第9章:カンパネルラ電撃戦 後編 BACK NEXT

時間軸は戻って、
両軍の主力がチェンバレンに向かっている頃。

ファーリル率いる第二軍団が第三軍団と合流を果たした。


その第二軍団の司令部幕舎に、
第三軍団長カーターが姿を見せる。

「ようファーリル。遅かったな。」
「うん、まあね。新型兵器が思ったより早くできたから、ちょっと最終テストをしてたんだ。」
「なんだ、もうできたのか。実戦投入はカナウス要塞攻略あたりになるかと思ってたが。」
「まだそんなに数はないから、効果が上がるかは分からない。
けど、今までの攻城兵器に比べれば圧倒的に強力なのは間違いないね。」
「なんか実物をみてみたい気分になったな。案内してくれるか?」
「いいとも。臨時の兵器工廠に来てくれるかい。」


その後二人は、前線基地にある兵器工廠(兵器を生産する場所)に足を運んだ。
工廠には所狭しと木材や鉄隗が積み込まれ、簡易溶鉱炉には火が絶えない。
ここでは昼夜問わず補充武器の生産がおこなわれるため、
常に金床を鎚で叩く音や、木材を組み立てる音がにぎやかに奏でられる。
二人がやってきたのは、工廠の入口付近にある
完成した物を運び出す場所だった。

そこでカーターが見た物は、
巨大な弓を地面と水平にし、台座と車輪を取り付けたようなものだった。
チェルシーが使っているような大型弩弓に似ているが、
その大きさは、戦車一台分を上回っていた。

「ところでカーター。この兵器を見てくれ。こいつを…」
「でかいな。」
「空気読もうよ。まあ、それはいいとして、
これが今回開発した新兵器、『弩砲(カタパルテス)』だ。」
「ほうほう、操縦者をここに乗せて、このレバーを引くのか。
しかし、今までの弩弓(バリスタ)とはどう違うんだ?」
「それについては、開発技術長から話をさせよう。」

そういうと、ファーリルは工廠の奥から熟年の男性を呼び寄せた。
年はすでに60を過ぎているだろうが、
研究者という出で立ちの割にはなかなか壮健な顔をしている。

「お初にお目にかかります。私は技術長のバートンといいます。
この試作兵器、名称は「ヘレポリス」といいます。
従来の弩弓との大きな違いは、撃ちだす物にあります。」
「撃ちだすものが違う?」
「この弩砲は従来のような大型の鏃ではなく、
このような、「ボルト」という特殊な弾を用います。
現在最新鋭の弩弓で使用されている鏃と比べてみてください。」

カーターはまず、チェルシーなどが使っている弩弓アルバレストの矢を手に取る。
長さは130p弱ととても長いが、太さは通常の弓矢より一回り大きい程度だ。

次にボルト。
見た目ですでに大きく違い、太さは人の腕くらいある。
長さは弩弓用の矢と比べて少し短く、1m前後といったところか。
しかし、その重さは3sとかなり重い。
こんなのが直撃すればゴーレムすらも木端微塵だろう。

「たとえボルトがなかったとしても、
握り拳程度の石ならば代用して射出出来ます。
最大射程は約500m。発射間隔は1分につき0.8本程度です。」
「やべぇな、これ。もはや対人兵器じゃなくて完全に攻城専門だろ。」

カーターは思わず感嘆の声を上げる。
確かに、手軽に使えるものではないにしろ
投石機より強力で、命中精度もよく、若干連射も利く。
射程も500mあれば十分だ。
ただ、強いて言うなら弾のコストパフォーマンスが悪いことか。

この兵器は、後の時代に開発された
「ヘビーボウガン」の祖先みたいなものである。


「と、いうわけで明後日から僕たち第二軍団が、攻城戦を行って
この兵器の記念すべき初の実戦投入をしてくるよ。」
「そういうのを筆おろしっていうんだっけ?」
「処女戦闘だよ。魔物と同じで、兵器はみんな女性なんだよね。」
「太いのを撃ちこむのに処女喪失なのか。兵器とは奥が深いな。」
「うむ、娘兵器(後継機)を作る際に元が男性だと矛盾がしますからな。」

言いたい放題の三人に、周囲の技術兵たちは
突っ込みを入れたかったが、怖くてできなかったという。





その翌日、第二軍団は陣地を自由都市アネットから1.5kmの地点に築き、
ここを拠点に城攻めをすることにした。
新作兵器はいずれ前線基地から運び込まれるだろう。

ファーリルは主だった将軍を集めて、作戦会議を開いた。
内訳は


・ファーリル:諸国同盟出身 軍団長 男性  童顔
・ヘンリエッタ:諸国同盟出身 副軍団長 女性 温和的
・リッツ:帝国軍出身 第一師団長 男性  鬼軍曹
・ノクロス:諸国同盟出身 第二師団長 男性 礼儀正しい
・ソラト:諸国同盟出身 第三軍団長 男性 二刀流
・ルーシェント 諸国同盟出身 第四軍団長 女性 好奇心旺盛
・サエ:諸国同盟出身 第五軍団長 女性 とても上品
・ローディア:諸国同盟出身 第一師団参軍 女性 和服着用
・ライデン:帝国軍出身 第二師団参軍 男性  極右翼
・サフィ:諸国同盟出身 第三師団参軍 女性 ムードメーカー
・イシュトー:帝国軍出身 第四師団参軍 男性 銀髪角刈り
・レベッカ:諸国同盟出身 第五師団参軍 女性 田舎娘
・バートン:無所属 開発技術長 男性  学問一直線


