわ!」

二人は作戦を切り替え、フェオルが槍で下半身を狙い
アリアが長剣で上半身を狙うことにした。
長年積み重ねてきた連携は見事で、
普通の人なら、攻撃を捌くのがやっとだろう。
しかし、ソラトはこの攻撃の変化を逆にチャンスととらえた。
一瞬の隙を突き、足の付け根を狙うフェオルの突きを足で抑え込み、
それと同時にアリアの長剣を二本のカタナで挟み込み、そのまま撥ね上げた。

アリアの長剣は彼女の手元を離れ、数メートル離れた地面に突き刺さる。

「しまった!」
「アリア!俺が援護する!武器を拾え!」

武器を拾うため、アリアは姿勢を低くして駆けだし
フェオルは彼女が追撃を受けぬよう援護する。
しかし…




「あきらめろ。大勢は決した。」
「そ…んな…」


長剣の前に現れた
腰の下まである金髪に、黒い衣服を纏った人が
手にする方天画戟を、アリアの首筋につきつける。


周囲の戦いが一瞬にして止まった。
それほど彼女…いや彼の存在感は大きかった。


エルである。



「武器を捨て、降伏しろ。命まではとらん。」
エルは残った敵兵に降伏を促した。
彼は、徹底的な殺戮は行わず
戦意を失った相手にはこうして
武装解除をするにとどめる。
反魔物国の司令官としては珍しい傾向である。


「わかった…」

降伏に応じたフェオルとその周囲の兵士たちは
次々と武器を捨てた。
もはや、誰一人として戦う力は残っていなかった。


最終的にこの場に残っていたレーメイア兵は
司令官の二人を含めてわずか40人余り。
奇跡的に包囲網を抜けて
砦に辿り着いた兵士は、総勢200人程度。
その他約8割のレーメイア軍は命を落とすか
捕虜となった。
残るは砦の守兵とレーメイアに残っている予備兵力のみである。


「よーし。あと残るは砦のみだ。
そして、お前らに驚くものを見せてやるから
ちょっとあの小高い丘に行くぞ。」

そういってエルは一部の兵士に捕虜の収容を命じると
全軍を率いてここより少し南にある丘に向かった。

「…いったいなにがあるんでしょうね?」
「さてな。行ってみなければわからん。」
「でも、俺たちも驚くものって一体?」


リノアン、ジョゼ、ソラトがそれぞれ疑問に思いつつも丘を登る。
そして、丘の向こうに彼らは驚くべきものを目の当たりにする。




数刻後、東の空にわずかながら日が昇り始めたころ、
エル軍は砦周辺を余すとこなくしっかりと包囲した。


「…これはまた見事に包囲されたねぇ。」
「もうこの砦も終わりでしょうか?」
「私はこの砦を枕に討ち死にする覚悟です!」
「まあまあ、そう簡単に死ぬっていうな。
死ぬことならいつでもできる。だが、今は
いかに長く生きられるかがすべてだ。」

体中に包帯を巻いたベルカは、あくまで達観した感じで
二人を抑える。
両司令官を失った今では、年長者の彼女が
しっかりしなくてはならない。

と、ふと城壁の下を見ると一人の人が砦に近づいてくるのが見える。

「あれは敵の司令官、エルじゃないか。
一人で一体何しに来たんだ?」




適度に近づいたエルは、砦の兵に向かって大声で話し始めた。

「砦内の兵士たちに告ぐ!今すぐ武器を手放し、降伏しろ!
降伏しても命は助けてやる。」

リューがそれに対し即座に返した
「だまれ!わが軍に、降伏しようなどという腰抜けは一人もいないぞ!」

周りの兵士も「そうだそうだ!」とリューの返事に同調する。

「その意気込みは立派だが、ちょっとレーメイアを見てみろ。」
「なんだと!?」

リューやベルカは砦の南に移動し
海峡に面するレーメイアを見る。


そこには、エル軍の旗が無数に翻ったレーメイアの姿があった。


実は、軽装機動部隊で構成されているノクロス率いる第三師団は
その中から軽騎兵のみを選抜した奇襲部隊を編成。
エルの密命を受けて夕方のうちから東から砦を迂回して
夜陰に乗じてレーメイアに攻め込んだのだ。

