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注意!今回の話は某手ごわいシミュレーションゲームの影響を非常に強くうけています。よって意味不明な表現が多くあるかもしれませんので予めご容赦を。 この話はルピナス河の戦いの翌日から始まります。 私ユリアは戦闘に参加していないこともあって、 疲れを残すことなく目が覚めました。 その上、一緒の幕舎で過ごしているエルさんはまだ起きていません。 エルさんより早く起きたのは今日が初めてです。 「う〜ん…、どうやらエルさんの先を越せたみたいですね。 せっかくですので、寝顔を拝見してみましょうか♪」 意外なことに、出会ってからもうすぐ3年になるというのに エルさんの寝顔は今まで一度も見たことがありません。 だってエルさん寝るのは遅いのに、起きるのは誰よりも早くて… しかも ザッ 「―!」 むくり 「―ん、ああユリアさん、もう起きてたんですか?」 「ええ…」 こうして靴を履いた音を立てただけでも、 潜入したステルス兵士を発見したような効果音と共に起きてしまうのです。 難易度は非常に高いと言わざるをえません… これなら寝首を掻かれる心配はありませんが、 日常生活ではかえって不便じゃないかと思います。 「せっかくエルさんの寝顔が見れると思いましたのに。」 「…危ないところでした。」 「いいじゃないですかエルさん。寝顔の一つくらい減るものじゃないですよね。」 「それマティルダにも言われたことがあるんですけど…」 エルさんは寝顔に何かトラウマでもあるのでしょうか? 「さて、いつものように軽いトレーニングでも…」 「あ、エルさん。今朝はひとつお願いがあるんです。」 「お願い、ですか?」 とりあえず私とエルさんは幕舎の外に出ました。 「エルさん、突然ですが少々剣の相手をしてもらえますでしょうか?」 「剣の相手を!?ユリアさんとですか?」 「やはり私では不足でしたか。」 「いえ、そのようなことはありませんが、なぜユリアさんが剣を?」 「私の身を守る術は主に光魔法ですが、それが使えなくなったときに備えて こうして護身術程度でもいいので剣の使い方をと。」 「その考えは結構だと思います。ですが… ユリアさんはそういったことはあまり考えず。戦いは俺に任せていただければ。」 「でも…エルさんが危険な戦いをしているのに、私が遠くで見ているだけなんて…」 エルさんに守られてばかりいるわけにはいきません。 これからは私もエルさんを守ります! 「そうですね、ではまずユリアさんの動きとかを分析したいので そこにある木製の訓練剣で俺に打ち掛かってみてください。」 「わかりました。」 実は私、エルさんに内緒で独学で剣の特訓をしていたんですよ。 でも、やっぱりある程度慣れてくると実力を見てもらいたくなりますよね。 エンジェルの剣術では付け焼刃かもしれませんが。 「いきます…」 私は意識を前ではなく自分の身体に集中させる。 そして… シュバッ! 「!?」 カァン!! 「あうっ!?」 なんとうことでしょう… 私の持っていた木剣は一瞬で弾き飛ばされてしまいました。 やはり力の差は歴然です。 「大丈夫でしたか?」 「ええ、やはり私の腕前はまだまだですね。」 「ユリアさん、もしかして俺に内緒で俺の戦い方の真似をしていませんか?」 「あら、ばれちゃいましたか。」 「正直俺は恐ろしく思いましたよ…。 ユリアさんが一瞬で間合いを詰めてくるもんですから、 反射的に武器を弾き飛ばしてしまいました。申し訳ありません。」 「へ?それって…」 「恐らく、相手が私でなければ一本とれてた可能性もあります。 しかし、今の戦い方は非常に危ないです。 なにしろ相手の懐に飛び込むのですから、かわされた時のリスクがおおきいのです。」 「でもエルさんはどうしてそのような戦い方を?」 「私の場合は戟ですから間合いに少し余裕があります。 それに、かわされて懐に飛び込まれた時の対策も怠っていません。」 「そうですか…、やはり私はこの戦い方をやめるべきでしょうか?」 「うーん、決して無駄ではないと思います。 しかし、まずは普通の戦い方を身につけましょう。俺が一から教ますので。」 「は、はい!お願いします!」 こうして半刻程度、私はエルさんから剣術を学びました。 ちゃらりらりら〜♪ 【ユリアとエルの支援レベルが「C」になった!】 「ん?今なんか変なモノローグが?」 「なんでしょうね?」 何だか今までより一層エルさんと仲良くなれた気がします。 私としてはとても嬉しいです。 さて、朝の運動が終わったら朝食を食べて簡単な会議をします。 当分は敵の残党などに気を配りつつ先行する第四軍団に追いつくことにします。 今日からまた、ひたすら行軍する日々が続きます。 ですが、エルさんは会議が終わったあと私に用があると言います。 なんでしょうか? 「呼んだのはほかでもありません。ユリアさんにはミーティアと一緒に ユニースのところに行って彼女の軍を補佐してきてほしいのです。」 「ええっ!?」 こ、これは驚きです! まさか私に対して転属命令だなんて… 私は落ち込んでしまいます… ズーン… 「ゆ、ユリアさん?そこまで落ち込むなんて…」 「エルさん…、私に何か落ち度がありましたか?」 「いやいやいや、別に左遷させようとするわけではありません! ただ、ユリアさんの能力を無駄にしないためにも、 これからプラム盆地攻略を控えている第四軍団で活躍してもらおうかと…」 そういうことでしたか… 確かに私なら転移魔法でユニースさんのとこまでひとっ飛び出来ます。 それにエルさんは総司令官なのでここを離れるわけにはいきません。 しかし、数日とはいえエルさんとはなれるのは非常につらいです。 けど、こういったことを私情で断ることはできません! 「わかりました…、私行ってきます。」 「すみませんね。」 「では、ちょっと準備をしてきます。」 私はふらふらと自分の幕舎に荷物を取りに行きます。 と、その途中でマティルダさんに声をかけられました。 「ゆ、ユリア様!?どうしたんですか!顔色が優れないようですが… それに歩き方もふらついてて…、ナンナに診てもらいましょうか?」 「いえ、私はいたって健康です。顔色がよくないのは…」 天使説明中… 「そうですか…、エル様も殺生なことしますね(汗」 「いえいえ、私はエルさんだけではなく皆さんのお役に立ちたいんです。 私情で総司令官の命令を断るわけにはいきません。」 「何という立派な心がけ!私、感動しました! そんなユリア様だからこそエル様は逆に信頼しておられるのですよ!」 「そ、そうですかね?」 「はい!エル様はユリア様を信頼しているからこそ、 そういった任務を課しているんだと思います。」 マティルダさんに励ましてもらっちゃいました。 そうですね、私もいつまでもエルさんに付きっきりというわけにはいきません。 これで明るい気持ちで、ユニースさんのところに行けます。 そう…マティルダさんの次の一言がなければ… 「もっとも、副軍団長としてずっとエル様のおそばに居れる私の方が ユリア様よりも信頼されていたりして…」 …ええ、私はまだまだ天使としては未熟です。 ですから怒る時には怒りますよ? 「…マティルダさん。今聞き捨てならない言葉を聞いたような気がします。」 「…いえいえ、私は単に真実を述べたまでです。」 