     〜会議のため名前付き台詞タイム〜

ファーリル「さてみんな、明日から本格的なアネット攻略だ。
      エルから言われているように、僕たち第二軍団の目的は
      敵をこの都市に釘付けすることだ。」

サエ「では、あまり攻め急がなくてもよろしいのですね?」

ファーリル「うん、そうだね。2ヶ月くらいかけてゆっくり落とす。」

イシュトー「軍団長!2ヶ月でも早すぎます!
      我々帝国軍は過去に半年以上も攻城戦を行ったことがあります!」

ライデン「新兵器開発の報は我々も受けていますが、
     城壁を崩すだけでは根本的な解決にはつながりません。」

ローディア「それとも…軍団長には何か秘策があるんでしょうか。」

ファーリル「まあね。今はまだ言えないけど、僕にいい考えがある。」

ルーシェント「相変わらず、軍団長たちはもったいぶるのが好きですねぇ…
       私たちにも教えてくれてもいいじゃない。」

ファーリル「この作戦は今のところ賭けの要素が強いんだ。
      成功するかどうかはまだ分からない。
      それに、この作戦を実行する人間は非常に危険を伴う。」

ヘンリエッタ「一応、私だけは軍団長からお話を聞きましたが、
       検討した結果、実行は可能だと判断しましたわ。」

リッツ「ということは、だ。よほど秘密裏に行わないと失敗するということか。
    だったら、この場で話すことも憚られるな。」

サフィ「ハイハイハーイ!私がその任務をやります!やらせてください!」

ソラト「いや、ファーリルさん、その任務は俺がやります!」

ファーリル「君たちは騒がしいからだめ。」

二人『ガーン!』

ノクロス「しかし、予め誰を使うかくらいは
     この場で決めておいた方が良いのでは?」

ヘンリエッタ「確かにそれは一理あるわね。その師団は攻城戦で
       消耗しないように温存しておかないといけませんね。」

ファーリル「だったらもう第一師団でいいや。唯一組み合わせがまともだから。」

ライデン「そんな適当な…」

ルーシェント「ちぇーっ。私もやりたかったのになー。
       ねえレベッカちゃん。」

レベッカ「わ、私は新兵器の方を担当させてもらえるので
     それでもう充分です!」

イシュトー「俺が指名されないってことは…、空輸とかしなくていいのか?」

サエ「まあ、どの道アネットの対空防御力では、空挺作戦は無理でしょうね。」

ファーリル「二人の方は異存はない?」

リッツ「よほど変な作戦じゃない限り大丈夫だ。
    一応、アネットには昔住んでたから、あの城の構造は
    誰よりも把握していると思う。」

ローディア「少し緊張しますが、やってみます!」

ヘンリエッタ「決まりのようね。
       じゃあほかの部隊は明日からアネットを攻撃するから
       その予定でいてくださいね。」

ファーリル「じゃあ次は攻撃場所割り振りと…」



その日第二軍団は一日中攻城戦に向けた準備と最終調整に費やした。
第三軍団の方は、敵が出撃してきたときに備えると同時に
周辺の小さな集落や軍備が整っていない町を占領して
攻城戦に専念する体制を整えた。







…そして翌日。


「さあ!楽しい攻城戦の始まりだ!準備はいいか!」
『イエーイ!』
「馬鹿かお前ら!修学旅行みたいなノリで戦争するな!」

命のやり取りを前にしてやたらとテンションが高い第二軍団の将軍たちに、
鬼軍曹リッツの容赦ないツッコミが入る。
だが、各将軍はそんなことはなかったかのように素早く配置につき
攻撃合図を待つ。




「攻撃開始!!」

ドオオォォン!!


ファーリルの合図と共に大太鼓の音が戦場に響き渡った。
第二軍団の各師団は一斉に城壁に向かって行った。

そして、この動きに備えていたアネット兵もまた
本格的に動き始める。



「いいか。我々が負ければ、帰る場所がなくなる者が大勢いるのだ。
気張れよ。お前の後ろには、お前の帰りを待つ人がいるのだからな。」
「はっ、いかなる攻撃であろうとも屈することはありません。」
「私もリリシアの期待にこたえねばならない。やるとするか。」

フェデリカの激励に、レナータとツィーリンが大きく頷く。

この都市の市民のためにも、チェンバレンに向かった者たちのためにも
なんとしてでもここを守り通さなければならない。
強敵を前に、彼女たちは必勝を誓った。




城壁に近付く十字軍に向けてアネット兵がまず矢雨の洗礼を浴びせる。
だが、十字軍もまた歩兵盾や可動防護壁を前面に出してこれを防ぐ。
その上で、盾の後ろから城兵に向かって弓を放つ。

半刻もすると、十字軍の投石機や破城槌が動きはじめ
城壁を打ち壊しにかかる。
それに対抗すべく、アネット兵は備え付けのバリスタや投石機で応戦。

双方の間では無数の矢と飛来物が飛び交っていた。




「ではレベッカ君。存分に威力を試したまえ。」
「はいっ!」

そしてついに、新兵器『弩砲』の出番がやってきた。

レベッカとその配下の兵士たちはすでにボルトの装填を完了し、
バートンは威力を見守るべく、標的を見定める。
目標は、投石機が備え付けられている防御塔だ。

「カタパルテス、フォイア!」


バビュン!バビュン!バビュンッ!