わずかな守備隊しか残っていないレーメイアの街はあっという間に占領された。
こうすることで、エルは砦の守備兵の最後の希望を消したのだ。

敵軍に占領されたレーメイアを見て
リューは、さながら男性と一晩中攻防を繰り広げた後のように腰を抜かした。
ベルカも目の前で起きている現実を受け入れられないでいた。


エルは演説を再開する。
「安心しろ。町の人や魔物にはいっさいの危害を加えてはいない。
だが、船の出港は阻止させてもらった。
お前らが抵抗をやめない限り、レーメイアは封鎖する。
しかし、降伏するというのならばお前らを含め、どこに行くのも自由にしてやろう。」

兵士たちに動揺が走る。

「それともう一つ朗報だ。
お前らの司令官は二人ともまだ生きている。
お前たちが抵抗をやめれば、捕虜となった兵士も
全員解放してやろう。」


その一言が、戦いの終止符を打った。


「…申し訳ありません、アリア様。
私たちは、一戦も交えぬまま降伏します…」

リューは目を涙でいっぱいにしながら、
兵士たちに武装解除を命じた。
そして、ソラトが砦の兵士が全員武装解除したのを確認したのち
レーメイアの街で両軍の間で停戦協定が結ばれた。



こうして親魔物国最後の拠点は
一日も持たずに陥落したのだった。


レーメイア攻防戦 概要図


11/02/13 11:17 up

登場人物評

エル軍

マティルダ パラディン27Lv
武器:銀の長槍
一応第一師団長となっている。容姿のモデルは灼○に出てくる同名の人から。
軍に入ってから常にエルの傍らで戦う。ユリアと同じくエル一直線。

ジョゼ  ジェネラル24Lv
武器;トマホーク
第二師団長。豪快な性格で、力なら魔物にも引けを取らない。
脳筋ではないのだが、地声が大きく、筋肉馬鹿に見られることがしばしば。

ノクロス  ハザーエ25Lv
武器:ダマスカスソード
第三師団長。遊牧民の子孫だが、常に礼儀正しく人と接する。
今回は唯一戦闘シーンがなく、活躍が地味。

ソラト  ソードマスター24Lv
武器:レンゲ・カスガ(二つともカタナ)
第四師団長。お気楽極楽な性格で、緊張感に欠けるが、戦場では化ける。
二刀流かつ戦術は我流。戦い方がキ○・ビルみたいな人。

リノアン  賢者24Lv
武器:氷魔法(プルミエール・グラッソなど)
第五師団長。冷静沈着をそのまま体現したような女性。
本国の城内に自身の菜園を作っており、そこで果物を育てている。

レーメイア軍

アリア  リザードマン20Lv
武器:白夜の剣
レーメイアの領主を務め、魔物を中心とした混成部隊を主力とする。
領民や兵士からの信頼は厚く、種族を問わずリーダーシップを発揮する。

フェオル  サージェント22Lv
武器:鋼の大剣
アリアの夫である元冒険者の男性。若いころはかなり無茶したらしい。
現在はアリアのサポートに徹し、レーメイア市民のために尽力する。

ベルカ  オーガ24Lv
武器:ハルベルト(二本)
各地を転戦する傭兵団の団長。主に教団や反魔物国と戦っている。
頼りになる姉御肌で、いざという時にみんなのまとめ役になる。

ピドー  オーク15Lv
武器:鋼の戦鎚
アリアの副官を務めた陽気なオーク。常に先陣を切ることを名誉とする。
ジョゼにあっさりやられてしまったが、オークの中では結構強いほう。

リュー  ワーウルフ12Lv
武器:手鉤
砦の留守を任された守備兵長。身体を生かした機動戦を得意とする。
ワーウルフらしく、命令には忠実だが、アリアのことになると熱くなる。


マティルダ「祝!リメイク!
レーメイア攻防戦が一つになりました!

あ、いけない挨拶忘れてた。
私はエル様の下で将軍をしています、マティルダです。
記念すべき初投稿の話だったのですが、
どうも色々とおかしいところがありましたので
直すのと同時に、分けていた序章を一緒にしてみました!

…まあ、それだけなんですけどね。
話が大きく変わるということはないので、
そこを期待してくださった方々には
とても申し訳なく思います。

でも、個人的には色々すっきりしたので
新たな気持ちで連載に取り組んでいこうと思います!
皆さんよろしく!」


注)概要図の地図は
黒十字様とMagictory様のフリーソフト
ランダムランドジェネレータを使用させていただきました。

バーソロミュ
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