バチバチバチバチ! 私とマティルダさんの目線が火花を散らします。 今ならその火花で溶接もできそうです。 マティルダさんのお口を溶接しましょうか? 「確かに私はまだ未熟で信頼が足りないかもしれません。 しかし、エルさんをお慕いする気持ちだけは誰にも負けないと自負しています♪」 「なにをおっしゃりますかユリア様。私は士官学校のころから エル様を慕い続けてきたんですよ?ユリア様に負けるはずがありません♪」 「あら、そんなに長く慕い続けていても想いがかなっていないんですね?」 「ユリア様こそ、エル様からいつまでも敬語ですよね? どこかまだ他人行儀なのではありませんか?」 私たちが異様な雰囲気を放っていたのか、 たちまち女性将校を中心に人が集まってきました。 「ああ、ついにユリア様とマティルダさんがエル様を巡って三角関係に… 素敵なシチュエーションですね!」 「チェルシー様、身悶えてないで止めましょうよ… もっとも、私はそんな勇気はありませんけど…」 「ユリア様が怒ってる!?ユリア様もエル司令官のことになると感情的に…」 「こ、これはまさしく奥深き百合の世界!」 何やら外野は言いたい放題ですが、この際気にはしません。 ですがレミィさん。エルさんは男性ですよ。 「何しているんだ二人とも。さっきから聞いていればこっ恥ずかしいことを…」 『!!』 ついにエルさん本人まで呼び寄せてしまったようです。 顔はにっこりと笑っていますが、心は笑っていません。 純粋な笑顔ではなくこういった威圧的な笑顔は、 正直言ってかなり恐ろしいです。 「さてマティルダ。」 「はひっ!なんなりと!」 「俺のためなら何でもするといったよな?」 「はいっ!エル様のためならたとえ魔の中海の中!助走をつけて飛び込んでいきます!」 「そうか、じゃあお前もユリアさんと一緒にユニースのところに行ってきてくれ。」 「みょんっ!?」 動揺しすぎて呂律が回らないマティルダさん。 でも、自業自得でしょうね… 「じゃあ二人とも、たのんだよ♪」 『は、はい!』 どうやら私たちは当分、エルさんに逆らうことはできないかもしれません。 そのあと私とマティルダさんは第四軍団と合流しました。 ミーティアさんがあらかじめ事の次第を伝えてくれたようなので ユニースさんは余裕をもって迎えてくれました。 「へぇ〜、そんなことが。」 「私も余計なことを言わなければこんなことには…」 「はい、マティルダさんは自業自得だと思います。」 「ユリア様も容赦ないですね。」 私はユニースさんの馬の後ろに乗せてもらい、 マティルダさんと並んで行軍します。 プラム盆地まではあと1日といったところでしょうか? 「ユニースさん。一つ聞いてよろしいですか?」 「なんでしょうユリア様?」 「私は今朝エルさんより早く目が覚めたので、エルさんの寝顔を拝見しようとしたのですが…」 「なんと!ユリア様勇気ありますね!」 「エル様はどうしても寝顔を見られたくない様子でした。一体なぜでしょうか?」 「マティルダ…、これって…」 「ええ、たしかフィーネちゃんが原因でしたよね。」 「フィーネさんが!?一体何を?」 フィーネさんはエルさんが寝ている最中に何かいたずらしたのでしょうか? 典型例といたしましては… マーカー用の練炭で額に『肉』や『大往生』などを描くとか… 「それがですね、昔フィーネちゃんが一瞬エルの寝顔を見ることに成功しまして…」 「ちなみに、エル様が17歳の時でした。」 「フィーネちゃんはそれを記録に残すべく一瞬の記憶だけでエルの寝顔を絵に描いたのです。」 「それがあまりにも上手く描けてたので、ロンドネル美術館の展覧会に出したところ。」 「見事! 金 賞 !」 「こうして、エル様のそれはそれは可愛らしい寝顔は全市民に公開され!」 「絵を高値で買いたいという人が続出!」 「それはそれは…」 そんなことされれば、誰だって寝顔を見せたくなくなりますよね… でも私もその絵を見てみたかったです。 「ちなみに聞きますが、その絵はどうなったんですか?」 「うーん、まだエル様の家に保管されてるんじゃないでしょうか。」 家に戻る機会があればチェックしておきましょう。 ――――――――――場面転換――――――――――――― プラム盆地の府庁にて。 そこでは一匹のラミアと一人の女性がなにやら話しあっていた。 「ねえ、キルスティ。十字軍はどこまで来てるの?」 「報告によれば明日にはここまで到達するものと見られます。」 「早っ!昨日はあと3日って言ってたじゃん!」 「戦況は刻々と変化するものですよ、ヴィエノ様」 どうやらラミアの名はヴィエノ、 人間の女性の名はキルスティというらしい。 ヴィエノは青い鱗を持ち、全長は4mもある。 フェデリカもびっくりだ。 キルスティは女性だというのに厚い鎧に身を包む重歩兵。 しかし鎧の色はピンク。恥ずかしくないのか? そして二人とも、ヴァンパイアのツィーリンの留守を任されている。 「キルスティ、ぶっちゃけ私たちだけで勝てると思う?」 「無理ですね。(キッパリ)」 「だよねー。でもここ取られると正直アネットの兵站線がやばいわ。」 「やっぱり死ぬ物狂いで守るしかないですかね。 一応防衛兵器は何個かありますし、意外と持つのでは?」 「でもなー、相手はあのリリシア様をコテンパンにした奴らよ。」 「恐ろしいですね。」 「でも戦わなきゃ!よーし、いいこと思いついた! わざと城門を開いて敵を油断させて、街の中に誘い込んで 一気に包囲殲滅するのよ!」 「おお、さすがヴィエノ様。学がないのに頭いいですね。」 ドカッ!(←尻尾で叩きつける) 「いたーい。」 「そうと決まれば早速準備よ!」 「はーい。」 思い付いたが吉日とばかりいそいそと準備に向かう二人。 だが、その前に何者かが立ちはだかった。 「…先ほどからお二人の話を聞いていましたが、 その作戦は無関係の市民を巻き込む下策。」 「ん?あんた来てたんだ。」 「これもプラム盆地に住む魔物や人たちのため。 残念ながら、貴方達は邪魔なので排除いたします。」 パチン 何者かが合図をすると、たちまち兵士があたりを取り囲んだ。 ――――――――――場面転換――――――――――――― さて、一夜明けて 私がいる第四軍団は、プラム盆地の目前まで迫りました。 プラム盆地は、農業が非常に盛んな地域で ここではあらゆる作物が年間を通して大量にとれるので、 カンパネルラ地方における穀倉の役割を担っています。 それゆえ、兵站上重要な基地なので、親魔物国の人たちはなんとか 慣れない人間の築城をしてまでここに平城を作りました。 防衛兵器はバリスタが4台あり、それ以外はチェンバレンより少し硬い程度。 アネット攻略よりか遥かに簡単ですが、油断は禁物です。 「…と、言うのが私見なのですが。」 「お見事ですユリア様。しっかり敵の地域の情報をつかんでいますね。 それに追加で、守備兵は5000名ほどです。」 「我ら第四軍団の総兵力は40000人。ふっ、圧倒的じゃない我が軍は。」 「ユニース様、それはどちらかというと敗北フラグです。」 今日も昨日と同じく、私はユニースさんに同乗してマティルダさんと並んで行軍します。 しかし…、エルさんと一日あってないだけで、結構寂しいです。 これでは天使として失格ですね。一人に依存しすぎるのはよくないです。 でも…分かってはいるんですけど…、 もう手遅れかもしれませんね。 