弩砲から放たれたボルトは次々と防御塔に直撃し、
壁を一気に削っていく。


ドガガガガガガガガガッ!!


「うわっ!何だ一体!?」
「敵の攻城兵器よ!それも見たこともないものを飛ばしてくるわ!」
「反撃だ!こっちも投石機を飛ばせ!」
「と、投石機を!?」
「間違えた…、投石機で石を飛ばせ!」


ボルトの直撃で慌てた守備兵たちは、急いで投石機の目標を変更し
新兵器と思われるものに向かって石よる散弾を放つ。
だが、射程300mしかない守備用の投石機では、
レベッカのところまで届かない。

この一方的な遠距離攻撃により、
普通の投石機では壊すのに3日はかかる強固な防御塔を
わずか1日で完全に破壊した。


「すごいです!まさかこれほどの威力があるなんて!」
「うむ。処女戦闘はなかなか良い結果であったな。
レベッカ君はこれからも弩砲の威力を存分に堪能したまえ。」
「はいっ!」



そして、弩砲が挙げた戦果はファーリルやカーターの目にも入っていた。

「しっかしすごい威力だな。あんだけ堅かった城壁が粉々だ。」
「もう僕の魔法はいらないかな?」
「冗談きついぜ。お前の魔法があればむしろあんなのいらないと思うんだが。」
「あのね。対軍魔法は人間にとって負担が大きいんだよ。
出来ることなら使いたくないのが本音なんだけど。」
「ま、その負担を軽減するために、ああいうものを作ってるんだからな。」
「人間が魔物に勝てるもの……、それは技術と科学しかないからね。」


そして、このまま文明が進歩して科学や技術が発達したら、
今の人間と魔物の関係はどうなっていくのだろうか?
戦争の最中にもかかわらずそんなことを考えているファーリルだった。






戦闘開始から5日目。
アネット城内の府庁にて。


「なあカレルヴァ。一つ聞きたいことがあるんだが。」
「……なんだよ?」

早めに軽い朝食をとるカレルヴァに、フェデリカが話しかける。
この二人は結婚式を挙げていないとはいえ、正式な夫婦と認識されている。
未だにフェデリカに対してぶっきらぼうな態度をするカレルヴァだが、
捕虜になった時の敵対心はもうほとんど残っておらず、
何だかんだ言って律義に家事までやってくれている。
男性版のツンデレといったところか?


「敵が何やら新兵器を持ちだしてきているようだが、何か知っているか?」
「新兵器か…。俺は第三軍団にいたから
第二軍団が開発している兵器についてはあまり詳しく知らないんだ。」
「うーん、そうか。確かにカレルヴァは所属軍団が違うな。」
「だが、噂くらいなら聞いたことがある。バリスタの構造を応用して、
より正確に目標に当てることが出来る投石機を開発したとかなんとか。」
「どうやらその兵器が城壁を削っているようなんだ。
このままだと半月以内には城壁が破られて、我々は苦境に陥るだろう。」
「ならば城から出てその兵器を破壊すればいいんじゃないか?」
「それがな、奴らも攻城兵器をしっかりと守っているんだ。うかつに近づけん。」
「それは困ったな…」


カレルヴァは変わった。
ここにきてから、今まで毎日欠かさなかった神への祈りをやめた。
魔物に対しても、特に嫌悪感を抱かなくなった。
そしてなによりフェデリカの夫として、こうしてアドバイスをすることもある。


「恐らく破壊のチャンスは、彼らが油断して兵器を前に出しすぎたところだろう。
それか、決死隊を結成して兵士たちの命と引き換えに破壊するか…」
「後者はなるべく避けたいところだが、前者も確実ではないな。
まったく、敵も厄介なものを持ちこんだものだ。」

上に立つ者は、時として兵士を捨て駒として使う必要もある。
だが、彼女はそういった手段をなるべく避けようとしている。
実は魔物は人間以上に人間味のある存在なのかもしれない。




その後、両軍の下にカンパネルラ軍がチェンバレンに先着したとの報告があったが、
今度は十字軍本隊がチェンバレンをシカトしてプラム盆地に向かったという報告が入る。
自分たちは攻城戦をしていると言っても、未だに死者は少ないが
どうやら南の方ではいろいろと大変なことになっているらしい。



第二軍団の幕舎では、今日も明日にそなえた確認会議を行う。


     〜会議のため名前付き台詞タイム〜


ファーリル「さて、アネット攻略開始から10日たったんだけど、
      そろそろ飽きてきた人もいるんじゃない?」

ルーシェント「あきた。」

サフィ「そろそろなにかイベントが欲しい!」

リッツ「お前ら城攻めなめてるだろ?
    消耗を抑えながら戦うと半年や1年は余裕でかかるんだぞ。」

ノクロス「ましてや目の前にあるのは、
     首都カンパネルラより難攻不落といわれる要塞都市です。
     城壁は二重に配置され、石材も堅固。
     さらに城内の兵士の士気も高いとなれば、一筋縄ではいきますまい。」

イシュトー「我々帝国軍がいかに苦労したか…
      諸国同盟の方々にも分かっていただけたと思う。」

ソラト「でもさ、あの都市って元々は帝国の主要都市だったんだよね?
    自分たちで堅くするだけ堅くしといて、
    実際攻めるのは結局自分たちって、皮肉な状況だよね。」

リッツ「…ああ、そう言われると何も言い返せんな。」

ヘンリエッタ「いくら城壁を固くしても、革命が起こるほどの
       荒い行政を行っていた方が問題ですね。」

ライデン「確かにそれもあるな。我々帝国の落ち度だ。」


もし十年前の革命が起きなければ、
十字軍が現在これほど苦労することはなかっただろう。
帝国軍出身の将軍たちは肩身が狭い。
厳しい性格で恐れられるリッツや、質実剛健なイシュトーやライデンらも
諸国同盟の将軍たちに頭が上がらない。

しかし…


サフィ「でもさー、自分たちで作った城の構造を把握できずに
    名誉挽回のためだけに無駄に城攻めしてた帝国軍もアレだけど、
    それを指導した帝国女王も間抜けよね〜。」

リッツ「お、おいサフィ!そんなことを言うと…」


        ピキーン!


ライデン「貴様!女王陛下を侮辱するとは何事だ!
     貴様のような不届き者には制裁を加えてやる!
     有難く受けい!!」

ボコッ、ボコッ、ボッコボコ!

サフィ「ぎゃ〜!痛い痛い!イタイですヨ!」

ライデン「死ね!死んで女王陛下にお詫びするのじゃ!」

イシュトー「やめろライデン!私闘すると罰則だぞ!」

レベッカ「お、落ち着いてください!
     あなた達に対して色々申し訳ないことを言ったことは謝りますから!」

ファーリル「あ、もしもしカーター?ちょっとライデンが暴走してるんだけど。」

ライデン「落ち着きました。」

ソラト「どんだけカーター軍団長は味方に恐れられてるんだろう?」

サエ「びっくりしました。ライデンさんって意外と情熱的なんですね。」

リッツ「ああ、帝国への忠誠の厚い俺でも、引くくらいな。」

サフィ「ヒー、まさか味方の攻撃で死にかけるとは思いませんでしたネ…」

ヘンリエッタ「いいですかみなさん、今は戦略会議中です。
       以後、私語は慎むように。」

ルーシェント「喉渇いた。お水ちょーだい。」

ローディア「ルーシェント先輩…、話し聞いてましたか?」

ファーリル「じゃあ落ち着いたところで再開するよ。
      僕としても戦局にそろそろ変化が欲しいと思っていたところだ。
      普通に攻めてもらちが明かないからね。」

ヘンリエッタ「と、言いますと?」

ファーリル「城攻めの経験があまりない諸国同盟の師団もだいぶ慣れてきたと思う。
      そこで、今のところ役割がない騎兵部隊を動員して
      ここから北にあるエオメルを占領しようとおもう。
      あそこからプラム盆地を迂回してカンパネルラに直接攻撃という手も
      悪くないかもしれないね。」

ノクロス「それは確かに名案ですが、なぜ今頃になって?
     アネット攻略を開始した時でも良かったのではないかと。」

ライデン「その通りです。我ら帝国騎兵部隊も敵が出撃してこないため
     開戦以来暇を持て余しています。」

ファーリル「そうだね。おそらく開戦当初ならエオメルも警戒態勢を敷いているだろうけど、
      僕たちがここに釘付けになってる今ならば、相手も少し油断して
      防備も薄くなっていると思うんだ。」