「あーあ、エル様に会いたいよ〜。エル様に対する禁断症状に苦しむ私。」 「何言ってるのマティルダ。私なんてそもそも領土と軍団が違うし… それでも何とか耐えてるわよ。少しは私を見習ったらどうかしら。」 「…ごめんなさい。」 「ユリア様に謝られた!?」 「あの、軍団長。今少しよろしいですか?」 あ、副軍団長のフィンさん。 戦場なのに雑談してしまってすみません。 「どうしたのフィン。敵は籠城してる?それとも打って出てきてる?」 「敵は白旗を掲げています。」 『え”!?』 …はい、予想外としか言いようがありません。 相手は自分たちの生活を守るため必死になっているはずです。 でも、戦わないでいきなり降伏とは… 無駄な血が流れないことは歓迎すべきかもしれませんが。 そうしているうちに目前には豊かな盆地に色とりどりの畑が広がり、 その中心にペタンと平城が鎮座しています。 濠と農業用水路が兼用になってます。なるほど、考えましたね。 そして、降伏を証明するように、城門の前には数人の文官と… 輝くような金髪に白い無地の服、頭上には輝く環、背中には神々しい羽。 なんとエンジェルが出迎えてくれるではありませんか。 このようなところで同じ天使に出会えるとは思ってもみませんでした。 「初めまして十字軍のみなさん。私はエンジェルのセユセと申します。 この度は、私たちはいたずらに血を流すことを嫌い、あなた方に降伏いたします。 どうか市民には手出しせぬ様、よろしくお願いします。」 「こちらこそ初めまして、十字軍第四軍団長のユニースです。 あなた方のご明断、感謝いたします。市民にはいっさいの手出しは致しません。 ご安心ください。して、ここの都市に住んでいる魔物は?」 「はい、軍関係者の魔物はすでに全員捕縛し牢屋に入れてあります。 魔物と特に親しい人も同様です。では、これがその証拠です。」 セユセと名乗るエンジェルが合図いたしますと、 数人の兵士が、ここの大将格である女性二人を連れてきました。 やけに長い身体を持つラミアとピンクの鎧を纏った人間の女性が 妙な縄の掛け方(あとで聞きましたが、亀甲縛りと言うそうです。)で縛られ 猿轡までかまされています。見るも無残な状態です… 「むぅ!むむぅ!むきゅー!」 「…………」 ラミアさんの方は必死に抵抗しているようです。 よほど怒っているからでしょうか、顔が真っ赤です。 一方の人間の女性は一切抵抗しません。終始無言です。 「その他の魔物や、魔物と特に親しい市民はすでに立ち退かせました。 これでご満足いただけたでしょうか?」 「…ええ。」 私たちにとっては、こちらも相手も無用な血を流すことなく 重要拠点が手に入るので歓迎すべきことです。 しかし…、ユニースさんの表情はどことなくぎこちないです。 それもそのはずです。つい昨日まで一緒に過ごしていた者たちを、 命が惜しいからと言って、こうも簡単に見捨てるとは… 私としても非常に複雑な心境です。 「では十字軍のみなさん。もうこの城は安全ですので、安心して駐留なさってください。 立ち退かせた分、あいた家などがありますので、そこを使ってもらえれば…」 「お気持ちは有難いですが、今この大軍を城の中に入れれば混乱するでしょう。 ですから、しばらくは郊外に陣地を立ててそこで本隊の到着を待ちます。」 「ええっ!?」 「?」 ユニースさんは、市民の安全に考慮して少し間をおくことにしたようです。 しかしそれを聞いたセユセさんは飛び上がらんばかりに驚いていました。 なぜでしょう? 「で、ですがそこまでお手数掛けさせるわけには… あ!そ、そうです!せめて将軍方のおもてなしだけでも!」 「あら、悪いわね。じゃあそれはお言葉に甘えさせてもらうわ。」 「そうですか!嬉しいです!では早速ご案内いたします!」 ユニースさんは、フィンさんとブリジットさんに設営を任せると 残りの将軍と少数を率いて入城しました。 まだまだ油断できませんが、いざとなればフィンさんたちが外にいます。 それに、これだけの人数ならば私の転送魔法ですぐに城外に出られます。 「マティルダさん…」 「どうなされました?ユリア様。」 「降伏したというのに、この城にはまだ緊張感に満ちていませんか?」 「ええ、私もそれは感じ取っていました。 市民の表情もどことなく好意的ではありません。これはやはり何かの罠でしょうか。」 「しかし、何も行動を起こしてこない以上は問い詰めることはできませんね。」 もう少し相手の出方をうかがおう。 私たちはそう心に決めました。 ……… … すっかり日が暮れ、そろそろ夜になろうかという時間帯です。 私たちはしばらく来賓部屋でセユセさんと何気なく会話しました。 どうやらセユセさん。少し前にこの地に降りたのち 一応人間も魔物も等しく接していたそうです。天使にしては珍しい傾向です。 しかし、私たち十字軍に対してあのラミアの将軍が徹底抗戦するという話を聞いた時、 市民を巻き込むような戦いをしたくないと思い、降伏することにしたそうです。 ここに住んでいる人間にはそれほど魔物に対する思い入れはないとのこと。 どうやら彼女は、自分たちの誇りよりも数多の命を救うことを優先した様子。 それはそれでエンジェルとしては模範的ではないのでしょうか? と、そこに使用人らしき女性が入室してきました。 「セユセ様、宴会のご用意が出来ました。」 「わかりました、ご苦労様です。」 「宴会…ですか?」 「ええ!ユニース将軍やその他の方々におかれましては、 長旅でお疲れのようですので、私たちのせめての労いをと。」 「それはどうも有難うございます!みんな!お酒が飲めるわよ!」 「おう!酒か!久々だな!」 「なにしろ行軍中に飲んだら軍罰だったからな!遠慮なく飲むぜ!」 元山賊のユノさんや筋肉将軍のビルフォードさんは早速反応したようです。 ですが、 「みなさん。あまり羽目を外さぬ様。(キビッ!)」 『えー。』 「えーではありません!ユリア様とセユセ様、二人も天使様がいらっしゃるのです! そのような席で醜態をさらすわけにはいきません(キビッ!)」 相変わらず教会騎士団出身のリシュテイルさんはこういうことに厳しいです。 「ほっほっほ、まあ良いではありませんかリシュテイルさん。 ここらで少しお酒で疲れを取るのも悪くありませんよ。」 「むぅ…」 そこに軍最年長のメリアさんのフォローが入ります。 メリアさんの前には、さすがのリュシテイルさんもしぶしぶ頷きます。 「ではみなさん!こちらになります!」 私たちはセユセさんに従って、広間に向かいます。 ――――――――――場面転換――――――――――――― 一方第四軍団の兵士たちは、フィンの指示で野営陣地を構築していた。 彼らからしてみれば、目の前の城はすでに手中に収めたのだから 自分たちが入っても問題ないのではないかと思っている。 「あーあ、せっかく目の前に城があるのに、今日も野営かよ。」 「いいよなー将軍たちは。自分たちだけもてなしを受ける気だぜ。」 作業する兵士たちの口からも、ぼやき声が漏れる。 だが… 「不平不満ならいつでも受けよう。だが、今は作業の手を緩めるな。」 「うっ!?こ、これは副軍団長!」 「聞いてらしたんですか!?」 いつの間にか彼らの背後に、晴れた青空のような色の髪が特徴的な 副軍団長、フィンが現れた。 「確かに、君たちの気持ちは私にもだいたいわかる。」 「フィン様もお酒を飲みたかったので?」 