サエ「それで軍団長はこの時期に…」

ファーリル「よって、ノクロスとライデンは騎兵2000人に軽装歩兵を乗せて、
      速攻でエオメルを陥落させるんだ。わかったね。」

ノクロス「おまかせください。」

ライデン「では明朝には出撃いたします。」

ファーリル「いや、今から行ってきて。」

二人『え?』

ファーリル「騎兵部隊は暇なんでしょ。だったら十分元気だろうから
      予備の軽装歩兵を連れて夜道をダッシュだ。」

イシュトー「軍団長…、恐れながらここはまかりなりにも親魔物領。
      夜間行軍は魔物に襲われる危険性があります。」

ファーリル「そうだね。だからこそ敵も夜道を行軍してくるとは思わないだろうね。」

ライデン「わかりました。危険を承知で夜道を駆け抜けて見せます。」

ノクロス「ええ、私は方向感覚には多少の自信があります。
     街道沿いを行けば迷うことはないでしょう。」

ファーリル「じゃあ二人とも。頼んだよ。」



こうしてノクロスとライデンは幕舎を出て、
別行動部隊の編成に向かった。



ファーリル「そして諸侯同盟の将軍らも、大分攻城戦に慣れてきたと思う。
      油断しなければ僕の細かい指示なしでも戦えるはずだ。」

ルーシェント「まーね。じわりじわりとやっていくしかないし。」

サエ「反撃は厳しいですが、消耗を抑えるよう努力はしてます。」

ファーリル「じゃあ僕も明日から本気だすとするか。」

ソラト「ファーリル先輩、それダメな人の言う言葉ですから。」







次の日、ファーリルはいつものように軍団長の指揮台に立ったが、
いつも各将軍と連絡を取り合う水晶を手に持っていない。
その代り、分厚い魔道書を携え、聖水で複雑な魔法陣を描く。

「ふぅ、久しぶりだから上手くできるかな?」

指揮台から、目の前にそびえるアネットの堅固な城砦を見据える。
そして、意識を徐々に『心ではない何か』に浸透させていく。


Shelter i mi fy hun, darnau o olau,

mae fy mywyd yn unig Re y Kinari

Bydysawd, y bywyd rhai tynged o ryw ,

mae rhai cael ei ledaenu dros ofod ddiddiwedd

Yr allwedd i reoli drostynt i gyd, a agorodd y drws,

mae Nari Nationals i olau

Mae'r haul yn goleuo y ddaear, y lleuad goleuadau y noson dywyll

Trin y tir, pridd, cynhyrchu Nac,

dod â bywyd St dŵr Naru , rhuo yn y nefoedd Thunder

I'r crëwr bywyd, y fam y rhai byw,

y môr o olau Re Renaki Chitaru cael ei lenwi gyda thynerwch serchog

Sound chwarae ar y llawr naws cefnfor Gentle, ffoniwch y clychau aur

Great Blue Sky, i gwmpasu popeth, telyn Den

Yn ystod y stopio, yn caniatáu i atal, y saethau y goleuni basio

grisiau tro Diderfyn ddiddiwedd,

blocio ngoleuni'r y tywyllwch dwfn am byth

Yn sicr o weithiau ar gau i'r tywod gwydr y cawell,

bydd y gorffeniad dychwelyd Re

Y ffordd un yn wir i Dinasyddion mewn un dungeon,

nid yw'r ddau yn, y drws yn dod i lawr un

Re y lle i ddod ar gyfer pob lleoliad yn dychwelyd

Nid ydym yn caniatáu mynd ar goll, y gân y dinistr…


その口はただひたすらに詠唱を紡ぎ、
足元の聖水で書かれた魔法陣からは青白い炎が上がる。


『…、……、………、七星、全てを無に帰す光…、
      …、……、………、裁くは、神にあらず、我のみ…
            【セプテントリオン(恒極七星)】!!』




突如戦場が闇に包まれた。

この事態に敵味方とも攻撃の手が止まった。

ふと空を見上げるとそこには、

闇の中でも煌々と光る七つの星が見えた。


「ちょ!ちょ!何、何!?今どういう状況!?」
「ファーリル先輩が本気を出すってそういうことか…
城壁付近にいる兵士は後ろに下がれ!巻き添えを食らうぞ!」

最前線にいるソラト率いる第三師団は、慌てて城壁から離れる。
すると、その数秒後には七つの星から光が降り注いだ。



カッ!!

シュバアアアァァァッ!!

ドゴオオオォォォォ!!


天から降り注いだビームは瞬く間に直撃した城壁を蒸発させ、
衝撃波が直撃箇所の半径30メートルにあった物体を吹き飛ばす。
そして、ワンテンポ遅れて戦場に轟音が轟いた。


「ヒーッ!なんですかアレは!」
「…セプテントリオン。ロンドネル中央図書館に収蔵されている
一撃必殺の対軍魔法だったはず。
あんなの喰らったらただじゃ済まないよ。」

この光景を見た十字軍の兵士は、ただただ唖然としていた。

「わ、私の弩砲の立場っていったい…?」
「ふむう。これはすごい魔力エネルギーだ。
一撃の重さなら魔王の攻撃に匹敵するのではなかろうか。」

心が折れかけたレベッカとは対照的に、
バートンは顔色一つ変えず、状況分析に浸っている。





一方アネット城内では…



       
ドガシャアァァッ!!