「いや、むしろ私は酒を飲まなくてよかったので正直ほっとしている。」 「フィン様って真顔で冗談言うんですね…」 「実感を述べてるんだ、私は。」 フィンは生真面目な上に下戸。 なので設営の役割はむしろ望むところだった。 「それに、だ。ユニース様たちは、むしろ自分たちが危険な目に合うのを承知で 少人数で敵地の中に入って行ったのだ。ここの方がよっぽど安全だ。」 「へ?そりゃ、どうい意味で?」 「相手は降伏したじゃないですか。」 「いや、これは偽りの投降の可能性が非常に高い。 だから、我々は何かあった時にすぐに動けるようにしておくのだ。」 「我々一般兵にはよう分かりませんわ…」 「わからんでもよい。今は設営作業を続けること。」 『了解。』 すでに日は沈みかけている。 設営も後は簡易竃を作ってしまえば終わる。 「副軍団長。」 「む、ブリジットか。」 フィンに声をかけたのは、第一師団参軍のブリジットという女性の将軍。 銀髪で、やや端正な顔をしており、平たい胸も相まってしばしば男性に間違えられる。 「さきほどから城内を見ていましたが、 何やら急に兵士の配置が増えたように見受けられます。」 「やはりな、少しずつだが化けの皮がはがれ始めている。 ご苦労、引き続い監視を頼んだ。」 「ははっ。」 ただ、彼女の情報には一つだけ穴があった。 そう、増え始めた兵士は、どれも魔物だった… ――――――――――場面転換――――――――――――― 「では、遠慮なくどうぞ。」 「かたじけない。では、プラム盆地陥落を祝して、乾杯!」 『乾杯!!』 私たちの目の前には、ありとあらゆる種類の食べ物と 大量のお酒、色とりどりの果物が並んでいます。 その光景はまさに… 「すげぇ!こんなごちそう何年振りだろうか!」 「まるで天界にいるみたいね!」 あの…天界にはこんな豪華な食事ありませんよ? あるのは殆ど精進料理みたいなものですよ。ダイエットには最適ですね。 私にとっては天界よりも、ロンドネル府庁の食堂の方が よっぽど美味しいもの出してくれると思います。 と、そうしているうちに私のところにワインの瓶を手にした セユセさんが来ました。 「確か、ユリアさん、でしたね。」 「ええ、私がユリアです。」 「ここで同じエンジェルとしてであったのも何かのご縁。 私からワインを一献お注ぎいたします。」 「いえいえ、そんなお気遣いなく…」 とはいっても、結局ワインを一杯飲みました。 甘口のロゼワインですね。なかなかいいお味です… … エンジェルがエンジェルにお酒を飲ますって珍しい光景ですね。 「では私からも一献。」 「ありがとうございます!ユリアさんほどのエンジェルから!光栄です!」 「ふふふ、おだてても何も出ませんよ。」 そう言いつつ、私はセユセさんのグラスにワインを注ぎ… 「あ、あのユリアさん?ちょ、ちょっと多くありませんか?」 「そうですか?いつもはこれくらいなのですが。」 「えー(汗」 ロンドネルでは当然のようにグラス限界ぎりぎりまで注いでます。 それどころか、大きな器に並々と注ぐこともあるんですよ。 もっとも… 「さ、ユニース様!この一杯くらい一気にイっちゃってください!」 「いいでしょう!これくらいなんともないわ!」 マティルダさんはわざわざ空の瓶に他のお酒を命一杯注いで ユニースさんに一気飲みを勧めています。 あそこまでいくと理解不能です。 「セグメトさん!飲むときはせめてグラスで飲みなさい!(キビッ!)」 「めんどい。俺は生まれてこの方、器に移して酒を飲むなんて 上品なことしたことねぇや。」 「おっ、セグメト殿!もしやいける口ですかな?」 「おうさユノさん!いっておくが俺の肝臓はオリハルコン製だぜ!」 「ではここで飲み比べを所望!」 「おうよ!」 「おっと、このビルフォードも混ぜてもらおうか!」 「はぁ…」 そして、なにやらセグメトさんとユノさん、それにビルフォードさんまで加わって 飲み比べを始めてしまったみたいです。 ああ、リシュテイルさんがあきらめモードに。 しかしみなさん、よく飲みますね。 初期配置のお酒は5分でなくなりましたよ? その上樽で運んできたのも一瞬で飲みつくしてしまうんですから。 この軍団はどうやら大蛇(うわばみ)の巣窟だったようです。 リシュテイルさんじゃなくても呆れてしまいますね。 あ、ほらセユセさんも唖然としてます。 「み、みなさんそんなに飲んでいらっしゃるのに、ちっとも酔いませんね…」 「ええ、ユリス地方の人は殆どお酒に強いんですよ。」 「………」 あら、セユセさんの表情。 なんだか「失敗した…」みたいに読み取れます。 だめですよ、心を表情に出しちゃ。 その後しばらく、大規模な宴会が続きました。 私はセユセさんに「ちょっと(小)を」と言って宴会場を抜け、 密かに先ほどの来賓室に戻りました。 そこにはすでにミーティアさんがいました。 「どうでした?ミーティアさん。」 「ユリアさんが心配してた通りだよ!牢屋には『誰もいない』し、 それどころか警備兵の数がすごい増えたみたい! この館の外にも見回りの兵士がいっぱい!」 「やはり…、ですか。では戻りましょうか。」 そしてミーティアさんを伴って何事もなかったかのように 自分の席を…素通りし、ユニースさんに耳打ちします。 「ヒソヒソ…(ユニースさん。どうやら私たちは包囲されているようです。)」 「ヒソヒソ…(そうですか、分かりました。あとは行動に移すだけですね。)」 するとユニースさんは、将軍全員を集めました。 「全員いるわね。実は先ほどフィンから急な帰還要請が入ったの。 残念だけど、今日はここら辺でお開きにして、陣地に戻るわよ。」 『ははっ!!』 「!!」 突然帰ると言いだしたユニースさんに対して、 セユセさんがあわてて飛んできました。 「ユッ ユニース様!いったいどちらへ!? お休みになられるのであれば今から館の奥にご案内を…」 「急ぎの用ができました。申しわけありませんが、失礼させていただきます。」 「そ、そんな…、この時間になって急用なんて…」 明らかにセユセさんは取り乱しています。 もはやその表情には一片の余裕もありません。 「で、ですがお酒に酔ったままでは…」 「心配いりませんわ。私たち酔っていませんから。」 「……どうしても、帰るというのですか?」 「ええ。」 ここにきて、ついにセユセさんはその表情を大きく変えました。 「ならば ここで死んでいただこう!みなの者! こやつらを全て討ち果たせっ!」 『おおーっ!!』 「ふーん、やっぱりね。みんな、一旦中庭に出るわよ!」 『応!!』 セユセさんが命令すると、宴会場に兵士たちが乱入してきました。 私たちは正面のドアから中庭に出て、護衛の兵士たちと合流しました。 「全員!よく聞きなさい!今から私たちだけでこの館を制圧します! 私たちをだまし討ちしようとしたことを後悔させてあげましょう!」 さて、私たちが中庭に出ると、すでに敵は臨戦状態にありました。 私たちも素早く戦闘準備をしてしまいましょう。 ――――――――――部隊編成――――――――――――― あら?なぜか私の目の前に様々な情報が現れました。 勝利条件:玉座の制圧 出撃可能人数 2/10 ええっと、とりあえず出撃する人を選ぶようです。 ユニース ユリア マティルダ シキ リシュテイル メリア バーミリオン ビルフォード エルウィン テレーゼ ユノ セグメト どうやらユニースさんと私は強制出撃の模様。 