「なっ!?」
「うおっ!?」

司令塔で指揮をとっていたフェデリカとツィーリンを
ものすごい衝撃と揺れ、轟音が襲う。
ここは直撃コースからは大分離れてはいるものの、
司令塔から見えていた外側の城壁の一部が消滅していた。

「今のは一体!?」
「…なんという恐ろしい魔力の動きだ。
敵陣営には高位のバフォメットでもいるというのか?」
「こんなときにレナスがいないといまいち状況が把握できんな。
だが、今は損害の確認が先だ!」
「いや、フェデリカ市長は市街地に向かってくれ。
今の攻撃で市民が恐慌を起こしている可能性がある。」
「すまんなツィーリン。そっちはたのんだ。」


フェデリカは司令塔を降りて市街地に向かう。
ツィーリンが指摘したとおり、アネットに降り注いだ破壊光線は
住人たちをパニックに陥れていた。
その光景はまるで、世界の終焉が迫っているかのようだった。


「大丈夫か!みんな!」
「市長!無事だったんですね!」
「アネットは今度こそ終わりなのでしょうか?」
「私たちはこれから一体どうすれば…」

フェデリカの存在にいち早く気がついた
アルラウネ・スライム・ジョロウグモなどが、
フェデリカに助けを求める。

「正直に言って今までの敵とはわけが違う。私らも大苦戦だ。
だが、リリシア達が戻ってくれば城外の敵とも戦えるはずだ。
それまで市民のみんなは自分たちの家でじっとしていてくれ。」
「そうですみなさん。今は耐えるときです。
今全員の心が一つになれば、あの革命のときのように奇跡は起きるはずです。」
「お、パスカル。お前も来てくれたのか。」
「内政官の私が出来ることはこれくらいしかありませんから。
それと、被害を受けた城壁を急いで修復しなくてはなりません。
忙しくなりそうです。」
「すまんな、苦労かける。」

市街地の恐慌を治めるため、内政官のパスカルも府庁から飛び出し
積極的に人心の平穏をとりもどすべく奮闘した。

かつてないアネット陥落の危機に、
市民たちは一体となって立ち向かっていくことを改めて決意した。

しかし…





「リリシアの軍が壊滅!?」
「はっ…、リリシア様率いるカンパネルラ軍主力はユガット街道上のルピナス河畔において
十字軍本隊と激戦を繰り広げた末、大被害を被り撤退…
リリシア様及びその他将軍の消息は不明です。」

その夜フェデリカの下には、カンパネルラ軍大敗北の報が伝えられた。

「…、……、冗談だろ。そんなの…ウソに決まってる。嘘だと言え!」
「く、苦しいです…フェデリカ様………、ギ…ギブギブ……」
「くそっ!くそっ!私たちはこれからどうすればいいんだ!」
「ゲホゲホ…ッ、し…死ぬかと思った…」

思わず伝令に摑みかかってしまうほど、フェデリカは狼狽していた。
ただでさえ敵の大魔法を目の当たりにして、意気消沈しているところに
頼みの綱の主力軍が大被害を受けたという情報が伝われば、
士気の低下で戦意が保てなくなるかもしれない。
しかし、敗北をひた隠しにすることもできない。できるはずがない。
そんなことをすれば自分への信頼は大きく揺らいでしまう。

「レナータやツィーリン、パスカルを呼んできてくれ。
リリシアが敗北したことを全員に伝える必要がある…」
「わかりました。」

結局フェデリカは、大本営発表を避けることにした。
明日からは目の前の敵だけでなく、自分の心とも戦わなければならない。
ミノタウルスのフェデリカにとっては、かなりの難題だった。



もちろん、この情報は第二軍団・第三軍団にも伝わった。


「聞いたかファーリル!エルがカンパネルラ軍主力に大打撃を与えたらしいな!」
「そうだね。これで何者にも邪魔されることなくアネット攻略を続行できるね。」
「しかも報告によると、本隊の損害はほとんどないと言っている。
そうなれば場合によっては2・3日後にはプラム盆地を抜けて
カンパネルラに直接攻撃できるかもしれん。」
「うーん、それよりもさ、退却した兵士ってどこに向かってるの?」
「それがな、一部を除いてここアネットに退却してくるんだと。」
「じゃあ10日後には退却した部隊が戻ってくるのか。」
「そうだ、この際だから街道を封鎖して徹底的に殲滅したらどうだ?」
「それはやめた方がいいね。退路を失うと死ぬ物狂いで突っ込んでくるかもしれないし。」
「かといっても、敗残部隊の戦力も侮れないだろう。そのままアネットに入れるのは危険だぞ。」
「だったらさ、街道上で伏兵して前列をわざと無視して後ろの方を攻撃すれば、
敵は逃げるのに精いっぱいであまり反撃されないんじゃないかな。」
「それだ!それでいこう!じゃあ手筈はこちらで整えておくから。」
「よろしくね。」


どうやらカンパネルラ軍の残存部隊は、まだまだ受難が続きそうだった。










変わってこちらはエオメルに向かって急行する第二軍団第二師団。
エオメルまでは直線距離では3日ほどだが、
山や森を縫って道が曲がりくねるため、想像以上に時間がかかる。

その上…


「ライデン。」
「はっ、いかがいたしましたか師団長。」
「あれをみてくれたまえ。」

ノクロスが指差した上空には、数匹のブラックハーピーがいた。
彼女たちはこちらが気付いたと見るや、すぐに姿を消した。
すでに空は夕日に染まっていた。
つまりブラックハーピーにとって最も都合がいい時間帯だ。