ここからあと8人選ぶのですか… 選ばれなかった2名はどうなるのでしょね? では一番レベルが高いマティルダさんを抜かして… 「ユリア様!!私を置いてかないで!(涙」 ああっ!泣きつかれてしまいました! レベルの低い人を重点的に育てたほうがいいのですが… では兵種バランスを考えると、 まず回復役のテレーゼさん(司祭)は外せません。 一応私も回復は出来ますが、二人いれば間違いはないはずです。 また、弓を使えるのはシキさん(遊牧騎兵)だけですし、 斧を使えるのはユノさん(ウォーリア)だけです。 そのほかに、メリアさん(ドルイド)と バーミリオンさん(騎兵魔道士)も念のためいたほうがいいでしょう。 あとは切り込み役のセグメトさん(ソードマスター)に、 壁役のビルフォードさん(ジェネラル)はいたほうがいいでしょう。 … では、リシュテイルさん(テンプルナイト)と エルウィンさん(コマンドナイト)は待機で。 これ以上騎兵はいらないかと思います。 リシュテイル「なんと!?」 ごめんなさい。騎兵って結構多くてかぶるんです。 ユニースさん(デュークナイト)しかり、 マティルダさん(パラディン)しかり… エルウィン「分かりました。では次に持ち物の確認を。」 はい。次は装備品及び道具の確認です。 武器はなぜか一人につき4個まで持てます。 道具は別枠でこちらも4個まで持てます。 ちなみに魔道士に関しては、杖も武器扱いなので注意しましょう。 私の場合はこんな感じですかね? ユリア エンジェル31Lv 武器 ・サンライズ(味方全体能力上昇) ・オーラ(攻撃光魔法) E ・リザーブ(広範囲回復魔法) ・クルタナ(剣) 道具 ・通信用クリスタル ・回復薬グレート 3/3 ・聖水 4/5 ・ミーティア なお、道具の横に書かれているのは使用可能回数です。 そしてこれは武器にも当てはまります。 例えばシキさんの場合。 シキ 遊牧騎兵25Lv 武器 ・リピータボウ 32/40 E ・鉄の弓 36/40 ・ロングボウ 20/20 ・銀の剣 18/20 道具 ・傷薬 3/3 ・扉の鍵 「E」というのは、現在装備している武器です。 使用回数が0になると、武器は壊れてしまうので注意しましょう。 私の装備には使用回数制限はないみたいです。 足りない装備があれば、陣地にあるはずの輸送隊から 色々超越して受け取ることが出来るみたいです。 ビルフォードさんが「プロテインが欲しい」と言っているので輸送隊から取り寄せます。 それと、ユニースさんの手加減装備用に鉄の槍を二本取り寄せます。 ただでさえすごく強いのに専用武器(星槍グランヴァリネ:三回連続攻撃が可能)は 少しもったいない気がします。 …まあ、本当の戦いならこんな考え方は通用しません。 良い将校のみなさんは、きちんとベストの武器で敵に挑んでください。 あとは将軍の方々の初期配置を調整して… では、戦闘開始です。 ――――――――――戦闘開始――――――――――――― 勝利条件:玉座の制圧 十字軍第四軍団 10人 カンパネルラ軍 425人 ミーティア「戦闘の様子は、台詞の前に名前付きだよ!」 ユニース「これはまた見事に囲まれたわね。私たちはまさに籠の中の李(プラム)だわ。」 バーミリオン「その心は?」 ユニース「刃物で剥かれて、食べられるのを待つばかり。」 シキ「不吉すぎる!」 マティルダ「ユニース様、冗談もほどほどに。 さっさとこの囲みを突破してこの館を制圧しますよ!」 ユリア「では、初期配置の状況ですが、私たちは中庭…、つまり戦場の中央にいます。 敵は館の四方から出てきて、包囲攻撃するつもりです。」 ユニース「制圧拠点は館の一番北みたいね。」 マティルダ「ではまず、一旦南の通路に出てそこでせまい通路を利用して迎撃しましょう。」 ということで、私たちは南から来る敵を適当に蹴散らして南廊下に退避します。 本来はここからさらに南にいけば脱出できるはずですが、マップ外(?)なので行けません。 今は来た道から追ってくる敵と、左右の回廊から迫る敵を各個撃破しましょう。 ビルフォード「よっしゃ!前から来る敵は俺のわななく筋肉で打ち砕いてやるぜ!」 セグメト「あんたじゃ遅い!あんなやつら俺一人で十分だ!」 ユニース「…、セグメト。前に出すぎないように。テレーゼはあの二人を援護して。」 テレーセ「わかりました。」 ユニース「あと、シキもあの二人についていって。」 シキ「ラジャー!」 前から来る敵にはビルフォードさんとセグメトさんが当たるようです。 ただしセグメトさんはよく攻撃を避けますが、防御力がないので 回復役の同行は必須でしょう。 ユニース「じゃあ私はユノとバーミリオンを連れて左の回廊を進みます。 ユリア様はマティルダとメリアさんと一緒に右の回廊をお願いします。」 ユリア「わかりました。」 マティルダ「ではメリアさん。ゆっくりでいいんで行きましょうか。」 メリア「ほっほっほ、そうするとしますかね。」 メリアさんはご高齢なので、無理させるわけにはいきません。 私たちはマティルダさんを先頭に右の回廊を進みます。 さて、早速中央の部隊が交戦を開始したようです。 シキ「お、まずは騎兵のお出ましみたいだ! 俺にも言えるが、室内で馬を乗り回すのはどうかと思うが この際どうでもいいな。ほら、そこの筋肉。さっさと前に出て盾を構えろ。」 ビルフォード「わかってるっつーの!おらお前ら!この筋肉に傷をつけられると思うなよ!」 トールーパーの攻撃!セグメトは攻撃を回避! セグメトの反撃14のダメージ!再攻撃14のダメージ!トールーパーは倒れた! トールーパーの攻撃!セグメトは攻撃を回避! セグメトの反撃15のダメージ!再攻撃15のダメージ!トールーパーは倒れた! トールーパーの攻撃!セグメトは攻撃を回避! セグメトの反撃、必殺の一撃!45のダメージ!トールーパーは倒れた! トールーパーの(ry …… セグメト「うぉー! 燃えるぜぇー! どりゃりゃりゃりゃー!」 ビルフォード「待てよ!なんで俺の方には敵来ねえんだよ!?」 テレーズ「セグメトさんが反撃で全員倒してしまいますね…」 セグメト「りゃりゃりゃりゃ……(バキッ)あれ?」 トールーパーの攻撃!セグメトは攻撃を回避! セグメトの反撃14のダメージ! 鉄の剣は壊れた! セグメト「ちょっ!鉄の剣が!!」 シキ「セグメトが仕留め損ねやがった!今こそ筋肉の出番だ!」 ビルフォード「おうよ!いつでも来やがれ!」 トールーパーの攻撃!(カキーン)No Damage ビルフォードの反撃31のダメージ!トールーパーは倒れた! ビルフォード「俺の筋肉は鋼鉄製だぜ!!」 シキ「実際弾いてるのは鎧だけどな。」 テレーゼ「気をつけてください!ケンタウルスの集団がきます!」 敵「我らケンタウルスの寸分たがわぬ矢を受けるがいい!」 ケンタウルスの攻撃!セグメトは攻撃を回避! シキ「おっと、流れ矢が…」(シキは攻撃を回避) ケンタウルスの攻撃!セグメトに8のダメージ! ケンタウルスの攻撃!セグメトに10のダメージ! セグメト「いて!いてて!」 ビルフォード「だからなんでセグメトばっかり攻撃を受けやがるんだ!?」 テレーゼ「あなたがむさくるしいから女性が寄ってこないのでは?」 ビルフォード「なにーっ!」 シキ「む!こっちに来たぞ!構えろ!」 ケンタウルスの攻撃!シキは攻撃を回避! シキの反撃20ダメージ!再攻撃20ダメージ!ケンタウルスは倒れた! 敵「くっ、無念…」 ビルフォード「頭上越しかよ!畜生!動け俺の筋肉!」 シキ「俺たちのターンが来るまで動けないよ。」 一方、左の回廊では… バーミリオン「なあユノさんよ。」 ユノ「なんだ?」 バーミリオン「俺たちルートを誤ったか?」 ユノ「さあな、だが少なくとも今は進める状況じゃねえや。」 二人の目の前では、ユニースさんがリザードマンの群れを相手に ただの鉄の槍で無双していました。 リザードマンの攻撃!ユニースは攻撃を回避! ユニースの反撃30のダメージ!リザードマンは倒れた! リザードマンの攻撃!ユニースは攻撃を回避! ユニースの反撃28のダメージ!再攻撃28のダメージ!リザードマンは倒れた! リザードマンの攻撃!No Damage ユニースの反撃31のダメージ!リザードマンは倒れた! 敵1「こ、この人強すぎる!」 敵2「私たちリザードマンが手も足も出ない!?そんなことあってたまるか!」 敵3「次は私が相手よ!仲間の敵を討たせてもらうわ!」 ユニース「何人来ても無駄よ。身の程をわきまえなさい。」 リザードマンの攻撃!No Damage ユニースの反撃29のダメージ!再攻撃29のダメージ!リザードマンは倒れた! リザードマンの攻撃!ユニースは攻撃を回避! ユニースの反撃30のダメージ!再攻撃30のダメージ!リザードマンは倒れた! 敵1「ああっ!ミイシェ!フェルナ!」 ユニース「残るはあなただけね。さっさとかかってきなさい。」 敵1「許さないっ!リザードマンの誇りにかけて!せめて一太刀でもっ!」 リザードマンの攻撃!ユニースに4のダメージ! ユニースの反撃、必殺の一撃!87のダメージ!リザードマンは倒れた! ユニース「斬馬刀(騎兵に効果抜群)ね。あなたを少し甘く見ていたわ。」 敵1「か……はっ…」 ユニース「あなたはこの戦いが始まって初めて私に傷をつけたのよ。誇っていいわ。 この斬馬刀は記念に貰っていくわね。」 「斬馬刀」を手に入れた! 持ち物が一杯です、輸送隊に送りますか? >はい バーミリオン「記念とか言いつつ、何の躊躇もなく輸送隊に送りやがった!?」 ユノ「正義の味方にあるまじき行為ですぜ!姐御!」 ユニース「そんなこと言われても(汗」 ちなみに、私たち右方面には敵があまり来ませんでした。 ですが… マティルダ「宝箱発見!早速中身をっと…」 3000コールを手に入れた! マティルダ「少ない!」 ユリア「いけませんよマティルダさん…、騎士が他人の物とっては。 略奪とみなされても知りませんよ?」 メリア「いえ、むしろ宝箱と言うのは開けてもらうためにあるものです。 この場合はむしろ開けるのが常識ではないでしょうか。」 ユリア「メリアさん…、伊達に長くは生きていませんね。」 メリア「ほっほっほ」 マティルダ「よし!次はこっちを…」 中身は何とミミックだった! ミミック「…こ、こんばんわ…」 マティルダ「ぬおおぉう!なんでSLGなのにミミックが!?」 ミミック「ひゃう!いぢめないで〜」 いきなりミミックが出てきたのには驚きましたが、 すぐにふたを閉じて籠ってしまいました… 何がしたかったのでしょう? マティルダ「え、えっと、気を取り直して次の宝箱へ…」 バリスタの攻撃!マティルダは攻撃を回避! マティルダ「うわっと!今度はバリスタの射程に入ってしまったようね…」 ユリア「どうやらあそこのバリスタが撃ってきたようですね。」 窓の外を見れば、防御塔の上に備え付けられたバリスタが見えます。 しかし、ここは屋内のはずなのにどうやって?気になるところです。 視点は再び中央部隊に戻ります。 シキ「魔物の皆さ〜ん、本日は矢の無料配布を行っていまーす♪ 順序よく並んで、皆サマのご協力お願いしマース☆」 シキの攻撃!オーガに16のダメージ!再攻撃16のダメージ!再攻撃16のダメージ! オーガは倒れた! 敵1「な、なんつう連射力…」 敵2「しかしすんごいイケメンじゃない!あたいとやらないか?: 敵3「いや!私がこいつをいただくんだ!」 敵4「なにを!?」 シキ「おいおい、俺モテモテじゃねーか。」 セグメト「ご愁傷さん。」 オーガの攻撃!シキは攻撃を回避! オーガの攻撃!シキは攻撃を回避! オーガの(ry ……… … 敵 敵弓敵 敵 味方 シキ「セグメト!へるぷみ〜!」 セグメト「剣使えばいいじゃん。」 このように、弓兵の単独行動は非常に危険です。 シキさんみたいに剣も使えるなら話は別ですが。 ビルフォード「おっと、いつの間にやらシキがピンチだ! 待ってろ!この筋肉が助けに行くからな!」 ビルフォードはプロテインを使った! 攻撃力が2上がった!防御力が2上がった! テレーゼ「プロテインってそこまで速効性があるものでしたっけ?」 ビルフォード「うおおおぉぉぉぉ!!筋肉が唸る!唸りを上げる!」 ビルフォードの攻撃!オーガに45のダメージ!オーガは倒れた! セグメト「オーガを一撃か…、どうやらその筋肉はもはや兵器のようだな。」 ビルフォード「おうよ!今こそ筋肉の時代だ!」 テレーゼ「あの…そのように前に行かれると私が…」 シキ「うおおぉい!そこの脳筋!俺のことはいいからテレーゼさんを守ってやれよ!」 オーガの攻撃!テレーゼは攻撃を回避! テレーゼの反撃オーガに42のダメージ!オーガは倒れた! オーガの攻撃!テレーゼは攻撃を回避! テレーゼの反撃オーガに40のダメージ!オーガは倒れた! テレーゼ「危ないところでした…」 シキ「魔法TUEEEEEEE!!」 テレーゼ「攻撃が全部当たってたら私死んでいましたよ!? か弱い乙女をきちんと守ってくださいな!」 セグメト「これは失礼。この第五師団参軍セグメトが貴方様をお守りいたしましょう(キリッ)」 テレーゼ「まあ…///」 【セグメトとテレーゼの支援レベルが「C」になった!】 シキ「どさくさにまぎれてナニやってんだー!!あと、支援会話短すぎる!!」 セグメト「ほら、テレーゼさんが命懸けで囲みを解いてくれたんだ!さっさと前進しろ!」 シキ「いや…、また囲まれるのは勘弁。ほら、またしても筋肉の出番だぞ。」 ビルフォード「なに!よっしゃ!行くぜーー!!」 セグメト「何回も思うが、よくあんな奴が師団長になれたな…」 彼らはビルフォードさんを先頭に進みます。 しかし、防御力の高いビルフォードさんを避けるように 攻撃はセグメトさんやシキさんばかりに向かいます。 エルフの攻撃!セグメトは攻撃を回避! エルフの攻撃!セグメトは攻撃を回避! エルフの攻撃!シキは攻撃を回避! シキの反撃23ダメージ!再攻撃23ダメージ!エルフは倒れた! シキはレベルが上がった! 最大HPが1上がった!技が1上がった!幸運が1上がった! ビルフォード「相変わらず俺の方に敵来ねぇ!なんだよ!怖ええのか? 俺のこのたくましい筋肉に恐れをなしたか!」 テレーゼ「そうですね…、ではビルフォードさんには狙われやすくなる魔法を。」 ビルフォードは挑発状態になった! テレーゼ「これでおそらく敵が寄ってくるようになるでしょう。」 ビルフォード「マジか!そりゃあすげえ!」 シキ「む!早速効果が…」 敵1「ウホッ!」 敵2「いい筋肉!!」 敵3「おれとヤラナイカ…」 アーマーナイトの攻撃!No Damage ビルフォードの反撃28のダメージ!