「全軍に通達!間もなくブラックハーピーの群れから襲撃される!
弓兵を中心に置き、歩兵は弓兵を援護!
騎兵は空中からの攻撃に自信が持てないなら下馬せよ!」

第二師団は急いで戦闘隊形を整える。
弓兵を中心に複数の円陣を組み、
その隙間を精鋭の騎兵で補完する。


そして、ノクロスが指摘したとおり、
ブラックハーピーの大群が瞬く間に襲いかかってきた。
その数は優に500匹を超えていた。

「いいか弓兵はギリギリまで引き付けること。
合図があるまでは撃たないように。」
「相手が拡散しないうちに一気に仕留めるぞ。」

命令を受けたアーチャーやハンター(猟兵)は
鏃を構えて敵の接近を待ち受ける。
周囲を守る歩兵や騎兵にも緊張が走る。

「距離100…」
「そんな距離では当たらない。」
「距離70…」
「まだ射程外。」
「もう距離40です!」
「もう少し…」
「距離15!気が狂いそうです!」
「よし!今だ!フォイア!」


ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!


弓兵隊長の指示で一斉に矢が放たれる。
たちまち数十匹のブラックハーピーが撃墜される。
だが、彼女たちはそれでも襲撃をやめようとしなかった。


「あはぁ♪久しぶりに生きのいい獲物でいっぱいね♪」
「早い者勝ちよ!でも、いろいろ目移りしちゃうわね!」
「決めた!わたしはあの剣を持ってる子にする!」

どうやら彼女たちは発情期にあるらしく、
命の危険も顧みず、無秩序に襲いかかってくる。
肩や腕をつかまれて連れ去られそうになった兵士が何人もいたが、
集団戦法に特化したおかげで、味方に助けられることも多かった。
しかし、数が意外と多い上に相手は翼をもつ魔物。
軽装兵のみの第二師団は苦戦を強いられた。

ノクロスも、ダマスカスソードを振い
向かってくるブラックハーピーを素早く切り裂いていく。

ライデンは槍を装備している者を指揮して、
容易に近づけないように陣形を整えていた。


そして、15分にわたる攻防の末に
ブラックハーピーの群れは去って行った。
幸いにして死者はいなかった。
そう、死者は…


「被害状況を報告します。先ほどの襲撃で28人が連れ去られた模様。
内訳は剣士10、ハルバーディア3、トールーパー5、アーチャー6、ハンター4。」
「やはり剣士の被害率が高い。だが、追いかけたところで追いつけない。
連れ去られた兵士には悪いですが、奪還作戦は行わないことにします。」
「また、さらに悪いことに、携行兵糧の備蓄を多少持っていかれました。」
「残りはあと何日もつ?」
「はっ、どうやらあと3日程度です。」
「それはそれは…」

どうやら防御に気を取られているうちに、食料を取られてしまったようだ。
ノクロスは自分の迂闊さに顔をしかめた。
今のままではエオメルにギリギリ到達できる程度しかない。
だが、軍律により略奪は禁止されているため、
物資を現地調達するわけにはいかないのだ。


「ライデン。」
「はっ、いかがいたしましたか。」
「今のままではエオメル攻略に余裕がない。」
「引き上げ、ですか?」
「いや、今から進路を変更する。街道をそれて森林地帯を抜けよう。」
「あの森林地帯を、ですか!?危険です!
我々は土地勘もありませんし、魔物が徘徊しています!」
「虎穴に入らずんば虎児を得ず、です。」


ノクロスの指示で第二師団は闇夜の森林を駆け抜けた。
手には松明を持ち、ノクロスが先頭に立って北上を続ける。
土地勘がないにもかかわらずノクロスは迷うことなく師団を導いていた。

やがて、日付が変わって数刻した後、全軍を一旦休ませることにした。
歩兵と騎兵で交代しながら見張りと休息をする。
わざと篝火を大きく燃やして、魔物への警戒をした。
野生のグリズリーやオークなどが何匹か襲ってきたが
その都度撃退した。

そして、日の出と共に休憩を終える。

「全員そろっているか。」
「師団長!弓兵のフィスが行方不明です!」
「行方不明か…、相方は?」
「それが相棒のアレンスキーも気がつかなかったとのこと…」
「師団長。これはもしや脱走では?」
「わからない。だが、この森で行方不明になったなら
見つかる可能性は非常に低い。残念ながら捜索はしない。」

非情な判断だが、今は仕方がない。
一人のために軍全体を危機に陥らせることはできない。
第二師団は再び森の中を疾走していった。





「くそっ!離せ!俺をどうする気だ!?」
「…………」
「ちくしょう、なんか言ったらどうなんだ!」

第二軍団が休憩していた地点から少し離れた密林の中で、
行方不明のフィスが魔物に襲われていた。
その魔物はカマキリのような姿をしていた。
訓練課程でフィス魔物については軽く習ったが、
目の前の魔物は見たことがなかった。

それもそのはず。
目の前の魔物は目撃例が非常に少なく、
最新の魔物辞典にしか載っていない種類だからだ。

「……………………」
シャキーン
「くっ!俺の命もここまでか!」

魔物は、腕に備わった大きな鎌を
フィスめがけて無言で振り下ろす。
だが、引き裂いたのは彼の胸当てと
下に着ている支給品の布服だった。

「え?」
「……………………」


その後、誰もいないはずの森から悲鳴が聞こえるという話しが起こり、
今でもエオメルの人々の間で噂になっているという。




そんなことはつゆ知らず、
第二師団は昼間でも薄暗い森林を駆け抜けた。
そしてついに、森林の切れ目が見えてきた。

「師団長!ついに森林を抜けました!」
「おそらくここを抜ければ…!」





森林を抜けたら


そこは…


エオメルだった!