アーマーナイトは倒れた! アーマーナイトの攻撃!ビルフォードは攻撃を回避! ビルフォードの反撃30のダメージ!アーマーナイトは倒れた! アーマーナイトの攻撃!No Damage ビルフォードの反撃27のダメージ!アーマーナイトは倒れた! 敵3「アッーー!!」 ビルフォード「男祭りーー!?」 シキ「男性にしか効果がないみたいだぞ?」 テレーゼ「おかしいですね…」 ヴィエノ「あらあら、よくも私たちの仲間を殺戮してくれたわね…」 セグメト「…誰お前?」 ヴィエノ「忘れるな〜!セユセに捕まえられてたラミアのヴィエノよ!」 シキ「ああ…、あの亀甲縛りされてた…」 やはりあの捕縛は演技であることが分かりました。 恐らくセユセさんは、捕まえた後に事情を話したのでしょう。 敵を欺くにはまず味方から、といったところでしょうか。 ヴィエノ「お姉さんが絞殺して、ア・ゲ・ル♪」 セグメト「させるか!」 ヴィエノの攻撃!セグメトに12のダメージ! セグメトは反撃を封じられた! セグメト「ぐはあぁっ!し、締まる!締め付けられる!」 ヴィエノ「あはぁ♪ビクンビクンしてるわ!もっと締め付けてあげる!」 シキ「ちょっ!攻撃が卑猥すぎる!!」 テレーゼ「待ってて下さいセグメトさん!今助けに行きます!」 テレーゼの攻撃!必殺の一撃!124のダメージ!ヴィエノは倒れた! ヴィエノ「こ、こんな若さで息絶えるなんて〜……がくっ」 セグメト「危ねぇ…あやうく『ずっと俺のターン』されるところだったぜ… そして俺も攻撃に巻き込まれるかと思ったぜ。」 シキ「お〜い、大丈夫か?」 テレーゼ「今回復しますからね!」 テレーゼはリライブ(回復魔法・中)を唱えた!セグメトのHPが12回復した。 しかし セグメト「取れないんですけど…」 ヴィエノ「―」 シキ「あ〜こりゃまたがっちりと…。死んでもラッパを離さないって話は聞くが、 死んでも獲物を離さないってのは相当やっかいだな。解体するか?」 セグメト「いや、何とか自力で離してみる。それよりもお前たちは先に進め。 宴会場を出て北に進めば本丸があるはずだ。」 シキ「そうか、無理するなよ。」 次に、左の回廊を進んでいたユニースさんたちに視点を移します。 ユニースさんばかりだとさすがに疲れるので、バーミリオンさんとユノさんが 二人して先に進んでいきます。 バーミリオン「超破壊魔法ボルガノンの威力!思い知れ!」 バーミリオンの攻撃!ソルジャーに55のダメージ!ソルジャーは倒れた! ユノ「すげえ!室内で地面を噴火させやがった!」 バーミリオン「一応攻撃が終われば元に戻るんだが… 下手したら火災が起きるかもな。」 ユニース「そう思うんだったら火力を調節しなさい。 いえ、それよりもこの扉の向こうは敵の本丸よ。 敵が固まっている恐れがあるから注意しなさい!」 ユノ「では俺が扉をぶっ壊して開けてみますぜ!」 ユノさんは持っていた斧で扉を破壊しました。 多少強引ですが、扉に鍵がかかっているため仕方がありません。 さて、本丸に飛び込んだ彼らが見たのは… セユセ「よくここまでたどり着きましたね! しかし、この数の兵士を相手出来ますか?」 バーミリオン「モンスターハウスか、ここは!?」 ユニース「見ただけでも100人以上はいるわね。」 ユノ「こりゃすげーや…」 セユセ「かかれっ!」 敵『おーっ!』 大勢の兵士がユニースさんたちめがけて押し寄せます。 ユノ「さがってくれバーミリオン!ここは俺が引き受ける!」 バーミリオン「頼んだ!俺も援護する!」 アマゾネスの攻撃!ユノに7のダメージ! リザードマンの攻撃!ユノに5のダメージ! エルフの攻撃!ユノに4のダメージ! ……… … なぜユノさんは反撃しないのか。 それは、反撃で倒しすぎるとその分多くの敵を相手にしなくてはなりません。 いわゆる「やっつけ負け」を防ぐのです。 ユノさんは体力はあるのですが、図体が大きくて回避に向きません。 少々痛ましいですが、しばらく攻撃を受け続けて回復することを 繰り返す必要があります。 もっとも… ユニース「あーもー、二人とも下がってなさい。 この子たちは私が相手するわ。」 バーミリオン「結局そうなりますよね。」 ユニースさんが前に出れば、向かってくる敵はすべて片付きます。 本当に頼もしい人です。 と、ここで私たち右回廊の部隊もこの時本丸に到達しました。 ユリア「ユニースさん!無事ですか!」 ユニース「これくらいの敵、なんてことありません。 ユリア様もご無事で何よりです。」 マティルダ「もうすぐ中央の部隊も合流します! 館制圧まであともう一息です!頑張りましょう!」 ユリア「では皆さん!私からの援護です!」 ユリアはサンライズを唱えた! 全員の攻撃力が5上がった! 全員の魔力が5上がった! 全員の防御力が5上がった! 全員の速さが5上がった! 全員の技が5上がった! 全員の魔防力が5上がった! セユセ「なにその反則技!?」 ユリア「ええ、これが私の力なんですよ。」 メリア「ほっほっほ、では私が一暴れしますか。」 マティルダ「ご老体が!?いけません!いくらユリア様のご加護があるとはいえ 魔法使いが単体で敵陣に突撃していくなんて…」 バーミリオン「げっ、母さんが先頭に立ちやがった!」 ああっ!そう言っているうちにメリアさんに敵兵が殺到しています! お助けしなくては! リザードマンの攻撃!メリアに12のダメージ! メリアの反撃!リザードマンに42のダメージ!メリアはHPを12吸収した! リザードマンは倒れた! エルフの攻撃!メリアに15のダメージ! メリアの反撃!エルフに35のダメージ!メリアはHPを15吸収した! エルフは倒れた! メリア「やっぱり若い娘の精気はうまいねぇ。」 マティルダ「な、おぞまし…」 ユリア「攻撃されても、反撃で相手の体力を吸収してしまっています!」 バーミリオン「相変わらず魔物みたいな戦い方をするな、うちのかあさんは…」 メリアさんが使う古代魔法は、バフォメットなどが好んで使うことから、 教会からはあまりよく思われていません。なので、過去の文献では メリアさんが古代魔法の使い手であったことが記載されてないことが多いそうです。 ですが、この時メリアさんの古代魔法で実に80人以上の敵兵士が討ち取られました。 しかもこの歳になってもレベルアップするのだから驚きです。 (上昇能力:魔力 1 速さ 1 魔防 1) メリア「ほっほっほ、若返るねぇ。」 セユセ「な、なんて人なの…」 マティルダ「さあ!セユセ!覚悟しなさい!」 キルスティ「そうはいきません。セユセ様は私が守ります。」 マティルダさんが、ピンクの鎧を着た重歩兵の女性、 キルスティさんと一騎打ちを始めました。 マティルダの攻撃!キルスティに24のダメージ! キルスティの反撃!マティルダは攻撃を回避! マティルダの再攻撃!キルスティに24のダメージ! キルスティ「――――っ!」 マティルダ「はっ…!やるわね、私の攻撃を耐えきるなんて!」 セユセ「キルスティ!頑張って!今回復してあげるから!」 セユセはリブロー(間接回復魔法)を唱えた! キルスティのHPが31回復した! セユセ「いけない…、これでは回復量が足りない…」 キルスティ「わかりました。セユセさん、今までありがとうございました。」 セユセ「だめ!キルスティ!今のままでは…!」 キルスティの攻撃!No Damage マティルダの反撃!必殺の一撃!キルスティに72のダメージ! キルスティは倒れた! セユセ「っ!ごめん、キルスティ…」 ユリア「…セユセさん。残っているのはあなただけです。 すでに館の外もリシュテイルさんとエルウィンさんが制圧し、 さらに第四軍団の本隊も城門を突破しました。 もはやあなたに勝ち目はありません。降伏してください。」 セユセ「降伏……?そんなこと…、出来るわけないでしょう! 私のせいでみんなが犠牲になったのに!私だけ降伏するなんて! あなたが私の立場だったらどう思うの!考えてみなさい!」 ユリア「私だったら、力量差を考え、この拠点を放棄するかもしれません。 しかし、守るべきものが一人でもいるのであれば、 私もあなたのように徹底抗戦したかもしれませんね。 わかりました。あなたの気持ちを汲んで、一人のエンジェルとして引導を渡しましょう。」 セユセ「なら、私はあなたを道連れにしてあげるわ!」 ここに、恐らく史上初のエンジェル同士の戦いが発生しました。 セユセの攻撃!ユリアは攻撃を回避! セユセさんはレイピアを振って私に直接攻撃をしてきます。 おそらく彼女はもはや光魔法が使えないのでしょう。 ですが、日ごろの鍛錬の成果が出たのでしょうか。彼女の攻撃はあっさりと見切りました。 そして私は、意識を自分に集中し…………、オーラ・コンクリューションを放ちます。 ユリアの反撃!セユセに69のダメージ!セユセは倒れた! セユセ「私…は…」 ユリア「理解し合えないことは悲しいことですが、仕方ありませんね… では、これにて制圧完了です。」 ユニース「ご苦労様でした!」 ――――――――――戦闘終了――――――――――――― 幾多の白刃の打ち合いを経て、 私たちは、セユセさんを倒して本丸を制圧しました。 「くっ……、かはっ…」 セユセさんはどうやら、まだ息があるようです。 私は彼女を回復してあげることにします。 ユリアはリカバーを唱えた。 セユセのHPが完全に回復した! 「…っ!何で助けるの!?」 「セユセさんとは、もっとお話ししたいと思いまして。」 「あなたと話すことなんか…、なにもないわ!よくも私の仲間を!」 「落ち着いてください。なぜ、あなたはエンジェルにもかかわらず 魔物と仲良くなることが出来たのですか?いえ、決して悪いというわけではなく 何の抵抗もなかったのかなと…」 「…、私だって天界にいた頃は魔物を憎んでいたわ。それはもう異常なまでに。 でも私は世間知らずだったから、この街に住んでる人たちが 魔物だって気がつかなくて、そのまま一年間過ごしたの。 そして、ようやくこの街の住人の半分以上は魔物であると知った時 彼女たちはすべて友人で…」 「…う〜ん。」 分からなくはないですが、ラミアとかケンタウルスを見ても なんとも思わなかったのでしょうか? しっかりした性格っぽいですが、ちょっとどこか抜けてますね。 「わかりました。お話ありがとうございます。」 私は、それだけ聞くとあとはユニースさんに任せました。 捕虜の処遇は私の権限ではありません。 「天使様!ご無事でしたか!」 「外周部は我々二名が制圧いたしました。残った敵兵も投降しております。」 出撃枠に入らなかったリシュテイルさんとエルウィンさんは、 館の外で頑張っていてくれました。 「ご苦労様ですリシュテイルさん、エルウィンさん。 一時はどうなるかと思いましたが皆さん無事で何よりです。」 「はっ。間もなく城外にいたフィン軍団長も来るでしょう。」 「まずは戦後手当てを優先しましょう。」 幸い私たちの方は誰ひとりとして戦死しませんでしたが、 外周で戦っていた兵士の中には、若干の戦死者が出たようです。 負傷兵もいたので、私も手当てに向かわなければなりません。 その後、あっという間に戦後処理が済んだため 改めて第四軍団全員が集まり、勝利を祝すことにしました。 「さ、みんな!せっかく勝ったんだからもう一度飲みなおすわよ!」 『イエーイ』 「…また飲む気ですか。いい加減にしてください。」 「本隊が来るまで控えてください(キビッ)」 ユニースさんを始め、各将軍は再びお酒を飲もうとしていますが、 結局フィンさんとリュシテイルさんに止められました。 私も後もう少し飲みたかったのですが…仕方ありませんね。 今考えてみれば、私達はお酒が入ったまま戦っていたということになります。 恐ろしいですね……、このようなことは二度と起きないよう反省しましょう。 二日酔いに襲われ、頭痛を抱えながらベットで横になりながら… 次の日には、エルさん率いる本隊が到着しました。 早速私はエルさんの胸に飛び込んで、 顔を思いっきり摺り寄せ………ることができたら どんなにいいことでしょうか。叶わぬ願いです。 「お久しぶりです!エルさん!」 「これはユリアさん、わざわざ出迎えありがとうございます。 そしてユニースとマティルダも無事で何よりだ。」 「はいっ!頑張りました!」 「ま、私にかかればこれくらい余裕よ。」 「よーし、今日は俺のおごりだ。兵士たちに休みと酒を与えてやれ。」 「わかりました!」 早速マティルダさんが酒蔵に走っていきます。 私は今回は遠慮しておこうかなと… 「エル様!」 「なんだ?もう戻ってきたのか。」 「酒蔵が空です!殆どお酒が残っていません!」 「なにー!?」 『…………(汗』 どうやら一昨日私を含む第四軍団全員で飲みきってしまっていたらしいです。 このことを知った本隊の将軍たちは呆れて二の句が継げなかったそうです… 「あー、みんな、すまない。カンパネルラまで我慢してくれ。」 『あーあ』 『申し訳ありませんでした!』 結局第四軍団の将軍全員(一滴も飲んでないフィンさんも含む)が 本隊の将軍たちに謝罪する羽目になりました。 この先が少し思いやられるかもしれません… 以上、ユリアがお伝えしました。
11/03/21 12:41 up
おまけ 登場人物評 セユセ エンジェル16Lv 武器:レイピア 第四軍団を罠にはめようとした策士エンジェル。堕天してはいないが魔物と仲がいい。 頭はいいのだが、思い込みが強いために変なところで抜けている憎めない子。 ヴィエノ ラミア18Lv 武器:無武装 プラム盆地の太守であるツィーリンの代わりに留守を任されたラミア。 戦闘が終わった後、その心意気を称賛したセグメトによって中庭に埋葬された。 キルスティ ジェネラル15Lv 武器:鋼の長槍 主に人間の兵士を率いる役目をする人間の女性。ピンクの鎧が一際目立つ。 マイペースなのだが忠誠心が厚く、盾になることもいとわない昔堅気の女性。 ユニース「ごきげんようみなさん!ユニースです! 今回の話は私達第四軍団のキャラ達に焦点を当ててみました。 ですが、調子に乗ってネタに走りすぎてしまったため、 こうして外伝としてひとまとまりにしました。 分かる人だけに楽しんでもらえればそれで十分です。 本話のほうは真面目にやりますので、ご容赦ください。 しかし…、この時の私たち、相当酔っぱらってましたね… 普通にユリア様の転移魔法で安全地帯に戻れば済んだ話なのですが、 何を血迷ったかこの人数で制圧するというのですから馬鹿にもほどがありますね。 良い将校の皆さんはまねしないようにお願いします。 以上、ユニースでした!」 バーソロミュ
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