「なんと!師団長、目の前はエオメルです!」
「これは嬉しい誤算。敵の守備が整わないうちに攻撃せよ!」
「了解!」


一方でエオメルの守兵たちは、突然姿を現した敵を見て狼狽していた。

「早く門を閉めろ!」
「兵士たちは急いで武器を取ってきなさい!」
「警戒の鐘を鳴らせ!」

守備隊長らしきリザードマンは、各部隊長に素早く指示を出した。

だが、機動力に優れた第二師団はあっという間に門からなだれ込み、
抵抗らしい抵抗を受けずに府庁を占領してしまった。
市長のカペラが不在だったことも災いした。
あとは住民反乱を抑えて、一時的に軍事占領した後
改めて行政官を派遣して正式に統治を行うことになるだろう。


「おつかれさま、ライデン。よく頑張ってくれた。」
「いえ、師団長こそあれだけ複雑で広大な森林を
迷わず駆け抜けるなんて、尊敬します。」
「私は前から別動部隊としてこういった地形を行軍しているからな。
よほど方向感覚が迷う仕組みがなければ大抵の難所は踏破できるようになった。」
「私も見習いたいものです。
そうすれば女王陛下が道に迷っても、私がお助けにあがれるのだが。」
「こればかりは経験しかないだろうね。」


ノクロスの機転により短期間にしてエオメル占領はなされ、
同時期にはチェンバレンも十字軍の手に落ちた。
この報告は第二軍団と第三軍団を沸き立たせ、
アネットの士気をより一層落とした。


さらに2日後、第四軍団によってプラム盆地も陥落。
本隊と合流してカンパネルラに直行するだろう。




開戦から約一ヶ月で、
十字軍はカンパネルラ地方の大半を手中に収めることに成功した。
その勢いはまさしく電撃の如き速度であった。



カンパネルラ電撃戦 後編
概要図


11/03/01 16:42 up
登場人物評


ヘンリエッタ コマンドナイト30Lv
武器:フレイムランス
諸国同盟の一領主を務める妙齢の女性。炎を纏った槍を繰る。
この歳になってもいまだに独身。しかもショタコン。

リッツ  インペリアルナイト29Lv
武器:勇者の剣
帝国近衛騎士団の部隊長の一人。自分にも他人にも厳しい鬼軍曹。
しかし、下士官からの人気は高い。かつてはアネットに住んでいた。

ルーシェント スナイパー24Lv
武器:アーチドロワー(弓)
弓を得意とする将軍。さばさばした性格だが、意外と頼りになる。
好奇心旺盛で面白いことに飢えており、何かと後輩に絡む。

サエ  騎兵魔道士24Lv
武器:雷魔法(サンダーリレーなど)
ルーシェントの同僚。詠唱の素早さに定評がある。
お淑やかで上品だが、たまに変な言動をとるマイペースな人。

ローディア ソードマスター20Lv
武器:ツヴァイハンダー(剣)
ジパングからの交易品の和服を着て戦う剣の名手。剣聖の子孫。
かつては悪徳領主を懲らしめる仕事人だったが、恥ずかしがり屋。

ライデン パラディン18Lv
武器:銀の槍
帝国騎兵部隊を率いる若き将軍。普段は質実剛健で真面目な性格。
しかし、極端な女王崇拝者で、女王をバカにすると暴走する。

サフィ  チェイサー17Lv
武器:ロングボウ
ルーシェントの妹。同じく弓が得意。軍のムードメーカー的存在。
計略にかかりやすいが、罠設置の腕前は超一流。

イシュトー ドラゴンマスター18Lv
武器:スレンドスピア
銀髪の角刈りが特徴的な若き将軍。竜騎士部隊を率いる。
非常に部下思いで、常に堅実な戦いを心がけている。

レベッカ カタパルテス18Lv
武器:ヘレポリス(弩砲)or ロングボウ
諸国同盟農村部出身の田舎娘。素朴な性格で、誰とでもうち解ける。
複雑な仕組みに興味があり、新兵器の弩砲を扱うことになった。

バートン 学者―Lv
工業が盛んな都市出身の技術学者。新兵器の開発を担当する。
何事も客観的かつ理論的に考える完全な学者脳。



ユリア「これで十字軍の将校は全員が紹介されましたね。
まだ一度も喋っていないキャラクターもいますが、そのうち出ます。

しかし…、今回私出番がありませんでしたね。
エンジェルの話なのにこれでいいんでしょうか?
あ、いえ、決して出番が少なすぎると言っているわけではありません!
ありませんが…、うーん…、……。

まあ、次の話に期待するとしましょう。
カンパネルラ電撃戦自体はもう少し続きますが、
後はカンパネルラとアネットの攻略だけです。
この後の展開もお楽しみに。

以上、ユリアでした♪」

バーソロミュ
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